JPH06279221A - 天然物からなる農薬様組成物 - Google Patents

天然物からなる農薬様組成物

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JPH06279221A
JPH06279221A JP2295092A JP2295092A JPH06279221A JP H06279221 A JPH06279221 A JP H06279221A JP 2295092 A JP2295092 A JP 2295092A JP 2295092 A JP2295092 A JP 2295092A JP H06279221 A JPH06279221 A JP H06279221A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の木酢液の持つ植物に対する種々の効果
を改善し、より速効的で強力な作用を持った天然物から
なる農薬様の組成物に関する。 【構成】 木酢液/リゾリン脂質の重量比が20:80
−97:3である組成物、および、木酢液/リゾリン脂
質の重量比が20:80−97:3であり、さらにリゾ
リン脂質に対して100重量%以下の脂肪酸を含む組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農作物、園芸植物、植
木などの駆虫、生育促進に有効な天然系農薬様組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】木酢液は木炭製造など、木材の乾溜時に
発生する気体を冷却して得られる酸性の液体で、古く
は、酢酸やアセトンの原料として、また、木材や食品の
防腐剤、くん液、し尿や家畜の糞尿の消臭剤などの用途
に用いられてきた。最近は、有機農法の普及や、減農薬
農業、化学合成された農薬の忌避の傾向から、生体への
安全性の高い木酢液が特に近年注目され、土壌消毒、厩
・堆肥に添加する肥料製造、雑草防除、植物成長促進、
害虫忌避など、農業用の用途が増加している(特公昭6
3−24964号公報、山林誌,1978年,28頁、
木材学雑誌,35卷,564頁、及び1021頁参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】木酢液は、その安全性
の点から、有機農法野菜、家庭園芸、庭園用樹木や芝生
などへの利用の増加が大きい。木酢液は、これらの農業
用の用途に、通常、水で50−1000倍程度に希釈し
て用いられるが、効果が遅く、特に、害虫忌避の点では
十分な効果が得られない欠点があった。この点を改良す
るには、木酢液に合成の殺虫剤を混合するなどの方法が
行われたり、また別途に殺虫剤の散布を行う必要があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
前記の木酢液の性能を向上するために、種々研究の結
果、木酢液にリゾリン脂質を混合することにより、木酢
液の有する前記の農薬的な効果を飛躍的に増強すること
ができた。
【0005】すなわち、本発明の第一の天然系農薬様組
成物は、木酢液とリゾリン脂質からなり、また本発明の
第2の天然系農薬様組成物は木酢液とリゾリン脂質及び
脂肪酸を含むことを要旨とする。ここで農薬様とは、本
発明においては種々の農薬が有する作業効果とほぼ同程
度を示し、例えば病気の予防、駆虫、殺虫、生育促進等
の如きを有するものをいう。
【0006】本発明の天然系農薬様組成物は、木酢液/
リゾリン脂質の重量比が20:80−97:3である
か、及び木酢液/リゾリン脂質の重量比が20:80−
97:3であり、さらにリゾリン脂質に対して100重
量%以下の脂肪酸を含むものであることが特に好まし
い。
【0007】さらに本発明は、使用するリゾリン脂質が
大豆リゾリン脂質であり、脂肪酸が不飽和脂肪酸及びま
たは炭素原子数8−14の中鎖脂肪酸であることを特徴
とする天然系農薬組成物に関する。
【0008】本発明における木酢液とは、一般には黒炭
や白炭などの木炭の製造に際して得られるもの、また、
おがくず、廃木材、樹皮、バーク、籾殻などの乾溜によ
って得られるものが用いられる。炭焼きや、木材等の乾
溜によって発生する気体を冷却して得られる液体を長時
間靜置して、沈降するタール分を分離したものが粗木酢
液である。粗木酢液はそのままでも用いることができる
が、さらに濾過や遠心分離などによって不溶物を除いた
ものはさらに適する。また粗木酢液を常圧もしくは減圧
下で蒸留したものも用いることができる。
【0009】木酢液の成分は原料、製造方法、特に温度
条件によってある程度異なるが、通常は、比重1.01
−1.04、水分80−90%、pH2−4で、有機物
として、酢酸を主とする有機酸類、メタノールなどのア
ルコール類、アセトンなどの中性有機物、フェノール類
など、殆ど無数といえる成分を含有している(木材炭化
成分多用途利用技術研究組合発行「木炭と木酢液の新用
途開発研究成果集」1990年、297頁参照)。本発
明においては、これらの木酢液のいずれをも用いること
ができる。また、通常の木酢液に苛性ソーダなどのアル
カリ性成分を加えて中和したものも用いることができ
る。
【0010】なお木酢液の持つ土壌消毒、微生物の増殖
促進、雑草防除、植物成長促進、植物の耐病性増加、害
虫忌避などの作用が、それぞれ、どの成分に起因し、ど
の様な機作で起こるかは現在においてもなお不明であ
る。
【0011】本発明に用いるリゾリン脂質とは、大豆や
菜種などの植物種子由来のリン脂質や卵黄リン脂質を、
ホスフォリパーゼAによって脱アシル化した、モノアシ
ル体のリン脂質であって、通常は膵臓由来のホスフォリ
パーゼAー2で処理されたものが用いられる。特に大豆油
の精製時に副生する大豆リン脂質(大豆レシチン)から
作る大豆リゾリン脂質は安価であり、本発明の原料に適
する。これらのリゾリン脂質は、リゾホスファチジルコ
リン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホス
ファチジルイノシトール、リゾホスファチジン酸などの
モノアシルグリセロリン脂質を含む。またこれらの混合
物から含水アルコール処理などによってリゾホスファチ
ジルコリンの含有量を増加させたものも適する。化学合
成されたリゾリン脂質も同様に用いることができる。
【0012】前記酵素処理によっては全てのリン脂質を
リゾリン脂質にすることは困難で、ジアシル体リン脂質
が残存するが、リゾリン脂質の量はリン脂質全体の50
重量%以上であることが本発明の原料に適する。このよ
うなものであれば、リゾリン脂質が、例えば、通常の油
分を含むペースト状の大豆リン脂質をホスフォリパーゼ
Aー2で処理した後、リゾリン脂質の含水ペーストを遠心
分離して、油分と脂肪酸を除いたものでもよい。また、
ホスフォリパーゼAー2処理の後、脂肪酸をある程度中和
し、油分などを含んだまま製品化したものであってもよ
い。更に、ホスフォリパーゼAー2処理後、アセトンなど
の溶剤によって精製し、油脂及び発生した脂肪酸を除い
たものでもよい。いずれの場合にも、木酢液に対するリ
ゾリン脂質の添加量はその絶対量で計算する。
【0013】本発明に使用する不飽和脂肪酸は、リノー
ル酸、リノレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、エイコ
サペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、などの脂肪酸及
びこれらの混合物であって、パルミチン酸、ステアリン
酸などの飽和脂肪酸が存在していてもよい。この点では
大豆油などの植物油の脂肪酸もまた適する。
【0014】本発明に使用する中鎖脂肪酸とは、カプリ
ン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、または
これらの混合物であって、少量の他の脂肪酸が混在して
もよい。従って、ヤシ油、パーム核油などの脂肪酸もま
た適する。
【0015】本発明の第1は、前記木酢液に対して、リ
ゾリン脂質をその絶対量で、重量比率で、20:80−
97:3の範囲で加える。混合は加熱下で行うのがよい
が、木酢液中の揮発性成分の損失を避けるために、80
℃以下で行うことが好ましい。混合の時期は、予め両者
を混合しておき、使用に当たって希釈して用いてもよい
し、また使用の直前に両者を混合してから希釈して用い
てもよい。更に、希釈した木酢液とリゾリン脂質水溶液
を混合して用いてもよい。組成物中の木酢液の量が20
重量%以下か、リゾリン脂質の量が3重量%以下では組
成物の効力が不十分である。なお木酢液/リゾリン脂質
の比は通常1以上であればよいが、リゾリン脂質の重量
比がそれ以上になっても上記範囲内であれば、目的に応
じて希釈率を変えて用いることが出来る。
【0016】本発明の第2では、木酢液とリゾリン脂質
を重量比で20:80−97:3の範囲で混合し、更に
脂肪酸をリゾリン脂質100部に対して重量比で100
部以下を加える。混合は第1の場合と同様に均一な溶液
が得られれば、どの様な方法であってもよいが、この場
合は予めリゾリン脂質の水溶液を加熱下に作っておき、
それに脂肪酸を溶解した後、木酢液と混合すると容易に
組成物を得ることができる。
【0017】三者の混合の時期と希釈の方法は任意に選
定できる。組成物中の木酢液の量が20重量%以下か、
リゾリン脂質の量が3重量%以下では組成物の効果が不
十分であり、脂肪酸の量がリゾリン脂質の量を越えると
脂肪酸が溶解されず、析出するので好ましくない。木酢
液/リゾリン脂質/脂肪酸の組成物では、木酢液/リゾ
リン脂質の組成物に比べてリゾリン脂質の量が少量でも
前者と同等の効果が得られることが多い。また木酢液/
(リゾリン脂質+脂肪酸)の比は通常1以上であればよ
いが、リゾリン脂質と脂肪酸の合計の重量比がそれ以上
になっても上記範囲内であれば、目的に応じて希釈率を
変えて用いることが出来る。
【0018】木酢液そのものは農薬ではないので、急速
な作用は現れない。しかし、木酢液を通常の農薬や化学
肥料などと併用すると、それらの作用を強化する働きが
大きいので、減農薬剤としての利用も拡大している。従
って、木酢液のみでは、全くの無農薬農法を実現するこ
とは困難であったし、特に害虫忌避作用は不十分であっ
た。しかるに本発明による組成物は驚くべきことには、
極めて顕著な害虫忌避作用と共に、殺虫効果を有した。
【0019】リゾリン脂質の浸透作用は工業用の界面活
性剤に比べて強くない。ある種のリゾリン脂質/脂肪酸
混合物に、強い浸透、湿潤、展着効果のあることは公知
である(特開平2−203928)。しかし、本発明の
組成物の効果は、前記リゾリン脂質/脂肪酸混合物と同
程度の浸透、湿潤、展着効果のある工業的界面活性剤、
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルを、リゾ
リン脂質またはリゾリン脂質/脂肪酸混合物の代わりに
用いて、木酢液に加えても、それを得ることができな
い。
【0020】本発明の天然系農薬様組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、界面活性剤、脂肪酸モノグ
リセリド、カゼインなどの蛋白質、蛋白質の酵素分解
物、繊維素グリコール酸ソーダなどの増粘剤、木炭の微
粉末、キトサンなどの添加物を加えることができ、ま
た、ニンニク、ヨモギ、ドクダミなどの防虫、殺菌性を
有する天然物の抽出物を加えることができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例と実験例を挙げて本発明の効果
を検証するが、本発明はそれらに限定されない。以下
に、この実施例中で使用した木酢液、及びリゾリン脂質
について示す。
【0022】<木酢液> ・ホートク物産(株)製、ハイモクサン、本品は比重
1.018、pH3.2の木酢液であった。 ・(株)信濃有機製の中和木酢液、本品は酸性を中和に
よって緩和したもので、比重1.021、pH5.9の
木酢液であっった。
【0023】<リゾリン脂質> ・味の素の製含油大豆リン脂質1kgに、膵ホスフォリ
パーゼAー2(ノボ社製レシターゼ10−L)2gを含む
水道水200gを加えて攪拌し、60℃に一日靜置し、
遠心分離によって上部に分離した油層を除いた。沈降し
た水分を含む大豆リゾリン脂質を集め、均一に混合した
ものを酵素処理脂質Aとした。酵素処理脂質Aはアセト
ン不溶分(リン脂質)53重量%と脂肪酸11重量%
と、他は油脂、水からなり、またアセトン不溶分はTL
C−FID法(ヤトロン社製イヤトロスキャンTH−1
0)による分析の結果、リゾリン脂質を重量比で84%
含んでいた。従って酵素処理脂質A中には純分で45重
量%のリゾリン脂質を含む。
【0024】・酵素処理脂質Aと同様に処理して得た反
応終了物600gにアセトン1kgを加えて、50℃に
加熱攪拌後に15℃まで冷却し遠心分離して、アセトン
不溶分を得、減圧下にアセトンを溜去してリゾリン脂質
を得た。これを酵素処理脂質Bとした。酵素処理脂質B
は固形分97重量%、リゾリン脂質83重量%を含ん
だ。
【0025】・酵素処理脂質Bの調製法に於て、酵素の
反応時間を8hrとしたほかは同じ方法で得たものを酵
素処理脂質Cとした。酵素処理脂質Cは固形分96重量
%、リゾリン脂質を67重量%含んだ。
【0026】<脂肪酸> ・日本油脂(株)製、ヤシ油脂肪酸 ・日本油脂(株)製、大豆油脂肪酸
【0027】実施例1 ホートク物産のハイモクサン1重量部に、酵素処理脂質
Bの10重量%水溶液1重量部を加え、組成物水溶液2
重量部を得た(この組成物水溶液には、木酢液50重量
%、リゾリン脂質純分4.2重量%を含む)。
【0028】実施例2 信濃有機製中和木酢液8重量部に、酵素処理脂質B2重
量部、水道水10重量部を加えて加熱溶解し、組成物水
溶液20重量%を得た。
【0029】実施例3 ホートク物産のハイモクサン5部に、酵素処理脂質Cの
10重量%、水溶液15部を加え混合溶液を20部とし
た。
【0030】実施例4 信濃有機製中和木酢液5重量部に、酵素処理脂質A5重
量部、水道水40重量部を加えて加熱溶解し混合液を5
0重量部とした。
【0031】実施例5 重量部で、ホートク物産のハイモクサン90部、酵素処
理脂質B6部、ヤシ油脂肪酸4部を加熱溶解し、組成物
100部を得た。
【0032】実施例6 重量でハイモクサン木酢液94部、酵素処理脂質C4
部、大豆油脂肪酸2部を加熱混合して、組成物を得た。
【0033】実施例7 重量部で、ハイモクサン木酢液9、酵素処理脂質A1、
水道水10の比で加熱混合して20部の組成物を得た。
【0034】実施例8 重量部で、信濃有機の中和木酢液6、酵素処理脂質B
4、水道水10を加熱混合して20部の組成物を得た。
【0035】実施例9 重量部で、ハイモクサン木酢液80、酵素処理脂質C1
5、ヤシ油脂肪酸5、水道水100を加熱溶解して20
0部の組成物を得た。
【0036】実施例10 重量部で、ハイモクサン木酢液81、酵素処理脂質A1
5、大豆油脂肪酸4、水道水200を加熱溶解して30
0部の組成物を得た。
【0037】
【実験例】
実験例1 苗から5年間育成後のツバキ畑、1a(5m×10m)
を4等分した試験区について、6月上旬と8月上旬の2
回の散布試験を行った。対照区1としてハイモクサン木
酢液の200倍希釈液を、対照区2として酵素処理脂質
Bの0.05%水溶液を、2カ所の試験区には、実施例
1、実施例7の組成物の水溶液を木酢液換算で200倍
に希釈したものを、それぞれ、350ml/m2 散布し
た、9月上旬に於て、両対照区にはアブラムシ、カイガ
ラムシの付着がみられたが、本発明の組成物の試験区で
はそれらを見いだすことは困難だった。また翌年1月時
点で、両対照区ではツバキモチ病やスス病が認められた
が、試験区では異常がなく、樹勢が良好であった。
【0038】実験例2 約5m2 の密生したオオムラサキツツジの植え込み4カ
所について、5月上旬の刈り込み後、7月、9月の各月
の上旬に3回の散布試験を行った。対照区としてハイモ
クサン木酢液の200倍液、3カ所の試験区には、実施
例5、実施例6、実施例9の組成物を木酢液換算で20
0倍の希釈液として、それぞれ、400ml/m2 散布
した。対照区では葉面へのハダニ付着、グンパイ虫の食
害による中程度の葉の白色化、ルリチュウレンジによる
葉の食害が起こったが、3つの試験区では害虫被害が認
められなかった。また試験区では対照区に比べて、葉の
色付きがよく、花芽の着生が1.5倍程度になった。
【0039】実験例3 盛り土のり面保護のため、4月に播種し5月に発芽した
ケンタッキイグラスに対し、同一条件の斜面を5カ所に
区切り、6月下旬に散布試験を行った。対照区1には信
濃有機の中和木酢液を400倍に希釈したものを、対照
区2には同じく信濃有機の木酢液の散布の1日後に、酵
素処理脂質Aの0.25%水溶液を散布し、2カ所の試
験区には、それぞれ、実施例4及び実施例8の組成物の
木酢液換算で400倍に調整した水溶液を散布した。散
布量は1m2 あたり200mlとした。8月下旬に於け
る各区の生育状況は両試験区が最も良好で、緑色が強
く、一見して区別できた。次いで対照区2が良好で、対
照区1がそれに劣ったが、無試験区よりはよかった。
【0040】実験例4 千宝菜の無農薬栽培において、対照区は信濃有機の中和
木酢液の500倍液を、試験区は実施例2の組成物水溶
液を木酢液換算で500倍としたものを用いた。地上部
の体長が約5cmに達した時から、15日間隔で25l
/aの量を3回葉面散布を行ったところ、無試験区に対
して、対照区は7日、試験区は12日早く収穫できた。
【0041】実験例5 アスパラガスの栽培において、5月上旬から1カ月おき
に、土壌・葉面散布として5回の散布を行った。散布量
は35l/aで、対照区にはハイモクサン木酢液の50
0倍液を、試験区1には実施例3、試験区2には実施例
10の組成物の木酢液換算500倍水溶液を散布した。
春取り収穫日数は無試験区の52日に対して、対照区:
58日、試験区1:63日、試験区2:65日であり、
収穫量は無試験区に対して、対照区:1.10倍、試験
区1と2はそれぞれ、1.18倍、1.21倍になっ
た。また秋取りの収量倍率はは、それぞれ順番に、1.
08、1.13、1.15であった。
【0042】実験例6 サラサドウダンツツジの挿し木に於て、6月下旬に採取
した挿し穂を、実施例1の組成物水溶液の100倍希釈
液に10時間浸した後、100本を鹿沼土に挿し木し
た。挿し木後は15日間隔で2回、同組成物水溶液の2
00倍液3リットルを潅水した。対照として、水道水の
みを用いた無処理区を全く同様にしてもうけて比較し
た。10月下旬の段階で活着率は、試験区で91%、対
照は63%であり、試験区苗の1本当りの発根重量は対
照区の1.6倍だった。
【0043】
【発明の効果】本発明の効果は、実験例1ー6に示した
通りである。即ち、第1の発明の木酢液/リゾリン脂質
からなる組成物、第2の発明の木酢液/リゾリン脂質/
脂肪酸からなる組成物の双方ともに、本発明の目的であ
る、効力の大きい天然系の農薬様の組成物を得ることに
成功し、従来の木酢液の作用が飛躍的に改良されたこと
にある。また植物の栄養状態の改良に於て、単なる木酢
液よりもはるかに大きな効果の得られたことにある。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木酢液とリゾリン脂質とを含む農薬様組
    成物。
  2. 【請求項2】 木酢液/リゾリン脂質の重量比が20:
    80−97:3である請求項1記載の農薬様組成物。
  3. 【請求項3】 リゾリン脂質が大豆リゾリン脂質であ
    る、請求項1及び2記載の農薬様組成物。
  4. 【請求項4】 木酢液とリゾリン脂質及び脂肪酸とを含
    む農薬様組成物。
  5. 【請求項5】 木酢液/リゾリン脂質の重量比が20:
    80−97:3であり、さらにリゾリン脂質に対して1
    00重量%以下の脂肪酸を含む、請求項4記載の農薬様
    組成物。
  6. 【請求項6】 リゾリン脂質が大豆リゾリン脂質である
    請求項4及び5記載の農薬様組成物。
  7. 【請求項7】 脂肪酸が不飽和脂肪酸である請求項4及
    び5記載の農薬様組成物。
  8. 【請求項8】 脂肪酸が不飽和脂肪酸及び炭素原子数8
    −14の中鎖脂肪酸である請求項4及び5記載の農薬様
    組成物。
  9. 【請求項9】 脂肪酸が炭素原子数8−14の中鎖脂肪
    酸である請求項4及び5記載の農薬様組成物。
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