JPH06283369A - 誘電粉体積層コンデンサの製造法 - Google Patents

誘電粉体積層コンデンサの製造法

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JPH06283369A
JPH06283369A JP9190493A JP9190493A JPH06283369A JP H06283369 A JPH06283369 A JP H06283369A JP 9190493 A JP9190493 A JP 9190493A JP 9190493 A JP9190493 A JP 9190493A JP H06283369 A JPH06283369 A JP H06283369A
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dielectric powder
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、熱処理温度が低く、内部電極材料
として安価な銅合金又はニッケル合金を使用できる小型
で大容量の誘電粉体積層コンデンサの製造法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明にかかわる誘電粉体積層コンデンサの
製造法は、金属微粉末の表面に誘電体皮膜を設けて誘電
粉体とし、その誘電粉体に有機バインダを添加し混練し
たペーストより薄膜状シートを形成し、その薄膜状シー
トの表面に電極となる金属の微粉末を含むペーストを塗
布・乾燥したものを積層し、その積層シートをガラス微
粉末に有機バインダを添加し混練したペーストより形成
される薄膜状ガラスシートの間に挟んだ状態で圧着し、
次いで加熱処理することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型で大容量のコンデ
ンサの簡便で低コストの製造法に関するものである。小
型で大容量のコンデンサとしては半導体セラミックスを
用いる粒界絶縁型(BL型)コンデンサ又は積層型(M
L型)コンデンサが用いられているので、先ずこれらに
ついて説明する。
【0002】
【従来の技術】粒界絶縁型(BL型)コンデンサは半導
体セラミックスの粒界部に高絶縁性物質が一様に偏析し
たもので、一般的な製法としては例えばチタン酸バリウ
ム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チ
タン酸カルシウム(CaTiO3)のような誘電体原料に、半
導体化するに必要な微量の添加物、例えばLa、 Dy、Nd、
Y、 Nb、 Taなどの3価又は5価の金属の酸化物の所定量
を添加し、ボールミルで混合・粉砕してから、PVAの
ような有機バインダを添加、造粒して目的の形状に成形
した後所定の雰囲気中で1350〜1400℃で熱処理
して半導体セラミックスを得る。粒界のみを選択的に絶
縁化する為に、前記半導体セラミックスの表面にスクリ
ーン等で金属酸化物(MnO、 CuO、 Bi2O3、 PbO、 Tl2O3、Sb
2O3、 Fe2O3など、或はこれらの組み合わせ)よりなるド
ーピング剤を塗布し熱拡散する。上記金属酸化物をセラ
ミックス組成物の中に入れておき、熱処理後熱処理を行
う方法もある。最後に、その表面に電極を焼き付ける。
【0003】一方別のタイプの大容量のセラミックコン
デンサとして積層型(ML型)コンデンサがある。これ
は原料セラミック粉末をミル粉砕し、バインダを混合し
て泥漿とし、キャスティング成膜してセラミック生シー
ト(グリーンシート)とし、所定形状にするためののパ
ンチング、内部電極印刷、積層圧着、切断という工程を
経て積層生チップとし、焼結、外部電極焼付又はメッ
キ、リード線付け、外装を行って製品とする。
【0004】この場合焼結と内部電極の焼付は同時に行
われることになるが、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3)あるいはチタン酸カル
シウム(CaTiO3)などを主成分とする原料はいずれも1
300℃以上の高温で、しかも空気中で焼結する必要が
ある。このように高い温度で焼結する際に、内部電極材
料が酸化したり、溶融したり、セラミック材料と反応し
たりするのを避けるためには、内部電極材料として白
金、パラジウムのような高価な貴金属を使用する以外に
有効な手段が見出されていない。高価な内部電極材料を
使用しなければならないことが積層型コンデンサのコス
ト上昇を招いている。より低い温度で熱処理可能なセラ
ミック組成物についての研究も行われているが、それで
も1000℃前後での熱処理を必要としているのが現状
である。また外部電極焼付は焼結後に行われるので、積
層型(ML型)コンデンサの製造においても多段階の加
熱工程が必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱処理温度
が低く、内部電極材料として安価な銅合金又はニッケル
合金を使用できる小型で大容量の誘電粉体積層コンデン
サの製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる誘電粉体
積層コンデンサの製造法は、金属微粉末の表面に誘電体
皮膜を設けて誘電粉体とし、その誘電粉体に有機バイン
ダを添加し混練したペーストより薄膜状シートを形成
し、その薄膜状シートの表面に電極となる金属の微粉末
を含むペーストを塗布・乾燥したものを積層し、その積
層シートをガラス微粉末に有機バインダを添加し混練し
たペーストより形成される薄膜状ガラスシートの間に挟
んだ状態で圧着し、次いで加熱処理することを特徴とす
る。
【0007】金属微粉末としては、水銀のように液状の
もの、処理温度で溶融するもの、或は誘電体皮膜形成材
料と反応性のあるもの以外の金属の微粉末が使用可能
で、具体的には銅、銀、金、マグネシウム、ストロンチ
ウム、亜鉛、アルミニウム、イットリウム、ランタン、
セリウム、トリウム、錫、鉛、チタン、ジルコニウム、
アンチモン、ビスマス、バナジウム、クロム、モリブデ
ン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金などが挙
げられる。なかでも鉄、銅、ニッケル、アルミニウムな
どは原料が安価に入手できるので特に好ましい。
【0008】金属微粉末の粒径は5μm以下であること
が望ましい。粒径が大きければ一個当りの静電容量は大
きくなるが、その表面に誘電体皮膜を設けてなる誘電粉
体のペーストから形成される薄膜状シートの厚さが大と
なり、積層コンデンサの体積当りの静電容量が小さくな
る傾向がある。
【0009】上記のような金属微粉末の表面に誘電体皮
膜を設けて誘電粉体とする。誘電体皮膜を設ける方法と
しては、具体的には、1)半導体化した微粉末の表面に
ガラス化剤を焼き付ける、2)半導体化した微粉末の表
面に皮膜形成性シリコーンオイルを焼き付ける、3)半
導体化した微粉末の表面に皮膜形成性有機金属化合物を
焼き付ける、或は、4)半導体化した微粉末の表面を酸
化処理して再酸化誘電体皮膜を形成する、という方法が
挙げられれる。以下これらについて順次詳細に説明す
る。
【0010】ガラス化剤としては、従来一般に半導体積
層コンデンサの製造においてドーピング剤として用いら
れている金属酸化物、例えばMnO、CuO、 Bi2O3、 PbO、 Tl2
O3、Sb2O3、 Fe2O3など、或はこれらの組み合わせが挙げ
られる。上記のような金属微粉末にガラス化剤を添加し
熱処理して焼き付けることにより、ガラス化剤は金属微
粉末の表面に誘電体皮膜を形成するので誘電粉体が得ら
れる。熱処理温度はガラス化剤の種類によって異なる
が、通常は空気又は不活性ガス雰囲気中で100〜70
0℃の温度範囲とするのが適当である。ガラス化剤を用
いた場合の誘電体皮膜の厚さは0.1〜1μm程度で、
それよりも薄い皮膜は得られない。
【0011】シリコーンオイルとしては、金属面に焼き
付けたときに皮膜を形成する性質を有するもの、例えば
ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーン
オイルなどが挙げられる。必要に応じ有機溶剤を添加し
て粘度を適当に調整したシリコーンオイルを金属微粉末
に添加し熱処理して焼き付けることによりシリコーンオ
イルは金属微粉末の表面に誘電体皮膜を形成するので誘
電粉体が得られる。熱処理は通常空気又は不活性ガス雰
囲気中で100〜700℃の温度範囲で行う。シリコー
ンオイルを用いた場合は5〜10Å程度の厚さの薄い誘
電体皮膜を形成させることができる。
【0012】有機金属化合物としては、金属面に焼き付
けたときに酸化物皮膜を形成する性質を有するもの、例
えば有機チタン化合物、有機タンタル化合物、有機ニッ
ケル化合物、有機珪素化合物、有機錫化合物などが挙げ
られる。必要に応じ有機溶剤を添加して粘度を適当に調
整した有機金属化合物を金属微粉末に添加し熱処理して
焼き付けることにより有機金属化合物は金属微粉末の表
面に誘電体皮膜を形成するので誘電粉体が得られる。熱
処理は通常空気又は不活性ガス雰囲気中で100〜70
0℃の温度範囲で行う。有機金属化合物は一般に高価で
あるが、金属面に焼き付けたときに0.1〜1Åオーダ
ーの非常に薄い酸化物皮膜を形成させることができるの
で、大容量のコンデンサを製造するのに最も適してい
る。
【0013】金属微粉末の表面を酸化処理して再酸化誘
電体皮膜を形成する方法としては、金属微粉末を、硫
酸、硝酸、過酸化水素などの酸化剤を水に希釈した処理
液、或は塩酸、酢酸などを水に希釈した処理液に浸漬し
て表面の状態を変化させた後空気中で加熱乾燥する方法
が簡単で便利である。このような浸漬処理により、未処
理の金属微粉末が空気中で酸化する温度より低い温度で
表面にのみ再酸化誘電体皮膜を形成させることができ
る。試薬グレードの硫酸(純度98%)、硝酸(純度6
3%)、塩酸(純度36%)を用いる場合、500倍乃
至1000倍程度に水で希釈した処理液を用いることが
好ましい。酢酸を用いる場合は純分で4〜5%程度含有
する処理液を用いることが好ましい。処理液が濃すぎる
と再酸化誘電体皮膜が厚くなり、処理液が薄すぎると浸
漬時間が長くなるので、いずれも好ましくない。浸漬時
間が1時間程度になるように処理液の濃度を調整するの
が操作上便利である。
【0014】次いで、このようにして得られた誘電粉体
に有機バインダを添加し混練してペースト状にする。必
要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤などを添加しても良
い。有機バインダとしては、エチルセルローズ、PVA
(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラ
ール)、アクリル系ポリマ等、可塑剤としてはポリエチ
レングリコール、フタール酸エステル等、分散剤として
はグリセリン、オレイン酸エチル、モノオレイン酸グリ
セリン等、溶剤としてはアセトン、トルエン、MEK
(メチルエチルケトン)、メタノール、エタノール、シ
クロヘキサノン、水等、従来から使用されているものを
使用できるが、PVBが特に好ましい。
【0015】上記のペーストから薄膜状のシートをつく
る工程では、装置はドクターブレード法によるものが一
般的である。シートの厚さは50μm以下、好ましくは
30μm以下とするのが適当であるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0016】次いで、薄膜状シートの表面に電極となる
金属の微粉末を含むペーストをシート表面の所定位置に
塗布し乾燥する。電極材料としては、従来粒界絶縁型
(BL型)又は積層型(ML型)半導体コンデンサに使
用されている白金、パラジウムなどはもちろん使用でき
るが、本発明では加熱処理温度が低いので、安価な銅合
金又はニッケル合金の微粉末を適当な有機バインダに分
散させたペーストを使用できる。
【0017】銅合金又はニッケル合金を含むペーストに
おいて使用する有機バインダとしては、各種の樹脂を有
機溶剤に溶解した状態で用いる。樹脂の物性値として
は、溶剤に対する溶解性と粘度、加熱時の分解、燃焼状
態、銅合金又はニッケル合金微粉末との反応性、長期の
安定性等が重要となる。有機バインダに要求される特性
として、(1) 銅合金又はニッケル合金微粉末を均質に分
散させ、均質で平滑な乾燥膜、燃焼膜が得られること、
(2) ペーストの粘度、粘度適性がコントロール出来、最
適な印刷性が得られること、(3) 適当な乾燥膜強度が得
られること、(4)燃焼過程において銅合金又はニッケル
合金微粉末の焼結速度をコントロールし、緻密な燃焼膜
が得られること、(5) 銅合金又はニッケル合金含有率を
コントロールし、所定の燃焼膜が得られること、などが
挙げられる。代表的な有機バインダとしては、アクリル
樹脂フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステ
ル、各種セルロース等がある。
【0018】これらの樹脂を溶解する有機溶剤に要求さ
れる特性としては、(1) 印刷安定性が高く、乾燥段階で
は低温で蒸発し乾燥膜を形成できること、(2) シート・
アタック性が少ないこと、(3) ペーストの金属含有率と
粘度を容易にコントロールできること、などが挙げられ
る。代表的な有機溶剤としては、アルコール系、炭化水
素系、エーテル系、エステル系等がある。
【0019】シート表面に塗布する電極の形状として
は、矩形で、その一方の端が耳のように僅かに張り出し
たT字形とし、積層された電極をこの耳の部分で電気的
に接続するのが好適である。
【0020】次いで、シート表面の所定位置に電極とな
る金属、例えば銅合金又はニッケル合金の微粉末を含む
ペーストを塗布・乾燥したものを積層する。積層する場
合、通常の積層型コンデンサの場合と同じように、内部
電極がシートの一方の側に偏るように印刷されたものを
交互に反対向きに積み重ね、最終的に相対する一対の櫛
型電極になるようにする。積層数は、所望のコンデンサ
容量に応じて定めれば良い。このようにして形成された
積層シートを、ガラス微粉末に有機バインダを添加し混
練したペーストより形成される薄膜状ガラスシートの間
に挟んだ状態で圧着(プレス)する。薄膜状ガラスシー
トの厚さは100〜500μm程度が適当である。この
薄膜状ガラスシート中のガラス微粉末は次工程の加熱処
理の際に溶融して積層シートの表面を覆うので、最終製
品が吸湿して劣化するのを防止する。必要に応じて積層
シートの側面にもガラス微粉末に有機バインダを添加し
混練したペーストを塗布してもよい。
【0021】この圧着された積層シートを加熱処理する
ことにより誘電粉体積層コンデンサが製造されるが、あ
らかじめ比較的低温で予備熱処理して有機バインダを飛
ばしてから180〜900℃の温度範囲で最終熱処理を
行うことが好ましい。バインダシステムにもよるが、予
備熱処理して脱バインダすることにより、デラミネーシ
ョン、クラック、ひび割れなどの熱処理後に生じる欠陥
を少なくすることができる。
【0022】最終熱処理は、通常空気又は不活性ガス雰
囲気中で、1時間以上行う。この間に電極金属の焼き付
けが行われる。外部電極は内部電極と同時に焼き付けて
も良いし、後からメッキにより形成しても良い。このあ
とリード線取り付け、外装を行って製品とする。
【0023】本発明の誘電粉体積層コンデンサは、従来
使用されているパラジウムに比べて抵抗率の低い銅合金
又はニッケル合金を内部電極として使用できるので、誘
電正接(tan δ)が小さくなり高周波特性が向上する。
【0024】本発明の誘電粉体積層コンデンサは、半導
体積層コンデンサの特性である小型大容量であることに
加えて、積層化されているために画期的な小型・大容量
化が行われる。すなわち静電容量100μFの製品を得
るために従来の積層型(ML型)コンデンサでは60層
を必要としたのに対し、本発明の誘電粉体積層コンデン
サでは20層、或はそれ以下で良い。
【0025】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。
【0026】
【実施例1】粒径0.5μmの鉄微粉末100重量部に
対し、PbO:64重量%、Bi23 :32重量%、
23 :3重量%及びTi23 :1重量%よりなる
ガラス化剤1重量部を添加し、水を加えて固形分40重
量%のスラリーとしたものをサウンドミルで良く混合し
た後乾燥した。この微粉末を空気雰囲気中で毎時200
℃の昇温速度で500℃に昇温し、この温度で2時間維
持した後毎時200℃の降温速度で常温まで冷却して金
属微粉末の表面にガラス化剤の誘電体皮膜(厚さ約1μ
m)を有する誘電粉体を得た。この誘電粉体100重量
部に、バインダとしてポリビニルブチラール(PVB)
10重量部並びに溶剤としてシンナー50重量部を添加
し混練してペースト状とし、それから厚さ30μmの薄
膜状シートを形成した。薄膜状シートの表面に内部及び
外部電極となる銅合金を含むペーストを厚さ2μmにな
るように塗布した。この内部電極の形状は、前記のよう
に幅11.5mm、長さ22.5mmの矩形で、その一
方の端が耳のように長さ方向で2.5mm分、左右にそ
れぞれ0.75mm張り出したT字形(T字の横棒が1
3mm×2.5mm、T字の縦棒が幅11.5mm、長
さ20.0mm)とした。乾燥した後、この内部電極の
耳の部分がシートの一方の側に偏るように印刷されたも
のを交互に反対向きに20層重ね合わせ、ガラス粉末
(日本電気硝子株式会社製GA−8/500)100重
量部にバインダとしてポリビニルブチラール(PVB)
10重量部並びに溶剤(MEK:トルエン:メタノール
=1:1:1)50重量部を添加し混練したペーストよ
り形成した厚さ300μmのガラス粉末シート2枚の間
に挟んだ状態で圧着し、その耳の部分に内部及び外部電
極を接続するための電極剤ペースト(銀粉末:85重量
部、PVB:10重量部及びガラス粉末GA−8/50
0:5重量部を混練したもの)を塗布した。この積層シ
ートを空気雰囲気中で毎時50℃の昇温速度で280℃
に昇温し、この温度で2時間維持して脱バインダーし、
冷却した後切断して幅13mm、長さ22.5mmのチ
ップとした。次いで空気中で毎時200℃の昇温速度で
400℃に昇温し、この温度で2時間維持して最終熱処
理を行った後毎時200℃の降温速度で常温まで冷却し
た。幅13mm、長さ22.5mmに切断したチップ
(厚さ約0.35mm:上下のガラス層を含めた厚さ約
1.0mm)状の誘電粉体積層コンデンサの特性は静電
容量100μF±10%、εs :7.8×104 、ta
nδ(%):0.10、絶縁抵抗:8.8×105 MΩ
/cm3 、絶縁耐圧:1800V/mmで、温度特性は
B特性、電圧特性は0であった。電極材料としてニッケ
ル合金を含むペーストを用いた場合も同様な結果が得ら
れた。
【0027】
【実施例2】鉄微粉末の代りに粒径2.0μmのニッケ
ル微粉末を用いた以外は実施例1と同様な操作で誘電粉
体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ22.
5mmに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上下の
ガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静電容
量168μF±10%、εs :8.6×104 、tan
δ(%):0.08、絶縁抵抗:7.8×105 MΩ/
cm3 、絶縁耐圧:1600V/mmで、温度特性はB
特性、電圧特性は0であった。
【0028】
【実施例3】鉄微粉末の代りに、粒径2.0μmの銅微
粉末を用いた以外は実施例1と同様な操作で誘電粉体積
層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ22.5m
mに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上下のガラ
ス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静電容量1
78μF±10%、εs :9.8×104 、tanδ
(%):0.10、絶縁抵抗:8.7×105 MΩ/c
3 、絶縁耐圧:1580V/mmで、温度特性はB特
性、電圧特性は0であった。
【0029】
【実施例4】鉄微粉末の代りに粒径1.0μmのアルミ
ニウム微粉末を用いた以外は実施例1と同様な操作で誘
電粉体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ2
2.5mmに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上
下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は静電
容量128μF±10%、εs :6.8×104 、ta
nδ(%):0.07、絶縁抵抗:9.6×105 MΩ
/cm3 、絶縁耐圧:1880V/mmで、温度特性は
B特性、電圧特性は0であった。
【0030】
【実施例5】粒径1.0μmのニッケル微粉末100重
量部に対し、シリコーンオイル(信越シリコン株式会社
製ジメチルシリコーンオイルKF−96:粘度100c
St/25℃)5ml及びMEK(メチルエチルケト
ン)25mlを添加してスラリーとしたものをサウンド
ミルで良く混合した後乾燥した。この微粉末を空気雰囲
気中で毎時200℃の昇温速度で500℃に昇温し、こ
の温度で2時間維持した後毎時200℃の降温速度で常
温まで冷却して金属微粉末の表面にシリコーンオイルの
誘電体皮膜(厚さ約10Å)を焼き付けた誘電粉体を得
た。この誘電粉体を用いた以外は実施例1と同様な操作
で誘電粉体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長
さ22.5mmに切断したチップ(厚さ約0.3.5m
m:上下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性
は、静電容量160μF±10%、εs :8.3×10
4 、tanδ(%):0.6、絶縁抵抗:1.5×10
5 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1080V/mmで、温度
特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0031】
【実施例6】ニッケル微粉末の代りに粒径0.5μmの
鉄微粉末を用いた以外は実施例5と同様な操作で誘電粉
体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ22.
5mmに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上下の
ガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静電容
量186μF±10%、εs :12.6×104 、ta
nδ(%):0.5、絶縁抵抗:1.7×105 MΩ/
cm3 、絶縁耐圧:1180V/mmで、温度特性はB
特性、電圧特性は0であった。
【0032】
【実施例7】ニッケル微粉末の代りに粒径2.0μmの
アルミニウム微粉末を用いた以外は実施例5と同様な操
作で誘電粉体積層コンデンサを製造した。幅13mm、
長さ22.5mmに切断したチップ(厚さ約0.35m
m:上下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性
は静電容量178μF±10%、εs :10.5×10
4 、tanδ(%):0.4、絶縁抵抗:1.8×10
5 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1210V/mmで、温度
特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0033】
【実施例8】ニッケル微粉末の代りに粒径2.0μmの
銅微粉末を用いた以外は実施例5と同様な操作で誘電粉
体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ22.
5mmに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上下の
ガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静電容
量188μF±10%、εs :11.0×104 、ta
nδ(%):0.33、絶縁抵抗:1.45×105
Ω/cm3 、絶縁耐圧:1260V/mmで、温度特性
はB特性、電圧特性は0であった。
【0034】
【実施例9】粒径1.0μmのニッケル微粉末100重
量部に対し、有機チタン化合物(日本曹達株式会社製:
アトロンNTi−500)25ml及びMEK(メチル
エチルケトン)100mlを添加してスラリーとしたも
のをサウンドミルで良く混合した後乾燥した。この微粉
末を空気雰囲気中で毎時200℃の昇温速度で500℃
に昇温し、この温度で2時間維持した後毎時200℃の
降温速度で常温まで冷却して金属微粉末の表面にチタン
酸化物の誘電体皮膜(厚さ約1Å)を設けた誘電粉体を
得た。この誘電粉体を用いた以外は実施例1と同様な操
作で誘電粉体積層コンデンサを製造した。幅13mm、
長さ22.5mmに切断したチップ(厚さ約0.35m
m:上下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性
は、静電容量220μF±10%、εs :12.5×1
4 、tanδ(%):0.3、絶縁抵抗:11.6×
105 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1240V/mmで、
温度特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0035】
【実施例10】ニッケル微粉末の代りに粒径0.5μm
の鉄微粉末を用いた以外は実施例9と同様な操作で誘電
粉体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ2
2.5mmに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上
下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静
電容量200μF±10%、εs :11.8×104
tanδ(%):0.25、絶縁抵抗:11.5×10
5 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1180V/mmで、温度
特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0036】
【実施例11】ニッケル微粉末の代りに粒径2.0μm
のアルミニウム微粉末を用いた以外は実施例9と同様な
操作で誘電粉体積層コンデンサを製造した。幅13m
m、長さ22.5mmに切断したチップ(厚さ約0.3
5mm:上下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の
特性は静電容量230μF±10%、εs :12.8×
104 、tanδ(%):0.31、絶縁抵抗:11.
8×105 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1260V/mm
で、温度特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0037】
【実施例12】ニッケル微粉末の代りに粒径2.0μm
の銅微粉末を用いた以外は実施例9と同様な操作で誘電
粉体積層コンデンサを製造した。幅13mm、長さ2
2.5mmに切断したチップ(厚さ約0.35mm:上
下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静
電容量233μF±10%、εs :13.0×104
tanδ(%):0.33、絶縁抵抗:10.8×10
5 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1080V/mmで、温度
特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0038】
【実施例13】粒径1.0μmのニッケル微粉末を米酢
(酢酸含有量4.5重量%)に1時間浸漬し、乾燥後空
気雰囲気中で毎時200℃の昇温速度で500℃に昇温
し、この温度で2時間維持した後毎時200℃の降温速
度で常温まで冷却してニッケル微粉末の表面に酸化ニッ
ケルの皮膜を設けた誘電粉体を得た。この酸化ニッケル
皮膜を電子顕微鏡で観察したところ厚さ約10〜20Å
であった。この誘電粉体を用いた以外は実施例1と同様
な操作で誘電粉体積層コンデンサを製造した。幅13m
m、長さ22.5mmに切断したチップ(厚さ約0.3
5mm:上下のガラス層を含めた厚さ約1.0mm)の
特性は静電容量128μF±10%、εs:7.8×1
4 、tanδ(%):0.58、絶縁抵抗:1.35
×105 MΩ/cm3 、絶縁耐圧:1120V/mm
で、温度特性はB特性、電圧特性は0であった。
【0039】
【実施例14】粒径1.0μmのニッケル微粉末を、水
で1000倍に希釈した塩酸(試薬グレード:純度36
%)に1時間浸漬し、乾燥後、空気雰囲気中で毎時20
0℃の昇温速度で500℃に昇温し、この温度で2時間
維持した後毎時200℃の降温速度で常温まで冷却して
ニッケル微粉末の表面に酸化ニッケルの皮膜(厚さ約1
0〜20Å)を設けた誘電粉体を得た。この誘電粉体を
用いた以外は実施例1と同様な操作で誘電粉体積層コン
デンサを製造した。幅13mm、長さ22.5mmに切
断したチップ(厚さ約0.35mm:上下のガラス層を
含めた厚さ約1.0mm)の特性は、静電容量110μ
F±10%、εs :8.98×104 、tanδ
(%):0.30、絶縁抵抗:1.9×105 MΩ/c
3 、絶縁耐圧:1200V/mmで、温度特性はB特
性、電圧特性は0であった。なお、水で1000倍に希
釈した塩酸の代りに、水で1000倍に希釈した硫酸
(試薬グレード:純度98%)又は水で1000倍に希
釈した硝酸(試薬グレード:純度63%)を用いた場合
も同様な操作で誘電粉体積層コンデンサが得られた。
【0040】
【発明の効果】1)小型で大容量の誘電粉体コンデンサ
が得られる。2)安価な電極材料を使用できるのでコス
トが軽減される。3)耐電圧性の優れた誘電粉体コンデ
ンサが得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】上記のような金属微粉末の表面に誘電体皮
膜を設けて誘電粉体とする。誘電体皮膜を設ける方法と
して、具体的には、1)金属微粉末の表面にガラス化剤
を焼き付ける、2)金属微粉末の表面に皮膜形成性シリ
コーンオイルを焼き付ける、3)金属微粉末の表面に皮
膜形成性有機金属化合物を焼き付ける、或は、4)金属
微粉末の表面を酸化処理して再酸化誘電体皮膜を形成す
る、という方法が挙げられれる。以下これらについて順
次詳細に説明する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属微粉末の表面に誘電体皮膜を設けて
    誘電粉体とし、その誘電粉体に有機バインダを添加し混
    練したペーストより薄膜状シートを形成し、その薄膜状
    シートの表面に電極となる金属の微粉末を含むペースト
    を塗布・乾燥したものを積層し、その積層シートをガラ
    ス微粉末に有機バインダを添加し混練したペーストより
    形成される薄膜状ガラスシートの間に挟んだ状態で圧着
    し、次いで加熱処理することを特徴とする誘電粉体積層
    コンデンサの製造法。
  2. 【請求項2】 金属微粉末の表面にガラス化剤を焼き付
    けることにより誘電体皮膜を形成する請求項1記載の誘
    電粉体積層コンデンサの製造法。
  3. 【請求項3】 金属微粉末の表面に皮膜形成性シリコー
    ンオイルを焼き付けることにより誘電体皮膜を形成する
    請求項1記載の誘電粉体積層コンデンサの製造法。
  4. 【請求項4】 金属微粉末の表面に皮膜形成性有機金属
    化合物を焼き付けることにより誘電体皮膜を形成する請
    求項1記載の誘電粉体積層コンデンサの製造法。
  5. 【請求項5】 金属微粉末の表面を酸化処理して再酸化
    誘電体皮膜を形成する請求項1に記載の誘電粉体積層コ
    ンデンサの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998008638A1 (fr) * 1996-08-29 1998-03-05 Nittetsu Mining Co., Ltd. Materiau consolide forme d'elements enrobes pulverises et procede de fabrication
KR101028117B1 (ko) * 2009-01-16 2011-04-08 한국전기연구원 유리를 코팅한 금속 분말을 사용한 적층형 세라믹 제조방법

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