JPH0627556A - 放射線画像変換方法 - Google Patents

放射線画像変換方法

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JPH0627556A
JPH0627556A JP5105439A JP10543993A JPH0627556A JP H0627556 A JPH0627556 A JP H0627556A JP 5105439 A JP5105439 A JP 5105439A JP 10543993 A JP10543993 A JP 10543993A JP H0627556 A JPH0627556 A JP H0627556A
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寛 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 残像を効率よく迅速に消去することができ
て、残像消去のための装置を小型化することができ、残
像に起因するノイズの影響を受けることがない放射線画
像変換方法の提供。 【構成】 放射線の照射前あるいは輝尽発光させた後の
放射線画像変換パネルに輝尽性蛍光体の輝尽励起波長領
域の光と吸収波長領域の光とを両者が適当の割合となる
ように含む光を照射して、先の輝尽発光後の放射線画像
変換パネルに残留する蓄積エネルギーを消去することを
特徴とする放射線画像変換方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線画像システムにお
ける画像変換方法に関し、さらに詳しくは輝尽性螢光体
材料(以下単に「螢光体」という)を用いて、これに放
射線画像を記録し、次いでこれに励起光を照射してこの
放射画像を読み出して画像を再生する放射線画像システ
ムにおける放射線画像変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線画像を得るために銀塩を使
用した、いわゆる放射線写真が利用されているが、近
年、特に地球規模における銀資源の枯渇等の問題から銀
塩を使用しないで放射線像を画像化する方法が望まれる
ようになった。
【0003】上述の放射線写真法にかわる方法として、
被写体を透過した放射線を螢光体に吸収せしめ、しかる
後この螢光体をある種のエネルギーで励起してこの螢光
体が蓄積している放射線エネルギーを螢光として放射せ
しめ、この螢光を検出して画像化する方法が考えられて
いる。具体的な方法として、例えば米国特許第3,859,52
7号および特開昭55-12144号には螢光体として輝尽性螢
光体を用い励起エネルギーとして可視光線および赤外線
から選ばれる電磁放射線を用いる放射線変換方法が提唱
されている。この変換方法は、支持体上に輝尽性螢光体
層を形成したパネルを用い、このパネルの輝尽性螢光体
層に被写体を透過した放射線を吸収させて放射線の強弱
に対応した放射線エネルギーを蓄積させ、しかる後この
輝尽性螢光体層を輝尽励起光で走査することによって蓄
積された放射線エネルギーを光の信号として取り出し、
この光の強弱によって画像を得るものである。この最終
的な画像は、ハードコピーとして再生してもよいし、C
RT等の受像管上に再生してもよい。
【0004】このような放射線画像システムにおいて
は、放射線画像変換パネル(以下単に「螢光体パネル」
という)は繰返し使用することが経済的である。
【0005】読み出し時に充分な強度の励起光を照射す
れば、螢光体パネルに記録されていた放射線画像に起因
する蓄積放射線エネルギーは消滅するはずであるが、実
際には読み出し時に照射される励起光のみでは完全には
消滅しない。したがって螢光体パネルを繰返し使用する
際には、前回の撮影像(以下「残像」という)が残って
しまい次回の撮影像のノイズになるという問題が生ず
る。
【0006】斯かるシステムにおいて、残像に起因する
ノイズの発生を防止する具体的な方法としては、例えば
特開昭56-11392号には螢光体の吸収波長領域の光を含ま
ず、輝尽励起波長領域に含まれる光で螢光体パネルを励
起して、蓄積された放射線エネルギーを十分に放出させ
る方法が提唱されているし、特開昭56-12599号には螢光
体パネルを加熱して蓄積された放射線エネルギーを放出
させる方法が提唱されている。
【0007】しかしながらこれらの方法では残像は像様
に消去されるため残像に起因するノイズを防止するに
は、高光強度あるいは高温で長時間の消去が必要である
ため、残像消去のための装置が大型化し、システムの運
転速度が低下する欠点を有している。螢光体の吸収波長
領域の光を含まず、輝尽励起波長領域に含まれる光での
残像消去の状態を図1に示す。初期には光照射によって
残像は急激に減少するが減少の速度はしだいに遅くなっ
て消去されにくくなっており、残像の大きな部分が残像
のほとんどない部分と同一のノイズレベルになり螢光体
パネル全体が均一なノイズレベルに達するまでには高光
強度で長時間を要することがわかる。熱による残像消去
の状態を図2に示す。熱による残像消去も光照射による
残像消去と同様螢光体パネル全体が均一なノイズレベル
に達するまでには高温で長時間を要することがわかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題を
解決するためになされたものであり、残像に起因するノ
イズの影響を受けることがない放射線画像変換方法の提
供を目的とする。さらに本発明の他の目的は残像消去の
ための装置を小型化することが可能であり、システムの
運転速度を向上させることのできる放射線画像変換方法
の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、輝尽性螢光体
層を有する放射線画像変換パネルに画像情報を担持した
放射線を照射することによって該放射線のエネルギーを
蓄積させた後、前記放射線画像変換パネルに前記輝尽性
螢光体の輝尽励起波長領域に含まれる光を照射して放射
線画像変換パネルに蓄積されたエネルギーを画像情報を
担持した輝尽発光として放出させ、該輝尽発光を光電変
換して画像を再生する放射線画像変換方法において、前
記放射線の照射前あるいは前記輝尽発光させた後の前記
放射線画像変換パネルに前記螢光体の輝尽励起波長領域
の光と吸収波長領域の光とを含む光を、両者が所望の割
合となるようにそれぞれの光の強度を制御しながら照射
して、先の輝尽発光後の放射線画像変換パネルに残留す
る蓄積エネルギーを消去することを特徴とする放射線画
像変換方法にあり、この構成によって前記目的を達成す
る。
【0010】本発明において螢光体とは、最初の光もし
くは高エネルギー放射線が照射された後に、光的、熱
的、機械的、化学的または電気的等の刺激により、最初
の光もしくは高エネルギー放射線の照射量に対応した光
を再発光せしめる、いわゆる輝尽性を示す螢光体をい
う。ここで光とは電磁放射線のうち可視光、紫外光、赤
外光を含み、高エネルギー放射線とはX線、ガンマ線、
ベータ線、アルファ線、中性子線等を含む。
【0011】本発明において蛍光体の吸収波長領域の光
とは、蛍光体に吸収されることにより、蛍光体中にエネ
ルギーとして蓄積される光であり、吸収のピーク値に対
して1000分の1以上の吸収がある領域の光をいう。ま
た、本発明において輝尽励起波長領域の光とは、蛍光体
中に蓄積されたエネルギーを輝尽蛍光として放出させる
ことのできる光であり、輝尽励起のピーク値に対して10
00分の1以上の輝尽励起能力のある光をいう。
【0012】
【作用】本発明者等は紫外線、可視光線および赤外線か
ら選ばれる電磁波を用いる残像消去についての研究を行
なった結果、以下に示す知見を得た。
【0013】(1) 蛍光体にその蛍光体の吸収波長領域の
光を照射すると、残像に起因するノイズレベルとは無関
係に、照射した光エネルギーが蛍光体中に蓄積される。
この様子を図3に示す。実線で示す曲線Aは残像による
輝尽発光強度であり、破線で示す曲線Bは曲線Aで示す
残像を有する蛍光体パネルに、その蛍光体の吸収波長領
域の光を照射した後の輝尽発光強度である。この図から
残像とは無関係に蛍光体の吸収波長領域の光のエネルギ
ーが蛍光体パネル中に一様に蓄積されることが分かる。
【0014】(2) 蛍光体にその蛍光体の輝尽励起波長領
域の光を照射すると残像に起因するノイズレベルに応じ
て残像が消去される。この状態を図4に示す。実線で示
す曲線Aは残像による輝尽発光強度であり、破線で示す
曲線Cは曲線Aで示す残像を有する蛍光体パネルに、そ
の蛍光体の輝尽励起波長領域の光を照射した後の輝尽発
光強度である。この図から分かるように残像に起因する
ノイズレベルの高い部分のノイズ低下は低い部分に比較
して急速である。
【0015】更に残像消去について永年の研究を重ねた
結果、本発明者等は、蛍光体パネルにその蛍光体の輝尽
励起波長領域の光だけでなく、吸収波長領域の光と、輝
尽励起波長領域の光とを、吸収波長領域の光の強度すな
わちエネルギーが輝尽励起波長領域の光の強度すなわち
エネルギーの適当な割合であるように、同時に照射する
ことによって残像に起因するノイズを急速に消去できる
ことを見い出した。即ち残像に起因するノイズのうちノ
イズレベルの高い部分は輝尽励起波長の光によって前記
レベルが低下し、ノイズレベルの低い部分は、吸収波長
領域の光によって前記レベルが上昇する。その輝尽励起
波長の光の強度に対して吸収波長領域の光の強度を適当
に大きな割合とすることで、残像に起因するノイズのう
ちノイズレベルの高い部分と、低い部分の比は急速に小
さくなり、短時間で蛍光体の光吸収と輝尽励起とが平衡
に達して残像は消めつする。この状態を図5に示す。実
線で示す曲線Aは残像による輝尽発光強度である。前記
残像Aは、破線Dで示す中間過程を経て一点鎖線Eで示
す蓄積エネルギーレベルすなわち蓄積ポテンシャルに達
して平衡となる。
【0016】尚蓄積エネルギーレベルは蛍光体の吸収波
長領域の光と輝尽励起波長領域の光の割合により変化す
るので、所望の蓄積エネルギーレベルとなる様に蛍光体
の吸収波長領域の光と輝尽励起波長領域の光の割合を任
意に選択することができる。また上記のように残像を消
去した後蓄積ポテンシャルをさらに低下させる目的で、
蛍光体パネルにその蛍光体の吸収波長領域を含まず、輝
尽励起波長領域を含む光を一様に照射してもよい。
【0017】
【実施例】次に本発明の放射線画像変換方法を該方法の
実施に使用する装置のブロック図である図6を参照して
実施例により説明する。
【0018】図6において10は蛍光体パネル13に蓄積さ
れたノイズの原因となる放射線エネルギー(残像)を消
去するための残像消去装置(以下単に「消去装置」とい
う)、13は輝尽性蛍光体層を有する蛍光体パネル、14は
該蛍光体パネルの放射線潜像を輝尽光として放射させる
ための励起光源、15は蛍光体パネルより放射された蛍光
を検出する光電変換装置、16は光電変換装置15で検出さ
れた光電変換信号を画像として再生する装置、17は再生
された画像を表示する装置、18は光源14からの反射光を
カットし、蛍光体パネル13より放射された光のみを透過
させるためのフィルターである。15以降は13からの光情
報を何らかの形で画像として再生できるものであればよ
く、上記に限定されるものではない。
【0019】また、光源14からの反射光をカットするに
はフィルター18を用いずに特願昭57-124744号に示され
ている発光の遅れを利用して分離する方法によってもよ
い。さに消去装置10による蛍光体パネル13の残像消去、
放射線発生装置11で発生し、被写体12を透過した放射線
の蛍光体パネル13への記録、および蛍光体パネル13に形
成された放射線画像の再生において、蛍光体パネル13お
よび消去装置10は分離型もしくはポータブル型であって
もよく後半の部分と同一の設置場所に固定される必要の
ないことはもちろんである。
【0020】図6に示されるように、まず消去装置10に
よって蛍光体パネル13に蓄積されている残像を消去す
る。次に被写体12を放射線発生装置11と蛍光体パネル13
の間に配置して放射線を照射すると、放射線は被写体12
の各部の放射線透過率の変化に従って透過し、その透過
像(すなわち放射線の強弱の像)が蛍光体パネル13に入
射する。この入射した透過像は蛍光体パネル13の蛍光体
層に吸収され、これによって蛍光体層中に吸収した放射
線量に比例した数の電子及び/又は正孔が発生し、これ
が蛍光体のトラップレベルに蓄積される。すなわち放射
線透過像の蓄積像(潜像)が形成される。
【0021】次にこの潜像を光源14によって蛍光体パネ
ル13に用いられている蛍光体の輝尽励起波長領域を含む
光を蛍光体パネル13の蛍光体層に照射してトラップレベ
ルに蓄積された電子及び/又は正孔を追出し、蓄積像を
蛍光として放射せしめる。この放射された蛍光の強弱は
蓄積された電子及び/又は正孔の数、すなわち蛍光体パ
ネル13の蛍光体層に吸収された放射線エネルギーの強弱
に比例しており、この光信号を例えば光電子増倍管等の
光電変換装置15で電気信号に変換し、画像再生装置16に
よって画像として再生し、画像表示装置17によってこの
画像を表示する。このようにして残像ノイズのない画像
を再生することができる。消去装置10による蛍光体パネ
ル13の残像消去は図6に示されるように放射線画像の蛍
光体パネル13への記録の直前である必要はなく、前回の
使用から次回の放射線画像の蛍光体パネル13への記録の
間ならいつでもよい。
【0022】図7は本発明の方法に用いられる残像消去
のための消去装置の概略図である。20は消去用光源であ
り、21は蛍光体パネル13の支持体であり、22は光源20か
らの光線のスペクトルを変換するためのフィルターであ
る。消去用光源20と支持体21とは相対的に移動して蛍光
体パネル13を均一に照射して残像を消去する。消去用光
源20としては、蛍光体パネル13に用いられる輝尽性蛍光
体の吸収波長領域の光と輝尽励起波長領域の光とを吸収
波長領域の光の強度と輝尽励起波長領域の光の強度の比
が0.5以上1未満を満足するように含む光を放射する光
源が好ましく用いられ、単体光源であってもよいし、2
種類以上の光源を組合わせて用いてもよい。具体的に
は、タングステンランプ、ハロゲンランプ、赤外線ラン
プ、紫外線ランプ、キセノンランプ、ナトリウムラン
プ、He-Neレーザ、Arレーザー等の光源が組合せまた
は単体で用いられる。フィルター22は消去用光源20から
の光線スペクトルを変換して、蛍光体パネル13に用いら
れる輝尽性蛍光体の吸収波長領域の光と輝尽励起波長領
域の光との割合を適当に設定するためのものであり、こ
れによって消去用光源20に多くの種類のランプが用いら
れるようになるが、消去用光源20を適当に選べばかなら
ずしも必要ではない。
【0023】本発明に必要な消去装置10は上記例示のほ
か、パネル13を最終的に均一に光照射して残像を消去で
きるものであれば何でもよく、上記に限定されるもので
はない。
【0024】蛍光体パネル13の中に蓄積されたノイズの
原因となる残像を完全に消去するのに要する光照射時間
は、蓄積されている放射線エネルギーの量、消去用光源
20より放射される光の波長および強度等の種々のファク
ターによって広い範囲で変化するが、一般には数秒から
数分の照射で十分である。
【0025】本発明の放射線像変換方法において用いら
れる蛍光体パネル13及び蓄積像を蛍光として放射せしめ
るための励起光源14について以下に詳細に説明する。
【0026】蛍光体パネル13の構造は図8に示されるよ
うに支持体30と、この支持体30の片面上に形成された蛍
光体層31よりなる。この蛍光体層31はいわゆる輝尽性蛍
光体からなる。
【0027】このような蛍光体としては例えば特開昭48
-80487号記載のBaSO4:Ax(但しAはDy,Tb及びTmのう
ち少なくとも1種であり、xは、0.001≦x<1モル%
である。)で表わされる蛍光体、特開昭48-80488号記載
のMgSO4:Ax(但しAはHoおよびDyのうちの少なくとも
1種であり、xは0.001≦x<1モル%である。)で表
わされる蛍光体、特開昭48-80489号記載のSrSO4:Ax
(但しAはTm,TbおよびDyのうち少なくとも1種であ
り、xは0.001≦x<1モル%である。)で表わされる
蛍光体、特開昭51-29889号記載のNa2SO4,CaSO4およびB
aSO4等にMn,DyおよびTbのうち少なくとも1種を添加し
た蛍光体、特開昭52-30487号記載のBeO,LiF,MgSO4
よびCaF2等の蛍光体、特開昭53-39277号記載のLi2B
4O7:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54-47883号記載のLi2O
・(B2O2)x:Cu(但しxは2<x≦3)、およびLi2O
(B2O3)x:Cu,Ag(但しxは2<x≦3)等の蛍光
体、米国特許3,859,527号記載のSrS:Ce,Sm、SrS:E
u,Sm、La2O2S:Eu,Smおよび(Zn,Cd)S:Mn,X(但
しXはハロゲン)で表わせられる蛍光体。特開昭55-121
42号記載のZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式がBaO・xAl
2O3:Eu(但し0.8≦x≦10)で表わされるアルミン酸バ
リウム蛍光体、および一般式がM″O・xSiO2:A(但し
M″はMg,Ca,Sr,Zn,CdまたはBaであり、AはCe,T
b,Eu,Tm,Pb,Tl,BiおよびMnのうち少なくとも1種
であり、xは0.5≦x≦2.5である。)で表わされるアル
カリ土類金属珪酸塩系蛍光体。特開昭55-12143号記載の
一般式が (Ba1−x−yMgxCay)FX:eEu (但しXはBrおよびClの中の少なくとも1つであり、
x,yおよびeはそれぞれ0<x+y≦0.6、xy≠0お
よび10-6≦e≦5×10-2なる条件を満たす数である。)
で表わされるアルカリ土類弗化ハロゲン化物蛍光体、特
開昭55-12144号記載の一般式が LnOX:xA (但しLnはLa,Y,GdおよびLuの少なくとも1つを、X
はCl及び/又はBrを、AはCe及び/又はTbを、xは0
<x<0.1を満足する数字を表す。)で表わされる蛍光
体、特開昭55-12145号記載の一般式が (Ba1−xM″x)FX:yA (但しM″はMa,Ca,Sr,ZnおよびCdのうちの少なく
とも1つを、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも
1つを、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb及び
Erのうちの少なくとも1つを、x及びyは0≦x≦0.6
及び0≦y≦0.2なる条件を満す数字を表わす。)で表
わされる蛍光体、特開昭55-84389号記載の一般式がBaF
X,xCe,yA(但し、XはCl,BrおよびIのうちの少なく
とも1つ、AはIn,Tl,Cd,SmおよびZrのうちの少な
くとも1つであり、xおよびyはそれぞれ0<x≦2×
10-1および0<y≦5×10-2である。)で表わされる蛍
光体、特開昭55-160078号記載の一般式が M″FX xA:yLn (但しM″はBa,Ca,Sr,Mg,ZnおよびCdのうちの少な
くとも1種、AはBeO,MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO,Al2O
3,Y2O3,La2O3,In2O3,SiO2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO
2,Nb2O5,Ta2O5およびThO2のうちの少なくとも1種、L
nはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Smおよ
びGdのうちの少なくとも1種、XはCl,BrおよびIの
うちの少なくとも1種であり、xおよびyはそれぞれ5
×10-5≦x≦0.5および0<y≦0.2なる条件を満たす数
である。)で表わされる希土類元素付活2価金属フルオ
ロハライド蛍光体、一般式がZnS:A、CdS:A、(Zn,C
d)S:A、ZnS:A,XおよびCdS:A,X(但しAはCu,A
g,Au またはMnであり、Xはハロゲンである。)で表わ
される蛍光体、特願昭57-148285号記載の下記一般式
〔I〕または〔II〕、 一般式〔I〕 xM3(PO42・NX2:yA 一般式〔II〕 M3(PO42:yA (式中、MおよびNはそれぞれMg,Ca,Sr,Ba,Znおよ
びCdの少なくとも1種、XはF,Cl,BrおよびIの少な
くとも1種、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Y
d,Er,Sb,Tl,MnおよびSnの少なくとも1種を表わ
す。またxおよびyは、0<x≦6、0≦y≦1なる条
件を満たす数字である。)で表わされる蛍光体、および
下記一般式〔III〕または〔IV〕、 一般式〔III〕 nReX3・mAX′2:xEu 一般式〔IV〕 nReX3・mAX′2:xEu・ySm (但しReはLa,Gd,Y,Luの少なくとも一種、Aはアル
カリ土類金属、Ba,Sr,Caの少なくとも一種、Xおよび
X′はF,Cl,Brの少なくとも一種を表わす。またxお
よびyは、1×10-4<x<3×10-1、1×10-4<y<1
×10-1なる条件を満たす数字であり、n/mは1×10-3
<n/m<7×10-1なる条件を満たす。)で表わされる
蛍光体等が挙げられる。
【0028】しかしながら、本発明の放射線画像変換方
法に用いられる蛍光体は上述の蛍光体に限られるもので
はなく、放射線を照射した後励起光を照射した場合に輝
尽発光を示すものであればいかなる蛍光体であってもよ
いことは言うまでもない。
【0029】次に蛍光体パネル13の製造法の一例を以下
に示す。
【0030】先ず蛍光体をポリビニルブチラール、硝化
綿等のバインダー溶剤溶液(溶剤シクロヘキサン、アセ
トン、酢酸、エチルおよび酢酸・ブチルの混液等)に混
合し、粘度がおよそ50センチストークスの塗布液を調製
する。次にこの塗布液を水平に置いたポリエチレンテレ
フタレートフイルム(支持体)上に均一に塗布し、一昼
夜放置し自然乾燥することによって好ましくは300μm程
度の厚みの蛍光体層を形成し、蛍光体パネル13とする。
支持体としてはプラスチックフイルムの他に例えば透明
なガラス板やアルミニウムなどの金属板等を用いてもよ
い。
【0031】なお、蛍光体パネル13は図9に示されるよ
うな2枚のガラス板等の透明な基板33、34間に蛍光体を
挟みこんで任意の厚さの蛍光体層32とし、その周囲を密
封した構造のものでも良い。
【0032】本発明の放射線画像変換方法において前記
蛍光体パネル13の蛍光体層32を励起する光の励起光源14
としては蛍光体層32に用いられている蛍光体の輝尽励起
波長領域を含む光を少なくとも放射する光源が用いられ
る。この光源はバンドスペクトル分布を持った光を放射
する光源であってもよいし、He-Neレーザ、YAGレー
ザ、ルビーレーザ、Arレーザ、半導体レーザ等の単一波
長の光を放射する光源であってもよい。特にレーザ光を
用いる場合、高い輝尽励起エネルギーを得られる。
【0033】以下、さらに本発明の具体的実施例を比較
例と共に示す。
【0034】実施例1 蛍光体パネルはBaFBr:Euから成る蛍光体8重量部とポ
リビニルブチラール1重量部を溶剤(シクロヘキサン)
を用いて分散させ、これをポリエチレンテレフタレート
基板上に均一に塗布し、一昼夜放置し、自然乾燥するこ
とによって約300μmの蛍光体層を形成して作製した。図
10に該蛍光体の吸収スペクトルF及び輝尽励起スペクト
ルGを示した。すなわち、この螢光体の残存ノイズの消
去に有効に用いられる吸収波長領域は波長200〜420nm、
好ましくは250〜310nmであり、同じく輝尽励起波長領域
は波長470〜820nm、好ましくは470〜650nmである。この
蛍光体パネルに管電圧80KVのX線を10ミリレントゲン被
写体を通して照射し、1回目の潜像を形成した。次にこ
の蛍光体パネルに図11に示すスペクトルすなわち、輝尽
励起領域の波長600nm近傍の光強度と吸収波長領域の波
長400nm近傍の光強度が略等しく、波長600nm近傍の光強
度をAとし、吸収波長領域の波長300nm近傍の光強度を
Bとして、B/Aが0.5以上1以下で1に近いスペクト
ル強度分布を有するXe-ランプ光を60万ルックス・秒照
射して1回目の潜像を消去し、続いて1回目の潜像を形
成したと同様の方法で2回目の潜像を形成した。次にこ
の蛍光体パネルをArレーザで励起して2回目の潜像を読
み出した。
【0035】このようにして読み出したX線画像は1回
目のX線画像に起因する残像ノイズのない鮮明なもので
あった。
【0036】比較例1 実施例1と同様にして蛍光体パネルを作製し、1回目の
潜像を形成した。次にこの蛍光体パネルに500nm以下の
短波長光を色ガラスフィルターでカットした図12に示す
スペクトルを有するXe-ランプ光を60万ルックス・秒照
射し、続いて1回目の潜像を形成したと同様の方法で2
回目の潜像を形成した。次にこの蛍光体パネルを実施例
1と同様にArレーザで励起して2回目の潜像を読み出し
た。
【0037】このようにして読み出したX線画像は1回
目のX線画像に起因する残像ノイズにより画像が著しく
劣化した。
【0038】実施例2 実施例1と同様にして蛍光体パネルを作製し、1回目の
潜像を形成した。次にこの蛍光体パネルに実施例1と同
様にしてXeランプ光を30万ルックス・秒照射した後500n
m以下の短波長光を色ガラスフィルターでカットした図1
3に示すスペクトルを有するタングステンランプ光を30
万ルックス・秒照射し、続いて1回目の潜像を形成した
と同様の方法で2回目の潜像を形成した。次にこの蛍光
体パネルを実施例1と同様にArレーザで励起して2回目
の潜像を読み出した。このようにして読み出したX線画
像は1回目のX線画像に起因する残像ノイズのない鮮明
なものであった。
【0039】なおタングステンランプは、図14に一般用
Wo、写真用Wpのスペクトル強度分布を示しているよう
に、蛍光体の吸収波長領域の波長400nm以下を殆んど含
まないか、含んでも輝尽励起波長領域の強度に比較して
非常に弱いから、単独で消去用光源に用いた場合は本発
明の目的を達成することは困難である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
ノイズの原因となる前回の放射線画像に起因する残像は
新しい放射線画像の記録前に効率よく迅速に消去される
のでノイズのない鮮明な放射線画像を再生することがで
きる。このように本発明は蛍光体を用いた放射線画像変
換方法におけるノイズの問題を解決するものであり、本
発明の工業的利用価値は非常に大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光による残像消去状態の経時変化グラフであ
る。
【図2】熱による残像消去状態の経時変化グラフであ
る。
【図3】蛍光体の吸収波長領域の光照射による輝尽発光
強度変化グラフである。
【図4】蛍光体の輝尽励起波長領域の光照射による輝尽
発光強度変化グラフである。
【図5】蛍光体の吸収波長領域の光と輝尽励起波長領域
の光の同時照射による輝尽発光強度変化グラフである。
【図6】本発明の放射線画像変換方法に用いる装置のブ
ロック図である。
【図7】本発明に用いられる残像消去のための消去装置
の概略図である。
【図8】本発明に用いられる放射線像変換パネルの概略
断面図である。
【図9】本発明に用いられる放射線像変換パネルの概略
断面図である。
【図10】蛍光体の吸収スペクトルと輝尽励起スペクト
ルのグラフである。
【図11】Xeランプの発光スペクトルのグラフである。
【図12】Xeランプの発光の500nm以下の短波長光をフ
ィルターで除いたスペクトルのグラフである。
【図13】タングステンランプの発光の500nm以下の短
波長をフィルターで除いたスペクトルグラフである。
【図14】種々のタングステンランプの発光のスペクト
ルグラフである。
【符号の説明】
10 消去装置 11 放射線発生装置 12 被写体 13 蛍光体パネル 14 励起光源 15 光電変換装置 16 画像再生装置 17 画像表示装置 18,22 フィルター 20 消去用光源 21,30 支持体 31,32 蛍光体層 33,34 透明基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 文生 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輝尽性螢光体層を有する放射線画像変換
    パネルに画像情報を担持した放射線を照射することによ
    って該放射線のエネルギーを蓄積させた後、前記放射線
    画像変換パネルに前記輝尽性螢光体の輝尽励起波長領域
    に含まれる光を照射して放射線画像変換パネルに蓄積さ
    れたエネルギーを画像情報を担持した輝尽発光として放
    出させ、該輝尽発光を光電変換して画像を再生する放射
    線画像変換方法において、前記放射線の照射前あるいは
    前記輝尽発光させた後の前記放射線画像変換パネルに前
    記螢光体の輝尽励起波長領域の光と吸収波長領域の光と
    を含む光を、両者が所望の割合となるようにそれぞれの
    光の強度を制御しながら照射して、先の輝尽発光後の放
    射線画像変換パネルに残留する蓄積エネルギーを消去す
    ることを特徴とする放射線画像変換方法。
  2. 【請求項2】 前記輝尽励起波長領域と吸収波長領域の
    光強度の制御が、輝尽励起波長領域である波長600nm近
    傍の光強度と吸収波長領域である波長400nm近傍での光
    強度とが略等しくなるように成される請求項1記載の放
    射線画像変換方法。
  3. 【請求項3】 前記輝尽励起波長領域である波長600nm
    の近傍の光強度をAとし、吸収波長領域である波長300n
    m近傍の光強度をBとして、B/Aが0.5以上1以下であ
    る請求項1記載の放射線画像変換方法。
  4. 【請求項4】 前記B/Aが略1である請求項3記載の
    放射線画像変換方法。
  5. 【請求項5】 前記輝尽励起波長領域の光が波長470〜8
    20nmの光であり、吸収波長領域の光が波長200〜420nmの
    光である請求項1〜請求項4のいずれかの記載の放射線
    画像変換方法。
  6. 【請求項6】 前記輝尽励起波長領域の光が波長470〜6
    50nmの光であり、吸収波長領域の光が波長250〜310nmの
    光である請求項1〜請求項4のいずれかの記載の放射線
    画像変換方法。
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