JPH06269933A - 薄板縁溶接方法 - Google Patents
薄板縁溶接方法Info
- Publication number
- JPH06269933A JPH06269933A JP5060085A JP6008593A JPH06269933A JP H06269933 A JPH06269933 A JP H06269933A JP 5060085 A JP5060085 A JP 5060085A JP 6008593 A JP6008593 A JP 6008593A JP H06269933 A JPH06269933 A JP H06269933A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- welding
- edge parts
- edge
- plates
- filler metal
- Prior art date
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- Pending
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- Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
- Laser Beam Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 2枚の薄い大型の板を、溶加棒を使用するこ
となく、縁溶接する。 【構成】 中央部1c、2cに対して段違いとなった縁部1
a、2aを有する板1、2を向かい合わせにして縁部1a、2a
どうしを当接させ、かつ、縁部1a、2aの幅寸法Bを、縁
部1a、2aの母材が溶接入熱により溶けて所望のビード3
を形成すべき湯量に相当する体積を有するように設定
し、溶加棒を用いることなく縁部1a、2aを横向き溶接す
る。
となく、縁溶接する。 【構成】 中央部1c、2cに対して段違いとなった縁部1
a、2aを有する板1、2を向かい合わせにして縁部1a、2a
どうしを当接させ、かつ、縁部1a、2aの幅寸法Bを、縁
部1a、2aの母材が溶接入熱により溶けて所望のビード3
を形成すべき湯量に相当する体積を有するように設定
し、溶加棒を用いることなく縁部1a、2aを横向き溶接す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プレス等により成形
された2枚の薄い大型の板を縁溶接する方法に関する。
された2枚の薄い大型の板を縁溶接する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図2(a)(b)に例示したプレート式
熱交換器の単位伝熱エレメントはプレス等により成形さ
れた2枚の薄い板(1、2)から構成され、従来、内部
を流れる流体の漏洩を防ぐため周囲にガスケットを介在
させるのが一般的である。板(1、2)の板厚は例を挙
げるならば0.6mm程度である。なお、流体の出入口
となる孔や伝熱面の波形等は省略してある。
熱交換器の単位伝熱エレメントはプレス等により成形さ
れた2枚の薄い板(1、2)から構成され、従来、内部
を流れる流体の漏洩を防ぐため周囲にガスケットを介在
させるのが一般的である。板(1、2)の板厚は例を挙
げるならば0.6mm程度である。なお、流体の出入口
となる孔や伝熱面の波形等は省略してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】板(1、2)の全周を
溶接すればガスケットを省くことができるが、図2
(c)に示すようないわゆるへり溶接では、内圧が高く
なると2枚の板(1、2)が矢印方向に剥がれるように
して変形し、溶接部に応力集中が発生して破損しやす
い。
溶接すればガスケットを省くことができるが、図2
(c)に示すようないわゆるへり溶接では、内圧が高く
なると2枚の板(1、2)が矢印方向に剥がれるように
して変形し、溶接部に応力集中が発生して破損しやす
い。
【0004】ところで、溶接姿勢のうちで最良の姿勢は
下向き溶接である。溶接入熱により溶かされた湯は流動
性があるため重力により落下しようとするが、湯の表面
張力により落下が防がれる。このとき下向き姿勢であれ
ば2つの母材に均等に湯がわたるためであり、またアー
ク力で湯が飛び散るなどの現象が起きにくいためであ
る。
下向き溶接である。溶接入熱により溶かされた湯は流動
性があるため重力により落下しようとするが、湯の表面
張力により落下が防がれる。このとき下向き姿勢であれ
ば2つの母材に均等に湯がわたるためであり、またアー
ク力で湯が飛び散るなどの現象が起きにくいためであ
る。
【0005】しかし、2枚の大型の板を縁溶接する場合
は、被溶接物を回転させることが不可能であることか
ら、全周を同一姿勢で溶接するには横向き溶接となる。
は、被溶接物を回転させることが不可能であることか
ら、全周を同一姿勢で溶接するには横向き溶接となる。
【0006】一方、薄板溶接の場合、溶接入熱を大きく
すると母材が溶けすぎて穴が開く「溶け落ち」と呼ばれ
る現象が発生するため、より大きな入熱量を必要とする
溶加棒を用いる溶接方法は採用しがたい。横向き溶接で
は溶加棒が溶けた湯が重力で落下するためなおのことで
ある。しかし、溶加棒を使用しなければ湯が不足して母
材厚以上の厚さが得られないため、いわゆる「アンダー
カット」と同様の溶接欠陥となる。
すると母材が溶けすぎて穴が開く「溶け落ち」と呼ばれ
る現象が発生するため、より大きな入熱量を必要とする
溶加棒を用いる溶接方法は採用しがたい。横向き溶接で
は溶加棒が溶けた湯が重力で落下するためなおのことで
ある。しかし、溶加棒を使用しなければ湯が不足して母
材厚以上の厚さが得られないため、いわゆる「アンダー
カット」と同様の溶接欠陥となる。
【0007】そこで、この発明の目的は、2枚の薄い大
型の板を、溶加棒を使用することなく、縁溶接する方法
を提供することにある。
型の板を、溶加棒を使用することなく、縁溶接する方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、中央部に対
して段違いとなった縁部を有する板を向かい合わせにし
て縁部どうしを当接させ、かつ、縁部の幅寸法を、縁部
の母材が溶接入熱により溶けて所望のビードを形成すべ
き湯量に相当する体積を有するように設定し、溶加棒を
用いることなく縁部を横向き溶接するようにした。
して段違いとなった縁部を有する板を向かい合わせにし
て縁部どうしを当接させ、かつ、縁部の幅寸法を、縁部
の母材が溶接入熱により溶けて所望のビードを形成すべ
き湯量に相当する体積を有するように設定し、溶加棒を
用いることなく縁部を横向き溶接するようにした。
【0009】
【作用】板の縁部の母材が溶接入熱により溶けて溶加棒
に変わって湯を提供する。したがって、溶加棒を用いた
ときと同じ湯量が確保される。
に変わって湯を提供する。したがって、溶加棒を用いた
ときと同じ湯量が確保される。
【0010】溶接部は、いわゆるへり溶接とは異なり、
突き合わせ溶接継手のようなビード形状となる。
突き合わせ溶接継手のようなビード形状となる。
【0011】
【実施例】図2(a)(b)に示すような、プレス等に
より成形された2枚の薄い大型の板(1、2)を縁溶接
する場合について説明する。図1(a)は溶接前の状態
を示し、図1(b)は溶接後の状態を示している。図1
(a)に示されるように、各板(1、2)の周囲には中
央部(1c、2c)に対して段違いになった縁部(1
a、2a)があり、中央部(1c、2c)と縁部(1
a、2a)は傾斜部(1b、2b)を介して連続してい
る。板(1)と板(2)を向かい合わせにすると縁部
(1a、2a)どうしが接触する。このように互いに当
接した状態の縁部(1a、2a)を溶加棒を用いずに溶
接すると、溶接入熱により縁部(1a、2a)の母材が
溶けて幅寸法(B)に応じた量の湯を提供する。板
(1、2)の縁部(1a、2a)に図示するような開先
加工を施し、縁部(1a、2a)の幅寸法(B)を、縁
部(1a、2a)の母材が、溶接入熱により溶けて所望
のビード(3)を形成すべき湯量に相当する体積を有す
るように設定する。たとえば、各板(1、2)の板厚が
0.6mmの場合、縁部(1a、2a)の幅寸法(B)
は0.5mm程度が適当である。
より成形された2枚の薄い大型の板(1、2)を縁溶接
する場合について説明する。図1(a)は溶接前の状態
を示し、図1(b)は溶接後の状態を示している。図1
(a)に示されるように、各板(1、2)の周囲には中
央部(1c、2c)に対して段違いになった縁部(1
a、2a)があり、中央部(1c、2c)と縁部(1
a、2a)は傾斜部(1b、2b)を介して連続してい
る。板(1)と板(2)を向かい合わせにすると縁部
(1a、2a)どうしが接触する。このように互いに当
接した状態の縁部(1a、2a)を溶加棒を用いずに溶
接すると、溶接入熱により縁部(1a、2a)の母材が
溶けて幅寸法(B)に応じた量の湯を提供する。板
(1、2)の縁部(1a、2a)に図示するような開先
加工を施し、縁部(1a、2a)の幅寸法(B)を、縁
部(1a、2a)の母材が、溶接入熱により溶けて所望
のビード(3)を形成すべき湯量に相当する体積を有す
るように設定する。たとえば、各板(1、2)の板厚が
0.6mmの場合、縁部(1a、2a)の幅寸法(B)
は0.5mm程度が適当である。
【0012】図1(b)に示されるように、溶接部の形
状は突き合わせ溶接継手のようなビード形状となり、高
い内圧に対しても、図2(c)に関連して既述したよう
な応力集中が発生しにくい。
状は突き合わせ溶接継手のようなビード形状となり、高
い内圧に対しても、図2(c)に関連して既述したよう
な応力集中が発生しにくい。
【0013】なお、この発明を実施するために採用し得
る具体的な溶接方法は、TIG(タングステン・イナー
ト・ガス)溶接、レーザービーム溶接等の溶加棒を使用
せずに溶接が可能な溶接方法である。
る具体的な溶接方法は、TIG(タングステン・イナー
ト・ガス)溶接、レーザービーム溶接等の溶加棒を使用
せずに溶接が可能な溶接方法である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、中央
部に対して段違いとなった縁部を有する板を向かい合わ
せにして縁部どうしを当接させ、かつ、縁部の幅寸法
を、縁部の母材が溶接入熱により溶けて所望のビードを
形成すべき湯量に相当する体積を有するように設定し、
溶加棒を用いることなく縁部を横向き溶接するようにし
たものであるから、板の縁部の母材が溶接入熱により溶
けて溶加棒の代わりに湯を供給し、したがって、溶加棒
を使用することなく溶接することができる。しかも、へ
り溶接とは異なり、溶接後は突き合わせ溶接継手のよう
なビード形状となり、内圧に対し応力集中部ができない
ため圧力容器にも使用できる。
部に対して段違いとなった縁部を有する板を向かい合わ
せにして縁部どうしを当接させ、かつ、縁部の幅寸法
を、縁部の母材が溶接入熱により溶けて所望のビードを
形成すべき湯量に相当する体積を有するように設定し、
溶加棒を用いることなく縁部を横向き溶接するようにし
たものであるから、板の縁部の母材が溶接入熱により溶
けて溶加棒の代わりに湯を供給し、したがって、溶加棒
を使用することなく溶接することができる。しかも、へ
り溶接とは異なり、溶接後は突き合わせ溶接継手のよう
なビード形状となり、内圧に対し応力集中部ができない
ため圧力容器にも使用できる。
【図1】実施例を説明するための溶接前の断面図(a)
および溶接後の断面図(b)
および溶接後の断面図(b)
【図2】従来の技術を説明するための伝熱エレメントの
正面図(a)、一部破断平面図(b)および拡大断面図
(c)
正面図(a)、一部破断平面図(b)および拡大断面図
(c)
1、2 板 1a、2a 縁部 1b、2b 傾斜部 1c、2c 中央部 3 ビード B 縁部の幅寸法
Claims (1)
- 【請求項1】 中央部に対して段違いとなった縁部を有
する板を向かい合わせにして縁部どうしを当接させ、か
つ、縁部の幅寸法を、縁部の母材が溶接入熱により溶け
て所望のビードを形成すべき湯量に相当する体積を有す
るように設定し、溶加棒を用いることなく縁部を横向き
溶接することを特徴とする薄板縁溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5060085A JPH06269933A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 薄板縁溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5060085A JPH06269933A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 薄板縁溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06269933A true JPH06269933A (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=13131900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5060085A Pending JPH06269933A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 薄板縁溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06269933A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017006946A (ja) * | 2015-06-22 | 2017-01-12 | マツダ株式会社 | 金属部材の溶接方法および溶接構造 |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP5060085A patent/JPH06269933A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017006946A (ja) * | 2015-06-22 | 2017-01-12 | マツダ株式会社 | 金属部材の溶接方法および溶接構造 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021115 |