JP2000179023A - 循環式水洗トイレ及びその水の循環浄化方法 - Google Patents

循環式水洗トイレ及びその水の循環浄化方法

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JP2000179023A
JP2000179023A JP10357661A JP35766198A JP2000179023A JP 2000179023 A JP2000179023 A JP 2000179023A JP 10357661 A JP10357661 A JP 10357661A JP 35766198 A JP35766198 A JP 35766198A JP 2000179023 A JP2000179023 A JP 2000179023A
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tank
flush toilet
circulating
charcoal
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Akira Yanagisawa
昭 柳澤
Tatsuo Yamaguchi
達夫 山口
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SANSUI KOGAKU KK
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SANSUI KOGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水道水を使用せずに内部で水を循環させると
共に浄化処理を行うことによって、水の外部への放出を
無くして自然環境の汚染を防止するものである。 【解決手段】 水は、水洗用便器10,分離貯留槽1
2,集水槽28,第一曝気槽34,第二曝気槽40,オ
ゾン槽46,清澄槽50,配水タンク56,水洗用便器
10の順に循環させる。水は原則として重力による自然
落下かオーバーフローによって次の槽に移動するが、途
中のポンプ32,52によって上方に移動させることに
よって循環移動させることができる。水洗用便器10か
らの排泄物を含む水は、分離貯留槽12で形のある排泄
物やゴミを分離する。形のある排泄物等を分離した水は
第一曝気槽34並びに第二曝気槽40で有機汚染物質を
分解すると共に脱色し、オゾン槽46で殺菌及び消臭を
してきれいな水とし、そのきれいな水を清澄槽50及び
配水タンク56を経て水洗用便器10に流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を外部に排出し
ないようにした循環式水洗トイレ及びその水の循環浄化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水洗トイレはトイレの使用毎に大量の水
を使用するものであり、水洗トイレで使用される大量の
水は、排泄物と共に各地域の汚水処理場に集められて浄
化される。汚水処理場では、水は排泄物やゴミと分離さ
れ、その分離された大量の水には種々の浄化槽を経て、
自然環境に放流できる基準値に達する水に浄化される。
日本においては、自然環境に放流できる水のBOD(生
物化学的酸素要求量、Bio Oxgen Demand)の基準値は、
単独浄化槽では90ppm以下であり、合併浄化槽では
60ppm以下となっている。そして、基準値に達した
水は川や海等に放流される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】放流基準を満たした浄
化水を放流するとしても、水洗トイレに使用される水は
大量であり、日本だけでなく世界中で浄化水を放出する
ことを考えると、総量では大量の有機汚染物質が自然環
境に放出されることになり、世界的な環境汚染が進むこ
とは明らかである。また、従来の水洗トイレでは水道水
を使用しているので、地震等の災害時のように水道水が
途絶えた時には、トイレを使用できなくなるという不具
合があった。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、水道水を使用せずに内部で水を循環させると共に浄
化処理を行うことによって、水の外部への放出を無くし
て自然環境の汚染を防止するようにした循環式水洗トイ
レ及びその水の循環浄化方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る循環式水洗トイレは、水洗用便器
と、形のある排泄物やゴミと水とを分離するための分離
貯留槽と、微生物培養素材を内蔵した曝気槽と、オゾン
を内部に導入するオゾン槽と、配水槽とを有し、水洗用
便器と分離貯留槽と曝気槽とオゾン槽と配水槽との順を
経て再び水洗用便器に至る順に、自然落下とオーバーフ
ローとポンプによる上昇移動とによって水を循環させる
ようにしたものである。
【0006】本発明に係る循環式水洗トイレの水の循環
浄化方法は、水を水洗用便器を通過して循環させ、水洗
用便器を通過した後に水から大きな形状の排泄物やゴミ
を分離し、その後微生物によって水に含まれる有機汚染
物質を分解し、その後オゾンによって殺菌と消臭を行
い、その後前記水洗用便器を通過させるようにしたもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係る循環式水洗トイレの一実施
形態を示す概略図である。水洗用便器10は排泄物を分
離貯留するための分離貯留槽12と連絡しており、水洗
用便器10からの水は分離貯留槽12内に導入される。
水洗用便器10は分離貯留槽12より上位に設置され、
水洗用便器10から分離貯留槽12内へは重力によって
水移動するよう設定する。
【0008】分離貯留槽12は、図2に示すように、そ
の内部は隔壁14によって分離領域16と除去領域18
とに区画され、水洗用便器10からの排泄物を含んだ水
は、分離貯留槽12の分離領域16側に導入される。こ
の分離領域16内でし尿やゴミは、比重1の水の上方と
下方に蓄積される。隔壁14において、上方と下方との
中間の適当な高さ位置に連絡穴20が設けられ、この連
絡穴20から水のみが除去領域18内に導入される。即
ち、分離領域16内の上方と下方に排泄物やゴミが蓄積
され、排泄物やゴミは隣の除去領域18には移動しない
ようにする。分離領域16の上下に蓄積された排泄物
は、適当な時期に既知の手段によって分離領域16から
除去する。
【0009】除去領域18は、分離領域16から紛れ込
んだゴミ等を除去するためのもので、除去領域18内
は、ネット22によって、隔壁14側とそれと対向する
外壁24側とに区画される。即ち、ネット22は除去領
域18に入った大きなゴミを除去する。前記除去領域1
8は、外壁24側にオーバーフローした水を外部に排出
するためのパイプ等の連絡通路26を設け、その連絡通
路26を介してオーバーフローした水を集水槽28に導
入する。除去領域18内において連絡通路26との連絡
端にはフィルタ30が備えられ、このフィルタ30によ
って小さなゴミを除去する。なお、集水槽28に導入さ
れる水は、形のある排泄物やゴミを除去した水とする。
この水は、臭いや色の付いた有機汚染物質を含む水であ
る。集水槽28に集められた水は、ポンプ32によって
それより高位にある図1に示す第一曝気槽34に導入さ
れる。
【0010】第一曝気槽34内には、バクテリアを育成
繁殖させるための微生物培養素材を内蔵する。この第一
曝気槽34内へはブロワー36によって曝気用空気を導
入する。第一曝気槽34内には下方が連絡する区画癖3
8が設けられ、第一曝気槽34内に導入された水は、区
画癖38の下方を通過することによって、第一曝気槽3
4内の微生物培養素材即ちバクテリアと充分に接触す
る。第一曝気槽34内を通過した水は、オーバーフロー
によって第二曝気槽40に導入される。第二曝気槽40
内にもバクテリアを育成繁殖させるための微生物培養素
材を内蔵する。この第二曝気槽40内へはブロワー42
によって曝気用空気を導入する。第二曝気槽40内にも
下方が連絡する区画癖44が設けられ、第二曝気槽40
内に導入された水は、区画癖44の下方を通過すること
によって、第二曝気槽40内の微生物培養素材即ちバク
テリアと充分に接触する。
【0011】第一曝気槽34並びに第二曝気槽40内に
は、微生物培養素材にバクテリアが大量に繁殖してお
り、そのバクテリアによって水に含まれる有機汚染物質
を分解する。第一曝気槽34並びに第二曝気槽40を通
過することによって、有機汚染物質を生物的に分解す
る。第一曝気槽34や第二曝気槽40に入れる微生物培
養素材は、従来から種々のものが知られており、どのよ
うな物質を用いても良い。第一曝気槽34内の微生物培
養素材と第二曝気槽40内の微生物培養素材とは、同一
のものでも異なるものでも良いが、異なる方が好まし
い。図1において、第一曝気槽34と第二曝気槽40の
2つの曝気槽を設けたが、それらを併せて1個の曝気槽
としても良い。しかし、1個の曝気槽にした場合には、
水の流れの道が出来てしまい、有機汚染物質の分解が効
率良く行われない場合がある。また、曝気槽を2個以上
の複数個にすることによって、各曝気槽に内蔵する微生
物培養素材を異なるものとすることができ、有機汚染物
質の分解をより促進することが可能となる。なお、第一
曝気槽34か第二曝気槽40の少なくとも一方に、微生
物培養素材の他に脱色作用を行う物質(例えば木炭)を
収納する。
【0012】第二曝気槽40を通過した水は、オーバー
フローによってオゾン槽46に導入される。オゾン槽4
6内には、オゾン発生器48からオゾンが供給される。
オゾンは、曝気槽34,40で水に含まれるようになっ
たバクテリアを殺菌すると共に、消臭を行う。オゾンは
更に、水に有機物が残っている場合があっても化学的に
有機物を分解する。オゾン槽46内で殺菌消臭された水
は、次にオーバーフローによって清澄槽50内に導入さ
れる。水は、第一曝気槽34から第二曝気槽40とオゾ
ン槽46とを経て清澄槽50まで移動するが、それらは
各水槽を順次オーバーフローして次の水槽へ移動するよ
う設定する。あるいは、第一曝気槽34から清澄槽50
までの4つの水槽において、第一曝気槽34を最高位と
し順に低くなって清澄槽50を最低位とするようにして
も良い。
【0013】清澄槽50内に至った水は、図1に示すよ
うにポンプ52によって配水タンク56内に導入する。
即ち、清澄槽50内の水は、それより高位にありしかも
前記水洗用便器10より高位にある配水タンク56に運
ばれる。なお、ポンプ52を用いずに、配水タンク56
を清澄槽50の下位に配置し、清澄槽50から配水タン
ク56にオーバーフローか自然落下によって、水を移動
させても良い。清澄槽50と配水タンク56とを別にし
たが、それらを一つにしても良く、それらを一体にした
ものかそれらのいずれか一つを、浄化水収納槽56とす
る。即ち、浄化水収納槽56は曝気槽34,40とオゾ
ン槽46とを経て、有機汚染物質も臭気も色を含まない
水を収納している水槽のことを示す。配水タンク56内
に供給された水は、配水タンク56内の所定の高さを越
えると、重力によって水洗用便器10に向けて落下す
る。水洗用便器10に落下供給された水は、その後、分
離貯留槽12内に導入される。
【0014】このように、本発明では、水洗用便器1
0,分離貯留槽12,第一曝気槽34,第二曝気槽4
0,オゾン槽46,清澄槽50,配水タンク56,水洗
用便器10の順に、水を常に循環させる。即ち、水は図
1における矢印付き実線に沿った一つの循環系に基づい
て移動する。この水の循環系においては、高い位置から
低い位置へはオーバーフローや重力によって水を移動さ
せる。一方、低い位置から高い位置へは、図1に示すよ
うに2個のポンプ(ポンプ32とポンプ52)によって
水を上昇させる。しかし、この水の循環系においては、
設定環境によっては、1個のポンプだけを使用しても、
3個以上のポンプをしようしても良い。1個のポンプだ
けを使用する場合には、循環経路におけるポンプの設置
位置は特に限定するものではない。1個のポンプを使用
する場合は、前述したように清澄槽50を配水タンク5
6より高位置に配置し、清澄槽50から配水タンク56
へは水をオーバーフローや自然落下させる。これによっ
て、ポンプ52を省略して、ポンプ32のみを使用する
ことができる。この場合には、清澄槽50か配水タンク
56を省略することも可能である。
【0015】本発明による循環式水洗トイレでは、水は
一連の循環系を連続的に循環するので、水を外部に排出
することはない。本発明では、水洗用便器10で投入さ
れた排泄物は、分離貯留槽12で貯留され、所定の期間
ごとに分離貯留槽12からバキューム車等によって除去
する。分離貯留槽12から集水槽28を経て第一曝気槽
34に導入された水には有機汚染物質を含んでいるが、
その有機汚染物質は第一曝気槽34並びに第二曝気槽4
0内のバクテリアによって分解消滅させられる。また、
曝気槽34,40に収納される木炭等によって色も除か
れる。その後、第二曝気槽40からオゾン槽46に導入
された水には、種々のバクテリアを含むと共に臭いも付
いているが、オゾン槽46内のオゾンによって殺菌と消
臭とを行う。この結果、オゾン槽46から清澄槽50
(浄化水収納槽56)に至った水は、有機汚染物質やバ
クテリアや臭いや色を含まないきれいな水となり、その
きれいな水を水洗用便器10の水洗用として使用する。
従って、水洗用便器10にはきれいな水が流れる。
【0016】このように、本発明による循環式水洗トイ
レによれば、水を連続的に循環させて外部に排出しない
ようにしたので、自然環境の汚染を防止することができ
る。本発明は、水を連続的に循環させて、水を殆ど供給
することが無い(後述する)ので、例えば水が貴重な山
小屋や、砂漠地方では特に効果を発揮する。本発明では
また、同じ水を循環させて、塩素を含む水道水を導入す
ることはない(水を最初に導入する際にのみ、塩素を除
去すれば良い)。このため、第一曝気槽34並びに第二
曝気槽40内の微生物培養素材において、有機汚染物質
を分解させるバクテリアを大量に繁殖させることができ
る。
【0017】本発明による循環式水洗トイレでは、排泄
物が徐々に増加して分離貯留槽12に蓄積し、その蓄積
分だけ循環系には水が余剰となる。このため、浄化水収
納槽56(清澄槽50)において、清澄槽50の内部の
水の水位が所定以上になった時に水をオーバーフローさ
せ、そのオーバーフローした水を蒸発ろ過器58に導入
するように設定する。蒸発ろ過器58へ導入する水は、
オゾン槽46を経由した後であって水洗用便器10に至
る前のきれいで形のあるゴミ等を含まないものとする。
【0018】次に、蒸発ろ過器58の一例を図3に示
す。蒸発ろ過器58において、その外表面は底側に水を
溜めるための底受部60と、側面と上面とにそれぞれ多
数の穴62を形成したハウジングとしてのパンチングボ
ード64とから構成する。底受部60には、前記集水槽
28に水を戻すための第一パイプ66と、オーバーフロ
ーする水を貯水槽68(図1)に排出するための第二パ
イプ70とが連結されている。蒸発ろ過器58の上面の
パンチングボード64には、清澄槽50からオーバーフ
ローする水を蒸発ろ過器58内に導入する導入パイプ7
2が連結されている。その導入パイプ72の途中には、
そこを通って蒸発ろ過器58内へ流れる水の流量を調整
するバルブ74が備えられている。この蒸発ろ過器58
は、太陽光線が当たる場所に設置し、穴62を通って太
陽光線を蒸発ろ過器58の内部に当てるようにすると共
に、穴62を通って風を蒸発ろ過器58の内部に通過さ
せる。この蒸発ろ過器58は、一般には屋外に設置し、
ある程度雨がかかっても良い。
【0019】蒸発ろ過器58の内部には、図3に示すよ
うに、上下に間隔を開けて複数個の支持板76が水平に
設置される。各支持板76には水を下方へ落下させるた
めめの多数の穴(図示せず)が形成されている。各支持
板76の上には、木材チップと木炭と浄化石から成るろ
材78を敷き詰める。このろ材78は、微生物培養素材
である。浄化石は、ミネラルを含んだ多孔質を有するも
のである。ろ材78を構成する木材チップと木炭と浄化
石との重量比は、理想的としては、木材チップが27%
〜38%、木炭が28%〜56%、浄化石が13%〜3
9%である。木材チップと木炭と浄化石は、その理想の
重量比においてろ過効果が大であり、その範囲を逸脱す
るとろ過効果がやや落ちるきらいがある。ろ材78を敷
き詰めた状態においては、ある支持板76のろ材78の
上面と、その上方にある支持板76の底面との間には空
間80を設けるようにする。
【0020】次に、この蒸発ろ過器58の働きについて
説明する。上部から蒸発ろ過器58の内部に導入される
水は、水滴状態にして一番上の支持板76の上のろ材7
8から順次下のろ材78に滴下させる。この蒸発ろ過器
58には多数の穴が形成されており、蒸発ろ過器58に
導入される空気と日光によって、表面面積の大きい水滴
の殆どは底受部60に至る前に蒸発する。しかし、蒸発
ろ過器58内への水の導入量や日光の照射量や外気温度
や湿度等により、水の一部は複数層のろ材78を経てろ
過されて底受部60に溜る。
【0021】ろ材78には太陽光線が差し込むので、ろ
材78の内部には大量でしかもおびただしい種類のバク
テリアが繁殖する。蒸発ろ過器58に導入される水は元
来浄化された水であるが、ろ材78を通過することによ
って、更に良好にろ過される。仮に、雨水がある程度入
っても、その雨水もろ材78によって良好にろ過され
る。蒸発ろ過器58を経た水は充分にろ過されたもので
あり、BODは5ppm以下となる。蒸発ろ過器58に
よって蒸発せずにろ過された水は、集水槽28に戻され
るか、循環系とは別の貯水槽68に導入される。集水槽
28に戻された水は、循環系の水として使用される。貯
水槽68に導入される水は、きれいな水として使用する
ことができる。ここで、図1において、蒸発ろ過器58
へ導入する水の経路と、蒸発ろ過器58から排出される
水の経路を、矢印付きの一点鎖線で示す。この一点鎖線
で示す経路は、実線で示す循環経路とは異なるものであ
る。
【0022】次に、他の蒸発ろ過器を図4に示す。図4
において図3と同一符号は同一部材を示す。蒸発ろ過器
82は、地中に埋設される場合もある。蒸発ろ過器82
は内部に複数層のろ材78と複数層空間80を設け、蒸
発ろ過器82のハウジング84には穴を形成しないもの
を用いる。蒸発ろ過器82の上部に水導入パイプ86を
連絡し、蒸発ろ過器82の下部に水排出パイプ88を連
絡し、水導入パイプ86から導入した水を、複数層のろ
材78を経由して水排出パイプ88から取り出す。ま
た、蒸発ろ過器82の上部に空気導入パイプ90を連絡
し、蒸発ろ過器82の下部に空気排出パイプ92を連絡
し、空気導入パイプ90から高圧空気を導入して空気排
出パイプ92から取り出す。蒸発ろ過器82の内部へ光
ファイバー94を導入して、その光ファイバー94によ
って、蒸発ろ過器82内を光ファイバー94で照らす。
このように、光ファイバー94が太陽光線の代わりを
し、空気導入パイプ90と空気排出パイプ92によって
内部の空気を入れ替えるので、地中に埋設された蒸発ろ
過器82は、屋外に備えられる蒸発ろ過器58と同じ働
きをする。なお、地中に埋設する蒸発ろ過器82では、
水をその蒸発ろ過器82内に何度も循環させるのが望ま
しい。
【0023】本発明においては、循環経路には、排泄物
の投入による水量の増加や、蒸発ろ過器58によってろ
過された水を集水槽28へ投入する水量の増加があり、
循環経路に水が不足することは原則としてはあり得な
い。しかし、水が不足する状態が発生する場合があるか
も知れない。その場合には、集水槽28や清澄槽50や
配水タンク56等で検知して、貯水槽68に溜めた水等
を集水槽28に戻す手段を備えるようにしても良い。
【0024】なお、第一曝気槽34や第二曝気槽40内
に内蔵する微生物培養素材として、蒸発ろ過器58に用
いるろ材78(木材チップと木炭と浄化石)を用いても
良い。この場合には、第一曝気槽34に用いるろ材78
の3種類の物質の重量比と、第二曝気槽40に用いるろ
材78の3種類の物質の重量比を異なるものにすること
が好ましい。それらの重量比を異なるものにすることに
よって、その内部で発生するバクテリアの種類が異な
り、有機汚染物質の消滅をより促進することができる。
その際には、浄化石を木材チップと木炭の重しとして使
用する。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水を連
続的に循環させて外部に排出しないので、自然環境の汚
染を防止することができる。また、水を循環させて新た
な水の注入を殆ど必要としないので、水が貴重な山小屋
や砂漠地方で利用できる。また、水道水に頼らないの
で、地震等の災害時における水道の断水が生じても影響
を受けることはない。水を循環させるので、塩素を含む
水道水を導入することがない。この結果、曝気槽や蒸発
ろ過器にバクテリアを大量に発生させることが可能とな
り、そのバクテリアによって有機汚染物質の分解やろ過
を促進させることができる。循環系において水に排泄物
が加わるので、循環の途中で水量が増量するが、その増
量した水は循環系から取り出して蒸発ろ過器で蒸発させ
るので、水を外部に排出させることがない。また、蒸発
ろ過器で蒸発しなかった水は、更にろ過してきれいな水
とし、循環系に戻すかきれいな水として他に利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る循環式水洗トイレの一実施形態を
示す正面図である。
【図2】図1で用いる分離貯留水槽と集水槽の断面図で
ある。
【図3】図1で用いる蒸発ろ過器の部分断面斜視図であ
る。
【図4】他の蒸発ろ過器の断面図である。
【符号の説明】 10 水洗用便器 12 分離貯留槽 28 集水槽 32 ポンプ 34 第一曝気槽 40 第二曝気槽 46 オゾン槽 50 清澄槽 52 ポンプ 54 配水タンク 56 浄化水収納槽 58 蒸発ろ過器 78 ろ材

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水洗用便器と、水と形のある排泄物やゴ
    ミとを分離するための分離貯留槽と、微生物培養素材を
    内蔵した曝気槽と、オゾンを内部に導入するオゾン槽
    と、浄化水収納槽とを有し、水洗用便器と分離貯留槽と
    曝気槽とオゾン槽と浄化水収納槽との順を経て再び水洗
    用便器に至る順に、自然落下とオーバーフローとポンプ
    による上昇移動とによって水を循環させることを特徴と
    する循環式水洗トイレ。
  2. 【請求項2】 前記曝気槽に内蔵する微生物培養素材を
    木材チップと木炭と浄化石との混合物で構成したこと
    を特徴とする請求項1記載の循環式水洗トイレ。
  3. 【請求項3】 前記曝気槽に内蔵する木材チップと木炭
    と浄化石との重量比を、木材チップが27%〜38%、
    木炭が28%〜56%、浄化石が13%〜39%とした
    ことを特徴とする請求項2記載の循環式水洗トイレ。
  4. 【請求項4】 循環させる水のうち余剰な水を前記浄化
    水収納槽からオーバーフローさせて循環経路から取り出
    すことを特徴とする請求項1乃至3記載の循環式水洗ト
    イレ。
  5. 【請求項5】 前記浄化水収納槽からオーバーフローさ
    せた水を、蒸発ろ過器を通過させて蒸発とろ過とを行わ
    せることを特徴とする請求項4記載の循環式水洗トイ
    レ。
  6. 【請求項6】 前記蒸発ろ過器の内部には上下に空間と
    ろ材との複数の層を配置し、前記浄化水収納槽からオー
    バーフローさせた水を上方のろ材の上から導入し、その
    蒸発ろ過器の内部を大気と連絡させると共にそのろ材に
    光を当て、蒸発ろ過器の内部を通過する水のうち蒸発し
    たものを蒸発ろ過器の外部に排出させることを特徴とす
    る請求項5記載の循環式水洗トイレ。
  7. 【請求項7】 前記蒸発ろ過器のハウジングに穴を設
    け、その穴から太陽光線が蒸発ろ過器の内部に差し込む
    と共に大気と連絡するようにしたことを特徴とする請求
    項6記載の循環式水洗トイレ。
  8. 【請求項8】 前記ろ材が木材チップと木炭と浄化石と
    の混合物で構成したことを特徴とする請求項7記載の循
    環式水洗トイレ。
  9. 【請求項9】 前記木材チップと木炭と浄化石との重量
    混合比を、木材チップが27%〜38%、木炭が28%
    〜56%、浄化石が13%〜39%としたことを特徴と
    する請求項8記載の循環式水洗トイレ。
  10. 【請求項10】 前記ろ材を通過して蒸発されずにろ過
    された水を水の循環経路のいずれかへ投入することを特
    徴とする請求項9記載の循環式水洗トイレ。
  11. 【請求項11】 水を水洗用便器を通過して循環させ、
    水洗用便器を通過した後に水から大きな形状の排泄物や
    ゴミを分離し、その後バクテリアによって水に含まれる
    有機汚染物質を分解し、その後オゾンによって殺菌と消
    臭を行い、その後前記水洗用便器を通過させることを特
    徴とする循環式水洗トイレの水の循環浄化方法。
  12. 【請求項12】 循環する水のうち余剰の水を、オゾン
    によって殺菌と消臭を行った後であって水洗用便器に投
    入される前において、循環経路から外れるようにオーバ
    ーフローさせることを特徴とする請求項11記載の循環
    式水洗トイレの水の循環浄化方法。
  13. 【請求項13】 前記オーバーフローした水を大気に通
    じると共に光の当たるろ材に通過させて蒸発並びにろ過
    させることを特徴とする請求項12記載の循環式水洗ト
    イレの水の循環浄化方法。
  14. 【請求項14】 前記ろ材が木材チップと木炭と浄化石
    との混合物で構成したことを特徴とする請求項7記載の
    循環式水洗トイレの水の循環浄化方法。
  15. 【請求項15】 前記ろ材における木材チップと木炭と
    浄化石との重量混合比を、木材チップが27%〜38
    %、木炭が28%〜56%、浄化石が13%〜39%と
    したことを特徴とする請求項14記載の循環式水洗トイ
    レの水の循環浄化方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262767A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Orient Ecology Co Ltd 循環式水洗トイレ
JP2008093517A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Nakatomi Kogyo Kk 循環式水洗トイレの廃棄物濾過装置
JP2012081441A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Hiroshi Fujita 汚水処理装置及び無排水トイレ装置

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