JPH0627348B2 - 薄膜の形成方法 - Google Patents

薄膜の形成方法

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JPH0627348B2 JP30886287A JP30886287A JPH0627348B2 JP H0627348 B2 JPH0627348 B2 JP H0627348B2 JP 30886287 A JP30886287 A JP 30886287A JP 30886287 A JP30886287 A JP 30886287A JP H0627348 B2 JPH0627348 B2 JP H0627348B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/02Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
    • C23C18/12Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material
    • C23C18/1204Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material inorganic material, e.g. non-oxide and non-metallic such as sulfides, nitrides based compounds
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 本発明は、基体上に金属酸化物等の薄膜を形成する方
法、例えばエレクトロニクスの分野において誘電体薄
膜、絶縁体薄膜、抵抗体薄膜、導体薄膜、超伝導薄膜等
を形成するのに有用な方法に関する。
従来の技術 エレクトロニクス産業における薄膜の形成技術として、
従来より真空蒸着法、スパッタリング法、鍍金法、化学
気相析出法、物理的気相析出法、分子線エピタキシャル
法、イオンプレーティング法などが知られている。これ
らの方法は一般にプロセスが複雑であり、装置も複雑か
つ大型なので、膨大な設備投資が必要となる。また原料
の有効利用率が低いため無駄が多く、更に原料の分解物
による装置の汚染の問題もある。
一方、陶磁器、ガラス等の装飾分野では、貴金属の有機
化合物の熱分解によって金属薄膜を形成することが古く
から行われており、その技術はエレクトロニクス分野に
おいても金属や金属酸化物の被膜を形成する方法として
応用されている。この方法は、有機金属化合物の有機溶
媒溶液を浸漬法、引き上げ法、スピンナー法、スクリー
ン印刷法等の方法で基体に塗布し、該化合物の熱分解温
度以上の温度で焼成することによって有機物を分解除去
し、金属又は金属酸化物薄膜を形成するものであつて、
大型で高価な設備を必要とせず、多種の薄膜を容易に形
成できる利点がある。この方法に用いられる有機金属化
合物としては、金属のメルカプチド、硫化バルサム、レ
ジネートが一般的であり、その他金属石鹸類や金属アル
コキシドなどが知られている。このうち特に金属のメト
キシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等の従
来一般に用いられる低級アルキルアルコールのアルコキ
シドは、金属含有率が高く、又合成も簡単であり、ほと
んどの金属で化合物を作ることができるので、薄膜原料
として期待されているが、保存安定性に欠ける欠点があ
る。即ちこれらの金属アルコキシドは加水分解し易く、
又有機溶媒に対する安定性が悪いので、化合物そのもの
の取扱いが難しい上、溶液の状態で長時間保存すると一
部分解してしまう結果、均一な膜厚が得られにくくなる
ため薄膜の形成には必ずしも適していなかった。更に金
属アルコキシドは有機溶媒に対する選択性があり、ごく
限られた有機溶媒にしか溶解しないので、原材料として
使用する上で大きな問題がある。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、従来用いられていた金属アルコキシド
より安定で、薄膜形成原料として有用な化合物を合成す
るとともに、この化合物を原料として用いて、熱分解法
により均一な薄膜を形成することにある。
問題点を解決するための手段 本発明は、一般式M(OR)(但しMは金属元素、R
はアルキル基、nは2〜6の整数)で表される金属アル
コキシドとセスキテルペンアルコールとを反応させて得
られた金属有機誘導体を有機媒体に溶解させた組成物
を、基体に塗布した後、高温で焼成して該金属有機誘導
体を熱分解し、基体上に金属酸化物の薄膜を形成する方
法である。
金属アルコキシドのアルコール成分としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、tert-
ブチルアルコールなどの低級アルコールが使用される。
金属成分はこれらのアルコールとアルコキシドを形成す
るものであれば特に制限はなく、例えばTa 、Ti 、A
l 、Si 、Sn 、Sb 、Pb 、Zr 、Zn 、Ba 、La
、Y、Cu 、Ru 等の金属が挙げられる。
セスキテルペンアルコールは、組成式C15Hx O(x =
18〜26)、代表的にはC1524Oで示されるテルペンア
ルコールである。液状でも固体状でもよいが、好ましく
は常温で液体のものであり、又金属アルコキシドと反応
させた後容易に反応生成物と分離できるもの、又は反応
後そのまま有機媒体として使用できるものが望ましい。
例えばベチベノール、ネロリドール、ファルネソール、
サンタロールなどが反応性、分離、薄膜化の点から実用
上有効である。
金属アルコキシドとセスキテルペンアルコールの反応
は、例えば両者を混合し、70〜200 ℃で1〜2時間還流
することにより行われる。反応生成物である金属有機誘
導体は、金属アルコキシドのセスキテルペンアルコキシ
置換体であり、従来知られていない新規な化合物であっ
て、減圧蒸溜や真空蒸溜等により反応系が容易に分離で
きる。
薄膜を形成するための組成物は、上記反応で得られた金
属有機誘導体を有機媒体に溶解させて調製する。有機媒
体としては、組成物を焼成する際分解除去されるもの
で、かつ該金属有機誘導体を溶解し得る有機溶媒を用い
るが、カルボン酸、アミン、炭化水素、アルコール、ハ
ロゲン化炭化水素、アルデヒド、ケトン、エーテル、エ
ステルなど、通常用いられるほとんどの有機溶媒が使用
できる。尚、金属アルコキシドとセスキテルペンアルコ
ールの反応における未反応物及び副生成物は主としてア
ルコールからなるので、これを分解せず有機媒体として
そのまま使用することもできる。又、通常の装飾用又は
エレクトロニクス用組成物と同様、樹脂などの粘度調整
剤や可塑剤を添加してもよい。
この組成物を金属、セラミック、ガラス、樹脂など種々
の基体上に、浸漬法、引き上げ法、スピンナー法、スク
リーン印刷法など公知の手法で塗布し、好ましくは乾燥
工程を経た後、該金属有機誘導体及び有機媒体の熱分解
温度以上の温度で焼成することにより、有機媒体を分解
除去し、金属有機誘導体を分解して、基体上に金属酸化
物の薄膜を析出させる。所望の膜厚とするには、塗布及
び焼成工程を必要なだけ繰返せばよい。又複数の金属を
使用すれば複合酸化物、ガラスなどの薄膜を形成するこ
ともできる。この場合、始めから複数の金属アルコキシ
ドを混合反応させてもよく、又別々に合成した金属有機
誘導体を混合して使用してもよい。
作用 本発明の特徴は、有機金属化合物の熱分解による薄膜の
形成方法において、有機金属化合物として、金属アルコ
キシドとセスキテルペンアルコールとを反応させて得ら
れた新規な金属有機誘導体を使用することにある。
この金属有機誘導体は、後述する実施例でも説明される
ように、反応原料である金属アルコキシドのアルコキシ
基のうち少なくとも一つが、セスキテルペンアルコキシ
基によって置換された新規な金属有機誘導体であり、従
来知られている金属アルコキシドに比べて耐湿性、耐加
水分解性が極めて良好である上、取扱いが簡単で保存安
定性に優れている。又アルコール、エーテル、エステ
ル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素など多くの種類の
有機溶媒に対する溶解度が高く、これらの溶媒に対する
安定性も良い利点があり、かつ溶液状態での長期保存が
可能であり、組成物調製後、長時間経過しても均一な薄
膜が得られる。又溶倍に対しての選択性が少ないこと
は、特に複数の金属成分を含むような金属複合酸化物、
ガラスなどの薄膜を形成する際、極めて有利である。従
ってこの誘導体を用いることにより、ピンホールやクラ
ックのない、単一成分又は多成分の均一な薄膜を、簡単
な工程で形成することができる。
実施例 実施例1 タンタルエトキシドTa(OC)5.9g (0.015mol)
とベチベノールC1524O 10g(0.045mol)とを混合し、
150℃で2時間還流させた。次いで減圧蒸溜を行い未反
応物を除去した。反応生成物は、赤外吸収スペクトル、
核磁気共鳴、熱分解ガスクロマトグラフィ質量分析によ
る分析結果から、いずれの出発物質とも異なり、タンタ
ルエトキシドのエトシキ基の少なくとも1つがベチベノ
キシ基で置換された形の有機金属誘導体であることが確
認された。示差熱分析の結果、タンタル含有率は35.5重
量%であった。この化合物はカルボン酸、アミン、炭化
水素、アルコール、ハロゲン化炭化水素、アルデヒド、
ケトン、エーテル、エステルなどほとんどの有機溶媒に
溶解し、溶液の安定性も高い。
この化合物をローズマリー油に溶解して10重量%溶液
(金属含有率 3.5重量%)を調製し、これをスピンナー
法で96%アルミナ基板上に塗布し、乾燥した。この乾燥
膜を 760℃で10分間焼成し、徐冷して薄膜を得た。この
塗布、乾燥、焼成の操作を10回繰り返して膜厚約 1.0μ
mの薄膜を得た。焼成膜はX線回折によりTa
あることが確認された。又走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、亀裂やピンホールのない平滑な連続膜であっ
た。
尚、このタンタル有機誘導体溶液は、長期間保存しても
変化がなく、例えば2か月間貯蔵した溶液を用いても同
様な連続薄膜を作成することができた。
比較例1 タンタルエトキシドの20重量%ベンゼン溶液を調製し、
スピンナー法で96%アルミナ基板上に塗布し、乾燥した
後、760 ℃で10分間焼成し、徐冷して薄膜を得た。この
塗布、乾燥、焼成の操作を3回繰り返して膜厚0.3 μm
の薄膜を得た。焼成膜はX線回折によりTa であ
ることが確認されたが、走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ亀裂が多く、不連続膜であった。
比較例2 タンタルエトキシドの20重量%ラベンダー油溶液を調製
し、比較例1と同様に薄膜を形成した。焼成膜を走査型
電子顕微鏡及びX線回折で調べたところ、Ta
均一な亀裂のない連続膜であった。しかし、この溶液は
デシケーター中に保存しても数週間後には少量の沈澱物
が認められ、この状態で薄膜を形成すると膜厚が均一に
ならない。これは保存中にアルコキシドが分解して、一
部高分子化したゲル状物質が生成し、基板に突起物とし
て堆積するためと考えられる。
実施例2 チタニウムイソプロポキシド1.0g(0.035mol)とベチベノ
ール1.2g(0.005mol)とを混合し、90℃で2時間還流さ
せ、チタン含有率 6.9重量%の茶褐色の透明粘凋な溶液
を得た。反応生成物はチタニウムイソプロポキシドのベ
チベノキシ置換体であった。
生成物と未反応物は分離せず、クロロホルムで希釈して
チタン含有率 1.8重量%の溶液とし、実施例1と同様に
して膜厚 1.0μmの薄膜を形成した。焼成膜はTi O
の均一な亀裂のない連続膜であった。
実施例3〜8 表1に示す種類及び量の金属アルコキシド、セスキテル
ペンアルコール及び希釈溶媒を用い、又反応条件、基
板、塗布方法、焼成温度及び塗布回数を表1のとおりと
する以外は実施例2と同様にして、薄膜を形成した。結
果を表1に併せて示した。尚、反応で得られた生成物
は、各金属アルコキシドのセスキテルペンアルコキシ置
換体であった。
実施例9 実施例2で得られたものと同じチタニウムイソプロポキ
シドのベチベノキシ置換体溶液(チタン含有率 6.9重量
%)1.0gと実施例5で合成したものと同一の鉛イソプロ
ポキシドのベチベノキシ置換体(鉛含有率32.1重量%)
0.93g をチタンと鉛が等モルとなるように混合し、ロー
ズマリー油で希釈して、金属含有率 3重量%の混合溶液
とした。この溶液に 99.99%の高純度アルミナ基板を浸
漬し、乾燥後、 800℃で10分間焼成した。この操作を5
回繰り返して連続な薄膜を形成した。膜をX線回折で調
べたところ、チタン酸鉛 (Pb Ti O)であった。
実施例10 チタニウムイソプロポキシド1.4gと鉛イソプロポキシド
1.6gをベチベノール2.8gと混合し、90℃において2時間
反応させ、5.7gの溶液を得た。反応生成物はチタニウム
イソプロポキシドのベチベノキシ置換体と鉛イソプロポ
キシドのベチベノキシ置換体の混合物であった。この溶
液を 35gのローズマリー油で希釈し、金属含有率 3.1%
の溶液とした。この溶液をスピンナー法で 99.99%の高
純度アルミナ基板に塗布し、乾燥後、 800℃で10分間焼
成した。この操作を5回繰り返してチタン酸鉛薄膜を形
成した。
実施例11(応用例) 1インチ角のグレーズド基板上に金薄膜電極を形成し、
この上に実施例1と同様な方法で膜厚1.25μmのTa
薄膜を形成した。更にその上に導電性銀ペーストを
焼付けて電極とした。誘電率を測定したところ35.7〜3
6.0であった。
発明の効果 本発明な金属アルコキシドとセスキテルペンアルコール
から合成された新規かつ安定な有機誘導体を原料として
使用し、これを熱分解することによって均一性、平滑
性、外観、電気適性能の極めて優れた薄膜を形成できる
ものであり、装飾用、光学用はもちろん、エレクトロニ
クスの分野においても利用価値が大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式M(OR)(但しMは金属元素、
    Rはアルキル基、nは2〜6の整数)で表される金属ア
    ルコキシドとセスキテルペンアルコールとを反応させて
    得られた金属有機誘導体を有機媒体に溶解させた組成物
    を、基体に塗布した後、高温で焼成して該金属有機誘導
    体を熱分解し、基体上に金属酸化物の薄膜を形成する方
    法。
JP30886287A 1987-12-07 1987-12-07 薄膜の形成方法 Expired - Fee Related JPH0627348B2 (ja)

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