JPH0626453Y2 - コンソ−ルボックス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はフロアコンソール等のコンソールボックスの
改良、特にコンソールボックスの表面と天然のツキ板を
もって被装し、自然な風合と、深い趣きとを自動車のフ
ロア内にもたらすと同時に、良好な肌触り感のあるコン
ソールボックスを提供するものである。

（従来技術） 一般にコンソールボックスは一体型のものであっても分
割型のものであってもインジェクションあるいはバキュ
ーム成形による樹脂成形品であるものが多く、そのまゝ
の状態又は表面にビニルレザー等を張りつけたものであ
った。

又、一部ではフロアの他の色調と調和させる目的でボッ
クス表面に木目を印刷したり、あるいは木目のプリント
を張り込んで、そのプリント上に薄い皮膜を設けて、自
然の風合を出そうとしたものがある。

（本考案が解決しようとする問題点） しかしながら、この種のコンソールボックスにおいては
素材が外部より一目で判然され、しかも面一的なものと
なり易く、フロアでの装飾特性を著しく損ずる傾向にあ
った。

又、材質の面より冬期においてはカサついた感触を生じ
易く、しかも接触時に静電気を生ずる等の不都合があ
り、夏期には発汗現象を生じ又接触時にベタつき感をも
たらす不都合があった。

更に、化粧塩ビフイルム等を張込んだコンソールボック
スにおいては、この化粧層が極薄状であることから、掻
傷等によっても用意に化粧の木目部分が無くなる不都合
を有していた。

又、車内での温度変化の幅が特に大きいことよりコンソ
ールボックスの変形あるいは歪出しが起り易く、このコ
ンソールボックスの表面に化粧フイルム等を張込んでい
る場合、この化粧フイルムにヨレ、ツレ出しがもたらさ
れる不都合があった。

（問題を解決するための具体的な手段） この考案は、かゝる従前におけるコンソールボックスの
改良をなすものであり、特にコンソールボックスの表面
を天然の板材である化粧ツキ板をもって直接覆うべく、
その構成をセルロース系の微粉骨材を含有している0.1
〜0.8mm厚の熱可塑性樹脂フイルムに0.1〜0.3mm厚の化
粧ツキ板が積層接着されている化粧シートを、該化粧シ
ートの樹脂フイルムの面を接着面としてボックス面に張
込み、該ボックス面の全部又は一部が該化粧シートをも
って覆うことゝした。

（実施例） 以下本考案に係るコンソールボックスの典型的な実施例
について説明する。先ず用意されるコンソールボックス
のボックスフレームＡは、インジェクション成形あるい
はバキューム成形、又はホットプレス成形時により型づ
け提供されることを典型例としており、一体型の場合と
分割型の場合とがある。又、使用される樹脂素材も、コ
ンソールボックスの大きさ、形状及び車の用途によりＡ
ＢＳ樹脂、ポリカーボ樹脂その他の適宜の素材からなる
ものとし、形状も任意のものが用意される。

次いで、このコンソールボックスのフレームＡに被装さ
れる化粧シートＢは以下の構成のものが用意される。

先ず、木粉等のセルロース系の骨材を極乾状態にまで乾
燥し、でき得れば80〜150メッシュ程度の微粉状とした
後に塩化ビニウ等の熱可塑性樹脂素材に混入する。これ
を主としてカレンダーロールで練込みながら0.1〜0.8mm
厚のフイルム１とし、これに補強生地２を張込む。

尚、フイルム１は、フイルム中にセルロース系の骨材が
混入されており、しかも極薄状に構成されていることよ
り、フイルム１に充分な通気性と、透湿性がもたらされ
ており、しかもフイルム１の表面に露出している骨材が
良好な接着面を提供している。

次いで、このフイルム１に張合される補強生地２は、
布、紙又はこの布と紙との二層からなるものとし、フイ
ルム１の成形に際して、この生地２を添装し、圧融着す
ることによって両者の均一な密着がなされた。尚、この
生地２の添装接着は、フイルム１の補強であると同時に
フイルム１の伸縮を抑制する機能と、フイルム１のフレ
ームＡに対する安定した接着効果を出す目的がある。

このように生地２が積層融着されているフイルム１の他
方の面に0.1〜0.3mm厚の化粧ツキ板３を張込み接着して
化粧シートＢを構成している。

尚、フイルム１に対してサンディングを施し、表面のス
キン層部分を取り除いて、フイルム１の残留内部応力を
除去し、又ツキ板３との接着効果を高める場合もある。

このようにして構成された化粧シートＢは、このまゝの
状態でフレームＡに張込まれる場合と、この化粧シート
Ｂに対し再加熱による養生処理を施し、あるいはロール
機に再度かけて揉みこみ、シート中の残留内部応力を取
除くことがある。

かゝる化粧シートＢをフレームＡに張込み、あるいはフ
レームＡを構成すべきプレートに張込んだ後にホットプ
レス等で型づけをしてボックス形状に構成することゝし
た。

尚、ボックスフレームＡに張込まれる化粧シートＢは、
必ずしも生地２を有するものゝみでなく、生地２を省略
した状態でフレームＡに張込まれる場合がある。又張込
まれるシートＢはフレームＡの全面に亘ることなく上面
のみ、あるいは周側面のみのように限定的に張込まれる
場合がある。

（効果） 本考案に係るコンソールボックスは叙上における特長あ
る構成よりして以下の具体的な効果を生ずる。即ち、 (1)ボックスの表面が天然木の板材で覆われているので
フロア全体が豪華な感じとされ、しかも独特の落ついた
趣きをフロア内にもたらす効果がある。

(2)手触り感が良く、冬期においてもシットリとした肌
触りとなり、又夏期においてもベタつき感が無く、発汗
現象も生じない。

(3)ツキ板３がフイルム１により裏打ちされていること
からツキ板３が張込みに際し無理なく円滑に張込めると
共にコーナー部分においても割れたり裂けたりすること
なく自然な曲がりをもって張込むことができる。

(4)ツキ板３がフイルム１と生地２を介在してフレーム
Ａに接着されていることから、フレームＡの変形、歪み
出しによりツキ板３が剥れたり、歪んだりすることが無
く、良好な張込み状態がそのまゝ維持される利点があ
る。

(5)フイルム１の伸縮が生地２により抑止されているこ
とから、このフイルム１の膨張、収縮に伴ってフイルム
１に張込んだツキ板３が裂けたり、ヨレたりすることが
ない。又フイルム１を特にセルロース系の骨材を含有し
たものとすることにより、このフイルム１自体の膨張、
収縮を必要最小限にとどめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンソールボックスの斜視図、第
２図及び第３図は同断面図、第４図は一部拡大断面図で
ある。 Ａ……ボックスフレーム、Ｂ……化粧シート、１……フ
イルム、２……生地、３……ツキ板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】セルロース系の微粉骨材を含有している0.
   1〜0.8mm厚の熱可塑性樹脂フイルムに0.1〜0.3mm厚の化
   粧ツキ板が積層接着されている化粧シートを、該化粧シ
   ートの樹脂フイルムの面を接着面としてボックス面に張
   込み、該ボックス面の全部又は一部が該化粧シートをも
   って覆われていることを特徴とするコンソールボック
   ス。