JPH06271687A - イオン交換膜の製造方法 - Google Patents

イオン交換膜の製造方法

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JPH06271687A
JPH06271687A JP8534193A JP8534193A JPH06271687A JP H06271687 A JPH06271687 A JP H06271687A JP 8534193 A JP8534193 A JP 8534193A JP 8534193 A JP8534193 A JP 8534193A JP H06271687 A JPH06271687 A JP H06271687A
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JP
Japan
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exchange membrane
ion
ionizing radiation
ion exchange
polymerizable monomer
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Pending
Application number
JP8534193A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Komatsu
健 小松
Tsutomu Naganuma
力 長沼
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、耐薬品性が十分にあるイオン交換膜を
欠陥なく製造する方法を提供する。 【構成】基材に重合性モノマーを含浸担持し、該重合性
モノマーを前段で電離性放射線の照射により一部反応さ
せ、後段で重合開始剤の存在下加熱により残部を重合さ
せ、必要に応じてイオン交換基を導入するイオン交換膜
の製造方法において、前段放射線の照射線量を1×10
-2〜10Mrad/hとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐薬品性に優
れた、各種電解用隔膜、高温電気透析用膜、高温拡散透
析用膜、酸回収濃縮膜、アルカリ回収濃縮膜、燃料電池
用膜などにおいて特に有用なイオン交換膜の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】実用的なイオン交換膜においては、一般
に機械的強度の点から、強度を保持する基材にイオン交
換樹脂を膜状に支持するのが望ましいとされている。し
かし、フッ素化オレフィンやオレフィン系重合体基材に
おいては、耐熱性、耐薬品性の点において優れた性能が
期待できるにもかかわらず、従来の重合法では基材とイ
オン交換樹脂の親和性が小さいため、得られたイオン交
換膜が十分な強度や電気化学的性質を有さない場合があ
る。
【0003】かかる問題点を解決するため、特開昭60
−238327、特開昭60−238328ではオレフ
ィン、あるいはフッ素化オレフィン系重合体基材に、重
合性モノマーを含浸担持させた後、電離性放射線で一部
重合を行い、続いて重合開始剤の存在下加熱することに
より重合を完結させるという方法を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の重合法
において電離性放射線による重合を、従来行われている
ような高い線量率(3.6×102 〜3.6×104
rad/h)で急速に行うと、含浸担持させた重合性モ
ノマーが不均一に反応し、そのため最終的にできあがる
イオン交換膜に欠陥が生じるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、電離性放射線を用いた
イオン交換膜の製造法において、欠陥の少ない製造方法
を提供する。
【0006】本発明者は鋭意研究を重ねた結果、電離性
放射線の照射線量率を特定の範囲とすることにより、最
終的なイオン交換膜の欠陥が大幅に少なくなることを見
いだした。
【0007】以下本発明をさらに詳しく述べる。本発明
の大きな特徴は、重合の第一段階における電離性放射線
の照射線量率を1×10-2〜10Mrad/h、好まし
くは5×10-2〜1Mrad/hとすることにより最終
的なイオン交換膜の欠陥を大幅に少なくした点にある。
かかる線量率で、フッ素化オレフィン、あるいはオレフ
ィン系重合体基材に含浸担持された重合性モノマーを、
電離性放射線による反応転化率が10〜80%になるよ
うに電離性放射線により重合を行うと、欠陥が少なく、
耐熱性、耐薬品性に優れたイオン交換膜を安定して製造
できる。
【0008】反応転化率がかかる範囲より小さい場合に
は、イオン交換膜が基材から剥離し十分な機械的強度を
有さず、逆にかかる範囲より大きい場合には、その転化
率を得るための電離性放射線の照射により基材自体が劣
化してしまう。
【0009】電離性放射線の照射線量率が、1×10-2
Mrad/hより低い場合には、最低限必要な反応転化
率10%を達成するのに時間がかかりすぎ実用に適さな
い。逆に10Mrad/hより高い場合にはイオン交換
膜に欠陥が生じ、本発明の効果が得られない。
【0010】かかる照射線量率で照射を行う限り、電離
性放射線は60Co、 127Csからのγ線、あるいは電子
線加速器からの電子線等任意なものが使用できる。
【0011】本発明において使用される基材としては、
フッ素化オレフィン系重合体としては、四フッ化エチレ
ン、三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニリデン、六フッ
化プロピレン等の重合体、あるいは共重合体が例示さ
れ、具体的にはポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、エチレン−四フッ化エチレン系共重合体、エチ
レン−三フッ化塩化エチレン系共重合体、四フッ化エチ
レン−六フッ化プロピレン系共重合体、プロピレン−四
フッ化エチレン系共重合体などが挙げられる。オレフィ
ン系重合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン、
メチルペンテンなどのオレフィンの単独重合、あるいは
共重合体が例示され、具体的には、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げら
れる。
【0012】基材はフッ素化オレフィン、あるいはオレ
フィン系重合体であればフィルム状のものも可能である
が、通常は布、ネットなどの織布、不織布あるいは多孔
質フィルムのような薄膜状の空隙性基材が好適に使用で
きる。
【0013】本発明に使用される重合性モノマーとして
は、イオン交換基としてスルホン酸基、カルボン酸基、
アミノ基を導入し得るものであれば任意のものが使用で
きる。好適な具体例としては、スチレン、クロルメチル
スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルピリジン、ア
クリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらのモ
ノマーを使用したときの、スルホン酸基の導入やアミノ
基の導入は、従来行われている広範な方法が何の制限も
なく使用できる。
【0014】また、後段の熱重合の条件については、特
に限定されず、ラジカル重合用重合開始剤、例えば有機
過酸化物やアゾイソブチロニトリルを用い、その重合開
始剤が活性に作用し得る温度以上に加熱し、残部重合を
完結することができる。例えば過酸化ベンゾイルを重合
開始剤として使用した場合には、60〜150℃、好ま
しくは80〜120℃で0.5〜16時間加熱重合を行
えばよい。
【0015】
【作用】本発明において、電離性放射線の照射線量率を
特定の範囲とすることによって、最終的に製造されるイ
オン交換膜の欠陥が大幅に減少する理由については必ず
しも明らかではない。しかし、照射線量率を低くするこ
とにより、第一段目の電離性放射線による重合が均一に
行われ、それにより最終的なイオン交換膜の欠陥が少な
くなる。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、かか
る実施例により本発明が制限されるものではない。ま
た、イオン交換膜の各種物性は以下のように測定したも
のである。
【0017】実効抵抗:2室型のセルに膜を挟み、0.
5MのNaCl溶液で両室を満たして1kHzの交流ブ
リッジでセル全体の抵抗を測り、次ぎに膜を取り外し溶
液のみの抵抗を測る。両抵抗の差より膜の抵抗Rを求
め、膜面積Sを用いて式Rm =R・Sにより実効抵抗R
m を得る。
【0018】輪率:2室型のセルに膜を挟み、0.5N
のKClを一方のセルに、他方のセルに2.5NのKC
l溶液を満たして、甘こう電極を用いて両液間の起電力
を測定し、輪率を求める。
【0019】破裂強度:シェーレン式破裂強度試験機に
より、グリセリンを圧力媒体としゴム薄膜を介して圧力
を加えていき、膜の破裂する最大圧力を測定する。
【0020】実施例1 ポリプロピレン織布(厚さ112μm、重量44.2g
/m2 )にジビニルベンゼン10重量%、スチレン48
重量%、クロルメチルスチレン42重量%の組成のシロ
ップに過酸化ベンゾイル2重量%添加したものを含浸
し、これを2枚のポリエステルフィルムと2枚のガラス
板に挟んで固定する。
【0021】これにコバルト60Coのγ線を室温で、
0.5Mrad/hの線量率で3Mrad照射し放射線
重合を行い、次いで90℃の温水中で6時間加熱重合を
行い重合膜を作る。この重合膜を96%の濃硫酸に60
℃の条件で16時間浸漬し、スルホン化処理して陽イオ
ン交換膜とする。この陽イオン交換膜は、欠陥がなく、
実効抵抗4.43Ω・cm2 、厚み184μm、輪率8
5%、破裂強度5kg/cm2 以上であった。
【0022】実施例2 シロップ組成としてジビニルベンゼン11重量%、スチ
レン28重量%、クロルメチルスチレン61重量%のも
のを使用し、これに過酸化ベンゾイル2重量%添加した
ものを、実施例1と同じ基材に含浸し、実施例1と同様
の方法で重合膜を作る。
【0023】この重合膜を1Mのトリメチルアミンに6
0℃の条件で16時間浸漬しアミノ化処理して陰イオン
交換膜とした。この陰イオン交換膜は、欠陥がなく、実
効抵抗2.7Ω・cm2 、厚み168μm、輪率93
%、破裂強度3kg/cm2 以上であった。
【0024】
【発明の効果】本発明によると前段の放射線の照射線量
を特定の範囲とするため、欠陥のないイオン交換膜を得
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に重合性モノマーを含浸担持し、該重
    合性モノマーを前段で放射線の照射線量率が1×10-2
    〜10Mrad/hの電離性放射線の照射により一部反
    応させ、後段で重合開始剤の存在下加熱により残部を重
    合させ、必要に応じてイオン交換基を導入することを特
    徴とするイオン交換膜の製造方法。
  2. 【請求項2】電離性放射線の照射による反応が転化率で
    10〜80%である請求項1のイオン交換膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】イオン交換基が、スルホン酸基、カルボン
    酸基、あるいはアミノ基である請求項1のイオン交換膜
    の製造方法。
JP8534193A 1993-03-19 1993-03-19 イオン交換膜の製造方法 Pending JPH06271687A (ja)

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Cited By (5)

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