JPH06279169A - 単結晶体の製造装置 - Google Patents

単結晶体の製造装置

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JPH06279169A
JPH06279169A JP5067029A JP6702993A JPH06279169A JP H06279169 A JPH06279169 A JP H06279169A JP 5067029 A JP5067029 A JP 5067029A JP 6702993 A JP6702993 A JP 6702993A JP H06279169 A JPH06279169 A JP H06279169A
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heating chamber
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俊太 内藤
Kiyoshi Kojima
清 小島
Isao Kanda
勲 神田
Shigeyoshi Takao
滋良 高尾
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶体の急冷を行なうことができるように
なると同時に高品質の単結晶体を得ること。 【構成】 引き上げチャンバ2bの天井部3aと収納部
3bとの接合部からるつぼ5方向に向けて伸延し、育成
中のシリコン単結晶体Sを取り囲むように設けられた円
筒部42と、この円筒部42の下端部分から外側に張り
出した円板部44と、この円板部44の外周端部分から
内周方向に向けて前記育成中のシリコン単結晶体Sの引
き上げ及び覗き孔26からの固液界面の視認を妨げない
ような角度で徐々に縮径伸延し、円筒部42に向けて放
射される加熱ヒータ6からの輻射熱を遮断する遮熱壁部
46とからなる熱履歴形成部材40をチャンバ2内に設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体回路製造用の単
結晶基板の材料となる単結晶体の製造装置の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造の分野においては、従来から
シリコン単結晶の成長方法としてチョクラルスキー法が
一般的に使用されている。この方法を用いた装置の一例
としては、例えば、図4(特開昭64−72984号公
報)に示したような装置が例示できる。
【0003】図4に示す装置1は、主にシリコン溶融の
ための構造体が収容される加熱チャンバ2aと引き上げ
られるシリコン結晶体Sを収納する引き上げチャンバ2
bとからなるチャンバ2を有し、加熱チャンバ2a内に
は、るつぼ5と、このるつぼ5の主に側面部を取り囲む
ように配置された加熱ヒータ6とが設けられている。る
つぼ5にはこの加熱ヒータ6によって溶融されたシリコ
ンが収容される。このるつぼ5は、図示されていない駆
動装置と回転軸4によって接続され、この駆動装置によ
って所定の速度で回転される。通常、るつぼ5は、石英
るつぼ5aとこれを保護する黒鉛製るつぼ5bとから構
成されている。
【0004】一方、引き上げチャンバ2bは、加熱チャ
ンバ2aの開口部を塞ぐ天井部3aと、この天井部3a
の中央部に位置し、主に育成中のシリコン単結晶体Sを
収容する収容部3bとから構成されている。この収容部
3bの天井部3aとの接合部にはるつぼ5方向に向けて
伸延する円筒25が取り付けられている。また、引き上
げチャンバ2b内には、頂壁を挿通して垂下された引き
上げワイヤ7が設けられ、この引き上げワイヤ7の下端
には種結晶8を保持するチャック9が設けられている。
この引き上げワイヤ7の上端側は、ワイヤ巻上機10に
巻回されており、育成中のシリコン結晶体Sを所定の速
度で引き上げるようになっている。なお、図示されてい
る加熱ヒータ6の加熱チャンバ2a側には断熱部材11
が設けられているが、これは、加熱ヒータ6からの熱が
加熱チャンバ2a外部に逃げるのを防止するためであ
る。
【0005】チャンバ2内には、引き上げチャンバ2b
に形成されたガス導入口12からアルゴンガスが導入さ
れるようになっているが、このアルゴンガスは図示され
ているように、ガス導入口12から収容部3bの内部を
通り、さらに円筒25の内部を通過して加熱チャンバ2
a内に流入し、ガス排出口13から排出される。このよ
うにアルゴンガスを流通させるのは、円筒25内に導入
される育成中のシリコン単結晶体Sを冷却するためと、
シリコンの溶融に伴ってチャンバ2内に発生するSiO
ガスを系外に排出するためである。この円筒25の作用
によって引き上げられつつあるシリコン単結晶体Sを急
冷し、引き上げ速度を向上させて生産性を高めるように
している。
【0006】引き上げチャンバ2bの天井部3aの一部
には、るつぼ5内で溶融している融液とここから引き上
げられるシリコン単結晶体Sの外周面との境界面である
固液界面の状態を観察するための覗き孔26が開口され
ている。この覗き孔26には直径観測用及び固液界面の
状態観測用のカメラ27が図示されているように据え付
けられ、このカメラ27からの信号に基づいて所望の直
径のシリコン単結晶体が引き上がるようにワイヤ巻上機
10の引き上げ速度が調整される。
【0007】また、上記の技術以外に例えば特公昭57
−40119号公報に開示されている図5に示すような
構造のものもある。
【0008】この図に示されているものは、図4に示し
たものとその構造を共通にする部分が多いが、唯一異な
るのは、図4に示したものにはシリコン単結晶体Sの冷
却を助長させる円筒25が取り付けられているのに対
し、図5に示すものは同様の目的で断面V字状のボード
30が取り付けられていることである。
【0009】このボード30はその外周端部が断熱部材
11に取り付けられて支持されている。このボード30
には同心円状に平坦部30aが形成され、この平坦部3
0aの内周端からはるつぼ5の溶融面に向けて傾斜した
傾斜壁30bが縮径されながら融液方向に伸びている。
この傾斜壁30bの端部は前述の固液界面の近傍に位置
されている。この傾斜壁30bによって形成される固液
界面付近の開口部の開口径は、図示されている通り、カ
メラ27によって固液界面の状態が撮像できるような大
きさにしてある。
【0010】このボード30は、るつぼ5の外周壁を取
り囲むように配置されているのであるから、加熱ヒータ
6のシリコン単結晶体Sへの輻射熱はこのボード30に
よってほぼ完全に遮断されることになり、引き上げられ
るシリコン単結晶体Sのトップ部側の冷却がこれが無い
場合よりもかなり助長されることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成を有する従来の単結晶体の製造装置にあって、図4
に示した構成を有するものにおいては、円筒25の作用
によって、その円筒25の内部に位置されているシリコ
ン単結晶体Sの外周が冷却されるようになるが、円筒2
5の外周面は融液や加熱ヒータ6からの輻射熱で加熱さ
れることになるので、この円筒25を備えていないもの
に比較してシリコン単結晶体Sの冷却が助長されるとは
言うものの、未だその改良の余地があった。
【0012】また、図5に示した構成を有するものにお
いては、ボード30の作用によってシリコン単結晶体S
の冷却はかなり効率的に行なわれるようにはなるが、良
好な品質のシリコン単結晶体を得るという面において
は、許容し得ない欠陥を有することがわかった。
【0013】すなわち、ボード30を用いて単結晶製造
を行なった場合、製造された単結晶体にOSF欠陥が顕
著に発生する事例が見られた。この問題を解決し、さら
に従来の引き上げ方法では得られなかった高品質の単結
晶を製造すべく発明者が研究を重ねた結果、結晶欠陥が
発生する原因としては、凝固後の結晶熱履歴の在り方が
問題であることが判明した。つまり、図5に示すような
構成の装置においてシリコン単結晶体Sの冷却速度なか
んずく凝固界面直上の部分の冷却速度を急冷化するとO
SFが発生するようになるが、その後、この引き上げら
れるシリコン単結晶体Sの冷却速度は遅くし、さらに引
き上げられる単結晶体Sを急冷却されるようにすること
で、OSFの発生を極端に減少できると同時に、この単
結晶体Sを用いて製造されたシリコンウェーハに熱処理
を施したときに生じる酸素析出の度合いを少なくできる
ことを見出した。
【0014】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
て成されたものであり、単結晶体の熱履歴を制御するこ
とによって、高品質の単結晶体を得ることのできる単結
晶体の製造装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、融液を収容するるつぼと当該るつぼの外周
を取り囲むようにして配置され当該るつぼを加熱する加
熱ヒータとを内蔵する加熱チャンバと、当該加熱チャン
バの開口部を覆う加熱チャンバ天井部が形成されるとと
もに、当該天井部の中央部に前記るつぼから引き上げら
れる単結晶体を内部に収納する収納部が形成され、当該
天井部には前記融液と当該引き上げられる単結晶体外周
面との固液界面を覗く覗き孔が形成された引き上げチャ
ンバとが設けられた単結晶体の製造装置において、前記
加熱チャンバあるいは引上げチャンバから前記るつぼ方
向に向けて育成中の単結晶体の近傍まで伸延する円板部
と、当該円板部の途中から内周方向に向けて前記育成中
の単結晶体の引き上げ及び前記覗き孔からの前記固液界
面の視認を妨げないような角度で徐々に縮径伸延し、前
記引き上げられる単結晶体に向けて放射される前記加熱
ヒータからの輻射熱を遮断する遮熱壁部とで構成された
熱履歴形成部材が設けられていることを特徴とするもの
である。
【0016】また、融液を収容するるつぼと当該るつぼ
の外周を取り囲むようにして配置され当該るつぼを加熱
する加熱ヒータとを内蔵する加熱チャンバと、当該加熱
チャンバの開口部を覆う加熱チャンバ天井部が形成され
るとともに、当該天井部の中央部に前記るつぼから引き
上げられる単結晶体を内部に収納する収納部が形成さ
れ、当該天井部には前記融液と当該引き上げられる単結
晶体外周面との固液界面を覗く覗き孔が形成された引き
上げチャンバとが設けられた単結晶体の製造装置におい
て、当該引き上げチャンバの天井部と収納部との接合部
から前記るつぼ方向に向けて伸延し、育成中の単結晶体
を取り囲むように設けられた円筒部と、当該円筒部の下
端部分から外側に張り出した円板部と、当該円板部の外
周端部分から内周方向に向けて前記育成中の単結晶体の
引き上げ及び前記覗き孔からの前記固液界面の視認を妨
げないような角度で徐々に縮径伸延し、前記円筒部に向
けて放射される前記加熱ヒータからの輻射熱を遮断する
遮熱壁部とで構成された熱履歴形成部材が設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0017】
【作用】上記のような構成を有する本発明の単結晶体の
製造装置は次のように機能することになる。凝固が完了
した単結晶体は、まず遮熱壁部の存在により加熱ヒータ
からの熱輻射が遮られて急冷することになる。その後、
円板部の存在によって単結晶体から冷却されているチャ
ンバの天井部への熱輻射が遮られて冷却速度が緩和され
る。単結晶体が円板部よりも上部に達した部分では、単
結晶体から天井部への熱放射が促進されて単結晶体は急
冷されることになる。円板部の上に円筒部を有する場合
には、アルゴンガスの流れを整流化する効果及び円筒部
を通して天井部への熱伝導が促進される効果に基づい
て、円板部より上部の単結晶体の急冷をより促進するこ
とが可能である。
【0018】単結晶体の熱履歴は、この熱履歴形成部材
の効果によって理想的なものとすることができ、単結晶
体の品質の向上、具体的にはOSF欠陥発生の抑制と、
酸素析出の抑制を実現することができるようになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明にかかる単結晶体の製造装
置の概略の構成図である。この単結晶体の製造装置1
は、シリコンを溶融するための部材や結晶化したシリコ
ンを引き上げる機構などを有しており、シリコン溶融の
ための部材は加熱チャンバ2a内に収容され、シリコン
単結晶を引き上げる機構は、この加熱チャンバ2aから
分離機構によって分離可能とされた引き上げチャンバ2
b内外に設けられている。
【0020】加熱チャンバ2a内には、溶融しているシ
リコンを収容するるつぼ5が設けられ、このるつぼ5は
図示されていない駆動装置に回転軸4によって回転,昇
降自在に支持されている。駆動装置22は、シリコン単
結晶Sの引き上げに伴う液面低下を補償すべくるつぼ5
を液面低下分だけ上昇させ、また、シリコン融液の撹拌
を行なうためにるつぼ5を常時所定の回転数で回転させ
る。回転軸4は加熱チャンバ2aを貫通しているが、チ
ャンバ内外の気密を保持し、また極めて悪い温度条件の
下での使用となるために、図示されていないが特殊なベ
アリングで保持してある。るつぼ5は、従来と同様に石
英るつぼ5aとこれを保護する黒鉛製るつぼ5bとから
構成されている。
【0021】るつぼ5の側壁部分には、シリコンを溶融
させる加熱ヒータ6がその周囲を取り囲むように配置さ
れている。この加熱ヒータ6の外側には、この加熱ヒー
タ6からの熱が加熱チャンバ2aに直接輻射されるのを
防止する断熱部材11がその周囲を取り囲むように設け
られている。なお、加熱ヒータ6と断熱部材11とは支
持台24に取り付けられている。この支持台24は熱抵
抗率の非常に大きな材料を用いて製造されているもので
ある。
【0022】引き上げチャンバ2bには、ワイヤ巻上機
10に一端が取り付けられ、この引き上げチャンバ2b
の収容部3b頂壁を挿通して垂れ下げられた引き上げワ
イヤ7が設けられ、この引き上げワイヤ7の下端には、
種結晶8を保持するチャック9が取り付けられている。
ワイヤ巻上機10は種結晶8の下端側に徐々に成長する
シリコン単結晶体Sをその成長速度等にしたがって引き
上げ、同時に、るつぼ5の回転方向とは反対に常時回転
させる。
【0023】加熱チャンバ2aと引き上げチャンバ2b
との接合部,つまり加熱チャンバ2aの分離機構の近傍
からは、るつぼ5方向に向けて伸延する円板部44Aが
設けられている。したがって、この円板部44の形状
は、少なくともシリコン単結晶体Sの引き上げを自由に
できる程度の中空円板となっている。また、覗き孔26
から固液界面の状態が観察できる程度の窓をこの中空円
板に設けることは円板部の機能を損なうものではない。
この円板部44Aの途中からは、るつぼ5の溶融面に向
けて傾斜し、縮径されながら融液方向に伸びる遮熱壁部
46が形成されている。そして、この遮熱壁部46の融
液方向端部は、融液とシリコン単結晶体Sとの固液界面
の近傍に位置されている。
【0024】また、引き上げチャンバ2bの収容部3b
には、アルゴンガスをチャンバ2内に導入するガス導入
口12が設けられているが、このガス導入口12からは
アルゴンガスが導入され、このアルゴンガスは引き上げ
チャンバ2b内に流入してシリコン単結晶体Sを冷却
し、その後、固液界面付近から加熱チャンバ2a内に流
入してガス流出口13から排出されるようになってい
る。このようにアルゴンガスを流通させるのは、シリコ
ン単結晶体Sを急冷するためと、シリコンの溶融に伴っ
てチャンバ2内に発生するSi Oガスを系外に排出する
という2つの理由からである。
【0025】引き上げチャンバ2bの天井部3aの一部
には、るつぼ5内で溶融している融液とここから引き上
げられるシリコン単結晶体Sの外周面との境界面である
固液界面の状態を観察するための覗き孔26が開口され
ている。この覗き孔26には直径観測用及び固液界面の
状態観測用のカメラ27が図示されているように据え付
けられ、このカメラ27からの信号に基づいて所望の直
径のシリコン単結晶体が引き上がるようにワイヤ巻上機
10の引き上げ速度が調整される。従って、前述のよう
にこのカメラ27からの視界を妨げないように円板部4
4Aの窓の形状及び遮熱壁部46の形状に考慮が払われ
ている。
【0026】このような構成とすることによって、凝固
した状態となったシリコン単結晶体Sは、遮熱壁部46
によって加熱ヒータ6からの輻射熱が遮られることにな
るので、固液界面からある程度引き上げられた部分は急
冷されることになる。この急冷は、アルゴンガスの流通
によってさらに助長される。さらに引き上げが進んだ部
分では、つまり、円板部44Aの内周端近傍に到達する
までの部分では、アルゴンガスの冷却は行なわれるもの
の、その程度は固液界面付近よりもかなり少なくなり、
かつ円板部44Aによって天井部3aへの輻射冷却が遮
られることにより徐冷状態になる。そして、円板部44
Aより上方では天井部3aへの輻射冷却が有効となり、
今度は急冷状態になる。このように熱履歴が変化するこ
とになるので、OSF欠陥の発生の防止と酸素析出の抑
制を実現できることになる。
【0027】次に、図2には本発明の第2の実施例にか
かる構成が記載されている。この実施例に係るものは、
遮熱壁部46が加熱チャンバ2aに取り付けられた円板
部44Aによって支えられているのではなく、引き上げ
チャンバ2bの天井部3aと収容部3bとの接合部に取
り付けられている熱履歴形成部材40によって支えるこ
とが可能となるという特徴を有する。この熱履歴形成部
材40は、円筒部42,円板部44及び遮熱壁部46と
からなる。
【0028】引き上げチャンバ2bの天井部3aと収容
部3bとの接合部付近内面からは、図示されているよう
にるつぼ5方向に向けて伸延する円筒部42が伸びてい
る。この円筒部42の下端部には外側に向けて水平に張
り出した円板部44が形成され、この円板部44の一部
分には後述する覗き孔26から固液界面の状態が観察で
きるようにするための開口部48が最適位置に形成され
ている。また、この円板部44の外周部分からは、るつ
ぼ5の溶融面に向けて傾斜し、縮径されながら融液方向
に伸びる遮熱壁部46が形成されている。そして、この
遮熱壁部46の融液方向端部は、融液とシリコン単結晶
体Sとの固液界面の近傍に位置されている。この遮熱壁
部46の傾斜角度とこの遮熱壁部46によって形成され
る融液近傍に位置される開口部の開口径とは、覗き孔2
6及び開口部48からのカメラ視野が遮られないような
角度及び開口径に設定されている。
【0029】また、引き上げチャンバ2bの収容部3b
には、アルゴンガスをチャンバ2内に導入するガス導入
口12が設けられているが、このガス導入口12からは
アルゴンガスが導入され、このアルゴンガスは熱履歴形
成部材40とこの熱履歴形成部材40内に引き込まれて
いるシリコン単結晶体Sとの間を通過し、その後、固液
界面付近から加熱チャンバ2a内に流入し、ガス流出口
13から排出されるようになっている。
【0030】なお、開口部48の開口位置及び遮熱壁部
46の形状は、前述のようにカメラ27からの視界を妨
げないように考慮が払われている。もちろん、遮熱壁部
46及び円筒部42は遮熱性や吸熱性が第1に考慮され
て、理想的な熱履歴が実現されるようにその形状,大き
さ等のあらゆるファクターが決定されているのは言うま
でもない。
【0031】上記のように円板部44から天井部3bま
での間に円筒部42を設けることによって、品質の改善
効果をさらに確実にすることができるようになる。これ
は、円筒部42が設けられていることによってアルゴン
ガスは円筒部42の内壁とシリコン単結晶体Sとの間の
空間を整流の形で流れることとなって、円板部44より
も上方向に位置するシリコン単結晶体Sの冷却速度を、
円筒部42が存在しない場合に比較してより早くし、結
晶欠陥の発生を一層低減することが可能となるからであ
る。
【0032】次に、以上のように構成されている本発明
の装置の作用を詳細に説明する。
【0033】まず、シリコン単結晶体を製造するにあた
って、引き上げチャンバ2bを加熱チャンバ2aから分
離し、るつぼ5に原料となるシリコン粗結晶体と非常に
微量の不純物を投入して、引き上げチャンバ2bを加熱
チャンバ2aに取り付ける。この状態で加熱ヒータ6を
加熱してるつぼ5内のシリコンが溶融されるのを待つ。
このシリコンが溶融状態となったら、ワイヤ巻上機10
を作動させて引き上げワイヤ7を下ろし、チャック9に
取り付けられた種結晶がシリコン融液表面に接するよう
にする。この状態で、種結晶にシリコンの結晶が成長し
始めると、今度はワイヤ巻上機10を所定の速度で引き
上げて図1に示すようにシリコン単結晶体Sを成長させ
て行く。この引き上げによってシリコン単結晶体Sのト
ップ部が円筒部42内に引き込まれると、その内部を流
通しているアルゴンガスによって急冷されるようにな
る。一方、るつぼ5と円筒部42の間に位置するシリコ
ン単結晶体Sの部位は融液からの輻射熱の作用によって
冷却の度合いが円筒部42内よりも抑制されることから
この部位は徐冷されるようになる。遮熱壁部46は、る
つぼ5の側周部分を囲み、加熱ヒータ6からの円筒部4
2方向への輻射熱をある程度遮断している。このため
に、円筒部42は外部から入射される輻射熱によって加
熱される度合いが極端に減少し、この円筒部42に引き
込まれるシリコン単結晶体Sの冷却が外部からの加熱が
抑制された分だけ促進されることになる。
【0034】従って、たとえば融液とシリコン単結晶体
Sとの固液界面付近から円筒部42内に引き込まれる固
液界面から100mm以下の部分まではほぼ徐冷状態と
され、これより上の部位では遮熱壁部46と円筒部42
との遮熱効果によって急冷状態とされる。これによっ
て、引き上げ速度を低下させなくともOSFの欠陥の発
生がある程度抑制されるようになる。
【0035】次に、図3には、本発明の第3の実施例に
かかる構成を記載してある。この実施例にかかるもの
は、第2の実施例の構成に加えて円板部44Aを遮熱壁
部46の上縁より外側に伸延させ、加熱チャンバ2aと
遮熱壁部46との間からのアルゴンガスの流れを遮断
し、アルゴンガスがシリコン単結晶体Sと遮熱壁部46
との間のみを通過するように配置したものである。この
構成によれば、シリコン単結晶体Sに付与される熱履歴
は第2の実施例とほぼ同様であるが、この構成によって
メルト表面のガス中に発生したSi O粉はるつぼ5から
系外に排出され、引き上げられるシリコン単結晶体が多
結晶化する弊害を低減させることが可能となった。
【0036】以上の実施例の構成によれば、融液とシリ
コン単結晶体Sとの固液界面付近から界面より100m
mまでの部分は急冷、100mmから円板部を抜けるま
での間は徐冷、円板部を抜けた上部は急冷状態とされ
る。これによって、理想的な熱履歴の実現が可能にな
り、OSF欠陥の発生防止及び酸素析出の抑制を実現で
きる。
【0037】また、この傾斜角度はカメラ27からの固
液界面への視界が遮られないようになっているので、結
晶の成長状態を確認しながらシリコン単結晶体Sの引き
上げ速度などを調整することができる。これによってシ
リコン単結晶体Sの直径を所望の径に保ちながら成長さ
せることができる。
【0038】また、以上の実施例の構成においては、ア
ルゴンガスの大部分が遮熱壁部46の開口部からシリコ
ン単結晶体Sの固液界面に向けて流れるので、理想的な
ガス流通経路とすることができる。つまり、メルト表面
から発生されるSi O析出物を系外に有効に排出できる
からである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、引
き上げ後、急冷−徐冷−急冷の熱履歴を付与するように
したので、品質の低下を抑えつつ単結晶体の生産性を向
上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の単結晶体の製造装置の概略構成図
である。
【図2】は、本発明の第2の実施例を示す単結晶体の製
造装置の概略構成図である。
【図3】は、本発明の第3の実施例を示す単結晶体の製
造装置の概略構成図である。
【図4】は、従来の単結晶体の製造装置の概略構成図で
ある。
【図5】は、従来の他の単結晶体の製造装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1…単結晶体の製造装置 2…チャンバー 2a…加熱チャンバー 2b…引き上げチャンバー 5…るつぼ 6…加熱ヒータ 7…引き上げワイヤー 8…種結晶 40…熱履歴形成部材 42…円筒部 44…円板部 44A…円板部 46…遮熱壁部 48…開口部
フロントページの続き (72)発明者 神田 勲 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 高尾 滋良 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融液を収容するるつぼと当該るつぼの外周
    を取り囲むようにして配置され当該るつぼを加熱する加
    熱ヒータとを内蔵する加熱チャンバと、当該加熱チャン
    バの開口部を覆う加熱チャンバ天井部が形成されるとと
    もに、当該天井部の中央部に前記るつぼから引き上げら
    れる単結晶体を内部に収納する収納部が形成され、当該
    天井部には前記融液と当該引き上げられる単結晶体外周
    面との固液界面を覗く覗き孔が形成された引き上げチャ
    ンバとが設けられた単結晶体の製造装置において、 前記加熱チャンバあるいは引上げチャンバから前記るつ
    ぼ方向に向けて育成中の単結晶体の近傍まで伸延する円
    板部と、当該円板部の途中から内周方向に向けて前記育
    成中の単結晶体の引き上げ及び前記覗き孔からの前記固
    液界面の視認を妨げないような角度で徐々に縮径伸延
    し、前記引き上げられる単結晶体に向けて放射される前
    記加熱ヒータからの輻射熱を遮断する遮熱壁部とで構成
    された熱履歴形成部材が設けられていることを特徴とす
    る単結晶体の製造装置。
  2. 【請求項2】融液を収容するるつぼと当該るつぼの外周
    を取り囲むようにして配置され当該るつぼを加熱する加
    熱ヒータとを内蔵する加熱チャンバと、当該加熱チャン
    バの開口部を覆う加熱チャンバ天井部が形成されるとと
    もに、当該天井部の中央部に前記るつぼから引き上げら
    れる単結晶体を内部に収納する収納部が形成され、当該
    天井部には前記融液と当該引き上げられる単結晶体外周
    面との固液界面を覗く覗き孔が形成された引き上げチャ
    ンバとが設けられた単結晶体の製造装置において、 当該引き上げチャンバの天井部と収納部との接合部から
    前記るつぼ方向に向けて伸延し、育成中の単結晶体を取
    り囲むように設けられた円筒部と、当該円筒部の下端部
    分から外側に張り出した円板部と、当該円板部の外周端
    部分から内周方向に向けて前記育成中の単結晶体の引き
    上げ及び前記覗き孔からの前記固液界面の視認を妨げな
    いような角度で徐々に縮径伸延し、前記円筒部に向けて
    放射される前記加熱ヒータからの輻射熱を遮断する遮熱
    壁部とで構成された熱履歴形成部材が設けられているこ
    とを特徴とする単結晶体の製造装置。
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