JPH0627286U - 油圧式変速装置の操作機構 - Google Patents

油圧式変速装置の操作機構

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亨 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧式変速装置を有する走行車両において、
変速を中立に操作した時にモーター軸の回転が急激に停
止してもショックが生じることなくスムースに停止する
ようにする。 【構成】 油圧式変速装置Aを有する走行駆動経路途中
に可変容量型の摩擦クラッチC1・C2を設け、油圧式
変速装置Aの変速位置で、中立位置への操作に従ってク
ラッチ容量を小さくするように、該摩擦クラッチC1・
C2を変速レバー26に連動連係させたものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、走行中に油圧式変速装置を中立位置に操作した時の車両をショック なく停止させるようにするための操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から走行駆動経路に油圧式変速装置を有する走行車両では、停止する時に 油圧ポンプの斜板の角度を変更する変速レバーを中立位置に戻すと、油圧モータ ーは慣性により回転し続けようとするのでポンプ作用が生じ、油圧式変速装置の 回路圧が一時的に高圧となりモーター軸が急制動されショックを伴って車両が停 止するものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
そこで、変速レバーにショックアブソーバを装着して中立位置への戻しに抵抗 与えて改善を図ったものもあるが、気温によりショックアブソーバの特性が変化 してしまい満足な結果が得られなかったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する手 段を説明する。即ち、油圧式変速装置を有する走行駆動経路途中に可変容量型の 摩擦クラッチを設け、油圧式変速装置の中立位置への操作に従ってクラッチ容量 を小さくするように、該摩擦クラッチを変速レバーに連動連係させたものである 。
【0005】
【作用】
このように構成することによって、油圧式変速装置の油圧ポンプの斜板を操作 する変速レバーを前進位置又は後進位置から中立位置に戻すと、可変容量型の摩 擦クラッチの容量が減少してスリップが生じ、車両はショックなく停止するので ある。
【0006】
【実施例】
次に実施例を説明する。図1は駆動系のスケルトン図、図2は前進走行時のミ ッションケース断面図、図3は中立時のミッションケース断面図である。
【0007】 図1において走行車両の駆動構成を説明すると、エンジンEの出力軸1が油圧 式変速装置Aの可変容量型油圧ポンプPのポンプ軸に直結されて常時駆動し、該 油圧ポンプPからの圧油は閉回路を構成する油路2a又は2bより油圧モーター Mに送油され、その送油方向及び送油量は可動斜板3を回動することにより変更 でき、該可動斜板3は後述する変速装置の変速レバー26に連動連係されている 。前記油圧モーターMのモーター軸4はミッションケース5に横架された入力軸 6に連結されており、該ミッションケース5内には入力軸6に平行にクラッチ軸 7及び出力軸9が横架され、該出力軸9はミッションケース5に付設したデフケ ース10内に挿入されて、該出力軸9端にベベルギア11が固設され、該ベベル ギア11よりデフ装置Dに動力を伝えて、走行駆動経路を構成し走行駆動軸12 ・12両端に固定した走行輪13・13を駆動可能としているのである。
【0008】 次に図2において、ミッションケース5内の構成を詳述すると、前記入力軸6 上には歯数が同数の歯車6a・6bが左右に刻設され、該歯車6a・6bに、歯 数が同数の歯車14・15が噛合され、該歯車14は前記クラッチ軸7に回転自 在に外嵌されたクラッチケース16のボス部16aに回転自在に外嵌され、歯車 15はクラッチ軸7に回転自在に外嵌され、該クラッチ軸7は歯車14・15、 ミッションケース5に対して軸方向に摺動可能としている。
【0009】 前記クラッチケース16の左右にはそれぞれ可変容量型の摩擦クラッチC1・ C2が形成されており、該摩擦クラッチC1・C2はクラッチケース16内にバ ネ19・19と押圧体20・21が挿入され、該クラッチケース16の端部と前 記歯車14・15のボス部14a・15aとの間には摩擦板22・22・・・が 介装され、前記バネ19・19の付勢力により押圧体20・20が押されて摩擦 板22・22・・・が圧接して摩擦クラッチC1・C2が「入」となるようにし て、動力を両側の歯車14・15からクラッチケース16に伝えるようにしてい る。該クラッチケース16の外周中央に歯車16bが形成され、該歯車16bは 出力軸9上の歯車9aと噛合して、デフ装置Dへ動力を伝えるのである。
【0010】 そして、前記押圧体21の中心部の摩擦板側にはクラッチ軸7の中央部に形成 した鍔部7aに当接されており、該クラッチ軸7の一端は抜け止めのリング23 が外嵌され、他端にワイヤー24の係止部24aが係止され、該ワイヤー24の 他端はアーム25に係止されている。該アーム25は中央部がピン29にて枢支 され、該アーム25の他端にはローラー25aが回転自在に枢支されて、変速レ バー26下端に設けた当接体26aに当接され、該アーム25はバネ27にて当 接方向に緊張されているのである。該変速レバー26は前述のように油圧ポンプ Pの可動斜板3に連結されて無段階に変速可能としているのである。
【0011】 このような構成において、図2のように変速レバー26を回動して前進位置ま たは後進位置とした時には、ワイヤー24が伸ばされて、クラッチ軸7はバネ1 9の付勢力により押圧体21を介して鍔部7aが押されて右側へ摺動した状態と なっており、摩擦クラッチC1・C2は押圧体20・21がバネ19・19に付 勢されて摩擦板22・22・・・を圧接して共に「入」状態となり、入力軸6に 伝えられた動力は、歯車6a・6bより歯車14・15、摩擦クラッチC1・C 2を介して歯車16b・9aより出力軸9に伝えられるのである。そして、前進 位置または後進位置で走行している時に変速レバー26を回動して中立位置側へ 回動すると、図3に示すように、変速レバー26の当接体26aがローラ25a に当接してアーム25を回動し、ワイヤー24を引っ張ってクラッチ軸7を左方 へ摺動し、鍔部7aが押圧体21をバネ19に抗して内側へ摺動し、摩擦クラッ チC2の摩擦板22・22・・・の圧接無くなり摩擦クラッチC2のみが「切」 となるのである。即ち、摩擦クラッチ全体の容量が減少することになって摩擦ク ラッチC1が、押圧体20により摩擦板2・2・・・を圧接している状態であっ ても、負荷の大小に応じてスリップし得る状態となる。よって変速レバー26を 中立位置にしてモーター軸4の回転が急激に停止した時に摩擦クラッチC1のス リップにより走行輪13・13は急制動されないのである。
【0012】
【考案の効果】
本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、 車両を停止すべく油圧式変速装置を中立位置に戻した時には、油圧式変速装置の 回路圧が一時的に高圧になってモーター軸が急制動するが、走行駆動経路途中に 設けた摩擦クラッチのクラッチ容量が小さくなり、積極的に摩擦クラッチにスリ ップを生じさせて車両をショックなく停止させることができ、また、気温変化に も影響されず、一定のフィーリングで停止するようにできるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動系のスケルトン図である。
【図2】変速レバーが前進走行位置時のミッションケー
ス断面図である。
【図3】変速レバーが中立位置時のミッションケース断
面図である。
【符号の説明】
A 油圧式変速装置 C1・C2 摩擦クラッチ 26 変速レバー

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧式変速装置を有する走行駆動経路途
    中に可変容量型の摩擦クラッチを設け、油圧式変速装置
    の中立位置への操作に従ってクラッチ容量を小さくする
    ように、該摩擦クラッチを変速レバーに連動連係させた
    ことを特徴とする油圧式変速装置の操作機構。
JP6274692U 1992-09-08 1992-09-08 油圧式変速装置の操作機構 Expired - Fee Related JP2550370Y2 (ja)

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JP2550370Y2 JP2550370Y2 (ja) 1997-10-08

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