JPH06270643A - 車体上下運動状態検出装置 - Google Patents

車体上下運動状態検出装置

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JPH06270643A
JPH06270643A JP8793593A JP8793593A JPH06270643A JP H06270643 A JPH06270643 A JP H06270643A JP 8793593 A JP8793593 A JP 8793593A JP 8793593 A JP8793593 A JP 8793593A JP H06270643 A JPH06270643 A JP H06270643A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体の路面に対する前後速度を検出する装置
であってその検出値が車体の路面に対する上下運動の影
響を受けるものを用い、その検出値と車体前後速度の真
の値とに基づき、車体上下運動状態を検出することによ
り、検出精度が高い車体上下運動状態検出装置を提供す
る。 【構成】 車輪速から車体前後速度を検出する真正車体
前後速度検出装置10と、路面の模様むらを利用して車
体前後速度を検出する空間フィルタ検出装置12とに車
体上下運動状態推定装置14を接続する。さらに、その
車体上下運動状態推定装置14を、真正車体前後速度検
出装置10による検出値と空間フィルタ検出装置12か
らの周波数と車体の路面からの高さとの間の一定の関係
に従い、各回の検出値と周波数とから車高を推定し、そ
の車高の時間微分値として車体上下速度を算出するもの
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の上下運動の状態
(例えば、車高,車体上下速度等)を検出する装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】車高を制御する技術として例えば、次の
ようなものが既に知られている。それは、乗員数の変化
や積載荷重の変化とは無関係に車高を一定に維持する車
高制御や、運転者の希望に合わせて車高を調整する車高
調整や、高速走行時には車高を低下させて走行安定性を
向上させる車速感応制御や、路面の凹凸とは無関係に車
高を一定に維持するバウンス制御等である。
【0003】これら制御においては、車体の上下運動の
状態を検出することが不可欠であり、その一方式として
次のようなものが既に知られている。それは、文献「自
動車のサスペンション(株式会社 山海堂 平成3年6
月29日 第2刷発行)」の第235および236頁に
記載されているように、サスペンションの変位量、すな
わち、車体と車輪との相対変位量を検出し、その相対変
位量に基づき、車体の上下運動状態の一つである車高を
検出する方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の方
式では、車輪の有効半径は常に一定であり、かつ、車輪
は常に路面から離れることなく接地するとの前提の下、
車輪の存在を不可欠として車高が検出される。しかし、
車輪の、接地荷重による弾性変形量は車体総重量と共に
変化し、また、車輪のタイヤは走行距離の増大につれて
摩耗して小径化され、また、路面の凹凸によっては車輪
が路面から離れることがある。そのため、車輪の存在を
不可欠として車体上下運動状態を検出する方式では、十
分には高い精度で車体上下運動状態を検出することがで
きないという問題がある。
【0005】一方、車体の路面に対する相対的な前後方
向移動速度を検出するための装置として例えば、空間フ
ィルタ検出装置,ドップラセンサなどがあるが、それら
装置を使用する場合には、それによる検出値が、車体の
上下運動に基づく誤差を含んでしまうことを避け得な
い。すなわち、その検出値は、車体前後速度の他に車体
の上下運動に関連した量を含んでいるのである。したが
って、その検出値から車体の上下運動に関連した量を分
離することができれば、上記検出装置を用いて車体上下
運動状態を検出することができることになる。
【0006】それらの知見に基づき、請求項1および2
の発明はそれぞれ、車体前後速度に関連した量の他に車
体の上下運動に関連した量を含む車体前後速度関連信号
を出力する車体前後速度関連信号出力装置を用いて車体
上下運動状態を検出することにより、車両上下運動状態
を精度よく検出することを課題としてなされたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1の発明は、車体の上下運動の状態を検出す
る車両上下運動状態検出装置を、図1に示されているよ
うに、(a) 車体の路面に対する相対的な前後方向移動速
度に関連した量の他に車体の上下運動に関連した量を含
む車体前後速度関連信号を出力する車体前後速度関連信
号出力装置1と、(b) 車体前後速度の真の値を取得する
真正車体前後速度取得手段2と、(c) 車体前後速度関連
信号と、真正車体前後速度取得手段2により取得される
車体前後速度の真の値とに基づき、車体の上下運動の状
態を推定する車体上下運動状態推定装置3とを含む構成
としたことを特徴とする。
【0008】また、請求項2の発明は、車体の上下速度
を検出する車体上下速度検出装置を、図2に示されてい
るように、(d) 各々送信器と受信器とを有し、波のドッ
プラ効果を利用することにより、車体の路面に対する相
対的な前後方向移動速度を検出する一対のドップラセン
サ4,5であって、それぞれが車体に、一方は車体前方
向、他方は車体後方向を向き、かつ、互いに等しい角度
で路面に斜めに対向する状態で取り付けられるものと、
(e) それら各ドップラセンサ4,5から出力されるドッ
プラ周波数の和に基づき、車体の路面に対する相対的な
上下方向移動速度を推定する車体上下速度推定装置6と
を含む構成としたことを特徴とする。
【0009】
【作用】車体前後速度関連信号出力装置1としては例え
ば、前述のように、空間フィルタ検出装置,ドップラセ
ンサ等がある。
【0010】空間フィルタ検出装置は、各々スリット状
をなす複数の太陽電池が車体前後方向において一定ピッ
チで配列されることにより構成されており、それら太陽
電池が路面の表面むらを検出するのに対応して発生され
る周期信号の周波数に基づき、車体前後速度を検出す
る。この空間フィルタ検出装置は、本来、車体に取り付
けられた太陽電池の受光面と路面との距離、すなわち車
体の路面からの高さが一定であるとの前提の下、車体前
後速度を検出するものであり、車高が変化した場合に
は、それに伴って車体前後速度の検出値に誤差が発生す
る。そして、空間フィルタ検出装置による検出周波数、
すなわち、誤差を含んだ車体前後速度の検出値に対応す
るものと、車体前後速度の真の値と、車高との間に一定
の関係が成立する。したがって、この関係に着目すれ
ば、車体前後速度の真の値が取得されれば車高が検出さ
れ、ひいては車高の時間微分値である車体上下速度や、
車体上下速度の時間微分値である車体上下加速度などが
取得されることになる。
【0011】一方、ドップラセンサは、超音波,レーザ
光等の波を路面に向かって送信する送信器と、送信され
た波のうち路面で反射したものを受信する受信器とを備
え、波のドップラ効果を利用することにより、車体前後
速度を検出する。このドップラセンサは、本来、車体に
取り付けられた送信器および受信器の路面に対する上下
方向移動速度、すなわち車体上下速度が0であるとの前
提の下、車体前後速度を検出するものであり、車体上下
速度が0ではない場合には、それに伴って車体前後速度
の検出値に誤差が発生する。そして、ドップラセンサに
よる検出ドップラ周波数、すなわち、誤差を含んだ車体
前後速度の検出値に対応するものと、車体前後速度の真
の値と、車体上下速度との間に一定の関係が成立する。
したがって、この関係に着目すれば、車体前後速度の真
の値が取得されれば車体上下速度が検出され、ひいては
車体上下速度の時間微分値である車体上下加速度などが
取得されることになる。
【0012】以上の説明から明らかなように、空間フィ
ルタ検出装置,ドップラセンサ等の車体前後速度関連信
号出力装置1から出力される信号により検出されるべき
車体前後速度は車体上下運動の影響を受けて誤差を生じ
させるのであるが、車体前後速度の真の値が判明すれ
ば、車体上下運動に基づく検出誤差、すなわち車体上下
運動の状態を検出することができるのであり、このこと
は、本来発生が回避されるべきである検出誤差の発生を
あえて許容し、その検出誤差を取り出して積極的に利用
すれば、車体上下運動を検出することができることを意
味するのである。
【0013】このような知見に基づき、請求項1の発明
に係る車体上下運動状態検出装置においては、真正車体
前後速度取得手段2により、車体前後速度の真の値が取
得され、車体上下運動状態推定装置3により、車体前後
速度関連信号出力装置1から出力される信号(車体前後
速度の検出値そのものを表す信号、または車体前後速度
の検出に使用される周波数信号)と、真正車体前後速度
取得手段2により取得される車体前後速度の真の値とに
基づき、車体上下運動状態が推定される。なお、真正車
体前後速度取得手段2は車体前後速度の真の値を、例え
ば、車輪の回転速度に基づいて車速を検出する装置の検
出値を用いて取得したり、車体前後速度関連信号出力装
置1の信号の平均値を用いて取得することができる。
【0014】車体前後速度を検出するドップラセンサ
4,5の検出値は、車体前後速度のみならず車体の路面
に対する上下速度をも含んでいる。そして、一対のドッ
プラセンサ4,5を車体に、一方は車体前方向、他方は
車体後方向を向き、かつ、互いに等しい角度で路面に斜
めに対向する状態で取り付け、それら各ドップラセンサ
4,5から出力されるドップラ周波数の和を取得する
と、一方のドップラセンサ4,5の検出値における車体
前後速度の成分と他方のドップラセンサ4,5の検出値
における車体前後速度の成分とが互いに打ち消し合い、
それぞれの検出値から車体上下速度の成分のみが分離さ
れる。
【0015】このような知見に基づき、請求項2の発明
に係る車体上下速度検出装置においては、一対のドップ
ラセンサ4,5が車体に、一方は車体前方向、他方は車
体後方向を向き、かつ、互いに等しい角度で路面に斜め
に対向する状態で取り付けられ、車体上下速度推定装置
6により、それら各ドップラセンサ4,5から出力され
るドップラ周波数の和に基づき、車体上下速度が推定さ
れる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1および2の各発明によれば、車輪の存在を不可欠とす
ることなく車体上下運動状態を検出することができるか
ら、車体と車輪との相対変位に基づいて車体上下運動状
態を検出する従来の装置より、車輪の影響を受けずに済
むこととなり、精度よく車体上下運動状態を検出するこ
とができるという効果が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0018】まず、請求項1の第1の実施例について説
明する。本実施例は、請求項1の発明を4輪車両用のア
クティブ式のサスペンション制御システムに適用した場
合の一例である。このサスペンション制御システムは、
図3に示されているように、真正車体前後速度検出装置
10,空間フィルタ検出装置12,車体上下運動状態推
定装置14,コントローラ16およびアクティブサスペ
ンション18を含むように構成されている。
【0019】真正車体前後速度検出装置10は、図4に
示されているように、車輪速センサ30と信号処理回路
32とを含むように構成されている。ただし、車輪速セ
ンサ30は車両の4個の車輪の各々に設けられており、
図にはそのうちの1個の車輪34についてのみ示されて
いる。車輪速センサ30は、図示しない車体に固定さ
れ、車輪34と共に回転する磁性材製のディスク36の
外周面に一定ピッチで形成された多数の歯の通過を電磁
的に検出する。一方、信号処理回路32は、コンピュー
タを主体として構成されていて、4個の車輪速センサ3
0からの信号に基づき、各輪34の車輪速VW をそれぞ
れ演算し、それら4個の車輪速VW に基づき、各輪34
の路面に対するスリップ率が0である場合には各輪34
の車輪速VW は車体前後速度Vに一致するとの前提の
下、車体前後速度Vを推定するものである。この推定に
ついては良く知られているため、詳細な説明は省略す
る。
【0020】なお、真正車体前後速度検出装置10は、
車体前後速度Vを検出する方式としてその他のものを採
用することができる。例えば、車両のエンジンのトラン
スミッションのアウトプットシャフトの回転速度を検出
し、それに基づいて車体前後速度Vを検出する方式や、
遊動輪である左右前輪34のそれぞれの車輪速VW の平
均値を車体前後速度Vとして検出する方式や、波のドッ
プラ効果を利用して車体前後速度Vを検出する方式など
を採用することができるのである。
【0021】前記空間フィルタ検出装置12は、車体の
路面に対する前後方向移動速度である車体前後速度Vを
非接触で検出するものである。
【0022】空間フィルタ検出装置12は、図5に示さ
れているように、照明装置40と空間フィルタ42とを
含むように構成されている。それら照明装置40等は、
車体の底面に路面に対向する状態で固定的に取り付けら
れている。
【0023】照明装置40はランプ44,ミラー46,
レンズ48等がホルダ50内に収容されて構成されてお
り、ランプ44から放射された光をミラー46とレンズ
48とで集めて路面に集中的に照射し、これにより路面
を明るく照らすものである。
【0024】一方、空間フィルタ42は、各々スリット
状をなす複数の太陽電池60が車両前後方向において一
定ピッチAで配列されて成る太陽電池列62(図6の左
側の拡大平面図参照),路面から反射した光を集めて太
陽電池列62に照射するレンズ64等を含むように構成
されている。太陽電池列62を構成する各々の太陽電池
60はそれぞれ、太陽電池列62に共通の出力端子(図
示しない)に接続されており、複数の太陽電池60から
の電気信号が一斉に出力端子に供給されるようになって
いる。一つの太陽電池60にのみ着目した場合には、そ
の太陽電池60が路面に対して移動すると、路面の模様
(表面むら)に対応するランダムな電気信号がその太陽
電気60から発生することになるが、複数の太陽電池6
0すべてに着目すれば、出力端子から取得される電気信
号は、それら太陽電池60個々に発生した電気信号が合
成されたものとなり、結局、路面の表面むらのうち一定
間隔の特殊なむらのみに対応する電気信号が取得される
ことになる。すなわち、複数の太陽電池60は、路面の
表面むらの中から特定のもののみを選び出すフィルタリ
ング作用を持つのである。
【0025】太陽電池列62から出力された電気信号が
時間tと共に変化する様子の一例が図6の中央にグラフ
で表されている。この波形は、単一の周波数成分から成
るものではなく、複数の周波数成分からなっており、そ
れら複数の周波数成分のうち振幅(すなわち、パワース
ペクトル)が最も大きいものの周波数、すなわち中心周
波数f(Hz)は(同図の右側のグラフ参照)、一般
に、 f=V/(2・a) で表される。ここに「V」は車体前後速度であり、
「a」は、太陽電池60のピッチAを路面に投影した場
合の換算値である。また、同図の波形の帯域幅B(H
z)は、一般に、 B=V/(2・n・a) で表される。ここに「n」は、太陽電池60の数であ
る。したがって、太陽電池60の数nが大きいほど帯域
幅Bが狭くなる。すなわち、太陽電池60の数nが大き
いほど、振幅の大きい周波数成分が中心周波数fの近傍
に集中する傾向が強くなるのである。
【0026】この空間フィルタ検出装置12はさらに、
図5に示されているように、信号処理回路70を備えて
いる。この信号処理回路70は、空間フィルタ42から
の電気信号を処理することにより、その電気信号の中心
周波数を周波数fとして出力するものである。
【0027】前記車体上下運動状態推定装置14は、コ
ンピュータを主体として構成されており、前記真正車体
前後速度検出装置10および空間フィルタ検出装置12
から入力された信号に基づき、車体の路面からの距離で
ある車高H,車体の路面に対する相対的な上下運動の速
度である車体上下速度Uおよびその上下運動の加速度で
ある車体上下加速度Gを決定するものである。車高H等
の決定は、コンピュータのCPUがそれのROMに予め
記憶されている車体上下運動状態推定ルーチンを実行す
ることにより行われる。
【0028】この車体上下運動状態推定ルーチンは、図
7にフローチャートで表されている。以下、本ルーチン
の内容を説明するが、まず、概略的に説明する。
【0029】本出願人は、前記車両を用いた実験の結
果、真正車体前後速度VTRUEと空間フィルタ検出装
置12からの周波数fと車高Hとの間に一定の関係があ
ることを発見した。その関係の一例が図8にグラフで表
されている。この例では、車高Hは、 H=E・V/f+F で表される。ここに「E」および「F」は定数である。
したがって、前述の、 f=V/(2・a) なる基本式は、車高Hが設計基準値に等しいときにのみ
成立することになる。
【0030】したがって、その関係を利用し、検出され
た周波数fと真正車体前後速度VTRUEとをそれぞれ
上記式(H=E・V/f+F)に代入すれば、車高Hが
検出されることになる。このような知見に基づき、この
車体上下運動状態推定ルーチンにおいては、車高H等が
検出される。
【0031】次に、この車体上下運動状態推定ルーチン
の内容を図7に基づいて具体的に説明する。
【0032】本ルーチンは一定時間ごとに実行される。
各回の実行時にはまず、ステップS1(以下、単に「S
1」で表す。他のステップについても同じとする)にお
いて、真正車体前後速度検出装置10から車体前後速度
Vの今回の検出値(以下、「今回の検出車体前後速度」
という。ただし、図には「検出車速」で表す)V(i)
読み込まれる。次に、S2において、過去の複数の検出
車体前後速度V(RAMに保存されている)と今回の検
出車体前後速度V(i) とから成る複数の検出車体前後速
度Vの平均値が、今回の真正車体前後速度(ただし、図
には「真正車速」で表す)VTRUE(i) として算出さ
れる。すなわち、本実施例においては、真正車体前後速
度検出装置10からの各回の検出車体前後速度V(i)
そのまま各回の真正車体前後速度VTRUE(i) とされ
るのではなく、検出車体前後速度Vの平均値が真正車体
前後速度VTRUEとされるようになっているのであ
る。ただし、検出車体前後速度Vをそのまま真正車体前
後速度VTRUEとするようにして請求項1の発明を実
施することは可能である。
【0033】その後、S3において、空間フィルタ検出
装置12から今回の検出周波数f(i) が読み込まれる。
続いて、S4において、過去の複数の検出周波数f(R
AMに保存されている)と今回の検出周波数f(i) とか
ら成る複数の検出周波数fの平均値が、今回の平均周波
数fMEAN(i) として算出される。その後、S5にお
いて、車高Hの平均値である平均車高HMEAN(i)
算出される。具体的には、前述の、 H=E・V/f+F なる式に、今回の真正車体前後速度VTRUE(i) およ
び平均周波数fMEAN(i) を代入することにより算出
される。なお、この式における定数EおよびFは予めR
OMに記憶されている。
【0034】実際の車高Hは、例えば図9にグラフで表
されているように、時間tと共に絶えず変動しており、
その変動の中心点(静的成分のみを考慮した場合の値)
を表す概念として、上記平均車高HMEAN(i) が用い
られている。そのため、上記式に今回の検出周波数f
(i) を代入するのではなく今回の平均周波数fMEAN
(i) を代入することによって今回の平均車高HMEAN
(i) が検出されるようになっているのである。
【0035】その後、S6において、今回の検出車高H
(i) が算出される。ここに検出車高H(i) とは、車高H
の各時期における値(動的成分をも考慮した場合の値)
を表す概念であって(図9参照)、 H=E・V/f+F なる式に、今回の真正車体前後速度VTRUE(i) およ
び検出周波数f(i) を代入することにより算出される。
【0036】続いて、S7において、今回の車高変動量
ΔH(i) が算出される。今回の車高変動量ΔH(i)
は、前記算出された今回の平均車高HMEAN(i) から
前記算出された今回の検出車高H(i) を引いた値であ
る。その後、S8において、今回の車体上下速度U(i)
が算出される。具体的には、今回の検出車高H(i) から
前回の検出車高H(i-1) を引くことによって算出され
る。続いて、S9において、今回の車体上下加速度G
(i) が算出される。具体的には、今回の車体上下速度U
(i) から前回の車体上下速度U(i-1) を引くことによっ
て算出される。その後、S10において、今回の検出車
高H(i) ,平均車高HMEAN(i) ,車体上下速度U
(i) および車体上下加速度G(i) がそれぞれ、前記コン
トローラ16に対して出力される。
【0037】前記アクティブサスペンション18におい
ては、図10に示されているように、各輪34と車体と
が液圧シリンダ80を介して相対変位可能に連結されて
いる。各液圧シリンダ80はリニア液圧制御弁82を介
して高圧源としてのポンプ84と低圧源としてのリザー
バ86とにそれぞれ接続されている。
【0038】このアクティブサスペンション18を制御
するのが前記コントローラ16である。コントローラ1
6は、図示しない他の各種センサにも接続されていて、
車高H,車体上下速度U,車体上下加速度G,車体前後
速度V,ステアリングホイールの操舵角θ,車両の前後
加速度GX,横加速度GY等に基づき、各リニア液圧制
御弁82を介して各液圧シリンダ80の圧力を制御する
ことにより、ロール制御,ピッチ制御等から成る車両姿
勢制御と、バウンス制御等から成る乗り心地制御と、車
高制御とを実行するものである。
【0039】コントローラ16は、そのバウンス制御を
次のように実行する。すなわち、例えば本出願人の特開
平3−276807号公報,特開平3−276811号
公報(スカイフック理論に基づくバウンス制御)等にも
記載されているように、車体上下速度U,車高変動量Δ
H,車体上下加速度G等に基づいて各輪34の液圧シリ
ンダ80の圧力を制御するのである。すなわち、車体上
下速度U等を監視しつつ車体上下運動抑制制御を行うの
である。
【0040】コントローラ16はまた、車高制御を次の
ように実行する。すなわち、各回の平均車高HMEAN
(i) を監視しつつ、乗員数の変化や積載荷重の変化とは
無関係に、実際の車高Hが常に設定値になるように前記
液圧シリンダ80の圧力を制御する。その設定値は、車
室内の操作パネルに設けられた車高選択スイッチ(図示
しない)の操作に応じて変化させられる。ただし、コン
トローラ16は、車体前後速度Vが基準値以上になる
と、設定値より一定値だけ小さい車高Hが実現されるよ
うに液圧シリンダ80の圧力を制御する。高速走行時に
おける走行安定性を向上させるためである。
【0041】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、空間フィルタ検出装置12が請求項1の発
明における「車体前後速度関連信号出力装置1」の一態
様を構成し、真正車体前後速度検出装置14が車体上下
運動状態推定装置16のコンピュータのうち図7のS1
および2を実行する部分と共同して、請求項1の発明に
おける「真正車体前後速度取得手段2」の一態様を構成
し、車体上下運動状態推定装置16が請求項1の発明に
おける「車体上下運動状態推定装置3」の一態様を構成
している。
【0042】なお付言すれば、前記バウンス制御は、理
想的には、車体の路面に対する上下速度ではなく、地球
に固定の座標に対する上下速度、すなわち絶対速度を用
いて行われるべきである。それにもかかわらず、本実施
例においては(他の実施例においても共通する)、検出
されるのはあくまで、路面に対する上下速度にすぎな
い。そのため、路面の凹凸が比較的激しい状態では、検
出誤差、すなわち上記絶対速度からの偏差が大きくな
る。しかし、路面の凹凸が比較的緩やかである状態で
は、検出値が絶対値に十分に近くなり、十分に理想に近
いバウンス制御が実現されると推定される。
【0043】次に、請求項1の発明の第2の実施例を説
明する。
【0044】本実施例も、先の実施例と同様に、請求項
1の発明をアクティブ式のサスペンション制御システム
に適用した場合の一例である。本実施例は先の実施例と
共通する部分が多く、共通する部分については同一の符
号および名称を使用することにより説明を省略し、異な
る部分についてのみ詳細に説明する。
【0045】本実施例においては、図11に示されてい
るように、先の実施例とは異なり、前記真正車体前後速
度検出装置10は使用されていない。本実施例において
は、真正車体前後速度VTRUEが空間フィルタ検出装
置12により取得されるからである。
【0046】車体上下運動状態推定装置90のコンピュ
ータのROMには、図7のルーチンに代えて図12のル
ーチンが記憶されている。以下、この図12のルーチン
の内容を説明するが、まず、概略的に説明する。
【0047】本ルーチンの内容は基本的には図7のルー
チンと同じである。異なる点は、既に簡単に説明した
が、真正車体前後速度VTRUEを真正車体前後速度検
出装置10によってではなく空間フィルタ検出装置12
により取得することである。先の実施例においては、車
高Hが変動する状況下では、空間フィルタ検出装置12
からの検出周波数fに基づく車体前後速度Vは精度が十
分には高くないとの配慮から、真正車体前後速度検出装
置10を用いて真正車体前後速度VTRUEを取得して
いた。しかし、空間フィルタ検出装置12からの検出周
波数fに基づく車体前後速度Vであっても、それの平均
値として用いる場合には、車高Hの変動に基づく検出誤
差が縮減され、真正車体前後速度VTRUEとして十分
に信頼あるものとなると考えられる。そこで、本実施例
においては、空間フィルタ検出装置12を用いて真正車
体前後速度VTRUEが取得されるようになっているの
である。
【0048】次に、本ルーチンの内容を図12に基づい
て具体的に説明する。
【0049】本ルーチンも一定時間ごとに実行される。
各回の実行時にはまず、S21において、空間フィルタ
検出装置12から今回の検出周波数f(i) が読み込ま
れ、続いて、S22において、前述の、車体前後速度V
と周波数fとの関係を規定する基本的な式、すなわち、 V=2・a・f なる式を用いて、今回の車体前後速度V(i) が演算され
る。ただし、ここで演算される値はあくまで暫定的なも
のである。上記式は、実際の車高Hが設計基準値に一致
するときに限って成立するものだからである。そして、
その後、S23において、過去の複数の、その暫定的な
車体前後速度V(RAMに保存されている)と今回のそ
の暫定的な車体前後速度V(i) とから成る複数の、暫定
的な車体前後速度Vの平均値が、今回の真正車体前後速
度VTRUE(i) として算出される。
【0050】続いて、S24において、過去の複数の検
出周波数f(RAMに保存されている)と今回の検出周
波数f(i) とから成る複数の検出周波数fの平均値が、
今回の平均周波数fMEAN(i) として算出され、その
後、S25において、前述の、 H=E・V/f+F なる式に、今回の真正車体前後速度VTRUE(i) と平
均周波数fMEAN(i)とを代入することにより、今回
の平均車高HMEAN(i) が算出される。
【0051】続いて、S26において、その式に、今回
の真正車体前後速度VTRUE(i)と検出周波数f(i)
とを代入することにより、今回の検出車高H(i) が算出
される。
【0052】その後、S27〜30が、図7のS7〜1
0と同様に実行され、以上で本ルーチンの一回の実行が
終了する。
【0053】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、空間フィルタ検出装置12が請求項1の発
明における「車体前後速度関連信号出力装置1」の一態
様を構成し、その空間フィルタ検出装置12が車体上下
運動状態推定装置90のコンピュータのうち図12のS
21〜23を実行する部分と共同して、請求項1の発明
における「真正車体前後速度取得手段2」の一態様を構
成し、車体上下運動状態推定装置90が請求項1の発明
における「車体上下運動状態推定装置3」の一態様を構
成している。
【0054】次に、請求項1の発明の第3の実施例につ
いて説明する。本実施例も、請求項1の発明をアクティ
ブ式のサスペンション制御システムに適用した場合の一
例であるが、図13に示されているように、図3に示さ
れている第1の実施例と構成が共通する。ただし、車体
上下運動状態推定装置96における車体上下運動状態推
定ルーチンの内容は異なる。以下、本実施例における車
体上下運動状態推定ルーチンの内容を詳細に説明する
が、第1の実施例における車体上下運動状態推定ルーチ
ン(図7)と共通する部分もあり、その部分については
簡単に説明する。
【0055】以下、本実施例における車体上下運動状態
推定ルーチンは図14にフローチャートで表されてい
る。本ルーチンも一定時間ごとに実行される。各回の実
行時には、まず、S61において、前記S1におけると
同様にして、真正車体前後速度検出装置10から今回の
検出車体前後速度V(i) が読み込まれる。続いて、S6
2において、前記S2におけると同様にして、今回の真
正車体前後速度VTRUE(i) が今回までに取得された
複数の検出車体前後速度Vの平均値として算出される。
その後、S63において、前記S3におけると同様にし
て、空間フィルタ検出装置12から今回の検出周波数f
(i) が読み込まれ、続いて、S64において、前記S4
におけると同様にして、今回の平均周波数fMEAN
(i) が算出される。
【0056】その後、S65において、今回の車高変動
量ΔH(i) が算出されるが、この手法は前記S7におけ
るとはやや異なる。以下、詳細に説明する。
【0057】そのS7においては、今回の平均車高HM
EAN(i) と検出車高H(i) とをそれぞれ取得した後に
それらの差として今回の車高変動量ΔH(i) が算出され
るようになっていた。しかし、車高変動量ΔH(i) は平
均車高HMEAN(i) および検出車高H(i) の取得なし
でも取得することができる。
【0058】車高変動量ΔH(i) は、 ΔH(i) =HMEAN(i) −H(i) なる式を用いて記述される。ここに、平均車高HMEA
(i) は、前述のように、 HMEAN(i) =E・VTRUE(i) /fMEAN(i)
+F なる式で記述され、一方、検出車高H(i) は、前述のよ
うに、 H(i) =E・VTRUE(i) /f(i) +F なる式で記述される。したがって、それら2式を用いれ
ば、車高変動量ΔH(i)は、定数Fを用いることなく、 E・VTRUE(i) ・(1/fMEAN(i) −1/f
(i) ) なる式で記述することができる。
【0059】そして、このS65においては、その式
に、今回の真正車体前後速度VTRUE(i) と今回の平
均周波数fMEAN(i) と今回の検出周波数f(i) とを
それぞれ代入することにより、今回の車高変動量ΔH
(i) が算出されるようになっているのである。
【0060】その後、S66において、今回の車体上下
速度U(i) が算出される。この手法も、前記S8におけ
るとやや異なるが、両者の関係は上述の、S65とS7
の関係と同様である。
【0061】車体上下速度U(i) は、 U(i) =H(i) −H(i-1) なる式を用いて記述される。ここに、今回の検出車高H
(i) は、 H(i) =E・VTRUE(i) /f(i) +F なる式で記述され、一方、前回の検出車高H(i-1) は、 H(i-1) =E・VTRUE(i-1) /f(i-1) +F なる式で記述される。ただし、前回と今回とで真正車体
前後速度VTRUEはほとんど変化しないから、前回の
検出車高H(i-1) は、 H(i-1) =E・VTRUE(i) /f(i-1) +F なる式で記述されることになる。したがって、それら2
式を用いれば、車体上下速度U(i) は、定数Fを用いる
ことなく、 E・VTRUE(i) ・(1/f(i) −1/f(i-1) ) なる式で記述することができる。
【0062】そして、このS66においては、その式
に、今回の真正車体前後速度VTRUE(i) と今回の検
出周波数f(i) と前回の検出周波数f(i-1) とをそれぞ
れ代入することにより、今回の車体上下速度U(i) が算
出されるようになっている。
【0063】その後、S67において、前記S9におけ
ると同様にして、今回の車体上下加速度G(i) が算出さ
れ、続いて、S68において、算出された今回の車高変
動量ΔH(i) ,車体上下速度U(i) および車体上下加速
度G(i) がそれぞれ前記コントローラ16に対して出力
される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0064】なお、本ルーチンは、平均車高HMEAN
(i) および検出車高H(i) については検出するように設
計されていないため、本実施例においては、コントロー
ラ16は、先の実施例とは異なり、車高制御は実行しな
い。
【0065】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、空間フィルタ検出装置12が請求項1の発
明における「車体前後速度関連信号出力装置1」の一態
様を構成し、真正車体前後速度検出装置10が請求項1
の発明における「真正車体前後速度取得手段2」の一態
様を構成し、車体上下運動状態推定装置96が請求項1
の発明における「車体上下運動状態推定装置3」の一態
様を構成している。
【0066】次に、請求項1の発明の第4の実施例につ
いて説明する。本実施例においては、図15に示されて
いるように、図3の実施例に対して、空間フィルタ検出
装置12の代わりにドップラセンサ100が設けられて
いる。すなわち、本実施例は、真正車体前後速度検出装
置10,ドップラセンサ100,車体上下運動状態推定
装置102,コントローラ16およびアクティブサスペ
ンション18を含む構成とされている。
【0067】ドップラセンサ100は、図16に示され
ているように、送信器104および受信器106を有し
ている。それら送信器104等は車体の底面に固定的に
取り付けられている。それら送信器104等は、車体前
方向を向き、かつ角度θを有して路面に斜めに対向する
状態で取り付けられている。
【0068】送信器104は、路面に向かって波の一態
様としての超音波を送信するものであり、一定の周波数
0 で超音波を送信する。一方、受信器106は、送信
された超音波のうち路面で反射したものを受信し、その
受信した超音波を表す電気信号を出力するものである。
ドップラセンサ100はさらに、信号処理回路108を
備えている。信号処理回路108は、それら送信器10
4および受信器106に接続され、送信器104に入力
された電気信号と同じ信号と受信器106から出力され
た電気信号とから、波のうなりを利用することにより、
ドップラ周波数fd を持つ正弦波信号を合成する。この
信号処理回路108はさらに、その合成した信号の周波
数、すなわちドップラ周波数fd を測定して出力する。
【0069】前記車体上下運動状態推定装置102は、
それのコンピュータのROMに図17にフローチャート
で表されている車体上下運動状態推定ルーチンを予め記
憶されている。以下、本ルーチンの内容を説明するが、
まず、概略的に説明する。
【0070】良く知られているように、前記ドップラ周
波数fd ,車体前後速度V,車体上下速度U,送信周波
数f0 ,角度θおよび超音波の進行速度C(すなわち、
音速)の間には、次のドップラの式で表される関係が成
立する。
【0071】 fd =(2・f0 /C)・(V・cos θ−U・sin θ) ただし、この式においては、車体前後速度Vも車体上下
速度Uも超音波の進行速度Cに対してかなり小さいこと
に基づく近似が行われ、式が簡略化されている。
【0072】ここに車体前後速度Vは、前記真正車体前
後速度検出装置10により取得し得る。したがって、そ
の式における複数のパラメータのうち、ドップラ周波数
d,車体前後速度V,送信周波数f0 ,角度θおよび
進行速度Cについては取得可能であり、残るは車体上下
速度Uのみであるから、結局、それらドップラ周波数f
d 等が取得されれば、車体上下速度Uが取得されること
になる。本ルーチンにおいては、そのような事実を利用
することにより、車体上下速度Uが算出される。
【0073】次に、本ルーチンの内容を図17に基づい
て具体的に説明する。本ルーチンも一定時間ごとに実行
される。まず、S31において、真正車体前後速度検出
装置10から今回の検出車体前後速度V(i) が読み込ま
れ、それが今回の真正車体前後速度VTRUE(i) とさ
れる。次に、S32において、ドップラセンサ100か
ら今回のドップラ周波数fd が読み込まれる。その後、
S33において、上記ドップラの式に、今回の真正車体
前後速度V(i) を、ROMに予め記憶されている送信周
波数f0 ,超音波の進行速度Cおよび角度θと共に代入
することにより、今回の車体上下速度U(i) が算出され
る。続いて、S34において、その今回の車体上下速度
(i) が前記コントローラ16に対して出力される。以
上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0074】なお、本ルーチンは、平均車高HMEAN
(i) および検出車高H(i) については検出するように設
計されていないため、本実施例においては、コントロー
ラ16は車高制御は実行しない。
【0075】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ドップラセンサ100が請求項1の発明に
おける「車体前後速度関連信号出力装置1」の一態様を
構成し、真正車体前後速度検出装置10が請求項1の発
明における「真正車体前後速度取得手段2」の一態様を
構成し、車体上下運動状態推定装置102が請求項1の
発明における「車体上下運動状態推定装置3」の一態様
を構成している。
【0076】次に、請求項1の発明の第5の実施例につ
いて説明する。本実施例と先の第4の実施例との関係
は、先の第3の実施例と第1の実施例との関係と等し
い。すなわち、本実施例においては、真正車体前後速度
検出装置10により取得されていた車体前後速度Vをド
ップラセンサ100からのドップラ周波数fd に基づく
車体前後速度Vの平均値として取得し、これにより、真
正車体前後速度検出装置10が省略されている。
【0077】したがって、本実施例においては、図18
に示されているように、ドップラセンサ100,車体上
下運動状態推定装置120,コントローラ16およびア
クティブサスペンション18が設けられている。その車
体上下運動状態推定装置120のコンピュータのROM
に、図19にフローチャートで表されている車体上下運
動状態推定ルーチンが予め記憶されている。
【0078】本ルーチンも一定時間ごとに実行される。
各回の実行時には、まず、S41において、ドップラセ
ンサ100から今回のドップラ周波数fd (i) が読み込
まれ、続いて、S42において、過去の複数のドップラ
周波数fd (RAMに保存されている)と今回のドップ
ラ周波数fd (i) とから成る複数のドップラ周波数fd
の平均値が、今回の平均ドップラ周波数fd MEAN
(i) として算出される。その後、S43において、前記
ドップラの式において今回の車体上下速度U(i)が0で
あると仮定した場合の式、すなわち、 fd =(2・f0 /C)・V・cos θ なる式に、今回の平均ドップラ周波数fd MEAN(i)
を代入することにより、今回の真正車体前後速度VTR
UE(i) が算出される。
【0079】なお、本実施例におけるとは異なり、上記
式に各回のドップラ周波数fd (i)をそのまま代入する
ことによって各回の暫定的な車体前後速度V(i) を取得
し、それの過去複数回の平均値として各回の真正車体前
後速度VTRUE(i) を取得するようにして請求項1の
発明を実施することは可能である。
【0080】続いて、S44において、前述の、 fd =(2・f0 /C)・(V・cos θ−U・sin θ) なる式に、今回のドップラ周波数fd (i) と真正車体前
後速度VTRUE(i) とを代入することにより、今回の
車体上下速度U(i) が算出される。
【0081】その後、S45において、その算出された
今回の車体上下速度U(i) がコントローラ16に対して
出力される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了す
る。
【0082】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ドップラセンサ100が請求項1の発明に
おける「車体前後速度関連信号出力の一態様を構成し、
そのドップラセンサ100が車体上下運動状態推定装置
120のコンピュータのうち図19のS41〜43を実
行する部分と共同して、請求項1の発明における「真正
車体前後速度取得手段2」の一態様を構成し、車体上下
運動状態推定装置120が請求項1の発明における「車
体上下運動状態推定装置3」の一態様を構成している。
【0083】次に、請求項2の発明の一実施例について
説明する。本実施例においては、図20に示されている
ように、図18に示されている実施例に対して、さらに
ドップラセンサ140が設けられている。すなわち、2
個のドップラセンサ100,140,車体上下運動状態
推定装置150,コントローラ16およびアクティブサ
スペンション18を含む構成とされている。
【0084】新たなドップラセンサ140は、図21に
示されているように、ドップラセンサ100と同様に、
送信器152,受信器154および信号処理回路156
を含むように構成されているが、車体への取付方向が互
いに異なる。すなわち、それらドップラセンサ100,
140は車体に、ドップラセンサ100は車体前方向、
ドップラセンサ140は車体後方向を向き、かつ、互い
に等しい角度θで路面に斜めに対向する状態で取り付け
られている。
【0085】ドップラセンサ140については、ドップ
ラセンサ100とは異なり、車体後方向を向いているた
め、ドップラ周波数fd2,車体前後速度V,車体上下速
度U,送信周波数f0 ,角度θおよび超音波の進行速度
Cの間には、次のドップラの式で表される関係が成立す
る。 fd2=(2・f0 /C)・(−V・cos θ−U・sin
θ)
【0086】一方、ドップラセンサ100については、
前述のように、 fd1=(2・f0 /C)・(V・cos θ−U・sin θ) なる式で表される関係が成立する。それら2式において
は、車体前後速度Vに付される符号のみが互いに異なる
ため、それら2式の和を各辺ごとに求めれば、 fd1+fd2=−(4・f0 /C)・U・sin θ
【0087】となり、それら2式から、車体前後速度V
が消去されることになる。そこで、車体上下運動状態推
定装置150は、そのような事実に着目し、車体上下速
度Uを算出する。
【0088】車体上下運動状態推定装置150は、それ
のコンピュータのROMにおいて図22にフローチャー
トで表されている車体上下運動状態推定ルーチンを予め
記憶されており、本ルーチンがCPUにより実行される
ことにより、車体上下速度Uが算出される。
【0089】本ルーチンも一定時間ごとに実行される。
各回の実行時には、まず、S51において、ドップラセ
ンサ100から今回のドップラ周波数fd1が読み込ま
れ、次に、S52において、他方のドップラセンサ14
0から今回のドップラ周波数fd2が読み込まれる。続い
て、S53において、それらドップラ周波数fd1,fd2
を、ROMに予め記憶されている送信周波数f0 ,超音
波の進行速度Cおよび角度θと共に、上述の、 fd1+fd2=−(4・f0 /C)・U・sin θ なる式に代入することにより、今回の車体上下速度U
(i) が算出される。その後、S54において、その算出
された今回の車体上下速度U(i) が前記コントローラ1
6に対して出力される。以上で本ルーチンの一回の実行
が終了する。
【0090】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ドップラセンサ100および140が請求
項2の発明における「一対のドップラセンサ4,5」の
一態様を構成し、車体上下運動状態推定装置150が請
求項2の発明における「車体上下速度推定装置6」の一
態様を構成している。
【0091】なお、以上詳記した実施例はいずれも、本
発明をアクティブ式のサスペンション制御システムに適
用した場合の一例であったが、本発明は例えば、ストロ
ーク感応型減衰力可変式のセミアクティブ式のサスペン
ション制御システムに適用したり、カルノップ型減衰力
可変式のセミアクティブ式のサスペンション制御システ
ムに適用したりすることもできる。
【0092】以上、本発明のいくつかの実施例を図面に
基づいて詳細に説明したが、これらの他にも特許請求の
範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々
の変形,改良を施した態様で本発明を実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図2】請求項2の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図3】請求項1の発明の第1の実施例である車体上下
運動状態推定装置を含むアクティブ式のサスペンション
制御システムの構成を示す図である。
【図4】図3における真正車体前後速度検出装置の具体
的な構成を説明するための図である。
【図5】図3における空間フィルタ検出装置の具体的な
構成を説明するための図である。
【図6】図5の空間フィルタ検出装置の作動原理を説明
するための図である。
【図7】図3の車体上下運動状態推定装置のコンピュー
タにより実行される車体上下運動状態推定ルーチンを示
すフローチャートである。
【図8】図7の車体上下運動状態推定ルーチンにおいて
車体上下運動が検出される原理を説明するための実験デ
ータである。
【図9】図7の車体上下運動状態推定ルーチンにおける
検出車高Hと平均車高HMEANとの関係を説明するた
めのグラフである。
【図10】図3におけるアクティブサスペンションの具
体的な構成を説明するための図である。
【図11】請求項1の発明の第2の実施例である車体上
下運動状態推定装置を含むアクティブ式のサスペンショ
ン制御システムの構成を示す図である。
【図12】図11の車体上下運動状態推定装置のコンピ
ュータにより実行される車体上下運動状態推定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図13】請求項1の発明の第3の実施例である車体上
下運動状態推定装置を含むアクティブ式のサスペンショ
ン制御システムの構成を示す図である。
【図14】図13の車体上下運動状態推定装置のコンピ
ュータにより実行される車体上下運動状態推定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図15】請求項1の発明の第4の実施例である車体上
下運動状態推定装置を含むアクティブ式のサスペンショ
ン制御システムの構成を示す図である。
【図16】図15におけるドップラセンサの具体的な構
成を説明するための図である。
【図17】図15の車体上下運動状態推定装置のコンピ
ュータにより実行される車体上下運動状態推定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図18】請求項1の発明の第5の実施例である車体上
下運動状態推定装置を含むアクティブ式のサスペンショ
ン制御システムの構成を示す図である。
【図19】図18における2個のドップラセンサの具体
的な構成を説明するための図である。
【図20】図18の車体上下運動状態推定装置のコンピ
ュータにより実行される車体上下運動状態推定ルーチン
を示すフローチャートである。
【図21】請求項2の発明の一実施例である車体上下運
動状態推定装置を含むアクティブ式のサスペンション制
御システムの構成を示す図である。
【図22】図21の車体上下運動状態推定装置のコンピ
ュータにより実行される車体上下運動状態推定ルーチン
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 真正車体前後速度検出装置 12 空間フィルタ検出装置 14,90,96,102,120,150 車体上下
運動状態推定装置 16 コントローラ 18 アクティブサスペンション 100,140 ドップラセンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の路面に対する相対的な前後方向移
    動速度に関連した量の他に車体の上下運動に関連した量
    を含む車体前後速度関連信号を出力する車体前後速度関
    連信号出力装置と、 前記車体前後速度の真の値を取得する真正車体前後速度
    取得手段と、 前記車体前後速度関連信号と、前記真正車体前後速度取
    得手段により取得される車体前後速度の真の値とに基づ
    き、前記車体の上下運動の状態を推定する車体上下運動
    状態推定装置とを含むことを特徴とする車体上下運動状
    態検出装置。
  2. 【請求項2】 各々送信器と受信器とを有し、波のドッ
    プラ効果を利用することにより、車体の路面に対する相
    対的な前後方向移動速度を検出する一対のドップラセン
    サであって、それぞれが前記車体に、一方は車体前方
    向、他方は車体後方向を向き、かつ、互いに等しい角度
    で前記路面に斜めに対向する状態で取り付けられるもの
    と、 それら各ドップラセンサから出力されるドップラ周波数
    の和に基づき、前記車体の前記路面に対する相対的な上
    下方向移動速度を推定する車体上下速度推定装置とを含
    むことを特徴とする車体上下速度検出装置。
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