JPH06272051A - ステンレス鋼板の無機塗料塗装前処理方法 - Google Patents

ステンレス鋼板の無機塗料塗装前処理方法

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JPH06272051A
JPH06272051A JP6005593A JP6005593A JPH06272051A JP H06272051 A JPH06272051 A JP H06272051A JP 6005593 A JP6005593 A JP 6005593A JP 6005593 A JP6005593 A JP 6005593A JP H06272051 A JPH06272051 A JP H06272051A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼板に塗装される無機塗料塗装の
密着性、特に耐水二次密着性を塗装前処理により高め
る。 【構成】 ステンレス鋼板の表面をクロメート液にて処
理し、水洗した後、該処理面にシリカゾルおよび/また
は有機珪素化合物群を0.01重量%以上含有する液を
塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステンレス鋼板の表面に
無機塗料、例えば珪素アルコキシド系無機塗料、アルカ
リ珪酸塩系無機塗料、リン酸塩系無機塗料等を塗装した
場合に該塗装面にブツ、フクレ、ワレ、並びに剥離等の
塗膜欠陥がなく、かつ塗膜の密着性、特に耐水二次密着
性の優れた高品質塗膜を安定的に形成させ得る新規な無
機塗料塗装前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は一般の鋼板と比較して
耐食性は遥かに優れているが、未塗装で使用した場合に
は汚れが付着し易く、長期的には付着した汚れ部から腐
食が発生し意匠性を低下させるばかりでなく機能性の点
でも問題がある。これらの問題点を解決するためにステ
ンレス鋼板に塗装を施した塗装ステンレス鋼板が建材等
に使用されつつある。ところが、ステンレス鋼板の耐食
性を高め長期耐久性を付与するためにはアルキッド系、
ポリエステル系、アクリル系等の樹脂を主体とした従来
型の塗料では不十分なため、塗料自身も長期耐久性を有
するフッ素系塗料や無機系塗料が使用される場合が増え
つつある。
【0003】珪素アルコキシド系を初めとする無機塗料
は、高い耐食性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、耐熱
性、耐カビ性、防菌性を有し、さらに形成される塗膜は
ガラス質なため有機樹脂系塗膜に比べ著しく高い塗膜硬
度を有するために、耐傷付き性が著しく優れている。し
たがって無機塗料は建材や構造材の分野で大きな注目を
集めている。
【0004】一般にステンレス鋼板の表面は化学的に安
定な金属酸化物に覆われており塗膜との密着性が低いこ
とが知られている。そのため、実用に耐え得る塗膜密着
性を有する無機塗料による塗装ステンレス鋼板が要望さ
れている。特に、珪素アルコキシド系の無機塗料はポリ
シロキサンを基本骨格とするため、一般の有機樹脂系塗
料に比較して塗膜が脆く、また、樹脂自身の極性が強い
ために塗膜の透水性が高く、金属素材特にステンレス鋼
板を被塗物として塗装をした場合、素材に対する密着
性、特に耐水二次密着性が低くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したス
テンレス鋼板を被塗物とする無機塗料塗装の欠点である
密着性、特に耐水二次密着性不足を解決することを目的
とする。この欠点を解決することによって、ステンレス
鋼板の有する優れた性質である耐食性を増強し、且つ、
無機塗料の有する優れた化学的安定性、耐薬品性、耐摩
耗性、耐候性、耐熱性、耐カビ性、防菌性、耐傷付き性
等を十分に発揮させ、従来型の有機樹脂系塗料の塗膜に
比較して、遥かに高度な耐久性を発揮させる無機塗料塗
装ステンレス鋼板が提供されることになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、無機塗料
を塗装されたステンレス鋼板が屋外使用された時に長期
耐久性を発揮させる上での欠点である塗膜の密着性、特
に耐水二次密着性を向上するために鋭意検討を重ねた結
果、まずステンレス鋼板の表面を予めクロメート液にて
処理し、次いでシリカゾルおよび特定した有機珪素化合
物群から選ばれる1種以上を含有する溶液を塗布する前
処理を行なうことにより無機塗料に対する密着性、特に
耐水二次密着性が大幅に向上させ得ることを見いだし本
発明を完成するに至った。
【0007】本発明における無機塗料塗装前処理はクロ
メート処理とシリカゾルおよび特定した有機珪素化合物
群から選ばれる1種または2種以上の化合物を0.01
重量%以上含有する液を塗布する処理の2つの工程から
なるものである。まず、本発明におけるクロメート処理
について説明する。
【0008】クロメート処理は、クロメート液を塗布し
た後に水洗を行なう反応型クロメート処理が成形物に対
して適用し易いので、本発明において採用することとし
た。反応型クロメート処理としてはリン酸クロメート処
理、クロム酸クロメート処理等、特に限定するものでは
ない。
【0009】本発明に使用するクロメート液組成として
は特に限定するものではないが、好ましい組成として
は、クロム酸0.4〜10g/リットル、リン酸1.5
〜50g/リットルおよびフッ素イオン0.05〜5g
/リットルを含有するものである。この組成系において
クロム酸0.4g/リットル未満、リン酸1.5g/リ
ットル未満、フッ素イオン0.05g/リットル未満の
希薄はクロメート水溶液であってもステンレス鋼の処理
は可能であるが、次のシリカゾルなどの処理の前段階と
して有効な処理面を形成するのに要する時間が長くなり
生産性が低下するので好ましくない。また、クロム酸1
0g/リットル超、リン酸50g/リットル超、フッ素
イオン5g/リットル超の濃厚なクロメート水溶液であ
ってもステンレス鋼のクロメート処理自体には何ら問題
がないが、効果が飽和に達するので経済的でない。
【0010】また、クロム酸0.4〜10g/リット
ル、硝酸0.1〜10g/リットルおよびフッ素イオン
0.05〜5g/リットルを含有する組成も好ましく使
用することができる。この組成系においてクロム酸0.
4g/リットル未満、硝酸0.1g/リットル未満、フ
ッ素イオン0/05g/リットル未満の希薄なクロメー
ト水溶液であってもステンレス鋼の処理は可能である
が、次のシリカゾルなどの処理の前段階として有効な処
理面を形成するのに要する時間が長くなり生産性が低下
し好ましくない。また、クロム酸10g/リットル超、
硝酸10g/リットル超、フッ素イオン5g/リットル
超の濃厚なクロメート水溶液であっても処理自体はなん
ら問題はないが、クロメート処理の効果が飽和に達する
ので経済的でない。
【0011】これらのクロメート水溶液中に含まれるフ
ッ化水素酸、珪フッ化水素酸、硼フッ化水素酸、チタン
フッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸から選ばれた1種
または2種以上の酸から供給する事が出来る。これらの
フッ素イオンは、前記酸の水溶性塩類、例えばナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属類との塩、マグネシウム
等のアルカリ土類金属等との塩、アンモニウムとの塩等
の使用を拒むものではない。これらのクロメート水溶液
はさらに硫酸を0.1〜10g/リットル含有すること
ができる。クロメート水溶液中に含有する硫酸はステン
レス鋼板の酸化膜の溶解を助ける効果を有するものと推
測される。
【0012】本発明におけるクロメート処理方法につい
ては特に限定するものではなく、通常のスプレー法、浸
漬法等によりクロメート水溶液を塗布する方法が使用で
きる。この様にして塗布した後、通常行なわれる方法で
水洗することによりクロメート処理は完了する。またク
ロメート処理に際して使用されるクロメート水溶液の温
度は特に限定するものではないが、経済性と作業性によ
る制限から通常10〜60℃の範囲が好ましい。
【0013】本発明におけるクロメート処理に続く後工
程で使用される、シリカゾルおよび有機珪素化合物群か
ら選ばれる1種または2種以上の化合物を含有する溶液
について具体的に説明する。まずシリカゾルについて具
体的に例をあげ説明すると、水ガラスなどのアルカリ珪
酸塩水溶液をイオン交換樹脂等を用いて製造されたコロ
イド状シリカ、または塩化シランなどを空気中で酸化し
製造されたフュームドシリカなどを溶媒中に均一に分散
した液が使用できる。これらのシリカゾルの平均粒子径
としては特に限定するものではないが、5〜500nm
が好ましい。
【0014】本発明に使用する有機珪素化合物は、アル
コキシ基を1分子中に少なくとも2個以上含有する下記
の有機珪素化合物群(A)が使用される。ビニルトリク
ロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、n−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、n−β−(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、n−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン。
【0015】クロメート処理後の処理面に塗布する液
は、シリカゾルおよび(A)有機珪素化合物群とから選
ばれる1種または2種以上の化合物を含有する溶液であ
る。それらの含有量(2種以上含有の場合は合計量)は
0.01重量%以上が必要である。これらの含有量が
0.01重量%未満では密着性向上効果が不足する。一
方含有量の上限は特に限定するものではないが5重量%
超では密着性向上効果が飽和に達し経済的ではない。ま
た、シリカゾルおよび有機珪素化合物を溶解しかつ/ま
たは分散するためにここで使用する溶媒の種類は何等限
定をするものではなく、水はもちろんのことアルコール
系、トルエン、キシレン等の芳香族系、セロソルブ系、
アセテート系、エステル系等の有機溶媒類が使用でき
る。この溶液を塗布する方法については特に限定するも
のではなく、通常のスプレー法、浸漬法、刷毛塗り法等
の方法が使用できる。塗布後、好ましくは50〜200
℃の温度で乾燥を行う。
【0016】
【作用】本発明において使用される薬液のステンレス鋼
板に対する前処理の化学的な作用については本発明者等
は次のように推測している。通常、ステンレス鋼板の表
面は空気中で化学的に安定な金属酸化物に覆われ、ステ
ンレス鋼板の耐食性はこの金属酸化皮膜によるものであ
ると説明されている。一方、金属に塗装された塗料など
の塗膜の素地に対する密着力は塗料中の極性基に依存す
ることが知られている。ところが、ステンレス鋼板表面
は安定な金属酸化皮膜に覆われているために、塗装され
た場合に塗料中の極性基による密着力が発揮され難いと
いう性質を有している。
【0017】そこで、本発明におけるクロメート処理に
よる効果を推測すると、クロメート水溶液がステンレス
鋼板上の金属酸化皮膜を溶解し、あるいはクロム酸が吸
着等されることにより、金属酸化皮膜が活性化される。
さらに、活性化されたステンレス鋼板の表面に本発明の
シリカゾルおよび有機珪素化合物が強く結合するものと
考えられる。このように強く結合した本発明のシリカゾ
ルおよび有機珪素化合物は無機塗料の主成分であるシロ
キサン骨格と非常に近い構造を有しているために特に珪
素アルコキシド系無機塗料との密着力が飛躍的に向上す
るものと推察する。
【0018】
【実施例】下記実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0019】市販の厚み0.3mmのステンレス鋼板
(SUS304)を素材として使用し、下記の実施例
(1)〜(8)および比較例(1)〜(4)の前処理を
行なった後、無機塗料を塗装し、各種性能試験を行なっ
た。
【0020】実施例1 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸0.4g/リットル、リン酸1.5g
/リットル、フッ酸を供給源するフッ素イオン0.05
g/リットルを含有する50℃の水溶液に20分間浸漬
した後、水洗(注2)し、更にシリカゾル(注3)を
0.1重量%含有する水溶液を塗布し、80℃で乾燥し
た。
【0021】実施例2 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸4g/リットル、リン酸8g/リット
ル、フッ酸のナトリウム塩を供給源とするフッ素イオン
0.3g/リットルを含有する50℃の水溶液に10分
間浸漬した後、水洗(注2)し、更にビニルトリクロル
シランを0.01重量%含有するエタノール溶液を塗布
し、80℃で乾燥した。
【0022】実施例3 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸2.6g/リットル、硝酸10g/リ
ットル、珪フッ化水素酸を供給源とするフッ素イオン
0.2g/リットルを含有する50℃の水溶液に5分間
浸漬した後、水洗(注2)し、更にγ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランを0.1重量%含有するエ
タノール溶液を塗布し、80℃で乾燥した。
【0023】実施例4 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸0.4g/リットル、リン酸1.5g
/リットル、フッ酸を供給源とするフッ素イオン0.0
5g/リットル、硫酸5g/リットルを含有する50℃
の水溶液に5分間浸漬した後、水洗(注2)し、更にγ
グリシドキシプロピルトリメトキシシランを1重量%含
有する水溶液を塗布し、80℃で乾燥した。
【0024】実施例5 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸0.4g/リットル、硝酸0.1g/
リットル、ジルコンフッ化水素酸を供給源とするフッ素
イオン0.05g/リットル、硫酸0.2g/リットル
を含有する50℃の水溶液に5分間浸漬した後、水洗
(注2)し、更にn−β−(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、5重量%含有するエタノ
ール溶液を塗布し、80℃で乾燥した。
【0025】実施例6 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸10g/リットル、硝酸10g/リッ
トル、珪フッ化水素酸のマグネシウム塩を供給源とする
フッ素イオン5g/リットルを含有する30℃の水溶液
に2分間浸漬した後、水洗(注2)し、更にγ−アミノ
プロピルトリエトキシシランを0.5重量%含有する水
溶液を塗布し、80℃で乾燥した。
【0026】実施例7 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸10g/リットル、リン酸50g/リ
ットル、フッ化水素酸のアンモニウム塩を供給源とする
フッ素イオン5g/リットルを含有する30℃の水溶液
に2分間浸漬した後、水洗(注2)し、更にビニルトリ
メトキシシランを5重量%含有するキシレン溶液を塗布
し、80℃で乾燥した。
【0027】実施例8 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸10g/リットル、リン酸50g/リ
ットル、チタンフッ化水素酸を供給源とするフッ素イオ
ン5g/リットルを含有する30℃の水溶液に2分間浸
漬した後、水洗(注2)し、更にn−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシランを0.01重量%含有
するメタノール溶液を塗布し、80℃で乾燥した。
【0028】実施例9 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸0.4g/リットル、硝酸0.1g/
リットル、硼フッ化水素酸を供給源とするフッ素イオン
0.05g/リットル、硫酸0.2g/リットルを含有
する50℃の水溶液に5分間浸漬した後、水洗(注2)
し、更にn−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシランを5重量%含有するエタノール溶液
を塗布し、80℃で乾燥した。
【0029】実施例10 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸0.4g/リットル、リン酸1.5g
/リットル、フッ酸を供給源としてフッ素イオン0.0
5g/リットルを含有する50℃の水溶液に20分間浸
漬した後、水洗(注2)し、更にシリカゾル(注3)を
0.06重量%とγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンを0.04重量%含有する水溶液を塗布し、80℃で
乾燥した。
【0030】比較例1 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、80℃で乾燥した。
【0031】比較例2 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸4g/リットル、リン酸8g/リット
ル、フッ化水素酸を供給源とするフッ素イオン0.3g
/リットルを含有する50℃の水溶液に10分間浸漬し
た後、水洗(注2)した後、80℃で乾燥した。
【0032】比較例3 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
した後、クロム酸10g/リットル、リン酸50g/リ
ットル、ジルコンフッ化水素酸を供給源とするフッ素イ
オン5g/リットルを含有する50℃の水溶液に20分
間浸漬した後、水洗(注2)し、80℃で乾燥した。
【0033】比較例4 ステンレス鋼板をアルカリ脱脂(注1)、水洗(注2)
し、乾燥した後、γグリシドキシプロピルトリメトキシ
シランを1重量%含有する水溶液を塗布し、80℃で乾
燥した。
【0034】(注1)アルカリ脱脂:供試ステンレス鋼
板をアルカリ脱脂剤(商品名:日本パーカライジング
(株)製、ファインクリーナー4360、濃度20g/
リットル)の水溶液に、60℃、2分間浸漬しアルカリ
脱脂を行なった。 (注2)水洗:供試ステンレス鋼板に水道水を20秒間
スプレーし水洗した。 (注3)シリカゾル:日産化学(株)製の商品名スノー
テックスN(シリカゾル濃度=20%)を使用した。
【0035】1.無機塗料塗装板の作製 実施例1〜10、比較例1〜4で前処理を行なった供試
ステンレス鋼板に珪素アルコキシド系無機塗料を塗装
し、200℃、30分間焼付けを行ない、膜厚7μmの
塗装板を作製し、下記(1)〜(3)に示した性能試験
を実施した。結果を表1に示した。
【0036】2.性能試験 (1)塗膜外観観察 塗装、焼付け後の塗膜を観察し、剥がれ、ブツ、フク
レ、ワレの発生状況を目視にて観察した。 (2)一次密着性試験 塗装面にNTカッターで素地に達するように1mm四方の
碁盤目を100個描き、セロテープで剥離する。テープ
剥離後の残存碁盤目数により下記のランクに分けて評価
した。 ◎:異常無し ○:残存碁盤目数 95/100 以上 △:残存碁盤目数 80/100 以上 ×:残存碁盤目数 80/100 未満 (3)二次密着性試験 無機塗料塗装板を沸騰水中に2時間浸漬した後、塗装面
にNTカッターで素地に達するように1mm四方の碁盤目
を100個描き、セロテープで剥離する。テープ剥離後
の残存碁盤目数により下記のランクに分けて評価した。 ◎:異常無し ○:残存碁盤目数 95/100 以上 △:残存碁盤目数 80/100 以上 ×:残存碁盤目数 80/100 未満
【0037】性能試験の結果より、本発明による実施例
1〜10は塗膜外観、一次密着性、二次密着性が優れて
いるが、比較例1は塗膜外観そのものにワレが認められ
到底実用に供する事が出来ない。比較例2、3は塗膜外
観は良好であるが一次密着性、二次密着性とも劣る。比
較例4は一次密着性は比較的良好であるが、二次密着性
に劣り、到底長期耐久性を得るものではない。
【0038】
【表1】 性能試験結果 記 号 塗膜外観 一次密着性 二次密着性 実施例1 異常なし ◎ ◎ 実施例2 異常なし ◎ ◎ 実施例3 異常なし ◎ ◎ 実施例4 異常なし ◎ ◎ 実施例5 異常なし ◎ ◎ 実施例6 異常なし ◎ ◎ 実施例7 異常なし ◎ ◎ 実施例8 異常なし ◎ ◎ 実施例9 異常なし ◎ ◎ 実施例10 異常なし ◎ ◎ 比較例1 微少なワレ × × 比較例2 異常なし △ × 比較例3 異常なし △ × 比較例4 異常なし ○ ×
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によるス
テンレス鋼板の無機塗料塗装前処理方法によれば、塗膜
欠陥の無い美麗な無機塗装が可能となるばかりでなく、
無機塗料の塗膜に対して極めて高い一次密着性と二次密
着性を付与できるため、本発明の主目的とする、長期耐
久性に優れた無機塗料塗装ステンレス鋼板を容易に製造
することが可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼板表面に無機塗料を塗装す
    る前に行う塗装前処理方法において、ステンレス鋼板の
    表面をクロメート液にて処理し、水洗した後、該処理面
    にシリカゾルおよび下記有機珪素化合物群(A)から選
    ばれる1種または2種以上の化合物を0.01重量%以
    上含有する液を塗布することを特徴とするステンレス鋼
    板の無機塗料塗装前処理方法。 (A)有機珪素化合物群:ビニルトリクロルシラン、ビ
    ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルト
    リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メ
    タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、
    4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
    ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
    −グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、n−
    β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシ
    シラン、n−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピル
    メチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
    キシシラン、n−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
    トキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記クロメート液が、クロム酸0.4〜
    10g/リットル、リン酸1.5〜50g/リットルお
    よびフッ酸イオン0.05〜5g/リットルを含有して
    なる請求項1記載のステンレス鋼板の無機塗料塗装前処
    理方法。
  3. 【請求項3】 前記クロメート液が、クロム酸0.4〜
    10g/リットル、硝酸0.1〜10g/リットルおよ
    びフッ酸イオン0.05〜5g/リットルを含有してな
    る請求項1記載のステンレス鋼板の無機塗料塗装前処理
    方法。
  4. 【請求項4】 クロメート液が、更に硫酸0.1〜10
    g/リットルを含有してなる請求項2または3記載のス
    テンレス鋼板の無機塗料塗装前処理方法。
  5. 【請求項5】 前記フッ素イオンはフッ化水素酸、珪フ
    ッ化水素酸、硼フッ化水素酸、チタンフッ化水素酸およ
    びジルコンフッ化水素酸から選ばれる1種または2種以
    上のフッ素化合物から供給されたものである請求項2ま
    たは3記載のステンレス鋼板の塗装前処理方法。
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