JP4238425B2 - ディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクなどデータをデジタル的に記録・再生するデジタルデータ記録再生装置に関するものである。さらに詳細には、ディスクに対するヘッドの位置決め動作の安定性を向上させたディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクを使ったデータ記憶装置では、データの記録再生を行うためのヘッドを所定の位置に制御するため、サーボ情報が使用される、このサーボ情報は、一般にディスクのデータ記録面と同一面に配置され、ヘッドによりサーボ情報が読み取られて、ディスク上の所望のデータ記録再生位置にヘッドが位置決めされる。
【0003】
磁気ディスク装置等で用いられるディスク状記録媒体においては、サーボ情報を記録したサーボ領域とユーザーデータを記録するデータ領域とを回転方向に交互に形成した、いわゆる埋め込みサーボ(Embedded Servo)方式が多く採用されている。
【0004】
サーボ情報は、ヘッドがどのトラックにあるかを示すトラックアドレス情報、ディスクの周方向の位置を表すセグメント番号、ディスクのどの面であるかを識別する面番号などのデジタルデータと、そのトラック内での詳細な位置を示す位置誤差信号等によって構成される。
【0005】
埋め込みサーボ方式は、セクタサーボ方式とも呼ばれ、セクタサーボ方式は、基準信号となるクロック信号を得るため、サーボ情報が記録された領域、すなわちサーボ領域ごとに、例えばサーボ領域の先頭エリアにクロック情報を記録しておき、これをヘッドが読み取り、再生することによって同期をとる方式である。
【0006】
この方式では、必ずしも各サーボ領域間の位相がそろっておらず、各サーボ領域の先頭エリアごとにたくさんのクロック情報を必要とするため、サーボ領域数を増加させると、データゾーンに使用できるディスク上の領域が減少し、データ利用効率が低下するという問題がある。
【0007】
一方、各サーボ領域を同一位相で記録しておき、各サーボ領域にまたがって位相を再生する方式を同期サーボ方式という。同期サーボ方式は、各サーボ領域ごとに必要なクロック情報が少なくてすむため、サーボ領域数を増加させてもデータ利用効率の低下が最小限ですむという利点がある。
【0008】
図1は、同期サーボ型磁気ディスク装置で使用される磁気ディスクの一例を示している。図1に示す磁気ディスクは、サーボゾーン101とデータゾーン102とが交互に配置された構成を持つ。
【0009】
図1には、複雑化を避けるため、サーボゾーン101の数を実際より少なく示してあるが、実際のディスクにおいては、ディスク1周当たり、数十から数百のサーボゾーンが形成される。これらのサーボゾーンのうち、ある一つ(または複数個)のサーボゾーンにおいては、トラックアドレスを記録する領域に、ディスクの周方向の基準点、すなわちホームインデックスを示す特殊なパターンが記録されている。
【0010】
図2にサーボゾーンの詳細を示す。図2に示すようにサーボゾーンには、ヘッドをディスクの所定位置に位置決めして、データの書き込みおよび再生が可能なように様々なマーク、パターンが記録または形成されている。
【0011】
サーボゾーンには所謂シーク動作時等における粗い位置決めのためのサーボ用信号生成に使用されるトラックアドレス201と、オントラック状態を保持する等、細かい位置決めのサーボ用信号生成のためのファインシグナル203とが記録されている。さらにクロックマーク202が設けられ、クロック生成のために用いられる。高精度のクロックを生成し、且つ、充分なサーボ信号を得るために、サーボゾーンは、トラック1周当たり数十以上設けられ、等間隔で配置されている。
【0012】
サーボゾーンは、上述のように、トラックアドレス201、ファインシグナル203、クロックマーク202から構成されている。クロックマーク202はクロック信号生成のためのマークを放射状に連続して記録したものであり、このクロックマークに基づく再生孤立波形において、例えばピークの存在時刻が、サーボ系に対して磁気ディスクの回転に同期したクロック情報を与える。
【0013】
上述したサーボゾーン101内の各種信号について、簡単に説明する。トラックアドレス201は、磁気ヘッドの位置決めサーボのうち、目標トラックにヘッドを移動させるトラックシーク・モードにおいて必要とされるものである。トラックアドレス201は、例えばトラックアドレスをグレイコードなどにより符号化して、各トラック毎に異なるように長さと配置を変えたパターンとして形成される。
【0014】
また、ファインシグナル203は、磁気ヘッドの位置決めサーボのうち、目標トラックの中心にヘッドを正確に位置決めするトラッキングモードにおいて必要であり、トラックに対するヘッドの相対位置を示すパターンである。4つの磁気パターン、A、B、X、Yからなる。
【0015】
クロックマーク202からは、再生孤立波形が再生される。再生孤立波形において、例えばピークの存在時刻からディスク回転に同期したクロック情報が得られる。
【0016】
クロックマーク202への同期はクロック生成回路により行われるが、初期同期確立前は、まずクロックマーク202のおおよその存在位置を捜さなければならない。そのための同期補助パターンとして、ユニークパターンがアドレス領域にトラックアドレスに替わって一定周期で、例えばトラック1周に数10箇所程度記録されている。このユニークパターンは、クロック信号が生成される以前においても容易に検出できるようになされる。初期同期確立時には、まずユニークパターンを検出し、それから一定クロック数後にクロックゲート信号を発生して、クロックマークに対応する再生孤立波形を抽出する。
【0017】
また、磁気ディスクの回転基準点を示すのがホームインデックスパターンと呼ばれ、デイスク1周につき、通常1個、上記のユニークパターンに替わって、トラックアドレス領域に記録されている。ホームインデックスを検知し、さらに、ここからのサーボゾーン数をカウントすることで、周方向の位置を特定できるように構成されている。
【0018】
なお、初期同期確立動作、すなわちクロックマーク202への同期を確立するための動作のために、上述したディスクの周方向の基準点、すなわち特殊なユニークパターンを検出する。ユニークパターンは、クロックマークのおおよその存在位置を検出するために用いられる同期補助パターンであり、ディスクのトラックアドレス領域にデイスク1周当たり数10個所記録される。このユニークパターン検出には、例えば以下のような方法が用いられる。
【0019】
まず、ディスク媒体から再生される再生信号からバイナリデータを検出する。このために、再生信号は、A/D変換器によりディジタル信号に変換された後に、しきい値検出器またはビタビデコーダによってバイナリデータに変換される。ビタビデコーダは、得られたサンプル列をデコードデータとしてビタビ復号する。しきい値検出器またはビタビデコーダは、例えばユニークパターン検出回路内等に設けられる。
【0020】
このようにして生成されたバイナリデータから、例えば以下のような方法によってユニークパターンが認識される。すなわち、ユニークパターン検出回路は、ユニークパターンから再生されるバイナリデータパターンを予め記憶している。そして、初期同期確立動作においてビタビ復号等の方法によって検出されたバイナリデータパターンと、上述したように予め記憶していたバイナリデータパターンが一致した場合に、ユニークパターンを検出したと判断する等の方法である。
【0021】
そして、ユニークパターン検出回路は、ユニークパターンを検出した時点から所定の時間が経過した後にウィンドウを生成して、クロックマーク202から再生される再生孤立波形を検出する。このようにして検出される再生孤立波形に基づいて、上述したようにクロック情報を生成することが可能となる。
【0022】
磁気ディスク装置においては、上述したようなディスク媒体上のサーボゾーンに形成された種々のパターンから再生される再生信号に基づいて、所定のトラックに磁気ヘッド等の記録または再生手段を移動させ、さらに、トラック中心へのトラッキングを行いながら、クロックに同期して、データの記録/再生を行うように構成されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の同期サーボ方式では、各サーボ領域にまたがった位相の再生を行うため、スピンドルモーターの回転変動などによる局所的な位相の変動に対し追従しきれないという問題がある。すなわち、各サーボゾーンに記録されたクロックマークによる同期に基づくサーボ情報の読み取り処理において、誤ったサーボ情報の読み取り、例えばトラックアドレスの読み誤り等が発生する可能性がある。
【0024】
このように局所的な位相の変動が生じると、サーボゾーンに記録されたヘッドの位置を知るためのトラックアドレス情報やセグメント番号、面番号などの情報を検出するときに誤りが生じやすくなる。
【0025】
図3に、各サーボゾーンに記録されたクロックマークによって正しい同期処理がなされ、正しい位相でサーボ情報をサンプリングしているときのアドレスデータのサンプリング例を示す。図3において○印がサンプル点である。
【0026】
この例では、サンプル値は順に{+1.0,−1.0,0.0,+1.0}となっており、例えば±1/2をしきい値として判別することにより、順に{1,1,0,1}と検出することができる。
【0027】
しかし、サンプリング位相がずれた場合、正しく検出することが不可能になることがある。
【0028】
図4に、サンプル位相が前にずれた例を示す。図4に示すように、サンプル位相が前にずれた場合は、図2に○印で示すように、サンプル値は順に{+0.4,−0.4,0.0,+0.4}などとなり、例えば±1/2をしきい値として判別すると、検出結果は順に{0,0,0,0}となり、誤った結果になってしまう。
【0029】
上述のように各サーボゾーンに記録されたクロックマークに基づいてクロック情報を得るディスクドライブ装置においては、局所的な位相変動が発生すると、誤ったクロック情報に基づいてサーボ情報を誤検出する可能性があった。
【0030】
本発明は、上述の従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、本発明は、同期サーボ方式を採用するディスクドライブ装置において、局所的な位相変動が発生した場合においても、トラックアドレスなどのサーボ情報を誤検出する確率を最小限におさえることを可能としたディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を実現するものであり、その第1の側面は、
ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするアナログデジタル変換手段と、
前記アナログデジタル変換手段によってサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、個々の入力分割ビットストリームに基づいてアドレス検出と誤り検出を実行する前記入力分割ビットストリーム毎のアドレス検出手段と、
前記複数のアドレス検出手段におけるアドレス検出の結果として複数のアドレス検出手段から出力される復号結果を入力するとともに、前記複数のアドレス検出手段で得られた誤り検出結果を入力して、誤りがないことを示す誤り検出結果を入力した1つのアドレス検出手段からの復号結果を選択して出力する選択手段と、
を有することを特徴とするディスクドライブ装置にある。
【0032】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記アドレス情報は、ディスク上のトラックを識別するトラックアドレスであることを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記サーボ情報を構成するアドレス情報は誤り検出用の冗長ビットを付加した構成を有し、前記アナログデジタル変換手段によってサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームの各々は、冗長ビットを含んだ分割ビットストリームとして構成され、前記複数のアドレス検出手段中の前記誤り検出手段は、入力された分割ビットストリームに含まれる冗長ビットに基づいて誤り検出を実行する構成であることを特徴とする。
【0035】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記アナログデジタル変換手段は、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成を有し、前記複数のアドレス検出手段は、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された4本の分割ビットストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームを入力するアドレス検出手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームを入力するアドレス検出手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームを入力するアドレス検出手段の3つであることを特徴とする。
【0036】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記複数のアドレス検出手段は、入力分割ビットストリームに、予め定められたしきい値を適用して、該入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力する構成を有することを特徴とする。
【0037】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記複数のアドレス検出手段は、入力分割ビットストリームに基づく最尤復号処理を実行して、前記入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力する構成を有することを特徴とする。
【0038】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、前記アナログデジタル変換手段は、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成であることを特徴とする。
【0039】
さらに、本発明の第2の側面は、
ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするアナログデジタル変換手段と、
前記アナログデジタル変換手段によってサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、個々の入力分割ビットストリームに基づいて最尤復号処理によるアドレス検出とを実行する前記入力分割ビットストリーム毎の最尤復号手段と、
前記複数の最尤復号手段における復号結果を入力するとともに、前記複数の最尤復号手段における復号処理において得られる尤度情報を入力して、該入力された複数の尤度情報のうち尤度が最大である尤度情報を入力した1つの最尤復号手段からの復号結果を選択して出力する選択手段と、
を有することを特徴とするディスクドライブ装置にある。
【0040】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記アドレス情報は、ディスク上のトラックを識別するトラックアドレスであることを特徴とする。
【0041】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記サーボ情報を構成するアドレス情報は誤り検出用の冗長ビットを持たない構成を有することを特徴とする。
【0042】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記アナログデジタル変換手段は、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成を有し、前記複数の最尤復号手段は、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された4本の分割ストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームを入力する最尤復号手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームを入力する最尤復号手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームを入力する最尤復号手段の3つであることを特徴とする。
【0043】
さらに、本発明のディスクドライブ装置の一実施態様において、前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、前記アナログデジタル変換手段は、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成であることを特徴とする。
【0044】
さらに、本発明の第3の側面は、
ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするサンプル・ステップと、
前記サンプル・ステップにおいてサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、各々の入力分割ビットストリームに基づいて前記入力分割ビットストリーム毎に設けられているアドレス検出手段において並列にアドレス検出と誤り検出を実行するアドレス検出ステップと、
前記アドレス検出ステップにおけるアドレス検出の結果として前記複数のアドレス検出手段から出力される複数の復号結果を入力するとともに、前記複数のアドレス検出手段で得られた誤り検出結果を入力して、誤りがないことを示す誤り検出結果を入力した1つのアドレス検出手段からの復号結果を選択して出力する選択出力ステップと、
を有することを特徴とするディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法にある。
【0046】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記サーボ情報を構成するアドレス情報は誤り検出用の冗長ビットを付加した構成を有し、前記サンプル・ステップにおいてサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームの各々は、冗長ビットを含んだ分割ビットストリームとして構成され、前記誤り検出ステップは、入力分割ビットストリームに含まれる冗長ビットに基づいて誤り検出を実行するステップを含むことを特徴とする。
【0047】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記サンプル・ステップは、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングし、前記アドレス検出ステップは、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームから分割された4本の分割ビットストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームの各々を3つのアドレス検出手段に入力して、個々の入力分割ビットストリームに基づくアドレス検出を実行することを特徴とする。
【0048】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記アドレス検出ステップは、入力分割ビットストリームに、予め定められたしきい値を適用して、該入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力することを特徴とする。
【0049】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記アドレス検出ステップは、入力分割ビットストリームに基づく最尤復号処理を実行して、前記入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力することを特徴とする。
【0050】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、前記サンプル・ステップは、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングすることを特徴とする。
【0051】
さらに、本発明の第4の側面は、
ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするサンプル・ステップと、
前記サンプル・ステップにおいてサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、各々の入力分割ビットストリームに基づいて前記入力分割ビットストリーム毎に設けられている最尤復号手段において並列に最尤復号処理を実行する最尤復号処理ステップと、
前記複数の最尤復号手段における複数の復号結果を入力するとともに、前記複数の最尤復号手段における復号処理において得られる複数の尤度情報を入力して、該入力された複数の尤度情報のうち尤度が最大である尤度情報を入力した1つの最尤復号手段からの復号結果を選択して出力する選択出力ステップと
を有することを特徴とするディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法にある。
【0052】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記サンプル・ステップは、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングし、前記アドレス検出ステップは、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームから分割された4本の分割ビットストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームの各々を3つの最尤復号手段に入力して、個々のビットストリームに基づくアドレス検出を実行することを特徴とする。
【0053】
さらに、本発明のサーボ情報検出方法の一実施態様において、前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、前記サンプル・ステップは、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングすることを特徴とする。
【0054】
【作用】
上述の本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法によれば、スピンドルモータの回転変動などにより、局所的な位相の変動が生じた場合でも、トラックアドレスなどのサーボ情報を正しく検出することが可能となり、これによって、ヘッドの位置決めを正しく行うことができるようになり、位相外乱耐性の高いトラックアドレス検出が可能となる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法の構成についてその詳細を説明する。なお、以下の実施例では、情報記録媒体として磁気ディスクを使用した例を中心として説明するが、本発明は磁気ディスク装置に限らず、光磁気ディスク、光ディスク等、サーボ情報によるヘッドの位置決めを伴ってデータの記録または再生を実行する情報記録媒体を有するディスク装置全般に適用可能な発明である。
【0056】
【実施例】
[実施例1]
本発明にかかるディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法において適用可能な一例としての磁気ディスクは、例えばサーボゾーンとデータゾーンが交互に配置された構成であり、前述の従来技術の欄で説明したと同様のディスクフォーマットを有する磁気ディスクである。
【0057】
磁気ディスクは、図1に示すようにサーボゾーン101とデータゾーン102とが交互に配置された構成を持つ。前述のように図1では、サーボゾーン101の数を実際より少なく示してあるが、実際のディスクにおいては、ディスク1周当たり、数十から数百のサーボゾーンが形成される。これらのサーボゾーンのうち、ある一つ(または複数個)のサーボゾーンにおいては、トラックアドレスを記録する領域に、ディスクの周方向の基準点、すなわちホームインデックスを示す特殊なパターンが記録されている。
【0058】
サーボゾーンには、図2に示すように所謂シーク動作時等における粗い位置決めのためのサーボ用信号生成に使用されるトラックアドレス201と、オントラック状態を保持する等、細かい位置決めのサーボ用信号生成のためのファインシグナル203とが記録されている。さらにクロックマーク202が設けられ、クロック生成のために用いられる。高精度のクロックを生成し、且つ、充分なサーボ信号を得るため、サーボゾーンはトラック1周当たり数十以上設けられ、等間隔で配置されている。
【0059】
なお、図2に示す例では、サーボゾーンの先頭にトラックアドレス201があり、次にサンプリング位相を再生するためのクロックマーク202、それに引き続いてトラック内での詳細な位置誤差を検出するためのファインシグナル203が記録されているが、順番は必ずしもこの通りである必要はない。
【0060】
また、本実施例1における、トラックアドレス201部分には、誤り検出符号、例えば奇数パリティ(odd parity)やCRCが付加されている。
【0061】
また、トラックアドレス部分には、サーボ領域数個あたりに一つ、ディスクの周方向の位置を示すセグメント番号が記録されている。さらに、ディスクのどの面であるかを識別する面番号も、サーボ領域数個あたりに一つ記録されている。
【0062】
トラックアドレス201には、アクセスパターンとしてのトラックアドレスコードが記録され、目標トラックに磁気ヘッドを移動させるトラックシークに用いられる。アクセスパターンは、例えばトラックアドレスをグレイコード等により符号化し、トラックごとに異なるように長さと配置を変えたパターンによって構成される。
【0063】
ファインシグナル203は、目標トラックの中心にヘッドを正確に位置決めするトラッキングモードにおいて必要であり、トラックに対する磁気ヘッドの相対位置を示すパターンである。このファインシグナル203は、A,B,X,Yなる4つの磁気パターンで構成される。
【0064】
クロックマーク202は、クロック信号生成のためのマークを放射状に連続して記録したものであり、このクロックマークに基づく再生孤立波形の例えばピークの存在時刻から、磁気ディスクの回転に同期したクロック情報が得られる。
【0065】
クロックマーク202への同期はクロック生成回路により行われるが、初期同期確立前は、まずクロックマーク202のおおよその存在位置を捜さなければならない。そのための同期補助パターンとして、ユニークパターンがアドレス領域にトラックアドレスに替わって一定周期で、例えばトラック1周に数10箇所程度記録されている。このユニークパターンは、例えば、半径方向に連続する複数の線(パターン)より構成されており、クロック信号が生成される以前においても容易に検出できるようになされる。一般に、符号化したデータ系列には現れ得ないバイオレーションコードなどが使用される。初期同期確立時には、まずユニークパターンを検出し、それから一定クロック数後にクロックゲート信号を発生して、クロックマークに対応する再生孤立波形を抽出する。
【0066】
また、磁気ディスクの回転方向の位置を知るために、回転原点としてホームインデックスパターンと呼ばれるさらに他と区別されたパターンが、1周に1個、ユニークパターンに替わってトラックアドレス領域に記録されている。ユニークパターンによって初期同期が確立した後、磁気ディスクの回転方向の位置(磁気ヘッドが浮上している位置)を知るためにホームインデックスパターンの検出を最悪1周待ってから、セグメント同期(フレーム同期)が確立し、ようやく通常の記録再生が可能なモードに移行する。
【0067】
図5に、本発明にかかるディスクドライブ装置の一実施例の構成を示すブロック図を示す。図5のブロック図を用いて本発明にかかるディスクドライブ装置の動作について説明する。
【0068】
まず、サーボゾーンのアドレス情報を再生して、ヘッドの位置制御情報として使用する場合の信号の流れについて説明する。
【0069】
磁気ディスク510から再生ヘッド512によって再生された信号は再生アンプ515によって増幅された後、A/D変換器(ADC)526によってデジタル信号に変換される。
【0070】
このA/D変換器(ADC)526によって変換された信号はトラック番号/位置信号検出回路517に入力され、その検出信号がさらに位置制御を行う位置制御回路522に入力され、VCM(ボイスコイルモータ)523を駆動することでヘッド512の位置決め制御が行われる。
【0071】
ただし、ここでA/D変換器は、トラックアドレスのビットレートの複数倍、例えば4倍のサンプリングレートで動作するようにされている。つまり、4倍オーバーサンプリングされる構成となっている。
【0072】
また、A/D変換器(ADC)526によって変換されたデジタル信号は、トラック番号/位置信号検出回路517によって半径方向の位置と周方向の位置が特定される。
【0073】
このようにサーボゾーンのサーボ情報に基づいてヘッド512はディスク510に対して所望の位置に位置決めされ、データの記録再生を実行する。
【0074】
次に、トラック番号/位置信号検出回路517の詳細な構成を、図6を用いて説明する。
【0075】
図6に示すように、トラック番号/位置信号検出回路517は、A/D変換器からのサンプリングデータを受け取る。これらのサンプリングデータは、信号再生ヘッド512によって再生され、再生アンプ515によって増幅され、A/D変換器(ADC)526によってデジタル信号に変換された信号であり、上述のようにトラックアドレスのビットレートの4倍のサンプリングレートでサンプリングされた信号である。
【0076】
A/D変換器(ADC)526からの4倍オーバーサンプリング信号は、1つづつトラック番号/位置信号検出回路517のアドレス検出器631,632,633に、それぞれ順番に入力され、4番目のサンプルは一つ捨てられた後、その次のサンプルからまた順にアドレス検出器631,632,633に入力される。4つのサンプリングデータは、時間軸に沿って等間隔にサンプルされたデータ、すなわちアドレスビット同期の1/4、すなわち25%ごとにサンプルされたデータである。
【0077】
このアドレス検出器631,632,633に入力される分割ビットストリームであるサンプリングデータのうち、位相の変動がないときの正しい位相でサンプリングされたデータ列が、アドレス検出器632に入力されるように構成されており、一つ前のサンプル列、すなわちアドレスビット同期の25%だけ進んだ位相でサンプリングされたデータ列がアドレス検出器631に入力され、一つ後のサンプル列、すなわちアドレスビット同期の25%だけ遅れた位相でサンプリングされたデータ列がアドレス検出器633に入力されるようになっている。
【0078】
これら3つのアドレス検出器631,632,633に入力されるサンプリングデータの例を図7に示す。
【0079】
図7に示す例は、アドレスとして{1,1,0,1}の4ビットを使用する例であり、これに誤り検出用の冗長ビットとして奇数パリティ(odd parity)となるように{0}が付加され、あわせて{1,1,0,1,0}の5ビットが記録されている例である。
【0080】
X印のサンプル点が、正しい位相の25%前でサンプルされたときのサンプル列、すなわちアドレス検出器631の入力サンプル列であり、順に{+0.2,−0.2,0.0,+0.2,0.0}である。
【0081】
これらアドレス検出器631に入力されたサンプリングデータは、例えば±1/2をしきい値として判定することで、{0,0,0,0,0}と復号される。
【0082】
ここで、検出器としては、しきい値による検出だけでなく、ビタビデコーダなどの最尤復号器を用いる構成でもよい。
【0083】
白丸のサンプル点が、正しい位相でサンプルされたときのサンプル列、すなわちアドレス検出器632の入力サンプル列であり、順に{+1.0,−1.0,0.0,+1.0,0.0}である。
【0084】
これらアドレス検出器632に入力されたサンプリングデータは、例えば±1/2をしきい値として判定することで、{1,1,0,1,0}と復号される。
【0085】
黒印のサンプル点が、正しい位相の25%後でサンプルされたときのサンプル列、すなわちアドレス検出器633の入力サンプル列であり、であり、順に{+0.2,−0.2,0.0,+0.2,0.0}である。
【0086】
これらアドレス検出器633に入力されたサンプリングデータ、例えば±1/2をしきい値として判定することで、{0,0,0,0,0}と復号される。
【0087】
図5に示すトラック番号/位置信号検出回路517を構成する図6のアドレス検出器631〜633には、誤り検出回路も付加されており、トラックアドレスに引き続いて再生される冗長ビットのサンプル値から誤り検出演算を行い、その結果デコードされた値が正しいか間違っているかの情報もデコード結果にあわせてセレクタ634に出力するようにされている。
【0088】
本実施例のように、奇数パリティ(odd parity)となる冗長ビットを1ビット付加した場合、図7に示す再生信号をデコードしたときには、アドレス検出器631と検出器633のデコード結果がともに{0,0,0,0,0}であり、奇数パリティ(odd parity)に違反するのでこの検出結果は誤りであったことがわかる。
【0089】
一方、アドレス検出器632のデコード結果は{1,1,0,1,0}であるから、この結果は奇数パリティ(odd parity)に違反せず、正しい結果である可能性が高いことがわかる。
【0090】
図6に示すセレクタ634は、アドレスの復号結果とこれらの信号により、アドレス検出器632の復号結果を選択して最終復号結果として出力する。
【0091】
図7の例は、アドレス検出器631,632,633に入力されるサンプリングデータの1つが正しいサンプリングデータを入力していた例であるが、次に、外乱等により、アドレス検出器631,632,633に入力されるサンプリングデータに位相ずれが発生している場合の例を図8に示す。
【0092】
図8は、サンプリング位相がアドレスビットレートの20%ほど前に変動したときの動作の例である。
【0093】
X印のサンプル値は、アドレス検出器631の入力サンプル列であり、順に{+0.1,−0.1,0.0,+0.1,0.0}である。
【0094】
これらアドレス検出器631に入力されたサンプリングデータは、例えば±1/2をしきい値として判定することで、{0,0,0,0,0}と復号される。
【0095】
白丸のサンプル値は、アドレス検出器632の入力サンプル列であり、順に{+0.3,−0.3,0.0,+0.3,0.0}である。
【0096】
これらアドレス検出器632に入力されたサンプリングデータは、例えば±1/2をしきい値として判定することで、{0,0,0,0,0}と復号される。
【0097】
黒印のサンプル値は、アドレス検出器633の入力サンプル列であり、順に{+0.8,−0.8,0.0,+0.8,0.0}である。
【0098】
これらアドレス検出器633に入力されたサンプリングデータ、例えば±1/2をしきい値として判定することで、{1,1,0,1,0}と復号される。
【0099】
この場合には、アドレス検出器631内とアドレス検出器632内の誤り検出演算回路が誤りを検出し、アドレス検出器633内の誤り検出演算回路が正しい結果であることを示す信号を出力する。
【0100】
図6に示すセレクタ634は、アドレスの復号結果とこれらの誤り検出信号により、アドレス検出器633の復号結果を選択して最終復号結果として出力する。
【0101】
以上のように、サンプリング位相が変動した場合でも、アドレス検出器631〜633のいずれかの出力が正しければ、結果として正しい値が出力される。
【0102】
このように、本実施例の情報記録媒体および情報処理装置によれば誤り検出用の冗長ビットを付加したトラックアドレスを有するサーボ情報を複数の位相の異なるデータ列としてサンプリングして、それぞれのサンプルデータ列を入力したアドレス検出器631〜633の各々において冗長ビットによる誤り検出を実行して正確なサンプルデータ列を入力したアドレス検出器のサンプルデータ列をセレクタ634によって正しいデータ列として選択する構成としたので、位相ずれが発生した状態においても、正確なアドレスデータを取得することが可能となり、位相外乱耐性の高い情報記録媒体および情報処理装置を提供することができる。
【0103】
以上、誤りを検出する符号として奇数パリティ(odd parity)を1ビット付加する場合の例について述べたが、これ以外の符号、例えばハミング符号(Hammingcode)やCyclic Redundancy Checkcode(CRC符号)などでもよいことはいうまでもない。
【0104】
[実施例2]
実施例1の構成では、アドレスデータに誤り検出符号を付加した構成として、サンプリング位相が変動した場合でも、アドレス検出器631〜633のいずれかの出力が正しければ、結果として正しい値が出力されるというものであったが、実施例1の構成は、トラックアドレスに誤り検出符号を付加しなくてはならず、サーボデータの冗長度が高くなり、サーボゾーンの増大を招き、一般のデータを記録できるデータゾーンの容量が減少するという問題がある。
【0105】
また、短い冗長ビットを付加するだけでは誤検出の確率が高くなってしまい、逆にCRCのように長い冗長ビットを付加するとデータ記録容量が更に少なくなるという問題もある。
【0106】
本実施例では、アドレスに誤り検出符号を付加することなく、サンプリング位相が変動した場合でも正しい復号結果を出力することが可能な構成について述べる。
【0107】
本発明にかかる磁気ディスク装置は、ディスクフォーマット及びサーボゾーン内構成は実施例1と同様、図1、図2に示す構成を持つが、本実施例では、トラックアドレス部分に対して、奇数パリティ(odd parity)、CRC符号などの誤り検出符号が付加されておらず、例えば特開平08−194904に示すフォーマットでトラックアドレスが記録されている。
【0108】
特開平08−194904に示すトラックアドレスフォーマットについて図9を用いて簡単に説明する。図9に示すように、トラックアドレスは、磁化反転のあるビットを1とする記録の仕方ではなく、例えば磁気ヘッドの走行方向に磁化されたビットを1、反対方向に磁化されたビットを0としたときに(逆でも同様であるが)、磁化の方向がグレイコードとなるように記録され、トラックと直交する方向に揃えられて配されている。図9に示すように、図で右向きの磁化を1、左向きの磁化を0であるとすると、トラックアドレスに基づいた磁化の方向が、トラックk+1では1100、トラックkでは1000、トラックk−1では1010となる。すなわち、これらの磁化の方向は、互いに隣接するトラック間では1ビットだけ異なり、グレイコードの条件を満足している。
【0109】
このように、アドレス情報に基づいた磁化の方向又は着磁の有無が隣接するトラック間でグレイコードとなるようにディスクのトラックアドレス領域に記録し、このアドレス情報の再生信号を最尤復号して、アドレス情報を再生することにより、アドレス情報として必要な情報量のビット数に対して冗長度を付加することなく、グレイコードとしての性質を保ったまま、アドレス情報をより確実に復号(デコード)することができる。なお、トラックアドレスをビタビデコーダによって復号する際の動作については、特開平08−194904に詳しく開示されている。
【0110】
本実施例のディスクドライブ装置は、実施例1と同様に図5に示すブロック図構成が適用される。ただし、本実施例におけるトラック番号/位置信号検出器517の詳細な構成は、図10に示す構成を持ち、図10に示すアドレス検出器1031〜1033は、ビタビデコーダによって構成されている。
【0111】
実施例1と同様、トラックアドレスのビットレートの複数倍、例えば4倍のサンプリングレートでサンプリングされたデータが図10のアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031,1032,1033にそれぞれ入力される。位相外乱がないときに正しいとされる位相でサンプリングされたストリームと、アドレスビット同期の1/4、すなわち25%前と後のストリームのあわせて3本のストリームを図10のアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031,1032,1033に入力する。
【0112】
3個のビタビデコーダ1031,1032,1033は、それぞれ独立に尤度を計算しながら復号処理を行なう。サーボ情報のすべてのビットデコードが終了した段階で、内部に保持された尤度情報をデコード結果とあわせて出力する。
【0113】
これらのデコード情報のうち、より正しい位相でサンプリングされたストリームを入力されたビタビデコーダからの結果はエラーレートが低くなり、ずれた位相でサンプリングされたビタビデコーダからの結果はエラーレートが高くなり、結果がエラーである可能性が高い。
【0114】
各ビタビデコーダ1031〜1033内部に保持された尤度情報は、入力信号系列が想定する系列として妥当であれば、大きな値となる。つまり、より正しい位相でサンプリングされたストリームを入力されたビタビデコーダからの尤度情報は他より大きな値となるはずである。従って、尤度の大きなビタビデコーダからの出力を正しいデコード結果として選択することで位相がわからなくても常に最も正しいと思われる結果を出力することができる。本方法によれば、トラックとトラックの中間付近においても正しくグレイコードを復号することが可能である。
【0115】
本実施例にかかるアドレス検出器1031〜1033を構成するビタビデコーダの構成を図11に示す。図10に示すアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031,1032,1033の各々が図11に示す構成を有し、それぞれが、トラックアドレスのビットレートの4倍のサンプリングレートでサンプリングされたデータに基づく3つの異なる分割ストリームを入力する。それぞれの入力サンプル値ykはブランチメトリック演算回路1141に入力され、以下に説明する式にしたがってブランチメトリックが計算される。
【0116】
パーシャルレスポンス方式により再生信号をPR(1,−1)特性に等化して、この等化された再生信号を図10に示すアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031,1032,1033において最尤復号処理を実行する。
【0117】
ビタビ復号アルゴリズムは、ある時刻kにおける各々の状態について、そこに至るまでの尤度(メトリック)が最も大きくなるようなパスを1つに絞りながら、データを決定していく復号方法である。図12に、PR(1,−1)に対するビタビ復号におけるトレリスダイアグラムを示す。
【0118】
図12に示すPR(1,−1)のトレリスダイアグラムは、状態数は2であり、それぞれのブランチのブランチメトリックを、矢印の横に示している。これらの値を用いて、以下の式にしたがってメトリックの大きなものを選択することを繰り返しながら処理を進めていく。
【0119】
ただし、pm0kは状態0の時刻kにおけるパスメトリック値、pm1kは状態1の時刻kにおけるパスメトリック値である。また、max{A,B}は、AとBのうち値の大きなものを返す関数である。
【0120】
【数1】
【0121】
ただし、実際にはメトリックの大小だけがわかればよいので、両辺に(yk)2を加えてもよく、これらの式は次の式(5)、(6)のように変形される。
【0122】
【数2】
【0123】
また、両辺をrk(>0)で割っても大小関係は変わらないので、結局、状態更新の式は次の式(7),(8)のようになる。
【0124】
【数3】
【0125】
サンプル値ykはブランチメトリック演算回路1141に入力され、上式にしたがってブランチメトリックが計算される。
【0126】
すなわち、−2yk−rkと、2yk−rkが計算され、加算比較選択回路(Add Compare Select(ACS))1142に入力される。
【0127】
加算比較選択回路(Add Compare Select(ACS))1142は、パスメトリックpm0とpm1の値を保持するレジスタを有し、この値とブランチメトリックを加算して、上記式(7)、(8)に従って大小比較が行われ、大きい方が新たにpm0とpm1として保持される。この処理と同時に、どちらが大きかったかという情報がパスメモリ1143に対して出力される。
【0128】
また、状態0のパスメトリックの値pm0が尤度情報として出力されるようになっている。パスメモリ1143は、パラレルロード/シリアルシフト型のレジスタセットであり、ACS1142からの判定結果をもとにデータ処理が行われる。
【0129】
トラックアドレスのすべてのサンプル値の演算が終了した時点で、パスメトリックの値は、デコード結果がどの程度確からしいかの情報を有している。
【0130】
すなわち、パスメトリックの更新は上記式(7),(8)に従って行われるから、再生信号に含まれるノイズやサンプリング位相のずれなどに起因する振幅誤差の量が小さければ、累積後のパスメトリックの値は大きな値を示し、誤差の量が大きければ、累積後のパスメトリックの値は小さな値を示すことになる。
【0131】
従って、図10に示すアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033のうち、大きなパスメトリックを持つ検出回路から出力される復号結果は確からしく、小さなパスメトリックを持つ検出回路から出力される復号結果は確からしくないということが言える。
【0132】
このように、本実施例におけるトラック番号/位置信号検出回路517(図5参照)の構成は、図10に示すように、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033からの尤度情報をセレクタ1034に入力することによって、尤度が最大の検出器の復号結果をセレクタ1034が選択する構成となっている。
【0133】
サンプリング位相が正確にあっている状態におけるアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033の入力サンプリング信号列は、図13に示す通りであり、正しい位相でサンプリングされたデータ列(○印)が、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1032に入力され、一つ前のサンプル列、すなわちアドレスビット同期の25%だけ進んだ位相でサンプリングされたデータ列(×印)がアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031に、一つ後のサンプル列、すなわちアドレスビット同期の25%だけ遅れた位相でサンプリングされたデータ列(●印)がアドレス検出器(ビタビデコーダ)1033に入力される
【0134】
図13に示す再生信号をデコードしたときには、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1031とアドレス検出器(ビタビデコーダ)1033から出力される尤度情報は、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1032から出力される尤度情報よりも小さくなり、セレクタ1034は、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1032の復号結果を選択して最終復号結果として出力する。
【0135】
次に、サンプリング位相がクロック周期の20%ほど前に変動したときの動作の例を、図14に示す。
【0136】
図14に示すX印(×)のサンプル値は、順に{+0.1,−0.1,0.0,+0.1}である。これらはアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031に入力され、ビタビデコーダによって{0,0,0,0}と復号される。
【0137】
白丸(○)のサンプル値は、順に{+0.3,−0.3,0.0,+0.3}である。これらはアドレス検出器(ビタビデコーダ)1032に入力され、ビタビデコーダによって{0,0,0,0}と復号される。
【0138】
黒印(●)のサンプル値は、順に{+0.8,−0.8,0.0,+0.8}である。これらはアドレス検出器(ビタビデコーダ)1033に入力され、ビタビデコーダによって{1,1,0,1}と復号される。
【0139】
この図14に示す例の場合には、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1031とアドレス検出器(ビタビデコーダ)1032から出力される尤度情報は、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1033から出力される尤度情報よりも小さくなり、セレクタ1034は、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1033の復号結果を選択して最終復号結果として出力する。
【0140】
以上のように、サンプリング位相が変動した場合でも、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033のいずれかの出力が正しければ、結果として正しい値が出力される。
【0141】
図15に、この方式でのアドレス復号の確からしさをシミュレーションで求めた結果を示す。トラックアドレスとして16ビットのランダムパターンを用い、これをもとにローレンツ波形を規格化線密度0.5で重ねあわせた信号を作成して、任意の位相でサンプリングしてデコーダに入力する。エラーの検出は元データとシンボル単位で比較することで行なう。図15の横軸に位相オフセット、縦軸にシンボルのエラーレートを示す。
【0142】
図15は図10に示す複数のアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033の入力分割ビットストリームのエラーレート、および、これらのアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033からの出力を選択して得られる位相マージンを示すものとして理解することができる。
【0143】
図15において、白三角(△印)で示した栓が、従来のデコーダと同じ構成、すなわち、図10において、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1032が一つだけある場合の検出結果である。図15から理解されるようにサンプリング位相がビットレートの20%程度ずれるとエラーレートが急激に劣化する。
【0144】
また、白丸(○印)と逆三角(▽印)が、図10に示すアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031と、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1033の出力に相当する。
【0145】
本実施例の構成においては、3つのアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033の出力のうち、尤度が最大のアドレス検出器(ビタビデコーダ)の復号結果を選択することにより、エラーレートのよい部分を選択することができ、図15に示すひし形(◆印)の各点を結んだ出力結果をセレクタ1034によって選択し、最終復号結果として出力する構成とした。本構成により、位相ずれに対するマージンが、従来の1つのビタビデコーダを用いた場合のほぼ2倍の±40%以上に広がり、位相外乱に強いアドレス検出を達成することができた。、
【0146】
尤度が最大のアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031〜1033の復号結果をセレクタ1034によって選択することにより、図15に示すように、位相ずれ(Phase offset)が約−0.4〜−0.15において、サンプル位相が−0.25、すなわちアドレスビットレートの25%だけ進んだ位相のサンプリング・データ列を入力するアドレス検出器(ビタビデコーダ)1031の復号データを選択し、位相ずれ(Phase offset)が約−0.15〜0.15において、アドレス検出器(ビタビデコーダ)1032の復号データを選択し、位相ずれ(Phase offset)が約0.15〜0.4においてアドレスビットレートの25%だけ遅れた位相のサンプリング・データ列を入力するアドレス検出器(ビタビデコーダ)1033の復号データを選択するこにより、位相ずれがほぼ−0.4〜0.4の範囲でエラーレートをの劣化を防止することができる。
【0147】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法によれば、サーボゾーンにおけるアドレス検出時に、スピンドルモーターの回転変動などによる局所的な位相の変動等、外乱等の影響で、サンプリング位相がずれても、正しいアドレスを検出することが可能となり、位相がずれた状態でも正しくヘッドの位置決め動作を行うことができ、ヘッドの位置決め動作の安定性を向上させることが可能となる。
【0149】
また、本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法によれば誤り検出用の冗長ビットを付加したトラックアドレスを有するサーボ情報を複数の位相の異なるデータ列としてサンプリングして、それぞれのサンプルデータ列を入力したアドレス検出器の各々において冗長ビットによる誤り検出を実行して正確なサンプルデータ列を入力したアドレス検出器のサンプルデータ列をセレクタによって正しいデータ列として選択する構成としたので、位相ずれが発生した状態においても、正確なアドレスデータを取得することが可能となり、位相外乱耐性の高い情報記録媒体および情報処理装置を提供することができる。
【0150】
また、本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法によれば、アドレス検出器を複数のビタビデコーダによって構成し、誤り検出用の冗長ビットを持たないトラックアドレスデータを複数の位相の異なるデータ列としてサンプリングして、それぞれのサンプルデータ列を各ビタビデコーダに入力して、尤度が最大のビタビデコーダの復号結果を選択することにより、エラーレートのよい部分を選択して最終復号結果とすることにより、位相ずれに対するマージンが、従来の1つのビタビデコーダを用いた場合のほぼ2倍の±40%以上に広がり、位相外乱に強い情報記録媒体および情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法において適用可能な磁気ディスクにおけるディスクフォーマットを示す図である。
【図2】 本発明のディスクドライブ装置およびサーボ情報検出方法において適用可能な磁気ディスクにおけるサーボゾーンの構成を示す図である。
【図3】従来のアドレス検出器において、正しい位相でサンプルした時のサンプル値の例を示す図である。
【図4】従来のアドレス検出器において、誤った位相でサンプルした時のサンプル値の例を示す図である。
【図5】本発明のディスクドライブ装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明にかかるディスクドライブ装置のトラックアドレス検出器構成(実施例1)を示すブロック図である。
【図7】冗長ビットを付加したアドレスデータの再生信号のサンプル値の例を示す図である。
【図8】冗長ビットを付加したアドレスデータの位相がずれたときの再生信号のサンプル値の例を示す図である。
【図9】冗長ビットを持たないトラックアドレス構成を示す図である。
【図10】本発明にかかるディスクドライブ装置のトラックアドレス検出器構成(実施例2)を示すブロック図である。
【図11】本発明にかかるディスクドライブ装置の実施例2におけるトラックアドレス検出器を構成するビタビデコーダ構成を示すブロック図である。
【図12】実施例2におけるトラックアドレス検出器を構成するビタビデコーダの動作を説明するPR(1,−1)のトレリスダイアグラムを示す図である。
【図13】本発明にかかるディスクドライブ装置の実施例2におけるアドレスデータの再生信号のサンプル値の例を示す図である。
【図14】本発明にかかるディスクドライブ装置の実施例2におけるアドレスデータの位相がずれたときの再生信号のサンプル値の例を示す図である。
【図15】本発明にかかるディスクドライブ装置の実施例2における複数のアドレス検出器における位相ずれとエラーレートの対応、およびデータ選択を説明する図である。
【符号の説明】
101 サーボゾーン
102 データゾーン
201 トラックアドレス
202 クロックマーク
203 ファインシグナル
510 磁気ディスク
512 ヘッド
513 ハードディスクコントローラ(HDC)
515 再生アンプ
516 データ復調回路
517 トラック番号/位置信号検出回路
518 記録データ発生回路
519 タイミング発生回路
521 記録アンプ
523 ボイスコイルモータ(VCM)
524 CPU
525 バッファ(RAM)
526 A/D変換器(ADC)
631,632,633 アドレス検出器
634 セレクタ
1031,1032,1033 アドレス検出器(ビタビデコーダ)
1034 セレクタ
1141 ブランチメトリック演算回路
1142 ACS(加算比較選択回路)
1143 パスメモリ
Claims (21)
- ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするアナログデジタル変換手段と、
前記アナログデジタル変換手段によってサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、個々の入力分割ビットストリームに基づいてアドレス検出と誤り検出を実行する前記入力分割ビットストリーム毎のアドレス検出手段と、
前記複数のアドレス検出手段におけるアドレス検出の結果として複数のアドレス検出手段から出力される復号結果を入力するとともに、前記複数のアドレス検出手段で得られた誤り検出結果を入力して、誤りがないことを示す誤り検出結果を入力した1つのアドレス検出手段からの復号結果を選択して出力する選択手段と、
を有することを特徴とするディスクドライブ装置。 - 前記アドレス情報は、ディスク上のトラックを識別するトラックアドレスであることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
- 前記サーボ情報を構成するアドレス情報は誤り検出用の冗長ビットを付加した構成を有し、
前記アナログデジタル変換手段によってサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームの各々は、冗長ビットを含んだ分割ビットストリームとして構成され、
前記複数のアドレス検出手段中の前記誤り検出手段は、入力された分割ビットストリームに含まれる冗長ビットに基づいて誤り検出を実行する構成であることを特徴とする請求項3に記載のディスクドライブ装置。 - 前記アナログデジタル変換手段は、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成を有し、
前記複数のアドレス検出手段は、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された4本の分割ビットストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームを入力するアドレス検出手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームを入力するアドレス検出手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームを入力するアドレス検出手段の3つであることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。 - 前記複数のアドレス検出手段は、入力分割ビットストリームに、予め定められたしきい値を適用して、該入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力する構成を有することを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
- 前記複数のアドレス検出手段は、入力分割ビットストリームに基づく最尤復号処理を実行して、前記入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力する構成を有することを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
- 前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、
前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、
前記アナログデジタル変換手段は、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成であることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。 - ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするアナログデジタル変換手段と、
前記アナログデジタル変換手段によってサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、個々の入力分割ビットストリームに基づいて最尤復号処理によるアドレス検出とを実行する前記入力分割ビットストリーム毎の最尤復号手段と、
前記複数の最尤復号手段における復号結果を入力するとともに、前記複数の最尤復号手段における復号処理において得られる尤度情報を入力して、該入力された複数の尤度情報のうち尤度が最大である尤度情報を入力した1つの最尤復号手段からの復号結果を選択して出力する選択手段と、
を有することを特徴とするディスクドライブ装置。 - 前記アドレス情報は、ディスク上のトラックを識別するトラックアドレスであることを特徴とする請求項8に記載のディスクドライブ装置。
- 前記サーボ情報を構成するアドレス情報は誤り検出用の冗長ビットを持たない構成を有することを特徴とする請求項8に記載のディスクドライブ装置。
- 前記アナログデジタル変換手段は、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成を有し、
前記複数の最尤復号手段は、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された4本の分割ストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームを入力する最尤復号手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームを入力する最尤復号手段と、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームを入力する最尤復号手段の3つであることを特徴とする請求項8に記載のディスクドライブ装置。 - 前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、
前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、
前記アナログデジタル変換手段は、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングする構成であることを特徴とする請求項8に記載のディスクドライブ装置。 - ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするサンプル・ステップと、
前記サンプル・ステップにおいてサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、各々の入力分割ビットストリームに基づいて前記入力分割ビットストリーム毎に設けられているアドレス検出手段において並列にアドレス検出と誤り検出を実行するアドレス検出ステップと、
前記アドレス検出ステップにおけるアドレス検出の結果として前記複数のアドレス検出手段から出力される複数の復号結果を入力するとともに、前記複数のアドレス検出手段で得られた誤り検出結果を入力して、誤りがないことを示す誤り検出結果を入力した1つのアドレス検出手段からの復号結果を選択して出力する選択出力ステップと、
を有することを特徴とするディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法。 - 前記サーボ情報を構成するアドレス情報は誤り検出用の冗長ビットを付加した構成を有し、
前記サンプル・ステップにおいてサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームの各々は、冗長ビットを含んだ分割ビットストリームとして構成され、
前記誤り検出ステップは、入力分割ビットストリームに含まれる冗長ビットに基づいて誤り検出を実行するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載のサーボ情報検出方法。 - 前記サンプル・ステップは、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングし、
前記アドレス検出ステップは、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームから分割された4本の分割ビットストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームの各々を3つのアドレス検出手段に入力して、個々の入力分割ビットストリームに基づくアドレス検出を実行することを特徴とする請求項13に記載のサーボ情報検出方法。 - 前記アドレス検出ステップは、入力分割ビットストリームに、予め定められたしきい値を適用して、該入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力することを特徴とする請求項13に記載のサーボ情報検出方法。
- 前記アドレス検出ステップは、入力分割ビットストリームに基づく最尤復号処理を実行して、前記入力分割ビットストリームに基づく復号結果を出力することを特徴とする請求項13に記載のサーボ情報検出方法。
- 前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、
前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、
前記サンプル・ステップは、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングすることを特徴とする請求項13に記載のサーボ情報検出方法。 - ディスク上に記録されたサーボ情報に従ってヘッドをディスク上の目標位置に移動し、データの記録または再生を実行するディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法において、
前記サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの複数倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングするサンプル・ステップと、
前記サンプル・ステップにおいてサンプルされたビットストリームを分割することにより形成された位相の異なる複数本の分割ビットストリームから、前記再生信号のサンプリングおける位相の変動がないときの正しい位相および進んだ位相と遅れた位相の分割ビットストリームを、前記正しい位相を中心として奇数本入力し、各々の入力分割ビットストリームに基づいて前記入力分割ビットストリーム毎に設けられている最尤復号手段において並列に最尤復号処理を実行する最尤復号処理ステップと、
前記複数の最尤復号手段における複数の復号結果を入力するとともに、前記複数の最尤復号手段における復号処理において得られる複数の尤度情報を入力して、該入力された複数の尤度情報のうち尤度が最大である尤度情報を入力した1つの最尤復号手段からの復号結果を選択して出力する選択出力ステップと
を有することを特徴とするディスクドライブ装置におけるサーボ情報検出方法。 - 前記サンプル・ステップは、サーボ情報を構成するアドレス情報のビットレートの4倍のサンプルレートで前記アドレス情報の再生信号をサンプリングし、
前記アドレス検出ステップは、前記4倍のサンプルレートでサンプルされたビットストリームから分割された4本の分割ビットストリームのうち、前記位相の変動がないときの正しい位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して進んだ位相の分割ビットストリームと、前記位相の変動がないときの正しい位相に対して遅れた位相の分割ビットストリームの各々を3つの最尤復号手段に入力して、個々のビットストリームに基づくアドレス検出を実行することを特徴とする請求項19に記載のサーボ情報検出方法。 - 前記ディスク上には、データ記録領域とサーボ情報記録領域がトラック方向に沿って交互に形成され、
前記サーボ情報記録領域には、サーボ情報の再生タイミングを得るための同期信号を生成するためのクロックマークが形成されており、
前記サンプル・ステップは、前記クロックマークによる同期制御の下で前記アドレス情報の再生信号をサンプリングすることを特徴とする請求項19に記載のサーボ情報検出方法。
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