JPH06277657A - 排水中の油分の除去方法 - Google Patents

排水中の油分の除去方法

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JPH06277657A JP1992994A JP1992994A JPH06277657A JP H06277657 A JPH06277657 A JP H06277657A JP 1992994 A JP1992994 A JP 1992994A JP 1992994 A JP1992994 A JP 1992994A JP H06277657 A JPH06277657 A JP H06277657A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 厨房排水等、油分(ノルマルヘキサン抽出
物)を含有する排水のグリストラップでの油分の除去を
容易且つ確実に行い、悪臭の発生防止や良好な排水処理
を行う。 【構成】 グリストラップ等の排水処理槽において、油
水分離室の壁面や上部等にオイル吸着体を装着するとと
もに、油水分離室或いはその上流側にサポニン含有剤を
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厨房排水や食品加工工
場等の含油排水中の油分を除去する新規な方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ホテル、レストラン、大規模食堂、旅
館、ゴルフ場、サービスエリア等の厨房排水中には、か
なりの量の油分(ノルマルヘキサン抽出物)が含まれて
いる。これらの厨房排水や小規模な食品加工工場等の含
油排水は、以前はそのまま放流されることもあったが現
在では規制が厳しくなり(動植物油:30ppm 、鉱物
油:5ppm )、最低でもグリストラップ(グリス阻集
器)や夾雑物を分離する滞留装置などの設置が義務付け
られるようになってきている。
【0003】そして、グリストラップに溜まった油分は
バキュームによる吸引か手作業によって定期的に除去・
清掃することになっているが、専門知識をもった人材も
いないし付着或いは滞留した油分が酸化・腐敗して強烈
な悪臭を発するため、作業員に大きな負担をかけるとと
もに十分な手入れがなされず、油分が排水とともにその
まま放出されて排水管を目詰まりさせるとか河川を汚染
するなど、グリストラップとして所期の目的を達してい
ないのが現状である。
【0004】また、厨房排水の特徴として排水の排出量
に時間的なムラがありしかも装置の容量が比較的小さい
ため、昼間は排水が沈澱処理も殆どなされぬままそのま
ま排出され、夜間は逆に長時間滞留するため早朝には悪
臭が客席にまで漂う等の難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、油分(ノル
マルヘキサン抽出物)については本格的な生物処理施設
でも完全な処理が難しく、処理時間を長くしたり処理槽
を大きくするなどで対処しているのが現状であり、簡易
な厨房排水処理装置などでは油分の分解処理はまず不可
能である。しかし、グリストラップ内に付着或いは滞留
している油分さえ十分に除去できればグリストラップと
しての役目は果たせるし、従業員や客を悩ます悪臭も軽
減される。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような現状に鑑
み、本発明者は鋭意研究の結果本発明方法を完成させた
ものであり、その特徴とするところは、排水を受水する
槽の油水分離室にオイル吸着体を設置し、且つ油水分離
室或いはその上流側に位置する受水室にサポニン含有剤
を供給する点にある。
【0007】ここで、本発明が対象とする排水とは、ホ
テルやレストラン、大規模食堂、旅館、ゴルフ場、サー
ビスエリア等数十〜数百人規模の食事を賄う施設の厨房
排水の他、小規模な食品加工工場から排出される含油排
水、更には下水設備のない地域での各家庭からの雑排水
も含まれる。これらの排水は量が比較的少ないが排出源
は極めて多く、トータル排水量中に含まれる油分(主と
して動植物油であるが)の量は無視できないものであ
る。
【0008】従って、本発明で言う槽には、単独のグリ
ストラップや排水の分離・沈澱・滞留処理と併用するグ
リストラップのほかに、雑排水処理槽などにおいて油分
の浮上分離ができる部分を備えたものなども含まれる。
そして、油分の分離ができる部分を油水分離室と定義
し、ここにオイル吸着体を着脱自在に装着する。なお、
これらの槽は従来のものがあれば、オイル吸着体を装着
する部分等の改良を加えて或いは加えずに、そのまま使
用することもできる。尚、槽の大きさは油分の含有量に
もよるが、グリストラップ単独の場合100食/1日の
施設で200〜250l程度もあればよい。また、油水
分離室はその半分〜2/3程度の容量でよい。
【0009】また本発明の槽には、排水を受け入れる為
の受水室、処理済の排水を溜めて排出する処理水室を設
ける。受水室には、野菜屑その他の夾雑物を分離するた
めの受カゴを設置できるようにし、この受カゴを定期的
(毎日〜数日に1回程度)に取り出して内容物を廃棄し
て清掃できる構造のものが好ましい。排水は、この受水
室から油水分離室へ送られ、ここで油分を浮上分離し、
水は隔壁下部の通路から処理水室へ流入し、装置外へ排
出される。小型なものでは、受水室と油水分離室を兼用
さすとか処理水室が油水分離室を兼ねる等2室タイプの
ものもあるが、本発明ではこれらも使用できる。
【0010】オイル吸着体としては、パルプやポリプロ
ピレン、その他油分の吸着性に優れ水をあまり吸着しな
い材質のものを紙状、わた状或いは不織布状等にしたオ
イル吸着シートや、これらを布や紙、不織布、ネット製
などの袋に詰めたオイル吸着パッドなどが使用できる。
パルプやポリプロピレンの代わりに、繊維状活性炭、も
みがら活性炭、やしがら活性炭、等の各種の活性炭や木
屑(鋸屑)等の繊維状物、消石灰や砂等の粒状鉱物な
ど、油を吸着する性質のものであれば使用できる。もっ
とも、鉱物質のものは比重が重いので、水面近くに吊る
しておく必要がある。繊維状活性炭の吸油性は特に優れ
ている。これらのオイル吸着体は、シートの場合は数〜
十数cmの厚みに重ねてパッドの場合は1〜数個重ねて、
そのままの状態で或いは網カゴ等に挿入するなどして、
油水分離室の所定の位置に装着する。オイル吸着体は、
分離された油分が浮上して溜まる所、例えば油水分離室
の上部で水面の下方とか、壁部、特に処理水室との隔壁
に沿った部分、又は油水分離室の下方通路部等に装着す
る。即ち、装着位置は、油水分離室内であればどこでも
よいということである。また、油分の分離をする部分を
油水分離室としているため、通常の油水分離室以外の受
水室等の部分でも油水分離すればそこも油水分離室と考
えられるため、その部分にもオイル吸着体を装着しても
よい。よって、オイル吸着体が複数装着箇所に装着され
ることがある。
【0011】また、処理水室への通路までもオイル吸着
体で覆うと油水分離は完全に行なえるしSS分の除去も
行なえるが、大量の排水が来た場合のオーバーフロー等
の問題もあり、槽の容量との兼ね合いで検討するとよ
い。更に、3室タイプの場合でも処理しきれなかった油
分が処理水室に浮くことがある。この場合には処理水室
にもオイル吸着体を装着するとよい。油分を吸着したオ
イル吸着体は、適宜新たなものと交換して焼却や廃棄処
分にする。パルプその他天然素材のものは、焼却処分が
簡単に行えるため、より好ましいものである。尚、交換
時期は、施設の規模や料理内容、排水処理装置の槽の容
量などによって一定ではなく、実験を繰り返して過不足
のない期間を決定するとよい。
【0012】但し、単にオイル吸着体を装着しただけで
は十分な目的を達成しない。この場合、油分はオイル吸
着体に吸着されるが油水分離室の壁面等にも一部付着し
てオイル吸着体の交換をしにくくするし、これらの油分
が酸化・腐敗して悪臭を放つことに変わりはないからで
ある。本発明のもう一つの要件は、オイル吸着体と共に
サポニン含有剤を排水中に添加することである。このサ
ポニンによって、油分の壁面等への付着や悪臭の発生が
防止され、快適な処理環境が提供される。
【0013】ここにサポニンとは、植物体に含有される
配糖体の一種で、セッケンのように著しくアワ立つコロ
イド水溶液を作るものの総称であり、多くの植物から見
出されている。本発明では用いるサポニンの種類は問わ
ないが、コストや安定供給の点から、植物体中の含有量
が多く且つその植物が大量に存在し安定して入手できる
ものが好ましい。この観点から、キラヤサポニンやユッ
カ、なぎいかだ、大豆等から得られるサポニンが好まし
い。この内特に、南米のチリー、ボリビア、ペルー等に
自生するシャボンの木(学名:Quilaia saponaria Mol.
バラ科)から抽出したキラヤサポニンが好適である。こ
れは、化1の構造を有するキラヤ酸をアグリコン(配糖
体の非糖質部分)とするトリテルペン系の配糖体であり
化2で表わされもので、構造及び分析技術が解明されて
いる数少ないサポニンであるし、比較的サポニン含有濃
度の高い抽出液が得られることによる。
【化1】
【化2】
【0014】サポニン含有剤は、植物体から抽出した抽
出液(溶媒を含む)をそのまま用いてもよく、それを精
製したもの自体でもよい。抽出の方法は通常の方法でよ
く、エタノール等の低級アルコール等で抽出できる。更
に、精製物や抽出液を粉状、顆粒状、又は錠剤に加工し
たものも用いられる。
【0015】ところで、本発明者はサポニンが汚水の生
物学的処理工程に有効であることを見出したが、これは
サポニンが配糖体であるため微生物の栄養分となり、酸
素含有量が多いこととあいまって微生物の繁殖を助ける
結果、処理効率が向上するものと推察されている。そこ
で、本発明者は本発明においても油水分離室にサポニン
含有剤を供給してその状況を数週間にわって観察したと
ころ、油分はオイル吸着体に綺麗に吸着されて壁面への
付着が見られず、しかも悪臭が大幅に減少する現象が見
られた。これは、サポニンが界面活性作用を有するため
処理水の表面張力が減少するとともに、油分の分解を促
進した結果と考えられる。しかも、夜間から朝方にかけ
て槽内で停滞している排水中のBODやCOD、SS成
分がそれ以前に比べてかなりの減少を見た。
【0016】サポニン含有剤の添加量は、排水中の油分
の濃度によって異なるが、通常は、排水に対して精製物
換算で0.01〜1.0 ppm 程度である。添加する方法は、液
の場合には定量ポンプで常時滴下する方法がよく、顆粒
等では2〜3回に分けて1日分を添加するのがよい。こ
れらの方法は、ホテルなどの大規模な施設では可能であ
るが、一般の家庭や小規模な外食産業等の施設では専任
の担当者がいるわけではなく、ポンプの手入れや濃度管
理等にはなかなか手が回らないのが実情である。しか
も、サポニンの濃度が低下すると処理能力が低下して効
果が減少するし、必要以上に高くするとコスト増を招き
好ましくない。
【0017】このような場合には、サポニン含有剤を徐
放性の固形剤とし、これを油水分離室や受水室に適宜個
数投入したり、オイル吸着体中に収納しておくようにす
るとよい。徐放性の固形剤としては、例えば水中で徐々
に溶解するワックス等の基剤とサポニンの抽出液や精製
物を混合して固形化したものなどが考えられる。これ
を、固形剤の溶解の程度を勘案して適宜の日数をおいて
適宜個数を投入すると、手間もかからず適切なサポニン
濃度の保持が容易に行なえる利点がある。
【0018】更に、油水分離室には、油分の浮上や乳化
を助けたり油分を幾分か分解する微生物の繁殖のため
に、空気を吹き込む機構を組み込んでもよい。微生物に
は細菌や糸状菌、放線菌等がありグリストラップに使用
できるものであれば種類は問わない。尚、これらの細菌
が自然発生しないようであれば、別途培養したものを積
極的に導入するようにしてもよい。
【0019】
【実施例】
(実施例 1)次に、本発明方法を実際の厨房排水用グ
リストラップ装置において実施した結果を説明する。図
1は、本発明方法を実施するためのグリストラップの一
例を示す概略縦断面図である。図において、厨房からの
排水Aは流入口2を通ってグリストラップ1の受水室3
に導入され、ここで野菜屑等が受カゴ4で分離される。
次いで、排水は順次油水分離室5に到り、ここで水中の
油分が分離浮上して、油水分離室5の上部に装着されて
いるオイル吸着体6に吸着される。尚、オイル吸着体6
はシート状の吸油紙(株式会社ノウバ製「油スイパ
ー」)を12枚を重ねて網カゴ7内に挿入支持したもの
である。油水分離室5で油分を分離された処理水Bは、
隔壁8の下方の通路9を通って処理水室10に送られ、
排出口11からグリストラップ1の外に排出される。
尚、オイル吸着体6は図の鎖線で示すように、隔壁8に
沿って縦方向に装着するようにしてもよい。更に必要な
らば、処理水室10の水面(WL)近傍にもオイル吸着
体6を装着してもよい。また、図示は省略するが、油水
分離室5の下部に曝気装置を組み込んでもよい。
【0020】図示の構造のグリストラップにおいて、オ
イル吸着体装着前と装着後での処理水を分析した結果は
以下の通りとなった。尚、実験に供した施設のグリスト
ラップ容量は 200l、この内油水分離室の容量は 100l
であった。また、設計排水量は60l/食・日として 100
人で 6,000l/日、操業は10時間/日である。
【0021】このような状況下で、オイル吸着体6を装
着する前の水質は、採取時刻の違いによって下記のよう
な変動を示した。(分析は全て、厚生省・建設省令第1
号、及びJIS K 0102に準拠して行なった。) (採取日:平成4年10月30日 場所:神戸市内のファミリーレストラン) am6:30 9:30 12:30 (排出基準値) BOD: 540mg/l 230mg/l 110mg/l(600以下) COD: 240mg/l 190mg/l 98mg/l S S: 160mg/l 76mg/l 6.3mg/l pH : 5.2 6.9 6.8 油分 :1200mg/l − − ( 30以下) (油分:ノルマルヘキサン抽出物)
【0022】このような結果をきたしたのは、6:30
には前日の閉店後の洗い物その他の汚水がグリストラッ
プ内に溜まっており、BOD、SSが特に高くなってい
るものと思われる。BODの場合、排出基準はなんとか
クリアしているが上乗せ基準である300mg/lは超過
している。また、油分濃度も極めて高く排出基準値を遙
かに越えている。尚、ノルマルヘキサン抽出物の上乗せ
基準は10mg/lである。9:30から12:30にか
けてBODとSSが低くなっているのは、新たにかなり
の量の洗浄水が流入した結果、グリストラップ内の汚水
が飽和されて流出したためと思われる。
【0023】次に、11月8日に、このグリストラップ
にオイル吸着体として吸油紙を12枚重ねて組み込み、
サポニン含有固形剤Tを2個(1個は吸油紙に介装)投
入してそのまま通常通りの操業を行い、11月24日に
処理水を採取し、上記と同様に分析した。その結果を以
下に示す。尚、サポニン含有固形剤Tは1個が40g
で、精製サポニンとして2gを含有している。 pm11:30 BOD: 1100mg/l COD: 700mg/l S S: 480mg/l pH : 4.9 (20℃) 油分 : 54mg/l 約2週間経過で吸油紙は油を十分に吸着しており、グリ
ストラップ内の油分濃度は非常に低くなっている。た
だ、BOD等の数値が高くなっている。これは、油分分
解物質のためと思われる。
【0024】更に、同日(11月24日)吸油紙を交換
し、サポニン含有固形剤Tを2個余分に投入して処理を
続行した。その結果、12月1日の早朝には、下記のよ
うにグリストラップとしは極めて良好な分析結果(特に
ノルマルヘキサン抽出物)が得られた。また、処理水室
9の壁面の付着物(油層)の減少がみられたし、油水分
離室5においても、オイル吸着体6の着脱による油分の
除去が行い易くなった。更に、グリストラップから発生
する臭気は大幅に減少し、客席や調理場等への影響は殆
ど皆無となった。 am6:30 BOD: 240mg/l COD: 79mg/l S S: 96mg/l pH : 5.9(20℃) 油分 : 17mg/l
【0025】(実施例 2)吹田市江坂のファミリーレ
ストランの3室式グリストラップ(容量180l、油水
分離室容量105l)について、平成4年11月17日から
11月30日までの間、処理水の分析と臭気成分の分析を行
った。まず、グリストラップを清掃後、油水分離室と処
理水室内部にオイル吸着体として綿状木樹脂粉砕吸着材
を布袋に収納したオイル吸着パッド(厚み10cm)を装
着し、更にサポニン含有固形剤を6錠(実施例1と同じ
物)を入れ、13日後、17日後、23日後のグリスト
ラップ通過水と臭気成分(ppm )の分析を行った。ま
た、オイル吸着体を引上げ、表面及び内部の分析を行っ
た。
【0026】その結果、各測定値は以下のようになっ
た。 試 料 名 原水 処理水 処理水 処理水 (11.7) (11.20) (11.24) (11.30) pH 6.6 4.7 4.0 7.5 油分(mg/l) 1900 470 70 2 硫化水素(ppm) 0.42 0.05 0.004 ND メチルメルカプタン 0.59 0.44 ND ND トリメチルアミン 0.1 0.09 0.09 0.09 この結果から、23日後には、トリメチルアミンを除き
略100%の除去率になっていることが判る。尚、12月
8日にオイル吸着体を引上げ、その表面の油分を測定し
たら49g/kg、内部には19g/kgも吸着されてい
た。
【0027】(実施例 3)京都市の雑居ビル(2軒の
料理店を含む)に設けられているグリストラップで、オ
イル吸着体のみとオイル吸着体とササポニン含有剤の併
用の効果の違いを見る実験を行った。ここのグリストラ
ップは2室式(油水分離室と処理水室が同じ)のもの
で、竣工後2年経過しているがその間手入れされておら
ず、周囲に腐敗臭が漂い、グリストラップ上部にはスカ
ムが形成されていた。平成5年4月5日に実施例1のオ
イル吸着体を油水分離室に装着、同16日オイル吸着体
の交換と固形サポニン含有剤投入(受水室と油水分離室
に各2個)を行ない、同25日まで約5日毎に処理水と
臭気の分析を行った。
【0028】その結果、下記のように、オイル吸着体単
独よりもオイル吸着体とサポニン含有剤を組み合わせた
場合により大きな処理効果が見られた。 SSについて 原水 363 mg/l (4/5) 吸油紙のみ 518 mg/l (4/10) 〃 408 mg/l (4/16) 吸油紙とサポニン 56.2 mg/l (4/20) 〃 96.0 mg/l (4/25) 二者併用の場合、激減している。 COD、BODについて COD BOD 原水 264 mg/l 393 mg/l (4/5) 吸油紙のみ 336 mg/l 439 mg/l (4/10) 〃 275 mg/l 377 mg/l (4/16) 吸油紙とサポニン 56.2 mg/l 132 mg/l (4/20) 〃 48.2 mg/l 235 mg/l (4/25) SSの場合と同様に、二者併用で値が激減している。 油分について 原水 65.2 mg/l (4/5) 吸油紙のみ 73.9 mg/l (4/10) 〃 46.9 mg/l (4/16) 吸油紙とサポニン24,62 mg/l (4/20) 〃 54.00 mg/l (4/25) オイル吸着体単独よりも、二者併用では67%も除去率
が向上している。 オイル吸着体に吸着した油分は食用油であり、最初に
装着したオイル吸着体(4/16測定)が33.5gであるの
に対し、2回目に装着してサポニン含有剤を併用したオ
イル吸着体(4/25測定)が65.0gとなっており、サポ
ニン含有剤の併用で吸油量が約1.8倍増えたことにな
る。 臭気について 4月5日と25日との濃度の違いから除去率を求める
と、硫化水素が18.6%、メチルメルカプタンで37.5
%となった。オイル吸着体とサポニン含有剤との併用で
効果があったものと思われる。
【0029】このような結果が生じたのは、オイル吸着
体6に吸着されずに壁面その他槽内に付着した油分や水
中に分散されている油分の多くは、サポニンさらには細
菌の作用で分解や乳化作用を受けて水に溶解するように
なったことによると推察される。従って、油水分離室5
から隔壁8の下方の通路9を通って処理水室10に送ら
れた処理水B中には殆ど油分が含まれておらず、ほぼ完
全(約95%)に油分を分離除去した状態で排出口11
からグリストラップ1の外に排出される結果となった。
また、オイル吸着体6に吸着された油分の一部も分解や
乳化作用を受け、オイル吸着体の交換時にもベトつきが
少なく作業が手軽に行なえる。しかも、油分の酸化や腐
敗が抑制される結果、悪臭も大幅に減少するものと思わ
れる。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明は、オイル
吸着体とサポニンの相乗効果により、次のような大きな
効果を生じる。 グリストラップの清掃管理が簡単になるし、オイル吸
着体の処理処分も容易に行なえる。 平常時はもとより、清掃時にもあまり悪臭を感じず、
環境を良好にする。 排出中のノルマルヘキサン抽出物が予想以上に減少
し、排水管の詰まり等を防止する。 BODその他の測定値も低下し、排出する排水の水質
が良好になる。 普通規模の厨房排水処理では、オイル吸着体の交換や
サポニン含有剤(特に固形剤の場合)の追加は月に2回
程度でよく、手間やコストがあまりかからず、費用対効
果は極めて良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのグリストラップの
一例を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 グリストラップ 2 流入口 3 受水室 4 受カゴ 5 油水分離室 6 オイル吸着体 7 網カゴ 8 隔壁 9 通路 10 処理水室 11 排出口 A 排水 B 処理水 T サポニン含有固形剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水を受水する槽の油水分離室にオイル
    吸着体を装着するとともに、油水分離室或いはその上流
    側に位置する受水室にサポニン含有剤を供給することを
    特徴とする排水中の油分の除去方法。
  2. 【請求項2】 サポニン含有剤として徐放性の固形剤を
    用い、このサポニン固形剤をオイル吸着体内に装着する
    か、或いは油水分離室や受水室に投入しておくものであ
    る請求項1記載の排水中の油分の除去方法。
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