JPH06279436A - トリオキサンの製造方法 - Google Patents
トリオキサンの製造方法Info
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- JPH06279436A JPH06279436A JP5074785A JP7478593A JPH06279436A JP H06279436 A JPH06279436 A JP H06279436A JP 5074785 A JP5074785 A JP 5074785A JP 7478593 A JP7478593 A JP 7478593A JP H06279436 A JPH06279436 A JP H06279436A
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- JP
- Japan
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- reaction
- catalyst
- trioxane
- montmorillonite
- formaldehyde
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ホルムアルデヒドを、クロムおよび/または
アルミニウムを含有するモンモリロナイトと接触させる
ことを特徴とするトリオキサンの製造方法。 【効果】 副反応を生起することなく効率よくトリオキ
サンを製造できる。さらに、触媒の機能を発現する酸点
がCr3+および/またはAl3+に起因するため、装置材
質の腐食の心配がなく工業的規模で利用できる。
アルミニウムを含有するモンモリロナイトと接触させる
ことを特徴とするトリオキサンの製造方法。 【効果】 副反応を生起することなく効率よくトリオキ
サンを製造できる。さらに、触媒の機能を発現する酸点
がCr3+および/またはAl3+に起因するため、装置材
質の腐食の心配がなく工業的規模で利用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホルムアルデヒドを環
状3量化(環化)してトリオキサンを製造する方法に関
するものである。
状3量化(環化)してトリオキサンを製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トリオキサンは、ホルムアルデヒ
ド水溶液を原料として、硫酸、トルエンスルホン酸、ヘ
テロポリ酸などの均一系の酸を用いて、加熱蒸留して製
造されてきた。しかしながら、これらの均一系の酸を用
いた場合は装置材質の腐食が著しく、さらに高濃度ホル
マリンを使用した場合、ホルマリンの重合物であるポリ
オキシメチレンが生成し反応液を白濁させるため、工業
規模での応用には幾多の問題があった。
ド水溶液を原料として、硫酸、トルエンスルホン酸、ヘ
テロポリ酸などの均一系の酸を用いて、加熱蒸留して製
造されてきた。しかしながら、これらの均一系の酸を用
いた場合は装置材質の腐食が著しく、さらに高濃度ホル
マリンを使用した場合、ホルマリンの重合物であるポリ
オキシメチレンが生成し反応液を白濁させるため、工業
規模での応用には幾多の問題があった。
【0003】そこで、(i) 結晶性アルミノシリケートを
触媒として用いるトリオキサンの製造方法(特公昭63
−38028号公報、特開昭1−106879号公報、
特開平1−180835号公報)、(ii)スルホン酸基を
交換基とする陽イオン交換樹脂を触媒として用いるトリ
オキサンの製造方法(特公昭40−12794号公報、
特公平1−11025号公報)または(iii) 固体酸触媒
を用いて、超臨界状態にあるかまたは加圧液化された不
活性流体を反応媒体とするトリオキサンの製造方法(特
開昭59−181274号公報)が提案された。
触媒として用いるトリオキサンの製造方法(特公昭63
−38028号公報、特開昭1−106879号公報、
特開平1−180835号公報)、(ii)スルホン酸基を
交換基とする陽イオン交換樹脂を触媒として用いるトリ
オキサンの製造方法(特公昭40−12794号公報、
特公平1−11025号公報)または(iii) 固体酸触媒
を用いて、超臨界状態にあるかまたは加圧液化された不
活性流体を反応媒体とするトリオキサンの製造方法(特
開昭59−181274号公報)が提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(i) の
方法は、触媒調製が他の触媒に較べ困難であり、反応収
率および反応速度も不十分である。また、(ii)の方法
は、確かに装置の腐食は硫酸などの均一系の酸触媒に較
べ改善される。しかしながら、触媒劣化によって徐々に
反応系内に蓄積される酸が材質腐食を引き起こしたり、
ホルマリンの重合物であるポリオキシメチレンが生成す
るため十分満足できるものではない。さらに、(iii) の
方法は高圧の特殊な反応条件で反応を行うため、工業的
には実用的でない。
方法は、触媒調製が他の触媒に較べ困難であり、反応収
率および反応速度も不十分である。また、(ii)の方法
は、確かに装置の腐食は硫酸などの均一系の酸触媒に較
べ改善される。しかしながら、触媒劣化によって徐々に
反応系内に蓄積される酸が材質腐食を引き起こしたり、
ホルマリンの重合物であるポリオキシメチレンが生成す
るため十分満足できるものではない。さらに、(iii) の
方法は高圧の特殊な反応条件で反応を行うため、工業的
には実用的でない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、装置材料
の腐食に問題がなく、さらになおかつ環化反応速度が十
分で副反応が少ない実用的なトリオキサンの製造方法を
鋭意研究した結果、本発明に至った。
の腐食に問題がなく、さらになおかつ環化反応速度が十
分で副反応が少ない実用的なトリオキサンの製造方法を
鋭意研究した結果、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明はホルムアルデヒドを、
クロムおよび/またはアルミニウムを含有するモンモリ
ロナイトと接触させることを特徴とするトリオキサンの
製造方法である。
クロムおよび/またはアルミニウムを含有するモンモリ
ロナイトと接触させることを特徴とするトリオキサンの
製造方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明においては、クロムおよび/または
アルミニウムを含有するモンモリロナイトを触媒として
用いる。
アルミニウムを含有するモンモリロナイトを触媒として
用いる。
【0009】モンモリロナイトとは、一般にはラメラ層
間にラメラ間空間が配置されているラメラ構造を有する
クレーである。本発明で使用するモンモリロナイトは、
次式(I) には限定されないが、例えば次式(I) Na0.33(Al1.67Mg0.33)Si4O10(OH)2・nH2O ……(I) に相当する理想化された科学量論関係の組成を有するも
のである。このモンモリロナイトは、理想的には酸化珪
素を含有する2つの四面体配位層と、その間にサンドイ
ッチされているアルミニウムおよびマグネシウムの酸化
物および水酸化物を含有する中央の八面体配位層からな
っている。普通、カチオンは事実上、八面体層中のAl
3+に対するMg2+同形置換および/または四面体層のS
i4+に対するAl3+または他のイオンの同形置換によっ
て引き起こされる電荷不均衡を補償するために存在して
いる。八面体領域および四面体領域は相互にしっかり結
合し、ラメラ層を形成している。ラメラ層とラメラ層の
間の空間、すなわちラメラ間空間は普通交換可能のNa
+ またはCa2+イオンなどで占められている。本発明で
用いるモンモリロナイトは産出する場所によって若干構
造が異なってもかまわない。ベントナイト、フラー土な
どでもよい。構造組成中に、鉄などの遷移金属カチオン
を含んでもよい。
間にラメラ間空間が配置されているラメラ構造を有する
クレーである。本発明で使用するモンモリロナイトは、
次式(I) には限定されないが、例えば次式(I) Na0.33(Al1.67Mg0.33)Si4O10(OH)2・nH2O ……(I) に相当する理想化された科学量論関係の組成を有するも
のである。このモンモリロナイトは、理想的には酸化珪
素を含有する2つの四面体配位層と、その間にサンドイ
ッチされているアルミニウムおよびマグネシウムの酸化
物および水酸化物を含有する中央の八面体配位層からな
っている。普通、カチオンは事実上、八面体層中のAl
3+に対するMg2+同形置換および/または四面体層のS
i4+に対するAl3+または他のイオンの同形置換によっ
て引き起こされる電荷不均衡を補償するために存在して
いる。八面体領域および四面体領域は相互にしっかり結
合し、ラメラ層を形成している。ラメラ層とラメラ層の
間の空間、すなわちラメラ間空間は普通交換可能のNa
+ またはCa2+イオンなどで占められている。本発明で
用いるモンモリロナイトは産出する場所によって若干構
造が異なってもかまわない。ベントナイト、フラー土な
どでもよい。構造組成中に、鉄などの遷移金属カチオン
を含んでもよい。
【0010】本発明においては、クロムおよび/または
アルミニウムは、通常、イオンまたは酸化物の形態でモ
ンモリロナイト中に含有される。
アルミニウムは、通常、イオンまたは酸化物の形態でモ
ンモリロナイト中に含有される。
【0011】特に、モンモリロナイトがクロムおよび/
またはアルミニウムをイオンとして含有する場合には、
例えば、モンモリロナイトのカチオンをCr3+および/
またはAl3+を含むイオンで交換する。イオン交換の方
法は任意であるが、一般には水溶液中で行われる。水溶
液は、アセトン、メタノール、エタノールなどの有機溶
媒を混合したものであってもよい。
またはアルミニウムをイオンとして含有する場合には、
例えば、モンモリロナイトのカチオンをCr3+および/
またはAl3+を含むイオンで交換する。イオン交換の方
法は任意であるが、一般には水溶液中で行われる。水溶
液は、アセトン、メタノール、エタノールなどの有機溶
媒を混合したものであってもよい。
【0012】一方、クロムおよび/またはアルミニウム
を酸化物として含有するモンモリロナイトは、一般にピ
ラードクレーと呼ばれるものの一種である。調製法によ
り一部酸化物が担持されているだけのものもできるが、
それでもかまわない。
を酸化物として含有するモンモリロナイトは、一般にピ
ラードクレーと呼ばれるものの一種である。調製法によ
り一部酸化物が担持されているだけのものもできるが、
それでもかまわない。
【0013】触媒調製は、上記条件を満たしていればど
のように調製してもかまわないが、一旦金属カチオンを
塩基と反応させポリメタルオキシドの多価カチオンを形
成させてから、モンモリロナイト層間内に含有させて調
製する。金属カチオンをモンモリロナイト中に含有させ
てから、塩基と接触させることによって調製してもかま
わない。カチオン交換の方法はどのように行ってもかま
わないが、一般には水溶液中で行われる。水溶液は、ア
セトン、メタノール、エタノールなどの有機溶媒を混合
したものであってもよい。
のように調製してもかまわないが、一旦金属カチオンを
塩基と反応させポリメタルオキシドの多価カチオンを形
成させてから、モンモリロナイト層間内に含有させて調
製する。金属カチオンをモンモリロナイト中に含有させ
てから、塩基と接触させることによって調製してもかま
わない。カチオン交換の方法はどのように行ってもかま
わないが、一般には水溶液中で行われる。水溶液は、ア
セトン、メタノール、エタノールなどの有機溶媒を混合
したものであってもよい。
【0014】このようにして調製された触媒は、水溶液
中でかなり強い固体酸性を示し、トリオキサン生成反応
において高活性で副反応の生成も極めて少ないことが分
かった。また、ホルマリン重合によるポリオキシメチレ
ンの生成もない。さらに、発現する酸点がCr3+および
/またはAl3+に起因するため、装置材質の腐食の心配
がなく工業的規模で利用しやすい。
中でかなり強い固体酸性を示し、トリオキサン生成反応
において高活性で副反応の生成も極めて少ないことが分
かった。また、ホルマリン重合によるポリオキシメチレ
ンの生成もない。さらに、発現する酸点がCr3+および
/またはAl3+に起因するため、装置材質の腐食の心配
がなく工業的規模で利用しやすい。
【0015】本発明においては、クロムおよび/または
アルミニウムはモンモリロナイト中に金属として、モン
モリロナイト100重量部に対して0.01〜1重量部
含まれる。
アルミニウムはモンモリロナイト中に金属として、モン
モリロナイト100重量部に対して0.01〜1重量部
含まれる。
【0016】また、本発明における触媒の使用量はホル
ムアルデヒドに対し、重量比で0.01〜1,000、
好ましくは0.1〜100の範囲である。
ムアルデヒドに対し、重量比で0.01〜1,000、
好ましくは0.1〜100の範囲である。
【0017】本反応に用いられる触媒は、成型して固定
床の形で用いても粉末のままスラリーの形で用いてもか
まわない。
床の形で用いても粉末のままスラリーの形で用いてもか
まわない。
【0018】本発明において原料として用いられるホル
ムアルデヒドは任意の方法で製造したものが使用可能で
ある。また、本発明においてはホルムアルデヒド中にト
リオキサン、水、メタノール、エタノール、ジメチルエ
ーテル、メチラール、ギ酸メチル、ギ酸、窒素などの不
活性気体などが含まれていても差し支えない。ホルムア
ルデヒド濃度が高いほど、トリオキサンへの転化率は高
くなるが、高濃度のホルムアルデヒドは取扱いが困難で
あることなどの理由により、ホルマリン水溶液がホルム
アルデヒドの供給源として用いられることが好ましい。
ホルマリン水溶液として用いる場合、水溶液中には通常
30〜75重量%のホルムアルデヒドを含有する。ホル
マリン水溶液にはホルムアルデヒドの他に、水、メタノ
ールなどが含まれていてよい。75重量%以上の濃度の
ホルムアルデヒドは、例えばパラホルムアルデヒドの熱
分解によって得られる。75重量%以上の濃度のホルム
アルデヒドは液相状態、例えば水溶液では固化し易いの
で、通常は気相状態で取扱われる。
ムアルデヒドは任意の方法で製造したものが使用可能で
ある。また、本発明においてはホルムアルデヒド中にト
リオキサン、水、メタノール、エタノール、ジメチルエ
ーテル、メチラール、ギ酸メチル、ギ酸、窒素などの不
活性気体などが含まれていても差し支えない。ホルムア
ルデヒド濃度が高いほど、トリオキサンへの転化率は高
くなるが、高濃度のホルムアルデヒドは取扱いが困難で
あることなどの理由により、ホルマリン水溶液がホルム
アルデヒドの供給源として用いられることが好ましい。
ホルマリン水溶液として用いる場合、水溶液中には通常
30〜75重量%のホルムアルデヒドを含有する。ホル
マリン水溶液にはホルムアルデヒドの他に、水、メタノ
ールなどが含まれていてよい。75重量%以上の濃度の
ホルムアルデヒドは、例えばパラホルムアルデヒドの熱
分解によって得られる。75重量%以上の濃度のホルム
アルデヒドは液相状態、例えば水溶液では固化し易いの
で、通常は気相状態で取扱われる。
【0019】また、ホルムアルデヒド水溶液とクロムお
よび/またはアルミニウムを含有するモンモリロナイト
を接触させた後の反応液は、通常は次いで蒸留され、塔
頂のトリオキサンに富んだ流出液と、塔底のホルムアル
デヒドに富んだ缶液とに分割される。塔底のホルムアル
デヒドに富んだ缶液は通常ギ酸や低濃度のトリオキサン
などを含有しているが、本発明においては、この缶液を
ホルムアルデヒド供給源として再使用することができ
る。
よび/またはアルミニウムを含有するモンモリロナイト
を接触させた後の反応液は、通常は次いで蒸留され、塔
頂のトリオキサンに富んだ流出液と、塔底のホルムアル
デヒドに富んだ缶液とに分割される。塔底のホルムアル
デヒドに富んだ缶液は通常ギ酸や低濃度のトリオキサン
などを含有しているが、本発明においては、この缶液を
ホルムアルデヒド供給源として再使用することができ
る。
【0020】本発明で用いられる反応温度は、反応系を
液相に保てる温度であれば特に制限はないが、通常、5
0〜200℃、好ましくは70〜150℃、特に好まし
くは90〜130℃の温度範囲で行われる。
液相に保てる温度であれば特に制限はないが、通常、5
0〜200℃、好ましくは70〜150℃、特に好まし
くは90〜130℃の温度範囲で行われる。
【0021】
【作用】本発明で用いる酸触媒は、水溶液中でかなり強
い固体酸性を示し、高活性で副反応の生成も極めて少な
いことが分かった。副反応は大きく2つに分けると、カ
ニッツアロ反応によるギ酸、メタノールの生成とホルマ
リン重合によるポリオキシメチレンの生成が挙げられ
る。カニッツアロ反応は、低分子反応なので、例えばゼ
オライトのように限られた狭い細孔に酸点を有する固体
触媒では優先的に起こる場合がある。本発明で用いるク
ロムおよび/またはアルミニウムを含むイオンおよび/
または酸化物を含有するモンモリロナイトは、ラメラ層
間にラメラ間空間が配置されているラメラ構造を有する
クレーであり、水溶液中においてはラメラ間空間が押し
広げられるため、ゼオライトなどに見られるような限ら
れた狭い細孔内を有しない。このため、カニッツアロ反
応によるギ酸、メタノールの生成はかなり抑えられる。
モンモリロナイトのラメラ層間に、含有されるカチオン
に関していえば、特定のカチオンを選択することが重要
である。例えば、Fe3+のようなカチオンを含有させた
場合、トリオキサン生成活性はかなり高いものの、カニ
ッツアロ反応が促進されるため選択率をかなり下げる結
果となる。この原因については明かでないが、カチオン
は限られたもののみが本反応において有効であり、Cr
3+および/またはAl3+でイオン交換したものがよい性
能を示す。また、ホルマリン重合によるポリオキシメチ
レンの生成もない。従来、トリオキサンは硫酸を触媒と
して55%程度のホルムアルデヒドから生成してきた。
しかしながら、硫酸触媒を用いた場合60%以上のホル
ムアルデヒド水溶液を反応液として用いると、ポリオキ
シメチレンのような重合物により白濁化が起こる。しか
るに本発明で用いる触媒はこのような白濁がなくホルム
アルデヒド水溶液として安定に存在する75%までの濃
度で十分触媒として機能する。さらに、発現する酸点が
Cr3+および/またはAl3+に起因するため、装置材質
の腐食の心配がなく工業的規模で利用できる。
い固体酸性を示し、高活性で副反応の生成も極めて少な
いことが分かった。副反応は大きく2つに分けると、カ
ニッツアロ反応によるギ酸、メタノールの生成とホルマ
リン重合によるポリオキシメチレンの生成が挙げられ
る。カニッツアロ反応は、低分子反応なので、例えばゼ
オライトのように限られた狭い細孔に酸点を有する固体
触媒では優先的に起こる場合がある。本発明で用いるク
ロムおよび/またはアルミニウムを含むイオンおよび/
または酸化物を含有するモンモリロナイトは、ラメラ層
間にラメラ間空間が配置されているラメラ構造を有する
クレーであり、水溶液中においてはラメラ間空間が押し
広げられるため、ゼオライトなどに見られるような限ら
れた狭い細孔内を有しない。このため、カニッツアロ反
応によるギ酸、メタノールの生成はかなり抑えられる。
モンモリロナイトのラメラ層間に、含有されるカチオン
に関していえば、特定のカチオンを選択することが重要
である。例えば、Fe3+のようなカチオンを含有させた
場合、トリオキサン生成活性はかなり高いものの、カニ
ッツアロ反応が促進されるため選択率をかなり下げる結
果となる。この原因については明かでないが、カチオン
は限られたもののみが本反応において有効であり、Cr
3+および/またはAl3+でイオン交換したものがよい性
能を示す。また、ホルマリン重合によるポリオキシメチ
レンの生成もない。従来、トリオキサンは硫酸を触媒と
して55%程度のホルムアルデヒドから生成してきた。
しかしながら、硫酸触媒を用いた場合60%以上のホル
ムアルデヒド水溶液を反応液として用いると、ポリオキ
シメチレンのような重合物により白濁化が起こる。しか
るに本発明で用いる触媒はこのような白濁がなくホルム
アルデヒド水溶液として安定に存在する75%までの濃
度で十分触媒として機能する。さらに、発現する酸点が
Cr3+および/またはAl3+に起因するため、装置材質
の腐食の心配がなく工業的規模で利用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により限定されるものではない。
発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0023】実施例1 (金属カチオン交換型モンモリロナイトの調製)Na+
型モンモリロナイト(クニミネ工業社製)を10重量%
の十分な水と混ぜ合わせ、コロイド溶液を調製した。そ
こへ、モンモリロナイトが有するNa+に対し、化学量
論量で20倍モル量のCr3+、Al3+、Fe3+の各金属
カチオンを硝酸塩として加え、Cr3+、Al3+、Fe3+
でそれぞれイオン交換した。その後、水洗し100℃で
乾燥し、触媒A、BおよびCを調製した。
型モンモリロナイト(クニミネ工業社製)を10重量%
の十分な水と混ぜ合わせ、コロイド溶液を調製した。そ
こへ、モンモリロナイトが有するNa+に対し、化学量
論量で20倍モル量のCr3+、Al3+、Fe3+の各金属
カチオンを硝酸塩として加え、Cr3+、Al3+、Fe3+
でそれぞれイオン交換した。その後、水洗し100℃で
乾燥し、触媒A、BおよびCを調製した。
【0024】実施例2 (アルミニウム酸化物架橋型モンモリロナイト)1Mの
塩化アルミニウム(6水塩)水溶液中に8倍モル量の金
属アルミニウムを加え、湯浴場で穏やかに加熱した。加
熱すると水素が発生してくるので、その後加熱をやめ撹
拌を続けた。水素の発生が終了後、未反応の金属アルミ
ニウムをろ別した。このようにして得られたアルミニウ
ムクロロヒドロキシド錯体300mlにNa+ 型モンモ
リロナイトを45g加えスラリー状にし、65〜70℃
で1時間撹拌を続けた。生成物をろ別し、十分水洗した
後、400℃で4時間空気中で焼成し触媒Dを調製し
た。
塩化アルミニウム(6水塩)水溶液中に8倍モル量の金
属アルミニウムを加え、湯浴場で穏やかに加熱した。加
熱すると水素が発生してくるので、その後加熱をやめ撹
拌を続けた。水素の発生が終了後、未反応の金属アルミ
ニウムをろ別した。このようにして得られたアルミニウ
ムクロロヒドロキシド錯体300mlにNa+ 型モンモ
リロナイトを45g加えスラリー状にし、65〜70℃
で1時間撹拌を続けた。生成物をろ別し、十分水洗した
後、400℃で4時間空気中で焼成し触媒Dを調製し
た。
【0025】実施例3 (クロム酸化物架橋型モンモリロナイト)0.1M硝酸
クロム水溶液にCr3+に対し2倍モル量の炭酸ナトリウ
ムを加え、95℃で24時間加熱撹拌した。そこへ、液
量に対し1重量%のNa+ 型モンモリロナイトをゆっく
りと加えた。その後、90分加熱撹拌した。生成物をろ
別し、十分水洗した後、350℃で3時間空気中で焼成
し触媒Eを調製した。
クロム水溶液にCr3+に対し2倍モル量の炭酸ナトリウ
ムを加え、95℃で24時間加熱撹拌した。そこへ、液
量に対し1重量%のNa+ 型モンモリロナイトをゆっく
りと加えた。その後、90分加熱撹拌した。生成物をろ
別し、十分水洗した後、350℃で3時間空気中で焼成
し触媒Eを調製した。
【0026】実施例4 (反応活性評価)予め100℃で保温しておいた100
mlの3ツ口フラスコへ70重量%ホルムアルデヒド水
溶液20gと触媒A〜Eを各々5重量%加え、反応温度
98℃で反応させた。反応生成物(トリオキサン、メタ
ノール、H(CH2 O)3 CH3)の経時変化はガスク
ロマトグラフィ法によりモニターした。トリオキサン生
成初速度は反応開始より20分のトリオキサン生成量を
もとに以下の式に基づき算出した。
mlの3ツ口フラスコへ70重量%ホルムアルデヒド水
溶液20gと触媒A〜Eを各々5重量%加え、反応温度
98℃で反応させた。反応生成物(トリオキサン、メタ
ノール、H(CH2 O)3 CH3)の経時変化はガスク
ロマトグラフィ法によりモニターした。トリオキサン生
成初速度は反応開始より20分のトリオキサン生成量を
もとに以下の式に基づき算出した。
【0027】
【数1】
【0028】反応結果は表1に示した。触媒Aおよび触
媒Cを用いた場合の反応経時変化は、図1および図2に
それぞれ示した。
媒Cを用いた場合の反応経時変化は、図1および図2に
それぞれ示した。
【0029】比較例1 (反応活性評価)実施例4の比較としてモルデナイト型
ゼオライト(シリカ/アルミナ比:20モル/モル)
(触媒F)とペンタシル型ゼオライト(シリカ/アルミ
ナ比:25モル/モル)(触媒G)と酸性イオン交換樹
脂“ダイヤイオン”SK1B(日本錬水株式会社製)
(触媒H)を触媒とするトリオキサン生成活性と副反応
活性をモニターした。反応結果は表1に示した。ゼオラ
イトは、0.1N硝酸で十分イオン交換したものを用い
た。“ダイヤイオン”SK1Bは、プロトン型のものを
用いた。
ゼオライト(シリカ/アルミナ比:20モル/モル)
(触媒F)とペンタシル型ゼオライト(シリカ/アルミ
ナ比:25モル/モル)(触媒G)と酸性イオン交換樹
脂“ダイヤイオン”SK1B(日本錬水株式会社製)
(触媒H)を触媒とするトリオキサン生成活性と副反応
活性をモニターした。反応結果は表1に示した。ゼオラ
イトは、0.1N硝酸で十分イオン交換したものを用い
た。“ダイヤイオン”SK1Bは、プロトン型のものを
用いた。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば副反応を生起するこ
となく効率よくトリオキサンを製造できる。さらに、触
媒の機能を発現する酸点がCr3+および/またはAl3+
に起因するため、装置材質の腐食の心配がなく工業的規
模で利用できる。
となく効率よくトリオキサンを製造できる。さらに、触
媒の機能を発現する酸点がCr3+および/またはAl3+
に起因するため、装置材質の腐食の心配がなく工業的規
模で利用できる。
【図1】 実施例4において触媒Aを用いた場合の反応
生成物の反応経時変化を示す図。
生成物の反応経時変化を示す図。
【図2】 実施例4において触媒Cを用いた場合の反応
生成物の反応経時変化を示す図。
生成物の反応経時変化を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 ホルムアルデヒドを、クロムおよび/ま
たはアルミニウムを含有するモンモリロナイトと接触さ
せることを特徴とするトリオキサンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07478593A JP3435723B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | トリオキサンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07478593A JP3435723B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | トリオキサンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06279436A true JPH06279436A (ja) | 1994-10-04 |
JP3435723B2 JP3435723B2 (ja) | 2003-08-11 |
Family
ID=13557297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07478593A Expired - Fee Related JP3435723B2 (ja) | 1993-03-31 | 1993-03-31 | トリオキサンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3435723B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-31 JP JP07478593A patent/JP3435723B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3435723B2 (ja) | 2003-08-11 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |