JPH06282806A - 磁気ディスクおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスクおよび磁気ディスク装置

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JPH06282806A
JPH06282806A JP9364893A JP9364893A JPH06282806A JP H06282806 A JPH06282806 A JP H06282806A JP 9364893 A JP9364893 A JP 9364893A JP 9364893 A JP9364893 A JP 9364893A JP H06282806 A JPH06282806 A JP H06282806A
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JP
Japan
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data
magnetic disk
recording
area
recorded
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JP9364893A
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Nobuhiro Hayashi
信裕 林
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ディスクのデータエリアの先頭部分から
再生されたデータにおける符号間干渉の発生を防止す
る。 【構成】 磁気ディスク1のデータエリアの少なくとも
先頭部分が、あらかじめ所定の方向に初期磁化されてお
り、データの記録時においては、データエリアの先頭部
分が、初期磁化の方向と同一の方向に磁化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばコンピュータシ
ステムにおけるハードディスク装置などに用いて好適な
磁気ディスク、並びに磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータシステムにおいては、ハー
ドディスク装置が用いられ、そこに記録されたプログラ
ムあるいはデータに対して、高速にアクセスすることが
できるようになされている。このハードディスク装置に
おいては、磁気ディスクの両面に磁性膜を形成し、フラ
イングタイプの磁気ヘッドにより、その磁性層にデータ
を記録再生するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図22
(a)に示すように、磁気ディスクがあらかじめ所定の
方向に初期磁化されてされている場合、磁気ディスクの
データエリア(データセグメント)の先頭部分に記録し
ようとする磁化の向きが、初期磁化の向きと逆向きであ
るとき、磁気ヘッドに記録電流を供給する記録アンプが
即座にアクティブにはならないために、データエリアの
先頭部分においては、初期磁化が残り、これにより不要
な磁化遷移が生じる。
【0004】同様に、図22(b)に示すように、磁気
ディスクがあからじめ磁化されていない場合も、データ
エリアの先頭部分で不要な磁化遷移が生じる。
【0005】従って、データの再生時に、この磁化遷移
に対応する、不要な再生パルスが発生し、データエリア
の先頭部分に記録したデータに対応する磁化遷移による
(有効な)再生パルスとの間で、再生符号間干渉が生じ
る課題があった。
【0006】この不要な再生パルスに対応する磁化遷移
の生じる磁気ディスク上の位置は、データの記録を開始
しようとするときに、磁気ヘッドに記録電流を供給する
記録アンプがアクティブ状態になる時間によって決まる
ので、その位置を特定するのは難しく、従ってフィルタ
などにより再生符号間干渉の影響を低減することは困難
であった。
【0007】そこで、再生符号間干渉の影響を低減する
方法としては、不要な再生パルスから、有効な再生パル
スまでの間に、相応のギャップを設ける方法があるが、
磁気ディスクの記録容量が減少する課題があった。
【0008】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、磁気ディスクの記録容量を減少させるこ
となく、符号間干渉を防止することができるようにする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の磁気デ
ィスクは、情報が記録または再生される面上に磁性膜が
形成された、データエリアとサーボエリアとを有する磁
気ディスクにおいて、データエリアの少なくとも先頭部
分は、あらかじめ所定の磁化方向に磁化されており、デ
ータエリアの先頭部分には、所定の磁化方向と同一の方
向に磁化が形成されるように情報が記録されることを特
徴とする。
【0010】請求項2に記載の磁気ディスク装置は、情
報が記録または再生される面上に磁性膜が形成された、
データエリアとサーボエリアとを有する磁気ディスクと
しての磁気ディスク1と、磁気ディスク1に対して情報
を記録または再生する磁気ヘッドとしての磁気ヘッド2
と、磁気ヘッド2の出力を復号する復号手段としてのデ
ータ復調回路4とを備える磁気ディスク装置において、
データエリアの少なくとも先頭部分は、あらかじめ所定
の磁化方向に磁化され、磁気ヘッド2は、所定の磁化方
向と同一の方向に、データエリアの先頭部分に磁化が形
成されるように情報を記録することを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の磁気ディスク装置は、磁
性膜の一部が除去され、残った部分が所定の磁化方向と
同一方向に磁化されることにより、サーボエリアにサー
ボ情報が記録されていることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の磁気ディスク装置は、磁
気ディスク1が、凹凸の形成された基板に磁性膜が形成
されて構成されており、磁気ディスク1の基板の凸部に
対応する磁性膜の部分が所定の磁化方向と同一方向に磁
化されることにより、サーボエリアにサーボ情報が記録
されていることを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の磁気ディスク装置は、デ
ータ復調回路4が、パーシャルレスポンスクラスIVを
使用した変調符号を、例えばビタビ復号などの最尤復号
するようになされており、データ復調回路4によって、
データエリアに記録された情報の復号が開始される直前
ごとに、データ復調回路4の内部状態を、所定の磁化方
向に対応する状態に制御する制御手段としてのレジスタ
設定回路7をさらに備えることを特徴とする。
【0014】請求項6に記載の磁気ディスク装置は、デ
ータ復調回路4が、パーシャルレスポンス(1,−1)
符号を処理する一対の処理手段としての処理回路120
および130を有し、これをインタリーブしながら使用
することによって磁気ヘッド2の出力を復号することを
特徴とする。
【0015】請求項7に記載の磁気ディスク装置は、磁
気ディスク1の有するデータエリアの少なくとも先頭部
分が、すべて同一方向にあらかじめ磁化されていること
を特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1に記載の磁気ディスクにおいては、デ
ータエリアの少なくとも先頭部分が、あらかじめ所定の
磁化方向に磁化されており、データエリアの先頭部分に
は、所定の磁化方向と同一の方向に磁化が形成されるよ
うに情報が記録される。従って、磁気ディスク上に、不
要な磁化遷移が形成されないので、磁気ディスクの記録
容量を減らすことなく、符号間干渉を防止することがで
きる。
【0017】請求項2に記載の磁気ディスク装置におい
ては、データエリアの少なくとも先頭部分が、あらかじ
め所定の磁化方向に磁化され、磁気ヘッド2が、所定の
磁化方向と同一の方向に、データエリアの先頭部分に磁
化が形成されるように情報を記録する。従って、磁気デ
ィスク1上に、不要な磁化遷移が形成されないので、磁
気ディスク1の記録容量を減らすことなく、符号間干渉
を防止することができる。
【0018】請求項3に記載の磁気ディスク装置におい
ては、磁性膜の一部が除去され、残った部分が所定の磁
化方向と同一方向に磁化されることにより、サーボエリ
アにサーボ情報が記録されているので、磁気ディスク1
の位置制御を正確に行うことができる。
【0019】請求項4に記載の磁気ディスク装置におい
ては、磁気ディスク1が、凹凸の形成された基板に磁性
膜が形成されて構成されており、磁気ディスク1の基板
の凸部に対応する磁性膜の部分が所定の磁化方向と同一
方向に磁化されることにより、サーボエリアにサーボ情
報が記録されているので、磁気ディスク1の位置制御を
正確に行うことができる。
【0020】請求項5に記載の磁気ディスク装置におい
ては、データ復調回路4が、パーシャルレスポンスクラ
スIVを使用した変調符号をビタビ復号するようになさ
れており、データ復調回路4によって、データエリアに
記録された情報の復号が開始される直前ごとに、データ
復調回路4の内部状態が、所定の磁化方向に対応する状
態に制御される。従って、情報を正確に復号することが
できる。
【0021】請求項6に記載の磁気ディスク装置におい
ては、パーシャルレスポンス(1,−1)符号を処理す
る処理回路120および130が、インタリーブしなが
ら使用されることによって磁気ヘッド2の出力が復号さ
れる。従って、装置構成の簡単化を図ることができる。
【0022】請求項7に記載の磁気ディスク装置におい
ては、磁気ディスク1の有するデータエリアの少なくと
も先頭部分が、すべて同一方向にあらかじめ磁化されて
いるので、データエリアの先頭部分への情報の記録制御
を、即ち磁化の形成の制御を容易に行うことができる。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の磁気ディスク装置の一実施
例の構成を示すブロック図である。磁気ディスク1は、
例えばセクタサーボ型のディスクで、トラックが複数の
セクタに区分されており、各セクタは複数のセグメント
により構成されている。各セグメントは、基本的にデー
タを記録するデータエリアと、サーボ情報を記録するサ
ーボエリアとに区分されている。
【0024】サーボエリアは、1トラックに数100乃
至数1000程度、等間隔に設けられており、各サーボ
エリアには、図2に示すように、サーボ情報としてのグ
レイコードTAおよびファインパターンA,B,X,Y
が形成されている。
【0025】グレイコードTAは、トラックを特定する
ためのトラックIDを表し、サーボエリアの先頭に形成
される。
【0026】ファインパターンは、トラッキング制御用
のパターンであり、X,Y,A,Bの4種類が設けら
れ、グレイコードTAの次に形成される。パターンB
は、トラックTdnと、このトラックTdnから1本おき
のトラック(トラックn±2,n±4,・・・)に正対
するように設けられている。これに対して、パターンA
は、トラックTdnに隣接するトラック(トラックn±
1,n±3,・・・)に対して正対するように設けられ
ている。
【0027】パターンXは、パターンAを1/2トラッ
クピッチだけ外周側に移動させた位置に形成されてい
る。また、パターンYは、パターンBを1/2トラック
ピッチだけ外周側に移動させた位置に形成されている。
【0028】これらのパターン(グレイコードおよびフ
ァインパターン)は、図3に示すように、ディスク基板
1a上に形成された、サーボエリアに対応する磁性体1
bの部分を、横方向(トラック方向)に直流磁化するこ
とにより形成される。
【0029】このようなサーボエリアの磁化(サーボエ
リアの形成)は、磁気ヘッド(記録ヘッド)を磁気ディ
スク1上に正確に走行させながら、上述したグレイコー
ドおよびファインパターンを形成するタイミングで、記
録電流を磁気ヘッドに供給することにより行われる。
【0030】なお、サーボエリアには、図示していない
が、クロックを生成するための基準信号(プリアンブ
ル)に相当するパターンが、上述したようにして形成さ
れる。
【0031】次に、データエリアは、その少なくとも先
頭部分が、例えばサーボエリアのグレイコードおよびフ
ァインパターンの磁化方向と同一の方向に磁化(初期磁
化)されている。
【0032】このようなデータエリアの磁化は、上述し
たサーボエリアを形成する(所謂サーボライトを行う)
のと同時に行われる。即ち、データエリアの磁化は、サ
ーボライトを行っているときに、磁気ヘッドが各データ
エリアの先頭部分を通過している間、サーボエリアのグ
レイコードおよびファインパターンを形成するときと同
一方向の記録電流を磁気ヘッドに供給することにより行
われる。
【0033】なお、データエリアの磁化は、その各先頭
から、1クロック(1つのデータを記録/再生するのに
必要な時間)に対応する長さ以上行われる。従って、デ
ータエリアすべてを、上述したようにして磁化するよう
にしても良い。
【0034】図1に戻り、再生ヘッド2aは、磁気ディ
スク1の磁性体1bの磁化方向に基づいて、そこに記録
されたデータを再生する(例えば、磁性体1b上に磁化
遷移のあった時点で再生パルスを含む再生信号を出力す
る)。再生アンプ3は、再生ヘッド2aで再生された再
生信号を増幅する。クロック生成回路5は、磁気ディス
ク1にクロックマーク(あるいは、クロックを生成する
ために記録された基準信号(プリアンブル))に相当す
る再生信号に基づいて、クロックを生成する。データ復
調回路4は、クロック生成回路5からのクロックを用い
て、再生アンプ3からの再生信号からデータ等を、例え
ば「Viterbi Detection of Class IV Partial Response
on a Magnetic Recording Channel」 IEEE TRANSACTIO
NS ON COMMUNICATIONS, VOL.COM-34, NO.5, MAY 1986な
どに記載されている、所謂Woodのアルゴリズムに基
づいて最尤復号(この場合、ビタビ復号)する。
【0035】ここで、Woodのアルゴリズム(ビタビ
復号)について簡単に説明する。磁気記録においては、
変調符号として、一般的にパーシャルレスポンス(P
R)が用いられ、PRの種類としては、良く使われるも
のに、PRS(1,1)(クラスI)、PRS(1,−
1)、PRS(1,0,−1)(クラスIV)などがあ
る。図4(a)に示す演算回路101は、PRS(1,
0,−1)を用いるものであり、図4(b)に示す演算
回路102,103は、PRS(1,−1)を用いるも
のである。PRS(1,0,−1)のシステム多項式G
(D)は、G(D)=1−D2であり、PRS(1,−
1)のシステム多項式G(D)は、G(D)=1+Dで
ある。ここで、Dは遅延オペレータである。
【0036】演算回路101は、孤立した論理1が入力
されたとき、1,0,−1のデータを順次出力する回路
であり、演算回路102,103は、孤立した論理1が
入力されたとき、1,−1のデータを順次出力する回路
である。
【0037】図4(a)に示す演算回路101(PRS
(1,0,−1))では、G(D)=1−D2のシステ
ム多項式を有するため、あるサンプル時刻kにおける入
力データykは、常に2つ前のサンプルyk-2と演算され
る。従って、奇数番目のサンプルと偶数番目のサンプル
は、実質的に独立しており、それぞれが独立なパーシャ
ルレスポンスPRS(1,−1)の系列とみなすことが
できる。即ち、図4(a)の回路は、図4(b)に示す
ように、パーシャルレスポンスPRS(1,−1)の演
算回路102,103に、スイッチ104を切り換え
て、入力データの奇数番目のサンプルと偶数番目のサン
プルをそれぞれ供給し、処理させ、その出力をスイッチ
105で合成して出力する回路と等価である。
【0038】従って、演算回路101をPRS(1,
0,−1)による変調符号をデコードする回路、演算回
路102および103をPRS(1,−1)による変調
符号をデコードする回路と考えると、演算回路102と
103をインタリーブしながら使用することによるデコ
ードと、演算回路101によるデコードは、本質的には
同じであり、ここではパーシャルレスポンスPRS
(1,0,−1)を例にとって説明する。
【0039】なお、パーシャルレスポンスPRS(1,
0,−1)自体はエラーを伝搬する性質を有し、ある条
件で1ビットエラーがおこると壊滅的なエラーを引き起
こす恐れがある。そこで、これを防ぐため、記録する前
にプリコーディングしておく必要がある。このプリコー
ディングには、パーシャルレスポンスの逆変換を適用す
る。
【0040】図5は、このようにプリコードを行って、
パーシャルレスポンスの変復調を行う系の全体の構成を
示している。なお、図5と図1と対応させれば、図5の
プリコーダ111への入力部分、またはデコーダ116
からの出力部分が、図1の記録データ発生回路8へのソ
ースデータの入力部分、またはデータ復調回路4からの
再生データの出力部分にそれぞれ相当するとともに、図
5のデコーダ116が、図1のデータ復調回路4に相当
する。
【0041】同図において、プリコーダ111は、1/
(1−D2)の処理を実行する。記録データは、このプ
リコーダ111によって、記録データのデータ間の相関
を利用して、記録データの値1および−1の間で変化す
るプリコードデータに変換された後、記録チャンネル回
路112に出力される。
【0042】記録チャンネル回路112は特別に設けら
れる回路ではなく、磁気記録再生系が本来有している機
能を等価回路として表したものである。この回路では
(即ち、データを磁気的に記録し、これを再生する
と)、演算処理回路113においてプリコーダ111の
出力に対して(1−D)の演算処理が行われる。
【0043】このとき実際の磁気記録チャンネルで発生
するノイズは、この演算結果に加算器114で加算され
るものとして扱い、このノイズを加算したデータ(磁気
記録した後、再生したデータ)が、後段の演算処理回路
115に出力される。演算処理回路115では、記録チ
ャンネル回路112からの出力に対して(1+D)の演
算処理が行われる。
【0044】記録チャンネル回路112から出力される
信号は、信号レベルの範囲を±2とすると、図6に示す
ように、{−2,0,+2}の3つのレベルのいずれか
をとる。これをデコーダ116で元のバイナリデータ
(1または0)にデコードするのに、固定閾値を用いる
3値レベル検出法と、最尤復号法であるビタビデコーデ
ィングが考えられる。
【0045】3値レベル検出法は、0と+2の間、およ
び0と−2の間に、それぞれ、所定の固定値をもつスレ
ショルドレベルを設定し、サンプル点がスレショルドレ
ベルより大きいか、小さいかを判定することによってデ
コードするものであり、回路が非常に簡単ですむという
利点を有する反面、検出能力が比較的低いという欠点を
有する。
【0046】これに対して、最尤復号法(ビタビ復号
法)は、前後のサンプル点の値も使ってデータを復号
し、復号した結果得られるデータの系列(パス)を検出
して、もっとも確からしい系列(パス)を推定していく
という方法であり、3値レベル検出法に較べて高い検出
能力を持っており、同じデータをデコードした場合に
は、ビットエラーレートが1桁から2桁改善される。
【0047】次に、デコーダ116をビタビデコーダで
構成する場合の回路例を示すが、その前段階の準備とし
て、ビタビデコーディングについて説明する。PRS
(1,0,−1)を用いた系は、1−D2のシステム多
項式を有するため、4つの状態を有する。この系から1
ビットおきにデータを取り出すと、1つの系(つまり、
PRS(1,−1))となり、そのシステム多項式は1
−Dであるため、2つの状態を有する。
【0048】PRS(1,−1)の状態遷移図は、図7
に示すようになる。即ち、PRS(1,−1)において
は、状態が、ak-2=−1のとき、1が入力されると、
状態が、ak=+1に遷移するとともに、2が出力さ
れ、また−1が入力されると、状態が、元の状態と同一
の状態、即ちak=+1に遷移するとともに、0が出力
される。さらに、状態が、ak-2=+1のとき、1が入
力されると、状態が、ak=−1に遷移するとともに、
−2が出力され、また−1が入力されると、状態が、元
の状態と同一の状態、即ちak=−1に遷移するととも
に、0が出力される。
【0049】この図7の状態遷移図に対応するトレリス
ダイアグラム(尤度追跡図)(以下、トレリスと記載す
る)は、図8に示すようになる。ここで、このトレリス
においては、あるサンプル時刻kにサンプル値(この場
合、演算処理回路115の出力)ykの入力があったと
きに、状態ak-2から状態akへ遷移するブランチメトリ
ック(尤度の瞬時尺度に相当する)が、サンプル値yk
の自乗誤差に−1を乗算した値(−(y2−0)2,−
(y2−2)2,−(y2+2)2,・・・)で示されてい
る。
【0050】ビタビデコーディングは、これらのブラン
チメトリックの総和が最大になるようなパスを見つけ出
すものである。あるサンプル時刻kまでの、状態ak
+1とak=−1それぞれにおけるパスメトリック(尤
度の経路積分に相当)Lk +とLk -は、1つ前のサンプル
時刻k−2までのパスメトリックの値Lk-2を用いて、
次の(1),(2)式のように表わすことができる。
【0051】 Lk +=max{Lk-2 ++〔−(yk−0)2〕,Lk-2 -+〔−(yk−2)2〕} ・・・(1) Lk -=max{Lk-2 ++〔−(yk+2)2〕,Lk-2 -+〔−(yk−0)2〕} ・・・(2)
【0052】ここで、max{A,B}は、A,Bのう
ち、大きい方を選択することを意味する。
【0053】このメトリックを計算しながら最適なパス
を検出するためには、通常、自乗器が3個、加算器が6
個、コンパレータが2個必要となる。そこで、パスメト
リックを忠実に計算していくのではなく、回路を簡単に
するために、Woodらの報告した差動メトリックを用
いたアルゴリズムを使用することができる。
【0054】ここで、状態が2つしかない場合のビタビ
アルゴリズムについて考察する。ビタビアルゴリズム
は、ある時刻kにおける各々の状態について、そこに至
るまでの尤度がもっとも大きくなるようなパスを1つに
しぼりながら、データを決定していくものである。前述
した復号回路(デコーダ116)は、それを忠実に実現
するためのものである。
【0055】即ち、状態ak=+1,−1それぞれにお
けるパスメトリックの差(差動メトリック)は、次式で
表わすことができる。 ΔLk=Lk +−Lk - ・・・(3)
【0056】(1)式から、パスメトリックLk +は、 Lk-2 ++〔−(yk−0)2〕>Lk-2 -+〔−(yk
2)2〕 の場合(状態ak-2=+1から、状態ak=+1へ遷移す
る尤度が大きい場合)、 Lk-2 ++〔−(yk−0)2〕 となり、 Lk-2 ++〔−(yk−0)2〕≦Lk-2 -+〔−(yk
2)2〕 の場合(状態ak-2=−1から、状態ak=+1へ遷移す
る尤度が大きい場合)、 Lk-2 -+〔−(yk−2)2〕 となる。
【0057】一方、(2)式から、パスメトリックLk -
は、 Lk-2 ++〔−(yk+2)2〕>Lk-2 -+〔−(yk
0)2〕 の場合(状態ak-2=+1から、状態ak=−1へ遷移す
る尤度が大きい場合)、 Lk-2 ++〔−(yk+2)2〕 となり、 Lk-2 ++〔−(yk+2)2〕≦Lk-2 -+〔−(yk
0)2〕 の場合(状態ak-2=−1から、状態ak=−1へ遷移す
る尤度が大きい場合)、 Lk-2 -+〔−(yk−0)2〕 となる。
【0058】即ち、整理すると、パスメトリックL
k +は、 4>4yk−△Lk-2 ・・・(C+1) の場合(状態ak-2=+1から、状態ak=+1へ遷移す
る尤度が大きい場合)と、 4≦4yk−△Lk-2 ・・・(C+2) の場合(状態ak-2=−1から、状態ak=+1へ遷移す
る尤度が大きい場合)の2つの場合で値が異なり、ま
た、パスメトリックLk -は、 −4>4yk−△Lk-2 ・・・(C-1) の場合(状態ak-2=+1から、状態ak=−1へ遷移す
る尤度が大きい場合)と、 −4≦4yk−△Lk-2 ・・・(C-2) の場合(状態ak-2=−1から、状態ak=−1へ遷移す
る尤度が大きい場合)の2つの場合で値が異なる。
【0059】従って、(3)式で表される差動メトリッ
ク△Lkは、(C+1)且つ(C-1),(C+2)且つ
(C-2),(C+1)且つ(C-2)、および(C+2)
且つ(C-1)の4(=2×2)通りの場合があること
になる。
【0060】即ち、まず、4>4yk−△Lk-2、且つ−
4>4yk−△Lk-2の場合(生き残りパスが、状態〈+
1〉→状態〈+1〉且つ状態〈+1〉→状態〈−1〉の
パターンとなる場合)、つまり−4>4yk−△Lk-2
場合、差動メトリック△Lkは、 △Lk={Lk-2 ++〔−(yk−0)2〕}−{Lk-2 +
〔−(yk+2)2〕} =Lk-2 +−yk 2−Lk-2 -+yk 2+4yk+4 =4yk+4 となる。
【0061】さらに、4≦4yk−△Lk-2、且つ−4≦
4yk−△Lk-2の場合(生き残りパスが、状態〈−1〉
→状態〈−1〉且つ状態〈−1〉→状態〈+1〉のパタ
ーンとなる場合)、つまり4≦4yk−△Lk-2の場合、
差動メトリック△Lkは、 △Lk={Lk-2 -+〔−(yk−2)2〕}−{Lk-2 -
〔−(yk−0)2〕} =Lk-2 -−yk 2+4yk−4−Lk-2 -+yk 2 =4yk−4 となる。
【0062】また4>4yk−△Lk-2、且つ−4≦4y
k−△Lk-2の場合(生き残りパスが、状態〈−1〉→状
態〈−1〉且つ状態〈+1〉→状態〈+1〉のパターン
となる場合)、つまり−4≦4yk−△Lk-2<4の場
合、差動メトリック△Lkは、 △Lk={Lk-2 ++〔−(yk−0)2〕}−{Lk-2 -
〔−(yk−0)2〕} =Lk-2 +−yk 2−Lk-2 -+yk 2 =△Lk-2 となる。
【0063】そして、4≦4yk−△Lk-2、且つ−4>
4yk−△Lk-2の場合(生き残りパスが、状態〈−1〉
→状態〈−1〉且つ状態〈+1〉→状態〈+1〉のパタ
ーンとなる場合)は、この式を整理すると、4≦4yk
−△Lk-2<−4となることから、ありえない。
【0064】以上から、(3)式は、4yk−ΔLk-2
大きさによって場合分けをすることができ、次の(4)
式のようになる。
【0065】
【数1】
【0066】従って、状態が2つ(ak=+1またはak
=−1に)しかない場合、生き残りパスのパターンとし
ては、次に示す3通りのパターンしかあり得ない。 状態〈−1〉→状態〈−1〉かつ状態〈−1〉→状態
〈+1〉 状態〈−1〉→状態〈−1〉かつ状態〈+1〉→状態
〈+1〉 状態〈+1〉→状態〈+1〉かつ状態〈+1〉→状態
〈−1〉
【0067】ここで、あり得る3種の生き残りパスのパ
ターンを、それぞれ→↑、→→、→↓という3種の2文
字記号で表すことにする。
【0068】(4)式の場合分けの不等式においては、
4yk−ΔLk-2が共通の比較要素として含まれているの
で、この値を4または−4と比較して、その大小を判定
することにより、生き残りパスのパターンが、上述の生
き残りパスのパターンのうちのいずれかであるのかを判
定することができる。つまり、パスメトリックそのもの
を計算しなくても、差動メトリックを計算すれば、その
過程で生き残ったパスを決定し、これによりデータを復
号することができる。
【0069】即ち、ypを、トレリスにおいて、平行パ
ス(→→)以外のパス、即ち、上向きの発散(→↑)ま
たは下向きの発散(→↓)が現れたときの地点(loc
ation p)のサンプル値とするとともに、βを、
いわば補正項として、ΔLk=4yp−4βとおいて変数
変換すると、(4)式は、次の(5)式のように表すこ
とができる。
【0070】
【数2】
【0071】ここで、(5)式の左辺と右辺を比較する
ことにより、上段または下段で等式が成立する場合、即
ち生き残りパスのパターンとして上向きの発散(→↑)
または下向きの発散(→↓)が現れた場合、βは、1ま
たは−1とそれぞれなることが判る。
【0072】従って、βは、いまの地点からさかのぼっ
て、最初の、上向きの発散(→↑)または下向きの発散
(→↓)が現れる地点(location p)での発
散の方向(つまり、その地点(location p)
での生き残りパスのパターンが、上向きの発散(→↑)
および下向きの発散(→↓)のうちのいずれであった
か)を表している。
【0073】例えば、いまの地点からさかのぼって、最
初に現れた発散が、上向きの発散(→↑)であった場
合、つまりβ=+1である場合、いまの地点での生き残
りパスのパターンは、(5)式における場合分けの不等
式のβに1を代入することにより、0≦yk−ypのと
き、上向きの発散(→↑)、−2≦yk−yp<0のと
き、平行パス(→→)、yk−yp<−2のとき、下向き
の発散(→↓)と判定される(図9)。
【0074】さらに、この場合(5)式の左辺と右辺を
比較することにより、βとypは、0≦yk−ypのと
き、yp←yk,β←+1、−2≦yk−yp<0のとき、
p←yp,β←β、yk−yp<−2のとき、yp←yk
β←−1のように更新される(図9)。
【0075】同様にして、いまの地点からさかのぼっ
て、最初に現れた発散が、下向きの発散(→↓)であっ
た場合、つまりβ=−1である場合、いまの地点での生
き残りパスのパターンは、(5)式における不等式のβ
に−1を代入することにより、2≦yk−ypのとき、上
向きの発散(→↑)、0≦yk−yp<2のとき、平行パ
ス(→→)、yk−yp<0のとき、下向きの発散(→
↓)と判定され、βとypは、(5)式の左辺と右辺を
比較することにより、2≦yk−ypのとき、yp←yk
β←+1、0≦yk−yp<2のとき、yp←yp,β←
β、yk−yp<0のとき、yp←yk,β←−1のように
更新される。
【0076】従って、βの表す意味は、式の上でいう
と、判定するための閾値にオフセットを加える役割を果
たしているものと見ることができる(この点について
は、表1、表2を参照して後述する)。
【0077】生き残りパスパターンとして、上向きの発
散(→↑)または下向きの発散(→↓)が現れたとき、
その地点(location k)より1つ前の発散が
現れた地点(location p)から、その地点
(location k)までのパスを確定することが
でき、これを繰り返すことによりデータを復号すること
が可能となる。
【0078】このようなビタビアルゴリズムに基づいて
データを復号する図5のデコーダ116の構成例を図1
0に示す。図5の記録チャンネル回路112からの再生
データ(図1では、磁気ディスク1から再生された再生
信号のサンプル値に対応する)は、一対の処理回路12
0または130に入力され、これらがインタリーブしな
がら動作することによって、データの偶数列サンプルま
たは奇数列サンプルが、個別にそれぞれ処理された後、
合成回路141において、切換回路1が出力する切換信
号のタイミングに基づいて、元の順序に復元され、出力
される。
【0079】なお、図10では、偶数列サンプルを処理
する処理回路120の構成が詳細に示されているが、奇
数列サンプルを処理する処理回路130も同様に構成さ
れる。
【0080】即ち、処理回路120において、記録チャ
ンネル回路112からの再生データは、切換回路1から
出力される切換信号に対応して、偶数列サンプル/奇数
列サンプルのタイミングでON/OFFするスイッチ1
4を介して減算回路11およびレジスタ12bに供給さ
れる。即ち、減算回路11およびレジスタ12bには、
再生データの偶数列サンプルが供給される。
【0081】レジスタ12bは、1つ前の発散地点にお
けるサンプル値ypを記憶し、減算回路11は、入力さ
れた偶数列サンプルykからレジスタ12bに記憶され
ている値ypを減算して((yk−yp)を演算して)、
比較回路13に出力する。
【0082】比較回路13は、閾値である+2,0,−
2、減算回路11の出力(yk−yp)、およびレジスタ
12aに記憶されているβに対応して、表1および表2
に示す演算処理を行い、演算結果に対応して、表1、表
2に示す出力データを出力する。この演算の詳細は、図
12および図13を参照して後述する。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】シフトレジスタ121は、図11に示すよ
うに、N個のセレクタSp1乃至SpNおよびフリップフ
ロップDp1乃至DpNが交互に縦接続されるとともに、
最前段のセレクタSp1の前段にフリップフロップDp0
が接続されたシリアルシフトレジスタと、N個のセレク
タSm1乃至SmNおよびフリップフロップDm1乃至D
Nが交互に縦接続されたシリアルシフトレジスタとが
パラレルに接続されたパラレルロード/シリアルシフト
レジスタとして構成されている。
【0086】ここで、Nは、再生データ(偶数列サンプ
ル)をビタビ復号する処理単位長(ビット数)である。
【0087】最前段のセレクタSp1またはSm1には、
0が、信号BまたはDとして入力されるとともに、フリ
ップフロップDp0を介して比較回路13からの生き残
りパスパターン信号(merge)が、信号AまたはC
として入力されており、そのうちのいずれか一方(信号
AおよびBのうちの一方、または信号CおよびDのうち
の一方)が、同じく比較回路13からの生き残りパスパ
ターン信号(merge)およびデータ(data)に
対応して選択され、フリップフロップDp1またはDm1
にそれぞれ出力される。
【0088】ここで、比較回路13においては、表1お
よび表2に示したように、上向きの発散または下向きの
発散が生じた場合には、merge=1とされ、平行パ
スの場合には、merge=0とされるようになされて
いる。
【0089】最前段のセレクタSp1およびSm1を除
く、セレクタSpnまたはSmn(n=1,2,・・・,
N)には、前段のフリップフロップDpn-1にラッチさ
れたデータが、信号AまたはCとして入力されるととも
に、前段のフリップフロップDmn-1にラッチされたデ
ータが、信号BまたはDとして入力されており、そのう
ちのいずれか一方(信号AおよびBのうちの一方、また
は信号CおよびDのうちの一方)が、比較回路13から
の生き残りパスパターン信号(merge)およびデー
タ(data)に対応して選択され、次段のフリップフ
ロップDpn+1またはDmn+1にそれぞれ出力される。
【0090】即ち、セレクタSpn(Smn)は、比較回
路13からの生き残りパスパターン信号(merge)
およびデータ(data)に対応して、表3に示すよう
に、入力信号AおよびB(CおよびD)のうちのいずれ
か一方を選択して出力する。
【0091】
【表3】
【0092】フリップフロップDpnまたはDmnは、前
段のセレクタSpnまたはSmnからの出力を、クロック
に同期してそれぞれラッチする。
【0093】次に、この図10に示す回路に対し、ある
信号が入力された場合の動作について、図12および図
13のタイミングチャートを参照して説明する。
【0094】いま、図12に示すような信号が図10の
回路に入力された場合、比較回路13は、表1と表2に
従って、シフトレジスタ121(図11)は、表3に従
って、次のように動作する。ただし、ypとβの初期値
は、それぞれ、yp=−2、β=−1とする。
【0095】〈k=0:入力yk=y0=1.6;yp
−2;β=−1のとき〉yk−yp=1.6−(−2)=
3.6>2なので、入力は表2の条件パターンFに対応
する。つまり、上向きの発散(以下、適宜diverg
enceという)であるから、表2にしたがって、レジ
スタ12aのβが+1に更新され、レジスタ12bのy
p(1つ前の発散がおきた時刻におけるサンプル値)
が、yp=y0=1.6とされる。
【0096】同時に、表2にしたがって、比較回路13
からシフトレジスタ121に、生き残りパスパターン信
号(merge=1)およびデータ(data=1)が
出力される。
【0097】従って、シフトレジスタ121(図11)
では、フリップフロップDp0にmerge=1がラッ
チされる(図13)。
【0098】〈k=1:入力yk=y1=0.2;yp
1.6;β=+1;p=0のとき〉−2≦yk−yp
0.2−1.6=−1.4≦0なので、入力は表1の条
件パターンBに対応する。つまり、平行パスということ
になるので、レジスタ12aと12bのβ,ypはその
ままとされ(β=1,yp=y0)、比較回路13からシ
フトレジスタ121に、生き残りパスパターン信号(m
erge=0)およびデータ(data=0)が出力さ
れる。
【0099】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=0がラッチされ、さらにme
rge=0であるから、表3にしたがってセレクタSp
nまたはSmnで、信号AおよびBまたは信号CおよびD
のうちの、信号AまたはDが選択され、次段のフリップ
フロップDpnまたはDmnにそれぞれ出力されてラッチ
される。
【0100】即ち、平行パスのパターンの場合、上段の
フリップフロップDpnにラッチされている信号(ビッ
ト)は、同じく上段の、次段のフリップフロップDp
n+1にラッチされるとともに、下段のフリップフロップ
Dmnにラッチされている信号(ビット)は、同じく下
段の、次段のフリップフロップDmn+1にラッチされ
る。但し、この場合、下段のフリップフロップDm
1は、セレクタSm1に、信号Dとして常に入力されてい
る0をラッチする。
【0101】従って、k=1では、上段のフリップフロ
ップDp0,Dp1には、0,1がそれぞれラッチされ、
下段のフリップフロップDm1には、0がラッチされる
(図13)。
【0102】〈k=2:入力yk=y2=−0.2;yp
=1.6;β=+1;p=0のとき〉−2≦yk−yp
−0.2−1.6=−1.8≦0なので、入力は表1の
条件パターンBに対応する。つまり、平行パスというこ
とになるので、レジスタ12aと12bのβ,ypはそ
のままとされ、比較回路13からシフトレジスタ121
に、生き残りパスパターン信号(merge=0)およ
びデータ(data=0)が出力される。
【0103】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=0がラッチされ、merge
=0であるから、表3にしたがって上段のフリップフロ
ップDpnにラッチされている信号(ビット)は、同じ
く上段の、次段のフリップフロップDpn+1にラッチさ
れるとともに、下段のフリップフロップDmnにラッチ
されている信号(ビット)は、同じく下段の、次段のフ
リップフロップDmn+1にラッチされる。
【0104】従って、k=2では、上段のフリップフロ
ップDp0,Dp1,Dp2には、0,1,1がそれぞれ
ラッチされ、下段のフリップフロップDm1,Dm2
は、0,0がそれぞれラッチされる(図13)。
【0105】〈k=3:入力yk=y3=2.0;yp
1.6;β=+1;p=0のとき〉yk−yp=2.0−
1.6=0.4>0なので、入力は表1の条件パターン
Cに対応する。つまり、上向きのdivergence
であるから、前の候補ypが現在値ykに敗れた(yp
kであった)ことになる。即ち、k=0(p=0)に
おいて、上向きの発散(β=+1)と判定したのである
が、今回(k=3において)、上向きの発散(β=+
1)がおきたので、前回は、上向きの発散のうちの平行
パスであったことになる(k=0において、上向きの遷
移がおこったとすると、k=3において、パスが不連続
になってしまう)。
【0106】そこで、表1にしたがって、レジスタ12
aのβが+1にされ、レジスタ12bの記憶値ypが、
p=y3=2.0とされる。さらに、比較回路13から
シフトレジスタ121に、生き残りパスパターン信号
(merge=1)およびデータ(data=0)が出
力される。
【0107】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=1がラッチされ、さらにme
rge=1およびdata=0であるから、表3にした
がってセレクタSpnまたはSmnで、信号AおよびBま
たは信号CおよびDのうちの、信号BまたはDが選択さ
れ、次段のフリップフロップDpnまたはDmnにそれぞ
れ出力されてラッチされる。
【0108】即ち、直前に起きた発散が上向きの発散で
あり(β=+1であり)、さらに今の発散が上向きの発
散である場合、上段のフリップフロップDpnに復号デ
ータ候補としてラッチされていた信号(ビット)が敗れ
たこととなり、下段のフリップフロップDmnにラッチ
されている信号(ビット)が、上段および下段の、次段
のフリップフロップDpn+1およびDmn+1にラッチされ
る。但し、この場合、上段のフリップフロップDp
1は、セレクタSp1に、信号Bとして常に入力されてい
る0をラッチする。
【0109】従って、k=3では、上段のフリップフロ
ップDp0,Dp1,Dp2,Dp3には、1,0,0,0
がそれぞれラッチされ、下段のフリップフロップD
1,Dm2,Dm3には、0,0,0がそれぞれラッチ
される(図13)。
【0110】〈k=4:入力yk=y4=0.2;yp
2.0;β=+1;p=3のとき〉−2≦yk−yp
0.2−2.0=−1.8≦0なので、入力は表1の条
件パターンBに対応する。つまり、平行パスということ
になるので、レジスタ12a,12bでは、β,yp
そのままにされ、比較回路13からシフトレジスタ12
1に、生き残りパスパターン信号(merge=0)お
よびデータ(data=0)が出力される。
【0111】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=0がラッチされ、merge
=0であるから、上段のフリップフロップDpnにラッ
チされている信号(ビット)は、同じく上段の、次段の
フリップフロップDpn+1にラッチされるとともに、下
段のフリップフロップDmnにラッチされている信号
(ビット)は、同じく下段の、次段のフリップフロップ
Dmn+1にラッチされる。
【0112】〈k=5:入力yk=y5=−0.4;yp
=2.0;β=+1;p=3のとき〉yk−yp=−0.
4−2.0=−2.4<−2なので、入力は表1の条件
パターンAに対応する。つまり、下向きのdiverg
enceであるから、前の候補は正しかったことになる
(即ち、k=3(p=3)において、上向きの発散のう
ち、上向きの遷移があったことになる)。
【0113】よって、表1にしたがって、レジスタ12
aのβが−1にされ、レジスタ12bの記憶値ypが、
p=y5=−0.4とされる。さらに、比較回路13か
らシフトレジスタ121に、生き残りパスパターン信号
(merge=1)およびデータ(data=1)が出
力される。
【0114】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=1がラッチされ、さらにme
rge=1およびdata=1であるから、表3にした
がってセレクタSpnまたはSmnで、信号AおよびBま
たは信号CおよびDのうちの、信号AまたはCが選択さ
れ、次段のフリップフロップDpnまたはDmnにそれぞ
れ出力されてラッチされる。
【0115】即ち、直前に起きた発散が上向きの発散で
あり(β=+1であり)、さらに今の発散が下向きの発
散である場合、上段のフリップフロップDpnに復号デ
ータ候補としてラッチされていた信号(ビット)は正し
かったこととなり、上段のフリップフロップDpnにラ
ッチされている信号(ビット)が、上段および下段の、
次段のフリップフロップDpn+1およびDmn+1にラッチ
される。
【0116】〈k=6:入力yk=y6=−0.2;yp
=−0.4;β=−1;p=5のとき〉0≦yk−yp
−0.2−(−0.4)=0.2≦+2なので、入力は
表2の条件パターンEに対応する。つまり、平行パスと
いうことになるので、β,ypはそのままにされ、比較
回路13からシフトレジスタ121に、生き残りパスパ
ターン信号(merge=0)およびデータ(data
=0)が出力される。
【0117】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=0がラッチされ、merge
=0であるから、上段のフリップフロップDpnにラッ
チされている信号(ビット)は、同じく上段の、次段の
フリップフロップDpn+1にラッチされるとともに、下
段のフリップフロップDmnにラッチされている信号
(ビット)は、同じく下段の、次段のフリップフロップ
Dmn+1にラッチされる。
【0118】〈k=7:入力yk=y7=−2.0;yp
=−0.4;β=−1;p=5のとき〉yk−yp=−
2.0−(−0.4)=−1.6<0なので、入力は表
2の条件パターンDに対応する。つまり、下向きのdi
vergenceであるから、前の候補が敗れたことに
なる。即ち、k=5(p=5)においては、下向きの遷
移ではなく、平行な遷移があったことになる。
【0119】よって、表2にしたがって、レジスタ12
aのβが−1にされ、レジスタ12bの記憶値ypが、
p=y7=−2.0とされる。さらに、比較回路13か
らシフトレジスタ121に、生き残りパスパターン信号
(merge=1)およびデータ(data=0)が出
力される。
【0120】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=1がラッチされ、さらにme
rge=1およびdata=0であるから、表3にした
がってセレクタSpnまたはSmnで、信号AおよびBま
たは信号CおよびDのうちの、信号BまたはDが選択さ
れ、次段のフリップフロップDpnまたはDmnにそれぞ
れ出力されてラッチされる。
【0121】即ち、直前に起きた発散が下向きの発散で
あり(β=−1であり)、さらに今の発散が下向きの発
散である場合、上段のフリップフロップDpnに復号デ
ータ候補としてラッチされていた信号(ビット)が敗れ
たこととなり、下段のフリップフロップDmnにラッチ
されている信号(ビット)が、上段および下段の、次段
のフリップフロップDpn+1およびDmn+1にラッチされ
る。但し、この場合、上段のフリップフロップDp
1は、セレクタSp1に、信号Bとして常に入力されてい
る0をラッチする。
【0122】〈k=8:入力yk=y8=0.2;yp
−2.0;β=−1;p=7のとき〉yk−yp=0.2
−(−2.0)=2.2>+2なので、入力は表2の条
件パターンFに対応する。つまり、上向きの発散という
ことになるので、前のデータが正しかったことになる。
即ち、k=7(p=7)においては、下向きの遷移がお
こったことになる。
【0123】よって、表2にしたがって、レジスタ12
aのβが1にされ、レジスタ12bの記憶値ypが、yp
=y8=0.2とされる。さらに、比較回路13からシ
フトレジスタ121に、生き残りパスパターン信号(m
erge=1)およびデータ(data=1)が出力さ
れる。
【0124】シフトレジスタ121では、フリップフロ
ップDp0にmerge=1がラッチされ、さらにme
rge=1およびdata=1であるから、表3にした
がってセレクタSpnまたはSmnで、信号AおよびBま
たは信号CおよびDのうちの、信号AまたはCが選択さ
れ、次段のフリップフロップDpnまたはDmnにそれぞ
れ出力されてラッチされる。
【0125】即ち、直前に起きた発散が下向きの発散で
あり(β=−1であり)、さらに今の発散が上向きの発
散である場合、上段のフリップフロップDpnに復号デ
ータ候補としてラッチされていた信号(ビット)は正し
かったこととなり、上段のフリップフロップDpnにラ
ッチされている信号(ビット)が、上段および下段の、
次段のフリップフロップDpn+1およびDmn+1にラッチ
される。
【0126】以下、同様にしてデータが復号される。な
お、ビット列の最後には、表1の条件AあるいはC、ま
たは表2の条件DあるいはFを生じさせるビットが付加
されるようになされており、表1の条件AあるいはC、
または表2の条件DあるいはFが生じた場合には、上段
のフリップフロップDp1乃至DpNと、下段のフリップ
フロップDm1乃至DmNとの記憶値が一致するので、上
段のフリップフロップDpNおよび下段のフリップフロ
ップDmNのうちのいずれか(例えば、上段のフリップ
フロップDpN)にラッチされたデータ(ビット)を順
次受信するようにすることにより、ビタビ復号されたデ
ータを得ることができる。
【0127】図5のデコーダ116に対応する図1のデ
ータ復調回路4は、以上説明したように構成されて動作
し、再生アンプ3からの再生信号を復号して出力する。
なお、データ復調回路4を構成するレジスタ12aまた
は12b(図10)への初期値β=−1,yp=−2の
設定は、レジスタ設定回路7(図1)によって行われる
ようになされている。
【0128】図1に戻り、タイミング発生回路6は、ク
ロック生成回路5からのクロックを計数してクロック生
成回路5を制御すると共に、記録モードと再生モードを
切り換える切換信号を記録アンプ9に出力する。さら
に、タイミング発生回路6は、再生ヘッド2aが、デー
タエリアの先頭の部分の再生を開始するタイミングごと
に、レジスタ設定回路7にリセット信号を出力する。レ
ジスタ設定回路7は、タイミング発生回路6からリセッ
ト信号を受信すると、上述した、データ復号回路4の内
蔵するレジスタ12aおよび12b(図10)に、所定
の初期値(上述のように、本実施例では、β=−1,y
p=−2)をセットする。記録データ発生回路8は、入
力されるデータ(以下、ソースデータという)を記録に
適したデータ(以下、記録データという)に変換する。
記録アンプ9は、タイミング発生回路6から再生モード
の切換信号が供給されたときにはOFF状態になり、記
録モードの切換信号が供給されたおきにはON状態にな
り、記録データ発生回路8からの記録データに基づいた
電流を記録ヘッド2bに供給する。記録ヘッド2bは、
記録アンプ9からの記録電流に対応して、磁気ディスク
1の磁性体1bを直流磁化することにより、記録データ
を磁気ディスク1に記録する。
【0129】なお、再生ヘッド2aは、高密度記録を達
成するために、例えば所謂磁気抵抗効果形ヘッド(MR
ヘッド)からなるとともに、記録ヘッド2bは通常の磁
気ヘッドからなり、再生ヘッド2aと記録ヘッド2bは
その走行方向において距離Lだけ離れて配置され、これ
らの再生ヘッド2aと記録ヘッド2bは、所謂記録再生
分離型のヘッドを構成している。但し、磁気ヘッド2の
構成は、分離型に限られるものではなく、記録と再生の
併用型でも良い。
【0130】次に、その動作について説明する。まず、
装置に装着されている磁気ディスク1が、図2および図
3を参照して説明したようなフォーマットのものである
場合、再生ヘッド2aは、磁気ディスク1に記録された
磁化パターンに対応して再生信号を出力し、この再生信
号を再生アンプ3を介してクロック生成回路5及びデー
タ復調回路4に供給する。
【0131】クロック生成回路5は、例えば所謂PLL
回路(図示せず)を有し、磁気ディスク1に記録された
基準信号(プリアンブル)に相当する再生信号に基づい
てクロックを生成して、装置の各ブロックに供給する。
【0132】タイミング発生回路6は、クロック生成回
路5から供給されたクロックを計数して、クロック生成
回路5を制御するとともに、記録モードと再生モードを
切り換える切換信号を生成する。
【0133】即ち、以上のようにして装置の同期が確立
される。
【0134】そして、データの記録時においては、まず
記録データ発生回路8は、ソースデータを、記録に適し
た所定の変調(上述したPR(パーシャルレスポンス方
式による変調)により、クロック生成回路5で生成され
たクロックに同期した記録データに変換し、このクロッ
クに同期した記録データを記録アンプ9に供給する。
【0135】記録ヘッド2bがサーボエリアを通過して
いるときは、タイミング発生回路6から再生モードの切
換信号が記録アンプ9に供給され、記録アンプ9がOF
F状態にされる。即ち、サーボエリアのパターン(図2
に示すフォーマットの磁気ディスク1においては、グレ
イコードとファインパターン)を消去しないように(サ
ーボエリアに上書きしないように)記録アンプ9がOF
F状態にされる。
【0136】そして、このとき、再生ヘッド2bにより
サーボエリアのデータが再生され、再生信号が再生アン
プ3を介してデータ復調回路4に供給される。そして、
データ復調回路4は、例えばクロック生成回路5で生成
されたクロックの立ち上がり時刻(以下、データ存在点
位相という) において再生信号を弁別し(レベルをサン
プリングし)、さらに上述したビタビ復号することによ
りデータを再生する。即ち、データ復調回路4は、サー
ボエリアに対応する再生信号に基づいて、磁気ヘッド2
のディスク径方向におけるヘッド位置情報(例えば、図
2のグレイコードおよびファインパターン)を再生し、
このヘッド位置情報を、図示せぬサーボ制御回路に供給
する。これにより、サーボ制御回路では、ヘッド位置情
報に基づくサーボ制御が行われることになる。
【0137】そして、記録ヘッド2bが、サーボエリア
を通過し、データエリアにさしかかるタイミングで、タ
イミング発生回路6から記録モードの切換信号が記録ア
ンプ9に供給され、このとき、磁気ヘッド2bがデータ
エリアの先頭部分を、その初期磁化方向と同一の方向に
磁化するように記録電流が流れるように、記録アンプ9
が立ち上げられる。
【0138】ここで、記録モードの切換信号が記録アン
プ9に供給されてから、記録アンプ9が、アクティブ状
態になるのに、通常数百ns(ナノ秒)程度時間がかか
るので、サーボエリアとデータエリアとの間には、図1
4に示すように、その時間に対応するだけのギャップが
設けられている。
【0139】その後、記録アンプ9がアクティブ状態に
なると、記録データ発生回路8からの記録データに対応
して極性が変えられた記録電流が、記録アンプ9から記
録ヘッド2bに供給され、これにより、ソースデータに
対応した磁化遷移パターンがデータエリアに形成される
ことになる。
【0140】従って、データの記録時においては、図1
4に示すように、各データエリアの先頭が、初期磁化の
方向と同一の方向に磁化されることになるので、データ
エリアの先頭部分において、初期磁化が残り、これによ
り不要な磁化遷移が形成されることが防止される。
【0141】即ち、図15に示すように、データエリア
の初期磁化は、1クロックに対応する長さ以上行われて
おり、従ってデータエリアの先頭から、少なくとも1ク
ロックに対応する長さの位置までには、不要な磁化遷移
が形成されず、データエリアの先頭部分に記録される1
つめのデータ(有効な再生パルス)が再生されるときに
符号間干渉が生じることが防止される。
【0142】さらに、この場合、符号間干渉を低減する
ためのギャップをデータエリアの先頭部分に設ける必要
がなく、磁気ディスク1の記録容量を減少させることが
防止される。
【0143】なお、以上のように、磁化遷移に対応して
ソースデータが記録される場合、データエリアの先頭部
分における磁化の向き(記録電流の極性)は、なんら制
限を受けるものではなく、従って上述のように、データ
エリアの先頭部分の初期磁化の方向と同一の方向に磁化
が形成されるようにデータを記録するようにしても、装
置の記録系の動作に影響を与えることはない。
【0144】一方、データの再生時においては、再生ヘ
ッド2aが、磁気ディスク1に形成された磁化遷移に対
応する再生信号を出力し、この再生信号が、再生アンプ
3を介してデータ復調回路4に供給される。
【0145】そして、データ復調回路4においては、ク
ロック生成回路5で生成されたクロックの立ち上がり時
刻において再生信号を弁別し(レベルをサンプリング
し)、さらにビタビ復号処理を施すことによりデータが
再生される。
【0146】なお、再生データのうち、サーボエリアに
対応するもの、即ち磁気ヘッド2のディスク径方向にお
けるヘッド位置情報(図2のグレイコードおよびファイ
ンパターン)は、データの記録時における場合と同様に
して、図示せぬサーボ制御回路に供給され、サーボ制御
がなされる。
【0147】ここで、上述したように、磁気ディスク1
には、データエリアの先頭部分の初期磁化の方向と同一
の方向に磁化が形成されるようにデータが記録されてい
るので、データエリアでの最初の磁化遷移による再生パ
ルスは、磁気ディスク1上のいかなるデータエリアにお
いても、図16に示すように、必ず+極性のパルス(初
期磁化の向きおよびデータの記録の仕方によっては、必
ず−極性のパルス)になる。
【0148】一方、データ復調回路4に供給される再生
信号は、図5の演算回路115における1+Dの演算と
等価な演算がなされ、PRS(1,0,−1)に等化さ
れたものである。上述したように、PRS(1,0,−
1)は、2つのPRS(1,−1)に分離することがで
き、このPRS(1,−1)は、ak=+1,ak=−1
の2つの状態から構成される、図7に示すような状態遷
移図によって表現される。
【0149】そして、図7に示す状態遷移図によって表
現されるPRS(1,−1)は、その初期状態が、ak
=−1のときに、最初のパルスが+極性で観測されるの
で(最初の異なる状態への遷移による出力が+極性とな
るので)、以上から、各データエリアの先頭に記録され
たデータを復号する場合には、内部状態をak=−1と
しておく必要があることになる。
【0150】即ち、データエリアでの最初の磁化遷移に
よる再生パルスが、必ず+極性のパルスになり、且つ図
7に示す状態遷移図によって表現されるPRS(1,−
1)によるデコードが適用される場合には、各データエ
リアの先頭に記録されたデータを復号する前に、内部状
態をak=−1、つまり上述の初期値β=−1,yp=−
2としておく必要がある。
【0151】そこで、タイミング発生回路6は、再生ヘ
ッド2aが、データエリアの先頭の部分の再生を開始す
る直前ごとに、レジスタ設定回路7にリセット信号を出
力し、レジスタ設定回路7は、タイミング発生回路6か
らリセット信号を受信すると、データ復号回路4の内蔵
するレジスタ12aまたは12b(図10)に、β=−
1,yp=−2をそれぞれセットするようになされてい
る。
【0152】従って、この場合、ビタビ復号の開始時の
内部状態があからじめ確定しており、内部状態に初期値
をセットするためのデータを磁気ディスク1にあらかじ
め記録しておく必要がないので、磁気ディスク1の記録
容量を向上させることができる。
【0153】以上のように、データの記録時において
は、記録アンプ9が立ち上がるまでの記録電流(図1
4)によって、データエリアの先頭部分の磁化の方向
が、初期磁化の方向と変えられることがないので、図2
2で説明したときのように、記録アンプ9が立ち上がる
までの記録電流の変化による不要な磁化遷移が形成され
ることがない。
【0154】従って、図16に示すような、不要な再生
パルスのない、良好なS/Nの再生信号を得ることがで
きる。さらに、この結果、装置に、不要な再生パルスに
よる符号間干渉を低減するフィルタ(例えば、イコライ
ザなど)を設ける必要がなくなるので、装置の小型化、
簡単化を図ることができる。
【0155】次に、磁気ディスク1は、図2および図3
に示す他、例えば図17に示すように構成することがで
きる。即ち、図17に示す磁気ディスク1は、その1周
が60セクタに区分され、各セクタは、例えば14セグ
メントにより構成されている。従って、1周は840セ
グメントとなる。各セグメントは、サーボエリアと、デ
ータエリアとに区分される。各サーボエリアには、グレ
イコード271、クロックマーク211およびウォブル
ドマーク212,213が形成される。また、各セクタ
の先頭のセグメントには、さらにユニークパターン27
2が付加されている。但し、60セクタのうちの1つの
セクタにおいては、ユニークパターンに代えて、PGと
しての機能を有するホームインデックス273が記録さ
れる。
【0156】図17においては、サーボエリアには、ユ
ニークパターン272、グレイコード271(トラック
を特定する絶対アドレス0乃至2800(トラック番
号)を表す)、クロックマーク211、ウォブルドマー
ク212(212−1,212−2),213(213
−1,213−2)が形成、記録されている。
【0157】クロックマーク211のトラック方向の幅
(図中、左右方向の幅)を1とするとき、グレイコード
271の幅は20、ユニークパターン272の幅は16
とされている。
【0158】クロックマーク211は、記録再生の基準
となるクロックを生成するためのマークであり、再生ヘ
ッド2a(図1)は、このクロックマーク211を再生
したとき、そのエッジに対応してタイミング信号を出力
する。クロックマーク211は、図17に示すように、
データトラック210に形成されるだけでなく、トラッ
ク210とトラック210の間の領域(トラック間)に
も形成されている。即ち、クロックマーク211は、デ
ィスクの半径方向に放射状に連続して形成されている。
【0159】ウォブルドマーク212−1,213−1
は、トラック210の中心線L1を挟んで内周側と外周
側にずれるように配置されるとともに、トラック方向に
も所定の距離だけ離間して形成されている。再生ヘッド
2aがこのウォブルドマーク212−1,213−1を
再生するとき、そのエッジ位置に対応して、位置パルス
を出力する。この位置パルスのレベルが等しくなるよう
にトラッキングサーボをかけることにより、再生ヘッド
2aをトラック210の中心線L1上に配置することが
できる。
【0160】ウォブルドマークとしては、さらに212
−2,213−2が設けられている。これについては後
述する。
【0161】このウォブルドマーク212−1,213
−1,212−2,213−2は、クロックマーク21
1と同一の幅(トラック方向の長さ)とされ、最内周で
0.6μm、最外周で1.2μmとされる。
【0162】セクタの、例えば先頭のセグメントのデー
タエリアの先頭には、図17に示すように、ID記録領
域241Hが形成され、本来記録再生されるデータは、
このID記録領域241Hに続く領域241Dに記録さ
れるようになされている。
【0163】ID記録領域241Hは、セクタ番号記録
領域241Aとトラック番号記録領域241B(241
B1,241B2)とに区分されている。このうち、少
なくともセクタ番号記録領域241Aは、上述したクロ
ックマーク211と同様に、トラック210はもとよ
り、トラックとトラックの間にも半径方向に連続して形
成されている。このセクタ番号記録領域241Aには、
セクタを特定するセクタ番号が記録され、トラック番号
記録領域241Bには、トラックを特定するトラック番
号が記録される。再生ヘッド2aは、このID記録領域
241Hを再生することにより、パルス列を出力する。
【0164】8ビットのセクタ番号と、16ビットのト
ラック番号2個よりなる合計40ビットのデータが、I
D記録領域241Hに記録されるデータ(IDデータ)
とされる。
【0165】これらのIDデータは、例えば上述したP
R(パーシャルレスポンス)(−1,0,1)変調さ
れ、ID記録領域241Hに記録される。
【0166】セクタ番号は、CAVディスクの場合、内
周側のトラックと外周側のトラックにおいて同一であ
る。そこで、このセクタ番号は、トラック210上ばか
りでなく、トラックとトラックの間の領域にも連続的に
記録されている。
【0167】また、トラック番号記録領域241Bは、
再生動作用トラック番号記録領域241B1と、記録動
作用トラック番号記録領域241B2とに区分されてい
る。
【0168】再生動作用トラック番号記録領域241B
1は、その中心(幅方向の中心)がトラック210の中
心線L1上に位置するように形成されるが、記録動作用
トラック番号記録領域241B2は、その中心線L2
が、トラック210の中心線L1と距離dだけトラック
210と垂直な方向(ディスク半径方向)に離れた位置
(オフセットした位置)になるように形成される。そし
て、この再生動作用トラック番号記録領域241B1
と、記録動作用トラック番号記録領域241B2には、
同一のトラック番号が記録される。
【0169】尚、各領域241B1と241B2には、
それぞれ同一のトラック番号を2個以上記録するように
してもよい。これにより、より確実にトラック番号を読
み取ることが可能になる。
【0170】記録動作用トラック番号記録領域241B
2のオフセット値dは、内周側にいくほど小さい値とさ
れ、外周側にいくほど大きい値とされている。
【0171】また、図17に示すように、トラック21
0(セクタ番号記録領域241Aと再生動作用トラック
番号記録領域241B1)の中心線L1に対して、再生
ヘッド2a(図1)を位置決めするためのウォブルドマ
ーク212−1,213−1を形成する他、記録動作用
トラック番号記録領域241B2の中心線L2を再生ヘ
ッド2aでトレースする場合の位置決めのためのウォブ
ルドマーク212−2,213−2がサーボエリアに形
成されている。
【0172】従って、再生モード時においては、ウォブ
ルドマーク212−1,213−1を基準にして再生ヘ
ッド2aをトラッキング制御することで、再生ヘッド2
aをトラック210の中心線L1に沿って走査させるこ
とができる。
【0173】これに対して、記録モード時においては、
ウォブルドマーク212−2,213−2を再生ヘッド
2aで再生して得られるトラッキングエラー信号に対応
してトラッキング制御を行い、走行方向において記録ヘ
ッド2bより距離L(図1)だけ手前に設けられた再生
ヘッド2aを記録動作用トラック番号記録領域241B
2の中心線L2に沿って走査させ、これにより、このと
き記録ヘッド20−31を、トラック210の中心線L
1に沿って走行させることができる。
【0174】尚、以上の実施例においては、通常のウォ
ブルドマーク212−1,213−1、オフセットした
ウォブルドマーク212−2,213−2、セクタ番号
記録領域241A、再生動作用トラック番号記録領域2
41B1、記録動作用トラック番号記録領域241B
2、領域241Dの順に配置したが、例えば通常のウォ
ブルドマーク212−1,213−1、セクタ番号記録
領域241A、再生動作用トラック番号記録領域241
B1、領域241Dの第1群に続いて、オフセットした
ウォブルドマーク212−2,213−2、オフセット
した記録動作用トラック番号記録領域241B2、領域
241Dの第2群を繰り返し配置するようにすることも
できる。
【0175】また、トラック番号記録領域241B1,
241B2に記録されたトラック番号は、記録再生系に
おいて用いられるものであり、グレイコード271は、
これに対応はするが、サーボ系において用いられるもの
であり、両者は同一のものではない。但し、いずれも記
録または再生するトラックを確認するための制御に用い
られるので、サーボエリアとID記録領域241Hを制
御信号記録領域と認識することができる。
【0176】このように、セクタ番号またはトラック番
号を記録する領域を予め形成し、そこにセクタ番号また
はトラック番号を記録するようにしたので、再生ヘッド
の位置決め状態に拘らず、セクタ番号またはトラック番
号を確実に再生することができる。
【0177】即ち、図17の磁気ディスク1において
は、サーボエリアのユニークパターン272、ホームイ
ンデックス273、グレイコード271、クロックマー
ク211、ウォブルドマーク212,213などのサー
ボデータ(パターン)の他、ID記録領域241Hのセ
クタ番号241a、トラック番号241b1,241b
2、さらにはトラックが、凹凸により(刻印により)形
成、記録されている。
【0178】例えばガードバンド220は、データトラ
ック210より200nmだけ低くなるように(凹部と
して)形成されている。即ち、トラックがディスクリー
トに形成されている。
【0179】尚、このように、刻印により各領域を形成
する構造は、例えば特願平4−71731号に開示され
ている。その原理を簡単に説明すると、このような磁気
ディスクは光学的ディスクにおける技術を応用して製造
することができる。即ち、ガラス原盤を用意し、その表
面に例えばフォトレジストをコーティングする。そし
て、このフォトレジストの、例えば凹部を形成する部分
にのみレーザ光を照射する。レーザ光を照射した後、フ
ォトレジストを現像し、露光部分を除去する。このよう
にして形成した原盤を元にしてスタンパを作成し、この
スタンパから大量のレプリカを製造する。このレプリカ
には、原盤に作成した段差が転写されている。そして、
図18(a)に示すように、段差が転写された表面を有
するディスク基板(レプリカ)1aに磁性膜1bを形成
することにより、磁気ディスク1を完成することができ
る。
【0180】さらに、この磁気ディスク1は、図18
(b)に示すように、ディスク基板1a上に磁性層1b
を一様に形成した後、例えばエッチングなどにより不要
な部分(凹部として形成する部分)を除去することによ
り完成することができる。
【0181】トラックが同心円状または螺旋状に形成さ
れたこの磁気ディスク1は、角速度一定(ゾーンビット
レコーディング)で回転される。
【0182】また、トラックは、ディスク半径の1/2
の位置から最外周の位置の間に、即ち、半径の外周側の
1/2の範囲に形成される。
【0183】ディスクの直径は、2.5インチ、1.8
インチまたは1.3インチとされる。トラックピッチは
5.2μm、トラック幅は3.6μm、ガードバンドは
1.6μmとされる。
【0184】このようにして、直径2.5インチの1枚
のディスクの両面で200MBの容量を、また、直径
1.8インチの1枚のディスクの両面で100MBの容
量を、それぞれ実現することができる。
【0185】図18に示すようにして、ディスク基板1
a上に磁性体1bが形成された磁気ディスク1は、図2
および図3で説明した場合と同様にして、そのサーボエ
リアおよびデータエリアがあらかじめ磁化される。
【0186】即ち、図18(a)に示す磁気ディスク1
の場合においては、まず磁気ヘッドに、+(正)極性お
よび−(負)極性のうちの、例えば−極性の記録電流を
供給し、凸部を含む磁性体1b全体が、例えば図中、左
向きに磁化された後、磁気ヘッドが、各サーボエリアだ
けでなく、各データエリア(あるいはその先頭部分)を
通過している間、上述の極性と反対の+極性の記録電流
を、凹部の磁化方向を変えない程度の大きさで磁気ヘッ
ドに供給することにより、凸部となっている各サーボエ
リアとともに、各データエリア(あるいはその先頭部
分)のみが、図中右向きに磁化(初期磁化)される。
【0187】また、図18(b)に示す磁気ディスク1
の場合においては、図19に示すように、凸部として残
っている各サーボエリアだけでなく、各データエリア
(あるいはその先頭部分)を通過している間、所定の極
性の記録電流を磁気ヘッドに供給することにより、凸部
となっている各サーボエリアとともに、各データエリア
(あるいはその先頭部分)が、例えば図中右向きに磁化
(初期磁化)される。
【0188】なお、以上の初期磁化を行うにあたって
は、各データエリアの先頭部分だけでなく、データエリ
ア全体を磁化する方が、磁気ヘッドに記録電流を供給す
る制御が容易となる。
【0189】以上のように構成される磁気ディスク1
(図17)が装置に装着されている場合、図1におい
て、再生ヘッド2aは、データエリアに記録されている
データに相当する再生信号を出力すると共に、クロック
マーク211に相当する再生信号を出力し、これらの再
生信号を再生アンプ3を介してクロック生成回路5及び
データ復調回路4に供給する。
【0190】クロック生成回路5は、上述したようにP
LL回路を内蔵し、クロックマーク211に相当する再
生信号に基づいて、PLLクロックを生成する。
【0191】即ち、直流磁化したクロックマーク211
を再生すると、クロックマーク211の前後のエッジに
て孤立波形(再生パルス)を有する再生信号が再生され
る。タイミング発生回路6は、クロック生成回路5から
供給されるクロックを計数して、過去の履歴をもとにク
ロックマーク211に相当する再生信号の出現期間を予
測し、この期間を示すクロックゲート信号をクロック生
成回路5に供給すると共に、記録モードと再生モードを
切り換える切換信号を生成する。
【0192】クロック生成回路5は、クロックゲート信
号が出ている期間内に出現する再生パルスを正規のクロ
ックマークと見なして、前後のエッジのうちの、例えば
前のエッジに対応する再生パルスのピークにクロックの
立ち上がりが同期するようにPLLの位相を更新し、ク
ロックマーク211に位相同期したクロックを生成す
る。
【0193】以上のようにして同期が確立されると、上
述した図2(図3)に示す磁気ディスク1が装置に装着
されている場合と同様にしてデータの記録再生が行われ
る。
【0194】即ち、データの記録時においては、図20
に示すように、データエリアの先頭が、初期磁化の方向
と同一の方向に磁化されるように、記録アンプ9におい
て、記録ヘッド2bに記録電流が供給された後、記録デ
ータ発生回路8からの記録データに対応して極性を変え
た記録電流が記録ヘッド2bに供給され、これにより磁
気ディスク1のデータエリアには、ソースデータに対応
した磁化遷移パターンが記録されることになる。
【0195】従って、データの再生時においては、図2
1に示すような、不要な再生パルスのない、良好なS/
Nの再生信号が得られることになる。
【0196】なお、図14における場合と同様に、図2
0(図21)に示す磁気ディスク1においても、記録モ
ードの切換信号が記録アンプ9に供給されてから、記録
アンプ9が、アクティブ状態になるまでの時間に対応す
るだけのギャップが、サーボエリアとデータエリアとの
間に設けられている。
【0197】以上のように、サーボエリアの各パターン
が、凹凸により刻印形成された、データエリアの少なく
とも先頭部分が、あらかじめ所定の磁化方向に初期磁化
されている磁気ディスク1を用いて、そのデータエリア
の先頭部分には、初期磁化の方向と同一の方向に磁化が
形成されるようにデータを記録するようにしたので、再
生時に符号間干渉が生じることが防止され、この符号間
干渉を低減するためのギャップを設ける必要がないだけ
でなく、さらに正確なサーボ制御を行うことができ、デ
ータをより密に記録することができるので、記録容量を
向上させることができる。
【0198】なお、本実施例においては、データ復調回
路4でビタビ復号法によりデータを復号するようにした
が、これに限られるものではなく、例えば上述した固定
閾値を用いる3値レベル検出法などを用いるようにする
ことができる。また、これらの復号法を併用するように
することができる。
【0199】さらに、本実施例においては、パーシャル
レスポンスを利用した磁気記録再生について説明した
が、本発明はこれに限られるものではない。
【0200】また、本実施例では、データエリアの初期
磁化を、サーボエリアの磁化方向と同一の方向に形成す
るようにしたが、その逆方向に形成するようにしても良
い。
【0201】さらに、本実施例においては、磁気ディス
ク1上のすべてのデータエリアの初期磁化を同一方向に
形成するようにしたが、例えばセクタやセグメントごと
など所定の単位ごとに、データエリアの初期磁化の方向
を変えることができる。但し、この場合、データエリア
に対して、データを記録再生するときの制御が複雑にな
るので、磁気ディスク1のすべてのデータエリアの初期
磁化方向は、同一方向にする方が好ましい。
【0202】
【発明の効果】請求項1に記載の磁気ディスクによれ
ば、データエリアの少なくとも先頭部分が、あらかじめ
所定の磁化方向に磁化されており、データエリアの先頭
部分には、所定の磁化方向と同一の方向に磁化が形成さ
れるように情報が記録される。従って、磁気ディスク上
に、不要な磁化遷移が形成されないので、磁気ディスク
の記録容量を減らすことなく、符号間干渉を防止するこ
とができる。
【0203】請求項2に記載の磁気ディスク装置によれ
ば、データエリアの少なくとも先頭部分が、あらかじめ
所定の磁化方向に磁化され、磁気ヘッドが、所定の磁化
方向と同一の方向に、データエリアの先頭部分に磁化が
形成されるように情報を記録する。従って、磁気ディス
ク上に、不要な磁化遷移が形成されないので、磁気ディ
スクの記録容量を減らすことなく、符号間干渉を防止す
ることができる。
【0204】請求項3に記載の磁気ディスク装置によれ
ば、磁性膜の一部が除去され、残った部分が所定の磁化
方向と同一方向に磁化されることにより、サーボエリア
にサーボ情報が記録されているので、磁気ディスクの位
置制御を正確に行うことができる。
【0205】請求項4に記載の磁気ディスク装置によれ
ば、磁気ディスクが、凹凸の形成された基板に磁性膜が
形成されて構成されており、磁気ディスクの基板の凸部
に対応する磁性膜の部分が所定の磁化方向と同一方向に
磁化されることにより、サーボエリアにサーボ情報が記
録されているので、磁気ディスクの位置制御を正確に行
うことができる。
【0206】請求項5に記載の磁気ディスク装置によれ
ば、復号手段が、パーシャルレスポンスクラスIVを使
用した変調符号を最尤復号するようになされており、復
号手段によって、データエリアに記録された情報の復号
が開始される直前ごとに、復号手段の内部状態が、所定
の磁化方向に対応する状態に制御される。従って、情報
を正確に復号することができる。
【0207】請求項6に記載の磁気ディスク装置によれ
ば、パーシャルレスポンス(1,−1)符号を処理する
処理手段が、インタリーブしながら使用されることによ
って磁気ヘッドの出力が復号される。従って、装置構成
の簡単化を図ることができる。
【0208】請求項7に記載の磁気ディスク装置によれ
ば、磁気ディスクの有するデータエリアの少なくとも先
頭部分が、すべて同一方向にあらかじめ磁化されている
ので、データエリアの先頭部分への情報の記録制御を、
即ち磁化の形成の制御を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク装置の一実施例の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1の実施例の磁気ディスク1の構成例を示す
平面図である。
【図3】図2の磁気ディスク1の断面図である。
【図4】パーシャルレスポンスを説明する図である。
【図5】パーシャルレスポンスの記録再生系の構成を示
すブロック図である。
【図6】信号レベルの変化を示す図である。
【図7】パーシャルレスポンスPR(1,−1)の状態
遷移図である。
【図8】図7の状態遷移図のトレリスダイヤグラムであ
る。
【図9】ビタビアルゴリズムを説明する図である。
【図10】ビタビアルゴリズムを用いた図1のデータ復
調回路4(図5のデコーダ116)の構成例を示すブロ
ック図である。
【図11】図10のシフトレジスタ121のより詳細な
ブロック図である。
【図12】図10のデータ復調回路4(デコーダ11
6)の動作を説明するタイミングチャートである。
【図13】図11のシフトレジスタ121の動作を説明
するタイミングチャートである。
【図14】図2の磁気ディスク1にデータが記録される
ときに、記録ヘッド2bに供給される記録電流と、磁気
ディスク1の磁化方向との関係を示す図である。
【図15】データエリアを初期磁化する長さを説明する
図である。
【図16】図2の磁気ディスク1からデータが再生され
るときに、再生ヘッド2aから出力される再生信号と、
磁気ディスク1の磁化方向との関係を示す図である。
【図17】図1の実施例の磁気ディスク1の他の構成例
を示す平面図である。
【図18】図17の磁気ディスク1の断面図である。
【図19】図17の磁気ディスク1が初期磁化された様
子を示す断面図である。
【図20】図17の磁気ディスク1にデータが記録され
るときに、記録ヘッド2bに供給される記録電流と、磁
気ディスク1の磁化方向との関係を示す図である。
【図21】図17の磁気ディスク1からデータが再生さ
れるときに、再生ヘッド2aから出力される再生信号
と、磁気ディスク1の磁化方向との関係を示す図であ
る。
【図22】符号間干渉を説明する図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスク 2 磁気ヘッド 2a 再生ヘッド 2b 記録ヘッド 3 再生アンプ 4 データ復調回路 5 クロック生成回路 6 タイミング発生回路 7 レジスタ設定回路 8 記録データ発生回路 9 記録アンプ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報が記録または再生される面上に磁性
    膜が形成された、データエリアとサーボエリアとを有す
    る磁気ディスクにおいて、 前記データエリアの少なくとも先頭部分は、あらかじめ
    所定の磁化方向に磁化されており、 前記データエリアの先頭部分には、前記所定の磁化方向
    と同一の方向に磁化が形成されるように情報が記録され
    ることを特徴とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 情報が記録または再生される面上に磁性
    膜が形成された、データエリアとサーボエリアとを有す
    る磁気ディスクと、 前記磁気ディスクに対して情報を記録または再生する磁
    気ヘッドと、 前記磁気ヘッドの出力を復号する復号手段とを備える磁
    気ディスク装置において、 前記データエリアの少なくとも先頭部分は、あらかじめ
    所定の磁化方向に磁化され、 前記磁気ヘッドは、前記所定の磁化方向と同一の方向
    に、前記データエリアの先頭部分に磁化が形成されるよ
    うに情報を記録することを特徴とする磁気ディスク装
    置。
  3. 【請求項3】 前記磁性膜の一部が除去され、残った部
    分が前記所定の磁化方向と同一方向に磁化されることに
    より、前記サーボエリアにサーボ情報が記録されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気ディスクは、凹凸の形成された
    基板に前記磁性膜が形成されて構成されており、 前記磁気ディスクの基板の凸部に対応する前記磁性膜の
    部分が前記所定の磁化方向と同一方向に磁化されること
    により、前記サーボエリアにサーボ情報が記録されてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク装
    置。
  5. 【請求項5】 前記復号手段は、パーシャルレスポンス
    クラスIVを使用した変調符号を最尤復号するようにな
    されており、 前記復号手段によって、前記データエリアに記録された
    情報の復号が開始される直前ごとに、前記復号手段の内
    部状態を、前記所定の磁化方向に対応する状態に制御す
    る制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項2乃
    至4のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記復号手段は、パーシャルレスポンス
    (1,−1)符号を処理する一対の処理手段を有し、こ
    れをインタリーブしながら使用することによって前記磁
    気ヘッドの出力を復号することを特徴とする請求項5に
    記載の磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気ディスクの有する前記データエ
    リアの少なくとも先頭部分は、すべて同一方向にあらか
    じめ磁化されていることを特徴とする請求項2乃至6の
    いずれかに記載の磁気ディスク装置。
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