JPH06278574A - 自動車のシートベルト装着促進装置 - Google Patents

自動車のシートベルト装着促進装置

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JPH06278574A
JPH06278574A JP5068263A JP6826393A JPH06278574A JP H06278574 A JPH06278574 A JP H06278574A JP 5068263 A JP5068263 A JP 5068263A JP 6826393 A JP6826393 A JP 6826393A JP H06278574 A JPH06278574 A JP H06278574A
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wearing
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Takeshi Edahiro
毅志 枝廣
Tetsuya Murakami
哲也 村上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 座席の違いに応じてシートベルト未装着時に
おける警告等に差をもたせることにより、警告等の頻発
による不快感の異常な増長を解消し得るようにする。 【構成】 各座席における乗員の乗車状態を検出する乗
車検出手段61〜64(あるいは35)と、各座席におけ
るシートベルトの装着状態を検出するシートベルト装着
検出手段27〜30(あるいは37)と、特定座席(例え
ば、運転席)における乗員がシートベルト未装着と検出
された場合に所定の第1警告を行う第1警告手段651
と、特定座席(例えば、運転席)以外の座席における乗員
がシートベルト未装着と検出された場合に前記第1警告
手段651による警告内容と異なる(あるいは軽減され
た)第2警告を行う第2警告手段652とを備えて構成
するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、自動車のシートベル
ト装着促進装置に関し、さらに詳しくは自動車の座席の
違いによりシートベルト未装着時における警告等に差を
もたせるようにした自動車のシートベルト装着促進装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の乗員の走行中における安全を確
保するものとして、乗員の身体をシートに拘束するシー
トベルトがあるが、該シートベルトの着用率は必ずしも
高くなく、事故発生時における危険防止に十分な効果を
発揮し得ないでいるのが現状である。
【0003】そこで、シートベルトの着用率を高めるた
めに種々の工夫が凝らされており、シートベルト未装着
の場合に警告等を発することによりシートベルトの装着
を促進するもの(例えば、特開昭63ー170148号
公報参照)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、全ての座席
の乗員がシートベルト未装着時に一律に警告等を発する
ようにした場合、運転席乗員に比べて運転席以外の座席
(特に、後部座席)の乗員がシートベルトを着用しないこ
とが多いところから、警告等の頻発によって大きな不快
感が生ずることとなり、かえって運転者に悪影響を及ぼ
すおそれが生じることがある。また、運転者以外の乗員
の場合、乗車と同時にシートベルトを着用することは少
なく、自動車の発進後にシートベルトを着用することが
多いことを鑑みれば、運転席乗員以外の乗員のシートベ
ルト未装着に起因して自動車の発進が円滑に行えない場
合が生ずるおそれもある。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、座席の違いに応じてシートベルト未装着時におけ
る警告等に差をもたせることにより、警告等の頻発によ
る不快感の異常な増長を解消し得るようにすることを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、各座席における乗
員の乗車状態を検出する乗車検出手段と、各座席におけ
るシートベルトの装着状態を検出するシートベルト装着
検出手段と、特定座席における乗員がシートベルト未装
着と検出された場合に所定の第1警告を行う第1警告手
段と、特定座席以外の座席における乗員がシートベルト
未装着と検出された場合に前記第1警告手段による警告
内容と異なる第2警告を行う第2警告手段とを備えて構
成するようにしている。
【0007】請求項2の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1記載の自動車のシート
ベルト装着促進装置において、前記特定座席を運転席と
するとともに、前記第1警告手段による警告内容より第
2警告手段による警告内容を軽減されたものとなすよう
にしている。
【0008】請求項3の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1記載の自動車のシート
ベルト装着促進装置において、前記特定座席を運転席と
するとともに、前記第1警告手段を自動車の運転性能を
低下させる手段とする一方、前記第2警告手段を警報手
段に対して警報を出力すべく指令する手段とするように
している。
【0009】請求項4の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項2あるいは3記載の自動
車のシートベルト装着促進装置において、自動車の発進
時を検出する発進時検出手段と、該発進時検出手段によ
り発進時と検出された場合にのみ前記第2警告手段を作
動せしめる制御手段とを付設するようにしている。
【0010】請求項5の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項2あるいは3記載の自動
車のシートベルト装着促進装置において、自動車の発進
時を検出する発進時検出手段と、該発進時検出手段によ
り発進時と検出された場合であって運転席以外の座席の
乗員がシートベルト未装着である場合に前記第2警告手
段による警告内容より軽減された第3警告を行う第3警
告手段とを付設するようにしている。
【0011】請求項6の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項2あるいは3記載の自動
車のシートベルト装着促進装置において、自動車の発進
時を検出する発進時検出手段と、該発進時検出手段によ
り発進時と検出された場合に前記第2警告手段の作動を
行わないよう規制する規制手段とを付設するようにして
いる。
【0012】請求項7の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1、2、3、4、5ある
いは6記載の自動車のシートベルト装着促進装置におい
て、チャイルドシートが装着された時に信号を出力する
チャイルドシート検出手段と、該チャイルドシート検出
手段からの信号入力があった場合には当該座席における
乗車検出手段の作用をキャンセルする禁止手段とを付設
するようにしている。
【0013】請求項8の発明では、上記課題を解決する
ための手段として、前記請求項1、2、3、4、5、6
あるいは7記載の自動車のシートベルト装着促進装置に
おいて、チャイルドシートが装着された時に信号を出力
するチャイルドシート検出手段と、チャイルドシートへ
の乗員の乗車があった場合に信号を出力するチャイルド
シート乗員検出手段と、チャイルドシートにおけるシー
トベルトの装着状態を検出するチャイルドシート用シー
トベルト装着検出手段とを付設するようにしている。
【0014】
【作用】請求項1、2あるいは3の発明では、上記手段
によって次のような作用が得られる。
【0015】即ち、特定座席(例えば、運転席)の乗員が
シートベルト未装着の場合には第1警告手段からの指令
により所定の第1警告(例えば、大きな警報あるいは自
動車の運転性能低下)が行なわれ、特定座席(例えば、運
転席)以外の座席の乗員がシートベルト未装着の場合に
は前記第1警告手段による警告内容とは異なる第2警告
(例えば、小さな警報)が第2警告手段からの指令により
行なわれることとなる。
【0016】請求項4の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0017】即ち、自動車の発進時において運転席以外
の座席の乗員がシートベルト未装着時には、運転席乗員
がシートベルト未装着時に行なわれる第1警告より軽減
された第2警告が制御手段からの指令により行なわれ、
その他の場合には運転席乗員がシートベルト未装着時に
行なわれる第1警告が行なわれることとなる。
【0018】請求項5の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0019】即ち、自動車の発進時において運転席以外
の座席の乗員がシートベルト未装着時には、前記第2警
告手段による警告内容よりさらに軽減された第3警告
(例えば、警告灯の点灯)が第3警告手段のからの指令に
より行なわれる。
【0020】請求項6の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0021】即ち、自動車の発進時において運転席以外
の座席の乗員がシートベルト未装着時には、規制手段か
らの指令により前記第2警告手段による第2警告が行な
われないこととなる。
【0022】請求項7の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0023】即ち、チャイルドシートが座席に装着され
た場合には、当該座席への乗員の乗車は不可能となるた
め、当該座席における乗車検出手段の作用はキャンセル
されることとなる。
【0024】請求項8の発明では、上記手段によって次
のような作用が得られる。
【0025】即ち、チャイルドシートが座席に装着さ
れ、チャイルドシートに乗員(即ち、幼児)が乗車してい
る場合であって、チャイルドシート用シートベルトが未
装着の場合には、第2警告手段からの指令により第2警
告が行なわれることとなる。
【0026】
【発明の効果】請求項1、2あるいは3の発明によれ
ば、特定座席(例えば、運転席)乗員がシートベルト未装
着の場合には第1警告手段からの指令により所定の第1
警告(例えば、大きな警報あるいは自動車の運転性能低
下)が行なわれ、特定座席(例えば、運転席)以外の座席
の乗員がシートベルト未装着の場合には前記第1警告手
段による第1警告とは異なる第2警告(例えば、小さな
警報)が第2警告手段からの指令により行なわれるよう
にしたので、運転席以外の座席乗員のシートベルト未装
着に起因して頻発するおそれのある警告を低減できるこ
ととなり、警告の頻発による不快感を低減することがで
きるという優れた効果がある。
【0027】また、請求項3の発明によれば、運転席乗
員がシートベルト未装着の場合には第1警告手段からの
指令により自動車の運転性能を低下させる制御が行なわ
れ、運転席以外の座席の乗員がシートベルト未装着の場
合には警報のみが第2警告手段からの指令により発せら
れるようにしているので、運転者以外の乗員を乗せた場
合に、運転者以外の乗員がシートベルト未装着であって
も自動車の運転性能低下制御が行なわれないこととな
り、迅速な発進あるいは迅速な通常走行への移行が行え
るという優れた効果がある。
【0028】請求項4の発明によれば、自動車の発進時
において運転席以外の座席の乗員がシートベルト未装着
時には、運転席乗員がシートベルト未装着時に行なわれ
る第1警告より軽減された第2警告が制御手段からの指
令により行なわれ、その他の場合には運転席乗員がシー
トベルト未装着時に行なわれる第1警告が行なわれるよ
うにしているので、発進時に運転者以外の乗員がシート
ベルト未装着である場合が多いことに起因して生ずる不
快感の増長を抑制することができるという優れた効果が
ある。
【0029】請求項5の発明によれば、自動車の発進時
において運転席以外の座席の乗員がシートベルト未装着
時には、第2警告手段による警告内容よりさらに軽減さ
れた第3警告(例えば、警告灯の点灯)が第3警告手段の
からの指令により行なわれるようにしたので、発進時に
運転者以外の乗員がシートベルト未装着である場合が多
いことに起因して生ずる不快感の増長を可及的に抑制す
ることができるという優れた効果がある。。
【0030】請求項6の発明によれば、自動車の発進時
において運転席以外の座席の乗員がシートベルト未装着
時には、規制手段からの指令により第2警告手段による
第2警告が行なわれないようにしたので、発進時に運転
者以外の乗員がシートベルト未装着であっても警告が発
せられないこととなり、不快感の増長が防止できるとと
もに、円滑な発進、円滑な通常走行への移行も図れると
いう優れた効果がある。
【0031】請求項7の発明によれば、チャイルドシー
トが座席に装着された場合には、当該座席における乗車
検出手段の作用をキャンセルするようにしたので、チャ
イルドシート装着による警告の誤作動が防止できるとい
う優れた効果がある。
【0032】請求項8の発明によれば、チャイルドシー
トが座席に装着され、チャイルドシートに乗員(即ち、
幼児)が乗車している場合であって、チャイルドシート
用シートベルトが未装着の場合には、第2警告手段から
の指令により第2警告が行なわれるようにしているの
で、チャイルドシート乗員へのシートベルト装着を効果
的に促すことができるという優れた効果がある。
【0033】
【実施例】以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾
つかの好適な実施例を説明する。
【0034】まず、本願発明の各実施例にかかる自動車
用シートベルト着用促進装置が適用される自動車につい
て、図2ないし図5を参照して説明する。
【0035】この自動車は、運転席1、助手席2および
左右後部座席3,4を備えた4シートタイプとされてお
り、それぞれの座席1〜4には、乗員の身体を拘束する
ためのシートベルト5〜8がそれぞれ付設されている。
符号9はシフトレバーである。
【0036】前記運転席1の前方適所には、イグニッシ
ョンスイッチ10(図5参照)が設けられており、該イグ
ニッションスイッチのON作動により運転席1への乗員
の乗車を判別することができることとなっている。
【0037】前記助手席2および左右後部座席3,4の
シートクッション2a〜4aおよびシートバック2b〜4b
には、図2および図3に示すように、乗員の乗車を検知
するためのシートクッション圧力センサー11〜13お
よびシートバック圧力センサー14〜16がそれぞれ付
設されている。また、前記助手席2には、シートバック
2aの傾動角を検出するシートバックアングルセンサー
17が付設されている。なお、左右後部座席3,4につ
いては、リクライニングタイプのものの場合シートバッ
クアングルセンサーを付設する必要があるが、本実施例
では固定式とされているのでシートバックアングルセン
サーは付設されていない。
【0038】上記圧力センサー11〜16およびシート
バックアングルセンサー17は、乗員が座席に着座した
場合と荷物等を座席に乗せた場合とを判別するために設
けられたものであり、シートクッション圧力センサー1
1〜13およびシートバック圧力センサー14〜16の
両方に圧力がかかり且つシートバック2b〜4bがある程
度の起立状態にあることを検知すれば乗員の乗車と判別
できるのである。
【0039】なお、乗員の姿勢によっては、上記圧力セ
ンサー11〜16およびシートバックアングルセンサー
17による検知だけでは乗員の乗車を判別できない場合
があるため、それぞれの座席2〜4に対応するドアの開
閉を検知するドア開閉センサー18〜20(図5参照)
と、それぞれの座席2〜4に対応するドアの内側把手に
乗員が接触したことを検知するドア内側把手センサー2
1〜23(図5参照)と、それぞれの座席2〜4に対応す
るウインドガラスの昇降操作を検知するウインドガラス
操作センサー24〜26(図5参照)とが付設されてい
る。これらのセンサー18〜26による検知は、乗員が
それぞれの座席2〜4に乗車していなければ生じないも
のであるので、乗員の乗員判別に役立つものである。
【0040】また、シートベルト5〜8には、これらの
シートベルト5〜8の装着状態を検出するシートベルト
装着検出手段として作用するシートベルトセンサー27
〜30(図5参照)がそれぞれ付設されている。
【0041】さらに、上記助手席2および左右後部座席
3,4は、幼児を乗せるためのチャイルドシート31を
取り付け得るように構成されており、図4に示すよう
に、チャイルドシート取付時においては、チャイルドシ
ート31の背面に突設された係合片32,32が座席2
〜4にそれぞれ形成された嵌合凹部33,33に係合せ
しめられることによって該嵌合凹部33,33に設けら
れたスイッチ34がON作動することとなっている。つ
まり、スイッチ34がチャイルドシート31の取付を検
出するチャイルドシート検出手段(本実施例の場合、チ
ャイルドシートセンサー)として作用することとなって
いるのである。なお、チャイルドシート31の着座面
に、幼児の荷重を検出してチャイルドシート31への乗
車を検出するチャイルドシート乗員検出手段として作用
するチャイルドシート用圧力センサー35を設ける場合
もあり、その場合チャイルドシート用シートベルト35
の装着を検出するチャイルドシート用シートベルト装着
検出手段として作用するチャイルドシート用シートベル
トセンサー36が設けられる。前記チャイルドシート用
圧力センサー35およびチャイルドシート用シートベル
トセンサー36からの信号は、係合片32,32と嵌合
凹部33,33との係合部を介して車両側へ伝達される
こととなっている。
【0042】この自動車のシートベルト装着促進装置
は、運転席1への乗員の乗車状態を検出する運転席乗員
判定回路61と、助手席2への乗員の乗車状態を検出す
る助手席乗員判定回路62と、左後部座席3への乗員の
乗車状態を検出する左後席乗員判定回路63と、右後部
座席4への乗員の乗車状態を検出する右後席乗員判定回
路64と、各種演算、各種判定および各種制御信号出力
をなす制御回路65とを備えて構成されている。
【0043】前記運転席乗員判定回路61には、イグニ
ッションスイッチ10からの信号が入力され、当該信号
の入力により制御回路65へ乗員乗車信号K1を出力す
ることとなっている。
【0044】前記助手席乗員判定回路62には、シート
クッション圧力センサー11、シートバック圧力センサ
ー14、シートバックアングルセンサー17、ドア開閉
センサー18、ドア内側把手センサー21、ウインドガ
ラス操作センサー24、チャイルドシートセンサー34
およびチャイルドシート用圧力センサー35からの信号
が入力され、これらの入力信号に基づいて各種判定(後
に詳述する)を行って制御回路65へ乗員乗車信号K2
出力することとなっている。
【0045】左右後席乗車判定回路63,64には、シ
ートクッション圧力センサー12,13、シートバック
圧力センサー15,16、ドア開閉センサー19,20、
ドア内側把手センサー22,23、ウインドガラス操作
センサー25,26、チャイルドシートセンサー34お
よびチャイルドシート用圧力センサー35からの信号が
それぞれ入力され、これらの入力信号に基づいて各種判
定(後に詳述する)を行って制御回路65へ乗員乗車信号
3,K4をそれぞれ出力することとなっている。
【0046】つまり、上記乗車判定回路61〜64は、
図1のクレーム対応図における乗車検出手段を構成する
こととなっているのである。
【0047】前記制御回路65には、前記乗員乗車信号
1〜K4の他に、シートベルト装着検出手段として作用
するシートベルトセンサー27〜30、チャイルドシー
ト用シートベルトセンサー37、車速を検出する車速セ
ンサー42、スロットル弁の開度を検出するスロットル
弁開度センサー43、シフトレバー9が走行状態にシフ
ト(PレンジあるいはNレンジからDレンジへシフト)さ
れたことを検出する発進時検出手段であるシフトセンサ
ー44および緊急状態を検出する緊急状態検出手段(例
えば、緊急スイッチ45)からの信号が入力されること
となっており、これらの入力信号に基づいて各種演算お
よび判定(後述する)を行って、エンジン46、メッセー
ジ出力装置47、警報手段として作用する警報器48お
よび警告灯49に対して制御信号を出力することとなっ
ている。
【0048】前記制御回路65は、図1のクレーム対応
図に示すように、特定座席(本実施例の場合、運転席1)
における乗員がシートベルト未装着と検出された場合に
所定の第1警告を行う第1警告手段651と、運転席1
以外の座席における乗員がシートベルト未装着と検出さ
れた場合に前記第1警告手段651による警告内容と異
なる第2警告を行う第2警告手段652と、前記シフト
センサー44により発進時と検出された場合にのみ前記
第2警告手段652を作動せしめる制御手段653と、
前記シフトセンサー44により発進時と検出された場合
であって運転席1以外の座席の乗員がシートベルト未装
着である場合に前記第2警告手段652による警告内容
より軽減された第3警告を行う第3警告手段654と、
前記シフトセンサー44により発進時と検出された場合
に前記第2警告手段652の作動を行わないよう規制す
る規制手段655と、チャイルドシート検出手段(即
ち、チャイルドシートセンサー34)からの信号入力が
あった場合には当該座席における乗車検出手段62〜6
4の作用をキャンセルする禁止手段656とを備えて構
成されている。
【0049】前記第1警告手段651は、警報器48に
対して大音量のアラームを発するべき指令を出力し、あ
るいはエンジン46に対して出力を低減させるべき指令
(例えば、スロットル弁開度を所定値に制限する指令)を
出力するものとされ、前記第2警告手段652は、警報
器48に対して小音量のアラームを発するべき指令を出
力するものとされ、前記第3警告手段654は、警告灯
49に対して点灯すべき指令を出力するものとされてい
る。
【0050】ついで、図6ないし図8に示すフローチャ
ートを参照して、このシートベルト装着促進装置におけ
る乗員の乗車判定について説明する。なお、運転席乗員
の乗車状態は、前述したようにイグニッションスイッチ
10のON作動により検出される。
【0051】(I) 助手席乗員の乗車判定 図6のフローチャートのステップS1においてチャイル
ドシート31が取り付けられているか否か(換言すれ
ば、チャイルドシートセンサー34からの信号入力があ
ったか否か)の判定がなされ、チャイルドシート31が
取り付けられている場合には、助手席2に乗員が乗車す
る可能性はないので、ステップS2においてタイマー(図
示省略)をOFF状態(即ち、T=0)となした後、ステ
ップS3において乗員非乗車と判定し、ステップS4にお
いて乗員フラッグFsを0にリセットしてリターンす
る。つまり、チャイルドシート31の装着があった場合
(換言すれば、チャイルドシートセンサー34からの信
号入力があった場合)には、禁止手段656の作用によ
り当該座席における乗員乗車判定はキャンセルされるこ
ととなっているのである。
【0052】ステップS1においてチャイルドシート3
1が取り付られていないと判定された場合には、ステッ
プS5において助手席側ドアが開閉操作されたか否か(換
言すれば、ドア開閉センサー18からの信号入力があっ
たか否か)の判定がなされ、助手席ドアの開閉操作がな
い場合には乗員の乗員はなかったものとしてステップS
2に進み、以後前記と同様な処理がなされる。
【0053】ステップS5において助手席ドアの開閉操
作があったと判定された場合には、ステップS6におい
て乗員フラッグFsが0であるか否かの判定がなされ、
最初の処理においてはFs=0なのでステップS7に進
み、シートクッション圧力センサー11からの信号入力
があったか否かの判定がなされる。ここで、否定判定さ
れた場合には、乗員の乗車はなかったものとしてステッ
プS3に進み、以後前記と同様な処理がなされる。
【0054】ステップS7において肯定判定された場合
には、ステップS8においてシートバック2bの傾動角が
所定範囲内にあるか否か(換言すれば、シートバックア
ングルセンサー17により検出された角度が所定範囲内
にあるか否か)の判定がなされ、否定判定された場合に
は、シートバック2bが乗員の乗車が不可能な状態とさ
れていることを意味しているため、乗員の乗車はなかっ
たものとしてステップS 3に進み、以後前記と同様な処
理がなされる。
【0055】ステップS8において肯定判定された場合
には、ステップS9においてシートバック圧力センサー
14からの信号入力があったか否かの判定がなされる。
ここで、否定判定された場合には、ステップS10におい
てドア内側把手センサー21からの信号入力があったか
否か判定がなされ、ここでも否定判定された場合には、
ステップS11においてウインドガラス操作センサー24
からの信号入力があったか否かの判定がなされ、ここで
も否定判定された場合には、シートクッション2a上に
荷物が載っているものと判断され、乗員の乗車はなかっ
たものとしてステップS3に進み、以後前記と同様な処
理がなされる。
【0056】ステップS9において肯定判定された場合
には、ステップS12においてタイマーが作動せしめられ
(即ち、T=T+1とされ)、所定時間T1(例えば、5
秒)が経過するまでその状態が継続されている場合(ステ
ップS13)には、ステップS14において乗員乗車と判定
し、ステップS15において乗員フラッグFsを1にセッ
トしてリターンする。ステップS13において所定時間T
1が経過する前に上記状態が解消された場合には、なん
らかの原因によってシートクッション圧力センサー11
およびシートバック圧力センサー14が誤作動したもの
と判断され、乗員の乗車はなかったものとしてステップ
3に進み、以後前記と同様な処理がなされる。なお、
ステップS12およびステップS13における処理を省略し
て、ステップS9における肯定判定だけでステップS14
に直接進み(点線図示)、乗員乗車と判定するようにして
もよい。
【0057】なお、ステップS10あるいはステップS11
において肯定判定された場合には、乗員が乗車していな
ければ不可能な動作なので、ステップS14に進み、乗員
乗車と判定される。
【0058】(II) 後部座席乗員の乗車判定 図7のフローチャートのステップS1においてチャイル
ドシート31が取り付けられているか否か(換言すれ
ば、チャイルドシートセンサー34からの信号入力があ
ったか否か)の判定がなされ、チャイルドシート31が
取り付けられている場合には、後部座席3(あるいは4)
に乗員が乗車する可能性はないので、ステップS2にお
いてタイマー(図示省略)をOFF状態(即ち、Ta=0)
となした後、ステップS3において乗員非乗車と判定
し、ステップS4において乗員フラッグFsを0にリセッ
トしてリターンする。この場合にも、チャイルドシート
31の装着があった場合(換言すれば、チャイルドシー
トセンサー34からの信号入力があった場合)には、禁
止手段656の作用により当該座席における乗員乗車判
定はキャンセルされることとなっているのである。
【0059】ステップS1においてチャイルドシート3
1が取り付られていないと判定された場合には、ステッ
プS5において後部座席側ドアが開閉操作されたか否か
(換言すれば、ドア開閉センサー19あるい20からの
信号入力があったか否か)の判定がなされ、後部座席ド
アの開閉操作がない場合には乗員の乗員はなかったもの
としてステップS2に進み、以後前記と同様な処理がな
される。
【0060】ステップS5において後部座席ドアの開閉
操作があったと判定された場合には、ステップS6にお
いてシートクッション圧力センサー12あるいは13か
らの信号入力があったか否かの判定がなされる。ここ
で、否定判定された場合には、ステップS7においてタ
イマーが作動せしめられ(Tb=Tb+1)、所定時間T
2(例えば、10秒)経過するまで、その状態が継続して
いる場合には、乗員の乗車はなかったものとしてステッ
プS2に進み、以後前記と同様な処理がなされる。所定
時間T2が経過する前にステップS6においてシートクッ
ション圧力センサー12あるいは13からの信号入力が
あった場合(即ち、後部座席において乗員の移動があっ
た場合)、もしくはステップS6において肯定判定された
場合(即ち、後部座席において乗員の移動がなかった場
合)には、ステップS9において乗員フラッグFsが0で
あるか否かの判定がなされ、最初の処理においてはFs
=0なのでステップS10に進み、シートバック圧力セン
サー15あるいは16からの信号入力があったか否かの
判定がなされる。なお、後部座席3,4がリクライニン
グタイプのものである場合、助手席2におけると同様に
シートバック3b,4bの傾動角が所定範囲内にあるか否
かの判定を行う処理(即ち、ステップS9′)を挿入す
る。
【0061】ステップS10において否定判定された場合
には、ステップS11においてドア内側把手センサー22
あるいは23からの信号入力があったか否かの判定がな
され、ここでも否定判定された場合には、ステップS12
においてウインドガラス操作センサー25あるいは26
からの信号入力があったか否かの判定がなされ、ここで
も否定判定された場合には、シートクッション3aある
いは4a上に荷物が載っているものと判断され、乗員の
乗車はなかったものとしてステップS3に進み、以後前
記と同様な処理がなされる。
【0062】ステップS10において肯定判定された場合
には、ステップS13においてタイマーが作動せしめられ
(即ち、Ta=Ta+1とされ)、所定時間T1(例えば、5
秒)が経過するまでその状態が継続されている場合(ステ
ップS14)には、ステップS15において乗員乗車と判定
し、ステップS16において乗員フラッグFsを1にセッ
トしてリターンする。ステップS14において所定時間T
1が経過する前に上記状態が解消された場合には、なん
らかの原因によってシートクッション圧力センサー12
あるいは13およびシートバック圧力センサー15ある
いは16が誤作動したものと判断され、乗員の乗車はな
かったものとしてステップS3に進み、以後前記と同様
な処理がなされる。なお、ステップS13およびステップ
14における処理を省略して、ステップS10における肯
定判定だけでステップS15に直接進み(点線図示)、乗員
乗車と判定するようにしてもよい。
【0063】なお、ステップS11あるいはステップS12
において肯定判定された場合には、乗員が乗車していな
ければ不可能な動作なので、ステップS15に進み、乗員
乗車と判定される。
【0064】(III) チャイルドシート乗員の乗車判
定 図8のフローチャートのステップS1においてチャイル
ドシート31が取り付けられているか否か(換言すれ
ば、チャイルドシートセンサー34からの信号入力があ
ったか否か)の判定がなされ、チャイルドシート31が
取り付けられていると判定された場合には、ステップS
2においてチャイルドシート用圧力センサー35からの
信号入力があったか否かの判定がなされる。ここで肯定
判定された場合には、ステップS3においてチャイルド
シート31への乗員(即ち、幼児)の乗車があると判定さ
れ、否定判定された場合には、ステップS4においてチ
ャイルドシート31への乗員(即ち、幼児)の乗車はない
と判定される。つまり、チャイルドシート31について
は、チャイルドシート用圧力センサー35からの信号入
力の有無のみにより乗車・非乗車を判定することとなっ
ているのである。
【0065】実施例1 図9には、本願発明の実施例1にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ートが示されている。本実施例は、請求項1、2、7お
よび8の発明に対応するものである。
【0066】図9のフローチャートのステップS1にお
いて制御回路65のイニシャライズがなされ、ステップ
2において各種センサー類からの信号が入力され、ス
テップS3において前述した(I)、(II)、(III)の
要領で各座席についての乗員乗車判定がなされる。
【0067】ステップS3における乗員乗車判定におい
て運転席1および他の座席2〜4の少なくとも一つに乗
員が乗車していると判定された場合には、ステップS4
において緊急信号(例えば、緊急スイッチ45からの信
号あるいはアクセル開度が所定開度以上となったことを
示す検出信号)の入力の有無が判定される。ここで、肯
定判定された場合には、緊急事態発生なので、すでに警
告がなされている場合には、ステップS5において直ち
に警告解除され、その後リターンする。なお、前記緊急
スイッチ45のON作動による緊急信号出力の場合、該
緊急スイッチ45は、所定時間(例えば6時間)経過後に
自動的にOFFされることとなっている。
【0068】ステップS4において否定判定された場合
には、ステップS6において運転席1の乗員(即ち、運転
者)がシートベルト5を着用しているか否か(換言すれ
ば、シートベルトセンサー27からの信号入力があった
か否か)の判定がなされ、ここで否定判定(即ち、シート
ベルト未装着と判定)された場合には、ステップS7にお
いて第1警告手段651からの指令により警報器48か
ら第1警告(即ち、大音量のアラーム)が発せられる。
【0069】一方、ステップS6において肯定判定(即
ち、シートベルト装着と判定)された場合には、ステッ
プS8において他の乗員(例えば、助手席乗員、後部座席
乗員あるいはチャイルドシート乗員)がシートベルトを
着用しているか否か(換言すれば、シートベルトセンサ
ー27〜30および37からの入力信号の有無)の判定
がなされる。ここで、否定判定(即ち、シートベルト未
装着と判定)された場合には、ステップS9において第2
警告手段652からの指令により警報器48から第2警
告(即ち、小音量のアラーム)が発せられる。ステップS
8において肯定判定(即ち、シートベルト装着と判定)さ
れた場合には、全ての乗員がシートベルトを装着してい
るので、ステップS5に戻り警告は解除される。
【0070】上記したように、本実施例の場合、運転者
がシートベルトを装着していない場合における第1警告
に比べて運転者以外の乗員がシートベルトを装着してい
ない場合における第2警告を軽減することにより、運転
者以外の乗員のシートベルト未装着の場合に生ずる警告
の頻発による不快感を低減するようにしているのであ
る。
【0071】実施例2 図10には、本願発明の実施例2にかかる自動車のシー
トベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチ
ャートが示されている。本実施例は、請求項1、2、
4、7および8の発明に対応するものである。
【0072】本実施例の場合、ステップS1からステッ
プS8までの処理は実施例1と同様なので説明を省略す
る。
【0073】ステップS8において否定判定(即ち、シー
トベルト未装着と判定)された場合には、ステップS9
おいて自動車が発進時であるか否かの判定がなされる。
該判定は、シフトセンサー44からの入力信号の有無に
よりなされ、ここで、肯定判定(即ち、発進時と判定)さ
れた場合には、ステップS10において制御手段653か
らの指令を受けた第2警告手段652からの指令により
警報器48から第2警告(即ち、小音量のアラーム)が発
せられ、否定判定(即ち、発進時でないと判定)された場
合には、ステップS7に戻り第1警告手段651からの
指令により第1警告(即ち、大音量のアラーム)が発せら
れる。ステップS8において肯定判定(即ち、シートベル
ト装着と判定)された場合には、全ての乗員がシートベ
ルトを装着しているので、ステップS5に戻り警告は解
除される。
【0074】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員のみがシートベルトを装着していない場合に
は発進時のみに第1警告(即ち、大音量のアラーム)より
軽減された第2警告(即ち、小音量のアラーム)を発する
ようにしているため、運転者以外の乗員のシートベルト
未装着の場合に生ずる警告の頻発による不快感が低減さ
れるとともに、発進後においては第1警告(即ち、大音
量のアラーム)により運転者以外の乗員のシートベルト
装着が促されることとなる。
【0075】実施例3 図11には、本願発明の実施例3にかかる自動車のシー
トベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチ
ャートが示されている。本実施例は、請求項1、2、
5、7および8の発明に対応するものである。
【0076】本実施例の場合、ステップS1からステッ
プS8までの処理は実施例1と同様なので説明を省略す
る。
【0077】ステップS8において否定判定(即ち、シー
トベルト未装着と判定)された場合には、ステップS9
おいて自動車が発進時であるか否かの判定がなされる。
該判定は、シフトセンサー44からの入力信号の有無に
よりなされ、ここで、肯定判定(即ち、発進時と判定)さ
れた場合には、ステップS10において第3警告手段65
4からの指令により警告灯49が点灯され(即ち、第3
警告が発せられ)、否定判定(即ち、発進時でないと判
定)された場合には、ステップS11において第2警告手
段652からの指令により第2警告(即ち、小音量のア
ラーム)が発せられる。ステップS8において肯定判定
(即ち、シートベルト装着と判定)された場合には、全て
の乗員がシートベルトを装着しているので、ステップS
5に戻り警告は解除される。
【0078】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員のみがシートベルトを装着していない場合で
あって発進時には、第2警告より軽減された第3警告
(即ち、警告灯49の点灯)がなされるようにしているた
め、運転者以外の乗員のシートベルト未装着の場合に生
ずる警告の頻発(即ち、アラームの頻発)による不快感が
低減されるとともに、発進後においては第2警告(即
ち、小音量のアラーム)により運転者以外の乗員のシー
トベルト装着が促されることとなる。
【0079】実施例4 図12には、本願発明の実施例4にかかる自動車のシー
トベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチ
ャートが示されている。本実施例は、請求項1、2およ
び6〜8の発明に対応するものである。
【0080】本実施例の場合、ステップS1からステッ
プS8までの処理は実施例1と同様なので説明を省略す
る。
【0081】ステップS8において否定判定(即ち、シー
トベルト未装着と判定)された場合には、ステップS9
おいて自動車が発進時であるか否かの判定がなされる。
該判定は、シフトセンサー44からの入力信号の有無に
よりなされ、ここで、肯定判定(即ち、発進時と判定)さ
れた場合には、規制手段655からの指令により第2警
告手段252の作動が行なわれることなくリターンさ
れ、否定判定(即ち、発進時でないと判定)された場合に
は、ステップS10において第2警告手段652からの指
令により第2警告(即ち、小音量のアラーム)が発せられ
る。ステップS8において肯定判定(即ち、シートベルト
装着と判定)された場合には、全ての乗員がシートベル
トを装着しているので、ステップS5に戻り警告は解除
される。
【0082】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員のみがシートベルトを装着していない場合で
あって発進時には、第2警告を行わないようにしている
ため、運転者以外の乗員のシートベルト未装着の場合に
生ずる警告の頻発(即ち、アラームの頻発)による不快感
が低減されるとともに、発進後においては第2警告(即
ち、小音量のアラーム)により運転者以外の乗員のシー
トベルト装着が促されることとなる。
【0083】実施例5 図13および図14には、本願発明の実施例5にかかる
自動車のシートベルト装着促進装置の作用を説明するた
めのフローチャートが示されている。本実施例は、請求
項1〜3、7および8の発明に対応するものである。
【0084】本実施例の場合、第1警告手段651は、
自動車の運転性能を低下させる手段(即ち、エンジン4
6に対してエンジン出力を低下させるべき指令を出力す
る手段)とされ、第2警告手段652は、警報器48に
対して第2警告(即ち、小音量のアラーム)を発する手段
とされている。
【0085】図13のフローチャートのステップS1
おいて制御回路65のイニシャライズがなされ、ステッ
プS2において各種センサー類からの信号が入力され、
ステップS3において前述した(I)、(II)、(III)
の要領で各座席についての乗員乗車判定がなされる。
【0086】ステップS3における乗員乗車判定におい
て運転席1および他の座席2〜4の少なくとも一つに乗
員が乗車していると判定された場合には、ステップS4
において緊急信号(例えば、緊急スイッチ45からの信
号あるいはスロットル弁開度が所定開度以上となったこ
とを示す検出信号)の入力の有無が判定される。ここ
で、肯定判定された場合には、緊急事態発生なので、後
述するステップS15に進み、すでにエンジン出力規制が
なされている場合には、エンジン出力規制が解除され
る。なお、前記緊急スイッチ45のON作動による緊急
信号出力の場合、該緊急スイッチ45は、所定時間(例
えば6時間)経過後に自動的にOFFされることとなっ
ている。
【0087】ステップS4において否定判定された場合
には、ステップS5において運転席1の乗員(即ち、運転
者)がシートベルト5を着用しているか否か(換言すれ
ば、シートベルトセンサー27からの信号入力があった
か否か)の判定がなされ、ここで否定判定(即ち、シート
ベルト未装着と判定)された場合には、ステップS6にお
いて通常走行フラッグF2の有無(即ち、通常走行時か非
通常走行時か)が判定され、非通常走行時と判定された
場合には、ステップS7において走行初期時であるか否
かの判定がなされる。
【0088】この走行初期時判定は、車速が所定値まで
上昇した(例えば、3km/h→5km/h)時点で信号を出力
するもの、あるいはシフトレバー9がP、Nレンジから
Dレンジへシフトされた時に信号を出力するシフトセン
サー44により行なわれる。
【0089】ステップS7において肯定判定(即ち、走行
初期時と判定)された場合には、ステップS8においてメ
ッセージ出力装置47から所定の警報メッセージ(例え
ば、「シートベルトが未装着のため車速が制限されま
す」)が出力され、その後ステップS9へ進む。なお、ス
テップS7において否定判定(即ち、非走行初期時と判
定)された場合には、ステップS8をバイパスしてステッ
プS9に進む。つまり、警報メッセージは、走行初期時
に発せられることとなっているのである。
【0090】ステップS9においては車速Vと規制速度
Vs(例えば、20km/h)との比較がなされ、V≧Vsの
場合には、ステップS10において第1警告手段651か
らの指令によりエンジン46の出力規制(例えば、スロ
ットル弁開度を所定量絞る規制)が行なわれ、V<Vsと
なるように制御され、ステップS11においてエンジン出
力規制フラッグF1が1にセットされる。なお、ステッ
プS9において車速Vと規制車速Vsとを比較するように
しているが、エンジン回転数Nと規制回転数Ns(例え
ば、1500rpm)とを比較し、N<Nsとなるように制
御する場合もある。ステップS9においてV<Vsと判定
された場合には、ステップS12において渋滞走行状態で
あるか否かの判定がなされる。この渋滞走行判定は、車
速V=0〜10km/hの走行状態が5分以上継続した場
合には渋滞走行として検出され、一度でも車速Vが10
km/hを超えた場合には非渋滞走行とされる。ステップ
12において渋滞走行と判定された場合には、ステップ
5において運転者がシートベルト未装着と判定されて
いるところからステップS13において警報器48から大
音量のアラームが発せられ、運転者へシートベルト5の
着用を促すこととなる。この制御を行う理由は、渋滞走
行時には乗員がシートベルトを外してもエンジン出力規
制がなされないので、警報器48からのアラームにより
運転者に知らしめる必要があるからである。ステップS
12において非渋滞走行と判定された場合には、エンジン
出力規制を行う必要のない程度の車速(あるいはエンジ
ン回転数)であるとともに、渋滞中のように後突のおそ
れも少ないので、ステップS13をバイパスして(換言す
れば、警報器48を作動灯させることなく)リターンす
る。
【0091】ステップS6において肯定判定(即ち、通常
走行時と判定)された場合には、ステップS14において
警報器48から第2警告(即ち、大音量のアラーム)が発
せられ、その後図14のステップS15へ進む。ステップ
15においては運転者がシートベルト未装着であっても
急減速を回避するためにエンジン出力規制は解除され
る。ステップS15においてエンジン出力規制が解除され
ると、ステップS16においてエンジン出力規制フラッグ
1=0にリセットされ、ステップS17において通常走
行状態にあるか否かの判定がなされる。該通常走行判定
は、車速Vと規制速度Vs(例えば、20km/h)とが比較
され、V>Vsの場合、通常走行と判定され、ステップ
18において通常走行フラッグF2=1にセットされ、
V≦Vsの場合、非通常走行と判定され、ステップS19
においてF2=0にリセットされ、その後リターンされ
る。
【0092】一方、ステップS5において肯定判定(即
ち、シートベルト装着と判定)された場合には、ステッ
プS20において他の乗員(例えば、助手席乗員、後部座
席乗員あるいはチャイルドシート乗員)がシートベルト
を着用しているか否か(換言すれば、シートベルトセン
サー27〜30および37からの入力信号の有無)の判
定がなされる。ここで、否定判定(即ち、シートベルト
未装着と判定)された場合には、ステップS21において
第2警告手段652からの指令により第2警告(即ち、
小音量のアラーム)が発せられ、またステップS20にお
いて肯定判定(即ち、シートベルト装着と判定)された場
合にはステップS21をバイパスし、その後図14のステ
ップS22へ進む。ステップS22ではエンジン出力規制フ
ラッグF1=1であるか否かの判定がなされ、F1=0の
場合には、運転者がシートベルトを着用しているのであ
るから、図13のステップS15へ戻り、エンジン出力規
制は解除される。
【0093】ところで、ステップS22においてF1=1
(即ち、エンジン出力規制中)と判定された場合には、ス
テップS23においてスロットル弁が開方向に作動せしめ
られているか否かの判定がなされる。該判定は、スロッ
トル弁開度センサー43からの信号入力によりなされる
が、ここで肯定判定(即ち、スロットル弁開作動中と判
定)された場合には、ステップS24においてエンジン出
力規制は維持され、その後リターンされる。このことに
より、スロットル弁の開方向作動中に、乗員がシートベ
ルトを装着した場合にも、エンジンの出力規制が解除さ
れないので急加速が防止されることとなる。ステップS
23において否定判定(即ち、スロットル弁閉方向作動中
と判定)された場合には、図13のステップS15に戻
り、エンジン出力規制が解除される。
【0094】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員がシートベルト未装着の場合には、エンジン
46の出力規制が行なわれず、第2警告(即ち、小音量
のアラーム)だけが発せられることとなっているため、
運転者以外の乗員(乗車と同時にシートベルトを装着す
ることが少ない)がいる時の発進あるいは通常走行への
移行がスムーズに行えることとなる。
【0095】実施例6 図15および図16には、本願発明の実施例6にかかる
自動車のシートベルト装着促進装置の作用を説明するた
めのフローチャートが示されている。本実施例は、1〜
4、7および8の発明に対応するものである。
【0096】本実施例の場合、ステップS1〜ステップ
20までの処理は実施例5と同様なので説明を省略す
る。
【0097】ステップS20において否定判定(即ち、運
転者以外の乗員がシートベルト未装着と判定)された場
合には、ステップS21において発進時が否かの判定がな
され、ここで肯定判定(即ち、発進時と判定)された場合
にはステップS22において制御手段653の指令を受け
た第2警告手段654からの指令により第2警告(即
ち、小音量のアラーム)が発せられ、その後図16のス
テップS23に進み、その後実施例5と同様な処理が行な
われる。ステップS21において否定判定(即ち、発進時
でないと判定)された場合にはステップS6に戻り前述し
た処理が行なわれる。
【0098】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員がシートベルト未装着の場合には、発進時の
みにエンジン46の出力規制を行なわず、第2警告(即
ち、小音量のアラーム)を発するようにしているため、
運転者以外の乗員(乗車と同時にシートベルトを装着す
ることが少ない)がいる時の発進がスムーズに行えるこ
ととなる。
【0099】実施例7 図17および図18には、本願発明の実施例7にかかる
自動車のシートベルト装着促進装置の作用を説明するた
めのフローチャートが示されている。本実施例は、1〜
3、5、7および8の発明に対応するものである。
【0100】本実施例の場合、ステップS1〜ステップ
20までの処理は実施例5と同様なので説明を省略す
る。
【0101】ステップS20において否定判定(即ち、運
転者以外の乗員がシートベルト未装着と判定)された場
合には、ステップS21において発進時が否かの判定がな
され、ここで肯定判定(即ち、発進時と判定)された場合
にはステップS22において第3警告手段654からの指
令により第3警告(即ち、警告灯49の点灯)が行なわ
れ、否定判定(即ち、発進時でないと判定)された場合に
はステップS23において第2警告手段652からの指令
により第2警告(即ち、小音量のアラーム)が発せられ、
その後図18のステップS24に進み、実施例5と同様な
処理が行なわれる。
【0102】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員がシートベルト未装着の場合には、エンジン
46の出力規制が行なわれず、第2警告(即ち、小音量
のアラーム)だけが発せられることとなっているととも
に、発進時においては第3警告(即ち、警告灯49の点
灯)のみが行なわれることとなっているため、運転者以
外の乗員(乗車と同時にシートベルトを装着することが
少ない)がいる時の発進あるいは通常走行への移行がス
ムーズに行えることとなる。
【0103】実施例8 図19および図20には、本願発明の実施例8にかかる
自動車のシートベルト装着促進装置の作用を説明するた
めのフローチャートが示されている。本実施例は、1〜
3および6〜8の発明に対応するものである。
【0104】本実施例の場合、ステップS1〜ステップ
20までの処理は実施例5と同様なので説明を省略す
る。
【0105】ステップS20において否定判定(即ち、運
転者以外の乗員がシートベルト未装着と判定)された場
合には、ステップS21において発進時が否かの判定がな
され、ここで肯定判定(即ち、発進時と判定)された場合
には規制手段655からの指令により第2警告手段65
2の作動を行わず、否定判定(即ち、発進時でないと判
定)された場合にはステップS22において第2警告手段
652からの指令により第2警告(即ち、小音量のアラ
ーム)が発せられ、その後図20のステップS23に進
み、実施例5と同様な処理が行なわれる。
【0106】上記したように、本実施例の場合、運転者
以外の乗員がシートベルト未装着の場合には、エンジン
46の出力規制が行なわれず、第2警告(即ち、小音量
のアラーム)だけが発せられることとなっているととも
に、発進時においては警告が行なわれないこととなって
いるため、運転者以外の乗員(乗車と同時にシートベル
トを装着することが少ない)がいる時の発進あるいは通
常走行への移行がスムーズに行えることとなる。
【0107】本願発明は、上記各実施例の構成に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の自動車のシートベルト装着促進装置
のクレーム対応図である。
【図2】本願発明のシートベルト装着促進装置を備えた
自動車の概略を示す平面図である。
【図3】本願発明のシートベルト装着促進装置を備えた
自動車における座席の側面図である。
【図4】本願発明のシートベルト装着促進装置を備えた
自動車におけるチャイルドシート取付状態を示す斜視図
である。
【図5】本願発明の実施例にかかる自動車のシートベル
ト装着促進装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本願発明の実施例にかかる自動車のシートベル
ト装着促進装置における助手席乗車判定を行うためのフ
ローチャート(即ち、助手席乗車判定ルーチン)である。
【図7】本願発明の実施例にかかる自動車のシートベル
ト装着促進装置における後部座席乗車判定を行うための
フローチャート(即ち、後部座席乗車判定ルーチン)であ
る。
【図8】本願発明の実施例にかかる自動車のシートベル
ト装着促進装置におけるチャイルドシート乗車判定を行
うためのフローチャート(即ち、チャイルドシート乗車
判定ルーチン)である。
【図9】本願発明の実施例1にかかる自動車のシートベ
ルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャー
トである。
【図10】本願発明の実施例2にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【図11】本願発明の実施例3にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【図12】本願発明の実施例4にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【図13】本願発明の実施例5にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(前半部)である。
【図14】本願発明の実施例5にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(後半部)である。
【図15】本願発明の実施例6にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(前半部)である。
【図16】本願発明の実施例6にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(後半部)である。
【図17】本願発明の実施例7にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(前半部)である。
【図18】本願発明の実施例7にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(後半部)である。
【図19】本願発明の実施例8にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(前半部)である。
【図20】本願発明の実施例8にかかる自動車のシート
ベルト装着促進装置の作用を説明するためのフローチャ
ート(後半部)である。
【符号の説明】
1は運転席、2は助手席、3は左後部座席、4は右後部
座席、5〜8はシートベルト、9はシフトレバー、10
はイグニッションスイッチ、11〜13はシートクッシ
ョン圧力センサー、14〜16はシートバック圧力セン
サー、17はシートバックアングルセンサー、27〜3
0はシートベルトセンサー、31はチャイルドシート、
34はチャイルドシート検出手段(チャイルドシートセ
ンサー)、35はチャイルドシート乗員検出手段(チャイ
ルドシート用圧力センサー)、36はチャイルドシート
用シートベルト、37はチャイルドシート用シートベル
ト装着検出手段(チャイルドシート用シートベルトセン
サー)、42は車速センサー、43はスロットル弁開度
センサー、44はシフトセンサー、45は緊急状態検出
手段(緊急スイッチ)、46はエンジン、47はメッセー
ジ出力装置、48は警報器、49は警告灯、61〜64
は乗車検出手段(運転席乗車判定回路、助手席乗車判定
回路、左右後部座席乗車判定回路)、65は制御回路、
651は第1警告手段、652は第2警告手段、653
は制御手段、654は第3警告手段、655は規制手
段、656は禁止手段。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各座席における乗員の乗車状態を検出す
    る乗車検出手段と、各座席におけるシートベルトの装着
    状態を検出するシートベルト装着検出手段と、特定座席
    における乗員がシートベルト未装着と検出された場合に
    所定の第1警告を行う第1警告手段と、特定座席以外の
    座席における乗員がシートベルト未装着と検出された場
    合に前記第1警告手段による警告内容と異なる第2警告
    を行う第2警告手段とを備えていることを特徴とする自
    動車のシートベルト装着促進装置。
  2. 【請求項2】 前記特定座席が運転席とされ、前記第1
    警告手段による警告内容より第2警告手段による警告内
    容が軽減されたものとなっていることを特徴とする前記
    請求項1記載の自動車のシートベルト装着促進装置。
  3. 【請求項3】 前記特定座席が運転席とされており、前
    記第1警告手段が自動車の運転性能を低下させる手段と
    され、前記第2警告手段が警報手段に対して警報を出力
    すべく指令する手段とされていることを特徴とする前記
    請求項1記載の自動車のシートベルト装着促進装置。
  4. 【請求項4】 自動車の発進時を検出する発進時検出手
    段と、該発進時検出手段により発進時と検出された場合
    にのみ前記第2警告手段を作動せしめる制御手段とが付
    設されていることを特徴とする前記請求項2あるいは3
    記載の自動車のシートベルト装着促進装置。
  5. 【請求項5】 自動車の発進時を検出する発進時検出手
    段と、該発進時検出手段により発進時と検出された場合
    であって運転席以外の座席の乗員がシートベルト未装着
    である場合に前記第2警告手段による警告内容より軽減
    された第3警告を行う第3警告手段とが付設されている
    ことを特徴とする前記請求項2あるいは3記載の自動車
    のシートベルト装着促進装置。
  6. 【請求項6】 自動車の発進時を検出する発進時検出手
    段と、該発進時検出手段により発進時と検出された場合
    に前記第2警告手段の作動を行わないよう規制する規制
    手段とが付設されていることを特徴とする前記請求項2
    あるいは3記載の自動車のシートベルト装着促進装置。
  7. 【請求項7】 チャイルドシートが装着された時に信号
    を出力するチャイルドシート検出手段と、該チャイルド
    シート検出手段からの信号入力があった場合には当該座
    席における乗車検出手段の作用をキャンセルする禁止手
    段とが付設されていることを特徴とする前記請求項1、
    2、3、4、5あるいは6記載の自動車のシートベルト
    装着促進装置。
  8. 【請求項8】 チャイルドシートが装着された時に信号
    を出力するチャイルドシート検出手段と、チャイルドシ
    ートへの乗員の乗車があった場合に信号を出力するチャ
    イルドシート乗員検出手段と、チャイルドシートにおけ
    るシートベルトの装着状態を検出するチャイルドシート
    用シートベルト装着検出手段とが付設されていることを
    特徴とする前記1、2、3、4、5、6あるいは7記載
    の自動車のシートベルト装着促進装置。
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