JPH0627804B2 - 超音波測定装置による距離測定方法 - Google Patents

超音波測定装置による距離測定方法

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JPH0627804B2
JPH0627804B2 JP59226437A JP22643784A JPH0627804B2 JP H0627804 B2 JPH0627804 B2 JP H0627804B2 JP 59226437 A JP59226437 A JP 59226437A JP 22643784 A JP22643784 A JP 22643784A JP H0627804 B2 JPH0627804 B2 JP H0627804B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超音波により被検材の外径等の寸法を測定す
る場合に用いる距離測定装置にあって、水温により変化
する音速を補正して測定する方法に関するものである。
〔発明の背景〕
超音波により銅管等の被検材の外径寸法等を測定する原
理は、第9図に示す通りである。すなわち、被検材1の
外径Dは、被検材1の上下に超音波探触子2及び3を配
置して被検材1までの距離l,lを超音波で測定
し、各探触子間距離Lから前記lとlとの合計値を
引いて求めている。つまり、 D=L−(l+l)………(1) の式で求めている。
而して、超音波を用いた方法での測定は、カップリング
水を媒体としている。しかも、測定は超音波の反射エコ
ーを検出して、超音波の発振時から反射エコーが検出さ
れるまでの時間を測定し、これに音速のデータをかけあ
わせて前記距離l及びlを求めている。従って、音
速のデータは測定結果に大きく影響し、重要である。と
ころが、水中における音速は温度との依存度が極めて大
きいという性質がある。このため、高精度の測定を行う
ためには、水温による音速の補正を行うことが必要であ
る。
〔従来の技術〕
それで、従来にあっては、測定用の探触子の他に、音速
補正用の探触子とターゲットを準備し、音速の補正を行
うようにしている。補正の要領は、先ず、測定用探触子
間へ被検材の公称外径とほぼ等しい既知寸法の試験片を
配置し、各探触子と試験片との間の距離をそれぞれ機械
的に設定している。そして、被検材の外径測定にあって
は、音速補正用の探触子とターゲットとの間の距離を、
前記機械的に設定した距離に一致するように調整してこ
れを基準距離としている。次に、測定用の探触子による
測定結果を基準距離測定値と比較して両者の偏差を求
め、これによって先に設定した既知寸法外径からの外径
偏差を求め、被検材の外径を求めるようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記従来の補正方法を実施した後の被検材の
外径測定にあっては、得られた測定値のうち基準距離測
定値に相当する部分については水温補正がなされている
けれども、基準距離測定値との偏差分については水温補
正が行われていないという欠点がある。このことは、外
径の偏差が大きくなる程、測定誤差が大きくなることを
示す。しかも測定を継続実施する過程中で測定用探触子
と音速補正用探触子との間に水温変化があると、測定結
果に極めて大きな影響を与えるのは勿論である。日常の
測定作業において、カップリング水の温度変化が昼夜で
10℃を超えて変化する場合のあることがしばしばであ
り、この場合前記測定誤差が更に増長されるという好ま
しくない事態を生じていた。
また前記従来の補正方法では、音速補正用の探触子とタ
ーゲットとの距離(基準距離)をロット変えするごとに
変更する必要がある。そして、上述の基準距離の設定
は、被検材の外径測定に必要な精度で機械的に設定を要
するものであって、高精度が要求されるものである。そ
れで、この基準距離の設定に際しては、多大の応力と調
整時間を要するという欠点もあった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は従来の上記欠点に鑑みてこれを改良除去したも
のであって、ターゲットの距離調整を不必要とし、また
音速データを水温変化に対応させて補正する距離測定方
法を提供せんとするものである。
而して、前記欠点を解決するために本発明が採用した手
段は、超音波をカップリング水を介して被検材に発振し
また被検材からの反射エコーを受信する測定用探触子
と、該測定用探触子の超音波発振時から被検材の表面の
反射エコー検知時までの時間及び予め設定した基準音速
によって前記測定用探触子から被検材の表面までの距離
を求める時間/電圧変換回路を備えた測定用信号処理回
路とを有する超音波測定装置により測定用探触子から被
検材の表面までの距離を測定するに際し、測定用探触子
に近接したカップリング水の通水系路途中に音速補正用
の探触子を配置すると共に、該音速補正用の探触子の前
方に該音速補正用の探触子からの距離が異なる2つの段
部を有する二段ターゲットをその境界部が前記音速補正
用の探触子から発振される超音波の中心軸に一致するよ
う配置し、前記音速補正用の探触子で前記二段ターゲッ
トの2つの段部からの反射エコーを検知してその時間差
を求めるとともに該時間差と予め設定した二段ターゲッ
トの2つの段部間の距離とからカップリング水中におけ
る音速を前記測定用信号処理回路とは別に設けた補正用
信号処理回路中で求め、予め入力された基準音速に対す
る前記カップリング水中における音速の比率を前記測定
用信号処理回路の時間/電圧変換回路に入力させて前記
時間/電圧変換回路で求めた前記測定用探触子から被検
材の表面までの距離に乗算することを特徴とする超音波
測定装置による距離測定方法である。
〔実施例〕
以下に本発明の距離測定方法を図面に示す実施例に基づ
いて更に詳細に説明すると次の通りである。
第2図は本発明の距離測定方法を適用してなる超音波測
定装置10の全体を示す正面図、第3図は同平面図であ
る。同図に示す如く、この装置10は、固定支柱11と、該
固定支柱11に対して昇降自在に取り付けられた可動支柱
12とを有している。可動支柱12には、昇降自在に取り付
けられた探触子保持アーム(以下、昇降アームという)
13と、固定された探触子保持アーム(以下、固定アーム
という)14が取り付けられている。これらのアーム13及
び14には、第4図に示す如く、測定用の探触子15,16及
び音速補正用の探触子17,18が取り付けられている。
次に、この第4図のX−X線断面図である第5図及び同
Y−Y線拡大断面図である第6図を参照して測定用探触
子15,16と音速補正用の探触子17,18について説明す
る。なお、測定用探触子15と16の構成及び音速補正用の
探触子17と18の構成並びに昇降アーム13と固定アーム14
の内部構造は、それぞれ同一構成であるので、ここでは
測定用探触子15と音速補正用の探触子17の構成並びに昇
降アーム13の内部構造についてだけ説明する。
第5図に示すように、昇降アーム13の内部は空洞であ
り、カップリング水の通水経路19となっている。測定用
の探触子15は、該通水経路19と連通状に取り付けられて
いる。通水経路19からケース20の環状通路21へ進入した
カップリング水は、噴出口22を通って被検材23(第1図
及び第2図参照)へ噴出され、振動子15a と被検材23と
の間のカップリングをする。また第6図に示すように、
音速補正用の探触子17は、振動子17a の先端が通水経路
19に配置されている。そして、通水経路19内における振
動子17a の前方には、二段ターゲット24が取り付けられ
ている。この二段ターゲット24は、振動子17a からの距
離が異なる2つの段部(第7図の32,33)を有し、両段
部の境界を前記振動子17a から発振される超音波の中心
軸に一致させてある。
ところで、第2図及び第3図において、25はロット変え
に際し、探触子間距離L(第1図参照)を設定するため
の試験片26の準備装置である。該準備装置25は、検被材
23の搬送方向と直交する方向から測定用探触子15,16の
間へ進退自在な移動台27を有し、該移動台27はベッド28
上のレール29に載置されている。なお、同図において、
30は可動支柱12の駆動用モータ,31は昇降アーム13の駆
動用モータである。
次の上述の如く構成された超音波測定装置10の動作態様
を説明する。
超音波は特に水温等により伝播速度が大きく影響される
という性質があり、正確な測定を行うためにはカップリ
ング水中における音速を求めることが必要である。本装
置10では、第7図に示す如く、音速補正用の探触子17,
18から二段ターゲット24へ超音波を発振し、段部32,33
の反射エコーを検知することで、カップリング水中にお
ける音速を求めるようにしている。すなわち、今、段部
32と段部33間の距離をlとし、第8図に示す如く、段部
32の反射エコーをS,段部33の反射エコーをS,反
射エコーSの検知からSが検知されるまでの時間を
tとすると、カップリング水中における音速Tは、次式
により求めることが可能である。
これは音速補正用の探触子17,18でそれぞれについて求
められる。つまり、測定用の探触子15,16の測定精度の
向上を実現するため、昇降アーム13,固定アーム14内を
流れるカップリング水中における音速Tを個々に求める
ようにしている。
第1図は、本装置10における音速補正原理を示す信号処
理回路のブロック図であり、発振器34,プリアンプ35,
ゲート回路36,t/A変換回路37及び音速演算器38で補
正用信号処理回路を、また発振器39,プリアンプ40,ゲ
ート回路41,t/A変換回路42,A/D変換器43及び演
算装置44で測定用信号処理回路を夫々構成している。
次に、この第1図を参照して本装置10での音速補正の信
号処理について説明する。尚、本装置10では昇降アーム
13,固定アーム14のそれぞれについて信号処理されるの
で、ここでは昇降アーム13側に基づいて説明することに
する。先ず、発振器34の高圧パルスによって音速補正用
の探触子17から発振された超音波は、二段ターゲット24
で反射され、同一探触子17で反射エコーS,Sが検
知される。そして、電気信号に変換される。
この信号は、プリアンプ35によって増幅され、ゲート回
路36へ入力される。ゲート回路36は、前記Sの検知か
らSの検知までの時間に相当するタイムゲートtを発
生させる。このタイムゲートtは、t/A変換回路37で
アナログ電圧Aに変換され、次の音速演算器38で、前記
(2)式に基づいてカップリング水中における音速演算が
行われる。そして、求められた音速Tは、基準音速T
と比較され、基準音速Tに対する比率kが求められ、
測定用信号処理回路のt/A変換回路42に出力される。
上述の比率kを求める音速設定は、測定用探触子15,16
で被検材23の外径測定を行っている間は行われない。外
径測定前又は前後して行なわれる外径測定と外径測定と
の間で行われ、各被検材23の有無をフォトセンサー等で
検知することにより容易に実現することが可能である。
被検材23が長時間にわたって装入される機会のない場合
は、音速設定は所定のタイマー回路により一定時間ごと
に更新されるようになっている。
一方、外径測定工程での測定用探触子15側にあっては、
発振器39の高圧パルスによって探触子15から発振された
超音波の被検材23表面からの反射エコーが検知される。
そして、被検材23の表面からの反射エコーの信号がプリ
アンプ40にて増幅され、超音波発振時から反射エコー検
知時までの間に相当するタイムゲートt′がゲート回路
41で形成される。このタイムゲートt′は、t/A変換
回路42で予め設定した基準音速Tによって測定用探触
子15から被検材23の表面までの距離に相当するアナログ
電圧に変換される。
t/T変換回路42では、更に前記測定用探触子15から被
検材23の表面までの距離に相当するアナログ電圧に、前
記音速演算器38から入力される音速設定データ(比率
k)か乗算されて補正される。補正されたアナログ電圧
A′は、次のA/D変換器43に入力され、測定用探触子
15と被検材23との間の水距離Wとしてデジタル信号化
される。上述の信号処理は、固定アーム14側でも同様に
行われ、測定用探触子16と、被検材23との間の水距離W
が求められる。そして、これらの信号W,Wは、
外径演算装置44に入力され、前述した(1)式に基づいて
被検材23の外径Dが演算される。
このようにして求められた被検材23の外径Dは、カップ
リング水中における正確な音速に基づいて演算されたも
のであり、高精度のものである。
なお、上述の実施例は被検材23の外径測定の場合のみを
説明したが、本発明は超音波を利用した内径測定及び肉
厚測定等の装置へも適用できることは当然である。また
同一の外径測定装置を用いて内径,肉厚の測定をも行う
ことは周知であり、このような装置への適用も可能であ
る。本発明が上述の実施例装置に限定されるものではな
く、適宜の変更が可能であることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明にあっては、各被検材につい
て逐次カップリング水中における音速を求めて外径測定
を行っており、高精度の測定が可能である。また音速補
正に際しては、二段ターゲットを使用しており、従来の
ように音速補正用の探触子とターゲットとの距離を測定
用探触子と試験片との間の水距離に設定する必要がな
い。またこの設定は、極めて高精度が要求され、多大の
時間と労力を要するが、本発明にあっては、このような
煩雑な作業が全て不要である。
更に二段ターゲットの境界部が音速補正用探触子から発
振される超音波の中心軸に一致するように配置したか
ら、発振される超音波はそのエネルギー密度の最も高い
中心軸でほぼ2分割されて2つの段部から反射するた
め、大きな反射エコーを常に得ることできて、確実に補
正用の信号を得ることができる。
更にまたカップリング水中における音速を、測定用信号
処理回路とは別に設けた補正用信号処理回路中で求めて
おり、測定用信号処理回路における設定と補正用信号処
理回路における設定とを格別に行うことができる。その
ため、例えば、ロット替え(被検材の寸法替わり)によ
り測定用探触子と被検材との距離が変わると、測定用信
号処理回路のプリアンプの増幅率を最適に調整する必要
があるが、このプリアンプの増幅率を調整しても補正用
信号処理回路には影響を及ぼさないため、補正用信号処
理回路のプリアンプは、常に最適な増幅率を維持し、ま
た音速補正用の探触子と二段ターゲットとの間で多重反
射する反射エコーは、測定用信号処理回路に影響しな
い。
しかも、音速補正用として多重反射する超音波の1回目
の反射エコーのみを用いるように、補正用信号処理回路
のゲート回路を調整しても、測定用信号処理回路には影
響を及ぼさないため、測定用信号処理回路のゲート回路
は、測定に最適な設定を維持することができる。
要するに、高効率及び高精度の音速補正が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は本発明に係るものであり、第1図は
信号処理回路を示すブロック図、第2図は実施例装置の
全体を示す正面図、第3図は同平面図、第4図は昇降ア
ーム及び固定アームの拡大正面図、第5図は第4図のX
−X線断面図、第6図は第4図のY−Y線拡大断面図、
第7図は音速補正要領を説明するための探触子と二段タ
ーゲットを示す図面、第8図は音速補正用探触子のタイ
ムチャート、第9図は超音波を利用したこの種測定装置
の基本原理を説明するための探触子と被検材の関係を示
す図面である。 23……被検材、10……超音波測定装置 15……測定用の探触子、16……測定用の探触子 17……音速補正用の探触子 18……音速補正用の探触子 19……通水経路、24……二段ターゲット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波をカップリング水を介して被検材に
    発振しまた被検材からの反射エコーを受信する測定用探
    触子と、該測定用探触子の超音波発振時から被検材の表
    面の反射エコー検知時までの時間及び予め設定した基準
    音速によって前記測定用探触子から被検材の表面までの
    距離を求める時間/電圧変換回路を備えた測定用信号処
    理回路とを有する超音波測定装置により測定用探触子か
    ら被検材の表面までの距離を測定するに際し、測定用探
    触子に近接したカップリング水の通水系路途中に音速補
    正用の探触子を配置すると共に、該音速補正用の探触子
    の前方に該音速補正用の探触子からの距離が異なる2つ
    の段部を有する二段ターゲットをその境界部が前記音速
    補正用の探触子から発振される超音波の中心軸に一致す
    るように配置し、前記音速補正用の探触子で前記二段タ
    ーゲットの2つの段部からの反射エコーを検知してその
    時間差を求めるとともに該時間差と予め設定した二段タ
    ーゲットの2つの段部間の距離とからカップリング水中
    における音速を前記測定用信号処理回路とは別に設けた
    補正用信号所理回路中で求め、予め入力された基準音速
    に対する前記カップリング水中における音速の比率を前
    記測定用信号処理回路の時間/電圧変換回路に入力させ
    て前記時間/電圧変換回路で求めた前記測定用探触子か
    ら被検材の表面までの距離に乗算することを特徴とする
    超音波測定装置による距離測定方法。
JP59226437A 1984-10-26 1984-10-26 超音波測定装置による距離測定方法 Expired - Lifetime JPH0627804B2 (ja)

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