JPH06270016A - 過負荷トルクを警報するタップホルダー及び警報システム - Google Patents

過負荷トルクを警報するタップホルダー及び警報システム

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Publication number
JPH06270016A
JPH06270016A JP6668693A JP6668693A JPH06270016A JP H06270016 A JPH06270016 A JP H06270016A JP 6668693 A JP6668693 A JP 6668693A JP 6668693 A JP6668693 A JP 6668693A JP H06270016 A JPH06270016 A JP H06270016A
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JP
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tap
torque
holder
collet
tap holder
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JP6668693A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Goto
佳昭 後藤
Koji Otsuki
浩司 大槻
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KATO KOKI KK
Original Assignee
KATO KOKI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タップにかかる過負荷トルクを検出して、無
線で警報する。 【構成】 タップコレット47はタップホルダー本体2
3の下端に取外し可能に装着されている。タップ70に
過負荷トルクがかかると、トルク伝達ボール36がタッ
プコレット47の軸心方向に移動して、摺動子39を図
示下方に移動させる。この移動をタップホルダー本体2
3に内蔵したマイクロスイッチ30が検出する。マイク
ロスイッチ30が作動すると、電池64から無線送信器
55の電気回路52へ電力が給電され、FM電波をアン
テナ54から放射する。電波は受信器73で受信解読さ
れ、工作機械74の主軸を止める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は過負荷トルクを警報する
タップホルダーと、このタップホルダーを用いてタップ
の過負荷トルクに応じて工作機械を制御する警報システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】FA(ファクトリー・オートメーション
/工場の自由化・機械化)に必要な監視情報機能の一つ
として、加工監視があげられており、加工を監視する情
報機能としては、工具摩耗検知、工具欠陥検知、工具寿
命管理の加工プロセス監視と、加工精度監視などがあ
る。
【0003】工具摩耗、工具欠損の検知は、切削時の異
常を検出してその検出した情報から判断する間接検知
と、工具の摩耗・欠損状態を直接検知する方法がある。
間接検知法は、切削中にも工具の状態を監視できる。切
削力による間接検知法では、加工中の切削抵抗の検出や
切削速度、材質の変化などによる駆動モータの電流値を
検出し、正常時の状態と比較して判断する。又、音によ
る検出はアコースティック・エミッション・センサが周
知である。そして、仕上面粗さによる方法は、工具欠損
により仕上面が悪くなるのを利用していて、被切削材表
面の光の反射量を測定する。しかし、被削材の切くず、
切削油などがあり、実用化には多くの問題がある(19
89年工業資料センター発行、センサ応用技術便覧、3
65頁参照)。
【0004】直接検知法は、工具の摩耗、欠損状態を直
接検知する。非接触式の光学系による検出方法は、工具
刃先の切くずや切削油などの付着物を除去する処理を完
全に行なわないと正確な検出ができない。接触式で、工
具寸法を検出するのがあり、刃具台あるいは主軸が安定
位置に戻った時に、工具の刃先位置が使用前の状態と比
較してどれだけ変化しているかを接触式で測定して判断
している(前記文献による)。
【0005】又、工具寿命を検知することは実用化され
ていないが、通常は実切削時間を計数して、あらかじめ
決めた工具寿命と比較して警報表示する方法がある。加
工精度監視は、加工工程における加工物の状態を監視
し、不良品が生産されることを防止すると同時に、総合
的な情報処理と判断をするために必要とされている。
【0006】この加工精度監視を行なうための計測は、
生産システムのオンライン監視であって、加工中、加工
直後および加工後の完成品計測が考えられ、前記文献、
センサ応用技術便覧366頁に詳しく記載されている。
【0007】ところが、前記従来技術では、タッピング
加工時の過負荷トルクに対する安全機能として実用化さ
れているのはない。下穴にめねじをタップで加工するタ
ッピングでは、タップの切れが悪くなったり、切損した
りすると、被加工品である製品そのものが不良品となる
ため、それ以前に検知する必要がある。しかも、通常タ
ッピングは最終加工段階又は最終加工段階に近い工程で
行なわれるため、この段階でタップの不良に基因したこ
とで製品(被加工品)そのものが不良になるということ
は、FA化の促進を阻害する要因となる。このように、
一般にタップ作業は最終加工段階で行われ、タップの折
損は、不良となった被加工品だけでなく、この被加工品
に負荷した作業費全体の損失を招くので、これを防止す
ることは加工現場から強く求められている要件である。
【0008】そこで、タップの負荷トルクを検出して、
一定以上の過負荷トルクがかかると、工作機械の主軸が
回転していてもタップの回転を停止させる安全機構を備
えたタップホルダーが提案されて、広く実用に供されて
いる。このタップホルダーは、実公昭54−1091号
公報として公知である。
【0009】このタップホルダーの安全機構を図17〜
図22によって以下説明する。1は上端にシャンク2を
有し、下端が開口する円筒状の本体で、この本体1の円
筒部には、円周を4等分して、4個の球座用凹所3が設
けてある。
【0010】4はタップコレット本体で、全体がほぼ円
筒状で、上部が前記本体1内に回動可能に嵌挿され、下
端にはタップを装着する。このタップコレット本体4の
円筒部には前記本体1の凹所3と対応する位置に貫通孔
5が放射状にタップコレット本体4の半径方向に向けて
穿設されている。
【0011】6は本体1の回転をタップコレット本体4
に伝達するためのトルク伝達ボールで、このボール6は
タップコレット本体4の壁厚よりも大きな直径を有し、
貫通孔5に遊嵌されている。そして、このボール6の一
部は貫通孔5から突出している。
【0012】7はタップコレット本体4内に遊嵌された
摺動子で、その下端に頭部9を有し、頭部9につながる
ロッド8を有する。頭部9はその上面にテーパが形成さ
れ、ロッド8には上端にねじが刻設されている。
【0013】10はロッド8に遊嵌され、下端に前記頭
部9のテーパに対向するテーパを形成した環状の圧子
で、圧縮ばね(以下トルクばねと言う)12により下方
の頭部9側へ付勢されている。
【0014】トルクばね12はロッド8に嵌められ、そ
の下端は圧子10に、上端はロッド8の上端のねじに螺
合するナット状の止め具11の下に配設した座金15に
当接している。
【0015】トルク伝達ボール6は、前記摺動子7の頭
部9のテーパと、圧子10のテーパとの両テーパ間に押
圧挾持されて、タップコレット本体4の貫通孔5内で、
タップコレット本体4の半径方向外方に付勢され、本体
1の凹所3内にその一部が嵌入する(図17,図18,
図22)。
【0016】この状態では、本体1の軸線まわりの回転
が、本体1と同軸のタップコレット本体4に4個のトル
ク伝達ボール6を介して伝達される。13は本体1から
タップコレット本体4が抜け出さないようにするための
止め輪、14はタップである。
【0017】この安全機構は次のように働らく。シャン
ク2を図示されてない工作機械の主軸に嵌装して、タッ
プコレット本体4の下端にタップ14を取付け、主軸の
回転で本体1を正転させると共に主軸を下方に送ると、
トルク伝達ボール6を介してタップコレット本体4に回
転が伝えられ、タップ14でタッピング加工が行なわれ
る。
【0018】加工作業中に、タップ14に過負荷トルク
がかかり、そのトルクが、トルクばね12で設定された
設定トルクを越えると、トルク伝達ボール6は、頭部9
と圧子10の各テーパ部分を押して内方(摺動子7の軸
心方向)に移動して、凹所3から抜け出す(図19,図
20)。
【0019】この状態では、タップコレット本体4へ本
体1の回転が伝達されなくなって、タップコレット本体
4の回転が停止する。又、摺動子7はタップコレット本
体4やトルク伝達ボール6に対し、相対的に下方に移動
する。そして、圧子10は逆に相対的に上方へ移動する
(図19)。
【0020】こうして、タッピング加工時の過負荷に対
応して、タップコレット本体の回転が停止し、駆動側の
本体1が空転する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術では、
過負荷時に主軸を空転させて、タップコレット本体の回
転を停止させるまでである。そして、上述のように安全
装置が作動して、タップの回転が止まり、タップが進ま
なくなっても、工作機械側の送りは止まることなく加工
を続けようとする。そのため、送りが続くとタップが折
損し、加工物が不良となる。従って、工作機械のNC化
やFAに対応するには不満足である。
【0022】そこで本発明は、過負荷トルクを検知して
外部に警報できるタップホルダーと、このタップホルダ
ーを使用した警報システムを提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、第1の発明のタップホルダーは、タップ(70)の
過負荷トルクにより作動する摺動子(39)を有するタ
ップコレット(47)を先端に着脱可能で、かつその基
端に工作機械の主軸に嵌着するシャンク(22)を備え
たタップホルダーであって、前記摺動子(39)の作動
を検出して電気信号を出す検出器(30)と、この検出
器(30)の信号で起動して警報信号を出力する無線送
信器(55)と、この無線送信器(55)に給電する電
池(64)とを内蔵した。
【0024】第2の発明は、上記第1の発明のタップホ
ルダーと、このタップホルダーに着脱可能な次のタップ
コレット(47)との組合せからなる。タップコレット
(47)は、テーパ部を有する摺動子(39)と、この
摺動子(39)のテーパ部に対向するテーパ部を有する
圧子(40)と、これら両テーパ部で押圧挾持されるト
ルク伝達ボール(36)と、圧子(40)を摺動子(3
9)側へ付勢してトルク伝達ボール(36)を押圧挾持
する力を設定するトルクばね(41)を有し、このトル
クばね(41)で設定される一定のトルクを越える過負
荷ではトルク伝達ボール(36)がトルクばね(41)
に抗して摺動子(39)を移動させると共にタップホル
ダー本体(23)からタップコレット本体(34)への
回転の伝達を止める安全機構を備えている。
【0025】第3の発明は、第1の発明のタップホルダ
ーと、このタップホルダーからの警報信号を受信する受
信器(73)とからなる警報システムである。
【0026】
【作用】工作機械の主軸にシャンクを嵌着してタップホ
ルダーを取付け、タップホルダーの先端(タップホルダ
ー本体の先端)にタップコレット(47)を装着すると
ともに、このタップコレット(47)にタップ(70)
を取付ける。
【0027】タップ(70)が被加工物(工作物)の下
穴に臨んだ状態で主軸が正回転され、軸方向に送りが与
えられると、正回転はシャンク(22)、タップホルダ
ーのタップホルダー本体(23)、トルク伝達ボール
(36)、タップコレット本体(34)へと伝達されて
タップコレット(47)全体を正回転させる。タップは
タップコレット(47)とともに正回転する。そして軸
方向の送りによって下穴にタッピングする。
【0028】こうして正常切削がされる。タップが切れ
なくなって、トルクばね(41)で設定された一定のト
ルクを越える過負荷トルクがタップにかかると、この過
負荷トルクによる停止トルクがタップとコレット本体
(23)にかかり、両者を止める。
【0029】するとトルク伝達ボール(36)がタップ
ホルダー本体の正回転をタップコレット本体に伝えられ
なくなり、トルクばね(41)に抗して摺動子(39)
を移動させて安全機構を作動させる。
【0030】検出器(30)は摺動子の作動を検出して
電気信号を出し、この信号で無線送信器(55)が起動
して、警報信号を出力する。無線送信器(55)の作動
電力は電池(46)から供給される。
【0031】無線送信器(55)の警報信号は受信器
(73)で受信され、警報を出したり、必要に応じて工
作機械(74)のNC装置などの制御に使用される。
【0032】
【実施例】図1は本発明のタップホルダーの実施例で、
上部基端にシャンク22を有する外套体21を備え、シ
ャンク22は、タップホルダーを使用するときに、図示
されてない工作機械の主軸のテーパ穴に嵌着される。
【0033】外套体21は全体がほぼ円筒形に形成さ
れ、その下端部にはタップホルダー本体23が嵌入され
ている。タップホルダー本体23は全体が円筒形に形成
され、その上部外周には軸線方向(母線方向)に長い長
溝24が円周を3等分して3箇所に刻設されている(図
1,図2)。
【0034】外套体21の下部には、長溝24に対向す
るように、外套体21の円周を3等分する位置に、外套
体21の半径方向に貫通する保持孔25が合計3個明け
られ、この保持孔25にそれぞれ係合ボール26が緩く
嵌入されている。係合ボール26の直径は保持孔25を
明けた外套体21の外壁の厚みより大きく定められ、こ
の外壁の外周に密着する環状のカバー21Aを図示のよ
うに嵌合することで、係合ボール26の一部は長溝24
に嵌入係合する。21Bはカバー21Aが外れないよう
に外套体21の外周の溝に嵌入した止め環である。
【0035】こうして、係合ボール26を介してタップ
ホルダー本体23が外套体21に連結されている。その
ため、タップホルダー本体23は、図1に示す位置から
軸線方向上方へほぼ長溝24の長さだけ外套体21に対
して相対的に移動可能であるが、互に回動できないよう
になっている。
【0036】27は緩衝ばねで、タップホルダー本体2
3を外套体21に対して相対的に下方へ付勢するコイル
状の圧縮スプリングで構成されている。28は緩衝ばね
27の上端を受けるばね受け、29は緩衝ばね27の下
端とタップホルダー本体23の上端との間にその外周を
保持した検出器ブラケットで、その上部開口部に鍔状部
分を備えた有底円筒形に形成されている。
【0037】そして、鍔状部分が、上述のように緩衝ば
ね27とタップホルダー本体23との間に挾まれて保持
されている。検出器ブラケット29の底部には、マイク
ロスイッチからなる検出器30が二つの調節ナット3
1,32で装着されている。
【0038】33は調節ナット31と検出器ブラケット
29との間に介装した座金である。検出器30はこうし
て検出器ブラケット29に対して、上下方向にその位置
を調節できる。30Aは検出器30のマイクロスイッチ
のアクチュエータを覆って防水を図るためのゴムのカバ
ーである。
【0039】34は、タップコレット本体で、全体とし
てほぼ円筒形で、その上部外周に断面が円形の一部をな
す環状溝34Aを有している。タップコレット本体34
の中間部には、その円筒形部分を半径方向に貫通する貫
通孔35が、円周を4等分して4個明けてある。
【0040】36はこれら4個の貫通孔35にそれぞれ
緩く嵌入したトルク伝達ボールで、貫通孔35を明けた
部分のタップコレット本体34の壁の厚みより大きな直
径に定められている。
【0041】37は環状のトルク伝達環で、タップコレ
ット本体34に回動可能に嵌合し、貫通孔35と対向す
る位置にトルク伝達ボール36の直径より小さい径のト
ルク伝達孔37Aが放射状に明けてある。トルク伝達環
37は、周方向2箇所に、上方に突出する四角の爪37
Bを有し、この爪37Bに対向して設けたタップコレッ
ト本体34の下端部に設けた2個の凹部に爪37Bが嵌
入することで、タップホルダー本体23と一体的にトル
ク伝達環37が回動する。
【0042】38はトルク伝達環37の外周に嵌着した
環状のカバーである。39は下部の頭部39Aと、上部
にねじを刻設したロッド39Bとからなる摺動子で、頭
部39Aの上部にテーパ部を備えている。そして、この
摺動子39は上下方向に摺動可能にタップコレット本体
34の内側に嵌入されている。
【0043】40は摺動子39のロッド39Bに遊嵌さ
れた環状の圧子で、その下端には頭部39Aの前記テー
パ部と対向するテーパ部が形成されている。41は圧縮
コイルスプリングで構成されたトルクばねで、ロッド3
9Bに緩く嵌装されるとともに、ロッド39Bの上部の
ねじに螺着したナット42及びその下に嵌めた座金と、
圧子40との間に装着されて、圧子40を頭部39A側
(図示下方)へ付勢する。43はロッド39Bの上端部
に嵌着した止め環である。
【0044】摺動子39の頭部と圧子40とに設けた両
テーパ部は、図示のようにトルク伝達ボール36の内側
(タップコレット本体34の内側方向)を上下から押圧
挾持し、トルク伝達ボール36をタップコレット本体3
4の外方半径方向へ押す。そして、トルク伝達ボール3
6はトルク伝達環37のトルク伝達孔37Aの内側のか
どに押し付けられる(図1,図3)。
【0045】34Bはタップコレット本体34の下部内
周に設けた斜めの環状溝、44はタップコレット本体3
4の嵌入したタップ保持補助部材、45はこの補助部材
44に明けた孔に嵌入した保持ボール、46は補助部材
44を下方に付勢するようにタップコレット本体34の
下部に嵌装した保持ばねで、圧縮コイルスプリングで構
成されており、これら符号44〜46で示す部材は周知
である。
【0046】上記の、符号34〜46で示す部材で、タ
ップコレット47が構成されている。タップ・コレット
47はタップホルダー本体23の下端に着脱可能であ
る。このタップコレット47は、その本体34をタップ
ホルダー本体23に嵌入し、タップホルダー本体23
に、円周を3等分する位置に明けた3個の保持孔23A
に係合ボール48をそれぞれ嵌入して、係合ボール48
を部分的に前記環状溝34Aに係合させ、環状のカバー
49をタップホルダー本体23の外周に嵌合して係合ボ
ール48がタップホルダー本体23の外周から突出しな
いようにすることでタップホルダー本体23に装着され
る(図1,図4参照)。
【0047】このとき、前述のように、トルク伝達環3
7の爪37Bがタップホルダー本体23の下端の凹部に
嵌入する(図1)。なお、実際には、タップコレット4
7をタップホルダー本体23に装着する以前に、係合ボ
ール48、圧縮ばね50、カバー49及び止め環51が
図1,図4のようなタップホルダー本体23に取付けて
おくものである。
【0048】カバー49とタップホルダー本体23との
間には圧縮ばね50が介装されて、カバー39を下方に
付勢する。51はカバー49がタップホルダー本体から
外れないように設けた止め環である。
【0049】又、カバー49には、その内周に環状溝4
9Aが設けられている。この環状溝49Aは、カバー4
9を図1の位置から圧縮ばね50に抗して上方に動かし
て環状溝49Aを係合ボール48に対向させることで、
係合ボール48を環状溝49Aに逃がし、環状溝34A
から外してタップコレット47をタップホルダー本体2
3から外すときに役立つ。
【0050】前記三つの保持孔23Aは、図4に示すよ
うに、タップホルダー本体23に放射状にあけてある
が、タップホルダー本体23を形成するその円筒壁の内
周に近ずく程縮径するテーパ状にあけてある。こうする
ことで、タップコレット47をタップホルダー本体23
から取り外したときに係合ボール48が保持孔23Aか
らタップホルダー本体23の内側へこぼれ落ちないよう
に保持孔23Aが作用する。
【0051】又、23Bはタップホルダー本体23の内
側に遊嵌した環状の押出用部材で、圧縮ばね23Cで下
方に付勢されている。23Dは押出用部材が下方に抜け
落ちないようにする止め輪である。
【0052】図1のように、装着されたタップコレット
47を外すには、カバー49を圧縮ばね50に抗して上
方に移動させ、環状溝49Aを係合ボール48に臨ませ
ると、係合ボール48が環状溝34Aから脱出して環状
溝49A内へと逃げる。このように係合ボール48が逃
げるのは、圧縮ばね23Cが押出用部材23Bを介して
タップコレット本体34を下方に押しているからで、係
合ボールが逃げると、続けて圧縮ばね23Cの力でタッ
プコレット本体34が更に下方に押出される。こうし
て、タップコレット47をタップホルダー本体23から
容易に外すことができる。
【0053】タップコレット47をタップホルダー本体
23に装着するには、この状態から、タップコレット4
7を上方へ押し込むだけでよいことは図1から理解でき
るであろう。
【0054】図3(b)はタップコレット47だけの縦
断面図で、タップホルダー本体23から、タップコレッ
ト47を外した状態を示す。52は電気回路で、この電
気回路52と、外套体21に嵌合した環状のアンテナカ
バー53の内側の溝に巻き付けたアンテナ54とでVH
F帯のFM電波を発信する無線送信器55を構成してい
る。
【0055】54Aはアンテナ54の電気回路52から
の引出し部である。又、56,57は外套体21の外周
溝に設けたOリングで、アンテナカバー53に冷却水な
どが入るのを防止する。アンテナカバー53はプラスチ
ックで作られる。
【0056】58は検出器30と電気回路52を接続す
るコード、59は外套体21の内側に取付けた回路保護
キャップで、コード58はこの保護キャップ59の中央
に明けた孔を通して配線される。60は防水用のOリン
グである。
【0057】61はスポンジのような緩衝部材で、電気
回路52を振動・衝撃から防止するようにして、外套体
21の内側に装着する。62は筒形のバッテリケースで
プラスチックで構成され、シャンク22の内側に嵌装さ
れる。63はバッテリケース62が回らないようにする
回り止めである。64はバッテリケース62に収納した
電池、65は電池64のプラス電極を電気回路52に接
続するバッテリ緩衝ばね、66はバッテリキャップで電
池64のマイナス電極に接続される。
【0058】67はバッテリキャップ66に電気的に接
触する接触ボールで、止めねじ68でバッテリキャップ
66に押し付けられている。69は接触ボール67と電
気回路52とを接続するマイナス側接続電線である。
【0059】なお電気回路のマイナス側は外套体21に
接続されている。上述の構成のタップホルダーは、タッ
プコレット47の下端部にタップ70を取付け、シャン
ク22を図示されてない工作機械の主軸のテーパ穴に嵌
着して、駆動回転させる(図5)。
【0060】タップ70が被加工物(工作物)71の下
穴72に臨んだ状態で主軸が正回転され、軸方向に送り
が与えられると、正回転はシャンク22、外套体21、
係合ボール26、タップホルダー本体23、トルク伝達
ボール36、タップコレット本体34を介してタップ7
0に伝達され、軸方向の送りによって下穴72にタッピ
ングされる。
【0061】こうして図5に示すように正常切削がされ
る。このタップが切れなくなって、トルクばね41で設
定された一定のトルクを越えるトルクがタップ70にか
かると、タップ70とタップコレット本体34がこの過
負荷トルクによる停止トルクを受け、そのために、4個
のトルク伝達ボール36がトルク伝達環37のトルク伝
達孔37Aから出て、摺動子39の軸心方向へ移動する
力を生じる。
【0062】すると、このトルク伝達ボール36の軸心
方向への力が、摺動子39の頭部39Aのテーパ部と圧
子40のテーパ部とにかかり、トルクばね41に抗して
摺動子39を下方へ、圧子40を上方へ相対的に移動さ
せる(図6)。タップホルダー本体23は空転を始め
る。つまり安全機構が働らく。
【0063】すると、この摺動子39の下方への移動
に、摺動子39のロッド上端に当接している検出器30
のアクチュエータが応動して、検出器30のマイクロス
イッチが作動し、電気回路52へ信号を伝える。
【0064】そこで送信器55がVHF帯のFM電波を
送信し、タップの過負荷トルクを警報する。この警報信
号の電波は、工作機械に取付けられた受信器73に受信
される。受信器73はこの警報信号を受信すると、工作
機械74に制御信号を送り、主軸の送りと回転とをタッ
プ折損前に止める。タップホルダー本体23が空転し始
めて止まるまでに緩衝ばね27が圧縮されて縮むが、そ
の縮みはわずかですむため、タップ折損が防止される。
【0065】主軸を逆転させるとともに、軸方向逆に送
り引き上げると、タップ70が逆転し、上昇する。こう
してタップは加工物から抜き取られる。この抜き取り時
の状態を図7に示す。
【0066】図8はタッピング加工終了時の状態を示
し、主軸は停止している。受信機からの制御信号を積極
的に有効利用して、機械を停止させた後、退避プログラ
ムを作動させることにより、タップを加工物(ワーク)
から抜きとり、予備のタップホルダーと交換することも
可能である。
【0067】図9は上記実施例に使う電気系統のブロッ
ク図で、30と64及び52は前記検出器と電池及び電
気回路、54はアンテナである。75は後述するエンコ
ーダICである。76は電圧監視回路で、常時電池64
の電圧を監視していて、その電圧が一定値以下になる
と、電池がなくなりかけているという電池電圧低下信号
をエンコーダIC75へ送出する。
【0068】77はIDスイッチで、タップホルダーの
ID(識別番号)をセットしておくと、そのIDをエン
コーダICに入力する。78はクリスタル制御のFM発
信回路で、エンコーダIC75のData Out(ピ
ン15)からのシリアル・パルス列を変調信号として変
調したFM・VHF電波をアンテナを介して空中へ放射
する。
【0069】79はタイマ回路で、検出器30がタップ
の過負荷で作動する摺動子39の動きを検出した都度、
検出器30の信号で起動して一定時間の間エンコーダI
C75とFM発信回路78に作動電力を給電する。
【0070】80はタイマ回路79の出力で起動して、
短時間アクティブ“L”のワンショットパルスを発生す
るワンショット・マルチバイブレータである。図10は
図9のブロック図の電気回路の一例であり、エンコーダ
IC75はモトローラ社製の周知のMC145026を
用いている。このエンコーダICの内部ブロックを図1
1に示すが、その詳細は周知なので説明は略す。
【0071】このエンコーダICは、トリナリ(ロー,
ハイ,オープン)5ビットのアドレスコード設定用の入
力端子A1 〜A5 、バイナリ4ビットのデータ入力端子
6〜D9 をもつリモート・コントロールのインターフ
ェース用エンコーダICである。システムクロックの発
振器はRTC,CTC,RS ピンに接続する2本の抵抗と1
本のコンデンサで構成する。実施例ではこのシステムク
ロックの発振周波数を4.2KHzに設定している。
【0072】TEバー・ピンにワンショット・マルチバ
イブレータ80からのアクティブ“L”の信号を与える
ことで、動作を開始する。なお、図10の実施例では、
アドレスコード設定用の入力端子A1 〜A5 には、それ
ぞれ、ロー,ハイの切替ができるアドレスコード設定用
のスイッチS1 〜S5 が接続されている。そして、これ
らのスイッチS1 〜S5 のグループからなるIDスイッ
チを符号77で示す。
【0073】このIDスイッチ77は、前記タップホル
ダーの箇別番号(認識番号)をエンコーダICに入力す
るもので、一般にタップホルダー毎に異なる設定がされ
る。タイマ回路79とワンショット・マルタバイブレー
タ80は東芝製のCMOSデュアル・モノステーブル・
マルチバイブレータ4538Bを用いている。そして、
タイマ回路79は、検出器30のマイクロスイッチが摺
動子39の作動を検出して閉じると、約1秒間だけエン
コーダIC75とFM発振回路78に電力を供給する。
又、ワンショット・マルチバイブレータ80は、タイマ
回路79の出力から少し遅れてアクティブ“L”のワン
ショットパルス信号を発生し、エンコーダIC75のT
Eバー・ピン(14ピン)にこのパルス信号を与えるこ
とで、エンコーダICの動作を開始させる。
【0074】エンコーダICは、動作を開始すると、ア
ドレスコード、データの合計9ビットのエンコードされ
たシリアル・パルス列をData Out(ピン15)
に出力する。実施例では、エンコーダICのデータ4ビ
ットのうち、D6 〜D7 はローに、D8 はハイに、D9
は電圧監視回路76の出力に接続されている。従ってD
9 ピンは、電池64の電圧が前記一定以下になると出力
されインバータで反転されてハイになる。
【0075】エンコーダIC75は、入力端子A1 〜A
5 とD6 〜D9 の各端子の電圧がハイのときは、幅の広
い二つの連続したパルスを、ローのときは幅の短かい二
つの連続したパルスを出力する。
【0076】そして、入力端子A1 〜A5 ,D6 〜D9
のロー又はハイに対応する第1ビットから第9ビットま
での第1ワードと、その繰返しの第2ワードなどのシリ
アル・パルス列を出力する(図12)。そして、TEバ
ー・ピン(ピン14)がアクティブ“L”の間継続して
繰返す。
【0077】電圧監視回路76は周知の集積回路S−8
054ALRを用いている。エンコーダIC75を使う
のに、ここではアドレス・コードをIDコードに、デー
タをチャンネルとして用い、かつ、そのうちD9 端子を
前述のように電池電圧の警報に用いる。Data Ou
t(ピン15)に出てくるシリアル・パルス列を変調信
号としてFM発信回路78の変調入力端子に入れると、
このシリアル・パルス列でFSK変調されたVHF電波
がアンテナ54から空中に放射される。
【0078】こうして、タップコレット47がタップの
過負荷トルクを検出して、その安全機構が作動すると、
検出器30がその作動を検出し、タップホルダーに対応
したIDコードを含んだFSK変調のVHF電波がアン
テナ54から放射される。
【0079】このVHF電波は、図13,図14の受信
器73で受信される。受信器73は、工作機械74に取
付けられている。図13は受信器73のブロック図で、
81はアンテナ、82は検波回路82aを有するFM受
信回路、83はデコーダICで図14の内部ブロックに
示すモトローラ社製の周知のデコーダIC MC145
027を用いている。このデコーダIC MC1450
27は前述のエンコーダIC MC145026と対で
用いるように市販されているもので、その詳細はエンコ
ーダIC MC145026と共に周知であるので詳細
説明は省略する。
【0080】84はアドレス・コードを設定するIDス
イッチで、前記無線送信器55のIDスイッチ77と同
じに設定する。送信器55から送られてきたアドレス・
コード(IDコード)と、IDスイッチ84で設定した
アドレス・コード(IDコード)が一致するとデコーダ
IC83のVTピン(ピン11)に一致信号が出力され
る。
【0081】シリアル・パルス列が入っても、アドレス
・コード(IDコード)が一致しなくなると出力はなく
なる。85は遅延積分回路で、デコーダIC83の一致
信号が一定時間以上続いているときにだけ出力するよう
にして、雑音などによる誤動作を防止する。デコーダI
C83は、一致信号を出力すると同時に、4ビットのデ
ータ・コードに該当する信号を出力する。
【0082】86は判別回路で、遅延積分回路85の出
力と、デコーダIC83のデータ・コードに該当する出
力信号のANDをとって、出力回路87とバッテリアラ
ーム88とへ信号を出す判別回路である。
【0083】なお、図14で、デコーダICは、システ
ムクロックとして、パルス分離用の抵抗R1 、コンデン
サC1 、デッド・タイム分離用の抵抗R2 ,コンデンサ
2で構成する。又、データ信号はラッチされてD6
9 ピンに出てくる。
【0084】図15は受信器73の電気回路である。ア
ンテ81で受信されたVHF電波は、FM受信回路82
で、高周波増幅、混合、中間周波増幅、検波(複調)さ
れて、シリアル・パルス列としてエンコーダIC83の
Data In(ピン9)へ入力される。
【0085】そして、入力されたシリアル・パルス列の
アドレス・コード(IDコード)がIDスイッチ84で
設定したアドレス・コード(IDコード)と一致する
と、VTピン(ピン11)に一致信号が出力される。こ
の一致信号が一定時間以上継続すると、遅延積分回路8
5の出力が判別回路86の4つのANDゲートに入力さ
れる。これら4つのANDゲートの他の各入力には、デ
コーダIC83のデータ・コードに該当する出力D6
9 の出力信号が入力される。出力D9 は、タップホル
ダーの電池64の電圧信号であって、電池64が一定以
下の電圧になると、デコーダIC83の出力ピンD
9 (ピン12)がハイとなる。
【0086】前記図10で、送信器55の電気回路52
では、エンコーダICのデータ4ビットのうち、D6
7 はローに、D8 はハイに、D9 は電圧監視回路74
の出力に接続されているため、デコーダIC83のデー
タ・コードに該当する出力D 6 (ピン15)、D7 (ピ
ン14)の出力はローになる。又、出力D8 (ピン1
3)はハイに、D9 (ピン12)は電池64の電圧が正
常な間はローに、一定値以下に低下するとハイとなる。
【0087】出力D9 (ピン12)の信号は、遅延積分
回路85の出力とともに判別回路86の1つのANDゲ
ートに入力され、このANDゲートの出力は選択スイッ
チ86aを介して、バッテリ・アラーム88のトランジ
スタ89のゲートに入力される。トランジスタ89のコ
レクタ回路には自己保持リレー90の作動コイル90a
が接続されている。90bはこのリレーの復帰コイル、
90cはメーク接点、91はリセット用押ボタンスイッ
チである。
【0088】出力D8 (ピン13)の信号は、遅延積分
回路85の出力とともに判別回路86の他の1つのAN
Dゲートに入力され、このANDゲートの出力は選択ス
イッチ86aを介して、出力回路87のトランジスタ9
2のゲートへ入力される。トランジスタ92のコレクタ
回路には自己保持リレー93の作動コイルが接続されて
いる。自己保持リレー93の復帰コイルとメーク接点
は、前記リレー90と同様の構成で、復帰コイルには直
列にリセット用押ボタンスイッチ94が接続されてい
る。
【0089】同様に、出力D7 (ピン14)と出力D6
(ピン15)の信号はそれぞれ、遅延積分回路85の出
力とともに、判別回路86の各ANDゲートに入力さ
れ、これらのANDゲートの出力は、それぞれ選択スイ
ッチ86aを介して、図示のように、出力回路87のト
ランジスタ95と98の各ゲートに入力される。
【0090】トランジスタ95,98のコレクタ回路に
は、前記トランジスタ92の場合と同様にリレー96,
99の作動コイルが接続され、リレー96,99の復帰
コイルにはそれぞれリセット用押ボタンスイッチ97,
100が直列に接続されている。
【0091】なお、出力D7 (ピン14)とD6 (ピン
15)は、エンコーダIC75の該当するデータ・コー
ドがローのため、選択スイッチ86aの対応する接点は
開いてあって、やはり、対応するトランジスタ95,9
8と、自己保持リレー96,99は作動しないようにし
てある。
【0092】今、前記タップコレット47が、タップ7
0の過負荷により、安全機構を働らかせると、摺動子3
9が作動して、検出器30が無線送信器55を起動さ
せ、IDスイッチ77で設定したアドレス・コードと、
エンコーダIC75のデータ・コードからなるシリアル
・パルス列がFSK・VHS電波として送信される。
【0093】これを受信して、FM受信回路82は、シ
リアル・パルス列をデコーダIC83へ出力する。デコ
ーダIC83は、VTピン(ピン11)に一致信号を出
力し、これが、遅延積分回路85から出力され、更に、
デコーダIC83の出力D8(ピン13)がハイとなる
ため、出力回路87のトランジスタ92が導通し、自己
保持リレー93が作動して自己保持する。こうして、リ
レー93のメーク接点93cが閉じ、外部のNC装置な
どへ制御信号を出す。又、制御信号を積極的に有効利用
して、機械を停止させたあと、退避プログラムを作動さ
せることにより、タップを加工物(ワーク)から抜きと
り、予備のタップをつけたタップホルダーと交換するこ
とも可能である。
【0094】なお、タップコレットの安全機構が作動し
て、検出器30が摺動子39の作動を検出したときに、
電池64の電圧が一定値以下に低下していると、電圧監
視回路76が、エンコーダIC75のD9 (ピン10)
をハイにするため、受信器73のデコーダIC83のD
9 (ピン12)がハイとなり、トランジスタ89が導通
する。すると自己保持リレー90が作動して、メーク接
点90cが閉じ、電池電圧低下の警報信号を出力する。
【0095】このように、電池64の電圧が低下する
と、無線送信器55に給電する電池の電力が残り少なく
なるので、電池64を新品と交換する。受信器73の出
力回路87や、バッテリアラーム88が作動すると、そ
れらの自己保持状態を継続するが、タップコレットを取
付けたタップホルダーの交換や、電池交換などの処置が
すんだあとでは、それぞれのリセット用押ボタンスイッ
チを一時的に押すことで、自己保持リレーを復帰(リセ
ット)することができる。
【0096】図16は、本発明の他の実施例で、前記実
施例のような緩衝コイル27を外套体21とタップホル
ダー本体23との間に備えていないタイプのタップホル
ダー、いわゆるリジット・ホルダーに本発明を適用した
実施例である。
【0097】この実施例では、タップホルダー本体23
は、その上部が外套体21の下端に挿入され、ピン26
Aで固着される。検出器ブラケット29の鍔状部分は、
回路保護キャップ59とタップホルダー本体23との間
に挾持される。
【0098】タップコレット47をタップホルダー本体
23の先端(図示下端)に着脱可能なことは、図1で説
明した前記実施例と同じである。このように、図16の
実施例は、図1の実施例とわずかに異なるだけであるの
で、これ以上の説明は省略する。
【0099】なお、図16の実施例から容易に理解でき
ることであるが、タップホルダー本体23と外套体21
を1つの部品で構成し、その内部に電気回路52や、電
池64を配設してもよい。こうすると、ピン26A、止
め輪21B及びカバー21Aなどの部品が不要となり、
更に簡単な構造となる。
【0100】又、通常、タップホルダーの呼称は、上記
実施例で、タップコレット47を除いたタップホルダー
本体23と外套体21及びこれらに装着された部品を言
う場合と、タップコレット47を含めた図1の全体を言
う場合との2つがあるが、本願発明では、図1に示され
ているものから、タップコレット47を外した状態の、
上記前者の場合をタップホルダーと呼ぶ。そして、シャ
ンク22を上部に備えた外套体21もタップホルダーの
一部品としている。
【0101】こう言う呼びかたを、本願発明で使うの
は、安全機構を備えたタップコレット(47)が、図1
のタップコレット47以外の部分(つまり本願発明でい
うタップホルダー)と、別にして、独立して販売される
という実情に合わせての表現である。
【0102】ところで、上記両実施例では、無線送信器
55として何れも、FM・VHF送受信器を用いた電波
による無線器を使用したが、電波の代りに赤外線による
光通信を活用できる。
【0103】この場合は、タップホルダーに送信用の赤
外線LEDを設け、検出器30が作動したときに、この
赤外線LEDを数拾KHzで断続発光させる。電池電圧
が低下したときは、この数拾KHzを違う周波数に変え
るとか、数拾KHzの光信号をなくしたり出したりする
バースト信号とするようコード化して送信することがで
きる。受信器では、可視光を通さない光学フィルターを
通してシリコン・フォトダイオードで赤外光を受信し、
数拾KHzの狹帯域フィルターを通して、弁別する。
【0104】タップコレット47は、その下端に異なる
サイズのタップを取付けられるように、補助部材44の
寸法がタップサイズに応じて異なる。しかし、タップサ
イズの或範囲、例えば2mmから6mmまでのタップコ
レットは、そのタップコレット本体のタップホルダー本
体への装着部の寸法は同じであり、このタップサイズの
範囲で用いるタップホルダーはすべて共通である。
【0105】同様に例えば4〜12mmのタップサイズ
では、タップホルダーは共通で、同一のタップホルダー
を用いている。本発明では、タップコレットの安全機構
がタップにかかる過負荷トルクで作動してその摺動子が
動くと、この動きを、タップホルダーの検出器(30)
が検出する。そのため、タップのサイズの或範囲、例え
ば上記2〜6mm又は4〜12mmの各範囲では、それ
ぞれ、同一の一品種のタップホルダーが共通に使用で
き、しかも、その範囲内ではタップサイズ毎にタップホ
ルダー側でトルク調整を要しない。
【0106】これはタップ・コレット側にトルクばねに
よるトルク設定機構が内蔵されているからである。又、
タップコレットのトルク設定は、加工材質を加味して設
定されているため、加工材質ごとのトルク設定も、タッ
プホルダー側では不要であり、この面からも、本発明の
タップホルダーや、それを用いた警報システムは導入が
容易である。
【0107】
【発明の効果】本発明のタップホルダーと警報システム
は上述のように構成されているので、タッピング時のタ
ップの過負荷トルクにより、タップコレットの安全機構
が作動すると、直ちに、無線で警報信号を出すことがで
きる。
【0108】又、タップホルダー側にはトルク設定の調
整が不要で、タップサイズや加工材質により過負荷トル
クを予め設定したタップコレットをタップホルダーに装
着するだけで、容易に使うことができるため、或範囲の
タップサイズに共通にタップホルダーを用いることが可
能で、その導入が容易となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の縦断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】(a)は図1のB−B断面図、(b)はタップ
コレットの縦断面図。
【図4】図1のC−C断面図。
【図5】図1の実施例によるタッピング作業の正常切削
時の図。
【図6】同過負荷検出時の図。
【図7】同抜き取り時の図。
【図8】同加工終了時の図。
【図9】実施例の無線送信器のブロック図。
【図10】図9のブロック図の電気回路図。
【図11】エンコーダICの内部ブロック図。
【図12】タイミングチャート。
【図13】実施例の受信器のブロック図。
【図14】デコーダICの内部ブロック図。
【図15】図13のブロック図の電気回路図。
【図16】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図17】従来技術の縦断面図。
【図18】図17のD−D断面図。
【図19】図17の従来技術の異なる態様の図。
【図20】図19のE−E断面図。
【図21】図17の従来技術の一部を示す分解斜視図。
【図22】図17の一部を拡大した図。
【符号の説明】
22 シャンク 23 タップホルダー本体 30 検出器 34 タップコレット本体 36 トルク伝達ボール 39 摺動子 40 圧子 41 トルクばね 47 タップコレット 55 無線送信器 64 電池 70 タップ 73 受信器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タップの過負荷トルクにより作動する摺
    動子を有するタップコレットを先端に着脱可能で、かつ
    その基端に工作機械の主軸に嵌着するシャンクを備えた
    タップホルダーであって、前記摺動子の作動を検出して
    電気信号を出す検出器と、この検出器の信号で起動して
    警報信号を出力する無線送信器と、この無線送信器に給
    電する電池とを内蔵したタップホルダー。
  2. 【請求項2】 テーパ部を有する摺動子と、この摺動子
    のテーパ部に対向するテーパ部を有する圧子と、これら
    両テーパ部で押圧挾持されるトルク伝達ボールと、圧子
    を摺動子側へ付勢してトルク伝達ボールを押圧挾持する
    力を設定するトルクばねを有し、このトルクばねで設定
    される一定のトルクを越える過負荷ではトルク伝達ボー
    ルがトルクばねに抗して摺動子を移動させると共にタッ
    プホルダー本体からタップコレット本体への回転の伝達
    を止める安全機構を備えたタップコレットと、請求項1
    のタップホルダーとの組合せ。
  3. 【請求項3】 請求項1のタップホルダーと、このタッ
    プホルダーからの警報信号を受信する受信器とからなる
    警報システム。
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