JPH06273725A - 調光窓 - Google Patents

調光窓

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JPH06273725A
JPH06273725A JP5719793A JP5719793A JPH06273725A JP H06273725 A JPH06273725 A JP H06273725A JP 5719793 A JP5719793 A JP 5719793A JP 5719793 A JP5719793 A JP 5719793A JP H06273725 A JPH06273725 A JP H06273725A
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JP5719793A
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Toru Kashiwagi
亨 柏木
Junichi Ono
純一 小野
Koji Hara
浩二 原
Kayoko Morikawa
佳代子 森川
Kensaku Takada
憲作 高田
Yasushi Saito
寧 齋藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオキセタンを主鎖構造に含みかつ架橋構
造を含んだ側鎖型高分子液晶と低分子液晶と微少量の電
解質とを含む混合膜1を、透明電極膜2,3を有する一
対の透明基板4,5間に挟着した調光素子6と、必要に
応じてこの調光素子6の少なくとも片面に積層した透明
面状ヒータ7とを備えた調光窓である。前記側鎖型高分
子液晶はポリオキセタンを主鎖構造に含み架橋構造を有
するのが好ましい。 【効果】透明状態で、見る角度にかかわらず均一で良好
な透明感を有し、また単純マトリクス駆動によるフリー
グラフィック表示が可能である。さらに、メモリー性を
付与するときは、省電力が可能である。また、フェール
セーフ機能を付与するときは、自動車などの乗物の窓に
適用しても、事故などで白濁し視界が悪くなるのを防止
できる。従って、本発明の調光窓は、自動車、電車、船
舶などの窓に好適に適用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子液晶と低分子液
晶とを用いた調光窓に関し、とくに自動車、電車、船舶
等の窓に用いるのに適した調光窓に関する。
【0002】
【従来の技術】側鎖型高分子液晶と低分子液晶との混合
膜における透明⇔白濁の可逆的光スイッチングは梶山ら
により初めて報告された(Chem. lett. 817 (1989)) 。
本発明者らはかかる側鎖型高分子液晶と低分子液晶との
混合膜における材料検討を行い、高分子液晶の架橋構造
化が応答時間向上に有効であることを見出し、マトリク
ス駆動による表示が可能な液晶表示素子について特許出
願を行い(特開平4−217294号公報)、さらにこ
れを応用した調光窓について実用新案登録出願を行って
いる(実開平4−112228号公報)。
【0003】ところで、液晶を用いた大面積の調光窓に
ついては、高分子マトリクス中に液晶を分散させたもの
が知られており、瞬間調光ガラスとして日本板硝子社製
の「ウム」(登録商標)、液晶調光シートとして味の素
社製の「アクト」(登録商標)などがすでに市販されて
いる。これらの製品は、調光素子に電界を印加したとき
に透明となり、電界を切ると白濁する変化を行うもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の製品を自動車、電車などの窓に適用した場合には、何
らかの事故や故障が起きて調光素子への電界が切れる
と、窓が白濁状態になってしまい、乗客、乗員の視界を
遮ることになるため、危険であるという問題があった。
【0005】また、窓としては、透明を保つ時間が白濁
状態で使用する時間よりも長いのが通常であるから、電
界印加しておく時間が長くなるため、経済性のうえでも
問題があった。さらに、これらの製品に使用されている
液晶は、しきい値特性が不十分なため、単純マトリクス
駆動が不可能であり、従って単純な固定パターン以外の
表示をさせることができず、意匠性に欠けていた。ま
た、液晶と高分子がミクロに相分離した状態で存在して
いるため、透明時においても見る角度によっては白濁が
完全に解消せずにいくらか残存しており、そのため透明
感を満足させることができなかった。
【0006】本発明の主たる目的は、上述の技術的課題
を解決し、自動車、電車、船舶などの乗物の窓に適用可
能である、安全で経済的でありかつ透明感にもすぐれた
調光窓を提供することである。本発明の他の目的は、前
記乗物の窓に表示機能などを付与することができる調光
窓を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の調光
窓は、側鎖型高分子液晶と低分子液晶と微少量の電解質
とを含む混合膜を透明電極膜を有する一対の透明基板間
に挟着した調光素子と、この調光素子の少なくとも片面
に積層した透明面状ヒータとを備えたことを特徴とす
る。かかる本発明によれば、高分子液晶と低分子液晶と
を含む混合膜を用いているので、混合膜をスメクチック
の配合とすることで、透明、白濁の各状態にメモリー性
を付与することができる。従って、透明、白濁をスイッ
チ1つで自由に選択でき、透明状態および白濁状態のい
ずれの状態をも、電界を印加し続けることなく、長時間
保持できる。
【0008】また、そのメモリー性を利用して書き換え
型のマトリクス表示が可能であり、図形、文字、絵など
を自由に表出させることができるので、意匠性が高くな
る。一方、前記混合膜をネマチックの配合とすれば、メ
モリー性はなくなるが、従来の調光窓と異なり、電界印
加により白濁状態となるため、事故などにより電界印加
が切れても透明状態に戻る、いわゆる「フェールセー
フ」型調光が可能になる。
【0009】とくに、本発明における混合膜は高分子液
晶と低分子液晶とが相分離しておらず、均一な混合膜と
なっているため、透明配向時に光を散乱する要素がな
く、従ってどの角度から見ても完全に透明となるため、
実用上きわめて有効である。また、透明面状ヒータを備
えたことにより、寒冷地などで使用する場合にも、調光
素子を加熱し液晶の作動に最適な温度を維持することが
できる。
【0010】本発明の他の調光窓は、架橋された構造を
含んだ側鎖型高分子液晶と、低分子液晶と、微少量の電
解質とを含む混合膜を、透明電極膜を有する一対の透明
基板間に挟着した調光素子を備えたことを特徴とする。
このように、側鎖型高分子液晶が架橋された構造を含む
ことにより、透明⇔白濁の応答速度を速くすることがで
きる。
【0011】本発明のさらに他の調光窓は、ポリオキセ
タンを主鎖構造に含んだ側鎖型高分子液晶と、低分子液
晶と、微少量の電解質とを含む混合膜を、透明電極膜を
有する一対の透明基板間に挟着した調光素子を備えたこ
とを特徴とする。このように、側鎖型高分子液晶とし
て、ポリオキセタンを主鎖構造に含んだものを使用して
いるので、エーテル主鎖でかつ主鎖を構成する原子の繰
り返し単位が長くなり、そのため隣接する液晶基間の間
隔を広く設計できることができる。その結果、室温付近
で液晶相を示し、液晶基(メソーゲン基)の配向のし易
さに富むため、液晶基の応答性が改善される。
【0012】本発明において使用する側鎖型高分子液晶
としては、上記ポリオキセタンを主鎖とするもののほ
か、ポリシロキサン主鎖、ポリオキシエチレン主鎖、ポ
リ(メタ)アクリレート主鎖などの種々のものが使用で
きるが、ポリシロキサン主鎖またはポリオキセタン主
鎖、とりわけポリオキセタン主鎖のものが室温付近で液
晶相を示し、液晶基の応答性がよいので好ましい。
【0013】ポリオキセタン主鎖を有する側鎖型高分子
液晶としては、例えば下記一般式で表されるものが含ま
れる。
【0014】
【化1】
【0015】(式中、R0 は液晶基、Yは水素原子また
は任意の置換基、mは1〜12の整数を示す。)また、
高分子液晶は適度に架橋されているのが、透明⇔白濁の
応答速度を速くするうえで好ましい。架橋は側鎖型高分
子液晶の少なくとも一部が架橋されていればよい。高分
子液晶を架橋させるには、まず高分子液晶の主鎖中に側
鎖液晶基が結合していない繰り返し単位を導入する。そ
の方法としては、例えばポリオキセタン主鎖を有する側
鎖型高分子液晶の場合、側鎖液晶基を有するオキセタン
単量体と液晶基を有しないオキセタン単量体との仕込み
量を調整して、高分子主鎖中に−CH2 OH基を積極的
に残存させる方法があげられる。ついで、架橋剤を使用
して、高分子液晶間の残存した−CH2 OH基の間で架
橋を行わせる。架橋剤としては、例えばヘキサメチレン
ジイソシアネートなどがあげられる。
【0016】使用する高分子液晶は分子量が小さいほう
が応答速度の向上のために好ましく、具体的には重量平
均分子量(Mw)が2000〜30000程度がよい。
また、いわゆるオリゴマーと呼ばれる低重合度のものも
使用可能である。高分子液晶の主鎖は直鎖でなくても、
分岐構造があったり、十字形や環状形であってもよい。
【0017】前記液晶基R0 には、例えばフェニルベン
ゾエート型、シアノビフェニル型、フェニルピリミジン
型などのメソーゲン基があり、いずれも使用可能である
が、液晶相の種類、与える温度範囲を適切に設定できる
ように選択される。また、高分子液晶はホモポリマーだ
けでなく、2種類以上のモノマーを使用したコーポリマ
ーであってもよく、あるいは数種類の高分子液晶のブレ
ンド品であってもよい。また、高分子液晶基中にイオン
性基、水素結合構造を含んでいてもよい。
【0018】低分子液晶としては、市販のネマチック
系、スメクチック系、コレステリック系などの多成分混
合液晶が使用でき、混合物の相が適切になるように選択
される。高分子液晶と低分子液晶との混合割合は、各液
晶の分子構造にも依存するが、通常は、両液晶材料の合
計量中に占める高分子液晶の割合が5〜70重量%、好
ましくは10〜60重量%であるのがよい。
【0019】本発明における混合膜は微少量(通常、
0.01〜1重量%程度)の電解質を含有しており、こ
の電解質に起因したイオンにより、応答速度がさらに高
められると共に、確実かつ再現性よく、透明→白濁の変
化を生じる。前記電解質としては、高分子液晶および低
分子液晶を適当な溶媒に溶解した塗布液に溶解するもの
であれば、いずれも使用可能であり、例えば下記→般式
で表される四級アンモニウム塩があげられる。
【0020】
【化2】
【0021】(式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同
一または異なって、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基な
どのアルキル基を示し、XはF,Cl,I,ClO4
PF4 ,BF4 などを示す。)かかる電解質は1種類の
みを使用してもよく、あるいは混合物で使用してもよ
い。
【0022】本発明における混合膜には、カラー表示タ
イプにするため、従来公知の各種二色性色素を配合する
こともできる。混合膜を挟着する→対の透明基板として
は、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム
(例えばポリエチレンテレスタレート、ポリエーテルサ
ルホン)などがあげられるが、本発明の利点をより生か
すにはプラスチックフィルムを使用するのが好ましい。
その際、フィルム材料は透明性、耐熱性、耐候性の高い
ポリエチレンテレスタレート(PET)、ポリフッ化ビ
ニル、ポリメタクリル系フィルムなどを使用するのが好
ましいが、室内使用等ではポリエーテルサルホン(PE
S)も使用可能である。また、紫外線吸収剤などを混合
して、耐紫外線性が向上したフィルムを用いてもよい。
【0023】また、透明基板上に設けられる透明電極膜
としては、例えばITO(インジウムチンオキサイ
ド)、SnO2 などがあげられる。これらの透明電極膜
は蒸着やスパッタリッグなどで形成することができる
が、ITO微粉と高分子バインダーとを塗布乾燥して得
られる塗布型透明電極膜を使用するのが、パターン形成
上有利であり、より経済的である。
【0024】本発明における調光素子は、従来と同様
に、透明電極膜を上にした一方の透明基板上に、前記混
合膜の各成分を溶解した塗布液を塗布し、乾燥固化させ
て混合膜を形成した後、この混合膜上に、透明電極膜を
下にした他方の透明基板を重ね合わせることにより製造
できるので、製造が容易で工程数の削減が可能である。
前記塗布液を塗布には、バーコート法、スピンコート
法、スプレーコート法、ローラコート法などの従来公知
のコート法がいずれも採用可能である。
【0025】このようにして得られる調光素子を補強す
るために、比較的厚い透明プラスチック板、ガラス板な
どに調光素子を貼付することも可能である。つぎに本発
明の調光窓の具体例を図面に基づいて説明する。図1に
示すように、本発明における混合膜1は、それぞれ透明
電極膜2,3を設けた一対の透明基板4,5間に挟着さ
れて、調光素子6を形成している。この調光素子6の片
面には透明面状ヒータ7が、他面には紫外線カットフィ
ルム8がそれぞれ積層接着されている。
【0026】ここで、一方の透明電極膜2は走査電極と
して、他方の透明電極膜3は信号電極として機能する。
前記透明面状ヒータ7は、自動車などを寒冷地で使用す
る場合、温度が下がりすぎて液晶が動作しなくなるか、
または動作がきわめて遅くなるおそれがあるので、調光
素子を加熱し温度制御するために使用される。かかる透
明面状ヒータ7は、透明基板9の表面に透明導電膜10
を設けたものである。
【0027】前記紫外線カットフィルム8は、調光窓が
長期間にわたって外光に曝されたとき、高分子液晶など
の液晶材料が光劣化を起こすのを防止するために使用さ
れる。かかる本発明の調光窓は、2枚のガラス板(図示
せず)の間に挟み込むか、窓ガラスの表面に接着するな
どして使用される。
【0028】前記透明電極膜2,3のパターン形状は用
途に応じて適宜選択でき、例えばベタ型、セグメント
型、ストライプ型、マトリクス型などがあげられるが、
本発明の調光窓の特徴を最もよく発揮できるのはマトリ
クス型の場合である。これは図2に示すように、ストラ
イプ状のパターンの2枚を互いに直交するように配置し
たものであり、単純マトリクス駆動により、フリーグラ
フィックの表示がなし得る形態である。
【0029】図3は自動車のリアウインドー11に本発
明の調光窓を適用した例を示している。図3に示すよう
に、リアウインドー11の上部は調光素子の白濁状態で
ストライプ状のサンシェード12となり、下部は後方へ
の情報表示部13(フリグラフィック)となり、中段は
透明状態14のままである。図4は電車の窓15に本発
明の調光窓を適用した例を示している。図4(a) は透明
状態であるため車窓風景が見える状態を示しており、同
図(b) は白濁状態で窓15の上部がモザイク状のサンシ
ェード16となり、下部が情報表示部17(フリグラフ
ィック)となり、中段は透明状態18のままである。
【0030】このように、自動車のリアウインドー11
や電車の窓15における必要な部位のみに文字、図形等
が現出されるようにし、その他の部位は透明状態14,
18のままであるので、外の景色を見ることができ、自
動車の運転にも支障をきたすことがない。なお、液晶の
駆動装置は窓枠などに組み込まれたFPC、フラットケ
ーブル、ヒートシールコネクタ等を介して透明電極膜
2,3(走査電極、信号電極)に結線される。透明面状
ヒータ7の電源についても同様である。
【0031】図2に示す透明電極膜2,3の電極ピッチ
pや電極間間隔cは、窓の大きさや表示する情報内容に
よって異なるが、例えば一辺が0.5〜1mm程度の窓を
対象とする場合、電極ピッチpは4.5mm〜5cm程度、
電極間間隔cは100μm〜1mm程度が実際的である。
また、全面同一ピッチでなく、部分的にピッチが異なっ
ていてもよい。なお、電極間間隔cはできるだけ小さい
ほうが電界に応答しない面積を減らすことができるの
で、より好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の調光窓を詳細
に説明するが、本発明は以下の実のみに限定されるもの
ではないことは勿論である。 実施例1 透明基板(PETフィルム)の表面全体にITO膜を形
成した2枚の透明導電フィルム(厚さ125μm、寸
法:約0.5m×0.5m)のITO膜表面をテーピン
グによりマスクし、酸溶液にてエッチッグし、ストライ
プ状の電極を形成した(ピッチ1cm、電極間間隔1m
m)。
【0033】一方、側鎖型高分子液晶として、20モル
%の3−ヒドロキシ−3−メチルオキセタンと80モル
%の3−{〔5−(4−シアノビフェニル−4′−イ
ル)オキシ〕ペンチルオキシメチル}−3−メチルオキ
セタンとの共重合体をヘキサメチレンジイソシアネート
で架橋した高分子液晶(重量平均分子量=5000)を
用いた。
【0034】この高分子液晶20重量部と、低分子液晶
(メルクジャパン社製のS2)80重量部とを混合し、
さらに電解質としてテトラエチルアンモニウムブロミド
を全体の0.05重量%として加え、スペーサとして1
0μmのベンゾグアナミン樹脂を少量添加した。これら
の成分の均一混合物を、エッチング処理した前記2枚の
透明導電フィルム間にロールラミネート法で挟着し、端
部を両面粘着テープで封着し、調光素子を得た。
【0035】また、ITO膜の端部には導電性鉄箔テー
プを各電極に貼付し、リード線を銀ペースト止めして駆
動回路に結線した。前記調光素子の片面に、透明面状ヒ
ータとしてエッチングしていない透明導電フィルムを貼
付し、他面に紫外線カットフィルタ(鐘淵化学社製の登
録商標「サンデュレン」)を貼付し、調光窓を得た。
【0036】この調光窓を自動車のリアウインドーの内
側に貼付固定し、駆動させたところ、良好なサンシェー
ド効果と情報表示機能を示した。また、透明状態ではい
ずれの角度から見ても透明感にすぐれていた。前記調光
窓の透明性をHe−Neレーザー(633nm)を用い
てより詳細に調べた。すなわち、図5に示すように、前
記実施例で得た調光窓の小片サンプル19の前後にそれ
ぞれレーザー20およびディテクタ21を配置すると共
に、小片サンプル19に対する照射角θを−45°〜+
45°の範囲で変えて、調光窓の透明時における光透過
率を測定した。なお、小片サンプル19には1kHz、
60Vの電圧を10秒間印加し、電界オフ後、1分後に
測定した。
【0037】その結果を表1に示す。表において、光透
過率はサンプルのない状態を100%として測定したも
のである。
【0038】
【表1】
【0039】表1から、実施例で得た調光窓はどの角度
からでも均一で良好な透明性を維持していることがわか
る。また、マトリクス駆動は、全面にDC60V、2秒
印加にて白濁後、約0.6秒/lineにて走査し、透明部
分をAC1kHz、60Vで書込みする動作を行った。
その後の書き換えは、必要ライン部分のみを全面白濁化
後、同様に書き込んだ。
【0040】一旦書き込んだ内容は、室温で1カ月放置
後もその内容を表示、維持してしたことから、高いメモ
リー性を有することが確認された。 実施例2 側鎖型高分子液晶として、下記式で表され一部架橋構造
を有するポリ(4−メトキシフェニル−4′−ヘキシロ
キシベンゾエートメチルシロキサン)を用い、実施例1
における高分子液晶および低分子液晶に代えて、この高
分子液晶40重量部と、低分子液晶であるメルクジャパ
ン社製のネマチック混合液晶ZLI−4389(Δn=
0.1567、Δε=45.6)の60重量部を用いた
ほかは、実施例1と同様にして調光窓を作製した。な
お、使用した透明基板はパターン形状のない寸法が約1
5×15cmのものを使用した。
【0041】
【化3】
【0042】得られた調光窓は電界無印加で透明状態を
示し、DC20V印加1秒で白濁した。ついで、電界を
オフにすると約5秒で元の透明状態に戻った。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の調光窓によれば、
透明状態で、見る角度にかかわらず均一で良好な透明感
を有し、また単純マトリクス駆動によるフリーグラフィ
ック表示が可能である。さらに、メモリー性を付与する
ときは、省電力が可能である。また、フェールセーフ機
能を付与するときは、自動車などの乗物の窓に適用して
も、事故などで白濁し視界が悪くなるのを防止できるの
で、安全性が確保される。従って、本発明の調光窓は、
自動車、電車、船舶などの窓に好適に適用されるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調光窓の積層構造を示す断面図であ
る。
【図2】本発明における透明電極膜のパターン形状の一
例を示す平面図である。
【図3】本発明の調光窓を自動車のリアウインドに適用
した例を示す自動車の背面図である。
【図4】本発明の調光窓を電車の窓に適用した例を示す
平面であり、(a) は窓外の景色が見える透明状態を、
(b) は部分的に白濁した状態を示している。
【図5】実施例で得た調光窓の透明性を調べる試験方法
を示す図である。
【符号の説明】
1 混合膜 2 透明電極膜 3 透明電極膜 4 透明基板 5 透明基板 6 調光素子 7 透明面状ヒータ
フロントページの続き (72)発明者 森川 佳代子 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 高田 憲作 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 齋藤 寧 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖型高分子液晶と、低分子液晶と、微少
    量の電解質とを含む混合膜を、透明電極膜を有する一対
    の透明基板間に挟着した調光素子と、 この調光素子の少なくとも片面に積層した透明面状ヒー
    タとを備えたことを特徴とする調光窓。
  2. 【請求項2】架橋された構造を含んだ側鎖型高分子液晶
    と、低分子液晶と、微少量の電解質とを含む混合膜を、
    透明電極膜を有する一対の透明基板間に挟着した調光素
    子を備えたことを特徴とする調光窓。
  3. 【請求項3】ポリオキセタンを主鎖構造に含んだ側鎖型
    高分子液晶と、低分子液晶と、微少量の電解質とを含む
    混合膜を、透明電極膜を有する一対の透明基板間に挟着
    した調光素子を備えたことを特徴とする調光窓。
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