JPH06281815A - 光学素子及びその作製法 - Google Patents
光学素子及びその作製法Info
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- JPH06281815A JPH06281815A JP5066608A JP6660893A JPH06281815A JP H06281815 A JPH06281815 A JP H06281815A JP 5066608 A JP5066608 A JP 5066608A JP 6660893 A JP6660893 A JP 6660893A JP H06281815 A JPH06281815 A JP H06281815A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光の偏光角を大きくする。他の次数の回折光
による光の漏れのない素子を得る。実像の形成を制御す
る。光の切り替え方向を高分解能で選定する。柔軟性に
富んだ複屈折光学素子を得る。光学素子を容易に作製す
る。大面積の光学素子を作製する。 【構成】 透光性物質及び光学軸を特定方向に揃えた光
学的異方体で、両者の領域分布、濃度分布により屈折率
分布が平面、または立体的な縞状構造を有する。当該光
学素子の両面に電極を取り付けた素子を重ね合わせた。
高分子樹脂及び液晶の混合物に同時に2光束以上の可干
渉な光を照射した状態で、その光束または他の光を照射
することにより起こる光反応または加熱による熱反応に
よって樹脂を硬化させる。高分子樹脂及び液晶の混合物
に、レンズ群またはホログラムを用いて縞状に集光した
光を照射し、その光強度分布に応じた構造で硬化させ
る。
による光の漏れのない素子を得る。実像の形成を制御す
る。光の切り替え方向を高分解能で選定する。柔軟性に
富んだ複屈折光学素子を得る。光学素子を容易に作製す
る。大面積の光学素子を作製する。 【構成】 透光性物質及び光学軸を特定方向に揃えた光
学的異方体で、両者の領域分布、濃度分布により屈折率
分布が平面、または立体的な縞状構造を有する。当該光
学素子の両面に電極を取り付けた素子を重ね合わせた。
高分子樹脂及び液晶の混合物に同時に2光束以上の可干
渉な光を照射した状態で、その光束または他の光を照射
することにより起こる光反応または加熱による熱反応に
よって樹脂を硬化させる。高分子樹脂及び液晶の混合物
に、レンズ群またはホログラムを用いて縞状に集光した
光を照射し、その光強度分布に応じた構造で硬化させ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子に関し、特
に、複屈折性を有する光学素子及びその作製法に関する
ものである。
に、複屈折性を有する光学素子及びその作製法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、入射光の偏光によって異なった特
性を示す光学素子(以下、複屈折光学素子と称する)と
して、方解石などの光学結晶が用いられてきた。方解石
のような光学結晶を用いる場合、光ビームを数ミリの間
隔で分離するにはセンチメートル(cm)オーダーの光学
結晶を透過させる必要がある。このため、光ビームの方
向を変えることにより、光信号の伝達経路を変える2次
元光スイッチに光学結晶を用いた場合、前述のように、
ビーム分離能力が低いため、大型の結晶が必要となり、
2次元光スイッチが大型になるという問題があった。
性を示す光学素子(以下、複屈折光学素子と称する)と
して、方解石などの光学結晶が用いられてきた。方解石
のような光学結晶を用いる場合、光ビームを数ミリの間
隔で分離するにはセンチメートル(cm)オーダーの光学
結晶を透過させる必要がある。このため、光ビームの方
向を変えることにより、光信号の伝達経路を変える2次
元光スイッチに光学結晶を用いた場合、前述のように、
ビーム分離能力が低いため、大型の結晶が必要となり、
2次元光スイッチが大型になるという問題があった。
【0003】また、光学結晶は小型のものでも高価であ
るという問題があった。このため、小型、安価を実現で
きる複屈折光学素子が望まれている。
るという問題があった。このため、小型、安価を実現で
きる複屈折光学素子が望まれている。
【0004】他の複屈折光学素子として、シリコン基板
上を構造複屈折を示す回折格子構造に加工した光学素子
が開発されている(MICRO OPTICS NEWS
7(3)1989 P.30〜35)。
上を構造複屈折を示す回折格子構造に加工した光学素子
が開発されている(MICRO OPTICS NEWS
7(3)1989 P.30〜35)。
【0005】図11はこの複屈折回折格子の断面を示す
図である。この複屈折回折格子は、図11に示すよう
に、シリコン基板801を周期d1の回折格子構造及びd1
>d2である周期d2の構造に加工したものである。周期
d1の構造が回折作用により光を曲げ、周期d2の構造が
複屈折性を生じさせる。格子の周期方向に対し偏光面が
垂直な光を入射すると、回折は起こらず真っ直ぐに透過
するが、偏光面が平行な光を入射すると回折光が得られ
る。
図である。この複屈折回折格子は、図11に示すよう
に、シリコン基板801を周期d1の回折格子構造及びd1
>d2である周期d2の構造に加工したものである。周期
d1の構造が回折作用により光を曲げ、周期d2の構造が
複屈折性を生じさせる。格子の周期方向に対し偏光面が
垂直な光を入射すると、回折は起こらず真っ直ぐに透過
するが、偏光面が平行な光を入射すると回折光が得られ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の複
屈折回折格子では、素子の形状による効果を利用してい
るため、素子作製が複雑となり、使用する材料が限定さ
れ高価になる。特に、回折格子の格子間隔d1を細かく
し光の偏光角を大きくすることは困難であるという問題
があった。
屈折回折格子では、素子の形状による効果を利用してい
るため、素子作製が複雑となり、使用する材料が限定さ
れ高価になる。特に、回折格子の格子間隔d1を細かく
し光の偏光角を大きくすることは困難であるという問題
があった。
【0007】この素子では、形状が単純であるため、原
理的に複数の次数の回折光を発生してしまう。また、光
路長振幅を可変とすることや、波長選択性を持たせるこ
とができなかった。複雑な縞状構造を作るのは、困難な
ため像の再生を行うことが不可能であった。
理的に複数の次数の回折光を発生してしまう。また、光
路長振幅を可変とすることや、波長選択性を持たせるこ
とができなかった。複雑な縞状構造を作るのは、困難な
ため像の再生を行うことが不可能であった。
【0008】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、本発明の目的は、光の偏光角を大き
くすることが可能な技術を提供することにある。
されたものであり、本発明の目的は、光の偏光角を大き
くすることが可能な技術を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、他の次数の回折光に
よる光の漏れのない素子を得ることが可能な技術を提供
することにある。
よる光の漏れのない素子を得ることが可能な技術を提供
することにある。
【0010】本発明の他の目的は、実像の形成を制御す
ることが可能な複屈折光学素子を提供することにある。
ることが可能な複屈折光学素子を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、光の切り替え方向を
高分解能で選定することが可能な複屈折光学素子を提供
することにある。
高分解能で選定することが可能な複屈折光学素子を提供
することにある。
【0012】本発明の他の目的は、電気的に特性を制御
することが可能な複屈折光学素子を提供することにあ
る。
することが可能な複屈折光学素子を提供することにあ
る。
【0013】本発明の他の目的は、柔軟性に富んだ複屈
折光学素子を提供することにある。
折光学素子を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、光学素子を容易に作
製することが可能な技術を提供することにある。
製することが可能な技術を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、大面積の光学素子を
作製することが可能な技術を提供することにある。
作製することが可能な技術を提供することにある。
【0016】本発明の前記ならびにその他の目的及び新
規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明ら
かにする。
規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明ら
かにする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を解決するため
に、本発明の(1)の手段の光学素子は、透光性物質と
光学軸を特定方向に揃えた光学的異方体とからなり、両
者の領域分布あるいは濃度分布により屈折率分布が平
面、または立体的な縞状構造を有することを最も主要な
特徴とする。
に、本発明の(1)の手段の光学素子は、透光性物質と
光学軸を特定方向に揃えた光学的異方体とからなり、両
者の領域分布あるいは濃度分布により屈折率分布が平
面、または立体的な縞状構造を有することを最も主要な
特徴とする。
【0018】本発明の(2)の手段の光学素子は、前記
(1)の手段の光学素子において、光路長分布を鋸波状
とすることを特徴とする。
(1)の手段の光学素子において、光路長分布を鋸波状
とすることを特徴とする。
【0019】本発明の(3)の手段の光学素子は、前記
(1)または(2)の手段の光学素子において、当該光
学素子の両面に電極を取り付けた素子を1枚あるいは複
数枚重ね合わせたことを特徴とする。
(1)または(2)の手段の光学素子において、当該光
学素子の両面に電極を取り付けた素子を1枚あるいは複
数枚重ね合わせたことを特徴とする。
【0020】本発明の(4)の手段の光学素子の作製法
は、高分子樹脂及び液晶の混合物に同時に2光束以上の
可干渉な光を照射した状態で、その光束あるいは他の光
を照射することにより起こる光反応、または加熱による
熱反応によって樹脂を硬化させることを特徴とする。
は、高分子樹脂及び液晶の混合物に同時に2光束以上の
可干渉な光を照射した状態で、その光束あるいは他の光
を照射することにより起こる光反応、または加熱による
熱反応によって樹脂を硬化させることを特徴とする。
【0021】本発明の(5)の手段の光学素子の作製法
は、高分子樹脂及び液晶の混合物に、レンズ群またはホ
ログラムを用いて縞状に集光した光を照射し、その光強
度分布に応じた構造で硬化させることを特徴とする。
は、高分子樹脂及び液晶の混合物に、レンズ群またはホ
ログラムを用いて縞状に集光した光を照射し、その光強
度分布に応じた構造で硬化させることを特徴とする。
【0022】
【作用】前記(1)の手段の光学素子によれば、光干渉
を用いているので、偏光の分離角の大きな素子を得るこ
とができる。
を用いているので、偏光の分離角の大きな素子を得るこ
とができる。
【0023】前記(2)の手段の光学素子によれば、前
記(1)の手段の光学素子において、光路長分布を鋸波
状とすることにより、他の次数の回折光による光の漏れ
のない素子を得ることができる。
記(1)の手段の光学素子において、光路長分布を鋸波
状とすることにより、他の次数の回折光による光の漏れ
のない素子を得ることができる。
【0024】前記(3)の手段の光学素子によれば、前
記(1)または(2)の手段の光学素子において、当該
光学素子の両面に電極を取り付けた素子を1枚あるいは
複数枚重ね合わせたことにより、電気的に特性制御可能
な複屈折光学素子を実現することができる。
記(1)または(2)の手段の光学素子において、当該
光学素子の両面に電極を取り付けた素子を1枚あるいは
複数枚重ね合わせたことにより、電気的に特性制御可能
な複屈折光学素子を実現することができる。
【0025】前記(4)の手段の光学素子の作製法によ
れば、高分子樹脂あるいは液晶の混合物に、同時に2光
束以上の可干渉な光を照射した状態で、その光束あるい
は他の光を照射することにより起こる光反応、または加
熱による熱反応によって樹脂を硬化させるので、波長程
度の微細な構造を有する複屈折光学素子を容易かつ安価
に得ることができる。
れば、高分子樹脂あるいは液晶の混合物に、同時に2光
束以上の可干渉な光を照射した状態で、その光束あるい
は他の光を照射することにより起こる光反応、または加
熱による熱反応によって樹脂を硬化させるので、波長程
度の微細な構造を有する複屈折光学素子を容易かつ安価
に得ることができる。
【0026】前記(5)の手段の光学素子の作製法によ
れば、高分子樹脂及び液晶の混合物に、レンズ群または
ホログラムを用いて縞状に集光した光を照射し、その光
強度分布に応じた構造で硬化させることにより、柔軟性
に富んだ複屈折光学素子を実現できた。これにより、曲
面や可動部にもこの光学素子を用いることができる。
れば、高分子樹脂及び液晶の混合物に、レンズ群または
ホログラムを用いて縞状に集光した光を照射し、その光
強度分布に応じた構造で硬化させることにより、柔軟性
に富んだ複屈折光学素子を実現できた。これにより、曲
面や可動部にもこの光学素子を用いることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、実施例を説明するための全図において、同
一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの
説明は省略する。
する。なお、実施例を説明するための全図において、同
一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの
説明は省略する。
【0028】(実施例1)図1は本発明による光学素子
の実施例1を説明するための模式図であり、図1(a)は
この光学素子の概略構成を示す斜視図、図1(b)はこの
光学素子の動作を説明するための図である。図1(a)に
おいて、101は透光性物質の領域、102は液晶分子からな
る光学的異方体領域である。液晶分子102の非等方形
は、屈折率異方性を模式的に表したものである。
の実施例1を説明するための模式図であり、図1(a)は
この光学素子の概略構成を示す斜視図、図1(b)はこの
光学素子の動作を説明するための図である。図1(a)に
おいて、101は透光性物質の領域、102は液晶分子からな
る光学的異方体領域である。液晶分子102の非等方形
は、屈折率異方性を模式的に表したものである。
【0029】図1(a)に示すように、透光性物質の領域
101と液晶の領域を縞模様状に繰り返し配置することに
より本実施例1の光学素子は構成される。液晶は屈折率
の大きい方向が縞の方向と一致するように配向させてい
る。また、透光性物質と液晶の短軸方向(屈折率の小さ
い方向)の屈折率を一致させた。光学素子の光路長はグ
ラフのようになる。実線は偏光方向が縞と平行な光に対
する光路長、破線は垂直なものに対する光路長である。
101と液晶の領域を縞模様状に繰り返し配置することに
より本実施例1の光学素子は構成される。液晶は屈折率
の大きい方向が縞の方向と一致するように配向させてい
る。また、透光性物質と液晶の短軸方向(屈折率の小さ
い方向)の屈折率を一致させた。光学素子の光路長はグ
ラフのようになる。実線は偏光方向が縞と平行な光に対
する光路長、破線は垂直なものに対する光路長である。
【0030】図1(b)に示すように、この光学素子に偏
光方向が縞に対して垂直方向である直線偏光の入射光束
103を当てる。この偏光に対して領域101と領域102の屈
折率は一致するので、図1(a)のグラフに示したように
光学素子は作用せず、入射光束103をそのまま透過し、
出射光束(透過光)104が得られる。入射光束103の偏光
方向を90度回転し、偏光方向と縞の方向を一致させる
と、領域101と領域102の屈折率はこの光に対しては互い
に等しくなく、図1(a)の左のグラフに示したように光
路長分布ができ、回折格子として振る舞うので、回折さ
れた出射光束(回折光)105が得られる。
光方向が縞に対して垂直方向である直線偏光の入射光束
103を当てる。この偏光に対して領域101と領域102の屈
折率は一致するので、図1(a)のグラフに示したように
光学素子は作用せず、入射光束103をそのまま透過し、
出射光束(透過光)104が得られる。入射光束103の偏光
方向を90度回転し、偏光方向と縞の方向を一致させる
と、領域101と領域102の屈折率はこの光に対しては互い
に等しくなく、図1(a)の左のグラフに示したように光
路長分布ができ、回折格子として振る舞うので、回折さ
れた出射光束(回折光)105が得られる。
【0031】すなわち、入射光の偏光状態に依存して異
なる出射光方向を替えられることが分かる。つまり、屈
折率を有する光学結晶と同等の作用を示す。
なる出射光方向を替えられることが分かる。つまり、屈
折率を有する光学結晶と同等の作用を示す。
【0032】出射光束104と出射光束1105のなす角を分
離角と呼ぶとする。分離角αは縞の周期dと使用する光
の波長λを用いて、以下のように現される。
離角と呼ぶとする。分離角αは縞の周期dと使用する光
の波長λを用いて、以下のように現される。
【0033】
【数1】sin α=nλ/d ・・・(1) ここで、nは回折の次数を示し、n=0,1,2・・・
とする。
とする。
【0034】後述の形成法を用いれば縞の間隔は小さく
することができる。特に、縞周期0.5μmの本実施例
の光学素子では、波長350nmの入射光に対して、1
次回折光で分離角45度が予想通り実現できた。高次回
折光を用いれば、さらに大角度の偏光が可能である。
することができる。特に、縞周期0.5μmの本実施例
の光学素子では、波長350nmの入射光に対して、1
次回折光で分離角45度が予想通り実現できた。高次回
折光を用いれば、さらに大角度の偏光が可能である。
【0035】図1(b)では、出射光束105の数は上下各
2つを図示しているが、回折光は式(1)からもわかるよ
うに一般に多数得られるので、この光学素子は、光束の
分割をも実現していることになる。分割された光束への
光量の分配比率は、液晶の分布、または素子の光の進行
方向の厚さを変えることにより可変であることは自明で
ある。
2つを図示しているが、回折光は式(1)からもわかるよ
うに一般に多数得られるので、この光学素子は、光束の
分割をも実現していることになる。分割された光束への
光量の分配比率は、液晶の分布、または素子の光の進行
方向の厚さを変えることにより可変であることは自明で
ある。
【0036】入射光の偏光面を前述の中間とした場合
は、前述の2つの直線偏光を合成したものと等価である
から、出射光束104及び出射光束105が同時に得られる重
ね合わせ状態となる。
は、前述の2つの直線偏光を合成したものと等価である
から、出射光束104及び出射光束105が同時に得られる重
ね合わせ状態となる。
【0037】ここでは、樹脂を用いたが、透光性を示す
物質であればよい。また、液晶を用いたが、液晶に限ら
ず光学軸の揃った光学的異方体であればよい。また、光
学軸の揃え方は、光学軸を特定方向に向けることに限ら
ない。例えば、光学軸が1平面内に限定される場合のよ
うに、その領域が複屈折性を示す状態であればよい。
物質であればよい。また、液晶を用いたが、液晶に限ら
ず光学軸の揃った光学的異方体であればよい。また、光
学軸の揃え方は、光学軸を特定方向に向けることに限ら
ない。例えば、光学軸が1平面内に限定される場合のよ
うに、その領域が複屈折性を示す状態であればよい。
【0038】図1は領域の種類を2種類としたものであ
るが、これに限らず2種類より多くてもよい。また、図
1では屈折率分布は矩形波状であるが、一般に、任意の
分布でよく、入射光の進行方向にも分布をもっていてよ
い。
るが、これに限らず2種類より多くてもよい。また、図
1では屈折率分布は矩形波状であるが、一般に、任意の
分布でよく、入射光の進行方向にも分布をもっていてよ
い。
【0039】屈折率の分布の制御は、異方性を含め、透
光性物質と光学的異方体の分布の制御により行われる。
光性物質と光学的異方体の分布の制御により行われる。
【0040】図2(a)は、図1(b)のように、透光性物
質領域と光学的異方体領域が完全に分離した状態ではな
く、同素子を透光性物質中に光学的異方体の微小領域が
存在し、その数密度を変化させることにより、屈折率分
布を得た例である。同図2(a)とは逆に領域は透光性物
質側が孤立していてもよい。また、数密度だけでなく、
領域の大小で制御してもよい。また、一方の領域が島状
に孤立する必要はなく、両者とも連続で領域の出現量の
多少で制御してもよい。
質領域と光学的異方体領域が完全に分離した状態ではな
く、同素子を透光性物質中に光学的異方体の微小領域が
存在し、その数密度を変化させることにより、屈折率分
布を得た例である。同図2(a)とは逆に領域は透光性物
質側が孤立していてもよい。また、数密度だけでなく、
領域の大小で制御してもよい。また、一方の領域が島状
に孤立する必要はなく、両者とも連続で領域の出現量の
多少で制御してもよい。
【0041】図2(b)は、同素子を透性物質と光学的異
方体の混合物108で作製した例である。同図2(b)の線
の密度は、光学的異方体の濃度を模式的に表したもので
ある。
方体の混合物108で作製した例である。同図2(b)の線
の密度は、光学的異方体の濃度を模式的に表したもので
ある。
【0042】本実施例の光学素子では、光学的異方体の
濃度を変えることにより屈折率分布を得ている。
濃度を変えることにより屈折率分布を得ている。
【0043】また、透光性物質の屈折率と光学的異方体
の常光線に対する屈折率を一致させたが、異なってもよ
い。透光性物質の屈折率を光学的異方体の屈折率の最大
値と最小値との間とした場合、透光性個体と光学的異方
体の屈折率が等しくなる方向に入射光の偏光面を合わせ
ると、素子は入射光を偏光せず透過する。また、光学的
異方体は、単軸性のものとしたが、双軸性のものであっ
てもよい。
の常光線に対する屈折率を一致させたが、異なってもよ
い。透光性物質の屈折率を光学的異方体の屈折率の最大
値と最小値との間とした場合、透光性個体と光学的異方
体の屈折率が等しくなる方向に入射光の偏光面を合わせ
ると、素子は入射光を偏光せず透過する。また、光学的
異方体は、単軸性のものとしたが、双軸性のものであっ
てもよい。
【0044】本発明の光学素子は、例えば、液晶と樹脂
を使った場合、薄型でかつ柔軟性に富んでいるため、曲
面など任意形状に変形させたり、可動部で使用すること
が可能な素子となる。
を使った場合、薄型でかつ柔軟性に富んでいるため、曲
面など任意形状に変形させたり、可動部で使用すること
が可能な素子となる。
【0045】図2(c)は、本発明の光学素子を複数枚重
ねた例である。例えば、図2(c)のように、透光性物質
と光学的異方体領域の比が異なる2枚の光学素子を重ね
た。この場合、2枚重ねて見た光路長が非対称となるた
め、特定の次数の回折光109を他の回折光105や透過光10
4に比べ強くすることができる。
ねた例である。例えば、図2(c)のように、透光性物質
と光学的異方体領域の比が異なる2枚の光学素子を重ね
た。この場合、2枚重ねて見た光路長が非対称となるた
め、特定の次数の回折光109を他の回折光105や透過光10
4に比べ強くすることができる。
【0046】ここでは、透光性物質と光学的異方体領域
の比を変えたが、格子の周期、縞状構造の縞の分布、素
子厚さ、構成物質の内一つまたは複数を変えた素子を重
ね合わせてもよい。
の比を変えたが、格子の周期、縞状構造の縞の分布、素
子厚さ、構成物質の内一つまたは複数を変えた素子を重
ね合わせてもよい。
【0047】(実施例2)図3は本発明による光学素子
の実施例2を説明するための模式図であり、(a)は実施
例2の光学素子の概略構成を示す斜視図、(b)は(a)に
示す光学素子の動作を説明するための図である。
の実施例2を説明するための模式図であり、(a)は実施
例2の光学素子の概略構成を示す斜視図、(b)は(a)に
示す光学素子の動作を説明するための図である。
【0048】本実施例の光学素子は、鋸波状の光路長分
布をもたせた光学素子であり、図3(a)に示すように、
例えば、透光性樹脂のような透光性物質からなる領域20
1と、例えば、液晶のような光学的異方体の領域202の分
布により光路長を鋸波状とした。透光性樹脂の屈折率と
光学的異方体の常光線に対する屈折率を一致させ、異方
体の光学軸を縞の方向と平行に作製する。光路長の分布
は、図3(a)に示す左のグラフのように、偏光方向が縞
と平行の光に対して実線で示すように鋸波状、垂直なも
のについては破線のように一定となる。
布をもたせた光学素子であり、図3(a)に示すように、
例えば、透光性樹脂のような透光性物質からなる領域20
1と、例えば、液晶のような光学的異方体の領域202の分
布により光路長を鋸波状とした。透光性樹脂の屈折率と
光学的異方体の常光線に対する屈折率を一致させ、異方
体の光学軸を縞の方向と平行に作製する。光路長の分布
は、図3(a)に示す左のグラフのように、偏光方向が縞
と平行の光に対して実線で示すように鋸波状、垂直なも
のについては破線のように一定となる。
【0049】入射光束203の偏光面を縞の方向と垂直に
すると、実施例1の光学素子と同様に出射光はそのまま
透過した出射光束204となる。入射光束203の偏光面を縞
の方向と平行とすると、光学素子は回折格子となり、出
射光は偏光された出射光束205となる。光路長分布が鋸
状である回折格子は、一般にブレーズド格子と呼ばれ、
光路長振幅をL、光の波長をλとしたとき、
すると、実施例1の光学素子と同様に出射光はそのまま
透過した出射光束204となる。入射光束203の偏光面を縞
の方向と平行とすると、光学素子は回折格子となり、出
射光は偏光された出射光束205となる。光路長分布が鋸
状である回折格子は、一般にブレーズド格子と呼ばれ、
光路長振幅をL、光の波長をλとしたとき、
【0050】
【数2】L=nλ (nは自然数) ・・・(2) を満たすような特定の波長について発生する回折光は、
n次のみとなり、従って、出射光の光束数は1となる性
質がある。また、他の波長についても、一般に指向性が
強くなる。従って、この光学素子は、低損失な光の方向
を変える素子、すなわち、偏光素子として有効である。
このときの分離角度αは、格子間隔dに対して、
n次のみとなり、従って、出射光の光束数は1となる性
質がある。また、他の波長についても、一般に指向性が
強くなる。従って、この光学素子は、低損失な光の方向
を変える素子、すなわち、偏光素子として有効である。
このときの分離角度αは、格子間隔dに対して、
【0051】
【数3】d tanα = nλ ・・・(3) で与えられる。また、入射光の偏光方向を中間状態とす
れば、出射光束204及び出射光束205の重ね合わせが得ら
れる。つまり、出射光束204と出射光束205の間で光量の
比率を連続的に変えることができる。
れば、出射光束204及び出射光束205の重ね合わせが得ら
れる。つまり、出射光束204と出射光束205の間で光量の
比率を連続的に変えることができる。
【0052】また、透光性物質の屈折率と光学的異方体
の両軸の屈折率を全て異なる値とすると、図3(a)の出
射光束204のような透過状態はなくなり、出射光は図3
(b)に示すような出射光束206及び出射光束207のような
偏光された光束間の切り替えとなる。つまり、Y分岐的
な切り替え素子として用いることができる。
の両軸の屈折率を全て異なる値とすると、図3(a)の出
射光束204のような透過状態はなくなり、出射光は図3
(b)に示すような出射光束206及び出射光束207のような
偏光された光束間の切り替えとなる。つまり、Y分岐的
な切り替え素子として用いることができる。
【0053】すなわち、この光学素子を用いれば、不要
な回折光がないため、光の漏れによる素子損失のない複
屈折光学素子が実現できる。
な回折光がないため、光の漏れによる素子損失のない複
屈折光学素子が実現できる。
【0054】なお、光学軸の揃え方は、光学軸を特定方
向に向けることに限らず、例えば、光学軸が1平面内に
限定される場合のように、その領域が複屈折性を示す状
態であればよい。図3は領域の種類を2種類としたもの
であるが、これに限らず2種類より多くてもよく、濃度
または微小領域で屈折率分布を実現してもよい。光学的
異方体は、単軸性のものでも双軸性のものであってもよ
い。
向に向けることに限らず、例えば、光学軸が1平面内に
限定される場合のように、その領域が複屈折性を示す状
態であればよい。図3は領域の種類を2種類としたもの
であるが、これに限らず2種類より多くてもよく、濃度
または微小領域で屈折率分布を実現してもよい。光学的
異方体は、単軸性のものでも双軸性のものであってもよ
い。
【0055】(実施例3)図4は本発明による光学素子
の実施例3を説明するための模式図であり、(a)は実施
例3の光学素子の概略構成を示す断面図、(b)は(a)に
示す光学素子の動作を説明するための図、(c)は実施例
3の光学素子の変形例の概略構成を示す断面図、(d)は
(c)に示す光学素子の動作を説明するための図である。
の実施例3を説明するための模式図であり、(a)は実施
例3の光学素子の概略構成を示す断面図、(b)は(a)に
示す光学素子の動作を説明するための図、(c)は実施例
3の光学素子の変形例の概略構成を示す断面図、(d)は
(c)に示す光学素子の動作を説明するための図である。
【0056】実施例3の光学素子は、素子の面方向だけ
でなく、入射光から見た素子の厚さ方向にも屈折率分布
を有するものであり、図4(a)に示すように、例えば、
透光性物質領域301と、例えば、液晶のような光学的異
方体領域302を交互に積層した素子構造となっている。
でなく、入射光から見た素子の厚さ方向にも屈折率分布
を有するものであり、図4(a)に示すように、例えば、
透光性物質領域301と、例えば、液晶のような光学的異
方体領域302を交互に積層した素子構造となっている。
【0057】図4(b)に示すように、(a)の構造を有す
る光学素子306に入射光束303を当てる。液晶の長軸方向
(屈折率の大きい方向)を矢印307とし、液晶の短軸方
向の屈折率は、透光性物質の屈折率と一致させておく。
入射光束303の偏光方向が矢印307に対して垂直であると
き、光学素子306の屈折率分布は、入射光に対し一様と
なるので、出射光はそのまま透過した出射光束304とな
る。入射光束303の偏光方向を矢印307とすると、この光
に対しては屈折率分布が存在するので、積層構造で決ま
る特定の波長の光について、干渉効果により反射光305
が得られる。
る光学素子306に入射光束303を当てる。液晶の長軸方向
(屈折率の大きい方向)を矢印307とし、液晶の短軸方
向の屈折率は、透光性物質の屈折率と一致させておく。
入射光束303の偏光方向が矢印307に対して垂直であると
き、光学素子306の屈折率分布は、入射光に対し一様と
なるので、出射光はそのまま透過した出射光束304とな
る。入射光束303の偏光方向を矢印307とすると、この光
に対しては屈折率分布が存在するので、積層構造で決ま
る特定の波長の光について、干渉効果により反射光305
が得られる。
【0058】すなわち、本発明の素子は偏光に依存して
光を透過ないし反射させることができる複屈折光学素子
として働く効果がある。
光を透過ないし反射させることができる複屈折光学素子
として働く効果がある。
【0059】前述の実施例3では、縞状構造が等間隔な
層構造であったが、図4(c)に示すように、間隔が場所
によって不均一で、層が平面ではない構造でもよい。こ
の光学素子の作作を図4(d)に示す。この光学素子308
に対し、入射光束303をあてる。液晶の長軸方向を矢印3
07とし、液晶の短軸方向の屈折率を透光性物質の屈折率
と一致させておく。入射光束303の偏光方向が矢印307に
対して垂直であるとき、光学素子308の屈折率分布は、
入射光に対し一様となるので、出射光はそのまま透過し
た出射光束304となる。入射光束303の偏光方向を矢印30
7とすると、この光に対しては屈折率分布が存在し、3
次元的な縞状構造、すなわち、体積ホログラムの構造で
あるので、反射光309により実像310が形成される。
層構造であったが、図4(c)に示すように、間隔が場所
によって不均一で、層が平面ではない構造でもよい。こ
の光学素子の作作を図4(d)に示す。この光学素子308
に対し、入射光束303をあてる。液晶の長軸方向を矢印3
07とし、液晶の短軸方向の屈折率を透光性物質の屈折率
と一致させておく。入射光束303の偏光方向が矢印307に
対して垂直であるとき、光学素子308の屈折率分布は、
入射光に対し一様となるので、出射光はそのまま透過し
た出射光束304となる。入射光束303の偏光方向を矢印30
7とすると、この光に対しては屈折率分布が存在し、3
次元的な縞状構造、すなわち、体積ホログラムの構造で
あるので、反射光309により実像310が形成される。
【0060】すなわち、本実施例3の光学素子は、偏光
に依存して光を透過ないし像を再生する高機能な複屈折
光学素子として働く効果がある。
に依存して光を透過ないし像を再生する高機能な複屈折
光学素子として働く効果がある。
【0061】図5(a)及び図5(b)は、本実施例3の光
学素子を2枚重ねることにより2つの像の切り替えを行
った変形例を説明するための図である。この変形例の光
学素子は、液晶の長軸方向を矢印307と平行とした本実
施例3の光学素子308と、液晶の長軸方向を矢印307と垂
直にした素子312を重ねたものである。
学素子を2枚重ねることにより2つの像の切り替えを行
った変形例を説明するための図である。この変形例の光
学素子は、液晶の長軸方向を矢印307と平行とした本実
施例3の光学素子308と、液晶の長軸方向を矢印307と垂
直にした素子312を重ねたものである。
【0062】図5(a)に示すように、偏光方向が矢印30
7と平行な入射光束303を当てると、素子308により反射
光309により実像310が形成される。一方、図5(b)に示
したように、偏光方向が方向307と垂直な入射光束315は
光学素子308を透過し素子312によって反射され反射
光314により実像313が形成される。光学素子308と光
学素子312に異なった像を記録することにより、2つの
像を切り替えることができる。
7と平行な入射光束303を当てると、素子308により反射
光309により実像310が形成される。一方、図5(b)に示
したように、偏光方向が方向307と垂直な入射光束315は
光学素子308を透過し素子312によって反射され反射
光314により実像313が形成される。光学素子308と光
学素子312に異なった像を記録することにより、2つの
像を切り替えることができる。
【0063】なお、ホログラムの再生は、図5のような
反射側ではなく、透過側へ行ってもよい。厚さ方向にあ
る構造によって生じる波長選択性を素子の機能とするこ
ともできる。
反射側ではなく、透過側へ行ってもよい。厚さ方向にあ
る構造によって生じる波長選択性を素子の機能とするこ
ともできる。
【0064】以上の説明からわかるように、本実施例3
の光学素子によれば、実像の再生という高機能な複屈折
光学素子を得ることができる。
の光学素子によれば、実像の再生という高機能な複屈折
光学素子を得ることができる。
【0065】(実施例4)図6は本発明による光学素子
の実施例4を説明するための模式図であり、(a)は実施
例4の光学素子の概略構成を示す断面図、(b)は(a)に
示す光学素子の動作を説明するための図である。
の実施例4を説明するための模式図であり、(a)は実施
例4の光学素子の概略構成を示す断面図、(b)は(a)に
示す光学素子の動作を説明するための図である。
【0066】本実施例4の光学素子は、図6(a)に示す
ように、前述と同様な透光性物質401と、例えば、液晶
のような光学的異方体402からなる縞状構造部分を、電
極406で挟んだ構成にしたものである。電極406は、使用
する光の波長に対して透過性のある材料を用いる。電極
406に電源407を繊続して電圧を加えることにより、液晶
の配向方向が変わり、屈折率異方性を変化させることが
できる。液晶の短軸方向の屈折率と透光性物質の屈折率
を一致させ、配向方向を縞の方向と平行に作製する。
ように、前述と同様な透光性物質401と、例えば、液晶
のような光学的異方体402からなる縞状構造部分を、電
極406で挟んだ構成にしたものである。電極406は、使用
する光の波長に対して透過性のある材料を用いる。電極
406に電源407を繊続して電圧を加えることにより、液晶
の配向方向が変わり、屈折率異方性を変化させることが
できる。液晶の短軸方向の屈折率と透光性物質の屈折率
を一致させ、配向方向を縞の方向と平行に作製する。
【0067】光路長振幅は、電圧を駆けない状態で式
(2)を満たすとする。光路長は(b)のグラフのように偏
光方向が縞と平行な光については細い実線のような鋸波
状になり、電圧を上げると太い実線のように鋸の高さが
低くなり、十分大きな電圧については破線のように一様
となる。また、偏光面が垂直な場合は電圧によらず破線
のように一様となる。
(2)を満たすとする。光路長は(b)のグラフのように偏
光方向が縞と平行な光については細い実線のような鋸波
状になり、電圧を上げると太い実線のように鋸の高さが
低くなり、十分大きな電圧については破線のように一様
となる。また、偏光面が垂直な場合は電圧によらず破線
のように一様となる。
【0068】入射光束403の偏光面を縞の方向と垂直に
した場合、素子に加わる電圧に関係なく素子のこの偏光
光線に対する屈折率は一様であるので、出射光束403は
光学素子の作用を受けずにそのまま透過する。偏光面を
縞と平行にすると、入射光束403は光学素子の影響を受
ける。図6(b)に示すように、鋸波状の光路長分布の場
合、実施例2に示したように回折光は1光束となる。電
圧を駆けない状態では、液晶の屈折率と透光性物質の屈
折率の差が大きいため、光路長振幅が大きいので、式
(3)におけるnの値が大きく、出射光束405は高次回折
光となり、分離角αの大きい方向(矢印405)に得られ
る。
した場合、素子に加わる電圧に関係なく素子のこの偏光
光線に対する屈折率は一様であるので、出射光束403は
光学素子の作用を受けずにそのまま透過する。偏光面を
縞と平行にすると、入射光束403は光学素子の影響を受
ける。図6(b)に示すように、鋸波状の光路長分布の場
合、実施例2に示したように回折光は1光束となる。電
圧を駆けない状態では、液晶の屈折率と透光性物質の屈
折率の差が大きいため、光路長振幅が大きいので、式
(3)におけるnの値が大きく、出射光束405は高次回折
光となり、分離角αの大きい方向(矢印405)に得られ
る。
【0069】この条件でのnを以下n0とする。電圧を
加えると、屈折率異方性と誘電率異方性の縞の方向に対
する液晶の屈折率が減少するので、光路長振幅は小さく
なる。電圧を加えていくと、n=n0−1の条件で式
(2)を満たす。このとき図6(a)に示した出射光束408
の方向に回折光が得られる。さらに、電圧を大きくする
と、n=n0−2の条件で出射光束409のような、分離角
の小さい出射光が得られる。このように加える電圧を制
御することにより、式(2)を満たすnの値を変え、離散
的に分離角を変えることができる。すなわち、この素子
は偏光による出方向の切り替え先を電気的に選択できる
効果をもつ。
加えると、屈折率異方性と誘電率異方性の縞の方向に対
する液晶の屈折率が減少するので、光路長振幅は小さく
なる。電圧を加えていくと、n=n0−1の条件で式
(2)を満たす。このとき図6(a)に示した出射光束408
の方向に回折光が得られる。さらに、電圧を大きくする
と、n=n0−2の条件で出射光束409のような、分離角
の小さい出射光が得られる。このように加える電圧を制
御することにより、式(2)を満たすnの値を変え、離散
的に分離角を変えることができる。すなわち、この素子
は偏光による出方向の切り替え先を電気的に選択できる
効果をもつ。
【0070】特に、透光性物質屈折率と液晶の短軸方向
の屈折率を等しくした場合、十分大きな電圧をかける
と、液晶は素子平面に対して垂直に配向するので、入射
する光の偏光方向によらず、光を透過する。
の屈折率を等しくした場合、十分大きな電圧をかける
と、液晶は素子平面に対して垂直に配向するので、入射
する光の偏光方向によらず、光を透過する。
【0071】ここでは、屈折率分布を三角形としたが、
これに限らず立体的な構造を含む任意の縞状構造でよ
い。この場合、光の方向、強度、光束の分割比の制御を
電気的に行うことができる。また、屈折率分布も領域で
はなく前述のように濃度などによって制御してもよい。
また、液晶を用いたが、電気的に屈折率異方性を制御で
きるものであれば、他の透光性物質でもよい。
これに限らず立体的な構造を含む任意の縞状構造でよ
い。この場合、光の方向、強度、光束の分割比の制御を
電気的に行うことができる。また、屈折率分布も領域で
はなく前述のように濃度などによって制御してもよい。
また、液晶を用いたが、電気的に屈折率異方性を制御で
きるものであれば、他の透光性物質でもよい。
【0072】電極を分割して取り付けることにより、1
枚の本発明の素子でも、場所によって異なった機能を持
たせることができる。また、変形可能な電極を用いれ
ば、実施例1で述べた可変形性は損なわれない。
枚の本発明の素子でも、場所によって異なった機能を持
たせることができる。また、変形可能な電極を用いれ
ば、実施例1で述べた可変形性は損なわれない。
【0073】このようにして、電気的に光の方向、強
度、光束の分割比の制御が可能な能動的複屈折光学素子
を得ることができる。
度、光束の分割比の制御が可能な能動的複屈折光学素子
を得ることができる。
【0074】(実施例5)図7は、本発明による光学素
子の実施例5を説明するための模式図である。
子の実施例5を説明するための模式図である。
【0075】本実施例5の光学素子は、光学素子を複数
用いた構造の光学素子であり、光の方向、強度、光束の
分割比を電気的に制御する自由度を増加させたものであ
る。
用いた構造の光学素子であり、光の方向、強度、光束の
分割比を電気的に制御する自由度を増加させたものであ
る。
【0076】すなわち、図7に示すように、入射光束50
3を本実施例5の光学素子501と光学素子509の2枚を重
ねたものに入射する。
3を本実施例5の光学素子501と光学素子509の2枚を重
ねたものに入射する。
【0077】前記光学素子501として、例えば、前記実
施例2に示したような鋸波状光路長分布を有し、屈折率
異方性と誘電率異方性の極性が一致している液晶の配向
方向を縞方向と平行とし、液晶の短軸の屈折率と、透光
性個体の屈折率を一致させた光学素子を用いる。まず、
最初に、図7中の光学素子509は、電極508に十分大きな
電圧を加えることにより、全ての光を透過する場合につ
いて述べる。
施例2に示したような鋸波状光路長分布を有し、屈折率
異方性と誘電率異方性の極性が一致している液晶の配向
方向を縞方向と平行とし、液晶の短軸の屈折率と、透光
性個体の屈折率を一致させた光学素子を用いる。まず、
最初に、図7中の光学素子509は、電極508に十分大きな
電圧を加えることにより、全ての光を透過する場合につ
いて述べる。
【0078】入射光束503の偏光を光学素子501の縞方向
と平行とすると、この光に対して素子は透過状態とな
り、出射光束504が得られる。入射光束503の偏光方向を
90度回転させると、光学素子501はブレーズド回折格
子として振る舞い出射光は、出射光束505の方向に得ら
れる。つまり、偏光面を制御することにより出射光束50
4と出射光束505の間でのスイッチング動作をすることが
できる。ここで、電極508へ電圧を加えると、ブレーズ
ド格子の光路の振幅が減少し回折角の方向は、電圧を加
えると出射光束506の方向へ、さらに加えると、出射光
束507の方向へと離散的に変わる。従って、出射光束508
へ加える電圧を制御することにより、出射光束504と出
射光束506の間でのスイッチングまたは出射光束504と出
射光束507の間でのスイッチングを切り替えることがで
きる。
と平行とすると、この光に対して素子は透過状態とな
り、出射光束504が得られる。入射光束503の偏光方向を
90度回転させると、光学素子501はブレーズド回折格
子として振る舞い出射光は、出射光束505の方向に得ら
れる。つまり、偏光面を制御することにより出射光束50
4と出射光束505の間でのスイッチング動作をすることが
できる。ここで、電極508へ電圧を加えると、ブレーズ
ド格子の光路の振幅が減少し回折角の方向は、電圧を加
えると出射光束506の方向へ、さらに加えると、出射光
束507の方向へと離散的に変わる。従って、出射光束508
へ加える電圧を制御することにより、出射光束504と出
射光束506の間でのスイッチングまたは出射光束504と出
射光束507の間でのスイッチングを切り替えることがで
きる。
【0079】さらに、本実施例5の光学素子509を作用
させる。光学素子509の格子間隔を光学素子501に比べ粗
くとる。光学素子509は、電極511に十分電圧を加えてお
けば、入射光の偏光に係わらず作用しない。電圧を低く
すると回折格子として作用し、光を偏光する。光学素子
509の格子間隔は光学素子501に比べ粗いので、光学素子
501の光を偏光する角度は、光学素子509に比べ小さくな
る。そこで、例えば、出射光束504と出射光束507の間で
行われたスイッチングを出射光束511へ加える電圧を制
御することにより、出射光束504と出射光束510の間で行
うことができる。つまり、本発明の光学素子を複数枚用
いることにより、切り替え先を選択する際の分解能を増
やすことができる。
させる。光学素子509の格子間隔を光学素子501に比べ粗
くとる。光学素子509は、電極511に十分電圧を加えてお
けば、入射光の偏光に係わらず作用しない。電圧を低く
すると回折格子として作用し、光を偏光する。光学素子
509の格子間隔は光学素子501に比べ粗いので、光学素子
501の光を偏光する角度は、光学素子509に比べ小さくな
る。そこで、例えば、出射光束504と出射光束507の間で
行われたスイッチングを出射光束511へ加える電圧を制
御することにより、出射光束504と出射光束510の間で行
うことができる。つまり、本発明の光学素子を複数枚用
いることにより、切り替え先を選択する際の分解能を増
やすことができる。
【0080】すなわち、任意の分解能で出射光方向を切
り替え選び、入射光の偏光により切り替える素子として
働く。
り替え選び、入射光の偏光により切り替える素子として
働く。
【0081】ここまでの説明は、格子の縞方向が同じ2
枚を重ねた例であり、光を上下方向すなわち、1次元的
にしか制御できないが、格子の縞の方向が異なる、例え
ば、90度回転した本発明の光学素子を重ねれば、2次
元的に光の切り替え方向を選ぶことができる。また、重
ね合わせの枚数も2枚に限らない。
枚を重ねた例であり、光を上下方向すなわち、1次元的
にしか制御できないが、格子の縞の方向が異なる、例え
ば、90度回転した本発明の光学素子を重ねれば、2次
元的に光の切り替え方向を選ぶことができる。また、重
ね合わせの枚数も2枚に限らない。
【0082】(実施例6)図8は、本発明による実施例
6の光学素子の作製法を説明するための模式図であり、
(a)は本実施例6の光学素子の作製法の実施装置の概略
構成を示う模式図、(b)は本実施例6の光学素子の作製
法の他の実施装置の概略構成を示う模式図である。
6の光学素子の作製法を説明するための模式図であり、
(a)は本実施例6の光学素子の作製法の実施装置の概略
構成を示う模式図、(b)は本実施例6の光学素子の作製
法の他の実施装置の概略構成を示う模式図である。
【0083】本実施例6の光学素子の作製法は、図8
(a)に示すように、例えば、レーザのような可干渉光源
601を出た光をハーフミラー602によって複数の光束に分
割し、それらの光束を透光性物質及び光学的異方体の混
合物からなる素子材料604上で干渉させ、干渉縞として
定在波を得る。定在波の間隔及び形状はミラー603の位
置及び形状によって制御可能である。平面波同士を干渉
させれば、等間隔な定在波が得られる。生じた定在波の
電界強度差あるいはそれによって起こる熱効果、または
光効果によって形成される物質分布を、光源601の光に
よって固定することにより光学素子の作製を行う。
(a)に示すように、例えば、レーザのような可干渉光源
601を出た光をハーフミラー602によって複数の光束に分
割し、それらの光束を透光性物質及び光学的異方体の混
合物からなる素子材料604上で干渉させ、干渉縞として
定在波を得る。定在波の間隔及び形状はミラー603の位
置及び形状によって制御可能である。平面波同士を干渉
させれば、等間隔な定在波が得られる。生じた定在波の
電界強度差あるいはそれによって起こる熱効果、または
光効果によって形成される物質分布を、光源601の光に
よって固定することにより光学素子の作製を行う。
【0084】例えば、透光性物質として光源601の光で
硬化する光硬化樹脂、光学的異方体として液晶を用い、
樹脂に液晶を混合または溶解したものを素子材料604と
する。光源601の光によって誘起された定在波の腹の部
分で硬化が起こり、節の部分に液晶が集中することによ
り縞状構造が形成される。液晶は樹脂硬化の成長の方向
性により配向方向が限定されるため、作製された素子は
副屈折を示す。
硬化する光硬化樹脂、光学的異方体として液晶を用い、
樹脂に液晶を混合または溶解したものを素子材料604と
する。光源601の光によって誘起された定在波の腹の部
分で硬化が起こり、節の部分に液晶が集中することによ
り縞状構造が形成される。液晶は樹脂硬化の成長の方向
性により配向方向が限定されるため、作製された素子は
副屈折を示す。
【0085】また、図8(b)に示すように、光源601の
光によって硬化しない透光性物質と光学的異方体の混合
物を素子材料606として用いる。光学的異方体として液
晶、透光性物質として樹脂を用いても良い。液晶の誘電
率が樹脂に比べ大きいと、光源601の光照射により液晶
が定在波の電界強度の大きい部分へ集まる。誘電率異方
性のため誘電率の大きい方向と電界方向とが一致して配
向する。
光によって硬化しない透光性物質と光学的異方体の混合
物を素子材料606として用いる。光学的異方体として液
晶、透光性物質として樹脂を用いても良い。液晶の誘電
率が樹脂に比べ大きいと、光源601の光照射により液晶
が定在波の電界強度の大きい部分へ集まる。誘電率異方
性のため誘電率の大きい方向と電界方向とが一致して配
向する。
【0086】この状態で樹脂を硬化させるような光605
を照射することにより、この構造を固定し素子を作製す
る。光605で硬化させるかわりに、光学素子を加熱し硬
化させてもよい。また、この例とは逆に透光性物質の誘
電率を大きくし、透光性物質を集めてもよい。
を照射することにより、この構造を固定し素子を作製す
る。光605で硬化させるかわりに、光学素子を加熱し硬
化させてもよい。また、この例とは逆に透光性物質の誘
電率を大きくし、透光性物質を集めてもよい。
【0087】図9は、図8(a)、図8(b)に示した素子
作製法において、素子硬化時に素子材料に電界を加える
ことにより、配向方向を制御する方法の例を説明するた
めの図である。電極608によって素子材料607を挟む。電
界609によって電圧を加えることにより、素子材料内部
に電界が発生する。液晶は誘電率異方性をもつので、誘
電率の大きい方向が電界方向と一致するように配向す
る。
作製法において、素子硬化時に素子材料に電界を加える
ことにより、配向方向を制御する方法の例を説明するた
めの図である。電極608によって素子材料607を挟む。電
界609によって電圧を加えることにより、素子材料内部
に電界が発生する。液晶は誘電率異方性をもつので、誘
電率の大きい方向が電界方向と一致するように配向す
る。
【0088】特に、液晶として周波数によって誘電率異
方性の極性が反転するもの、いわゆる、2周波液晶を用
いれば、素子硬化時と異なる周波数の電圧で駆動するこ
とにより、前記実施例4に示したように、電気的に特性
制御可能となる。ここでは、硬化時に電界を加えたが磁
界によって配向を制御してもよい。また、樹脂の硬化は
光源601の光によっているがこれに限らない。
方性の極性が反転するもの、いわゆる、2周波液晶を用
いれば、素子硬化時と異なる周波数の電圧で駆動するこ
とにより、前記実施例4に示したように、電気的に特性
制御可能となる。ここでは、硬化時に電界を加えたが磁
界によって配向を制御してもよい。また、樹脂の硬化は
光源601の光によっているがこれに限らない。
【0089】なお、図8(a)、図8(b)、図9の光学素
子の作製法において、ミラー603の位置に物体を置き、
物体からの散乱光と他方の光を干渉させることにより、
干渉縞はホログラムとなり、前記実施例3に示したよう
な厚さ方向への分布をもった光学素子を作製することが
できる。
子の作製法において、ミラー603の位置に物体を置き、
物体からの散乱光と他方の光を干渉させることにより、
干渉縞はホログラムとなり、前記実施例3に示したよう
な厚さ方向への分布をもった光学素子を作製することが
できる。
【0090】図9では、素子材料に対し一方向から光を
入射しているが、表裏から光を入射させてもよい。ま
た、入射光は2光束である必要はない。特に、整数倍の
高調波成分を含ませることにより、非正弦波的な定在波
を立ててもよい。また、光を照射した側から硬化する物
質を用いることにより、片面から構造を成長させ作製し
てもよい。
入射しているが、表裏から光を入射させてもよい。ま
た、入射光は2光束である必要はない。特に、整数倍の
高調波成分を含ませることにより、非正弦波的な定在波
を立ててもよい。また、光を照射した側から硬化する物
質を用いることにより、片面から構造を成長させ作製し
てもよい。
【0091】この作製法を用いることにより、光の波長
程度の微細構造をもつ複屈折光学素子を実現できる。ま
た、光照射以外には、特に、製作工程がないため容易か
つ安価にできる。
程度の微細構造をもつ複屈折光学素子を実現できる。ま
た、光照射以外には、特に、製作工程がないため容易か
つ安価にできる。
【0092】(実施例7)図10は、本発明による実施
例7の光学素子の作製法を説明するための実施装置の概
略構成を示す模式図である。
例7の光学素子の作製法を説明するための実施装置の概
略構成を示す模式図である。
【0093】本実施例7の光学素子の作製法は、平行光
束701を非円筒レンズ群702に斜めから入射する。透過し
た光は、領域703の部分で強くなり、焦点面704を先端と
する鋸波状となる。焦点面704を一方の端面とした破線
で囲んだ領域705の部分に素子材料を置くことにより、
素子材料中の光強度分布は鋸波状となる。素子材料をこ
の光で硬化させることにより、実施例2の光学素子を得
ることができる。鋸波状の周期を細かくするため、また
は素子材料が薄いときはレンズを移動し複数回露光する
ことにより、鋸波状の部分703の先端を重ね合わせても
よい。
束701を非円筒レンズ群702に斜めから入射する。透過し
た光は、領域703の部分で強くなり、焦点面704を先端と
する鋸波状となる。焦点面704を一方の端面とした破線
で囲んだ領域705の部分に素子材料を置くことにより、
素子材料中の光強度分布は鋸波状となる。素子材料をこ
の光で硬化させることにより、実施例2の光学素子を得
ることができる。鋸波状の周期を細かくするため、また
は素子材料が薄いときはレンズを移動し複数回露光する
ことにより、鋸波状の部分703の先端を重ね合わせても
よい。
【0094】また、非円筒レンズ群の代わりに縞状に集
光するホログラムを置くことにより、光強度分布を形成
してもよい。
光するホログラムを置くことにより、光強度分布を形成
してもよい。
【0095】形成する光強度分布は、作製する素子の構
造に依存し、本実施例7のような鋸波状分布に限らな
い。
造に依存し、本実施例7のような鋸波状分布に限らな
い。
【0096】本実施例7の史学素子の作製法では、光露
光を用いるため、大面積であっても、複数の領域に分割
し、それぞれに露光することにより大面積の光学素子を
作製することができる。
光を用いるため、大面積であっても、複数の領域に分割
し、それぞれに露光することにより大面積の光学素子を
作製することができる。
【0097】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し得
ることはいうまでもない。
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し得
ることはいうまでもない。
【0098】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、以下の効果を得ることができる。
ば、以下の効果を得ることができる。
【0099】(1)光干渉を用いているため、偏光の分
離角の大きな光学素子を得ることができる。
離角の大きな光学素子を得ることができる。
【0100】(2)鋸波構造を用いることにより、他の
次数の回折光による光の漏れのない素子を得ることがで
きる。
次数の回折光による光の漏れのない素子を得ることがで
きる。
【0101】(3)厚さ方向にも屈折率分布を有するの
で、実像の形成を制御できる複屈折光学素子を得ること
ができる。
で、実像の形成を制御できる複屈折光学素子を得ること
ができる。
【0102】(4)光学素子を複数組み合わせることに
より、光の切り替え方向を高分解能で選定できる複屈折
光学素子を得ることができる。
より、光の切り替え方向を高分解能で選定できる複屈折
光学素子を得ることができる。
【0103】(5)電極を付加することにより、電気的
に特性制御可能な複屈折光学素子を得ることができる。
に特性制御可能な複屈折光学素子を得ることができる。
【0104】(6)樹脂及び液晶を用いることにより、
柔軟性に富んだ複屈折光学素子を得ることができる。こ
れにより、曲面や可動部にもこの光学素子を用いること
ができる。
柔軟性に富んだ複屈折光学素子を得ることができる。こ
れにより、曲面や可動部にもこの光学素子を用いること
ができる。
【0105】(7)光干渉を用いることにより、光学素
子の作製を容易にし、安価な光学素子を得ることができ
る。
子の作製を容易にし、安価な光学素子を得ることができ
る。
【0106】(8)光で素子構造を書き込むことによ
り、大面積の光学素子を得ることができる。
り、大面積の光学素子を得ることができる。
【図1】 本発明による光学素子の実施例1を説明する
ための模式図、
ための模式図、
【図2】 本実施例1の光学素子の変形例を説明するた
めの図、
めの図、
【図3】 本発明による光学素子の実施例2を説明する
ための模式図、
ための模式図、
【図4】 本発明による光学素子の実施例3を説明する
ための模式図、
ための模式図、
【図5】 本実施例3の光学素子を2枚重ねることによ
り2つの像の切り替えを行った変形例を説明するための
図、
り2つの像の切り替えを行った変形例を説明するための
図、
【図6】 本発明による光学素子の実施例4を説明する
ための模式図、
ための模式図、
【図7】 本発明による光学素子の実施例5を説明する
ための模式図、
ための模式図、
【図8】 本発明による実施例6の光学素子の作製法を
説明するための模式図、
説明するための模式図、
【図9】 図8に示した光学素子の作製法において、配
向方向を制御する方法の例を説明するための図、
向方向を制御する方法の例を説明するための図、
【図10】 本発明による実施例7の光学素子の作製法
を説明するための模式図、
を説明するための模式図、
【図11】 従来技術である複屈折回折格子を示す概略
図。
図。
101,201,301,401・・・透光性物質、102,107,202,302・・・光
学的異方体領域、103,203,303,403,503・・・入射光束、10
4,105,109,204,205,206,207,304,305,404,405408,409,5
04,505,506,507,510・・・出射光束、106・・・透光性固体領
域、108・・・光学的異方体濃度で屈折率分布を制御した実
施例1の光学素子、306,308,312・・・三次元的な分布構造
を有する本発明の光学素子、307・・・方向、309,314・・・反
射光、310,313・・・実像、311・・・入射光束、402・・・電気的
に屈折率制御可能な光学的異方体、406,608・・・電極、40
7,609・・・電源、501・・・本発明の光学素子(1枚目)、50
8・・・本発明の光学素子(1枚目)の電極、509・・・本発明
の光学素子(2枚目)、511・・・本発明の光学素子(2枚
目)の電極、601・・・可干渉光光源、602・・・半透鏡、603・
・・鏡、604,606,607・・・透光性物質と光学的異方体の混合
物、605・・・光源、701・・・平行光束、702・・・半円筒レンズ
群、703・・・光の強い領域、704・・・焦点面、705・・・素子材
料を置く場所、801・・・シリコン基板。
学的異方体領域、103,203,303,403,503・・・入射光束、10
4,105,109,204,205,206,207,304,305,404,405408,409,5
04,505,506,507,510・・・出射光束、106・・・透光性固体領
域、108・・・光学的異方体濃度で屈折率分布を制御した実
施例1の光学素子、306,308,312・・・三次元的な分布構造
を有する本発明の光学素子、307・・・方向、309,314・・・反
射光、310,313・・・実像、311・・・入射光束、402・・・電気的
に屈折率制御可能な光学的異方体、406,608・・・電極、40
7,609・・・電源、501・・・本発明の光学素子(1枚目)、50
8・・・本発明の光学素子(1枚目)の電極、509・・・本発明
の光学素子(2枚目)、511・・・本発明の光学素子(2枚
目)の電極、601・・・可干渉光光源、602・・・半透鏡、603・
・・鏡、604,606,607・・・透光性物質と光学的異方体の混合
物、605・・・光源、701・・・平行光束、702・・・半円筒レンズ
群、703・・・光の強い領域、704・・・焦点面、705・・・素子材
料を置く場所、801・・・シリコン基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 謹矢 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 酒井 重信 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 透光性物質と光軸を特定方向に揃えた光
学的異方体とからなり、両者の領域分布あるいは濃度分
布により屈折率分布が平面、または立体的な縞状構造を
有することを特徴とする光学素子。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光学素子において、光
路長分布を鋸波状とすることを特徴とする光学素子。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の光学素子の両
面に電極を取り付けた光学素子を1枚あるいは複数枚重
ね合わせたことを特徴とする光学素子。 - 【請求項4】 高分子樹脂と液晶との混合物に、同時に
2光束以上の可干渉な光を照射した状態で、その光束あ
るいは他の光を照射することにより起こる光反応または
加熱による熱反応によって樹脂を硬化させることを特徴
とする請求項1または2に記載の光学素子の作製法。 - 【請求項5】 高分子樹脂と液晶との混合物に、レンズ
群またはホログラムを用いて縞状に集光した光を照射
し、その光強度分布に応じた構造で硬化させることを特
徴とする請求項1または2に記載の光学素子の作製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06660893A JP3324083B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 光学素子の作製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06660893A JP3324083B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 光学素子の作製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06281815A true JPH06281815A (ja) | 1994-10-07 |
JP3324083B2 JP3324083B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=13320793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06660893A Expired - Fee Related JP3324083B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 光学素子の作製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3324083B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999024852A1 (fr) * | 1997-10-16 | 1999-05-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Dispositif de separation de la polarisation d'elements d'hologramme, dispositif d'eclairage par polarisation et affichage d'image |
JP2002062428A (ja) * | 2000-08-17 | 2002-02-28 | Toppan Printing Co Ltd | 光学素子 |
-
1993
- 1993-03-25 JP JP06660893A patent/JP3324083B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999024852A1 (fr) * | 1997-10-16 | 1999-05-20 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Dispositif de separation de la polarisation d'elements d'hologramme, dispositif d'eclairage par polarisation et affichage d'image |
JP2002062428A (ja) * | 2000-08-17 | 2002-02-28 | Toppan Printing Co Ltd | 光学素子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3324083B2 (ja) | 2002-09-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |