JPH06271597A - リン脂質及びリポソーム - Google Patents

リン脂質及びリポソーム

Info

Publication number
JPH06271597A
JPH06271597A JP5860493A JP5860493A JPH06271597A JP H06271597 A JPH06271597 A JP H06271597A JP 5860493 A JP5860493 A JP 5860493A JP 5860493 A JP5860493 A JP 5860493A JP H06271597 A JPH06271597 A JP H06271597A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
residue
added
compound
liposome
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5860493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2774430B2 (ja
Inventor
Atsushi Sasaki
淳 佐々木
Naoichi Murahashi
直一 村橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
D D S KENKYUSHO KK
Original Assignee
D D S KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by D D S KENKYUSHO KK filed Critical D D S KENKYUSHO KK
Priority to JP5058604A priority Critical patent/JP2774430B2/ja
Publication of JPH06271597A publication Critical patent/JPH06271597A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2774430B2 publication Critical patent/JP2774430B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤キャリアーとして期待されるリポソーム
に所定の臓器への指向性を付与できるようなリポソーム
の修飾物質及びこのような物質により修飾されたリポソ
ームの開発提供。 【構成】 (ポリ)エチレンレグリコールを介して単糖
(誘導体)またはこれを構成糖とするオリゴ糖とリン酸
の脂質エステルとが結合した構造の新規化合物(リン脂
質)、及びこれを含有させたリポソーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬剤キャリアーとして
の用途が期待されるリポソームを修飾してリポソームに
所定の臓器への指向性を付与できるようなリン脂質及び
このようなリン脂質により修飾された臓器指向性を有す
るリポソームに関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】リポソームは、例えば、野島他
編「リポソーム」(南江堂)に述べられているように薬
物を投与するときのキャリアーとして期待されている。
このようなリポソームが所望の臓器に優先的に移行する
ように即ち臓器指向性を有するように改良すべく種々の
試みがなされているが、何れも充分満足できる結果が得
られていない。
【0003】本発明者は、リポソームを修飾して臓器指
向性を付与するに必要なホーミング・デバイスあるいは
臓器認識素子として、糖に注目して研究を行ってきた。
しかし、糖を臓器認識素子として使用するとき、よく知
られているようにリポソームを修飾するためにその脂質
誘導体とする必要があるが、糖の脂質誘導体は、ある場
合にはリポソームを安定して修飾できなく、またある場
合にはリポソームを安定して修飾できても糖が臓器認識
素子として機能しないことがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような従来技術の背
景下において、本発明者は種々の検討を行った結果、分
子中に脂溶性の基を有するリン酸エステルにエチレング
リコールまたはポリエチレングリコールを挟んで糖を導
入すれば、糖の種類を問わずリポソームを安定して修飾
できる脂質誘導体が得られかつ各種糖が所期の臓器認識
素子として機能することを知り、このような知見に基い
て本発明を完成した。因みに、従来、リポソームを調製
しあるいは修飾するためにジアシルグリセロールリン酸
またはその誘導体が用いられていたが、本発明の化合物
が本発明の用途で用いることは知られていない。
【0005】すなわち、本発明は臓器認識素子として糖
を有する、新規なリン脂質、及びこのようなリン脂質に
より修飾された臓器指向性が付与されたリポソームに関
する。
【0006】以下、本発明について逐次詳細に説明す
る。
【0007】第1に、本発明の新規なリン脂質について
説明する。
【0008】本発明のリン脂質は、下記一般式(I)で
表される。
【0009】
【化3】
【0010】上記式中、Xは、グルコース、デオキシグ
ルコース、マンノース、ガラクトース、フコース、リボ
ース、デオキシリボース、ラムノース、キシロース、ア
ラビノース、エリスロース、シアル酸、ウロン酸及びヘ
キソサミンのいずれかの単糖、これらの単糖のO−もし
くはN−アシル誘導体、カルボキシアルキル誘導体を含
むO−アルキル誘導体及びリン酸もしくは硫酸エステル
のいずれかの単糖誘導体、またはこれら単糖及び/また
は単糖誘導体を構成糖とするオリゴ糖であり、−T1
は−O−、−NHCO−、−OCNH−、−OC(O)
−、−(O)CO−、−NHCOO−、−OOCNH
−、または−NHCONH−であり、Rは、コレステロ
ール残基、炭素原子数12〜20の直鎖アルカノール残
基、下記プロパノール誘導体残基(イ)もしくは
(ロ)、または下記エタノール誘導体残基(ハ)であ
り、
【0011】
【化4】
【0012】これらの残基において、−T2 −は、−O
−、−NHCO−、−OCNH−、−OC(O)−、−
(O)CO−、−NHCOO−、−OOCNH−、−N
HCONH−または−CH2 −であり、そしてR′は炭
素原子数12〜20の直鎖アルキル基であり、そして、
nは1〜8の整数である。
【0013】上記式におけるXとしての、ウロン酸とし
ては、ガラクトロン酸、グルクロン酸、マンスロン酸等
を挙げることができ、そしてヘキソサミンとしては、グ
ルコサミン、マンノサミン、ガラクトサミン等を挙げる
ことができる。
【0014】単糖のO−またはN−アシル誘導体のアシ
ル基の炭素原子数は1〜4が好ましい。このようなアシ
ル誘導体は、1−メチルグルコース、N−アセチルマン
ノサミン等天然に存在するものが知られているが、単糖
を常法によりアシル化して得ることもできる。
【0015】単糖のO−アルキル誘導体のアルキル基の
炭素原子数は1〜4が好ましい。O−アルキル誘導体に
はカルボキシアルキル誘導体も含まれる。単糖よりこの
ようなO−アルキル誘導体を得る方法としては、特別な
方法を要しない。
【0016】単糖のリン酸または硫酸エステルは、シア
ル酸、ウロン酸またはカルボキシアルキル化された単糖
のカルボキシル基にリン酸または硫酸をエステル結合を
させることにより導入することにより得られる。このよ
うなエステル結合を得る方法もまたよく知られている方
法が適用できる。単糖または単糖誘導体を構成糖とする
オリゴ糖は、単糖及び/または単糖誘導体の、好ましく
は2〜4個から構成されるものであり、末端の糖は、そ
のアノマー位の水酸基が2番目の糖の何れかの水酸基と
αまたはβ結合している。
【0017】T1 がエーテル結合または糖側の水酸基と
のエステル結合もしくはウレタン結合であるときは、糖
側の水酸基は何れでもよいが、エーテル結合であるとき
はアノマー位の水酸基が合成反応が容易である。このよ
うなエーテル結合、ウレタン結合またはエステル結合も
また常法で得ることができる。
【0018】T1 が糖のカルボキシル基との酸アミド結
合またはエステル結合であるときのカルボキシル基は、
シアル酸、ウロン酸または単糖のカルボキシアシル化誘
導体のカルボキシル基である。これら酸アミド結合及び
エステル結合反応は、通常の方法でよい。
【0019】T1 が糖のアミノ基との酸アミド結合、ウ
レタン結合またはウレア結合であるときのアミノ基は、
ヘキソサミンのアミノ基が通常用いられるが、単糖のア
シルまたはアルキル誘導体のアシル基またはアルキル基
の水素原子の1個がアミノ基に置換していてそのアミノ
基であってもよい。このような酸アミド結合、ウレタン
結合及びウレア結合も通常の反応を用いて得られる。
【0020】式(I)における−(CH2 −CH2
O)n −の部分をスペーサーと称し、T1 について更に
詳しく述べる。
【0021】糖とスペーサーとの結合が酸アミド結合で
ある場合、原料化合物を、脱水縮合条件下、具体的には
反応に関与しない溶媒(例えばアセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、塩化メチレン、塩化エチレン)中で、
適当な触媒(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール)の存在下、0℃〜室温の反
応温度で1〜24時間反応させて得ることができる。
【0022】また、結合がエステル結合である場合、原
料化合物を、脱水縮合条件下、具体的には反応に関与し
ない溶媒(例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、塩化メチレン、塩化エチレン)中で、適当な触媒
(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、N,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール)の存在下、0℃〜室温の反応温度で1
〜24時間反応させて得ることができる。
【0023】さらに、結合がエーテル結合である場合、
糖の水酸基とスペーサーの水酸基のいずれか一方がハロ
ゲン原子に置換しまたはトシル化されたものを反応に関
与しない溶媒(例えばジメチルホルムアミド、テトラヒ
ドロフラン)中で、室温〜100℃の反応温度で1〜48時
間反応させて得ることができる。
【0024】さらにまた、結合がウレタン結合である場
合、原料化合物のアミノ基と他の原料化合物の水酸基を
常法(例えば1,1−カルボニルジイミダゾールで処理
する)に従いクロロホルミル化体としたものを反応に関
与しない溶媒(例えばエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン)中で、適当な触媒(例えば、トリ
エチルアミン、炭酸水素ナトリウムなどの塩基)の存在
下、0℃〜室温の反応温度で 0.5〜24時間反応させて得
ることができる。
【0025】さらにまた、結合がウレア結合である場
合、原料化合物のアミノ基と他の原料化合物のアミノ基
を常法(例えばホスゲンで処理する)に従いイソシアナ
ート化したものとを、反応に関与しない溶媒(例えばエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、エ
タノール)の存在下、室温〜100 ℃の反応温度で1〜24
時間反応させて得ることができる。
【0026】T1 がグリコシド結合であるときについて
更に詳細に述べる。即ち、このような結合は、(a) 糖の
アノマー位の水酸基がハロゲンで置換されたハロゲン化
糖とスペーサーの水酸基とを、反応に関与しない溶媒
(例えば、ジクロロエタン、塩化メチレン、ベンゼン、
トルエン)中で、活性化剤(銀シリケート、炭酸銀、過
塩素酸銀、銀トリフルオロメタンスルフォネートなどの
銀塩、酸化水銀などの水銀塩、すず塩)の存在下にて反
応させることによって得ることができる。なお、ブロム
化糖は、水酸基がアセチル化された糖を臭化水素/酢酸
で処理することによって、またフッ化糖はアノマー位の
水酸基が無保護の糖をジエチルアミノスルファートリフ
ルオロライドで処理することによって得ることができ
る。
【0027】また、(b) 水酸基がアシル化された糖とス
ペーサー(水酸基を有するもの)とを、反応に関与しな
い溶媒(例えば塩化メチレン、ジクロロエタン)中で、
酸触媒(例えば、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯
体(BF3 ・Et2 O)、トリメチルシリルトリフルオ
ロメタンスルフォネート(TMSOTf)、ピリジウム
パラトルエンスルホン酸(PPTS)など)の存在下、
反応させることによっても得ることができる。
【0028】さらに、(c) 糖のアノマー位の水酸基が無
保護の糖を、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−
7−ウンデセン(DBU)、炭酸カリウムなどの塩基
と、トリクロロアセトニトリルとで処理して、イミデー
トとした後、酸触媒(例えば、BF3 ・Et2 O、TM
SOTf、PPTSなど)の存在下で、上記(b) におけ
ると同様の条件でスペーサー(水酸基を有するもの)と
反応させて得ることができる。
【0029】さらにまた、(d) 水酸基がアルキルチオ基
に変換された糖とスペーサー(水酸基を有するもの)と
を、活性化剤(例えば、N−ヨードスクシンイミド(N
IS)/トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)な
ど)の存在下で反応させることによっても行うことがで
きる。
【0030】糖は、先ずリン酸と結合していないスペー
サーと結合させてもよく、或いはスペーサーとリン酸ま
たはリン酸のエステル誘導体(リン酸に後記「脂質」が
導入されたもの)との反応物に糖を導入してもよい。前
者の場合には勿論、糖とスペーサーとの反応物に更にリ
ン酸またはその誘導体を導入しなければならない。ま
た、亜リン酸誘導体とエステル結合を形成させた後酸
化、脱保護を経て目的物を得ることもできる。
【0031】スペーサーは、一端に糖と結合するための
官能基、即ち水酸基、アミノ基またはカルボキシル基を
有するものであり、他端はリン酸とエステル結合を形成
するための水酸基を有する。言い替えれば、エチレング
リコールまたはポリエチレングリコールまたはそれらの
一端の水酸基がアミノ基またはカルボキシル基により置
換されたものである。
【0032】スペーサーとリン酸またはそのエステル誘
導体との結合反応は、概ね既知の方法で可能である。た
だし、亜リン酸トリエステルを経由するフォスフォルア
ミダイト法によるのが簡便である。
【0033】式(I)におけるR(以下、「脂質」とい
うことがある)がコレステロール残基であるときは、コ
レステロールの水酸基がそのままリン酸とのエステル結
合に利用できる。Rが直鎖アルカノール残基であると
き、その炭素原子数は12〜20であるが、より好ましくは
14〜18である。
【0034】R′の直鎖アルキル基においても炭素原子
数が12〜20のものであるが、14〜18のものがより好まし
い。
【0035】リン酸と脂質との結合は、リン酸自体また
はリン酸とスペーサー(またはスペーサーに糖が結合し
たもの)とが結合したものと脂質とのエステル反応によ
り得られる。このエステル結合反応は、前記スペーサー
とリン酸とのエステル結合反応と特に変わる点はない。
【0036】かくして得られる本発明のリン脂質は、リ
ポソームを安定して修飾することができ、かつ臓器がリ
ン脂質の糖を認識できるレセプター等を有するとき、リ
ポソームにその臓器への指向性を付与できる。
【0037】第2に、本発明のリポソームについて説明
する。
【0038】本発明のリポソームは、上述した本発明の
物質であるリン脂質を配合したリポソームであって、該
物質の特定の性質を専ら利用する物である。
【0039】本発明のリポソームの調製には、本発明の
リン脂質を使用する他には特別の制限はなく、従来公知
の方法に従って行なえばよく、基本的には本発明のリン
脂質を両親媒性物質である他の膜成分と共に溶媒に溶解
または分散して混合する。具体的には、ホスファチジル
コリン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノー
ルアミン等の脂質やジアルキル型合成界面活性剤等の膜
成分物質と本発明のリン脂質とを予め混合し、これを公
知の方法(Ann. Rev. Biophys. Bioeng., 9, 467(1980))
に従いリポソームの水分散液を調製する。かかるリポソ
ームは膜安定化剤としてコレステロール等のステロール
類、ジアルキルリン酸、ステアリルアミン等の荷電物質
およびトコフェロール等の酸化防止剤を含んでいてもよ
い。
【0040】上記のようにして調製されるリポソームに
おいて、本発明の物質が全脂質膜成分に対して占める割
合は約1/40モル比以上、好ましくは1/20モル比以上とす
るのが望ましい。
【0041】かかるリポソームが保持しうる薬物には特
に制限はなく、水溶性薬物でも脂溶性薬物でもよく、例
えばシトシンアラビノシド、ダウノルビシン及びメトト
レキセートに代表される制癌剤、ペニシリンGに代表さ
れる抗生物質、インシュリン、インターフェロン及び組
織プラスミノーゲンアクチベータに代表される生理活性
物質などを挙げることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び検査例により本発明をさら
に説明する。
【0043】実施例1(化合物4−5の合成、図1参
照) (a)化合物4−1の合成 グリコール酸ナトリウム 5.048gにN,N−ジメチルホ
ルムアミド40ml及びベンジルブロミド6.12mlを加
え、アルゴン雰囲気下に80℃で17時間撹拌した。溶
媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加えて不溶物を
濾去した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し(溶出溶媒;n−ヘキサ
ン−酢酸エチル3:1)、目的物を無色油状物として
7.738g得た。
【0044】1H−NMR(δ,CDCl3 ):2.38(t,
1H,J=5.5Hz), 4.20(d,2H,J=5.5Hz), 5.24(s,2H), 7.33-
7.40(m,5H) 。
【0045】IR(KBr tab):1744c
-1
【0046】(b)化合物4−2の合成 β−D−ガラクトース ペンタアセテート 5.060gに化
合物4−1 2.797g(1.3eq)及び塩化メチレン5
0mlを加えて溶かし、少量の「モレキュラーシーブ4
A」を加えて室温で50分間撹拌した。これを氷冷し、
三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体6.38mlを塩化メ
チレン10mlに溶かして加え、室温で13時間撹拌し
た。不溶物を濾去し、塩化メチレンで希釈して飽和食塩
水で6回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上乾燥さ
せ、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−
酢酸エチル 1:1)、目的物とβ−D−ガラクトース
ペンタアセテートの混合物(モル比;約2:1)を無
色油状物として 3.312g得た。
【0047】(c)化合物4−3の合成 上記の化合物4−2とβ−D−ガラクトース ペンタア
セテートの混合物 3.312gを酢酸エチル100mlに溶
かし、ここに10%Pd−C(dry) 0.105gを加
え、常圧で1.5時間接触還元した。触媒を濾去し、溶
媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し(溶出溶媒;クロロホルム−メタノ
ール−水 60:35:7)、目的物を無色非晶質とし
て 1.907g得た。
【0048】1H−NMR(δ,DMSO−d6):1.9
2(s,3H), 2.00(s,3H), 2.04(s,3H), 2.11(s,3H), 3.85
(s,2H), 4.04(d,2H), 4.14(brt,1H), 4.79(d,1H,J=8.1H
z),4.95(dd,1H,J=8.1Hz,10.4Hz), 5.14(dd,1H,J=10.4H
z,3.5Hz), 5.25(brd) 。
【0049】IR(KBR tab):1751c
-1
【0050】[α]D 24=−7.5°(c=0.98,
MeOH)。
【0051】(d)化合物4−4の合成 化合物4−3、 0.368g及び1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール 0.154gを酢酸エチル5mlに溶かし、ここに
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド 0.203gを
加え、室温で2.5時間撹拌した。沈殿を濾去し、溶媒
を減圧下留去した。これを活性エステルとして、精製せ
ずに以下の反応に用いた。
【0052】1,2−O,O−ジヘキサデシル−rac
−グリセロ−3−フォスフォエタノールアミン 0.300g
を塩化メチレン5mlに懸濁させ、ここに上記の活性エ
ステル全量を塩化メチレン5mlに溶かし、トリエチル
アミンでpH=9とした溶液を加え、30分間超音波に
かけた。反応液を氷冷し、1N塩酸でpH=1とした
後、溶媒を減圧下留去した。水をベンゼン及びエタノー
ルとの共沸で除いた後、残渣を「Sephadex L
H−20」カラムで精製し(樹脂;約150ml、溶出
溶媒;クロロホルム−メタノール 1:1)、目的物を
無色非晶質として0.415g得た。
【0053】1H−NMR(δ,CD3 OD):0.89(t,
6H,J=7.0Hz), 1.25-1.38(m,52H),1.57(quintet,4H,J=6.
8Hz), 1.99(s,3H), 2.05(s,3H), 2.12(s,3H), 2.18(s,3
H), 3.45-3.66(m,9H), 3.88-3.96(m,4H), 4.10(br t,1
H), 4.14-4.21(m,2H), 4.17(d,1H,J=15.1Hz), 4.29(d,1
H,J=15.1Hz), 4.73(d,1H,J 1,2 =7.6Hz), 5.14(dd,1H,J
=10.4Hz,3.2Hz), 5.19(dd,1H,J=7.6Hz,10.4Hz), 5.42(d
d,1H,J=3.2Hz,1.0Hz)。
【0054】IR(KBR tab):1755c
-1
【0055】[α]D 28=−1.4°(c=0.94,
CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0056】(e)化合物4−5の合成 化合物4−4、 0.379gにベンゼン3ml及びメタノー
ル3mlを加えて溶かした。ここに28%ナトリウムメ
トキシドメタノール溶液を加えてpH=10とし、30
分間撹拌した。氷冷し、1N塩酸を加えてpH=1とし
た後、溶媒を減圧下留去した。水をベンゼン及びエタノ
ールとの共沸で除いた後、残渣を「Sephadex
LH−20」カラムで精製し(樹脂;約150ml、溶
出溶媒;クロロホルム−メタノール−水 65:15:
1)、目的物を無色非晶質として0.274 g得た。
【0057】1H−NMR(δ,CD3 OD):0.89(t,
6H,J=7.0Hz), 1.24-1.39(m,52H),1.57(br quintet,4H),
3.45-3.67(m,12H), 3.75(dd,1H, J5,6a=5.4Hz,J6a,6b
=11.5Hz), 3.80(dd,1H,J=6.6Hz,11.5Hz), 3.89(br d,1
H), 3.94-4.07(m,4H), 4.16(d,1H,J=15.9Hz), 4.28(d,1
H,J=7.6Hz), 4.33(d,1H,J=15.9Hz)。
【0058】IR(KBr tab):1659c
-1
【0059】[α]D 29=−3.5°(c=1.04,
CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0060】FAB−MS:[M+H]+ ;m/z=8
85。
【0061】実施例2(化合物4−9の合成、図2参
照) (a)化合物4−6の合成 β−D−ガラクトース ペンタアセテート 5.024gにエ
チレングリコールモノベンジルエーテル2.38ml及び塩
化メチレン50mlを加えて溶かし、少量の「モレキュ
ラーシーブ4A」を加えて室温で50分間撹拌した。こ
れを氷冷し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体6.33
mlを塩化メチレン10mlに溶かして加え、室温で1
3.5時間撹拌した。不溶物を濾去し、塩化メチレンで
希釈して飽和食塩水で6回洗浄した。有機層を硫酸マグ
ネシウム上乾燥させた、溶媒を減圧下留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出溶
媒;n−ヘキサン−酢酸エチル 2:1)、目的物とβ
−D−ガラクトース ペンタアセテートの混合物(モル
比;約1:1)を無色油状物として 5.256g得た。
【0062】(b)化合物4−7の合成 上記の化合物4−6とβ−D−ガラクトース ペンタア
セテートの混合物から4.238gを分取し、酢酸エチル3
00mlに溶かし、ここに10%Pd−C(dry)
0.112gを加え、常圧で4.5時間接触還元した。ここ
で触媒 0.149gを追加し、さらに15.5時間接触還元
した。触媒を濾去し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出溶
媒;n−ヘキサン−酢酸エチル 1:5)、目的物を無
色結晶として 1.907g得た。
【0063】1H−NMR(δ,CDCl3 ):1.99(s,
3H), 2.07(s,3H), 2.08(s,3H), 2.17(s,3H), 2.47(t,1
H,J=6.6Hz), 3.68-3.78(m,2H), 3.86(t,2H,J=4.4Hz),
3.96(dt,1H,J=1.0Hz,6.6Hz), 4.16(d,2H,J=6.6Hz), 4.5
2(d,1H,J=8.0Hz), 5.03(dd,1H,J=10.5Hz,3.4Hz), 5.23
(dd,1H,J=8.0Hz,10.5Hz), 5.40(dd,1H,J=3.4Hz,1.0H
z)。
【0064】IR(KBr tab):1753c
-1
【0065】[α]D 23=−11.6°(c=0.8
8,CHCl3 )。
【0066】(c)化合物4−8の合成 アルゴン雰囲気下、2−シアノエチルN,N−ジイソプ
ロピルクロロフォスフォルアミダイト406μl、ジイ
ソプロピルエチルアミン475μl及び塩化メチレン5
mlの混合溶液に化合物4−7を 0.714g加え、室温で
1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣に2−
(n−ヘキサデシル)−1−オクタデカノール 0.600g
及び塩化メチレン12mlを加えて溶かし、アルゴン雰
囲気下で撹拌した。ここに1H−テトラゾール 0.170g
をアセトニトリル5mlに溶かして加えて、室温で45
分間撹拌した。反応液に35%過酸化水素水531μl
及びアセトニトリル4mlを加え、さらに室温で1.5
時間撹拌した。クロロホルムを加えて希釈し、水、10
%クエン酸及び飽和食塩水でこの順で洗い、硫酸マグネ
シウム上乾燥させた。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出溶媒;
n−ヘキサン−酢酸エチル 1:2)、目的物を無色非
晶質として 1.161g得た。
【0067】このものは 1H−NMR上、ジアステレオ
マーの1:1の混合物であり、一部のピークは分離して
観測された。以下の水素数については、全体で1分子分
となるように換算して示してある。
【0068】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.88(t,
6H,J=7.0Hz), 1.22-1.34(br s,60H, CH3 -(C2
15-), 1.64(br s,1H), 1.99(s,3H), 2.05(s,3H), 2.07
(s,1.5H), 2.08(s,1,5H), 2.16(s,1.5H), 2.16(s,1.5
H), 2.76-2.80(m,2H), 3.76-3.82(m,1H), 3.92(br t,1
H), 3.98(dd,2H,J=5.6Hz), 4.03-4.08(m,1H), 4.10-4.2
6(m,6H), 4.54(d,1H,J=8.1Hz), 5.03(dd,1H,J=10.3Hz,
3.4Hz), 5.20(dd,1H,J=8.1Hz,10.5Hz), 5.39-5.41(m,1
H)。
【0069】IR(KBr tab):1749c
-1,1232cm-1
【0070】[α]D 25=−5.3°(c=0.99,
CHCl3 )。
【0071】(d)化合物4−9の合成 化合物4−8、 1.092gにベンゼン6ml及びメタノー
ル3mlを加えて溶かした。ここに28%ナトリウムメ
トキシドメタノール溶液を加えてpH=10とし、室温
で7.5時間撹拌した。氷冷し、1N塩酸を加えてpH
=1とした後、溶媒を減圧下留去した。残渣を「Sep
hadex LH−20」カラムで精製した(樹脂;約
150ml、溶出溶媒;クロロホルム−メタノール−水
65:15:1)。残存する水をベンゼンとの共沸で
除去し、目的物を無色非晶質として 0.752g得た。
【0072】1H−NMR(δ,CDCl3 −CD3
D 1:1):0.89(t,6H,J=7.0Hz), 1.20-1.38(br s,6
0H), 1.63(br s,1H), 3.51(dd,1H,J=10.2Hz,3.1Hz), 3.
52(br t,1H), 3.58(br t, 1H), 3.75(dd,1H,J=5.4Hz,1
1.5Hz), 3.81(dd,1H,J=6.7Hz,11.5Hz), 3.81-3.85(m,1
H), 3.88(br d,1H), 3.91(dd,2H,J=5.2Hz), 4.08(dt,1
H,J=11.2Hz,4.0Hz), 4.14-4.24(m,2H), 4.29(d,1H,J=7.
6Hz) 。
【0073】[α]D 20=−3.4°(c=1.01,
CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0074】FAB−MS:M;m/z=780。
【0075】実施例3(化合物4−11の合成、図3参
照) (a)化合物4−10の合成 アルゴン雰囲気下、2−シアノエチルN,N−ジイソプ
ロピルクロロフォスフォルアミダイト621μl、ジイ
ソプロピルエチルアミン274μl及び塩化メチレン1
mlの混合溶液に化合物4−7、 0.514gを塩化メチレ
ン4mlに溶かして加え、室温で2時間撹拌した。溶媒
を減圧下留去し、残渣にセチルアルコール 0.476g及び
塩化メチレン10mlを加えて溶かし、アルゴン雰囲気
下で撹拌した。ここに1H−テトラゾール 0.184gをア
セトニトリル5mlに溶かして加え、室温で1.5時間
撹拌した。反応液に35%過酸化水素水573μl及び
アセトニトリル3mlを加え、さらに室温で2.5時間
撹拌した。クロロホルムを加えて希釈し、水、10%ク
エン酸及び飽和食塩水でこの順で洗い、硫酸マグネシウ
ム上乾燥させた。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出溶媒;n−
ヘキサン−酢酸エチル 1:3)、目的物を無色非晶質
として 0.277g得た。
【0076】このものは 1H−NMR上、ジアステレオ
マーの1:1の混合物であり、一部のピークは分離して
観測された。以下の水素数については、全体で1分子分
となるように換算して示してある。
【0077】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.88(t,
3H,J=7.0Hz), 1.22-1.40(m,26H),1.69(quintet,2H,J=7.
0Hz), 1.99(s,3H), 2.06(s,3H), 2.08(s,1.5H), 2.08
(s,1.5H), 2.16(s,3H), 2.77-2.80(m,2H), 3.76-3.81
(m,1H), 3.93(dt,1H,J=0.9Hz,6.8Hz), 4.04-4.26(m,9
H), 4.54(d,1H,J=8.0Hz), 5.03(dd,1H,J=10.5Hz,3.4H
z),5.20(dd,0.5H,J=8.0Hz,10.5Hz), 5.20(dd,0.5H,J=8.
0Hz,10.5Hz), 5.39-5.41(m,1H) 。
【0078】IR(KBr tab):1755c
-1,1227cm-1
【0079】[α]D 25=−5.3°(c=0.99,
CHCl3 )。
【0080】(b)化合物4−11の合成 化合物4−10、 0.244gにベンゼン4ml及びメタノ
ール2mlを加えて溶かした。ここに28%ナトリウム
メトキシドメタノール溶液を加えてpH=10とし、室
温で3.5時間撹拌した。氷冷し、1N塩酸を加えてp
H=1とした後、溶媒を減圧下留去した。残渣を「Se
phadex LH−20」カラムで精製し(樹脂;約
100ml、溶出溶媒;クロロホルム−メタノール−水
1:1)、目的物を無色非晶質として 0.159g得た。
【0081】1H−NMR(δ,CDCl3 −CD3
D 1:1):0.89(t,3H,J=7.0Hz), 1.22-1.42(m,26
H), 1.68(quintet,2H,J=7.0Hz), 3.51(dd,1H,J=9.5Hz,
3.2Hz),3.52(br t,1H), 3.58(br t,1H), 3.75(dd,1H,J=
5.1Hz,11.5Hz), 3.81(dd,1H,J=6.6Hz,11.5Hz), 3.81-3.
85(m,1H), 3.88(br d,1H), 4.00(dd,1H,J=12.9Hz), 4.0
7(br dt,1H), 4.16-4.20(m,2H), 4.29(d,1H,J=7.6Hz)。
【0082】[α]D 23=−1.8°(c=0.55,
CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0083】FAB−MS:M;m/z=528。
【0084】実施例4(化合物4−13の合成、図4参
照) (a)化合物4−12の合成 アルゴン雰囲気下、2−シアノエチルN,N−ジイソプ
ロピルクロロフォスフォルアミダイト314μl、ジイ
ソプロピルエチルアミン267μl及び塩化メチレン5
mlの混合溶液に化合物4−7を 0.502g加え、室温で
2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にコレステ
ロール 0.742g及び塩化メチレン10mlを加えて溶か
し、アルゴン雰囲気下で撹拌した。ここに1H−テトラ
ゾール 0.179gをアセトニトリル5mlに溶かして加
え、室温で2.5時間撹拌した。反応液に35%過酸化
水素水560μl及びアセトニトリル3mlを加え、さ
らに室温で2時間撹拌した。クロロホルムを加えて希釈
し、水、10%クエン酸及び飽和食塩水でこの順で洗
い、硫酸マグネシウム上乾燥させた。溶媒を減圧下留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し(溶出溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル 1:3)、
目的物を無色非晶質として 0.673g得た。
【0085】このものは 1H−NMR上、ジアステレオ
マーの1:1の混合物であり、一部のピークは分離して
観測された。以下の水素数については、全体で1分子分
となるように換算して示してある。
【0086】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.68(s,
3H), 0.86(d,3H,J=2.2Hz), 0.87(d,3H,J=2.2Hz), 0.91
(d,3H,J=6.6Hz), 1.02(s,3H), 0.90-2.10(m,27H), 1.99
(s,3H), 2.06(s,3H), 2.08(s,1.5H), 2.09(s,1,5H), 2.
16(s,3H), 2.45(br d,2H), 2.76-2.80(m,2H), 3.76-3.8
2(m,1H), 3.92(dt,1H,J=1.1Hz,6.7Hz), 4.04-4.08(m,1
H), 4.11-4.28(m,7H), 4.54(d,0.5H,J=8.1Hz),4.54(d,
0.5H,J=8.1Hz), 5.02(dd,0.5H,J=10.5Hz,3.4Hz), 5.03
(dd,0.5H,J=10.5Hz,3.4Hz), 5.20(dd,0.5H,J=8.1Hz,10.
3Hz), 5.21(dd,0.5H,J=8.1Hz,10.3Hz), 5.39-5.41(m,2
H)。
【0087】IR(KBR tab):1753c
-1,1227cm-1
【0088】[α]D 25=−20.1°(c=1.0
0,CHCl3 )。
【0089】(b)化合物4−13の合成 化合物4−12、 0.634gにベンゼン6ml及びメタノ
ール3mlを加えて溶かした。ここに28%ナトリウム
メトキシドメタノール溶液を加えてpH=10とし、室
温で5.5時間撹拌した。氷冷し、2N塩酸を加えてp
H=1とした後、溶媒を減圧下留去した。残渣を「Se
phadex LH−20」カラムで精製し(樹脂;約
100ml、溶出溶媒;クロロホルム−メタノール
1:1)、目的物を無色非晶質として 0.427g得た。
【0090】1H−NMR(δ,CDCl3 −CD3
D 4:3):0.70(s,3H), 0.87(d,3H,J=2.2Hz), 0.88
(d,3H,J=2.0Hz),0.93(d,3H), 1.03(s,3H), 0.90-2.06
(m,26H), 2.39-2.47(m,2H), 3.51(dd,1H,J=10.0Hz,3.0H
z), 3.52(br t,1H), 3.58(br t,1H), 3.75(dd,1H,J=5.4
Hz,11.5Hz), 3.82(dd,1H,J=6.6Hz,11.5Hz), 3.80-3.84
(m,1H), 3.88(br d,1H), 4.07(br dt,1H), 4.10-4.22
(m,4H), 4.29(d,1H),J=7.5Hz), 5.40(br d,1H) 。
【0091】[α]D 23=−21.7°(c=1.0
0,CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0092】FAB−MS:M;m/z=672。
【0093】実施例5(化合物4−19の合成、図5参
照) (a)化合物4−14の合成 水素化ナトリウム 3.300g(60% dispersion)をn
−ヘキサンで洗い、N,N−ジメチルホルムアミド10
mlに懸濁させ、氷冷下撹拌した。ここに2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール 9.891g
をN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶かして加
え、室温で10分間撹拌した。ここで、N,N−ジメチ
ルホルムアミド35mlを追加し、さらに20分間撹拌
した。再び氷冷し、ベンジルブロミド9.35mlを加
え、室温で11.5時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し
た。残渣に酢酸エチルを加え、不溶物を濾去し、溶媒を
減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル
10:1)、目的物を淡黄色油状物として12.02
9g得た。
【0094】H−NMR(δ,CDCl3 ):1.37
(s,3H), 1.42(s,3H), 3.48(dd,1H,J=9.8Hz,5.5Hz), 3.5
6(dd,1H, Jm =9.8Hz,5.5Hz, C2 OBn), 3.75(dd,
1H,J=8.3Hz,6.3Hz), 4.06(dd,1H,J=8.3Hz,6.3Hz), 4.30
(br tt,1H), 4.56(d,1H,J=12.2Hz), 4.60(d,1H,J=12.2H
z), 7.27-7.37(m,5H) 。
【0095】(b)化合物4−15の合成 化合物4−14、12.018gにメタノール30mlを加え
て溶かした。ここに2N塩酸5mlを加え、室温で40
分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残った水をベンゼ
ンとの共沸で除いた。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し(溶出溶媒;酢酸エチル)、目的物
を無色油状物として 8.314g得た。
【0096】1H−NMR(δ,CDCl3 ):2.14(br
t,1H), 2.64(d,1H,J=5.1Hz), 3.55(dd,1H,J=9.6Hz,6.2
Hz), 3.59(dd,1H,J=9.6Hz,4.0Hz), 3.64(ddd,1H,J=11.2
Hz,5.6Hz), 3.71(ddd,1H,J=11.2Hz,3.9Hz,7.2Hz), 3.87
-3.92(m,1H), 4.56(d,1H,J=12.2Hz), 7.29-7.38(m,5
H)。
【0097】(c)化合物4−16の合成 水素化ナトリウム 1.891g(60% dispersion)をn
−ヘキサンで洗い、N,N−ジメチルホルムアミド20
mlに懸濁させ、氷冷下撹拌した。ここに化合物4−1
5、 3.915gをN,N−ジメチルホルムアミド20ml
に溶かして加え、室温で40分間撹拌した。再び氷冷
し、1−ブロモヘキサデカン15.8mlを加え、70
℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した。残渣に
酢酸エチルを加え、不溶物を濾去し、溶媒を減圧下留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル 25:
1)、目的物を無色油状物として 4.733g得た。
【0098】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.88(t,
6H,J=7.0Hz), 1.22-1.34(m,52H),1.51-1.59(m,4H), 3.4
3(t,2H,J=6.6Hz), 3.46-3.61(m,5H), 3.57(t,2H,J=6.6H
z), 4.55(s,2H), 7.27-7.33(m,5H) 。
【0099】(d)化合物4−17の合成 化合物4−16、 4.641gに酢酸エチル60ml及びメ
タノール20mlを加えて溶かした。ここに10% P
d−C(dry) 0.197gを加え、常圧で4.5時間還
元した。塩化メチレンを加えて析出した目的物を溶か
し、触媒を濾去し、溶媒を減圧下留去した。目的物を無
色粉末として 3.704g得た。
【0100】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.88(t,
6H,J=7.0Hz), 1.22-1.34(m,52H),1.52-1.61(m,4H), 2.1
6(br t,1H), 3.42-3.55(m,6H), 3.58-3.64(m,2H), 3.70
-3.74(m,1H) 。
【0101】(e)化合物4−18の合成 アルゴン雰囲気下、2−シアノエチルN,N−ジイソプ
ロピルクロロフォスフォルアミダイト293μl、ジイ
ソプロピルエチルアミン343μl及び塩化メチレン3
mlの混合溶液に化合物4−7を 0.515g加え、室温で
30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣に化合物
4−17を 0.710g、塩化メチレン5ml及びアセトニ
トリル5mlを加え(完全には溶けない)、アルゴン雰
囲気下で撹拌した。ここに1H−テトラゾール 0.138g
をアセトニトリル5mlに溶かして加え、室温で30分
間超音波をかけた。ここで塩化メチレン10mlを加え
て溶かし、室温で40分間撹拌した。反応液に35%過
酸化水素575μl及びアセトニトリル2mlを加え、
さらに室温で2.5時間撹拌した。クロロホルムを加え
て希釈し、水、10%クエン酸及び飽和食塩水でこの順
で洗い、硫酸マグネシウム上乾燥させた。溶媒を減圧下
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル 1:
2)、目的物を無色非晶質として 0.636g得た。
【0102】このものは 1H−NMR上、4種のジアス
テレオマーの、それも、等量ずつの混合物であると思わ
れ、一部のピークは分離して観測された。以下の水素数
については、全体で1分子分となるように換算して示し
てある。
【0103】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.88(t,
6H,J=7.0Hz), 1.22-1.33(m,52H),1.52-1.58(m,4H), 1.9
9(s,3H), 2.06(s,3H), 2.08(s,1.5H), 2.09(s,1.5H),
2.16(s,3H), 2.76-2.80(m,2H), 3.42-3.63(m,7H), 3.76
-3.82(m,1H), 3.93(br t,1H), 4.02-4.29(m,9H), 4.54
(d,0.25H,J=8.0Hz), 4.54(d,0.5H,J=8.0Hz), 4.55(d,0.
25H,J=8.0Hz), 5.03(dd,1H,J=10.5Hz,3.3Hz), 5.20(dd,
1H,J=8.0Hz,10.5Hz),5.39-5.40(m,1HH)。
【0104】IR(KBr tab):1753c
-1,1227cm-1
【0105】[α]D 26=−5.7°(c=1.04,
CHCl3 )。
【0106】(f)化合物4−19の合成 化合物4−18、 0.605gにベンゼン5ml及びメタノ
ール3mlを加えて溶かした。ここに28%ナトリウム
メトキシドメタノール溶液を加えてpH=10とし、室
温で2.5時間撹拌した。氷冷し、2N塩酸を加えてp
H=1とした後、溶媒を減圧下留去した。残渣を「Se
phadex LH−20」カラムで精製し(樹脂;約
150ml、溶出溶媒;クロロホルム−メタノール−水
65::15:1)、残存する水をベンゼンとの共沸
で除去し、目的物を無色非晶質として 0.450g得た。
【0107】1H−NMR(δ,CDCl3 −CD3
D 4:3):0.89(t,6H,J=7.0Hz), 1.23-1.38(m,52
H), 1.58(br quintet,4H), 3.45-3.68(m,9H), 3.76(dd,
1H,J=5.2Hz,11.6Hz), 3.82(dd,1H,J=6.6Hz,11.6Hz), 3.
80-3.84(m,1H), 3.88(br d,1H), 3.99-4.04(m,1H), 4.0
4-4.10(m,2H), 4.16-4.22(m,2H), 4.29(d,1H,J=7.6H
z)。
【0108】[α]D 23=−3.4°(c=1.01,
CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0109】FAB−MS:M;m/z=826。
【0110】実施例6(化合物4−24の合成、図6参
照) (a)化合物4−20の合成 水素化ナトリウム 4.421g(60% dispersion)をn
−ヘキサンで洗い、N,N−ジメチルホルムアミド10
0mlに懸濁させ、氷冷下撹拌した。ここにジエチレン
グリコール9.49mlを加え、室温で1時間撹拌し
た。ベンジルブロミド11.9mlを加え、室温で11
時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶出溶媒;n−
ヘキサン−酢酸エチル 1:2)、目的物を淡黄色油状
物として10.432g得た。
【0111】1H−NMR(δ,CDCl3 ):2.36(t,
1H,J=6.2Hz), 3.61-3.66(m,4H), 3.69-3.71(m,2H), 3.7
2-3.75(m,2H), 4.58(s,2H), 7.27-7.38(m,5H)。
【0112】(b)化合物4−21の合成 β−D−ガラクトース ペンタアセテート 4.597gに化
合物4−20を 3.005g及び塩化メチレン50mlを加
えて溶かし、少量の「モレキュラーシーブ4A」を加え
て室温で2時間撹拌した。これを氷冷し、三フッ化ホウ
素ジエチルエーテル錯体5.79mlを塩化メチレン10m
lに溶かして加え、室温で12時間撹拌した。不溶物を
濾去し、塩化メチレンで希釈して飽和食塩水で6回洗浄
した。有機層を硫酸マグネシウム上乾燥させ、溶媒を減
圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル
3:2)、目的物とβ−D−ガラクトース ペンタアセ
テートの混合物(モル比;約10:1)を無色油状物と
して 3.209g得た。なお、以下の物性値は、一部純粋な
形で得られたサンプルで測定した。
【0113】1H−NMR(δ,CDCl3 ):1.99(s,
3H), 2.02(s,3H), 2.05(s,3H), 2.14(s,3H), 3.60-3.68
(m,6H), 3.77(ddd,1H,J=11.1Hz,4.0Hz,7.1Hz), 3.87(br
dt,1H), 3.96(dt,1H,J=11.1Hz,4.3Hz), 4.12(dd,1H,J=
6.8Hz,11.2Hz), 4.16(dd,1H,J=6.6Hz,11.2Hz), 4.57(s,
2H), 4.57(d,1H,J=8.1Hz), 5.00(dd,1H,J=10.5Hz,3.4H
z), 5.21(dd,1H,J=8.1Hz,10.5Hz), 5.37(dd,1H,J=3.4H
z,1.1Hz) 。
【0114】IR(KBr tab):1753c
-1
【0115】[α]D 22=−7.3°(c=0.95,
CHCl3 )。
【0116】(c)化合物4−22の合成 上記の化合物4−21とβ−D−ガラクトース ペンタ
アセテートの混合物 3.174gを酢酸エチル50mlに溶
かし、ここに10%Pd−C(dry) 0.155gを加
え、50 psiで16.5時間接触還元した。触媒を濾去
し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−
酢酸エチル 1:5)、目的物を無色非晶質として 2.0
93g得た。
【0117】1H−NMR(δ,CDCl3 ):1.99(s,
3H), 2.06(s,3H), 2.08(s,3H), 2.16(s,3H), 2.26(t,1
H,J=6.2Hz), 3.55-3.78(m,7H), 3.92(br dt,1H), 3.97-
4.00(m,1H), 4.13(dd,1H,J6a=6.8Hz,J=11.2Hz), 4.19(d
d,1H,J=6.8Hz,11.2Hz), 4.57(d,1H,J=7.8Hz), 5.03(dd,
1H,J=10.3Hz,3.4Hz), 5.23(dd,1H,J=8.1Hz,10.5Hz),5.4
0(dd,1H,J=3.4Hz,1.0Hz) 。
【0118】IR(KBr tab):1749c
-1
【0119】[α]D 22=−6.7°(c=1.01,
CHCl3 )。
【0120】(d)化合物4−23の合成 アルゴン雰囲気下、2−シアノエチルN,N−ジイソプ
ロピルクロロフォスフォルアミダイト302μl、ジイ
ソプロピルエチルアミン295μl及び塩化メチレン1
mlの混合溶液に化合物4−22を 0.493g加え、室温
で3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣に2−
(n−ヘキサデシル)−1−オクタデカノール 0.373g
及び塩化メチレン10mlを加えて溶かし、アルゴン雰
囲気下で撹拌した。ここに1H−テトラゾール 0.158g
をアセトニトリル8mlに溶かして加え、10分間超音
波をかけ、さらに室温で20時間撹拌した。反応液に3
5%過酸化水素水330μl及びアセトニトリル2ml
を加え、さらに室温で6.5時間撹拌した。クロロホル
ムを加えて希釈し、水、10%クエン酸及び飽和食塩水
でこの順で洗い、硫酸マグネシウム上乾燥させた。溶媒
を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し(溶出溶媒;n−ヘキサン−酢酸エチル
1:2)、目的物を無色非晶質として 0.593g得た。
【0121】このものは 1H−NMR上、ジアステレオ
マーの1:1の混合物であり、一部のピークは分離して
観測された。以下の水素数については、全体で1分子分
となるように換算して示してある。
【0122】1H−NMR(δ,CDCl3 ):0.88(t,
6H,J=7.0Hz), 1.22-1.34(br s,60H), 1.64(br s,1H),
1.99(s,3H), 2.05(s,3H), 2.06(s,3H), 2.16(s,1.5H),
2.16(s,1.5H), 2.74-2.84(m,2H), 3.66-3.76(m,5H), 3.
90-3.94(m,1H), 3.96-4.00(m,1H), 3.99(dd,2H,J=5.5H
z), 4.13(dd,1H,J=7.0Hz,11.5Hz), 4.18(dd,1H,J=6.3H
z,11.5Hz), 4.19-4.28(m,4H), 4.55(d,0.5H,J=8.1Hz),
4.56(d,0.5H,J=8.1Hz),5.03(dd,0.5H,J=10.5Hz,3.2Hz),
5.03(dd,0.5H,J=10.5Hz,3.2Hz), 5.39(dd,1H,J=3.2Hz,
1.0Hz) 。
【0123】IR(KBr tab):1753c
-1,1229cm-1
【0124】[α]D 25=−4.9°(c=0.96,
CHCl3 )。
【0125】(e)化合物4−24の合成 化合物4−23、 0.556gにベンゼン6ml及びメタノ
ール3mlを加えて溶かした。ここに28%ナトリウム
メトキシドメタノール溶液を加えてpH=10とし、室
温で2.5時間撹拌した。氷冷し、1N塩酸を加えてp
H=1とした後、溶媒を減圧下留去した。残渣を「Se
phadex LH−20」カラムで精製した(樹脂;
約150ml、溶出溶媒;クロロホルム−メタノール
1:1)。残存する水をベンゼンとの共沸で除去し、目
的物を無色非晶質として 0.394g得た。
【0126】1H−NMR(δ,CDCl3 −CD3
D 1:1):0.89(t,6H,J=7.0Hz), 1.20-1.38(br s,6
0H), 1.64(br s,1H), 3.50-3.53(m,2H), 3.58(br t,1
H), 3.72-3.82(m,7H), 3.89(br d,1H), 3.91(dd,J=5.4H
z), 4.02-4.06(m,1H), 4.11-4.15(m,2H), 4.29(d,1H,J=
7.6Hz)。
【0127】[α]D 20=−2.2°(c=0.99,
CHCl3 −MeOH 1:1)。
【0128】FAB−MS:M;m/z=824。
【0129】実施例7(リポソームの調製) L−α−ジパルミトイルフォスファチジルコリン80μ
mol 、コレステロール80μmol 、及び化合物4−9、
16μmol をクロロホルムおよびメタノールの混液(容
積比1:1)に溶かした。次に、窒素ガス気流中で有機
溶媒を除去して遠沈管のガラス壁にリピッドフィルムを
生成させた。
【0130】ここに予め45℃に加温した 3H−イヌリ
ン5.29MBq(160μCi)を含有する1mMイ
ヌリンのリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4。以下、
PBSと略することがある)8mlを加えて約50℃に
保温しながら振盪し、更に軽く超音波処理してリポソー
ムの懸濁液を調製した。これを60℃に加温し、0.2
μm、0.1μm及び0.08μmの孔径を有するポリ
カーボネート性メンブランフィルターを順に通過させ、
粒径約0.1μmのリポソームの懸濁液を調製した。
【0131】次にこれを3回超遠心分離し(1回目は1
5 ×gで14時間、2および3回目は105 ×gで2
時間)、上澄液を除去することによりリポソームに保持
されなかったイヌリンを除去し、PBSを加えて全量6
mlのリポソーム懸濁液を1種得た。
【0132】また、化合物を配合しないで、上記と同様
にして全量6mlのリポソーム懸濁液を得た。これをコ
ントロールリポソームとした。
【0133】検査例1(リポソームの薬物送達能) イ.試験方法 実施例7で調製した2種の試料をそれぞれSD系雄性ラ
ット(体重200〜250g)の後肢静脈より体重10
0g当たりL−α−ジパルミトイルフォスファチジルコ
リンおよびコレステロールの合計として5μmol を注入
した。
【0134】投与後15分、30分、1時間、2時間、
4時間及び6時間目に頸静脈より血液を約0.2ml採
血し、遠心後血漿0.1mlを濾紙に取り、乾燥後燃焼
装置にて燃焼し、液体シンチレーション方によりその放
射活性を求めた。また、投与後6時間目にラットを屠殺
し、各種組織を各約200mg採り、乾燥後、燃焼装置
にて燃焼し、液体シンチレーション方によりその放射活
性を求め、各臓器1g当たりのイヌリン濃度を求めた。
【0135】ロ.結果と考察 図7に示すように、本発明の化合物で修飾したリポソー
ムは、コントロールに対し、血漿中の濃度は急速に低下
し、肝臓中の濃度が顕著に増大し、肝臓に集積している
ことが明らかとなった。
【0136】
【発明の効果】本発明により、リポソームに臓器指向性
を付与する材料として優れた新規なリン脂質が、延いて
はそのようなリン脂質を含有する優れたリポソームが容
易に提供されるところとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における反応を示す。
【図2】実施例2における反応を示す。
【図3】実施例3における反応を示す。
【図4】実施例4における反応を示す。
【図5】実施例5における反応を示す。
【図6】実施例6における反応を示す。
【図7】検査例1における結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 15/04 F 15/12 C07J 9/00 9051−4C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるリン脂質。 【化1】 上記式中、Xは、グルコース、デオキシグルコース、マ
    ンノース、ガラクトース、フコース、リボース、デオキ
    シリボース、ラムノース、キシロース、アラビノース、
    エリスロース、シアル酸、ウロン酸及びヘキソサミンの
    いずれかの単糖、これらの単糖のO−もしくはN−アシ
    ル誘導体、カルボキシアルキル誘導体を含むO−アルキ
    ル誘導体及びリン酸もしくは硫酸エステルのいずれかの
    単糖誘導体、またはこれら単糖及び/または単糖誘導体
    を構成糖とするオリゴ糖であり、 −T1 −は−O−、−NHCO−、−OCNH−、−O
    C(O)−、−(O)CO−、−NHCOO−、−OO
    CNH−、または−NHCONH−であり、 Rは、コレステロール残基、炭素原子数12〜20の直
    鎖アルカノール残基、下記プロパノール誘導体残基
    (イ)もしくは(ロ)、または下記エタノール誘導体残
    基(ハ)であり、 【化2】 これらの残基において、−T2 −は、−O−、−NHC
    O−、−OCNH−、−OC(O)−、−(O)CO
    −、−NHCOO−、−OOCNH−、−NHCONH
    −または−CH2 −であり、そしてR′は炭素原子数1
    2〜20の直鎖アルキル基であり、 そして、nは1〜8の整数である。
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)で表されるリン脂質を
    含有することを特徴とするリポソーム。
JP5058604A 1993-03-18 1993-03-18 リン脂質及びリポソーム Expired - Lifetime JP2774430B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5058604A JP2774430B2 (ja) 1993-03-18 1993-03-18 リン脂質及びリポソーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5058604A JP2774430B2 (ja) 1993-03-18 1993-03-18 リン脂質及びリポソーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06271597A true JPH06271597A (ja) 1994-09-27
JP2774430B2 JP2774430B2 (ja) 1998-07-09

Family

ID=13089129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5058604A Expired - Lifetime JP2774430B2 (ja) 1993-03-18 1993-03-18 リン脂質及びリポソーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2774430B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003006474A3 (de) * 2001-07-11 2003-05-01 Schering Ag Verfahren zur herstellung von peracylierten 1-o-glycosiden
KR100396211B1 (ko) * 2000-10-31 2003-09-17 (주)유진사이언스 천연물로 구성된 수용성 식물성 스테롤 유도체 및 이의염과 이들의 제조방법
US6831164B2 (en) 2001-07-11 2004-12-14 Schering Aktiengesellschaft Process for the production of peracylated 1-0-glycosides
WO2005049631A1 (en) * 2003-11-18 2005-06-02 The Malaghan Institute Of Medical Research Synthetic molecules having immune activity
WO2006022325A1 (ja) * 2004-08-26 2006-03-02 Nippon Shinyaku Co., Ltd. ガラクトース誘導体、薬物担体及び医薬組成物
WO2007099981A1 (ja) 2006-03-01 2007-09-07 Nippon Shinyaku Co., Ltd. ガラクトース誘導体、薬物担体及び医薬組成物
CN105439827A (zh) * 2016-01-12 2016-03-30 江苏省计量科学研究院 一种1,2-O-双十六烷基-rac-甘油的合成方法
CN105585597A (zh) * 2014-10-20 2016-05-18 湖南师范大学 葡萄糖衍生物阳离子脂质体纳米颗粒的制备方法
CN105585598A (zh) * 2014-10-20 2016-05-18 湖南师范大学 甘露糖衍生物阳离子脂质体纳米颗粒的制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62185093A (ja) * 1986-01-24 1987-08-13 チバ−ガイギ− アクチエンゲゼルシヤフト サツカライド誘導体及びそれを含有する医薬

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62185093A (ja) * 1986-01-24 1987-08-13 チバ−ガイギ− アクチエンゲゼルシヤフト サツカライド誘導体及びそれを含有する医薬

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100396211B1 (ko) * 2000-10-31 2003-09-17 (주)유진사이언스 천연물로 구성된 수용성 식물성 스테롤 유도체 및 이의염과 이들의 제조방법
WO2003006474A3 (de) * 2001-07-11 2003-05-01 Schering Ag Verfahren zur herstellung von peracylierten 1-o-glycosiden
US6831164B2 (en) 2001-07-11 2004-12-14 Schering Aktiengesellschaft Process for the production of peracylated 1-0-glycosides
WO2005049631A1 (en) * 2003-11-18 2005-06-02 The Malaghan Institute Of Medical Research Synthetic molecules having immune activity
US7989602B2 (en) 2003-11-18 2011-08-02 The Malaghan Institute Of Medical Research Synthetic molecules having immune activity
JPWO2006022325A1 (ja) * 2004-08-26 2008-07-31 日本新薬株式会社 ガラクトース誘導体、薬物担体及び医薬組成物
US7655768B2 (en) 2004-08-26 2010-02-02 Nippon Shinyaku Co., Ltd. Galactose derivative, drug carrier and medicinal composition
WO2006022325A1 (ja) * 2004-08-26 2006-03-02 Nippon Shinyaku Co., Ltd. ガラクトース誘導体、薬物担体及び医薬組成物
JP5087924B2 (ja) * 2004-08-26 2012-12-05 日本新薬株式会社 ガラクトース誘導体、薬物担体及び医薬組成物
WO2007099981A1 (ja) 2006-03-01 2007-09-07 Nippon Shinyaku Co., Ltd. ガラクトース誘導体、薬物担体及び医薬組成物
CN105585597A (zh) * 2014-10-20 2016-05-18 湖南师范大学 葡萄糖衍生物阳离子脂质体纳米颗粒的制备方法
CN105585598A (zh) * 2014-10-20 2016-05-18 湖南师范大学 甘露糖衍生物阳离子脂质体纳米颗粒的制备方法
CN105439827A (zh) * 2016-01-12 2016-03-30 江苏省计量科学研究院 一种1,2-O-双十六烷基-rac-甘油的合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2774430B2 (ja) 1998-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5090928B2 (ja) Nkt細胞に対する抗原としての糖脂質及びその類似体
CA2344652C (en) Carboxymethylgalactose derivatives
JP5014573B2 (ja) 脂質aおよび他の炭水化物リガンド類似体
JPH0826057B2 (ja) シアル酸オリゴ糖誘導体及び微粒子キャリヤー
US20100168054A1 (en) Functionalized Beta 1,6 Glucosamine Disaccharides and Process for Their Preparation
JP2003514824A (ja) 合成脂質−a類似体およびその使用
CA2500478A1 (en) Glycosylceramide analogues
JP2854203B2 (ja) リポソームの製造法
JP2774417B2 (ja) ペプチド骨格を有する分枝鎖型糖複合体及び微粒子キャリヤー
EP0489162A1 (en) Derivative of glycolipid containing sialic acid
JPH06271597A (ja) リン脂質及びリポソーム
JP3141693B2 (ja) シアル酸の9位をフッ素で置換したガングリオシドgm3類縁体及びその中間体
Kakita et al. A stereocontrolled construction of 2-azido-2-deoxy-1, 2-cis-α-galactosidic linkages utilizing 2-azido-4, 6-O-benzylidene-2-deoxygalactopyranosyl diphenyl phosphates: stereoselective synthesis of mucin core 5 and core 7 structures
JP2710900B2 (ja) 酸性官能基を有する脂質誘導体及び同誘導体によって被覆された微粒子キャリヤー
WO1998031392A1 (fr) Medicaments nephrotropiques
EP0315973A2 (en) Sialocylglycerolipids and method for preparing the same
CN111875649B (zh) 一种海藻糖衍生物与糖抗原的缀合物及其制备方法与应用
Yamazaki et al. Synthesis of type 2 Lewis antigens via novel regioselective glycosylation of an orthogonally protected lactosamine diol derivative
WO1993023031A9 (en) Multivalent mimetics and peptide mimetics for blocking carbohydrate-dependent cellular interaction and for eliciting anticarbohydrate t-cell response
WO2008124729A1 (en) One-pot synthesis of alpha/beta-o-glycolipids
JP2766141B2 (ja) 酸性糖誘導体
WO1997022615A1 (fr) Analogues de gangliosides fluores gm3 et leurs intermediaires
JPH07110872B2 (ja) 酸性糖脂質及び微粒子キャリヤー
Sadraei Progress towards the Synthesis of Carbohydrate-Based Biomedical and Material-Science Relevant Molecules
JP2633467B2 (ja) シアリルルイスx誘導体