JPH06272649A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JPH06272649A
JPH06272649A JP6404793A JP6404793A JPH06272649A JP H06272649 A JPH06272649 A JP H06272649A JP 6404793 A JP6404793 A JP 6404793A JP 6404793 A JP6404793 A JP 6404793A JP H06272649 A JPH06272649 A JP H06272649A
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JP
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time
ignition timing
signal
ignition
processing
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JP6404793A
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Hachiro Sasakura
八郎 笹倉
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のプログラム処理の体系についての受渡
し処理等を不要として、制御の複雑化を防止した上で、
カウント時間を短縮化して低速運転時の点火時期制御の
高精度化を達成する。 【構成】 30°CA周期の分周信号9bを作成し、そ
の分周信号9bの立上がりエッジ毎にMPUにより非始
動時の割込みルーチンを実行して、点火信号2aを立上
げまたは立下げ処理するとともに、始動時には分周信号
9bの立下がりエッジに同期して始動時の割込みルーチ
ンを実行して、点火信号2aを立下げ処理するため、非
始動時に比較して始動時の点火時期Tang までのカウン
ト時間が大幅に短縮化され、かつ、カウント処理等が非
始動時と始動時とで共通化されて受渡し処理が不要とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の点火時期制
御装置に関するものであり、詳しくは機関の回転に同期
するクランク角センサ等の出力信号に基づいて点火時期
を決定する点火時期制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の点火時期制御装置とし
て、点火時期を決定するために所謂時間基準方式を採用
したものを挙げることができる。
【0003】この点火時期制御装置では、クランク角セ
ンサの出力信号を波形整形した上で、例えば30°CA
周期に分周して矩形波の分周信号を作成し、その信号の
立上がりエッジ毎に割込み処理を実行している。割込み
処理では、予め算出した点火時期(=通電遮断時期)、
或いはそれより所定時間先行する通電開始時期の直前で
あるか否かを立上がりエッジ毎に判定し、いずれかの時
期の直前であるときには、エッジから該当する時期まで
のクランク角をカウント時間に換算し、そのカウント時
間を0までカウントダウンした時点で点火信号の立上げ
や立下げを行なっている。そして、このときのカウント
時間は機関回転速度の影響を受けて高回転域ほど短縮化
されるため、時間換算の際には、前回の立上がりエッジ
から今回のエッジまでの所要時間(分周信号の周期に相
当し、回転速度に比例する)に基づいて、カウント時間
を設定している。
【0004】ところで、近年では燃焼状態の改善や燃費
向上を目的として、内燃機関の気筒当たりの排気量と圧
縮比が増大される傾向にあるが、これらの対策は高温始
動時等にノッキングを引き起こし易いというマイナス面
があるため、例えば常温始動時に比較して高温始動時に
点火時期を遅角する等、点火時期制御により高い精度が
求められている。
【0005】しかしながら、前記した点火時期制御装置
では、言わば過去の回転速度情報である立上がりエッジ
間の所要時間に基づいて、後の点火時期までのカウント
時間を設定しているため、その間に機関の回転速度が変
動すると点火時期の誤差に直結してしまう。そして、こ
の現象は回転変動が大きい低回転域、特に始動時に顕著
に生ずるため、上記した点火時期制御の高精度化を十分
に達成できないという問題があった。
【0006】ここで、分周信号をより多パルスとすれ
ば、立上がりエッジから点火時期までのカウント時間が
短くなるため、より新しい回転速度情報に基づいて点火
時期を決定でき、回転変動による誤差を軽減可能ではあ
る。ところが、パルス数の増加に伴い割込み処理回数も
増えることから、パルス数は最高回転速度においても円
滑に処理可能な値に制限されてしまう。そこで、例えば
弊社公開技報56−041に記載の回転数演算装置のよ
うに、低回転域では分周信号を多パルスとして始動時の
点火時期制御の高精度化を図り、高回転域では2分の1
に分周して割込み処理回数の低減を図ることが考えられ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにパルス数が異なる分周信号を取り扱うためには、
例えば分周信号から実際のクランク角を判定するための
カウンタ処理やクランク角から所要時間を算出する処理
等が二重となる。つまり、2種のプログラム処理の体系
を必要とし、相互の受渡し処理等が非常に複雑になって
しまう問題がある。
【0008】そこで、本発明は、複数のプログラム処理
の体系についての受渡し処理等を不要として、制御の複
雑化を未然に防止した上で、カウント時間を短縮化して
低速運転時の点火時期制御の高精度化を達成することが
できる内燃機関の点火時期制御装置の提供を課題とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
内燃機関の点火時期制御装置は、図1に示すように、内
燃機関M1のクランク角に対応して所定周期のパルス信
号を作成するパルス信号作成手段M2と、前記クランク
角の予め設定された基準位置を検出する基準位置検出手
段M3と、前記パルス信号の立上がり及び立下がりのい
ずれか一方のエッジが処理許可条件として定められ、前
記基準位置を基点としてパルス信号に基づき現在のクラ
ンク角を算出し、点火時期またはそれに先行する通電開
始時期の直前の処理時において、前回処理から今回処理
までの所要時間に基づいて該当する時期までのカウント
時間を算出し、カウント時間の経過後に点火手段M4へ
の点火信号の立上げまたは立下げ処理を実行する通常時
制御手段M5と、前記内燃機関M1の低速運転を判別す
る低速運転判別手段M6と、前記パルス信号の立上がり
及び立下がりのいずれか他方のエッジが処理許可条件と
して定められ、前記低速運転判別手段M6にて低速運転
が判別されたときに、始動時点火時期の直前に位置する
所定周期以外のパルスの入力を許可し、点火時期の直前
の処理時において、前回処理から今回処理までの所要時
間に基づいて点火時期までのカウント時間を算出し、カ
ウント時間の経過後に点火信号の立下げ処理を実行する
低速運転時制御手段M7とを具備するものである。
【0010】請求項2の発明にかかる内燃機関の点火時
期制御装置は、前記低速運転時制御手段M7を、点火時
期の直前のパルス信号のエッジでのみ点火信号の立下げ
処理が許可されるようにしたものである。
【0011】請求項3の発明にかかる内燃機関の点火時
期制御装置は、前記パルス信号作成手段M2を、通常時
制御手段M5の処理許可条件のエッジから低速運転時制
御手段M7の処理許可条件のエッジまでの期間と逆の期
間との比率を2n :1とすべく、パルス信号を作成する
ようにしたものである。
【0012】
【作用】請求項1の発明においては、例えば通常時制御
手段M7の処理許可条件としてパルス信号作成手段M2
にて作成されたパルス信号の立上がりエッジが定めら
れ、低速運転時制御手段M7の処理許可条件としてパル
ス信号の立下がりエッジが定められた場合には、立上が
りエッジに同期して通常時制御手段M5の処理が実行さ
れ、基準位置検出手段M3にて検出された基準位置を基
点としてパルス信号に基づき現在のクランク角が算出さ
れて、点火時期または通電開始時期の直前の処理時にお
いて、前回処理から今回処理までの所要時間に基づいて
カウント時間が算出され、そのカウント時間の経過後に
点火手段M4への点火信号の立上げまたは立下げ処理が
実行される。更に、低速運転判別手段M6にて機関M1
の低速運転が判別されたときに、パルス信号の立下がり
エッジに同期して低速運転時制御手段M7の処理が実行
され、点火時期の直前の処理時において所要時間に基づ
いてカウント時間が算出され、そのカウント時間の経過
後に点火信号の立下げ処理が実行される。
【0013】このように機関M1の回転速度の変動が大
きい低速運転時、例えば始動時等には、点火時期の直前
のパルス信号の立下がりエッジを基点として点火信号の
立下げ時期が決定される。したがって、通常の非始動時
に比較して点火時期までのカウント時間が短縮化され
て、より新しい回転速度情報に基づいて点火時期を決定
でき、回転変動による点火時期の誤差が飛躍的に軽減さ
れる。また、パルス信号に基づくクランク角の算出処理
等が通常時と低速運転時とで共通化されているため、複
数のプログラム処理の体系についての受渡し処理等が不
要である。
【0014】請求項2の発明においては、パルス信号の
エッジ毎に低速運転時制御手段M7の処理を実行する
と、次回の処理での所要時間の算出に備えて今回の時刻
をその都度記憶する必要があるが、この低速運転時制御
手段M7の処理が点火時期の直前のエッジでのみ実行さ
れるため、時刻を記憶する必要がなくなり、低速運転時
の制御を簡略化可能である。
【0015】請求項3の発明においては、例えば通常時
制御手段M5の処理許可条件が立上がりエッジで、低速
運転時制御手段M7の処理許可条件が立下がりエッジで
ある場合、パルス信号のハイレベルとローレベルの比率
が2n :1に設定される。低速運転時制御手段M7は、
前回の立上がりエッジから今回の立下がりエッジまでの
所要時間に基づいて次回の立上がりエッジ、つまり圧縮
上死点までの時間を推定し、その推定した時間から時間
換算した点火時期を減算してカウント時間を求める。し
たがって、この場合には所要時間を2n 分の1するだ
け、つまり2進数のデータの桁数を変更するだけで極め
て容易に圧縮上死点までの所要時間を算出でき、低速運
転時の制御をより一層簡略化可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例の内燃機関の点火時期
制御装置について説明する。
【0017】図2は本発明の一実施例である内燃機関の
点火時期制御装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【0018】図に示すように、点火時期制御装置1を制
御するマイクロプロセッシングユニット(以下、単に
「MPU」という)2には、アナログディジタル変換器
(ADC)3を介して図示しない内燃機関の冷却水温に
応じた電圧を出力する冷却水温センサ4、吸入空気量に
応じた電圧を出力する吸気量センサ5、及び車両に搭載
されたバッテリ電圧に応じた電圧を出力するバッテリ電
圧センサ6等が接続されている。各センサ4〜6の出力
電圧はADC3によりディジタル値に変換されて、周期
的にMPU2に入力される。
【0019】MPU2にはディジタル入力バッファ7を
介して内燃機関がアイドル運転中であるか否かに応じた
2位置電圧を出力するアイドルスイッチ8が接続され、
その出力電圧はディジタル入力バッファ7により定電圧
の信号に変換されて、周期的にMPU2に入力される。
【0020】また、MPU2には分周回路を内蔵したデ
ィジタル入力バッファ9及び波形整形回路10を介して
クランク角センサ11が接続され、このクランク角セン
サ11は内燃機関にて回転駆動されるロータ12に対向
配置されている。ロータ12の外周には10°CA間隔
で突起12aが形成されるとともに1箇所に所定比率の
欠落部分12bが設けられ、クランク角センサ11は突
起12aに応じた電圧波形を出力する。そして、クラン
ク角センサ11の出力信号11aは波形整形回路10に
て矩形波の整形信号10aに整形され、更にこの整形信
号に基づいて、ディジタル入力バッファ9内の分周回路
により圧縮上死点(以下、単に「TDC」という)を判
別するための基準判別信号9aが作成されるとともに、
30°CA周期の分周信号9bが作成される。
【0021】一方、MPU2には点火装置13が接続さ
れ、この点火装置13は図示しないイグナイタ、イグニ
ションコイル及びディストリビュータから構成されてい
る。点火装置13はMPU2からの点火信号2aに応答
して高電圧を発生し、内燃機関の各気筒の点火プラグに
点火電流を所定タイミングで分配供給する。
【0022】次に、上記のように構成した内燃機関の点
火制御装置の信号処理手順を説明する。
【0023】図3は本発明の一実施例である内燃機関の
点火時期制御装置の信号処理手順を示すタイムチャート
である。
【0024】図に示すように、クランク角センサ11の
出力信号11aは10°CA周期で変動し、ロータ12
の突起12aの欠落部分12bでは変動を一時的に中断
する。波形整形回路10ではこの出力信号11aを10
°CA周期の矩形波に整形し、その整形信号10aは欠
落部分12bにおいて他の部分より長時間ハイレベルを
維持する。ディジタル入力バッファ9の分周回路では整
形信号10aの立上がりエッジ毎に信号発生時刻を計測
して周期時間を判定し、その周期時間が長い箇所を欠落
部分12bとして特定する。そして、欠落部分12bよ
り所定周期後をTDCと判定して、TDCの直前の30
°CA分のみをハイレベルに反転する基準判別信号9a
を作成する。また、分周回路では欠落部分12bの直後
の立上がりエッジを基準エッジと見做して整形信号10
aを3分の1、つまり30°CA周期に分周し、整形信
号10aの2パルス分がハイレベルで、1パルス分がロ
ーレベルの分周信号9bを作成する。つまり、分周信号
9bの周期A1 、A1 中のハイレベルの領域A2 、A1
中のローレベルの領域A3 の相互の比率は、3:2:1
に設定される。
【0025】そして、以下に詳述するように本実施例で
は、始動時以外(以下、単に「非始動時」という)に
は、従来技術で説明した点火時期制御装置と同じく分周
信号9bの立上がりエッジ毎に点火時期制御の割込み処
理を実行し、加えて始動時には、分周信号9bのTDC
の直前の立下がりエッジに同期して始動時専用の割込み
処理を実行する。
【0026】次に、上記のように構成した内燃機関の点
火制御装置のMPUにより実行される点火時期制御処理
を説明する。
【0027】図4は本発明の一実施例である内燃機関の
点火時期制御装置のMPUが実行する非始動時の割込み
ルーチンを示すフローチャート、図5は本発明の一実施
例である内燃機関の点火時期制御装置の非始動時におけ
る点火信号の作成状態を示すタイムチャート、図6は本
発明の一実施例である内燃機関の点火時期制御装置のM
PUが実行する始動時の割込みルーチンを示すフローチ
ャート、図7は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置の始動時における点火信号の作成状態を示
すタイムチャートである。
【0028】ここで、まず点火信号2aの作成手順の概
略を説明すると、点火信号2aは図5及び図7に示す点
火時期Tang (時間換算した値)とイグニションコイル
の必要通電時間Tonとに基づいて作成される。周知のよ
うにMPU2は、吸気量センサ5にて検出された吸入空
気量とクランク角度センサ11の出力信号11aより算
出した機関回転速度とに基づいて、図示しない点火時期
マップを直線補完して基本点火進角を算出する。更に、
冷却水温センサ4にて検出された冷却水温やアイドルス
イッチ8にて検出された機関の運転状態に応じた補正点
火進角を算出して基本点火進角に加算した上で、TDC
を基準とした角度表示の点火時期を求め、その点火時期
を機関回転速度に基づいて時間換算して点火時期Tang
を求める。また、MPU2は、バッテリ電圧センサ6に
て検出されたバッテリ電圧よりイグニションコイルの必
要通電時間Tonを算出する。
【0029】そして、図5及び図7に示すように、点火
信号2aはTDCに対して点火時期Tang 及び必要通電
時間Tonだけ先行した通電開始時期に立上げられ、更に
必要通電時間Ton経過後の点火時期(=通電遮断時期)
に立下げられる。非始動時においては、これらの立上げ
及び立下げ時期が直前の分周信号9bの立上がりエッジ
を基点として決定され、また、始動時においては、立下
げ時期のみが直前の分周信号9bの立下がりエッジを基
点として決定される。
【0030】今、仮に非始動時において、図5に示すよ
うに点火信号2aをBTDC60°CAからBTDC3
0°CAの間で立上げ、BTDC30°CAからTDC
の間で立下げるものとして説明する。例えば、点火信号
2aの立上げの際には、直前の分周信号9bの立上がり
エッジ(ポイントb)を基点とし、前回の立上がりエッ
ジ(ポイントa)から今回の立上がりエッジ(ポイント
b)までの所要時間を2倍した上で(ポイントbからT
DCまでの時間と見做す)、必要通電時期Ton及び点火
時期Tang を減算してカウント時間(ポイントbからポ
イントb’)を求め、そのカウント時間の経過後に点火
信号2aを立上げる。また、点火信号2aの立下げの際
には、直前の分周信号9bの立上がりエッジ(ポイント
c)を基点とし、前回の立上がりエッジ(ポイントb)
から今回の立上がりエッジ(ポイントc)までの所要時
間(ポイントcからTDCまでの時間と見做す)から点
火時期Tang を減算してカウント時間(ポイントcから
ポイントc’)を求め、そのカウント時間の経過後に点
火信号2aを立下げる。
【0031】また、始動時において、図7に示すように
点火信号2aをBTDC10°CAからTDCの間で立
下げるものとすると、直前の分周信号9bの立下がりエ
ッジ(ポイントd)を基点とし、前回の立上がりエッジ
(ポイントc)から今回の立下がりエッジ(ポイント
d)までの所要時間の2分の1(ポイントdからTDC
までの時間と見做す)から点火時期Tang を減算してカ
ウント時間(ポイントdからポイントd’)を求め、そ
のカウント時間の経過後に点火信号2aを立下げる。
【0032】ここで、図3から明らかなように、分周信
号9bの立下がりエッジは、立上がりエッジと同じく整
形信号10aの立上がりエッジを利用して決定され、そ
の整形信号10aの立上がりエッジはクランク角センサ
11の出力信号11aの立下がり(立上がりに比較して
変化が急激で、高い精度で時間を特定できる)を利用し
て決定されている。つまり、これらの分周信号9bの立
上がり及び立下がりエッジを基点として、点火信号2a
の立上げや立下げ時期を正確に判定可能なように配慮さ
れているのである。
【0033】次いで、実際のMPU2の処理を説明する
と、図4のルーチンの割込み許可条件としては図3に示
す分周信号9bの立上がりエッジが指定されており、図
6のルーチンの割込み許可条件としては分周信号9bの
立下がりエッジが指定されている。したがって、分周信
号9bの立上がりエッジ毎に(30°CA毎に)図4の
ルーチンが起動され、その度にMPU2に内蔵されたフ
リーランニングタイマの時刻がラッチされる。
【0034】MPU2は図4のステップS1でラッチさ
れた時刻を読み出し、ステップS2で図示しないランダ
ムアクセスメモリ(以下、単に「RAM」という)に記
憶された前回の処理時の時刻との差である所要時間(分
周信号9bの周期A1 に相当する)を算出する。次い
で、ステップS3でRAMの前回の時刻を今回の時刻に
更新し、ステップS4で基準判別信号9aに基づいて現
在のクランク角がTDCか否かを判定する。クランク角
がTDCのときには、ステップS5でクランク角の判定
基準となる角度カウンタをリセットした後にステップS
7に移行する。また、現在のクランク角がTDCでない
ときには、ステップS6で角度カウンタを「+1」イン
クリメントした後にステップS7に移行する。このよう
に角度カウンタはTDCでリセット後、このルーチンを
実行する度に最大11までインクリメントされ、MPU
2はカウント値に基づいてその時点のクランク角を判定
できる。
【0035】次いで、ステップS7でRAMに記憶され
た前回の処理時の所要時間を前記ステップS2で算出し
た今回の所要時間に更新し、ステップS8で角度カウン
タのカウント値に基づいて現在のクランク角が点火時期
の直前のBTDC30°CA(図5のポイントc)であ
るか否かを判定する。そして、未だ該当する角度に達し
ていないときにはステップS9に移行して、クランク角
が通電開始時期の直前のBTDC60°CA(図5のポ
イントb)であるか否かを判定し、該当する角度に達し
ていないときには、このルーチンを終了する。
【0036】そして、BTDC60°CAにおいてルー
チンが起動されると、MPU2はステップS9からステ
ップS10に移行して通電開始処理を実行する。即ち、
前記のように図5のポイントbからポイントb’までの
カウント時間を求めて、そのカウント時間をMPU2に
内蔵されたコンペアレジスタにセットする。したがっ
て、レジスタの値が0までカウントダウンされた時点で
点火信号2aが立上げられる。
【0037】その後、BTDC30°CAにおいてルー
チンが起動されると、MPU2はステップS8からステ
ップS11に移行して機関回転速度に基づき機関の始動
時であるか否かを判定する。機関回転速度が予めアイド
ル回転速度より低く設定された所定値以上のときには始
動時ではないと見做し、ステップS12で前記のように
点火時期マップを直線補完して基本点火進角を算出し、
補正点火進角を加算して点火時期を求める。更に、ステ
ップS13で機関回転速度に基づいて点火時期を時間換
算して点火時期Tang を求め、ステップS14で通電遮
断処理を実行する。即ち、前記のように図5のポイント
cからポイントc’までのカウント時間を求めて、その
カウント時間をコンペアレジスタにセットする。したが
って、レジスタの値が0までカウントダウンされた時点
で点火信号2aが立下げられる。
【0038】一方、前記したBTDC30°CAにおい
てステップS8からステップS11に移行して、機関回
転速度が所定値未満で始動時であると判定したときに
は、ステップS15で割込み処理を実行するエッジを立
上がりエッジから立下がりエッジに反転した後、このル
ーチンを終了する。
【0039】したがって、分周信号9bの次の立下がり
エッジ(BTDC10°CA)では、図6のルーチンが
起動され、フリーランニングタイマの時刻がラッチされ
る。MPU2は図4のルーチンと同様にステップS10
1でラッチされた時刻を読み出し、ステップS102で
前回処理時(BTDC30°CA)の時刻との差である
所要時間(分周信号9bの周期A2 に相当する)を算出
する。次いで、ステップS103で所要時間を2分の1
して今回の所要時間として更新し、ステップS104で
点火時期を求め、ステップS105でその点火時期を時
間換算して点火時期Tang を求める。そして、ステップ
S106で通電遮断処理を実行する。即ち、前記のよう
に図7のポイントdからポイントd’までのカウント時
間を求めて、そのカウント時間をコンペアレジスタにセ
ットする。したがって、レジスタの値が0までカウント
ダウンされた時点で点火信号2aが立下げられる。
【0040】そして、MPU2はステップS107で割
込み処理を実行するエッジを立下がりエッジから立上が
りエッジに反転した後、このルーチンを終了する。よっ
て、その後は前記のように分周信号9bの立上がりエッ
ジ毎に図4のルーチンが起動されて、通常の非始動時の
点火時期制御が実行される。
【0041】前述のように機関の回転速度の変動が大き
い始動時には、点火時期Tang の直前の分周信号9bの
立下がりエッジを基点として点火信号2aの立下げ時期
が決定される。したがって、非始動時に比較して点火時
期Tang までのカウント時間が大幅に短縮化されて、よ
り新しい回転速度情報(ポイントcからポイントdまで
の所要時間)に基づいて点火時期Tang を決定でき、回
転変動による点火時期Tang の誤差が飛躍的に軽減され
る。
【0042】また、角度カウンタのカウント処理やクラ
ンク角から所要時間を算出する処理等が非始動時と始動
時とで共通化されているため、従来技術で説明した公開
技報記載の点火時期制御装置のように、複数のプログラ
ム処理の体系についての受渡し処理等が不要である。
【0043】しかも、本実施例では、始動時の割込みル
ーチンを分周信号9bの立下がりエッジ毎に実行するこ
となく、点火時期Tang の直前の立下がりエッジでのみ
実行している。つまり、立下がりエッジ毎に割込みルー
チンを実行すると、非始動時の割込みルーチンのステッ
プS3のように、次回の処理での所要時間の算出に備え
てその都度フリーランニングタイマの時刻をRAMに記
憶する必要があるが、この始動時の割込みルーチンが点
火時期Tang の直前の立下がりエッジでのみ実行される
ため、時刻を記憶する必要がなくなり、始動時の制御を
簡略化可能である。
【0044】一方、本実施例では分周信号9bのハイレ
ベルとローレベルの比率を2:1に設定し、始動時の割
込みルーチンのステップS103では、前回処理から今
回処理までの所要時間(ポイントcからポイントd)を
2分の1して今回の所要時間(ポイントdからTDC)
を算出している。そして、この2分の1の演算は、MP
U2で取り扱う2進数のデータでは1桁ずらすだけであ
るため極めて容易に処理でき、始動時の制御をより一層
簡略化可能である。
【0045】なお、2分の1の他に4分の1や8分の1
の演算処理も、データの桁数を変更するだけで実行でき
る。したがって、演算処理の容易化を図るには、分周信
号9bの比率を2n :1とし、前回の所要時間を2n
の1として今回の所要時間を算出するように設定すれば
よい。但し、分周信号9bの立下がりエッジは点火時期
より常に先行する必要があることから、この条件を満た
す範囲内で分周信号9bの比率を設定する必要がある。
【0046】以上のように本実施例では、内燃機関M1
として内燃機関1が機能し、パルス信号作成手段M2及
び基準位置検出手段M3としてディジタル入力バッファ
9の分周回路が、点火手段M4として点火装置13が、
通常時制御手段M5としてステップS1乃至ステップS
10、ステップS12乃至ステップS14の処理を実行
するときのMPU2が、低速運転判別手段M6としてス
テップS11の処理を実行するときのMPU2が、低速
運転時制御手段M7としてステップS15、ステップS
101乃至ステップS107の処理を実行するときのM
PU2がそれぞれ機能する。
【0047】このように本実施例の内燃機関の点火時期
制御装置は、クランク角センサ11から出力されて波形
整形回路10にて整形された整形信号10aを入力し、
内燃機関のクランク角に対応する30°CA周期の分周
信号9b、及びTDCを判別するための基準判別信号9
aを作成するディジタル入力バッファ9の分周回路と、
前記分周信号9bの立上がりエッジ毎に非始動時の割込
みルーチンを実行して、点火装置13への点火信号2a
を立上げまたは立下げ処理するとともに、機関回転速度
に基づき始動時と判定したときに分周信号9bの立下が
りエッジに同期して始動時の割込みルーチンを実行し、
点火信号2aを立下げ処理するMPU2とを具備してい
る。この構成は請求項1の発明に相当するものである。
【0048】したがって、始動時には分周信号9bの立
下がりエッジを基点として点火信号2aの立下げ時期が
決定されるため、非始動時に比較して点火時期Tang ま
でのカウント時間が大幅に短縮化されて、より新しい回
転速度情報に基づいて点火時期Tang を決定できる。故
に、回転変動による点火時期Tang の誤差を飛躍的に軽
減して、始動時の点火時期制御の高精度化を達成するこ
とができる。また、角度カウンタのカウント処理やクラ
ンク角から所要時間を算出する処理等が非始動時と始動
時とで共通化されているため、複数のプログラム処理の
体系についての受渡し処理等が不要であり、制御の複雑
化を未然に防止することができる。
【0049】また、本実施例の内燃機関の点火時期制御
装置は、始動時の割込みルーチンを点火時期Tang の直
前の立下がりエッジでのみ実行している。この構成は請
求項2の発明に相当するものである。
【0050】したがって、次回の処理での所要時間の算
出に備えてフリーランニングタイマの時刻をRAMに記
憶する必要がなくなり、始動時の制御を簡略化すること
ができる。
【0051】更に、本実施例の内燃機関の点火時期制御
装置は、分周信号9bのハイレベルとローレベルの比率
を2:1に設定している。この構成は請求項3の発明に
相当するものである。
【0052】したがって、始動時の割込みルーチンで
は、前回処理から今回処理までの所要時間を2分の1す
るだけ、つまり2進数のデータを1桁ずらすだけで極め
て容易に今回の所要時間を算出でき、始動時の制御をよ
り一層簡略化することができる。
【0053】ところで、上記実施例では、通常の非始動
時に分周信号9bの立上がりエッジを基点として点火信
号2aの立上げ及び立下げ時期を決定し、始動時には点
火信号2aの立下げ時期のみを分周信号9bの立下がり
エッジを基点として決定したが、本発明を実施する場合
には、これに限定されるものではなく、例えば分周信号
9bの立上がりエッジと立下がりエッジの関係を逆転さ
せてもよい。
【0054】また、上記実施例では、機関の回転変動に
よる点火時期Tang の誤差が始動時に顕著に生ずるとの
観点の上で、始動時に分周信号9bのエッジを切り換え
たが、本発明を実施する場合には、これに限定されるも
のではなく、例えば始動時以外の低速運転時にも、分周
信号9bの立下がりエッジを基点として点火信号2aの
立下げ時期を決定してもよい。
【0055】更に、上記実施例では、始動時の割込みル
ーチンを点火時期Tang の直前の立下がりエッジでのみ
実行したが、本発明を実施する場合には、これに限定さ
れるものではなく、例えば分周信号9bの立下がりエッ
ジ毎にこのルーチンを実行してもよい。
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の内燃機
関の点火時期制御装置によれば、低速運転時には点火時
期の直前のパルス信号のエッジを基点として点火信号の
立下げ時期を決定するため、カウント時間が短縮化され
てより新しい回転速度情報に基づいて点火時期を決定で
きる。したがって、回転変動による点火時期の誤差を飛
躍的に軽減して、低速運転時の点火時期制御の高精度化
を達成することができる。また、パルス信号に基づくク
ランク角の算出処理等が通常時と低速運転時とで共通化
されているため、複数のプログラム処理の体系について
の受渡し処理等が不要であり、制御の複雑化を未然に防
止することができる。
【0057】請求項2の発明の内燃機関の点火時期制御
装置によれば、次回の処理での所要時間の算出に備えて
今回の時刻を記憶する必要がなくなり、低速運転時の制
御を簡略化することができる。
【0058】請求項3の発明の内燃機関の点火時期制御
装置によれば、所要時間を2n 分の1するだけ、つまり
2進数のデータの桁数を変更するだけで極めて容易に圧
縮上死点までの所要時間を算出でき、低速運転時の制御
をより一層簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の内容を概念的に示し
たクレーム対応図である。
【図2】図2は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置の信号処理手順を示すタイムチャートであ
る。
【図4】図4は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置のMPUが実行する非始動時の割込みルー
チンを示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置の非始動時における点火信号の作成状態を
示すタイムチャートである。
【図6】図6は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置のMPUが実行する始動時の割込みルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図7】図7は本発明の一実施例である内燃機関の点火
時期制御装置の始動時における点火信号の作成状態を示
すタイムチャートである。
【符号の説明】
M1 内燃機関 M2 パルス信号作成手段 M3 基準位置検出手段 M4 点火手段 M5 通常時制御手段 M6 低速運転判別手段 M7 低速運転時制御手段 2 MPU 13 点火装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク角に対応して所定周
    期のパルス信号を作成するパルス信号作成手段と、 前記クランク角の予め設定された基準位置を検出する基
    準位置検出手段と、 前記パルス信号を処理許可条件として定め、前記基準位
    置を基点としてパルス信号に基づき現在のクランク角を
    算出し、点火時期またはそれに先行する通電開始時期の
    直前の処理時において、前回処理から今回処理までの所
    要時間に基づいて該当する時期までのカウント時間を算
    出し、カウント時間の経過後に点火手段への点火信号の
    立上げまたは立下げ処理を実行する通常時制御手段と、 前記内燃機関の低速運転を判別する低速運転判別手段
    と、 前記パルス信号を処理許可条件として定め、前記低速運
    転判別手段にて低速運転が判別されたときに、始動時点
    火時期の直前に位置する所定周期以外のパルスの入力を
    許可し、点火時期の直前の処理時において、前回処理か
    ら今回処理までの所要時間に基づいて点火時期までのカ
    ウント時間を算出し、カウント時間の経過後に点火信号
    の立下げ処理を実行する低速運転時制御手段とを具備す
    ることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記低速運転時制御手段は、点火時期の
    直前のパルス信号のエッジでのみ点火信号の立下げ処理
    を許可されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関の点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス信号作成手段は、通常時制御
    手段の処理許可条件のエッジから低速運転時制御手段の
    処理許可条件のエッジまでの期間と逆の期間との比率を
    n :1とすべく、パルス信号を作成することを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の内燃機関の点火時
    期制御装置。
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