JPH0626901B2 - 多色プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は、インクを用いて記録用紙にドットを形成する
インク式ドットプリンタで、特に多色印刷用のプリンタ
に関する。

＜従来技術＞ インクを用いるドットプリンタ、特にカラー印刷用プリ
ンタとしては、特開昭５６−８２６６号公報に記載され
るように、マゼンタ色、黄色およびシアン色のインクを
入れた３つのインクタンクと、黒色インクを入れた別の
インクタンクとをそれぞれインクプリントヘッドに併設
された構造のものがあった。また、特開昭５８−１９４
５４９号公報には、カラー印刷用のインク供給源として
黒色インクのインクタンクを収容したインクカセット、
シアン、マゼンタ、イエロー色インクのインクタンクを
黒とは別に１つのカセットに収容したインクカセットと
から構成したものが記載されている。

しかしながら、前者の従来例においては、プリントヘッ
ドと共にインクタンクが走行するため、インクタンク内
のインクが波立ち気泡を発生して印字品質に悪影響を及
ぼすという問題があるとともに、インク消費に伴うイン
ク補充またはタンク交換等の方法については何等記載さ
れていない。また、後者の従来例においては、印字ヘッ
ドにチユーブを介して連結されるインクカセットが記載
されており、印字ヘッドに直接インクタンクを連結させ
るタイプのインクタンクの装着案内性、コンパクト化、
機構の単純化、取扱い上の利便性等を向上させるという
課題は記載されていない。

＜目的＞ 本発明は、上記従来技術の課題を解決するものであり、
良好な印字品質を確保しつつ、小型で印字ヘッドに対し
てインクタンクが容易に位置決め装着される、使い勝手
の良い多色プリンタを提供することにある。

＜実施例＞ 本発明の一実施例を図面を用いて説明する。

第１図は本発明のインク式ワイヤドツトプリンタの一実
施例のヘツドの分解斜視図である。本実施例のヘツドは
４色のカラープリンタブロツク用ヘツドで、黒、赤、
緑、青のインク系と、そのそれぞれに対応して各１本の
ワイヤを備えている。

４色カラープリンタプロツタでは、ヘツド、記録紙の一
方又は双方を移動させて上記ヘツドの所望の色に対応す
るワイヤを記録紙上の所定位置で突出させてドツトを形
成し、文字や図形を描く構造になつている。

本発明の主旨は、印字部に関するものであり、装置全体
の構成等は省略する。

次に、本実施例のヘツドの構成を、第１図、及び第２図
のヘツド断面図に従つて説明する。

ヘツド上部に着脱可能に配置されたインクタンク２を有
する。インクタンク２は黒インク用インクタンク２ｂと
カラーインク用に内部が水平方向を３分割されたタンク
２ａとの２体構造になつている。

インクはインクタンク２内に充てんされた多孔質材から
なるインク含浸部材６０に含浸されている。印字ヘッド
１の上面には、黒インク用インクタンク２ｂとカラーイ
ンク用インクタンク２ａとを並列に載置する部分を設け
ている。更に、ヘッド１の上面には、黒インクタンク２
ｂの下面に設けた黒インク供給口（第３図にインク供給
口４１として図示）と、カラーインクタンク２ａの下面
に設けた各色インク供給口（第３図にインク供給口４１
として図示）とのそれぞれに接続する複数のインク受け
入れ部１２を、第１図に示すように黒インクタンクの幅
及びカラーインクタンクの各収納室の幅に対応する間隔
をもって横一列に突設させている。インク受け入れ部１
２は軸方向に延びるインク誘導溝１２ｂを有しこのイン
ク誘導溝１２ｂとタンク充てん材６０が接している。イ
ンク誘導溝１２ｂの巾及び深さはインクをインクタンク
６０より安定的に供給する適切な値に設定されている。
インク受け入れ部１２の前部に円周状溝１２ａがありイ
ンク誘導溝１２ｂとは内部１２ｃで連結している。円周
状溝１２ａにはワイヤガイド１３が組込まれる、両者の
組合せによつてＡ，Ｂで示す間隙が設けられる。更にワ
イヤ１１とワイヤガイド１３のワイヤガイド孔１３ａの
間の間隙はわずかであり、インクはインクタンク２から
インク受け入れ部１２のインク誘導溝１２ｂ、ワイヤガ
イド１３との間隙Ａ，Ｂを経てワイヤ１の先端部まで毛
細管力で導かれる。実施例は４色カラープリンタプロツ
タ用ヘツドの場合であり、４本のワイヤが夫々４色のイ
ンクに対応する。

ワイヤ駆動装置はコイル１７を巻回したコイルコア１６
を有するヨーク１８とヨーク板１９とブランジヤ１５と
で磁気回路が構成される。プランジヤ１５の動きはクラ
ツパ１４を介してワイヤ１１に伝えられる。上記ワイヤ
駆動装置はカバー２１によつてカバーされるとともにク
ラツパ１４の作動長が規制される。待機時にはワイヤの
先端面はワイヤガイド１３の先端面より奥にあり、ワイ
ヤガイド孔１３ａの前部に形成されるインクのメニスカ
スがワイヤ先端面を覆うようにワイヤ長が設定されてい
る。

次に動作を説明する。第２図は通電時を示すものでコイ
ル１７に通電することによりコイルコア１６と対向する
プランジヤ１５が吸引される。これによつてプランジヤ
１５を固着したクラツパ１４が回動しその先端で係合す
るワイヤ１１が突出する。ワイヤ先端面はインクメニス
カスを貫いてインクを先端面に付着させて図示しない記
録紙に衝突してインクが記録紙に転写される。ワイヤ待
機状態ではワイヤ１１の先端面はワイヤガイド１３の端
面より内側にあつてワイヤ先端面前方にインクメニスカ
スが形成されるため前記ワイヤの出没動作によつてワイ
ヤ先端面にインクが順次付着する。

上述のワイヤ先端部におけるワイヤへのインク転移等イ
ンクドツト印字方式に関する詳細については本出願人に
よる特願昭５５−８１６０９に詳述してあるため省略す
る。

なおワイヤガイド１３の前面における余剰インクは前面
及び側面に設けられたＶ型断面形状の細溝である回収溝
１３ｂに毛細管力によつて引込まれるためあふれ出て記
録紙を汚すことがなくインク受け入れ部１２に還流す
る。

次に本発明の主題であるインクタンク周辺部を第１図を
用いて説明する。黒インク用インクタンクであるインク
カートリツジ２ｂとカラーインク用インクタンクである
インクカートリツジ２ａは、ヘツド本１の上方に配置さ
れたカートリツジホルダー７０内に並列して挿入され
る。

ヘツド本体１のフレーム３０の両側壁はヘツド本体１の
上面および背面より伸長し、カートリツジホルダー支持
３１をなす。カートリツジホルダー支持部３１には、カ
ートリツジホルダー支持穴３２と、上下方向に伸長する
２本の切り欠き３３ａ，３３ｂによつて形成され、カー
トリツジホルダー固定穴３４が設けられた板ばね部３６
と、カートリツジ案内溝３５がそれぞれ設けられてい
る。カートリツジホルダー７０の両側面には、ヘツドフ
レーム３０のカートリツジホルダー支持穴３２と回転自
在に係合する円柱状突起７１と、カートリツジ固定穴３
４と係合する半球状突起７２がそれぞれ設けられてい
る。また、インクカートリツジ２ａ，２ｂの側面のうち
ヘツドフレーム３０のカートリツジホルダー支持部３１
と隣接する面には、ヘツドフレーム３０のカートリツジ
案内溝３５の下端部と係合する円柱状突起４９が設けら
れている。

次にインクカートリツジ２がヘツド本体１に装着された
状態でのインク経路を説明する。第３図は、インクカー
トリツジの内部を示す断面斜視図である。

インクカートリツジ２はカートリツジ本体４０とカート
リツジ本体４０の中空部に充てんされたインク含浸部材
６０と蓋５０とから成る。カートリツジ本体４０の底面
４０−ａ前方にはインク供給口４１が、前壁面４０−ｂ
段差部４３には空気口４２が、それぞれ開口されてい
る。インク供給口４１には、ヘツド本体１から突出する
インク受け入れ部１２の腕部１２−ｄが挿入される。

タンク本体の底面４０ａの内側段差部４４には複数の細
溝４５ａ，４５ｂ，４５ｃがインク供給口４１に通じる
ように設けられており、プリンタヘツド本体インク受け
入れ部１２の腕部１２ｄに設けられたインク誘導溝１２
ｂと対向するようになつている。図示していない細溝４
５ａと４５ｂは途中で１本になり４５ｃとともに細溝１
２ｂにインクを導く。

次にインクカートリツジの装着方法を説明する。

第４図は装着方法を示すヘツドの側面図である。

まずカートリツジホルダーを第４図で示す位置で支持
し、第４図矢印Ａの方向にインクカートリツジ２を挿入
する。この時インクカートリツジはカートリツジホルダ
ー７０内で正確に位置決めされる必要はなく従つて挿入
は容易である。次にカートリツジホルダーを第４図矢印
Ｂの方向に回転させると、インクカートリツジ側面に設
けられた突起部がヘツドフレーム３０のカートリツジ案
内溝３５に接触してインクカートリツジが位置決めさ
れ、インクカートリツジのインク供給口４１が、ヘツド
本体から突出するインク受け入れ部の腕部１２ａの正し
く上方に位置する。さらに回転させると、インク受け入
れ部の腕部１２ａがインク供給口４１に係合されインク
カートリツジ内部に挿入される。また、カートリツジホ
ルダー７０の側面に設けられた半球状突起７２がヘツド
フレーム３０に設けられた板ばね部３６を両側方に屈曲
させる。最終的には、カートリツジホルダー側方の半球
状突起７２がヘツドフレーム３０のカートリツジ固定穴
３４と係合して、板ばね部３６が伸直位置に復帰し、カ
ートリツジホルダー７０が固定される。

この状態で、インクカートリツジ２の底面４０−ａに設
けられたインク誘導溝４５と、プランタヘツド本体のイ
ンク受入れ部１２の腕部１２−ｄに設けられたインク誘
導溝１２−ｂが対向し、インクカートリツジ内からプリ
ンタヘツド本体へのインク経路が形成される。

インクカートリツジの取り外しは上記の手順を逆に行え
ばよい。

このように、インクカートリツジ２が、カートリツジホ
ルダー７０内で前後に摺動自在の状態でヘツドフレーム
３０に対して位置案内されつつ、カートリツジホルダー
７に支持されてヘツド本体に装着されるため、装着操作
はきわめて容易である。

＜効果＞ 以上述べたように、本発明によれば、印字ヘッドの上面
に、黒インクを多孔質部材に含浸させて収容した黒イン
クタンクと、黒インク以外の複数の色インクをそれぞれ
多孔質部材に含浸させて水平方向に並設した各色インク
に対応する複数の収容室に収容した一体型の多色インク
タンクとを並列に載置する部分を設けるとともに、ヘッ
ドの上面に、黒インクタンクの下面に設けた黒インク供
給口と一体型多色インクタンクの下面に設けた各色イン
ク供給口とのそれぞれと接続する複数のインク受け入れ
部を、黒インクタンクの幅及び多色インクタンクの各収
納室の幅に対応する間隔をもって横一列に突設させたこ
とにより、以下のような顕著な効果を奏する。

（ａ）インクタンクが印字ヘッドと共に走行しても、イ
ンクが多孔質部材に含浸されているため、インクの波立
ちによる気泡発生が抑えられ、印字ヘッドに安定してイ
ンクを供給できる。

（ｂ）ヘッドの上面に、インクタンクを載置する部分を
設けるとともに、インクタンクの下面に設けたインク供
給口と接続するインク受け入れ部を設けたことにより、
水頭差を利用して印字ヘッドにインクを供給できる。

（ｃ）ヘッドの上面にインクタンクを載置する部分を設
け、タンクの供給口とヘッド側のインク受け入れ部とを
上下方向に接続したため、底面積が小さくなり、コンパ
クトにまとめることができる。

（ｄ）黒インクタンクと多色インクタンクの各収納室を
並列に配置し且つヘツドのインク受け入れ部も横一列に
並列させたため、機構が単純であり、また、各色のタン
クとヘッドとの水頭差が一様で、各色間でインク供給条
件に差が生じない。

（ｅ）印字ヘッドの上面にインク受け入れ部を、黒イン
クタンクの幅及び多色インクタンクの各収納室の幅に対
応する間隔をもって横一列に突設させたことにより、印
字ヘッドのインク受け入れ部を基準にしてインクタンク
を装着できるので、印字ヘッドのインク受け入れ部とイ
ンクタンクのインク供給口とを自動的に且つ確実に接続
できる。

（ｆ）ヘッドの上面に、黒インクタンクの下面に設けた
黒インク供給口と一体型多色インクタンクの下面に設け
た各色インク供給口とのそれぞれと接続する複数のイン
ク受け入れ部を、黒インクタンクの幅及び多色インクタ
ンクの各収納室の幅に対応する間隔をもって横一列に突
設させたことにより、各タンク及び各インク収納室の幅
に応じて印字ヘッド上面のインク受け入れ部の間隔を容
易に変えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２図は断面
図、第３図はインクカートリツジ内部構造を示す図。第
４図はインクカートリツジの装着方法を示す側面図であ
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−188385（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−201671（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−194549（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印字ヘッドの上面に、黒インクを多孔質部
   材に含浸させて収容した黒インクタンクと、黒インク以
   外の複数の色インクをそれぞれ多孔質部材に含浸させて
   水平方向に並設した各色インクに対応する複数の収納室
   に収容した一体型の多色インクタンクとを並列に載置す
   る部分を設けるとともに、前記ヘッドの上面に、前記黒
   インクタンクの下面に設けた黒インク供給口と前記一体
   型多色インクタンクの下面に設けた各色インク供給口と
   のそれぞれと接続する複数のインク受け入れ部を、前記
   黒インクタンクの幅及び前記多色インクタンクの各収納
   室の幅に対応する間隔をもって横一列に突設させたこと
   を特徴とする多色プリンタ。