JPH06272662A - 流体機械 - Google Patents

流体機械

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Publication number
JPH06272662A
JPH06272662A JP5058738A JP5873893A JPH06272662A JP H06272662 A JPH06272662 A JP H06272662A JP 5058738 A JP5058738 A JP 5058738A JP 5873893 A JP5873893 A JP 5873893A JP H06272662 A JPH06272662 A JP H06272662A
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JP
Japan
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pulley
drive shaft
coil spring
collar
boss
Prior art date
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Pending
Application number
JP5058738A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ban
孝志 伴
Kunifumi Gotou
邦文 後藤
Tatsuyuki Hoshino
辰幸 星野
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Akira Umebayashi
彰 梅林
Koji Yusa
幸治 遊佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by NHK Spring Co Ltd, Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical NHK Spring Co Ltd
Priority to JP5058738A priority Critical patent/JPH06272662A/ja
Priority to TW082102658A priority patent/TW247925B/zh
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  • Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】万一、駆動軸に異常負荷が作用した場合でも、
比較的安価に内部破壊などを生じさせないようにする。 【構成】プーリ50に同軸のボス53を形成し、駆動軸
27に同軸のカラー57を一体に形成し、コイルばね5
9の一端をカラー57に係止させるとともにボス53の
外周面を締め代により緊締する。万一、ポンプが定常運
転を実行している間に異常が発生すれば、駆動軸27に
高負荷が作用し、コイルばね59はその締め代に基づく
摩擦力に抗してボス53の外周面ですべりを生じ、プー
リ50と駆動軸27とは同期して回転しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポンプ、圧縮機等の流
体機械の改良に関する。本発明の流体機械を例えば実質
的に零容量から立ち上がり得る可変容量ポンプに具体化
すれば、同ポンプにより駆動される油圧モータで冷媒圧
縮機を駆動する冷凍回路、同ポンプを装備した特装車両
等の諸機械の油圧作動系に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】例えば、アキシャルピストンポンプ(以
下、単にポンプという。)は、各種産業機械や産業車両
などに広く使用されており、図8は特に斜板傾角の調節
機構を装備した可変容量型のポンプを例示したものであ
る。同ポンプは、ケ−シング1及びその開放端を閉止す
るエンドカバ−2によって密封状の動作空間3が形成さ
れ、この動作空間3内に挿入された駆動軸4は、図示し
ない電磁クラッチなる入力遮断機構と接続され、これら
両部材1、2に軸受5を介して支承されている。駆動軸
4に結合され動作空間3内において駆動軸4と一体的に
回転するシリンダブロック6には、その軸心の周りに軸
心とほぼ平行な複数のボア7が形成され、同ボア7内に
はシュ−8を介して斜板9に係留されたピストン10が
往復動可能に嵌挿されている。
【0003】また、エンドカバ−2に固定されて各ボア
7の開口端面を封止する弁板11には、ボア開口7aの
回転軌跡と符合して対向円弧状をなす吸入ポ−ト12a
及び吐出ポ−ト12bが穿設され、同ポ−ト12a、1
2bはこれと同一形状に形成されたエンドカバ−2の吸
入及び吐出口13a、13bの端縁と整合すべく構成さ
れている。したがって、駆動軸4と共動するシリンダブ
ロック6の回転に伴い、斜板9に係留されて直動するピ
ストン10がボア7の密閉空間容積を拡大する傾向にあ
るとき、同ボア7は吸入ポ−ト12aと対応して作動油
を吸入し、逆にピストン10がボア7の密閉空間容積を
縮小する傾向にあるとき、同ボア7は吐出ポ−ト12b
と対応して作動油を吐出するようになされている。な
お、図示しない支軸にトラニオン形式で枢支された斜板
9は制御ばね14により常に傾角を増大する向きに付勢
されており、これに対抗する制御シリンダ15を流体圧
によって進退動せしめることにより、斜板傾角つまりポ
ンプ1回転当たりの理論吐出量が変更調節可能に構成さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポンプを装備した油圧作動系で軽量化、単純化等の
目的で比較的複雑かつ高価な入力遮断機構を省略したい
場合、同ポンプにあっては、駆動軸に作用する負荷が通
常程度であれば何ら不具合はないが、吐出管路等の吐出
経路に摩耗粉等の異物が混入して該吐出経路を閉塞して
しまった時、ピストンとボアとの摺動部、シリンダブロ
ックの端面と弁板との摺動部、シューと斜板との摺動部
等に潤滑不足で焼付きを生じてしまった時等、駆動軸に
高負荷が作用する異常発生時には、かかる状態であって
もエンジンにより駆動軸が強制的に駆動されるという不
具合が生じる。
【0005】従来、かかる不具合を回避する手段として
は、吐出経路の閉塞に対してポンプにリリーフ弁を設け
る手段や、摺動部位の焼付きに対して圧縮機にロックセ
ンサを設ける手段(実開昭62−117571号公報)
が開示されているが、これらの手段では、吐出圧力の高
騰の検出、温度高騰の検出又は回転の有無の検出を行っ
ているため、比較的製造コストが高騰することとなる。
【0006】本発明は、万一、駆動軸に異常負荷が作用
した場合でも、比較的安価に内部破壊などを生じさせな
いようにすることを解決すべき技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の流体機械は、上記課題解決のため、エン
ジンにより駆動されるプーリと、該プーリに内蔵され過
負荷により該プーリからの駆動力の伝達を遮断するトル
クリミッタ機構と、該トルクリミッタ機構を介して駆動
される駆動軸とを含み、該トルクリミッタ機構は、該プ
ーリに形成された同軸のボスと、該駆動軸と一体に形成
された同軸のカラーと、該プーリの回転方向と同一の巻
き方向を有し、該ボス及び該カラーの両外周面を締め代
により緊締するコイルばねと、を具備するという新規な
技術手段を講じている。
【0008】(2)本発明の流体機械において、ボス及
びカラーのいずれか一方に一端が係止されたコイルばね
を採用することができる。 (3)本発明の流体機械において、ボス及びカラーのい
ずれか一方の外周面における巻き数が他方の外周面にお
ける巻き数より多いコイルばねを採用することができ
る。
【0009】また、この流体機械を実質的に零に等しい
容量から大容量まで容量変化可能な可変容量型のものに
適用すればより好適である。この場合、例えば、流体機
械がポンプであれば、斜板の傾角を常に縮小させる向き
に付勢する制御ばねと、これに対抗して該斜板の傾角を
増大させる向きに付勢する制御シリンダと、該制御シリ
ンダへの圧力流体導入路に介装された開閉弁とを含み、
かつエンジンにより駆動されるプーリと、該プーリに内
蔵され過負荷により該プーリからの駆動力の伝達を遮断
するトルクリミッタ機構と、該トルクリミッタ機構を介
して駆動される駆動軸とを含み、該トルクリミッタ機構
は、該プーリに形成された同軸のボスと、該駆動軸と一
体に形成された同軸のカラーと、該プーリの回転方向と
同一の巻き方向を有し、該ボス及び該カラーの両外周面
を締め代により緊締するコイルばねと、を具備してな
る。
【0010】
【作用】
(1)本発明の流体機械を装備した諸機械で入力遮断機
構を省略し、駆動軸に通常程度の負荷が作用しておれ
ば、同流体機械では、エンジンにより駆動されるプーリ
と駆動軸との間に装備されたトルクリミッタ機構が両者
を接続しており、エンジンからの駆動力は駆動軸に伝達
される。
【0011】すなわち、プーリのボスと駆動軸に一体的
に設けられたカラーとは、予め締め代が付与されたコイ
ルばねにより両外周面が緊締されているため、両外周面
において締め代に基づく摩擦力を生じ、各摩擦力により
接続状態にある。このため、プーリと駆動軸とは同期し
て回転される。万一、流体機械が定常運転を実行してい
る間に吐出経路が異物で閉塞されたり、流体機械の運転
状況にかかわらず摺動部位が潤滑不足で焼付いたりする
異常が発生すれば、トルクリミッタ機構が駆動軸に作用
する高負荷で両軸を遮断し、エンジンからの駆動力は駆
動軸に伝達されない。
【0012】すなわち、かかる異常時には駆動軸に高負
荷が作用し、コイルばねはその締め代に基づく摩擦力に
抗してプーリ及びカラーの少なくとも一方の外周面です
べりを生じる。このときの高負荷をスリップトルクとい
う。このため、プーリと駆動軸とは同期して回転しな
い。よって、流体機械は、吐出経路の破壊や諸摺動部の
破壊等の内部破壊を生じず、修理により原機能にまで復
帰される。
【0013】こうして、この流体機械では、比較的簡易
なプーリに内蔵したトルクリミッタ機構が駆動軸に生じ
る異常トルクによる高負荷に対応するものであるため、
製造コストの高騰を生じない。また、接続状態及び遮断
状態において、本発明の流体機械では、コイルばねの巻
き方向がプーリの回転方向と同一であるため、ボス側に
おいてコイルばねに作用する回転力及びカラー側におい
てコイルばねに作用する摩擦力はコイルばねを緩み勝手
に作用している。例えば、プーリが右回転で回転し、コ
イルばねの巻き方向が右方向である場合を考える。この
場合、コイルばねがボス側の外周面ですべることにより
遮断状態にあれば、静止しているコイルばねには右回転
しているボスの外周面から右回転方向の力が作用するた
め、コイルばねは緩み勝手になる。また、コイルばねが
カラー側の外周面ですべることにより遮断状態にあれ
ば、コイルばねは右回転を継続し、カラーは静止する
が、相対的に考慮するため、コイルばねが静止し、カラ
ーが左回転を継続していると考えれば、コイルばねには
カラーの外周面から左回転方向の力が作用するため、コ
イルばねはやはり緩み勝手になる。
【0014】よって、本発明の流体機械では、ボス側の
回転力及びカラー側の摩擦力がコイルばねを締め勝手に
作用する、プーリの回転方向と逆の巻き方向のコイルば
ねを採用した場合と比較して、スリップトルクの繰返し
精度が良いことが実験的に明らかとなった。また、この
場合、すべり面の面粗度の影響が少なく、すべり面の潤
滑状態が変化してもスリップトルクには影響しないと考
えられる。さらに、この場合、長時間滑った場合にもト
ルクを伝達しない方向に作用するため安全である。
【0015】(2)本発明の流体機械において、コイル
ばねの一端がボス及びカラーのいずれか一方に係止され
ているならば、この一方側の摩擦力にコイルばねの一端
による係止力が加わり、遮断状態は常に他方側で行われ
る。このため、かかる流体機械では、部品交換、冷却性
等の観点から、遮断状態時に外周面ですべりを生じる側
をボス又はカラーのいずれかに選択することができる。
【0016】(3)本発明の流体機械において、ボス及
びカラーのいずれか一方の外周面における巻き数が他方
の外周面における巻き数より多いコイルばねを採用した
ならば、この一方側の摩擦力が強くなり、遮断状態は常
に他方側で行われる。このため、かかる流体機械におい
ても、部品交換、冷却性等の観点から、遮断状態時に外
周面ですべりを生じる側をボス又はカラーのいずれかに
選択することができる。
【0017】また、流体機械が実質的に零に等しい容量
から大容量まで容量変化可能な可変容量型のものである
場合には、次の作用が加わる。すなわち、制御シリンダ
への圧力流体導入路に設けられた開閉弁は、アクチュエ
−タの休止時には閉状態におかれており、流体機械が駆
動されても斜板は零容量に等しい最小傾角(約0.1〜
1°)を保持してクラッチ(オフ)機能を代替してい
る。そして実質的に流体機械の作動開始を指令する信号
(スイッチ)により開閉弁が開状態に切換えられると、
斜板のもつ僅かな傾角により昇圧した圧力流体は開閉弁
を介して徐徐に制御シリンダに供給され、制御ピストン
の進動を促して斜板傾角を増大すべく付勢する。すなわ
ち、流体機械は零に等しい最小容量から円滑に立上り、
斜板が最大傾角に達するに至って最大容量の定常運転に
移行する。実質的に流体機械の作動停止を指令する信号
により開閉弁が閉状態に切換えられると、シリンダブロ
ックの各摺動間隙を介した圧力流体の漏出や制御シリン
ダに設けられたオリフイスなどからの圧力流体の導出に
より、斜板傾角を増大する側へ付勢していた吐出圧力が
低下し、これにより制御ばねの付勢力に屈した斜板は徐
々に傾角縮小側へ変位して、流体機械は運転を継続した
まま零に等しい最小容量に移行する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を比較例と
ともに図面を参照しつつ説明する。 (実施例)実施例のポンプでは、図1に示すように、前
部ケーシング21、中部ケーシング22及びエンドカバ
ー23によって密閉空間24が形成されており、この密
閉空間24内には前部ケーシング21及びエンドカバー
23との間に軸受25、26を介して駆動軸27が支承
されている。駆動軸27の中部スプライン27aには軸
心とほぼ平行に複数のボア28を有するシリンダブロッ
ク29が軸心に沿って変位可能に嵌合されている。ま
た、前部ケーシング21にはクレイドルガイド21aが
形成され、このクレイドルガイド21aにはクレイドル
突起30aをもつ斜板30が枢支されており、この斜板
30には回転摺動可能にシュー31が係留されている。
シュー31にはピストン32が係留されており、このピ
ストン32はシリンダブロック29の各ボア28内を往
復動可能に収納されている。シリンダブロック29とエ
ンドカバー23との間にはボア28の開口端面を封止す
る弁板33がエンドカバー23に固着されており、この
弁板33には、ボア開口28aの回転軌跡と符合して対
向円弧状をなす吸入ポ−ト33a及び吐出ポ−ト33b
が穿設され、同ポ−ト33a、33bはこれと同一形状
に形成されたエンドカバ−23の吸入及び吐出口23
a、23bの端縁と整合すべく構成されている。
【0019】駆動軸27とシリンダブロック29との間
の環状空間内には前後のスペーサ34等を介して圧縮ば
ね35が配設されている。前部スペーサ34は圧縮ばね
35の付勢力によりピン36を介してピボット37を軸
心に沿って押圧し、ピボット37はシュー31を径方向
に摺動可能に係留するシューリテーナ38と揺動可能に
係留されている。後部スペーサ34は同圧縮ばね35の
付勢力によりサークリップを介してシリンダブロック2
9をピボット37とは逆方向へ押圧している。
【0020】前部ケーシング21における下死点側には
斜板30の一端と当接する付勢ロッド39が制御ばね4
0を介して装備され、斜板30は同制御ばね40により
常にその傾角が縮小する向きに付勢されている。他方、
この付勢ロッド39等と斜板30に対して対称なエンド
カバー23における下死点側には制御シリンダ41が配
設されている。この制御シリンダ41には斜板30との
間にボール42を介して制御ピストン43が当接されて
おり、この制御ピストン43は開閉弁44を介して吐出
圧力油が圧力室41aに供給されることにより延出可能
となされている。開閉弁44は吐出口23bと油管によ
り接続されており、この開閉弁44には、吐出圧力油を
制御シリンダ41の圧力室41aに導入する切欠けをも
つスプール45が設けられている。このスプール45
は、押圧ばね46によって吐出口23bと圧力室41a
との連通を閉じるべく押圧されており、信号指令手段の
ONによりソレノイド48が励磁されれば吐出口23b
と圧力室41aとが連通される。
【0021】また、前部ケーシング21の前方には、図
示しないエンジンとベルトにより接続されるプーリ50
が駆動軸27の先端にサークリップ51を介してボルト
52により軸方向に移動不能、かつ周方向に摺動可能に
取着され、このプーリ50にはトルクリミッタ機構Tが
内蔵されている。すなわち、プーリ50には同軸のボス
53が形成され、このボス53の外周方向にはばね室5
4が形成されている。一方、駆動軸27の前部スプライ
ン27bには駆動軸27と同軸のリング55が嵌合さ
れ、このリング55の外周面には前部ケーシング21の
前端面と摺接するスラスト軸受56が嵌入されている。
リング55及びスラスト軸受56の前方には、プーリ5
0のボス53前端と対面して駆動軸27と同軸のカラー
57が同前部スプライン27bにより駆動軸27と嵌合
されており、このカラー57には軸方向に溝穴57aが
刻設されている。さらに、このカラー57の前方には、
プーリ50間に位置するスラスト軸受58が同前部スプ
ライン27bにより駆動軸27と嵌合されている。
【0022】ばね室54におけるボス53の外周面とカ
ラー57の外周面とには、図2にも示すように、径内方
向に屈曲された一端が溝穴57aに係止された引張コイ
ルばね59がその締め代によりそれぞれ緊締されてい
る。このコイルばね59は、プーリ50に対面して見れ
ば、プーリ50の回転方向(右方向)と同一の巻き方向
(右巻き方向)のものであり、その奥端は溝穴57aに
係止されている。また、このコイルばね59は、ボス5
3の外周面には2〜3巻きが存在し、カラー57の外周
面には4〜5巻きが存在している。
【0023】そして、かかる可変容量ピストンポンプを
冷凍回路の冷媒圧縮機の駆動に供するならば、吐出口2
3bは油圧モータと接続され、油圧モータの出力軸が冷
凍回路の冷媒圧縮機と接続される。このとき、ベルトは
常時エンジンの回転と同期して駆動されるとともに、上
記開閉弁44を制御する信号指令手段47には、例えば
車内の冷房スイッチが充当される。そして、駆動軸27
に通常程度の負荷が作用しておれば、同ポンプでは、エ
ンジンにより駆動されるプーリ50内に内蔵されたトル
クリミッタ機構Tが駆動軸27をプーリ50に接続して
いる。
【0024】すなわち、プーリ50のボス53と駆動軸
27に一体的に設けられたカラー57とは、コイルばね
59の一端がカラー57の溝穴57aに係止され、コイ
ルばね59がボス53及びカラー57のそれぞれの外周
面をその締め代により緊締しているため、コイルばね5
9の一端による係止力と緊締された各外周面における摩
擦力とにより、接続状態にある。また、スラスト軸受5
6はカラー57と同期して回転し、前部ケーシング21
との間で摺接する。したがって、プーリ50と駆動軸2
7とは同期して回転され、エンジンからの駆動力は駆動
軸27に伝達される。
【0025】ここで、車内の冷房を要しない場合、つま
り信号指令手段47のOFF時には、開閉弁44はスプ
ール45が押圧ばね46の付勢力により閉状態におかれ
ており、制御シリンダ41の圧力室41aには吐出油が
導入されないため、斜板30は制御ばね40の付勢力に
より零容量に等しい最小傾角θ(約1°)を保持してク
ラッチ(オフ)機能を代替している。このため、自動車
において、常時接続状態のベルトを介してポンプが駆動
されていても、吐出口23bからは作動油がほとんど吐
出されず、油圧モータが駆動されないので、冷媒圧縮機
は停止状態にある。
【0026】車内の冷房を要する場合、つまり信号指令
手段47のON時には、開閉弁44ではスプール45が
ソレノイド48の磁力により開状態におかれ、制御シリ
ンダ41の圧力室41aには最小傾角θ(約1°)に基
づく吐出油が円滑に導入されるため、斜板30のもつ僅
かな傾角より昇圧した吐出油は開閉弁44を経由して徐
々に制御シリンダ41の圧力室41aに供給され、制御
ピストン43の進動を促して斜板傾角を増大すべく付勢
する。すなわちポンプは零に等しい最小容量から円滑に
立上り、斜板30が最大傾角に達するに至って最大容量
の定常運転に移行する。なお、このポンプにおいて、斜
板30の傾動枢軸を駆動軸27の軸心に対して上死点側
へ偏在させた場合には、ボア内の圧力が上昇するにつれ
て圧縮反力が斜板傾角を増大させる向きのモ−メントと
して作用し、立上り時間の無用な遅延を防止し、かつ斜
板最小傾角のより小さな設定を可能とする。
【0027】冷房後に冷房不要となった場合、つまり信
号指令手段47をON後にOFFした時には、開閉弁4
4が再び閉状態に切換えられる。これにより、シリンダ
ブロック29の各摺動間隙を介した圧油の漏出や制御シ
リンダ41に設けられた還油オリフイスなどからの圧油
の導出により、斜板傾角を増大する側へ付勢していた吐
出圧力が低下し、これにより制御ばね40の付勢力に屈
した斜板30は徐々に傾角縮小側へ変位して、ポンプは
運転を継続したまま零に等しい最小容量に移行する。
【0028】万一、ポンプが定常運転を実行している間
に吐出管路等の吐出経路に摩耗粉等の異物が混入して該
吐出経路を閉塞したり、ポンプの運転状況にかかわらず
ピストン32とボア28との摺動部、シリンダブロック
29の端面と弁板33との摺動部、シュー31と斜板3
0との摺動部等に潤滑不足で焼付が生じれば、このポン
プでは、トルクリミッタ機構Tが駆動軸27とプーリ5
0とを遮断する。
【0029】すなわち、かかる異常時には駆動軸27に
高負荷が作用し、コイルばね59はその締め代に基づく
摩擦力に抗してプーリ50の外周面ですべりを生じる。
このため、プーリ50と駆動軸27とは同期して回転せ
ず、エンジンからの駆動力は駆動軸27に伝達されな
い。このとき、スラスト軸受58はプーリ50との間で
摺接する。したがって、同ポンプは吐出経路の破壊や諸
摺動部の破壊等の内部破壊を生じることはない。
【0030】接続状態及び遮断状態において、このポン
プでは、コイルばね59の巻き方向がプーリ50の回転
方向と同一の右方向であるため、ボス53側においてコ
イルばね59に作用する回転力及びカラー57側におい
てコイルばね59に作用する摩擦力はコイルばね59を
緩み勝手に作用している。また、このとき、コイルばね
59は、一端がカラー57の溝穴57aに係止され、か
つボス53の外周面には2〜3巻きが存在する一方、カ
ラー57の外周面には4〜5巻きが存在していることか
ら、すべりは常にプーリ50の外周面側で行われる。こ
のため、同ポンプでは、部品交換に便宜であり、プーリ
50の方がカラー57よりも冷却性が優れていることか
ら、コイルばね59の熱劣化を可及的に防止して優れた
耐久性を発揮することができる。なお、コイルばね59
がカラー57の外周面側で多くの巻き数が存在する場合
には、カラー57の溝穴57aを省略することもでき
る。 (比較例)比較例として、図3に示すように、プーリ5
0の回転方向(右方向)と逆の巻き方向(左巻き方向)
のコイルばね60を採用したポンプを用意する。他の構
成は実施例のものと同一であるため、同一の構成、作
用、効果についての詳説は省略する。
【0031】接続状態及び遮断状態において、このポン
プでは、コイルばね60の巻き方向がプーリ50の回転
方向と逆の左方向であるため、ボス53側においてコイ
ルばね60に作用する回転力及びカラー57側において
コイルばね60に作用する摩擦力はコイルばね60を締
め勝手に作用している。 (評価)実施例及び比較例のポンプにおいて、繰返し回
数(1〜100回)とスリップトルク(kgfm)との
関係を図4〜7に示す。図4及び図5が実施例のポンプ
に係り、図6及び図7が比較例のポンプに係る。また、
図4及び図6はグリスを存在させた状態での関係、図5
及び図7はオイルを存在させた状態での関係を示す。
【0032】図4より、実施例のポンプは、グリス潤滑
では、組付け直後から100回目までほぼ2kgfmの
一定トルクで遮断を行なうことがわかる。また、図5よ
り、オイル潤滑では、グリス潤滑時より作動開始点がば
らつくものの、遮断中の伝達トルクの平均値は一定のよ
うである。一方、図6より、比較例のポンプは、グリス
潤滑では、初期にはスリップトルク2kgfmであった
が、繰返しにつれてスリップトルクが減少し、20回程
に1.6kgfmに低下してほぼ安定することがわか
る。また、図7より、オイル潤滑では、初期3.3kg
fmのものが繰返しにつれてスリップトルクが減少し、
20回程で2.0kgfmに低下してほぼ安定すること
がわかる(42回で打切り)。
【0033】したがって、実施例のポンプでは、比較例
のポンプと比較して、スリップトルクの繰返し精度が良
いことがわかる。また、実施例のポンプでは、比較例の
ポンプと比較して、すべり面の面粗度の影響が少なく、
すべり面の潤滑状態が変化してもスリップトルクには影
響しないと考えられる。さらに、実施例のポンプでは、
長時間滑った場合にもトルクを伝達しない方向に作用す
るため安全である。
【0034】なお、上記実施例では、同ポンプを冷凍回
路の冷媒圧縮機の駆動に供する場合を例に挙げたが、同
ポンプを特装車両例えばダンプトラックに装備するとき
は、ベルトは常時接続状態に保持されるとともに、上記
開閉弁44を制御する信号指令手段47には、例えば荷
役レバ−操作に連動する形態で配設された荷役スイッチ
が充当される。この場合、駆動軸27に通常程度の負荷
が作用しておれば、トルクリミッタ機構Tの接続によ
り、単なる荷役スイッチのON動作のみによってポンプ
は吐出を開始し、同荷役スイッチのOFF動作により運
転を続行したままポンプの吐出量は零に等しい状態に移
行する。そして、万一、駆動軸27に過負荷が作用すれ
ば、トルクリミッタ機構Tの遮断により、エンジンから
の駆動力は駆動軸27に伝達されない。このため、ポン
プは、内部破壊を生じることなくプーリ50が空転する
のみであり、過負荷状態がなくなればプーリ50と駆動
軸27は再度接続されて原機能に復帰する。
【0035】また、上記実施例では、本発明の流体機械
を可変容量ポンプに具体化したが、可変容量圧縮機にも
具体化できることはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の流体機械
は、特許請求の範囲に記載した構成を有するものである
から、万一、駆動軸に異常負荷が作用した場合でも内部
破壊などを生じることがない。また、この流体機械は、
プーリに内蔵される比較的簡易なトルクリミッタ機構を
採用しているため、小型化及び低コスト化にも貢献でき
る。
【0037】さらに、この流体機械は、コイルばねの巻
き方向がプーリの回転方向と同一であるため、逆の場合
と比較して、スリップトルクの繰返し精度等に優れた効
果を発揮することができる。また、この流体機械におい
て、コイルばねの一端をボス又はカラー係止したり、コ
イルばねの巻き数をボス又はカラーの外周面で変化させ
ることにより、遮断状態時に外周面ですべりを生じる側
をボス又はカラーのいずれかで選択し、冷却性の向上か
ら耐久性を向上させるとともに、部品交換を容易に行な
い得るという効果も奏することができる。
【0038】加えて、この流体機械を実質的に零に等し
い容量から大容量まで容量変化可能な可変容量型のもの
に具体化した場合には、連続運転が可能となる。したが
って、極めて簡便な構成で車両等への優れた搭載性及び
操作性を発揮しつつ、万一の場合にも高い信頼性が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る可変容量ピストンポンプの断面図
である。
【図2】実施例のポンプの一部断面要部平面図である。
【図3】比較例のポンプの一部断面要部平面図である。
【図4】実施例のポンプに係り、グリス潤滑下における
繰返し回数とトルクとの関係を示すグラフである。
【図5】実施例のポンプに係り、オイル潤滑下における
繰返し回数とトルクとの関係を示すグラフである。
【図6】比較例のポンプに係り、グリス潤滑下における
繰返し回数とトルクとの関係を示すグラフである。
【図7】比較例のポンプに係り、オイル潤滑下における
繰返し回数とトルクとの関係を示すグラフである。
【図8】従来の可変容量ピストンポンプの断面図であ
る。
【符号の説明】
27…駆動軸 30…斜板 4
0…制御ばね 41…制御シリンダ 44…開閉弁 5
0…プーリ 53…ボス 57…カラー 5
9…コイルばね T…トルクリミッタ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 辰幸 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 鈴木 茂 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 梅林 彰 神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4056番地 日本発条株式会社内 (72)発明者 遊佐 幸治 神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4056番地 日本発条株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンにより駆動されるプーリと、該プ
    ーリに内蔵され過負荷により該プーリからの駆動力の伝
    達を遮断するトルクリミッタ機構と、該トルクリミッタ
    機構を介して駆動される駆動軸とを含み、 該トルクリミッタ機構は、該プーリに形成された同軸の
    ボスと、該駆動軸と一体に形成された同軸のカラーと、
    該プーリの回転方向と同一の巻き方向を有し、該ボス及
    び該カラーの両外周面を締め代により緊締するコイルば
    ねと、を具備することを特徴とする流体機械。
  2. 【請求項2】コイルばねは、ボス及びカラーのいずれか
    一方に一端が係止されていることを特徴とする請求項1
    記載の流体機械。
  3. 【請求項3】コイルばねは、ボス及びカラーのいずれか
    一方の外周面における巻き数が他方の外周面における巻
    き数より多いことを特徴とする請求項1又は2記載の流
    体機械。
JP5058738A 1992-03-23 1993-03-18 流体機械 Pending JPH06272662A (ja)

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