JPH06269261A - 食品用有機酸カルシウム塩の製造方法 - Google Patents

食品用有機酸カルシウム塩の製造方法

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JPH06269261A
JPH06269261A JP5086814A JP8681493A JPH06269261A JP H06269261 A JPH06269261 A JP H06269261A JP 5086814 A JP5086814 A JP 5086814A JP 8681493 A JP8681493 A JP 8681493A JP H06269261 A JPH06269261 A JP H06269261A
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JP
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organic acid
calcium salt
food
acid calcium
reaction
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JP5086814A
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Shigeki Yamagata
繁樹 山県
Makoto Minami
誠 南
Seikichi Tabei
清吉 田部井
Takeo Shimada
武夫 島田
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貝殻を原料として着色や苦みのない高品質の
食品用有機酸カルシウム塩を工業生産するための製造方
法を提供する。 【構成】 貝殻を1000℃以下の温度で焼成し、得られた
焼成物の粉末を乳酸溶液と反応させて有機酸カルシウム
塩を生成させる。ついで、有機酸カルシウム塩を含む生
成溶液を直ちに活性炭処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品用有機酸カルシウ
ムの製造方法に係り、更に詳しくは貝殻を起源とするカ
ルシウム成分を用いてこれと有機酸との反応により食品
添加剤として有用な有機酸カルシウム塩を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、帆立貝や牡蛎等をはじめとする各
種の貝類が各地で盛んに養殖されている。例えば青森県
では年に約数万トンの帆立貝が養殖されており、有力な
産業に発展している。従来、この養殖産業の発展に伴っ
て発生する多量の貝殻は、ほとんど有効利用されないま
ま廃棄してきたが、最近は埋立地の確保や海洋投棄の制
限等の廃棄処理が問題になってきている。このため、貝
殻を資源的に活用することが緊急の課題となっている。
【0003】貝殻の有効利用については、既にその主成
分であるカルシウムを利用してカルシウム強化食品、人
工配合肥料、養魚養殖補助剤、家畜用人工配合肥料、滋
養強壮変質剤などを開発する試みがなされている。例え
ば貝殻等のカルシウム含有物に、合成もしくは醸造食酢
を添加して可溶化天然カルシウム含有粉末栄養剤を製造
する方法(特公昭51−14586 号公報) 。貝殻を1000
〜1200℃で焼成したのち、有機酸と反応させて有機
酸カルシウムを製造する方法(特開昭52−110878号公
報) 。貝殻を1000〜1500℃で高温焼成した20
0メッシュの粉末に、水および食用油脂を混合させる方
法(特開平2−174652号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術による有機酸カルシウムの製造方法では貝殻を
1000〜1500℃の高温度で焼成する必要があり、
この高温焼成が工業化の大きなネックになっている。そ
のうえ、製造される有機酸カルシウムは僅かに着色した
り、食用に供した場合に苦みがあることから、これらの
品質的な難点を除去するために不純物を取り除くための
高価な設備が必要となる等の工業的な不利点がある。
【0005】本発明者らは、これらの問題点を解消する
ために鋭意研究を重ねた結果、貝殻の焼成温度を100
0℃以下にした場合であっても、有機酸との反応生成物
に活性炭処理を施すと、着色や苦みのない高品位の食品
用有機酸カルシウム塩が効率よく製造し得ることを解明
した。
【0006】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、貝殻を原料として着色や苦みのな
い高品質の食品用有機酸カルシウム塩を工業的に有利に
製造するための方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による食品用有機酸カルシウム塩の製造方法
は、貝殻を1000℃以下の温度で焼成し、得られた焼
成物の粉末を有機酸溶液と反応させて有機酸カルシウム
塩を生成させたのち、有機酸カルシウム塩を含む生成溶
液を活性炭処理することを構成上の特徴とする。
【0008】本発明においてカルシウム源となる貝殻類
は、二枚貝、巻貝のいずれの貝殻でもよく、例えば帆立
貝、牡蛎、ハマグリ、アサリ、シジミ、アカ貝、サザエ
などの貝殻が挙げることができる。これらの貝殻は、一
種に限らず二種類以上併用してもよいが、本発明の目的
には特に廃棄物として多量に入手できる帆立貝や牡蛎の
貝殻が好適な原料となる。
【0009】原料となる貝殻は、表面に付着している
砂、泥あるいは生物類を除去するために水洗し、必要に
応じて塩酸等の鉱酸類で処理する。ついで、そのままも
しくは適度に粉砕して焼成する。焼成処理は、貝殻に含
まれる有機質が分解されるとともに主成分である炭酸カ
ルシウムが酸化カルシウムに転化する1000℃以下の
温度、好ましくは700〜1000℃の温度範囲でおこ
なえば足り、1000℃以上の温度は必要でない。この
温度範囲の焼成により、貝殻は触れただけで形が崩れる
状態に脆化する。焼成時間は貝殻の種類によって異なる
が、通常10分以上であればよい。好適な焼成条件は、
温度700〜1000℃、時間5〜30分の範囲であ
る。加熱手段は、例えば電気炉やガス炉での静的加熱方
法あるいはロータリーキルンのような動的加熱方法など
のいずれの手段を適用してもよく、特に限定はない。
【0010】焼成処理により得られた焼成物は、粉砕す
る必要がない程に脆化した酸化カルシクムの粉末となる
が、これを必要に応じて粉砕したのち有機酸溶液と反応
させる。有機酸は、工業的に入手できるものであれば特
に限定されるものではなく、例えば乳酸、リンゴ酸、ク
エン酸等の各種食品用有機酸を用いることができる。し
かし、本発明の目的には乳酸が好ましく使用される。な
お、有機酸は予め活性炭により着色原因となる鉄分等に
不純物を吸着分離して使用に供することができる。
【0011】反応手段には、有機酸の水溶液に焼成物の
粉末(酸化カルシウム粉末)を添加して酸性側から中性
域に反応を進行させる方法と、焼成物(酸化カルシウム
粉末)を水に溶解させたのち有機酸を添加してアルカリ
側から中性域に反応させる方法とがある。このうち、後
者の方法を採ると焼成物中に微量に残存する炭酸カルシ
ウムが白濁の未反応物として残留し収率の減退をもたら
す原因となる。したがって、前者のプロセスを適用する
ことが好ましい。好適な反応の条件は、反応温度を40
〜100℃、望ましくは60〜90℃とし、反応時間を
0.2〜3時間、望ましくは0.5〜2時間の範囲に設
定することである。また、該反応は定量的に進むため、
反応系の組成は酸化カルシウムと有機酸のモル比を当量
とすればよい。
【0012】反応に際しては、反応終了時の溶液pHを
4.0〜7.5の範囲に制御することが好ましい。反応
終了時のpHは、反応系における有機酸の濃度によって
その範囲がわずかに異なるが、有機酸の濃度が15%以
下の薄い系ではpHが4.0〜7.0、好ましくは4.
0〜5.0の範囲に、また15%以上の濃い系ではpH
が5.5〜7.5、好ましくは6.0〜7.0の範囲に
なるように制御する。したがって、薄い系は濃い系に比
較して、pHの範囲が広い範囲で制御が可能となる。反
応終了時のpHが4.0未満になると酸味が強くなり、
他方pHが7.5を越えると苦みが強くなって食品用と
しての適格性を損ねる原因となる。
【0013】反応終了後は、未反応の炭酸カルシウムや
硫酸カルシウム等のカルシウム塩類、シリカ等の珪酸塩
類などが不溶性不純物として残るため、これを常法によ
り熱時濾過によって分離する。引き続き、有機酸カルシ
ウム塩を含む生成溶液を活性炭処理に移して、着色と苦
みの除去を同時におこなう。使用する活性炭は、工業的
に入手できるものであれば種類、形態等に制約はなく、
粉状、粒状、繊維状のものを適宜に用いることができ
る。
【0014】生成溶液の活性炭への接触は、有機酸カル
シウム塩が冷却により析出する前に素早くおこなわねば
ならない。そのため、接触手段は活性炭充填塔方式や活
性炭膜方式等により大量に且つ連続的に処理できるもの
が好ましいが、特にその方法に限定されるものではな
い。活性炭処理を施した溶液は、室温まで冷却して有機
酸カルシウム塩を析出させる。この場合、溶液中の有機
酸カルシウム塩の濃度が15%以上では液全体が含水状
態で固化し、柔らかいスポンジ状の状態になる。また1
5%以下では有機酸カルシウム塩が徐々に析出する。
【0015】得られた有機酸カルシウム塩は常法により
乾燥処理する。乾燥温度は室温〜70℃が好ましく、7
0℃を越える温度で乾燥させると乾燥初期の段階で再融
解を起こすため好ましくない。乾燥後は、常法により粉
砕、分級をおこなって目的とする食品用有機酸カルシウ
ム塩を得る。
【0016】
【作用】本発明に係る食品用有機酸カルシウム塩の製造
方法によれば、まずカルシウム源となる貝殻を1000
℃以下の温度域で焼成処理することにより炭酸カルシウ
ムを粉末状の酸化カルシウムに転化させ、同時に貝殻に
付着または含有される有機物、微生物などを除去する。
ついで、酸化カルシウム粉末と有機酸溶液と反応させて
有機酸カルシウム塩を含む生成溶液として不純物と分離
したのち、回収母液に生成物の晶析が生じない状態で活
性炭と接触させることにより精製された有機酸カルシウ
ム塩が製造される。
【0017】前記の一連工程は連続的におこなうことが
でき、従来技術に比べて低温度の焼成処理と活性炭処理
による精製作用が相俟って、常に着色および苦みのない
高品質の食品用有機酸カルシウム塩を生産性よく製造す
ることが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれらの例に限られるものではない。
【0019】実施例1 適当量の帆立貝殻を1%塩酸溶液に約30秒間浸して貝
殻の表面に付着している汚れと有機物の除去したのち、
適度な粒状に粗粉砕した。この粉砕貝殻を、900℃に
保持された電気炉に入れて約30分焼成処理をおこなっ
た。得られた焼成物の粉末を60℃に加熱された40%
乳酸溶液に徐々に添加し、温度が80℃を越えないよう
に注意しながら反応を進行させた。反応は定量的に進
み、最終pHが5.8〜6.2の範囲になった段階で終
了させた。反応終了後、未反応物を除去するために熱時
濾過をおこない、直ちに濾液を活性炭充填塔に流入し、
接触流下させた。このようにして活性炭処理した溶液は
脱色されており、着色現象は全く認められなかった。
【0020】活性炭処理後の溶液を室温まで冷却したと
ころ、溶液はスポンジ状に固化した。この固化物を60
℃で48時間乾燥を行ない所望の水分量の生成物を得
た。この生成物は、苦みのない白色状の粉末であった。
また、その生成物を粉砕、分級した有機酸カルシウム塩
は日本食品添加物協会による食品添加物公定書(5版)
による食品用乳酸カルシウムの範囲内であることが確認
された。
【0021】実施例2 貝殻の焼成物と乳酸の反応において、乳酸溶液の濃度を
10%および反応終了のpHを4.0〜4.2に制御し
た以外は、活性炭処理の段階まで実施例1と同様な操作
でおこなった。活性炭処理をした溶液を撹拌しながら室
温まで冷却し反応物を晶析させたのち、分離、洗浄後6
0℃で24時間乾燥をおこない所定水分量の生成物を得
た。得られた有機酸カルシウム塩は、苦みのない白色状
の粉末であった。また、生成物を粉砕、分級したものは
日本食品添加物協会による食品添加物公定書(5版)に
よる食品用乳酸カルシウムの範囲内であることが確認さ
れた。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の製造方法によれ
ば、これまで多量に廃棄されていた貝殻類を起源とする
カルシウム成分を利用して高品位の食品用有機酸カルシ
ウム塩を工業的に有利に量産することができる。そのう
え、得られる有機酸カルシウム塩は、従来品のように着
色や苦みがないのでカルシウム強化食品として各種の食
品添加剤として広範囲に活用することができ、また人体
に有用な微量ミネラルも含有しているため食品用カルシ
ウム塩として極めて優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 武夫 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貝殻を1000℃以下の温度で焼成し、
    得られた焼成物の粉末を有機酸溶液と反応させて有機酸
    カルシウム塩を生成させたのち、有機酸カルシウム塩を
    含む生成溶液を活性炭処理することを特徴とする食品用
    有機酸カルシウム塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成物と有機酸の反応を、有機酸水溶液
    に焼成物を添加しておこない、且つ反応終了時のpHを
    4.0〜7.5の範囲に制御する請求項1記載の食品用
    有機カルシウム塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機酸が乳酸である請求項1または2記
    載の食品用有機カルシウム塩の製造方法。
JP5086814A 1993-03-22 1993-03-22 食品用有機酸カルシウム塩の製造方法 Pending JPH06269261A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010078832A (ko) * 2001-04-12 2001-08-22 조남수 패각류 껍질을 이용한 젖산칼슘의 제조방법
WO2013042792A1 (ja) * 2011-09-23 2013-03-28 株式会社渡邉洋行 食品改質剤及びそれにより改質された油調理食品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010078832A (ko) * 2001-04-12 2001-08-22 조남수 패각류 껍질을 이용한 젖산칼슘의 제조방법
WO2013042792A1 (ja) * 2011-09-23 2013-03-28 株式会社渡邉洋行 食品改質剤及びそれにより改質された油調理食品
JPWO2013042792A1 (ja) * 2011-09-23 2015-03-26 株式会社渡邉洋行 食品改質剤及びそれにより改質された油調理食品

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