JPH062715B2 - 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの回収方法 - Google Patents
3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの回収方法Info
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- JPH062715B2 JPH062715B2 JP22618087A JP22618087A JPH062715B2 JP H062715 B2 JPH062715 B2 JP H062715B2 JP 22618087 A JP22618087 A JP 22618087A JP 22618087 A JP22618087 A JP 22618087A JP H062715 B2 JPH062715 B2 JP H062715B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、o−フタル酸ジエステルの二量化反応により
生成した反応液から、3,4,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸テトラエステルを回収する方法に関す
るものである。
生成した反応液から、3,4,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸テトラエステルを回収する方法に関す
るものである。
[発明の背景] 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テト
ラエステルは、耐熱性およびその他の化学的および物理
的特性に優れた芳香族ポリイミドの原料モノマーのひと
つとして有用な化合物である。
ラエステルは、耐熱性およびその他の化学的および物理
的特性に優れた芳香族ポリイミドの原料モノマーのひと
つとして有用な化合物である。
ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルが、二価パ
ラジウム塩を含む触媒の存在下、溶媒の不存在下で分子
状酸素を含む気体を反応系に供給しながらo−フタル酸
ジエステル加熱し、これによりo−フタル酸ジエステル
を二量化して得られることは公知であり、その方法は例
えば、特公昭50−3148号公報に記載されている。
ラジウム塩を含む触媒の存在下、溶媒の不存在下で分子
状酸素を含む気体を反応系に供給しながらo−フタル酸
ジエステル加熱し、これによりo−フタル酸ジエステル
を二量化して得られることは公知であり、その方法は例
えば、特公昭50−3148号公報に記載されている。
上記の製造法では、二量化物として3,4,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル(以下、
s−BPTTと略記することがある)が高い選択率で得
られるが、その他にも2,3,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸テトラエステル(以下、a−BPTT
と略記することがある)、ビフェニルトリカルボン酸ト
リエステル(3,3’,4’−ビフェニルトリカルボン
酸トリエステルおよび4,3’,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸テトラエステル)、および高沸点生成物な
どが副生する。従って、高純度のs−BPTTを得るた
めには、このような異性体および副生成物を含む反応液
からs−BPTTを分離することが必要となる。
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル(以下、
s−BPTTと略記することがある)が高い選択率で得
られるが、その他にも2,3,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸テトラエステル(以下、a−BPTT
と略記することがある)、ビフェニルトリカルボン酸ト
リエステル(3,3’,4’−ビフェニルトリカルボン
酸トリエステルおよび4,3’,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸テトラエステル)、および高沸点生成物な
どが副生する。従って、高純度のs−BPTTを得るた
めには、このような異性体および副生成物を含む反応液
からs−BPTTを分離することが必要となる。
上記の二量化生成物の混合物からs−BPTTを分離す
る方法としては、初期には蒸留法やメタノールなど有機
溶媒を用いる晶析(分別結晶)が検討されていたが、い
ずれも異性体の分離効率が充分でないために、これまで
は、反応生成物混合物中のエステルを一旦加水分解して
カルボン酸としてこれを分別結晶する方法が主として開
発対象となっていた。すなわち、加水分解により生成す
るビフェニルテトラカルボン酸の異性体混合物は、水と
酢酸を利用した分別結晶により効率良く分離することが
できることが判明し、この事実を利用したs−BPTT
の分離回収技術が種々検討されてきている。このカルボ
ン酸への転換を伴なうs−BPTTの分離回収技術につ
いては、特公昭50−31148号公報、同52−29
06号公報、同57−15098号公報、特開昭56−
46844号公報、同60−51151号公報などに詳
しく記載されている。
る方法としては、初期には蒸留法やメタノールなど有機
溶媒を用いる晶析(分別結晶)が検討されていたが、い
ずれも異性体の分離効率が充分でないために、これまで
は、反応生成物混合物中のエステルを一旦加水分解して
カルボン酸としてこれを分別結晶する方法が主として開
発対象となっていた。すなわち、加水分解により生成す
るビフェニルテトラカルボン酸の異性体混合物は、水と
酢酸を利用した分別結晶により効率良く分離することが
できることが判明し、この事実を利用したs−BPTT
の分離回収技術が種々検討されてきている。このカルボ
ン酸への転換を伴なうs−BPTTの分離回収技術につ
いては、特公昭50−31148号公報、同52−29
06号公報、同57−15098号公報、特開昭56−
46844号公報、同60−51151号公報などに詳
しく記載されている。
上記のカルボン酸への転換を伴なうs−BPTTの分離
回収技術は、効率よく異性体を分離することができ、s
−BPTTを回収するために有効な方法であるが、本発
明者の検討によれば、回収s−BPTTにビフェニルテ
トラカルボン酸トリエステルなどの副生成物が含まれ、
高純度のs−BPTTが得られないとの不利な点もある
ことが判明した。
回収技術は、効率よく異性体を分離することができ、s
−BPTTを回収するために有効な方法であるが、本発
明者の検討によれば、回収s−BPTTにビフェニルテ
トラカルボン酸トリエステルなどの副生成物が含まれ、
高純度のs−BPTTが得られないとの不利な点もある
ことが判明した。
一方、上記の二量化生成物の混合物からビフェニルトリ
カルボン酸トリエステルなど副生成物の含有量が低減し
たビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを分離す
る技術が、特開昭59−167539号公報に開示され
ている。上記公報記載の方法は、上記二量化生成物混合
物を、原料モノマーのo−フタル酸ジエステルの存在下
にアルコール溶媒を用い、−20℃〜室温という低い温
度範囲にて晶析する方法である。
カルボン酸トリエステルなど副生成物の含有量が低減し
たビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを分離す
る技術が、特開昭59−167539号公報に開示され
ている。上記公報記載の方法は、上記二量化生成物混合
物を、原料モノマーのo−フタル酸ジエステルの存在下
にアルコール溶媒を用い、−20℃〜室温という低い温
度範囲にて晶析する方法である。
しかしながら上記の方法では、回収されるビフェニルテ
トラカルボン酸テトラエステルは、その異性体の混合物
(主としてs−BPTTおよびa−BPTT)であっ
て、該異性体混合物からs−BPTTを分離する方法に
ついては示されていない。
トラカルボン酸テトラエステルは、その異性体の混合物
(主としてs−BPTTおよびa−BPTT)であっ
て、該異性体混合物からs−BPTTを分離する方法に
ついては示されていない。
従って、反応生成物混合物から、異性体を効率よく分離
し、しかもビフェニルトリカルボン酸トリエステルなど
の副生成物を含むことのない、高純度の3,4,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル(s
−BPTT)を、高い収率にて分離回収する技術の開発
が望まれる。
し、しかもビフェニルトリカルボン酸トリエステルなど
の副生成物を含むことのない、高純度の3,4,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル(s
−BPTT)を、高い収率にて分離回収する技術の開発
が望まれる。
[発明の目的] 本発明は、o−フタル酸ジエステルの二量化反応により
生成した反応液から、選択的に3,4,3’,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸テトラエステルを晶析分離し
たのち、さらにその母液に残存する3,4,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを効率良
く回収する方法を提供することを主な目的とする。
生成した反応液から、選択的に3,4,3’,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸テトラエステルを晶析分離し
たのち、さらにその母液に残存する3,4,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを効率良
く回収する方法を提供することを主な目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、o−フタル酸ジエステルの二量化反応により
生成した反応液から、未反応のo−フタル酸ジエステル
を除去してその含有量を、好ましくは1.0重量%以
下、さらに好ましくは0.5重量%以下に低減させた反
応生成物混合物を得、次いで、上記反応生成物混合物
を、好ましくは20〜50℃の温度範囲にて溶媒を用い
た晶析操作にかけることにより、3,4,3’,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを選択的に
晶析させたのち、 該晶析操作において得られた3,4,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸テトラエステル、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ル、ビフェニルテトラカルボン酸トリエステル、および
高沸点生成物を含む母液から溶媒を留去して濃縮したの
ち、この濃縮母得を蒸留することにより2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルとビ
フェニルテトラカルボン酸トリエステルとを選択的に留
去し、これにより3,4,3’,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸テトラエステル含有量の増加した残液を前
記の反応生成物混合物と一緒に上記晶析操作に供するこ
とからなる3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸テトラエステルの回収方法にある。
生成した反応液から、未反応のo−フタル酸ジエステル
を除去してその含有量を、好ましくは1.0重量%以
下、さらに好ましくは0.5重量%以下に低減させた反
応生成物混合物を得、次いで、上記反応生成物混合物
を、好ましくは20〜50℃の温度範囲にて溶媒を用い
た晶析操作にかけることにより、3,4,3’,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを選択的に
晶析させたのち、 該晶析操作において得られた3,4,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸テトラエステル、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ル、ビフェニルテトラカルボン酸トリエステル、および
高沸点生成物を含む母液から溶媒を留去して濃縮したの
ち、この濃縮母得を蒸留することにより2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルとビ
フェニルテトラカルボン酸トリエステルとを選択的に留
去し、これにより3,4,3’,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸テトラエステル含有量の増加した残液を前
記の反応生成物混合物と一緒に上記晶析操作に供するこ
とからなる3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸テトラエステルの回収方法にある。
[発明の詳細な記述] 本発明は、二価パラジウム塩を含む触媒の存在下に無溶
媒で分子蒸酸素を含む気体を反応系に供給しながらo−
フタル酸ジエステルを加熱し、該o−フタル酸ジエステ
ルを二量化して得られる反応液から、触媒成分と未反応
o−フタル酸ジエステル化合物を除去した反応生成物混
合物から、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸テトラエステルを分離回収する場合に、有利に適
用することができる。
媒で分子蒸酸素を含む気体を反応系に供給しながらo−
フタル酸ジエステルを加熱し、該o−フタル酸ジエステ
ルを二量化して得られる反応液から、触媒成分と未反応
o−フタル酸ジエステル化合物を除去した反応生成物混
合物から、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸テトラエステルを分離回収する場合に、有利に適
用することができる。
本発明は、上述のo−フタル酸エステルとして、o−フ
タル酸ジメチルを用いた場合に特に有利に適用できる。
タル酸ジメチルを用いた場合に特に有利に適用できる。
次に、本発明の3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸テトラエステル(s−BPTT)の回収方法
を、必要に応じて添付した図面を参照しながら詳しく説
明する。
カルボン酸テトラエステル(s−BPTT)の回収方法
を、必要に応じて添付した図面を参照しながら詳しく説
明する。
o−フタル酸ジエステルを二量化して得られた生成物の
混合物は、まず触媒を分離する工程に付されたのち、第
1図のライン11より薄膜蒸発機12に導入され、ここ
で未反応o−フタル酸ジエステルがライン13より留去
される。残液(反応生成物混合物)に含有される未反応
o−フタル酸ジエステルは、1.0重量%以下であるこ
とが好ましく、さらに0.5重量%以下であることが好
ましい。未反応o−フタル酸ジエステルが1.0重量%
よりも多く含まれる反応生成物混合物に対して後述の晶
析操作を行なった場合には、未反応o−フタル酸ジエス
テルがビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを溶
解するために、s−BPTTの収率が低下する傾向があ
る。留去された未反応o−フタル酸ジエステルは、所望
により精製されたのち、再び二量化反応の原料として使
用することができる。
混合物は、まず触媒を分離する工程に付されたのち、第
1図のライン11より薄膜蒸発機12に導入され、ここ
で未反応o−フタル酸ジエステルがライン13より留去
される。残液(反応生成物混合物)に含有される未反応
o−フタル酸ジエステルは、1.0重量%以下であるこ
とが好ましく、さらに0.5重量%以下であることが好
ましい。未反応o−フタル酸ジエステルが1.0重量%
よりも多く含まれる反応生成物混合物に対して後述の晶
析操作を行なった場合には、未反応o−フタル酸ジエス
テルがビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを溶
解するために、s−BPTTの収率が低下する傾向があ
る。留去された未反応o−フタル酸ジエステルは、所望
により精製されたのち、再び二量化反応の原料として使
用することができる。
次いで、上記の反応生成物混合物はライン14を介して
別の薄膜蒸発機15に導入される。薄膜蒸発機15で
は、反応生成物混合物中の高沸点生成物(樹脂状物、三
量化物などの高沸点副生成物など)の低減した留分が得
られ、この留分はライン16を通って晶析用溶媒混合装
置17に導入される。高沸点生成物からなる残渣はライ
ン18により系外へ排出される。
別の薄膜蒸発機15に導入される。薄膜蒸発機15で
は、反応生成物混合物中の高沸点生成物(樹脂状物、三
量化物などの高沸点副生成物など)の低減した留分が得
られ、この留分はライン16を通って晶析用溶媒混合装
置17に導入される。高沸点生成物からなる残渣はライ
ン18により系外へ排出される。
晶析用溶媒混合装置17にはライン19より晶析用溶媒
が供給されて、前記のライン16から導入された留分と
混合され反応生成物溶液となる。この反応生成物溶液
は、次いで晶析装置20に移され、ここで3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ル(s−BPTT)を晶析する。この晶析物を含む混合
物は、次いで遠心分離装置21に移され、ここでs−B
PTTは分離され、ライン22から系外に回収される。
が供給されて、前記のライン16から導入された留分と
混合され反応生成物溶液となる。この反応生成物溶液
は、次いで晶析装置20に移され、ここで3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ル(s−BPTT)を晶析する。この晶析物を含む混合
物は、次いで遠心分離装置21に移され、ここでs−B
PTTは分離され、ライン22から系外に回収される。
上記の晶析操作は、20〜50℃の温度範囲にて行なう
こと好ましく、さらに25〜50℃の温度範囲にて行な
うことが好ましい。50℃を超える場合には、s−BP
TTの収率が低減する傾向があり、20℃未満の場合に
はa−BPTTおよびビフェニルトリカルボン酸トリエ
ステルが混入することがある。
こと好ましく、さらに25〜50℃の温度範囲にて行な
うことが好ましい。50℃を超える場合には、s−BP
TTの収率が低減する傾向があり、20℃未満の場合に
はa−BPTTおよびビフェニルトリカルボン酸トリエ
ステルが混入することがある。
晶析用溶媒として使用できる溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノールなどの炭素数1〜6の低級アルコー
ル、エーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル
セロソルブ、ニトロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭
素、アセトン、酢酸メチル、エタノール・エーテル混合
物などの有機溶媒を挙げることができるが、炭素数1〜
4の低級アルコールを好適に使用することができる。
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノールなどの炭素数1〜6の低級アルコー
ル、エーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル
セロソルブ、ニトロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭
素、アセトン、酢酸メチル、エタノール・エーテル混合
物などの有機溶媒を挙げることができるが、炭素数1〜
4の低級アルコールを好適に使用することができる。
遠心分離装置21に残る母液には、2,3,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルおよびビ
フェニルトリカルボン酸トリエステル(3,3’,4’
−ビフエニルトリカルボン酸トリエステル、4,3’,
4’−ビフェニルトリカルボン酸トリエステル)が多量
に含まれているが、同時に3,4,3’,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸テトラエステル(s−BPTT)
も少なからぬ量にて残存する。このため、本発明では、
その母液中に存在するs−BPTTを下記の方法によ
り、高い収率にて回収する。
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルおよびビ
フェニルトリカルボン酸トリエステル(3,3’,4’
−ビフエニルトリカルボン酸トリエステル、4,3’,
4’−ビフェニルトリカルボン酸トリエステル)が多量
に含まれているが、同時に3,4,3’,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸テトラエステル(s−BPTT)
も少なからぬ量にて残存する。このため、本発明では、
その母液中に存在するs−BPTTを下記の方法によ
り、高い収率にて回収する。
まず、上記の母液は、ライン23により溶媒回収塔24
に移され、ここで溶媒は蒸留除去される。この溶媒は、
ライン25を利用して晶析用溶媒混合物装置17に戻す
ことによって、繰り返し晶析用溶媒として用いることが
できる。
に移され、ここで溶媒は蒸留除去される。この溶媒は、
ライン25を利用して晶析用溶媒混合物装置17に戻す
ことによって、繰り返し晶析用溶媒として用いることが
できる。
溶媒回収塔24に残った残留液(濃縮母液)は、a−B
PTT、ビフェニルトリカルボン酸トリエステル、s−
BPTT、および高沸点生成物からなる混合物であり、
この濃縮母液は、次にライン26により精留塔27に移
される。
PTT、ビフェニルトリカルボン酸トリエステル、s−
BPTT、および高沸点生成物からなる混合物であり、
この濃縮母液は、次にライン26により精留塔27に移
される。
精留塔27において、濃縮母液は精留され、これにより
a−BPTTとビフェニルトリカルボン酸トリエステル
とが選択的に留去され、s−BPTT(3,4,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル)含
有量の増加した残液が缶液として残留する。
a−BPTTとビフェニルトリカルボン酸トリエステル
とが選択的に留去され、s−BPTT(3,4,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル)含
有量の増加した残液が缶液として残留する。
上記の精留は、塔底圧力20トール以下、塔底温度35
0℃以下の条件下に実施することが好ましく、塔底圧力
10トール以下、塔底温度300℃以下の条件下に実施
することが特に好ましい。圧力または温度が、上記の値
より高い場合には、s−BPTTおよびa−BPTTの
脱炭酸(熱劣化)が発生しやすくなる。
0℃以下の条件下に実施することが好ましく、塔底圧力
10トール以下、塔底温度300℃以下の条件下に実施
することが特に好ましい。圧力または温度が、上記の値
より高い場合には、s−BPTTおよびa−BPTTの
脱炭酸(熱劣化)が発生しやすくなる。
上述の条件で精留を行なうために、精留塔には圧力損失
が少ない充填物を使用することが好ましい。上記充填物
の圧力損失は、6mmHg/m以下であることが好まし
く、さらに3mmHg/m以下であることが特に好まし
い。このような充填物は、圧力低下の少ない特殊な細線
で構成された網材であることが好ましく、このような網
材としてスルザーBXパッキング(住友重機械工業(株)
より入手可能)、ROMDOPAK(月島機械製作所
(株)製)、およびジュアルパック(日本機械化学(株)
製)などを挙げることができるが、スルザーBXパッキ
ングが好ましい。
が少ない充填物を使用することが好ましい。上記充填物
の圧力損失は、6mmHg/m以下であることが好まし
く、さらに3mmHg/m以下であることが特に好まし
い。このような充填物は、圧力低下の少ない特殊な細線
で構成された網材であることが好ましく、このような網
材としてスルザーBXパッキング(住友重機械工業(株)
より入手可能)、ROMDOPAK(月島機械製作所
(株)製)、およびジュアルパック(日本機械化学(株)
製)などを挙げることができるが、スルザーBXパッキ
ングが好ましい。
なお、上記精留塔27の塔頂部に得られるa−BPTT
とビフェニルテトラカルボン酸トリエステルとの混合物
には、少量のs−BPTTが含まれるので、所望によ
り、これをライン28より取り出し、さらに同様な精留
塔を利用て精留を繰返すことによって、その精留塔の缶
液としてs−BPTTを回収することもできる。
とビフェニルテトラカルボン酸トリエステルとの混合物
には、少量のs−BPTTが含まれるので、所望によ
り、これをライン28より取り出し、さらに同様な精留
塔を利用て精留を繰返すことによって、その精留塔の缶
液としてs−BPTTを回収することもできる。
精留塔27にて塔底液として得られたs−BPTT
(3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テ
トラエステル)含有量の増加した缶液(通常は、同時に
高沸点生成物の最も増加している)は、次に、ライン2
9を介して、ライン14にて供給されている反応生成物
混合物に混合され、薄膜蒸発機15に導入され、前記と
同様なs−BPTTの分離回収操作に供される。なお、
上記缶液をライン14にではなく、薄膜蒸発機15に直
接供給してもよいことは勿論である。
(3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テ
トラエステル)含有量の増加した缶液(通常は、同時に
高沸点生成物の最も増加している)は、次に、ライン2
9を介して、ライン14にて供給されている反応生成物
混合物に混合され、薄膜蒸発機15に導入され、前記と
同様なs−BPTTの分離回収操作に供される。なお、
上記缶液をライン14にではなく、薄膜蒸発機15に直
接供給してもよいことは勿論である。
[発明の効果] 本発明によれば、o−フタル酸ジエステルの二量化反応
液から、二量化反応により生成した3,4,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルをほとん
ど全量回収することができる。従って工業的回収方法と
して非常に有利である。
液から、二量化反応により生成した3,4,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルをほとん
ど全量回収することができる。従って工業的回収方法と
して非常に有利である。
次に本発明の実施例を示す。
[実施例1] o−フタル酸ジメチル(以下DMPと略記する)を、酢
酸パラジウム、o−フェナントロリン、および酢酸銅か
らなる触媒の存在下、常圧、220℃で10時間反応さ
せ、DMPの二量化生成物を得た。
酸パラジウム、o−フェナントロリン、および酢酸銅か
らなる触媒の存在下、常圧、220℃で10時間反応さ
せ、DMPの二量化生成物を得た。
上述の二量化生成物を含む反応液から、触媒成分を分離
除去し、第一の薄膜蒸発機にて未反応DMPを留去し、
未反応DMP0.2重量%を含有する反応液を得たの
ち、該反応液を第二の薄膜蒸発機に供給した。第二の薄
膜蒸発機に供給した反応液は、未反応DMP、s−BP
TT、a−BPTT、ビフェニルトリカルボン酸トリメ
チル、高沸点生成分などからなる混合物である。
除去し、第一の薄膜蒸発機にて未反応DMPを留去し、
未反応DMP0.2重量%を含有する反応液を得たの
ち、該反応液を第二の薄膜蒸発機に供給した。第二の薄
膜蒸発機に供給した反応液は、未反応DMP、s−BP
TT、a−BPTT、ビフェニルトリカルボン酸トリメ
チル、高沸点生成分などからなる混合物である。
上記反応液を第二の薄膜蒸発機で0.3トール、260
℃で蒸留し、高沸点生成物の含有量の低減した反応生成
物混合物を得た。該反応生成物混合物は、未反応DMP
0.2重量、%s−BPTT62.1重量%、a−BP
TT10.0重量%、ビフェニルテトラカルボン酸トリ
メチルと他の底沸副含生物12.8重量%、および高沸
点生成物14.9重量%を含んでいた。
℃で蒸留し、高沸点生成物の含有量の低減した反応生成
物混合物を得た。該反応生成物混合物は、未反応DMP
0.2重量、%s−BPTT62.1重量%、a−BP
TT10.0重量%、ビフェニルテトラカルボン酸トリ
メチルと他の底沸副含生物12.8重量%、および高沸
点生成物14.9重量%を含んでいた。
上記の80℃まで冷却された反応生成物混合物と常温の
メタノールとを体積比1:4の割合にて混合した後、晶
析装置に連続的に供給し、25℃に冷却して晶析した。
析出したs−BPTTを主とする結晶を遠心分離機で分
離して、晶析母液を得た。
メタノールとを体積比1:4の割合にて混合した後、晶
析装置に連続的に供給し、25℃に冷却して晶析した。
析出したs−BPTTを主とする結晶を遠心分離機で分
離して、晶析母液を得た。
この晶析母液は、s−BPTT3.06重量%、a−B
PTT1.96重量%、ビフェニルテトラカルボン酸ト
リメチルおよび他の低沸点副生成物2.63重量%、お
よび高沸点生成物3.06重量%を含んでいた。
PTT1.96重量%、ビフェニルテトラカルボン酸ト
リメチルおよび他の低沸点副生成物2.63重量%、お
よび高沸点生成物3.06重量%を含んでいた。
上記母液をメタノール回収塔にて蒸留し、メタノールを
除去した後、メタノール蒸留の缶液を4/時の速度で
精留塔に供給した。
除去した後、メタノール蒸留の缶液を4/時の速度で
精留塔に供給した。
該精留塔は、塔径100Aで、スルザーBXパッキング
(住友重機械工業(株)より入手可能)を3.4mの高さ
で充填したものであり、操作条件は第1表の通りであ
る。
(住友重機械工業(株)より入手可能)を3.4mの高さ
で充填したものであり、操作条件は第1表の通りであ
る。
上記の条件での精留により得られた留出液および塔底缶
液の組成を第2表に示す。
液の組成を第2表に示す。
上記缶液を前述の未反応DMP留去後の反応液中に還流
しながら、160時間継続して晶析操作を行なった。こ
の晶析により得られたs−BPTTPの回収率98%
(未反応DMP留去後の反応生成物混合物中のs−BP
TT基準)であった。
しながら、160時間継続して晶析操作を行なった。こ
の晶析により得られたs−BPTTPの回収率98%
(未反応DMP留去後の反応生成物混合物中のs−BP
TT基準)であった。
第1図は、本発明の回収方法を示すフローシートであ
る。 12:未反応o−フタル酸ジエステル留去用薄膜蒸発機 15:高沸点生成物分離用薄膜蒸発機 20:晶析装置 21:遠心分離機 24:メタノール回収塔 27:精留塔 29:缶液還流ライン
る。 12:未反応o−フタル酸ジエステル留去用薄膜蒸発機 15:高沸点生成物分離用薄膜蒸発機 20:晶析装置 21:遠心分離機 24:メタノール回収塔 27:精留塔 29:缶液還流ライン
Claims (8)
- 【請求項1】o−フタル酸ジエステルの二量化反応によ
り生成した反応液から、未反応のo−フタル酸ジエステ
ルを除去してその含有量を低減させた反応生成物混合物
を得、次いで、上記反応生成物混合物を溶媒を用いた晶
析操作にかけることにより、3,4,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸テトラエステルを選択的に晶析
させたのち、 該晶析操作において得られた3,4,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸テトラエステル、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ル、ビフェニルトリカルボン酸トリエステル、および高
沸点生成物を含む母液から溶媒を留去して濃縮したの
ち、この濃縮母液を蒸留することにより2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルとビ
フェニルトリカルボン酸トリエステルとを選択的に留去
し、これにより3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸テトラエステル含有量の増加した残液を前記
の反応生成物混合物と一緒に上記晶析操作に供すること
からなる3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸テトラエステルの回収方法。 - 【請求項2】上記二量化反応により生成した反応液から
未反応o−フタル酸ジエステルを除去し、その含有量を
1.0重量%以下に低減させた反応生成物混合物を得る
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ルの回収方法。 - 【請求項3】上記晶析操作の温度範囲が、20〜50℃
の温度範囲であることを特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸テトラエステルの回収方法。 - 【請求項4】上記の晶析に用いる溶媒が炭素数1〜4の
低級アルコールであることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸テトラエステルの回収方法。 - 【請求項5】上記の未反応o−フタル酸ジエステルの含
有量が低減した反応生成混合物および上記濃縮母液の蒸
留残液を蒸留することにより、高沸点生成物の含有量を
低減させた留分を得たのち、この留分を上記晶析操作に
かけることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テト
ラエステルの回収方法。 - 【請求項6】濃縮母液を、塔底圧力20トール以下、塔
底温度350℃以下の条件下の精留塔にて蒸留すること
を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ルの回収方法。 - 【請求項7】濃縮母液を、塔底圧力10トール以下、塔
底温度300℃以下の条件下の精留塔にて蒸留すること
を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステ
ルの回収方法。 - 【請求項8】o−フタル酸ジエステルがo−フタル酸ジ
メチルであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
テトラエステルの回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22618087A JPH062715B2 (ja) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22618087A JPH062715B2 (ja) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6468341A JPS6468341A (en) | 1989-03-14 |
JPH062715B2 true JPH062715B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=16841137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22618087A Expired - Lifetime JPH062715B2 (ja) | 1987-09-09 | 1987-09-09 | 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062715B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10683455B2 (en) | 2013-11-22 | 2020-06-16 | Polnox Corporation | Macromolecular antioxidants based on dual type moiety per molecule: structures, methods of making and using the same |
-
1987
- 1987-09-09 JP JP22618087A patent/JPH062715B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10683455B2 (en) | 2013-11-22 | 2020-06-16 | Polnox Corporation | Macromolecular antioxidants based on dual type moiety per molecule: structures, methods of making and using the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6468341A (en) | 1989-03-14 |
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