JPH06275145A - NbTi超電導線及びその製造方法 - Google Patents

NbTi超電導線及びその製造方法

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JPH06275145A
JPH06275145A JP5059009A JP5900993A JPH06275145A JP H06275145 A JPH06275145 A JP H06275145A JP 5059009 A JP5059009 A JP 5059009A JP 5900993 A JP5900993 A JP 5900993A JP H06275145 A JPH06275145 A JP H06275145A
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filament
superconducting
superconducting wire
powder
nbti
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JP5059009A
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Ryukichi Takahashi
龍吉 高橋
Fumio Iida
文雄 飯田
Naofumi Tada
直文 多田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はNbTi超電導線及びその製造方法
に関し、特にメカニカルアローイングによりセラミック
ス超微粉末をNbTiフィラメント内部に均一に分散さ
せて、高臨界電流密度の超電導線を提供することにあ
る。 【構成】 機械的合金化手法によりセラミックス超微粉
末(4)を、メカニカルアローイングによりNbTiフ
ィラメント中に分散させ(3)、これを安定化材(2)
と複合化し超電導線(1)とする。 【効果】 機械的合金化手法によりNbTiフィラメン
ト中に均一に分散されたセラミックス超微粉末が、人工
ピニングセンターとして機能するため、高電流密度のN
bTi超電導線が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NbTi超電導線及び
その製法に係わり、特にNbTi超電導線の臨界電流密
度の向上させることのできる超電導線に関する。
【0002】
【従来の技術】NbTi超電導線は、現在すでに実用に
供されており、NbTi超電導線を巻回することによっ
て構成される超電導磁石からの要求仕様により、種々の
性能の超電導線材が工業的に製造されている。
【0003】しかしながら、よりコンパクトで高電流密
度を有する磁気浮上列車、核磁気共鳴装置、粒子加速
器、核融合装置などの、超電導磁石装置を得るために
は、使用する超電導線の臨界電流密度の一層の向上が重
要な課題である。
【0004】従来より、超電導線の臨界電流密度を向上
させるために、超電導線中にピニングセンターを導入す
る方法が知られている。超電導線中に設けられたピニン
グセンタは、超電導フィラメント中に侵入した磁束がロ
ーレンツ力によって動こうとするのを妨げる、所謂ピン
止め効果を発揮し、これにより臨界電流密度を高める。
また、超電導フィラメント中のピニングセンタの数が多
く、そのピン止め力が大きいほど、超電導線の臨界電流
密度は、向上することが期待される。
【0005】これまで、ピニングセンタとしては、超電
導体中で形成される格子欠陥や、結晶粒界、ならびにα
−Ti等の常電導析出物等の不均質点が用いられてい
る。これら不均質点のピニングセンタは、NbTi超電
導線を製造する工程の途中での機械加工や熱処理によっ
て形成される。
【0006】また、ピニングセンタの数を増やすため
に、積極的にピンニングセンタを超電導体フィラメント
内部に形成しようとする、所謂人工ピニングセンターの
導入も検討されてきている。
【0007】従来、人工的に多数のピニングセンターを
導入しNbTi超電導線の臨界電流密度を向上させるた
めに、例えば、特開平3−246822号公報に記載の
ように、NbまたはTaを人工的なピン止め点として利
用した超電導線が提案されている。この超電導線は、フ
ィラメント母材のNbTi合金棒の長手方向に複数本の
貫通孔をあけ、その中にNbまたはTa棒を挿入して線
引きすることにより製造される。また、特公昭55−2
4207号公報では、超電導材料の微細粉末に非超電導
粉末を添加して、混合粉末とし、これを金属パイプに充
填して、線引き加工後熱処理を施すことによりフィラメ
ントを形成する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】人工的に導入したピニ
ングセンタが、ピニングセンタとして効果的に作用する
ための、ピニングセンタの粒径は、フィラメントを取り
巻く安定化材のコヒーレント長の関係により、0.1μ
m以下である必要がある。0.1μm以下という大きさ
は、格子欠陥や結晶粒界ならびに析出物等の不均質点と
同程度である。
【0009】しかしながら、上記従来技術の特開平3−
246822号公報に記載されている超電導線の製造方
法は、フィラメント母材の長手方向に貫通孔を空けて、
NbやTa等の棒を挿入し、その後これらを一緒に線引
きするものであるが、NbやTaは、非常に変形しにく
い性質をもっている。そのため、フィラメント中のNb
やTaの線は、線引きされにくく、線引きによって1μ
m以下にすることは困難である。また、無理に線引きし
た場合には、NbやTaの線が途切れ途切れになる。し
たがって、この方法では、人工的なピニングセンタとし
て機能する0.1μm以下の直径の線を得ることは非常
に難しい。
【0010】また、この構造では、NbやTaの線は、
フィラメントの長手方向に連続しているため、もし0.
1μm以下の線が得られたとしても、フィラメントの長
手方向については、ピニングセンタとしての作用が少な
い。
【0011】また、特公昭55−24207号公報に記
載されている方法は、超電導材料の微細粉末に、ピニン
グセンタを形成するための非超電導体の粉末を添加し
て、ボールミル等で混合粉末として、これでフィラメン
トを作製している。しかしながら、単にボールミル等で
粉末を混合・粉砕することによりえられる粒子の大きさ
には限界があり、ある程度以下(数分の1μm)に小さ
くすることができない。したがって、この方法で作製さ
れたフィラメント中の非超電導体材料の粒子の大きさ、
および、非超電導体材料の粒子の間隔は、数分の1μm
以上となり、これ以上に小さくすることはできない。ま
た、ボールミル等の粉砕でえられる粒子の大きさのばら
つきは非常に大きい。よって、この方法で、ピニングセ
ンタとして機能する0.1μm以下の非超電導材料の粒
子を、フィラメント中に均一に分散させることはできな
い。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を排
除し、ピン止め効果によって、高臨界電流密度を得るこ
とのできる高性能の超電導線及びこれを得るに好適な製
造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、フィラメントと、前記フィラメント
を流れる電流を一時的に回避させるための安定化部材と
を有する超電導線において、前記フィラメントは、超電
導材料と、前記超電導材料中に分散されたセラミックス
粒子とを含み、前記セラミックス粒子の粒径は、0.1
μm以下であることを特徴とする超電導線が提供され
る。
【0014】また、上記目的を達成するために、本発明
によれば、超電導材料の粉末とセラミックスの粉末と
を、メカニカルアローイング法により合金化し、フィラ
メント材料を作製する第1の工程と、得られたフィラメ
ント材料を、前記安定化材中に設けられた中空のなかに
配置する第2の工程とを有することを特徴とする超電導
線の製造方法が提供される。
【0015】
【作用】本発明においては、超電導材料の粉末とセラミ
ックスの粉末とを、メカニカルアローイング法(機械的
合金化方法)により合金化し、フィラメント材料を作製
する。これにより、上述の従来の方法では達成すること
のできなかった粒径0.1μm以下のセラミックス粒子
を得て、しかも、これを超電導材料中に均一に分散させ
ている。
【0016】メカニカルアロイング法とは、近年耐熱合
金の分野で注目されている方法で、二種類以上の金属粉
末をボールミル等を用いて機械的に合金化する手法であ
る。すなわち、合金化しようとする複数の元素の粉末
に、機械的な折畳みと圧延を繰り返し、これにより超微
細組織を形成するものである。この機械的な折畳みと圧
延は、粉末の場合、ボールミル装置によって行われる
が、従来のボールミルにおける粉砕および混合とは、粉
末に対する作用が全く異なる。
【0017】メカニカルアローイングでは、例えば、圧
延率(1/a)=0.3とすると、繰り返し10回で元
の厚さの約10万分の1の厚さの層状組織となる。した
がって、複数の金属が数nmの結晶粒度で分散した超微
細組織が得られる。この現象は、2種以上の固溶しない
材料においても生じるので、固溶しない超電導材料とセ
ラミックスとを強制的に合金化した材料を得ることがで
きる。したがって、このメカニカルアロイング法によっ
て作られる合金の構造には(1)超微細粒(ナノクリス
タル)(2)広い組成範囲の強制固溶体(3)準安定結
晶相(4)アモルファス相が有る。
【0018】本発明は、この原理を応用し、超電導材料
の粉末とセラミックスの粉末とに機械的な折畳みと圧延
を繰り返すことによって、従来得られなかったような、
0.1μm以下のセラミックスの粉末を超電導材料の中
に分散させる。
【0019】本発明においては、超電導線を構成するフ
ィラメント中に均一に分散せられたセラミックス超微粉
末が、人工ピニングセンターとして機能し、通常の超電
導線の製造過程で実施される機械加工や熱処理手段によ
り形成されるピニングセンターと重畳され、超電導体内
部の侵入磁束のローレンツ力による駆動力に対する大き
な拘束力となるため、結果としてNbTi超電導線の高
臨界電流密度化を達成できる。
【0020】本発明において用いることのできる超電導
材料としては、例えば、NbTiがある。また、セラミ
ックス超微粉末は、超電導材料との反応生成物を生じな
い、金属酸化物、窒化物、炭化物を用いることができ
る。例えば、超電導材料としてNbTiを用いた場合に
は、セラミックスとして、Al23、MgO、Si
2、Y23、ZrO2、AlN、BN、Si34、Ti
N、NbN、VN、TiC、NbCのうち1種または2
種以上を用いることができる。これらセラミックス超微
粉末は、NbTiフィラメントと金属間化合物を生成し
ないため、これらセラミックス超微粉末の導入によって
塑性加工性を阻害する副次的な反応生成物が生成せず、
健全に加工できる。
【0021】また、メカニカルアローイング手法を用い
てセラミックス超微粉末をNbTiフィラメントに分散
・混入させた場合、従来法と比較し、超電導体全体にわ
たってより均一な分散・混入が可能であり、高臨界電流
密度を持つ高性能のNbTi超電導線を得ることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。
【0023】(実施例1)本発明の第1の実施例の超電
導線の構造を図2を用いて説明する。
【0024】図2のように、本実施例の超電導線1は、
Cu製の安定化材2と、その中に埋め込まれた多数のN
bTiフィラメント3とを備えて構成されている。
【0025】つぎに、超電導線1の製造方法を図1を用
いて、順に説明する。
【0026】別途工業的に提供されるNb−46.5w
%Tiの合金粉末(平均粒径約30μm)を準備した
(ステップ101)。なお、前記合金粉末の不純物を分
析したところ、C<200ppm、O<1000pp
m、N<150ppm、H<35ppm、Fe<200
ppm、Si<100ppm、Ta<1000ppm、
Cr<60ppm、Ni<60ppm、Cu<100p
pm、Al<125ppmであった。
【0027】また、別途、平均粒径が、約0.05μm
の純度99.999w%のAl23 粉末を用意した(ス
テップ102)。
【0028】つぎに、遊星型ボールミル装置を用意し、
前述のNb−Ti合金粉末と、Al23 粉末とを充填
した。ボールミル容器は、Al23 製であり、中に約
20個の直径10mmのZrO2 製ボールが入れられて
いる。ボールミルとボールは事前にアルコール及びアセ
トンで十分に洗浄しておき、不純物の混入を極力避ける
ように配慮した。
【0029】この後、ボールミル容器内を約5ミリトー
ルまで真空引きした後、高純度Arガスで置換し、上記
遊星型ボールミルを回転速度250rpmで約24時間
運転し、上記混合粉末の機械的な合金化処理を施し合金
化粉末を得た(ステップ103a)。この合金化処理に
より、Nb−Ti合金粉末とAl23 粉末とには、機
械的な折畳みと圧延とが繰り返され、これにより0.1
μm以下の粒径のセラミックスが合金中に分散された超
微細組織の合金化粉末が形成された。
【0030】この後、このようにして得た上記合金化粉
末を、別途事前に十分に洗浄化処理せられた高純度無酸
素銅パイプに封入し(ステップ103b)、両端を熔接
後、減面加工により外径5.5mmのシングル線を製作
した(ステップ104)。この後、このシングル線32
80本を別途準備した事前に十分に洗浄化処理せられた
高純度無酸素銅パイプに挿入し(ステップ105)、静
水圧押出し、伸線加工による細線化手段により複合体を
得た(ステップ106)。これに375℃で約100時
間の時効熱処理を施した後(ステップ107)、ピッチ
約30mmのツイストを施し(ステップ108)、外径
約1.63mm、銅比1.0のNbTi複合多心超電導
線1を得た。
【0031】この超電導線を透過型電子顕微鏡及び電子
線マイクロアナライザーにより詳細に観察したところ、
NbTiフィラメント3の平均直径は、20μmであ
り、このフィラメント3の長手方向及びその直交断面内
に、平均粒径0.015μmのAl23 超微粉末4
が、平均間隔30nmで分散されていた。また上記Al
23 微粉末4とNbTiフィラメント間に副次的な反
応生成物の発生は認められなかった。また上記超電導線
の一部を硝酸を用いて銅をすべて除去した後、NbTi
フィラメント3を走査型電子顕微鏡で観測したところ、
ネッキングや断線等は観察されず、良好に細線化されて
いた。
【0032】また、上記得られた超電導線1の短尺試料
を用い、1×10~13 Ωmの抵抗基準を用いて臨界電流
を求めこれを臨界電流密度に換算したところ、6Tで2
050A/mm2 を得た。
【0033】なお、本実施例ではAl23微粉末を用い
たがMgO、SiO2、Y23、ZrO2 等の酸化物セ
ラミックス微粉末を用いてもよい。
【0034】(実施例2)本発明の第2の実施例の超電
導線ついて説明する。
【0035】実施例1に示されたAl23微粉末にかわ
り、別途準備した平均粒径が約0.05μmの純度9
9.999w%のAlN粉末を用い、実施例1と同一の
手法により実施例1と略同一諸元を有する超電導線を得
た。作製方法は、実施例1と同様であるので説明を省略
する。
【0036】この超電導線を透過型電子顕微鏡及び電子
線マイクロアナライザーにより詳細に観察したところ、
NbTiフィラメント3の平均直径は20μmであり、
フィラメント3の長手方向及びその直交断面内に、平均
粒径0.015μmのAlN超微粉末が平均間隔30n
mで分散されていた。
【0037】また、上記AlN微粉末とNbTiフィラ
メント間に副次的な反応生成物の発生は認められなかっ
た。また上記超電導線の一部を硝酸を用いて銅をすべて
除去した後NbTiフィラメントを走査型電子顕微鏡で
観測したところ、ネッキングや断線等は観察されず、良
好に細線化されていた。
【0038】また、上記得られた超電導線の短尺試料を
用い実施例1と同一の方法を用いて臨界電流を求めこれ
を臨界電流密度に換算したところ、実施例1の超電線と
略同一の結果を得た。
【0039】なお、本実施例ではAlN微粉末を用いた
がBN、Si34、TiN、NbN、VN等の窒素物セ
ラミックス微粉末を用いてもよい。
【0040】(実施例3)さらに本発明の第3の実施例
の超電導線について説明する。
【0041】実施例1に示されたAl23微粉末にかわ
り、別途準備した平均粒径が約0.05μmの純度9
9.999w%のTiC粉末を用い、実施例1と同一の
手法により実施例1と略同一諸元を有する超電導線を得
た。製造方法は、実施例1と同様であるので詳細な説明
を省略する。
【0042】この超電導線を透過型電子顕微鏡及び電子
線マイクロアナライザーにより詳細に観察したところ、
平均直径20μmのNbTiフィラメントの長手方向及
びその直交断面内に、平均粒径0.015μmのTiC
超微粉末が平均間隔30nmで分散されていることがわ
かった。また上記TiC微粉末とNbTiフィラメント
間に副次的な反応生成物の発生は認められなかった。ま
た上記超電導線の一部を硝酸を用いて銅をすべて除去し
た後NbTiフィラメントを走査型電子顕微鏡で観測し
たところ、ネッキングや断線等は観察されず、良好に細
線化されていた。
【0043】また、上記得られた超電導線の短尺試料を
用い実施例1と同一の方法を用いて臨界電流を求めこれ
を臨界電流密度に換算したところ、実施例1の超電線と
略同一の結果を得た。
【0044】なお、本実施例ではAlN微粉末を用いた
がNbC等の炭化物セラミックス微粉末を用いてもよ
い。
【0045】(実施例4)本発明の第4の実施例の超電
導線について説明する。
【0046】別途工業的に提供されるNb−46.5w
%Tiの合金粉末(平均粒径約30μm)を準備した。
これを、別途準備した平均粒径が約0.05μmの純度
99.999w%のAl23粉末及び純度99.999
w%のAlN粉末を用い、実施例1と同一の手法により
実施例1と略同一諸元を有する超電導線を得た。
【0047】この超電導線を透過型電子顕微鏡及び電子
線マイクロアナライザーにより詳細に観察したところ、
平均直径20μmのNbTiフィラメントの長手方向及
びその直交断面内に、平均粒径0.015μmのAl2
3粉末及びAlN超微粉末が平均間隔30nmで分散
されていることがわかった。また上記TiC微粉末とN
bTiフィラメント間に副次的な反応生成物の発生は認
められなかった。また上記超電導線の一部を硝酸を用い
て銅をすべて除去した後NbTiフィラメントを走査型
電子顕微鏡で観測したところ、ネッキングや断線等は観
察されず、良好に細線化されていた。
【0048】(比較例1)性能比較用試料として、Nb
Tiフィラメント中に、人工ピニングを導入しない上記
超電導線と略同一の諸元を持つNbTi超電導線を作製
した。作製方法としては、上述の第1の実施例のステッ
プ102および103aを行わず、従来通り、ステップ
101、103bから108により作製した。上記方法
と同一手法によりその臨界電流密度を評価したところ、
6Tで1650A/mm2 であった。
【0049】(比較例2)さらに、比較例として、実施
例1と同じNb−Ti合金粉末と、Al23 粉末を用
いて、従来のボールミルを用いた撹拌混合により超電導
線を作製した。
【0050】製造方法は、実施例1のステップ103a
の代わりに、ボールミルによる撹拌混合のステップを行
った。他のステップは、実施例1と全く同様にした。
【0051】図3に得られた超電導線のフィラメントの
断面を示す。フィラメント3の直径は、上述の実施例と
同じく20μmであった。しかし、この比較例は、上述
の実施例のように、機械的合金化方法を用いていないた
め、セラミックス14の粒径は、数分の1μmから数μ
mと非常に大きく、粒径のばらつきも大きかった。しか
も、セラミックス14とセラミックス14との間隔が大
きくばらついており、場所によっては、2つの粒子が接
触しているところや、数十μm以上間隔の合いていると
ころもあった。
【0052】また、この超電導線の臨界電流密度を求め
たところ、比較例1に示した人工ピニングを導入しない
超電導線と同程度であり、セラミックス14は、人工ピ
ニングとして効果的に機能していないことがわかった。
【0053】上述のように、本実施例で示した超電導線
1は、機械的合金化方法を用いているので、0.1μm
以下のセラミックスを均一に分散したフィラメント3を
有している。したがって、セラミックスが人工ピニング
として有効に機能しており、そのため、上述のように、
比較例1、2よりも格段に大きな臨界電流密度を得るこ
とができた。
【0054】尚、以上の実施例では最終超電導線の長手
方向断面形状が円形の場合を示したが、長方形、正方形
等の任意形状であってもよいことは言うまでもない。
【0055】また金属パイプとして無酸素銅を用いた
が、CuNi、Al及びこれら3者を複合して用いても
よい。
【0056】また、本実施例によって得られた超電導線
をさらに複数本撚線成形し所謂コンパクテッドストラン
ドとしたり、これを銅、Al等の金属電気良導体と複合
化したりして用いてもよい。
【0057】また、上記超電導線を巻回することによ
り、高電流密度を有しコンパクトな磁気浮上列車、核磁
気共鳴装置、粒子加速器、核融合装置等の超電導磁石装
置を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、N
bTiフィラメント中にセラミックス超微粉末を分散さ
せることにより、これを人工ピニングとして機能させピ
ン止め力を増大させることにより、NbTi超電導線の
臨界電流密度を向上せしめることができるという工業上
優れた効果があり、コンパクトで高電流密度を有する磁
気浮上列車、核磁気共鳴装置、粒子加速器、核融合装置
等の超電導磁石装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるNbTi超電導線の
製作工程を示すフローチャート。
【図2】本発明の一実施例に係わるNbTi超電導線1
についての、(A)全体横断面図、(B)セラミックス
超微粉末4の分散されたフィラメント3の横断面、
(C)フィラメント3の縦断面。
【図3】比較例として作製した従来法によるNbTi超
電導線中のNbTiフィラメントについての(A)横断
面、(B)縦断面。
【符号の説明】
1…超電導線 2…安定化材 3…フィラメント 4、14…セラミックス粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導体フィラメントと安定化材とを有す
    る超電導線の製造方法であって、 超電導材料の粉末とセラミックスの粉末とを、メカニカ
    ルアローイング法により合金化し、フィラメント材料を
    作製する第1の工程と、 得られたフィラメント材料を、前記安定化材中に設けら
    れた中空のなかに配置する第2の工程とを有することを
    特徴とする超電導線の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記超電導材料は、N
    bTiであり、前記セラミックスは、金属酸化物、金属
    窒化物および金属炭化物のうち少なくとも何れかを含む
    ことを特徴とする超電導線の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記第1の工程におい
    て、前記フィラメント材料中の前記セラミックス粒子の
    粒径が0.1μm以下の予め定めた粒径になった場合、
    メカニカルアローイングを終了することを特徴とする超
    電導線の製造方法。
  4. 【請求項4】フィラメントと、前記フィラメントを流れ
    る超電導電流を一時的に回避させるための安定化部材と
    を有する超電導線において、 前記フィラメントは、超電導材料と、前記超電導材料中
    に分散されたセラミックするとを含み、 前記セラミックス粒子の粒径は、0.1μm以下である
    ことを特徴とする超電導線。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記セラミックス粒子
    は、前記フィラメント中に10nm以上100nm以下
    の間隔で分散していることを特徴とする超電導線。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記フィラメントは、
    超電導材料としてNbTiを含み、前記セラミックス
    は、金属酸化物、金属窒化物および金属炭化物の少なく
    とも何れかを含むことを特徴とする超電導線。
JP5059009A 1993-03-18 1993-03-18 NbTi超電導線及びその製造方法 Pending JPH06275145A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007013095A (ja) * 2005-05-30 2007-01-18 Toshiba Corp 超電導コイル装置
CN108257729A (zh) * 2017-12-13 2018-07-06 无锡友方电工股份有限公司 磁共振磁体mri月牙形超导基体、超导线及制造方法
US10622537B2 (en) 2017-01-23 2020-04-14 Bruker Eas Gmbh Method for producing a semifinished product for a superconducting wire

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