JPH06279321A - 2−アルキル−6−置換−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、それらの製造法および該誘導体を含む液晶組成物 - Google Patents

2−アルキル−6−置換−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、それらの製造法および該誘導体を含む液晶組成物

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JPH06279321A
JPH06279321A JP5041516A JP4151693A JPH06279321A JP H06279321 A JPH06279321 A JP H06279321A JP 5041516 A JP5041516 A JP 5041516A JP 4151693 A JP4151693 A JP 4151693A JP H06279321 A JPH06279321 A JP H06279321A
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Japan
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liquid crystal
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bond
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JP5041516A
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English (en)
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Mitsuru Kawada
満 川田
Yoshitaka Uesugi
嘉孝 上杉
Toshiro Yamashita
敏郎 山下
Yuuka Uchiumi
夕香 内海
Hiroshi Terao
寺尾  弘
Katsumi Kondo
克己 近藤
Shuichi Ohara
周一 大原
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Hitachi Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Hitachi Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物理的化学的に安定で、安定なネマチック相
を示すとともに、屈折率異方性(Δn)が小さい液晶化
合物を提供すること。 【構成】 下記一般式(I)、 【化1】 〔式中、R1 は(1)置換されてもよい炭素数1〜14
のアルキル基、アルコキシ基もしくはアシルオキシ基、
(2)ハロゲン原子または(3)シアノ基を示し、R2
は置換されてもよい炭素数1〜14のアルキル基を示
し、 【化2】 は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ置換され
てもよい 【化3】 を示し、X、Yはそれぞれ単結合、(チオ)エステル結
合、メチレンオキシ結合またはオキシメチレン結合を示
し、m,nはそれぞれ0,1,2を示し、両方が同時に
は0でないものとする。ただし、nが0の時は、Xおよ
びYのいずれか少なくとも一方は単結合を示す。〕で表
わされる2−アルキル−6−置換−1,2,3,4−テ
トラヒドロナフタレン誘導体、それらの製造法および液
晶組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶相を示し、かつ低粘
性の新規な液晶化合物およびそれを少なくとも一種含む
液晶組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶化合物は液晶相では誘電率異方性や
光学的異方性を示す。液晶相にはネマチック液晶相、ス
メクチック液晶相、コレステリック液晶相等があり、こ
のうちネマチック液晶相を利用した応用製品が最も広く
実用化されている。すなわち、これらの特性を利用した
応用製品は調光ガラスをはじめとして、サインディスプ
レイならびに電卓、時計、ワープロ等のフラットパネル
ディスプレイなどへと展開され、最近のエレクトロニク
ス分野の進歩とともに多岐にわたりその発展は著しい。
液晶化合物を駆動させる方式の違いにより、動的散乱型
(DS型)、ねじれネマチック型(TN型)、超ねじれ
ネマチック型(STN型)、ゲスト−ホスト型(GH
型)等に分類される。これらに利用される液晶材料は当
然物理化学的安定性、とくに熱、光、水分、空気等に対
する安定性が要求される。また、液晶材料は室温を含む
できるだけ幅広い温度範囲で所望の液晶相を示し、目的
に応じた動作電圧、応答性等の物性が実用レベルで満足
されなければならない。すなわち、一般的には液晶表示
素子を駆動させるのに必要なしきい電圧や飽和電圧がな
るべく低いこと、また応答速度を早くするためにはでき
るだけ液晶材料の粘度が低い方が良い。従来から提案さ
れている2,6−ジ置換ナフタレンまたは2,6−ジ置
換−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン化合物
(特開昭61−282345,62−444各号公報)
一般式は下式)はネマチック液晶表示素子用組成物を調
製するにあたって有用な材料である。すなわち、単品で
ネマチック性を示すものもあり、液晶混合物のネマチッ
ク温度域の拡大やΔε,Δnの改善のための添加剤とし
て有用である。
【化12】 R”:炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシ基 B”:−CO−O−または−O−CO− X”:F,Cl,またはBrあるいは炭素数1〜10の
アルキルまたはアルコキシ基 さらに、低電圧駆動でコントラスト改良剤として次のよ
うなネマチック液晶材料、2,6−ジ置換−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタレン系化合物(特開昭60
−209539号公報、一般式は下式)も知られてい
る。
【化13】 (R1 ”,R2 ”:炭素数1〜10のアルキル基)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単品化合物で
上記の諸物性を満たすことは不可能で、数種の液晶化合
物や非液晶化合物を混合して、実用的要求特性を獲得し
ているのが現状である。これら実用的要求特性を満足さ
せる液晶組成物を構築するにあたって、できるだけ良好
な諸物性を有する単品化合物を開発することはきわめて
重要である。本発明の目的はこの様な実用的な液晶組成
物を開発するにあたって、有用な新規液晶化合物を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記一
般式(I)、
【化14】 〔式中、R1 は(1)置換されてもよい炭素数1〜14
のアルキル基、アルコキシ基もしくはアシルオキシ基、
(2)ハロゲン原子または(3)シアノ基を示し、R2
は置換されてもよい炭素数1〜14のアルキル基を示
し、
【化15】 は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ置換され
てもよい
【化16】 を示し、X、Yはそれぞれ単結合、(チオ)エステル結
合、メチレンオキシ結合またはオキシメチレン結合を示
し、m,nはそれぞれ0,1,2を示し、両方が同時に
は0でないものとする。ただし、nが0の時はXおよび
Yのいずれか少なくとも一方は単結合を示す。〕で表さ
れる2−アルキル−6−置換−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン誘導体にあり、上記化合物の製造方法
及び上記化合物を1種以上含有する液晶組成物を包含す
る。
【0005】本発明に係る前記一般式(I)で表される
化合物において、R1 およびR2 は同一でも異なっても
よく、それぞれ炭素数1〜14のアルキル基を示す。該
アルキル基は直鎖または分枝のいずれであってもよく、
具体的には、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル等の直鎖状アルキル基ならびにイソプロピル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘ
キシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、5
−メチルヘキシル、2,3,5−トリメチルヘキシル、
2,7,8−トリメチルデシル、4−エチル−5−メチ
ルノニル等の分枝状のアルキル基を挙げることができ
る。R1 は上記のほか、(1)置換されてもよい炭素数
1〜14のアルコキシ基もしくはアシルオキシ基、
(2)ハロゲン原子または(3)シアノ基を示す。R1
についてはなかでも直鎖状で炭素数が3〜8のアルキル
基、例えばプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチルが好ましい。一方、R2についてはR
1 よりも炭素数が少ない直鎖状の低級アルキル基、例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル基などのC1-6
ルキル基などが好ましい。X,Yで示される骨格内結合
についてはそれぞれ、単結合、(チオ)エステル結合、
メチレンオキシ結合またはオキシメチレン結合が含まれ
るが、なかでも単結合、カルボン酸エステル結合が好ま
しい。この場合のカルボン酸エステル結合についても上
述のように順エステル結合と逆エステル結合があるがい
ずれでもよい。さらに、
【化17】 で示される環として、
【化18】 等が挙げられるが、好ましくは、
【化19】 等を挙げることができる。またベンゼン環の場合、置換
基として、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、ヨウ
素原子など)、シアノ基等が置換していてもよく、好ま
しいハロゲン原子として特にフッ素原子が挙げられる。
また、
【化20】 は同一でも異なっていてもよい。mとしては、1または
2が好ましく、nとしては0または1が好ましい。特に
mが1でnが0の場合が好ましい。
【0006】上記好ましい化合物は次の一般式(I′)
で表される。
【化21】 〔式中、R1 ′は直鎖状で炭素数3〜8のアルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子またはシアノ基を示し、R
2 ′は炭素数1〜4のアルキル基を示し、
【化22】 を示し、X′がカルボン酸エステル結合またはメチレン
オキシ結合を示す〕
【0007】本発明の化合物は、物理的化学的安定性が
高く、安定なネマチック相を示すとともに屈折率異方性
(Δn)が小さいという特徴を有する。したがって、T
FT駆動の液晶フラットパネルディスプレイ等の液晶組
成物を構築するにあたって、本発明の化合物は有用な一
成分として用いることができる。
【0008】本発明の化合物は単独で液晶化合物として
用いることができるし、さらには他の液晶混合物に添加
することによって、他の液晶混合物の液晶活性を増強す
ることができる。本発明の液晶化合物は、従来公知の液
晶化合物、例えば、エステル系、エーテル系、カルボニ
ル系、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、複素
環系等の液晶化合物との相溶性に優れているため、これ
らの液晶化合物に添加配合することにより、優れた特性
を示す液晶組成物を構築することができる。
【0009】本発明の化合物を添加しうる液晶混合物と
しては、例えば「 Flussige Krislalle in Taballen 」
I&II VEB Verlag. Leipzig や「液晶デバイスハ
ンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊
工業新聞社)または「フルカラー液晶表示技術」(トリ
ケップス出版部編、株式会社トリケップス)等に述べら
れているネマチック液晶、また市販のネマチック液晶化
合物などが挙げられる。その場合の本発明の化合物の添
加量は、通常0.5%〜50%程度、好ましくは5%〜
20%程度である。本発明の化合物を添加しうる液晶混
合物として、例えばA,B,C,D,Eなる組成を持っ
た混合物を挙げることができる。また、市販の混合液晶
ZLI−1565(メルク社製)等も挙げられる。 〔液晶混合物A〕
【化23】 〔液晶混合物B〕
【化24】 〔液晶混合物C〕
【化25】 〔液晶混合物D〕
【化26】 〔液晶混合物E〕
【化27】
【0010】以下に本発明の一般式(I)で表される化
合物の製造法を代表的な例について説明する。本発明
は、これらの方法によって限定されるものではない。製造例
【化28】 中間体(3)は例えば上記の合成経路で容易に製造され
る。すなわち、市販の6−メトキシ−1−テトラロンに
塩基存在下適当なアルキルハライドを作用させて、カル
ボニル基のα位活性メチレンにアルキル基を導入して化
合物(1)を得る。塩基としてはリチウムジイソプロピ
ルアミド(LDA)、n−ブチルリチウム(n−BuL
i)、水素化ナトリウム(NaH)等の強塩基を用い、
反応溶媒としては反応を阻害しないものなら何でもよ
く、例えばエーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等)、DMF、DMSO、HMPA等の溶
媒が好ましい。反応温度は−78℃から室温位まで適宜
選択して使用されるが、−20から0℃位が好ましい。
反応時間は、通常5分〜72時間、好ましくは10分〜
24時間、より好ましくは10分〜2時間である。
【0011】以上のようにして製造された中間体(1)
を還元反応(例えば水素化リチウムアルミニウム−塩化
アルミニウムによる還元、接触還元、ウォルフキッシュ
ナー還元、クレメンゼン還元等)に付し、カルボニル基
をメチレン基に変換して目的とする2,6−ジ−置換テ
トラリン系化合物(2)に誘導する。
【0012】ついで、該化合物(2)を常法の脱メチル
化反応(例えば、HBr−AcOH中での加熱、DMF
中NaSCH3 存在下での加熱、有機溶媒中アルキルメ
ルカプタン−ルイス酸存在下での加熱等)に付し、フェ
ノール性化合物(3)に誘導する。
【0013】このようにして合成されたフェノール性化
合物(3)とアルコール成分化合物またはその活性誘導
体(例えば、有機スルホン酸エステル誘導体、ハロゲン
誘導体)を適当な縮合剤存在下縮合させることにより目
的とする本発明の化合物(I)を製造することができ
る。縮合剤としては、アゾジカルボン酸ジエチルエステ
ル(DEAD)とトリフェニルホスフィン(PP
3 )、炭酸カリウムや水素化ナトリウム等の無機塩基
や有機強塩基が挙げられる。反応溶媒としては反応を阻
害しないものであれば、何れでもよく、また使用しなく
てもよい場合もある。アルコール成分化合物(その活性
誘導体)の代表例としては、p−置換ベンジルアルコー
ル(p−置換ベンジル有機スルホネート、p−置換ベン
ジルハライド)が挙げられる。具体的には、p−置換ベ
ンジルアルコールとしてはp−シアノベンジルアルコー
ル、p−アルコキシベンジルアルコール(例p−メトキ
シ、p−エトキシ、p−プロポキシ、p−ブトキシ、p
−ペンチルオキシ、p−ヘキシルオキシ等ベンジルアル
コール)、p−アルキルベンジルアルコール〔例(p−
メチル、p−エチル、p−プロピル、p−ブチル、p−
ペンチル、p−ヘキシル等)ベンジルアルコール〕、p
−フルオロベンジルアルコール、p−クロロベンジルア
ルコール、p−ブロモベンジルアルコール、p−ヨード
ベンジルアルコールが挙げられる。具体的には、反応溶
媒としては炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテ
ル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等が
挙げられる。反応温度は通常−78℃〜150℃の範囲
で、適宜選択されるが0℃〜80℃位が好ましい。反応
時間は、通常5分〜72時間、好ましくは10分〜24
時間、より好ましくは10分〜2時間である。
【0014】また、フェノール性化合物(3)とカルボ
ン酸成分化合物またはその活性誘導体(例えば酸ハロゲ
ン化物等)を適当な溶媒中で、かつ適当な縮合剤(カル
ボン酸の場合はプロトン酸、活性誘導体としてカルボン
酸ハロゲン化物の場合は塩基)の存在下で縮合反応に付
すことにより目的とする本発明の化合物(I)を製造す
ることができる。カルボン酸成分化合物(その活性誘導
体)の代表例としてはp−置換安息香酸(p−置換安息
香酸ハライド)が挙げられる。具体的には、p−置換安
息香酸としてはp−シアノ安息香酸、p−アルコキシ安
息香酸、p−アルキル安息香酸、p−フルオロ安息香
酸、p−クロロ安息香酸、p−ブロモ安息香酸、p−ヨ
ード安息香酸が挙げられる。プロトン酸としては、例え
ば硫酸、塩酸、過塩素酸等の無機酸、p−トルエンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、あるい
はアンバーリスト等の強酸性イオン交換樹脂を用いるこ
とができる。また、有機溶媒としては、例えば炭化水素
類(ヘキサン、ベンゼン、トルエン等)、ハロゲン炭化
水素類(クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、
1,2−ジクロルエタン等)、エーテル類(ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、酢酸エ
チル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等を用い
ることができる。
【0015】カルボン酸とフェノール性化合物(3)と
の縮合反応に用いられる縮合剤としては公知の縮合剤、
例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)、1−メチル−2−ハロピリジニウムアイオダイ
ドで代表される向山試薬、アゾジカルボン酸のジエチル
エステル(DEAD)とトリフェニルフォスフィン(P
3 P)との組合わせ(いわゆる光延試薬)、あるいは
トリフェニルフォスフィンジブロミド等の活性化試薬が
あり、これらを用いてカルボン酸とフェノール性化合物
との反応を進行させることもできる。
【0016】これらの方法は、例えばジャーナル・オル
ガニック・ケミストリー,27,4675(196
2):テトラヘドロン・レターズ,1978,447
5:ケミストリー・レターズ,1975,1045:ケ
ミストリー・レターズ,1976,13:プレティン・
ケミカル・ソサイアティ・ジャパン,50,1863
(1977),プレティン・ケミカル・ソサイアティ・
ジャパン,40,2380(1967):シンセティッ
ク・コミニュケーション,16,1423(198
6):シンセティック・コミニュケーション,16,6
59(1986)に記載されている。
【0017】また、フェノール性化合物(3)との縮合
にカルボン酸の活性誘導体としてカルボン酸ハロゲン化
物を用いる場合の塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム等の無機塩基やピリジン、トリエチルアミン等の
有機塩基が適宜使用される。反応溶媒としては反応を阻
害しないものであれば何れでもよく、また使用しなくて
もよい。具体的には、反応溶媒としては炭化水素類、ハ
ロゲン化炭化水素類、エーテル類(ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、酢酸エチル、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸ト
リアミド(HMPA)等が挙げられる。反応温度は通常
−78℃〜150℃位の範囲で、適宜選択されるが0℃
〜80℃位が好ましい。反応時間は、通常5分〜72時
間、好ましくは10分〜24時間、より好ましくは10
分〜2時間である。
【0018】上述の方法により生成した目的物(I)
は、通常用いられている分離精製手段、例えば抽出、転
溶、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィ
ー、再結晶などの手段を用いて反応液から分離精製する
ことができる。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するがこれに
限定されない。 参考例1
【化29】 LDA(リチウムジイソプロピルアミド)0.11モル
のテトラヒドロフラン溶液100mlを氷冷し、6−メ
トキシ−1−テトラロン17.6g(0.10モル)を
加えた。20分攪拌した後、クロチルブロマイド67.
5g(0.50モル)のHMPA(ヘキサメチルリン酸
トリアミド)溶液60mlを滴下した。滴下終了後、室
温に戻して2時間攪拌した。反応液を水にあけ、エーテ
ルで抽出し、エーテル層を濃縮後、残留物とシリカゲル
クロマトグラフィー精製(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキ
サン=5/95)して、6−メトキシ−2−ブテニル−
1−テトラロン11.8gを得た。乾燥エーテル150
mlに氷冷下、無水塩化アルミニウム16.0g(0.
12モル)を溶解し、水素化リチウムアルミニウムハイ
ドライド4.56g(0.12モル)を加えて10分間
攪拌した。上で得られたケトン6.90g(0.03モ
ル)を静かに加え、室温に戻して30分間攪拌後、反応
液を注意深く希塩酸にあけ分液した。エーテル層を濃縮
後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶
媒:酢酸エチル/ヘキサン=2/98)にて精製し、6
−ブテニル−2−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒ
ドロナフタレン6.60gを得た。得られたテトラヒド
ロナフタレン6.40g(0.0296モル)をメタノ
ール60mlに溶解し、5%パラジウムカーボン0.5
gを加えて、常温常圧で接触水素還元した。触媒をろ去
し、ろ液を濃縮して、6−ブチル−2−メトキシ−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン6.57gを得
た。得られたメトキシ体6.50g(0.0298モ
ル)を酢酸120mlに溶解し、47%臭化水素酸20
mlを加えて1晩加熱還流した。反応液を濃縮し、残留
物を水にあけ、エーテルで抽出した。エーテル層を濃縮
し、よく乾燥して6−ブチル−2−ヒドロキシ−5,
6,7,8−テトラヒドロナフタレン5.90gを得
た。得られたヒドロキシ体0.5g(2.45ミリモ
ル)とn−アミルブロミド1.85g(12.3ミリモ
ル)をジメチルスルホキシド15mlに加え、60%水
素化ナトリウム0.12g(2.94ミリモル)を少し
ずつ加え、70℃で30分間攪拌した。反応液を水にあ
けエーテルで抽出し、エーテル層を濃縮後、残留物をシ
リカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/
ヘキサン=2/98)にて精製し目的物0.22g(3
2.8%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:6.93(d,1H),6.65(dd,1H),
6.59(brs,1H),3.88(t,2H),
2.84−2.63(m,2H),2.47−2.23
(m,1H),1.96−0.79(m,22H)
【0020】実施例1
【化30】 参考例1で得られたヒドロキシ体0.5g(2.45ミ
リモル)をジクロロメタン15ml中に溶解し、トリエ
チルアミン1.24g(12.3ミリモル)を加え、p
−フルオロベンゾイルクロライド0.47g(2.94
ミリモル)を少量ずつ添加し、室温で1時間攪拌した。
反応液に少量の希塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出
し、有機層を濃縮後、残留物をシリカゲルクロマトグラ
フィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/9
0)で精製し、目的物0.63g(78.8%)を得
た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:8.20(m,1H),7.27−7.04(m,
2H),6.91(m,1H),2.93−2.62
(m,2H),2.56−2.27(m,1H),2.
01−1.08(m,13H),1.01−0.70
(m,3H)
【0021】実施例2
【化31】 p−(n−ブトキシ)−安息香酸0.8g(4.12ミ
リモル)にチオニルクロライド3mlを加え攪拌しつつ
80℃で2時間加熱還流した。反応終了後トルエンを加
え減圧濃縮した。テトラヒドロフラン15mlに参考例
1で得られたヒドロキシ体0.5g(2.45ミリモ
ル)、トリエチルアミン1.24g(12.3ミリモ
ル)を加え、上で得られた酸クロライドを少しずつ滴下
した。滴下後、80℃で2時間攪拌し、反応液を濃縮
し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶
媒:クロロホルム)精製し、目的物0.52g(55.
8%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:8.13(d,2H),7.08(d,1H),
7.03−6.86(m,4H),4.03(t,2
H),2.94−2.67(m,2H),2.54−
2.27(m,1H),1.98−1.14(m,14
H),1.12−0.83(m,6H)
【0022】実施例3
【化32】 trans−4−n−シクロヘキサンカルボン酸0.6
8g(3.69ミリモル)にチオニルクロライド3ml
を加え攪拌しつつ80℃で2時間加熱還流した。反応終
了後、トルエンを加え減圧濃縮した。テトラヒドロフラ
ン15mlに参考例1で得られたヒドロキシ体0.5g
(2.45ミリモル)、トリエチルアミン1.24g
(12.3ミリモル)を加え、上で得られた酸クロライ
ドを少しずつ滴下した。滴下後、80℃で2時間攪拌
し、反応終了後沈殿物をろ別し、ろ液を濃縮、残留物を
シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホル
ム)精製し、目的物0.53g(58.4%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:7.02(d,1H),6.76(m,2H),
2.88−2.63(m,3H),2.52−2.27
(m,2H),2.18−2.03(m,2H),1.
98−0.72(m,28H)
【0023】実施例4
【化33】 THF20mlに参考例1で得られたヒドロキシ体0.
5g(2.45ミリモル)、トリエチルアミン1.24
g(12.3ミリモル)を加え、p−シアノベンゾイル
クロライド0.61gを少しずつ添加し、80℃で1.
5時間攪拌しつつ加熱還流した。反応液から沈殿物をろ
別し、ろ液に少量の希塩酸を加えジクロロメタンで抽出
し、有機層を濃縮、残留物をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(展開溶媒:クロロホルム)精製し、ヘキサンから
再結晶を行い、目的物0.5g(61.2%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:8.29(d,2H),7.82(d,2H),
7.12(d,1H),6.93(m,2H),2.9
5−2.79(m,3H),2.48−2.31(m,
1H),2.03−1.22(m,9H),0.98−
0.87(m,3H)
【0024】実施例5
【化34】 ジメチルスルホキシド20mlに参考例1で得られたヒ
ドロキシ体0.5g(2.45ミリモル)、α−ブロモ
−p−トルニトリル2.4g(12.3ミリモル)を溶
解し、60%水素化ナトリウム0.12g(2.94ミ
リモル)を少しずつ添加し、70℃で1.5時間攪拌し
た。反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラ
フィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=25/7
5)精製し目的物0.23g(29.4%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:7.67(d,2H),7.54(d,2H),
6.98(d,1H),6.70(m,2H),5.0
8(s,2H),2.89−2.54(m,3H),
2.51−2.22(m,1H),2.09−0.72
(m,12H)
【0025】実施例6
【化35】 参考例1より得られたヒドロキシ体0.5g(2.45
ミリモル)、n−ブトキシベンジルアルコール2.21
g(12.3ミリモル)、トリフェニルホスフィン0.
96g(3.68ミリモル)をジクロロメタン20ml
に溶解し、攪拌しながらアゾジカルボン酸ジエチル0.
64g(3.68ミリモル)を滴下し、室温で一昼夜攪
拌した。反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマト
グラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/
90)で精製し、目的物0.26g(29.0%)を得
た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:7.33(d,2H),6.96(d,1H),
6.88(d,2H),6.73(m,2H),4.9
4(s,2H),3.97(t,2H),2.86−
2.63(m,2H),2.47−2.22(m,1
H),1.97−1.13(m,14H),1.08−
0.78(m,6H)
【0026】物性測定 上記参考例及び実施例で得られた化合物の相転移温度お
よび相の判定は、偏光顕微鏡による目視観察と示差走査
熱量計(DSC)を併用して行った。また、Δnおよび
Δεについては文献法に準じて測定した。得られた結果
を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の化合物である2−アルキル−6
−置換−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導
体は新規な化合物であり、液晶フラットパネルディスプ
レイ等に使用される液晶組成物を調製するにあたり有用
な一成分である。すなわち、この化合物は物理的化学的
に安定で、好ましい液晶相(ネマチック液晶相)を安定
に示し、また他の多くの液晶化合物、例えばエステル
系、エーテル系、カルボニル系、ビフェニル系、フェニ
ルシクロヘキサン系、複素環系等の液晶化合物との相溶
性が良好で、これらの化合物やその液晶組成物に添加し
てN−I点を上昇させたり、他の物性を改良することが
できる。このように液晶フラットパネルディスプレイ等
に使用される液晶組成物を構築するにあたって、本発明
は一成分として有用な化合物を提供するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/08 69/75 A 9279−4H Z 9279−4H 69/92 69/94 253/30 255/50 255/54 255/55 327/26 7106−4H C07D 239/36 8615−4C C09K 19/32 9279−4H 19/34 9279−4H (72)発明者 山下 敏郎 茨城県つくば市春日1丁目7番地の9 武 田春日ハイツ1004号 (72)発明者 内海 夕香 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 寺尾 弘 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 近藤 克己 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大原 周一 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)、 【化1】 〔式中、R1 は(1)置換されてもよい炭素数1〜14
    のアルキル基、アルコキシ基もしくはアシルオキシ基、
    (2)ハロゲン原子または(3)シアノ基を示し、R2
    は置換されてもよい炭素数1〜14のアルキル基を示
    し、 【化2】 は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ置換され
    てもよい 【化3】 を示し、X、Yはそれぞれ単結合、(チオ)エステル結
    合、メチレンオキシ結合またはオキシメチレン結合を示
    し、m,nはそれぞれ0,1,2を示し、両方が同時に
    は0でないものとする。ただし、nが0の時はXおよび
    Yのいずれか少なくとも一方は単結合を示す。〕で表わ
    される2−アルキル−6−置換−1,2,3,4−テト
    ラヒドロナフタレン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)中、R1 が直鎖状で炭素数
    が3〜8のアルキル基であり、R2 がR1 よりも炭素数
    の少ない直鎖状アルキル基であり、 【化4】 であり、X、Yがそれぞれカルボン酸エステル結合また
    はメチレンオキシ結合である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 【化5】 がハロゲン原子またはシアノ基で置換されている請求項
    2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 ハロゲン原子がフッ素原子である請求項
    3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 下記一般式(II) 、 【化6】 〔式中、R1 ,X,m,n及び 【化7】 は請求項1記載と同意義を有する〕で表される骨格成分
    としてのアルコール成分化合物またはその活性誘導体と
    下記一般式(III) 【化8】 〔R2 は請求項1記載と同意義を有する〕で表されるフ
    ェノール性化合物を縮合反応に付すことを特徴とする請
    求項1記載の化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 下記一般式(IV) 、 【化9】 〔式中、R1 ,X,m,n及び 【化10】 は請求項1記載と同意義を有する〕で表される骨格成分
    としてのカルボン酸化合物またはその活性誘導体、と下
    記一般式(V) 【化11】 〔R2 は請求項1記載と同意義を有する〕で表されるフ
    ェノール性化合物を縮合反応に付すことを特徴とする請
    求項1記載の化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の化合物の少なくとも1
    種を含有してなることを特徴とする液晶組成物。
JP5041516A 1993-03-02 1993-03-02 2−アルキル−6−置換−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、それらの製造法および該誘導体を含む液晶組成物 Withdrawn JPH06279321A (ja)

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