JPH06277280A - 血液用熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

血液用熱交換器およびその製造方法

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JPH06277280A
JPH06277280A JP5090682A JP9068293A JPH06277280A JP H06277280 A JPH06277280 A JP H06277280A JP 5090682 A JP5090682 A JP 5090682A JP 9068293 A JP9068293 A JP 9068293A JP H06277280 A JPH06277280 A JP H06277280A
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JP
Japan
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heat exchange
blood
thin tube
exchange medium
housing
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JP5090682A
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Yukihiko Murata
幸彦 村田
Osamu Shoji
修 東海林
Takeshi Takahashi
剛 高橋
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】管体が等間隔により正確に配置され、熱交換率
を低下させることが少ない血液用熱交換器、および管体
を血液用熱交換器内部に容易にかつより正確な位置に設
置することができる血液用熱交換器の製造方法を提供す
る。 【構成】血液流入ポート6と、血液流出ポート7と、熱
交換用媒体導入ポート8と、熱交換用媒体排出ポート9
とを有するハウジング2と、ハウジング2内に収納され
た熱交換用細管束10と、細管束10の両端部付近をハ
ウジング2の内面に液密に固着するとともに、ハウジン
グ2内を、血液流入ポート6および血液流出ポート7と
連通する血液室15と、熱交換用媒体導入ポート8およ
び熱交換用媒体排出ポート9と連通する熱交換用媒体室
16とに区画する隔壁11とを有する血液用熱交換器1
であって、細管束10は、ほぼ等間隔に並列配置された
複数の細管10aと、該複数の細管10aの両端部付近
を保持する帯状テープ部材20とからなる細管平面状集
合物の積層体により形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液用熱交換器に関する
ものである。より詳しくは、手術等において、細管内部
または外部に血液を流通させて、患者の血液を一定温度
に保持あるいは冷却または復温するための血液用熱交換
器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、血液用熱交換器として、内部
に複数の熱交換用管体(例えば、多数の熱交換用細管、
またはコイル状の管体)を設置したものがある。そし
て、この熱交換用管体の設置は、管体の配列位置に応じ
て形成された多数の孔、または管体を挿入するパイプ等
を有する治具を用いて、管体の一端を孔またはパイプ内
に挿入し、管体の端面をシール用部材で閉塞した後、ポ
ッティング剤で固着することにより行われるのが一般的
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
治具を用いて、管体を設置した場合、ポッティング時に
管体の位置がずれて、管体相互の間隔にバラツキが生じ
ることがあった。その結果、管体間に形成される空間に
広い部分と狭い部分ができ、広い部分に血液または熱交
換用媒体が流れやすく、逆に狭い部分に流れにくくなる
ため、狭い部分の管体が熱交換上生かされず、熱交換効
率を低下させることがあった。また、治具の孔やパイプ
に管体を挿入する作業に、手間と時間を要していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、管体がほぼ等間隔に配置され、熱交換率の低下が少
ない血液用熱交換器を提供すること、および管体を血液
用熱交換器内部に容易に、かつ確実にほぼ等間隔に配置
することができる血液用熱交換器の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】上記目的を達成するものは、血液流入ポー
トと、血液流出ポートと、熱交換用媒体導入ポートと、
熱交換用媒体排出ポートとを有するハウジングと、該ハ
ウジング内に収納された熱交換用細管束と、該細管束の
両端部付近を前記ハウジングの内面に液密に固着すると
ともに、前記ハウジング内を、前記血液流入ポートおよ
び前記血液流出ポートと連通する血液室と、前記熱交換
用媒体導入ポートおよび前記熱交換用媒体排出ポートと
連通する熱交換用媒体室とに区画する隔壁とを有する血
液用熱交換器であって、前記細管束は、ほぼ等間隔に並
列配置された複数の細管と、該複数の細管の両端部付近
を保持する帯状テープ部材とからなる細管平面状集合物
の積層体により形成されていることを特徴とする血液用
熱交換器である。
【0006】そして、前記ハウジングは、略円筒状ハウ
ジングであることが好ましい。また、前記ハウジング
は、両端が開口した筒状本体と、該開口部に取り付けら
れたヘッダーとからなることが好ましい。さらに、筒状
本体は、前記熱交換用細管を収納するための内筒部を有
していることが好ましい。そして、前記細管束は、前記
細管平面状集合物内における細管相互の距離と、前記細
管平面状集合物間において積層方向に隣接する細管相互
の距離とは、略同一となるように形成されていることが
好ましい。そして、前記細管束は、細管平面状集合物内
の細管と細管との間の空隙の上部に、積層される細管平
面状集合物の細管とが位置するように、積層され形成さ
れていることが好ましい。また、前記帯状テープ部材
は、両面に粘着性を有するものであることが好ましい。
さらに、前記帯状テープ部材は、前記細管平面状集合物
相互を保持するものであることが好ましい。さらに、前
記帯状テープ部材の肉厚は、前記細管平面状集合物内に
おける細管相互の距離と、細管平面状集合物間において
積層方向に隣接する細管相互の距離とが、略同一となる
ような肉厚とされていることが好ましい。そして、前記
隔壁は、ポッティング剤により形成されていることが好
ましい。さらに、前記帯状テープ部材は、前記隔壁内に
位置するものであることが好ましい。
【0007】また、上記目的を達成するものは、血液流
入ポートと、血液流出ポートと、熱交換用媒体導入ポー
トと、熱交換用媒体排出ポートとを有するハウジング
と、該ハウジング内に収納された熱交換用細管束と、該
細管束の両端部付近を前記ハウジングの内面に液密に固
着するとともに、前記ハウジング内を、前記血液流入ポ
ートおよび前記血液流出ポートと連通する血液室と、前
記熱交換用媒体導入ポートおよび前記熱交換用媒体排出
ポートと連通する熱交換用媒体室とに区画する隔壁とを
有する血液用熱交換器の製造方法であって、該製造方法
は、ほぼ等間隔に並列配置された複数の細管の両端部付
近が帯状テープ部材により保持された細管平面状集合物
を作成する工程と、該細管平面状集合物を、複数積層し
て細管束を形成する工程と、該細管束を前記ハウジング
に挿入する工程と、該細管束の両端部付近を前記ハウジ
ングに液密に固定する工程とを有する血液用熱交換器の
製造方法である。
【0008】そして、前記細管平面状集合物を作成する
工程は、複数の略同一長の熱交換用細管を所定数ほぼ等
間隔に並列配置する工程と、該並列配置された前記細管
の両端部付近の側面に帯状テープ部材を付着して、細管
平面状集合物を作成する工程とからなるものであること
が好ましい。また、前記細管平面状集合物を作成する工
程は、粘着性を有する帯状テープ部材の粘着面上に、複
数の略同一長の熱交換用細管を所定数ほぼ等間隔に並列
配置することにより行うものであることが好ましい。さ
らに、前記細管平面状集合物を作成する工程は、ほぼ等
間隔に並列配置された多数の細管の両端部付近が帯状テ
ープ部材により保持された連続した細管平面状集合物を
作成し、該連続した細管平面状集合物を前記テープ部材
部分で切断することにより、所要数の細管を有する細管
平面状集合物を作成するものであることが好ましい。
【0009】そこで、本発明の血液用熱交換器1を、図
面を用いて説明する。図1は、本発明の血液用熱交換器
の一実施例の正面図であり、図2は、図1に示した血液
用熱交換器の右側面図であり、図3は、図2のA−A線
断面図であり、図4は、図3のB−B線における熱交換
室付近の部分拡大断面図であり、図5は、図4のC−C
線断面図であり、図6は、本発明の血液用熱交換器の一
実施例における熱交換用媒体の流れを説明するための説
明図である。
【0010】本発明の血液用熱交換器1は、血液流入ポ
ート6と、血液流出ポート7と、熱交換用媒体導入ポー
ト8と、熱交換用媒体排出ポート9とを有するハウジン
グ2と、ハウジング2内に収納された熱交換用細管束1
0と、細管束10の両端部付近をハウジング2の内面に
液密に固着するとともに、ハウジング2内を、血液流入
ポート6および血液流出ポート7と連通する血液室15
と、熱交換用媒体導入ポート8および熱交換用媒体排出
ポート9と連通する熱交換用媒体室16とに区画する隔
壁11とを有し、細管束10は、ほぼ等間隔に並列配置
された複数の細管10aと、その状態にて複数の細管の
両端部付近を保持する帯状テープ部材20a,20bと
からなる細管平面状集合物を複数積層した積層体により
形成されている。
【0011】ハウジング2の形状は、円筒状、多角筒状
などの形状に形成されるが、好ましくは、円筒状であ
る。そして、図1ないし図6に示す実施例では、ハウジ
ング2は、両端が開口した筒状本体3と、開口部5に取
り付けられたヘッダー4a,4bとから形成されてい
る。筒状本体3は、図2に示すように、側部の相対する
位置に熱交換用媒体導入ポート8および熱交換用媒体排
出ポート9を有している。そして、筒状本体3の内部に
は、図4および図5に示すように、熱交換室が設けられ
ている。具体的には、この実施例の熱交換室は、水平方
向に横たわる円筒状空間となっている。熱交換室内部に
は、図3ないし図5に示すように、後述する熱交換用細
管10aを収納するための内筒部3aが設けられてお
り、この内筒部3aの外面と筒状本体3の内面との間に
は、図5に示すように、熱交換用媒体導入部8bおよび
熱交換用排出部9bが形成されている。
【0012】内筒部3aは、図4に示すように、一端
(この図では左端)が後述する隔壁11b内に位置し、
他端3b(この図では右端)が自由端、言い換えれば、
隔壁11aとの間に間隙を有するように形成されてい
る。そして、この他端と隔壁11との間の間隙より熱交
換用媒体が流通可能に形成されている。また、この実施
例の熱交換室には、図4、図5に示すように、内部を二
分する区画板25が設けられている。そして、この区画
板25により、内筒部3aは、筒状本体3と一体かつ、
同心的に構成されている。さらに、区画板25は、図4
に示すように、一端25a(この図では左端)が自由
端、言い換えれば、隔壁11bとの間に間隙を有するよ
うに、また他端(この図では右端)が、隔壁11a内に
位置するように形成されている。そして、この端部25
aと隔壁11bとの間の間隙より熱交換用媒体が流通可
能に形成されている。
【0013】そして、このような区画板25および前述
した内筒部3aの構成により、熱交換用媒体が、内筒部
3a内部全体を折り返すように流れるような流路が形成
され、滞流防止が図られるとともに、ハウジング3内に
長い熱交換媒体の流路を形成する。具体的には、図6に
示すように、ハウジング3内に形成された熱交換媒体室
16は、熱交換用媒体導入部8b、この導入部8bと連
通する上流側熱交換媒体室16a、この媒体室16aと
連通する下流側熱交換媒体室16b、この媒体室16b
と連通する熱交換用媒体排出部9bに区分されている。
そして、熱交換用媒体導入口8aより流入した熱交換用
媒体は、熱交換用媒体導入部8bを経て、内筒部3aの
他端3bより内筒部3a内部(この図では内筒部3a内
部のうちの上方部分である、上流側熱交換媒体室16
a)に流入し、区画板25の存在により、一旦、内筒部
3aの一端側へ流れ、区画板25の一端25aより内筒
部3a内部(この図では内筒部3aのうちの下方部分で
ある、下流側熱交換媒体室16b)に流入し、さらに、
内筒部3aの他端3b側へ流れ、内筒部3aの他端よ
り、熱交換用媒体排出部9bに流入し、熱交換用媒体排
出口9aより外部に排出されるように流路が形成されて
いる。このため、ハウジング内に、熱交換媒体が部分的
に滞留する流れの悪い部分が形成されにくく、さらに、
長い媒体流路を形成するので、熱交換効率も高いものと
なる。なお、この実施例の血液用熱交換器1は、細管1
0a内部を血液が流れる内部灌流式の熱交換器である
が、細管10aの外部を血液が流れる外部灌流式のもの
でも、上述のように、熱交換室内に迂回した流路を形成
することにより、血液と細管10a外面との接触面積が
増大し、熱交換効率を高めることができる。
【0014】そして、筒状本体2には、熱交換用細管を
筒状本体2内部に挿入するための開口部5が形成されて
いる。この実施例では、図3に示すように、水平方向の
両端に開口部5が形成されており、開口部5には、ヘッ
ダー4a,4bが取り付けられている。ヘッダー4a,
4bは、開口端5に、溶剤を用いた接着、高周波、超音
波、誘導加熱などを用いた融着によりそれぞれ固着され
ている。そして、その液密状態を保持するために、ヘッ
ダー4の内部と隔壁11との間には、Oリング26が取
り付けられている。さらに、この実施例では、ヘッダー
4aには、血液流入ポート6が形成されており、ヘッダ
ー4bには、血液流出ポート7が形成されている。ただ
し、血液流入ポート6および血液流出ポート7は、必ず
しもヘッダーに形成されている必要はなく、筒状本体2
に形成されていてもよい。また、熱交換用媒体導入ポー
ト8および熱交換用媒体排出ポート9がヘッダーに形成
されていてもよい。なお、この実施例の血液用熱交換器
1は、貯血槽および人工肺30と一体型とすることがで
きるように、ハウジング2には、図3に示すように、貯
血槽および人工肺30と接合するための接合部2aおよ
び凹部2cを、上部または下部にそれぞれ有している。
【0015】ハウジング2の形成材料としては、ポリカ
ーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、アク
リル−ブチレン−スチレン共重合体など種々のものが使
用できる。特に好ましくは、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂・ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル樹脂で
ある。
【0016】熱交換用細管10aは、内部に血液または
熱交換用媒体を流すためのものである。この実施例の熱
交換器1は内部灌流式熱交換器であるため、細管10a
の内部には血液が流れる。熱交換用細管10aとして
は、熱伝導率の高い金属管(例えば、ステンレス管、ア
ルミ管、銅管)が好適に使用できる。細管10aの内径
は、0.5〜10mm、好ましくは1〜5mmであり、
このような細管10aが、約10本〜1000本、好ま
しくは、約20本〜50本の細管束10に形成され、ハ
ウジング2内(この実施例では、内筒部3a内)に収納
されている。
【0017】そして、本発明の血液用熱交換器1の細管
束10は、図8、図9に示すように、ほぼ等間隔に並列
配置された複数の細管10aと、その状態にて複数の細
管10aの両端部付近を保持する帯状テープ部材20と
からなる細管平面状集合物10bの積層体により形成さ
れている。具体的には、図3に示すように、二本の帯状
テープ部材20a,20bが、隣合う細管10aと一定
距離離間して、ほぼ等間隔に並列配置された細管10a
の両端部付近の側面に、細管10aの長手方向を横断す
るように、好ましくは、直交するように貼付されてお
り、細管10a相互の位置(距離)がずれないように保
持している。そして、これにより、細管平面状集合物1
0bが形成されている。細管10a相互の距離として
は、細管10aの外径、ハウジング2の内径などにより
異なるが、0.5mm〜10mm、好ましくは1mm〜
5mm程度である。細管平面状集合物を形成する細管の
本数は、必ずしも一定数ではなく、熱交換用細管収納室
(この実施例では、内筒部3a内部)の形状に応じて定
められる。
【0018】さらに、図5、図9に示すように、これら
細管平面状集合物10bが、細管10aの長手方向に対
して垂直方向に複数積層され細管束10が形成されてい
る。細管束10は、図5に示すように、細管平面状集合
物間において隣接する細管10a相互の距離が、細管平
面状集合物内における細管10a相互の距離と略同一と
なるように形成されていることが好ましい。言い換えれ
ば、水平方向(細管平面状集合物内)に隣り合う2本の
細管と、該2本の細管と垂直方向に隣り合う1本の細管
とのそれぞれの距離がほぼ同一となるように形成されて
いることが好ましい。具体的には、細管束10は、細管
平面状集合物の一つの細管10aと、それと隣接する細
管平面状集合物の細管10aであって、前記一つの細管
10aと隣接する細管10aおよびそれと隣合う細管1
0aとの間で、ほぼ正三角形を形成するように積層され
形成されている。つまり、水平方向に隣り合う2本の細
管と、この2本の細管に垂直方向に隣接する1本の細管
により、ほぼ正三角形柱の空隙が形成されている。これ
は、細管平面状集合物を、図9に示すように、細管10
aが、垂直方向(上下)において、重ならないように、
ずらして積層すること、特に図9に示すように、ひとつ
の細管平面状集合物の細管相互が形成する間隙の中央部
に、上部に積層する細管平面状集合物の細管が位置する
ように積層し、かつ帯状テープ部材20a,20bの肉
厚を選択することにより形成できる。
【0019】帯状テープ部材20a,20bは、上述の
ように、複数の細管10aの両端部付近を保持するため
のものであり、片面または両面に粘着性を有している。
好ましくは両面に粘着性を有するものである。これによ
り、細管平面状集合物の細管10a相互のみならず、細
管平面状集合物間を保持することができ、細管10a全
体がほぼ等間隔に位置する細管束10を形成することが
できる。帯状テープ部材20の幅は、1mm〜10mm
であり、好ましくは、3mm〜4mmである。長さは、
細管平面状集合物を形成する細管10aの本数により異
なるが、30mm〜1000mm、好ましくは、30m
m〜200mmである。肉厚は、0.1mm〜1mm、
好ましくは、0.3mm〜0.8mmである。帯状テー
プ部材20としては、表面のどちらかに粘着性を有する
ものであれば使用でき、テープ基材として、伸縮性、極
度の可撓性のないものが好ましく、特に、ある程度の硬
度を有し、細管平面状集合物を積層しても、容易に変形
しない程度の強度を有することが好ましい。このような
テープ基材としては、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポ
リプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリエステル、ナ
イロン、硬質塩化ビニル、ポリーカーボネート、スチレ
ン系樹脂(例えば、ポリスチレン、スチレンブタジエン
樹脂)によりテープ状に形成したものの、どちらかの表
面または両面に、粘着性物質を付着させたものが使用で
きる。粘着性物質としては、感圧接着剤、粘着剤が使用
できる。粘着剤としては、ゴム系粘着剤(例えば、天然
ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムな
ど)、アクリル系粘着剤(例えば、アクリル酸エステル
共重合体)、シリコン系粘着剤(例えば、シリコーンゴ
ム、シリコーンレジン)、ポリビニルエーテル系粘着剤
などが使用でき、テープ基材によって、種々選択する。
また、感圧接着剤としては、上記のような粘着剤、さら
にその他各種の添加剤(例えば、エラストマー、軟化
剤、乳化剤など)を含有したものであり、種々の商品が
提供されており、それらを使用することができる。な
お、ポッティングによりテープが移動、収縮しないよう
に、テープにグラスファイバーを混在させることもでき
る。このように、本発明の血液用熱交換器1は、細管1
0aの両端部が帯状テープ部材20a,20bにより保
持され、細管10a相互の距離がずれないように形成さ
れているので、細管10aの間に形成される空間の部分
的バラツキが形成されることがなく、よって、広い部分
に集中的に熱交換用媒体または血液が流れて、熱交換効
率を低下させることがない。
【0020】そして、細管束10の両端部は端部が開口
した状態にて、図3に示すように、隔壁11a,11b
により液密に固着されている。隔壁11を形成する材料
としては、高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタ
ン、シリコーンゴム)などが好適に使用できる。そし
て、隔壁11a,11bにより、ハウジング2内(具体
的には、熱交換室内)は、血液流入ポート6および血液
流出ポート7と連通する血液室15と、熱交換用媒体導
入ポート8および熱交換用媒体排出ポート9と連通する
熱交換用媒体室16とに区画される。具体的には、この
実施例は血液が細管10a内を流れる内部灌流式の熱交
換器1であるため、血液室15は、図3に示すように、
隔壁11の外側部および細管10a内に形成され、血液
流入ポート6および血液流出ポート7と連通している。
他方、熱交換用媒体室16は、隔壁11a,11bの内
側部、熱交換室および細管10aの外壁により形成さ
れ、熱交換用媒体導入ポート8および熱交換用媒体排出
ポート9と連通している。なお、本発明の熱交換器1
は、この実施例のような内部灌流式の熱交換器に限定さ
れるものでなく、外部灌流式熱交換器であってもよい。
その場合は、同様の構成にて血液室15を熱交換用媒体
室として、また熱交換用媒体室16を血液室として使用
することができる。
【0021】また、図1ないし図6に示した実施例は、
人工肺30と一体型のものである。以下、人工肺30に
ついて説明する。この実施例の人工肺30は、中空糸膜
型人工肺であり、血液を中空糸36の外側に流す外部灌
流式人工肺である。ただし、中空糸36内部に血液を流
し、外部に酸素含有ガスを流す内部灌流式人工肺であっ
てもよい。そして、中空糸36の束を収容する人工肺ハ
ウジング31の上部または下部には、図3に示すよう
に、血液導入口32、血液排出口33がそれぞれ設けら
れている。血液導入口32は、前述した熱交換器1の血
液流出口7aと接続チューブ40により連結されてい
る。人工肺ハウジング31の上下端付近には、中空糸3
6の内部と連通するガス供給口34a、ガス排出口35
aがそれぞれ設けられている。そして、血液導入口32
から中空糸36の間隙を経て血液排出口33に至る空間
は、血液処理部を形成しており、ガス供給口34aから
流入した酸素含有ガスは、中空糸36内を通過し、その
間に中空糸36の外側を流れる血液に対し、中空糸36
の多数の細孔を介して、O2添加およびCO2除去を行
い、ガス排出口35aより排出される。
【0022】つぎに、本発明の熱交換器1の製造方法を
図7ないし図10を参照して説明する。図7ないし図1
0は、本発明の熱交換器1の製造方法の一工程を説明す
るための説明図である。本発明の血液用熱交換器1の製
造方法は、血液流入ポート6と、血液流出ポート7と、
熱交換用媒体導入ポート8と、熱交換用媒体排出ポート
9とを有するハウジング2と、ハウジング2内に収納さ
れた熱交換用細管束10と、細管束10の両端部付近を
ハウジング2の内面に液密に固着するとともに、ハウジ
ング2内を、血液流入ポート6および血液流出ポート7
と連通する血液室15と、熱交換用媒体導入ポート8お
よび熱交換用媒体排出ポート9と連通する熱交換用媒体
室16とに区画する隔壁11とを有する血液用熱交換器
1の製造方法であって、この製造方法は、ほぼ等間隔に
並列配置された複数の細管10aと、この状態にて該複
数の細管10aの両端部付近が帯状テープ部材20a,
20bにより保持された細管平面状集合物10bを作成
する工程と、細管平面状集合物10bを、複数積層して
細管束10を形成する工程と、細管束10をハウジング
3に挿入する工程と、細管束10の両端部付近をハウジ
ング3に液密に固定する工程とを有している。
【0023】以下、本発明の血液用熱交換器1の製造方
法を実施例を用いて説明する。まず最初に、血液流入ポ
ート6と、血液流出ポート7と、熱交換用媒体導入ポー
ト8と、熱交換用媒体排出ポート9とを有するハウジン
グ2を成形し、さらに、複数の略同一長の熱交換用細管
10aを形成する。なお、実施例に示す血液用熱交換器
1のハウジング2においては、開口部5を有する筒状本
体3と、開口部5に取り付けられるヘッダー4a,4b
とを作成する。これらハウジング2およびヘッダー4
a,4bは、上述した合成樹脂を射出成形することなど
により作成される。
【0024】次に、ほぼ等しい長さを有する多数の熱交
換用細管を準備し、ほぼ等間隔に並列配置された複数の
細管10aと、この状態にて該複数の細管10aの両端
部付近が帯状テープ部材20a,20bにより保持され
た細管平面状集合物10bを作成する。この工程は、複
数の略同一長の熱交換用細管10aを所定数ほぼ等間隔
に並列配置する工程と、並列配置された細管10aの両
端部付近の側面に帯状テープ部材20を付着することに
より行うことが好ましい。さらに、ほぼ等間隔に並列配
置された多数の細管と、該状態にて該多数の細管の両端
部付近が帯状テープ部材により保持された連続した細管
平面状集合物を作成し、該連続した細管平面状集合物を
前記テープ部材の付着した部分で切断することにより、
所要数の細管を有する細管平面状集合物を作成すること
が好ましい。
【0025】このような工程は、例えば、図7に示すよ
うな細管平面状集合物作成装置55により行うことがで
きる。この細管平面状集合物作成装置55は、細管10
aをほぼ等間隔に並列載置することができる複数の凹部
51を有する載置部材50と、細管10aに付着するた
めのテープリールを両端にセットできるテープリールホ
ルダー53と、細管10aにテープを付着させるための
貼付ローラ52とを有するテープ付着機54と、細管載
置台50またはテープ付着機54のいずれかまたは両者
を相対移動させるための駆動手段(図示せず)を有して
いる。この細管平面状集合物作成装置55では、図7に
示すように、連続した細管平面状集合物を作成するこ
と、さらに、細管載置台50にあらかじめ所要数の細管
10aのみ載置することにより、所要数の細管を有する
細管平面状集合物を作成することの両者を行うことがで
きる。
【0026】そして、この作成装置55では、あらかじ
め略同一長の熱交換用細管10aを、多数ほぼ等間隔に
並列配置した後、作成装置55を作動させ、細管載置台
55を図7の矢印方向に移動させる。これにより、貼付
ローラ50、変向ローラ56、テープリールホルダー5
3が回転し、テープリールよりテープが送り出され、細
管10aの両端部付近の側面に帯状テープ部材20a,
20bが貼付され、連続した細管平面状集合物10bが
作成される。そして、細管載置台50上にて、図8に示
すように、細管収納室(この実施例では内筒部3a)の
内部形状を考慮して、細管平面状集合物を所定数毎にカ
ッター60等を用いて切断する。このようにして、所要
数の細管を有する細管平面状集合物が形成される。な
お、細管平面状集合物における細管の数は、例えば、こ
の実施例のように、細管収納室が円柱状空間である場合
は、直径(円筒状空間の断面の中心)に近づくにつれて
増加するので、積層される部分により、細管平面状集合
物が有する細管の数は相違する。しかし、細管収納室が
四角柱状空間である場合は、積層される細管平面状集合
物が有する細管の数は、ほぼ同じものとなる。
【0027】また、細管平面状集合物を作成する工程
は、粘着性を有する帯状テープ部材の粘着面上に、複数
の略同一長の熱交換用細管を所定数ほぼ等間隔に並列配
置することにより行うものであってもよい。これは、例
えば、図7に示すような細管10aの収納溝51を有す
る細管載置台50に、長手方向にテープが収納でき、か
つ細管10aの収納溝51への収納に影響を与えない幅
の2本の溝(収納溝51の底面の深さとほぼ等しい溝)
を設け、その溝にテープの粘着面を上にした状態でテー
プをおき、その上に、細管10aを多数載置し、必要に
より細管10aを若干押圧することにより、テープを細
管10aに付着させることにより行うことができる。
【0028】また、細管平面状集合物を作成する工程
は、上述のように連続した細管平面状集合物を作成し、
テープ部分にて切断する方法に限らず、あらかじめ所要
数の所要数の細管10aのみ載置することにより、所要
数の細管を有する細管平面状集合物を作成してもよい。
この方法では、細管の所要数を載置するという作業が必
要であるが、テープの切断作業がなくなる。
【0029】次に、上述のように作成された複数の細管
平面状集合物を、細管の長手方向に対して垂直方向に、
かつ細管がそれぞれ平行となるように積層して細管束1
0を形成する。この工程は、上述のようにして作成され
た所定数の細管を有する細管平面状集合物を、図9に示
すように、細管収納室の内面形状とほぼ同一の形状の凹
部71を有する治具70の凹部71に順次乗せて行き、
細管10aの長手方向に対して垂直方向に積層すること
により行われる。積層に際しては、上下および左右にお
いて隣接する細管10a相互の距離がほぼ等間隔となる
ように行うことが好ましい。細管平面状集合物内、言い
換えれば、細管の平面方向(左右)に隣合う細管の距離
は、上述のように形成されているので、ほぼ等しくなっ
ている。そして、一の細管平面状集合物の上部に積層す
る細管平面状集合物は、図9に示すように、細管10a
が、垂直方向(上下)において、重ならないように、ず
らして積層することが好ましく、特に、好ましくは、図
9に示すように、一の細管平面状集合物の細管相互が形
成する間隙の中央部に、上部に積層する細管平面状集合
物の細管が位置するように積層することが好ましい。こ
のように積層し、かつテープの厚みをあらかじめ設定し
ておけば、隣合う細管の距離は、水平方向(細管平面状
集合物内)のみならず、垂直方向のにおいてもほぼ等し
いものとすることができる。なお、この実施例の血液用
熱交換器1の細管収納室は、内部を二分する区画板25
を有するものであるため、略半円筒状の凹部71を有す
る治具70を用いて細管束10を2つ形成する。
【0030】そして、図10に示すように、治具70を
用いて細管束10をハウジング2内に挿入する。この実
施例の血液用熱交換器1は、前述した区画板25が垂直
方向に設けられているため、細管束10aの挿入は、ハ
ウジング2を横倒しした状態にし、区画板25が水平と
なる状態にて行われる。なお、ハウジング2内への挿入
は、この実施例では、筒状本体3の開口部5より行われ
る。治具70としては、例えば、図11に示すように、
平板部材72,74を有し、その2つの平板部材72,
74間の距離を可変に保持する3つの棒状部材76a,
76b,76cと、把持部75と、部材73とを有する
ものを用いることができる。この治具70は、平板部材
74と、平板部材72に設けられた部材73が、細管平
面状集合物載置部71を有しており、この2つの載置部
71上に細管平面状集合物10bが積層される。そし
て、3つの棒状部材76a,76b,76cは、それぞ
れが部材73,平板部材72を摺動可能に貫通してお
り、平板部材72,74間の距離を適宜変更できる。
【0031】そして、まず最初に、この治具70におい
ては、載置される細管10aの長さに応じて、平板部材
72,74間の距離を調整する。具体的には、載置部7
1に細管10aを載置した状態にて、細管10aの先端
部が若干平板部材74より突出するように、平板部材7
2,74間の距離を調整する。そして、載置部71上に
複数の細管平面状集合物を載置し、細管束10を作成す
る。そして、細管束10の治具70より突出する部分
を、ハウジング2内に挿入し、さらに、治具70の把持
部75をハウジング2方向に押すと、平板部材72は、
平板部材74側に移動し、平板部材72,74の距離が
徐々に短くなるとともに、細管束10が徐々にハウジン
グ2内に侵入する。そして、平板部材74が部材73に
当接するまで治具70をハウジング2に押し付け、そし
て、ハウジング2を傾斜させることにより、細管束10
全体をハウジング2内に収納させる。さらに、ハウジン
グ2を反転させ、同様にして、ハウジング2内に細管束
10を挿入する。
【0032】そして、ハウジング2内に挿入された細管
束10を、図3に示すように、その両端部付近をハウジ
ング2の内面に液密に固着する。これにより、ハウジン
グ2内は、血液流入ポート6および血液流出ポート7と
連通する血液室15と、熱交換用媒体導入ポート8およ
び熱交換用媒体排出ポート9と連通する熱交換用媒体室
16とに区画される。この工程は、ハウジング2内に挿
入された細管束10を、各細管の開口部を封止しないよ
うにして、図3に示すように、両端部付近をハウジング
2の内面に液密に固着する隔壁11a,11bを形成す
ることにより行われる。隔壁11の形成は、まず最初
に、開口部5の形状と同じかやや大きい平面部を有する
シール用部材(図示せず)の上に、筒状本体3の一方の
開口部5がシール用部材と当接するようにハウジング2
を載せ、熱交換用媒体導入ポート等より、ハウジング2
内部にポッティング剤を流入し、固化させた後、シール
用部材を取り外すことにより、一端側の固着、言い換え
れば、隔壁11aの形成を行った後、続いて、ハウジン
グ2を反転させて他端側を同様にして固着し、隔壁11
bを形成する。
【0033】このシール用部材としては、例えば、シリ
コーンゴムシート、ポリウレタンゴムシート、ラテック
スゴムシートなどのゴムシートが好適に使用できる。な
お、シール用部材は、ハウジング2内に注入されるポッ
ティグ剤と接着しないものであることが必要である。例
えば、ポッティグ剤とシール用部材との材質が接着性を
有しないものを用いる(例えば、シール用部材としてシ
リコンゴムシート、ポッティグ剤としてポリウレタン、
また、ポッティグ剤としてシリコンゴム、シール用弾性
部材としてポリウレタン)か、両者の材質に接着性があ
る場合は、シール用部材に両者の接着性を疎外する樹脂
(例えば、シリコーンオイルなどのオイル)をコーティ
グすることなどが考えられる。
【0034】そして、隔壁11による固着により、帯状
テープ部材20は、図3に示すように、隔壁11内部に
位置するものであることが好ましい。このようにするこ
とにより、内部灌流式の熱交換器では、熱交換用媒体と
テープが接触することがなくなり、熱交換媒体の不自然
な流れが形成されることがなく、また、外部灌流式熱交
換器の場合では、血液に接触することがなくなる。ただ
し、それらの問題がない場合は、帯状テープ部材20
は、隔壁11の内面より突出し、熱交換室内に少なくと
もその一部が存在していてもよい。そして、筒状本体3
の開口部5に、開口部5を液密に封止するヘッダー4
を、接着剤を用いた接着、または高周波、超音波さらに
は誘導加熱法を用いた融着などにより取り付けることに
より、本発明の血液用熱交換器1が製造される。
【0035】
【作用】つぎに、本発明の血液用熱交換器1の作用を、
図3および図4を用いて説明する。本発明の血液用熱交
換器1は、体外循環回路中に設けられるものであり、熱
交換器1の血液流入ポート6から流入した血液は、隔壁
11の外側面とヘッダー4の内面とで形成される空間お
よび細管10a内で形成される血液室15を流通し、血
液流出ポート7より流出する。より具体的には、図3に
示す実施例では、右側のヘッダー4に設けられた血液流
入ポート6より流入した血液は、細管10a内を通り、
左側のヘッダー4に設けられた血液流出ポート7より外
部に流出する。他方、熱交換用媒体導入ポート8より流
入した熱交換用媒体は、隔壁の内側面、内筒部3a内面
および細管10aの外壁面で形成される熱交換用媒体室
16を通過し、熱交換用媒体排出ポート9より外部に排
出される。より具体的には、図4に示す実施例では、上
部の熱交換用媒体導入口8aより流入した熱交換用媒体
は、熱交換用媒体導入部8bを経て、内筒部3aの一端
より内筒部3a内部に流入し、さらに熱交換用媒体排出
部9bに流入し、熱交換用媒体排出口9aより外部に排
出される。そして、その間に、細管10aの内部を流れ
る血液は、細管3を介して熱交換用媒体と接触し、細管
10aの外部を流れる媒体の温度により、加温あるいは
冷却される。
【0036】
【発明の効果】本発明の血液用熱交換器は、血液流入ポ
ートと、血液流出ポートと、熱交換用媒体導入ポート
と、熱交換用媒体排出ポートとを有するハウジングと、
該ハウジング内に収納された熱交換用細管束と、該細管
束の両端部付近を前記ハウジングの内面に液密に固着す
るとともに、前記ハウジング内を、前記血液流入ポート
および前記血液流出ポートと連通する血液室と、前記熱
交換用媒体導入ポートおよび前記熱交換用媒体排出ポー
トと連通する熱交換用媒体室とに区画する隔壁とを有す
る血液用熱交換器であって、前記細管束は、ほぼ等間隔
に並列配置された複数の細管と、該複数の細管の両端部
付近を保持する帯状テープ部材とからなる細管平面状集
合物の積層体により形成されているものであるので、管
体をほぼ等間隔に、確実に配置することができるので、
熱交換率の低下が少ない。
【0037】また、本発明の血液用熱交換器の製造方法
は、血液流入ポートと、血液流出ポートと、熱交換用媒
体導入ポートと、熱交換用媒体排出ポートとを有するハ
ウジングと、該ハウジング内に収納された熱交換用細管
束と、該細管束の両端部付近を前記ハウジングの内面に
液密に固着するとともに、前記ハウジング内を、前記血
液流入ポートおよび前記血液流出ポートと連通する血液
室と、前記熱交換用媒体導入ポートおよび前記熱交換用
媒体排出ポートと連通する熱交換用媒体室とに区画する
隔壁とを有する血液用熱交換器の製造方法であって、該
製造方法は、ほぼ等間隔に並列配置された複数の細管の
両端部付近が帯状テープ部材により保持された細管平面
状集合物を作成する工程と、該細管平面状集合物を、複
数積層して細管束を形成する工程と、該細管束を前記ハ
ウジングに挿入する工程と、該細管束の両端部付近を前
記ハウジングに液密に固定する工程とを有するものであ
るので、管体を血液用熱交換器内部に、ほぼ等間隔離間
した状態にて容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の血液用熱交換器の一実施例の
正面図である。
【図2】図2は、本発明の血液用熱交換器の一実施例の
右側面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線断面図である。
【図4】図4は、図3のB−B線における熱交換室付近
の部分拡大断面図である。
【図5】図5は、図4のC−C線断面図である。
【図6】図6は、本発明の血液用熱交換器の一実施例に
おける熱交換用媒体の流れを説明するための説明図であ
る。
【図7】図7は、本発明の血液用熱交換器の製造方法の
一工程を説明するための説明図である。
【図8】図8は、本発明の血液用熱交換器の製造方法の
一工程を説明するための説明図である。
【図9】図9は、本発明の血液用熱交換器の製造方法の
一工程を説明するための説明図である。
【図10】図10は、本発明の血液用熱交換器の製造方
法の一工程を説明するための説明図である。
【図11】図11は、本発明の血液用熱交換器の製造方
法において使用される治具の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 血液用熱交換器 2 ハウジング 2a 接合部 2b 凹部 3 筒状本体 3a 内筒部 3b 他端 4 ヘッダー 5 開口部 6 血液流入ポート 7 血液流出ポート 8 熱交換用媒体導入ポート 8a 熱交換用媒体導入口 8b 熱交換用媒体導入部 9 熱交換用媒体排出ポート 9a 熱交換用媒体排出口 9b 熱交換用媒体排出部 10 熱交換用細管束 10a 熱交換用細管 11 隔壁 15 血液室 16 熱交換用媒体室 20 帯状テープ部材 25 区画板 26 Oリング 30 人工肺 31 人工肺ハウジング 32 血液導入口 33 血液排出口 34 ガス供給部 34a ガス供給口 35 ガス排出部 35a ガス排出口 36 中空糸 40 接続チューブ 50 テープ部材貼付用装置 60 カッター 70 治具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液流入ポートと、血液流出ポートと、
    熱交換用媒体導入ポートと、熱交換用媒体排出ポートと
    を有するハウジングと、該ハウジング内に収納された熱
    交換用細管束と、該細管束の両端部付近を前記ハウジン
    グの内面に液密に固着するとともに、前記ハウジング内
    を、前記血液流入ポートおよび前記血液流出ポートと連
    通する血液室と、前記熱交換用媒体導入ポートおよび前
    記熱交換用媒体排出ポートと連通する熱交換用媒体室と
    に区画する隔壁とを有する血液用熱交換器であって、前
    記細管束は、ほぼ等間隔に並列配置された複数の細管
    と、該複数の細管の両端部付近を保持する帯状テープ部
    材とからなる細管平面状集合物の積層体により形成され
    ていることを特徴とする血液用熱交換器。
  2. 【請求項2】 血液流入ポートと、血液流出ポートと、
    熱交換用媒体導入ポートと、熱交換用媒体排出ポートと
    を有するハウジングと、該ハウジング内に収納された熱
    交換用細管束と、該細管束の両端部付近を前記ハウジン
    グの内面に液密に固着するとともに、前記ハウジング内
    を、前記血液流入ポートおよび前記血液流出ポートと連
    通する血液室と、前記熱交換用媒体導入ポートおよび前
    記熱交換用媒体排出ポートと連通する熱交換用媒体室と
    に区画する隔壁とを有する血液用熱交換器の製造方法で
    あって、該製造方法は、ほぼ等間隔に並列配置された複
    数の細管の両端部付近が帯状テープ部材により保持され
    た細管平面状集合物を作成する工程と、該細管平面状集
    合物を、複数積層して細管束を形成する工程と、該細管
    束を前記ハウジングに挿入する工程と、該細管束の両端
    部付近を前記ハウジングに液密に固定する工程とを有す
    ることを特徴とする血液用熱交換器の製造方法。
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