JPH0626895U - カテーテル組立体およびカテーテル把持部材 - Google Patents

カテーテル組立体およびカテーテル把持部材

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JPH0626895U
JPH0626895U JP6645292U JP6645292U JPH0626895U JP H0626895 U JPH0626895 U JP H0626895U JP 6645292 U JP6645292 U JP 6645292U JP 6645292 U JP6645292 U JP 6645292U JP H0626895 U JPH0626895 U JP H0626895U
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lumen
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gripping member
liquid
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敏彦 長田
雅博 ▲ぬで▼島
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カテーテル組立体1Aは、カテーテル2と、
カテーテル2の基端側に接続した把持部材14を有して
いる。カテーテル2には図示しない複数のルーメンが形
成され、第1のルーメンは光ファイバー束7、第2のル
ーメンは図示しないワイヤーをそれぞれ収納している。
ワイヤー先端はカテーテル2の先端外周付近に、基端側
は操作ノブ15に固定され、操作ノブ15の回転により
ワイヤーは牽引され、この牽引によりカテーテル2の先
端部22が屈曲する。第3のルーメンは、コネクタ12
等を介して容器32内の液体を送液する注入器33と連
結している。そして、把持部材14は、注入器33の作
動を制御するスイッチ31を有している。 【効果】 操作ノブ15による屈曲操作と並行して、把
持部材14より手を離すことなく注入器33を制御で
き、血管や管状器官内の観察や医療処置が非常に行い易
い。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、心臓、血管、消化管、尿道、腹腔等の身体腔内に挿入して 用いられ、医療処置用あるいは測定用などの液体を身体内に注入するためのカテ ーテル組立体、特に、内視鏡(ファイバースコープ)を構成するカテーテル組立 体およびカテーテル把持部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡は、体外位置から挿入した血管や管状器官内の観察を行い、さらにその 内壁への薬液投与、レーザー光線の照射といった医療処置を行うことができるた め、近年注目され、その開発が進んでいる。 このような内視鏡は、可撓性を有するカテーテルおよびその基端側に接続した 把持部材とからなるカテーテル組立体として構成され、カテーテル内に送光用お よび受光用の光ファイバーの束が収納されている。そして、カテーテルを身体腔 内の目的とする部位まで挿入するとともに送光用光ファイバー(ライトガイドフ ァイバー)の先端より発せられた光を観察部へ照射し、その反射光を受光用ファ イバー(イメージガイドファイバー)の先端より取り込み、その映像を受像部へ と導くことにより観察を行うものである。
【0003】 このような内視鏡等のカテーテル組立体においては、液体をカテーテルのルー メン内に送液し、このルーメンを介して液体を体腔内に注入するように構成され ているものがある。例えば、身体腔内を観察するに際して、目的とする観察部位 の透明視野を得るために、生理食塩水やブドウ糖液などの透明液体を注入して、 観察部位を前記透明液体で置換しながら観察を行う。そして、この透明液体を持 続的に注入する方法としては、シリンジポンプやローラーポンプ等の注入器を用 いて機械的に液体の注入操作を行う方法がある。
【0004】 また、このようなカテーテル組立体は、カテーテルのルーメンを介して病変部 位に治療用の薬剤を投与するために用いられることもある。さらに、拡張体を有 するカテーテルにおいては、その内部に空気、CO2ガス、O2ガス等の気体、ま たは生理食塩水等の液体や、X線造影剤を含有した液体等を送りこみ拡張体を膨 らませる構造もある。
【0005】 さらに、このようなカテーテル組立体においては、上記した液体注入操作と並 行して別の操作を行う場合が多い。例えば、内視鏡の場合、観察視野を選択する ため、体外位置からの操作によりカテーテルの先端部分を屈曲させることが可能 な先端屈曲機構を備えたものが広く用いられている。そして、このような先端屈 曲機構としては、カテーテル把持部材に設けられた操作機構を操作することによ り先端を屈曲させる構成が一般的である。 また、上記のような先端屈曲操作のほかにも、血管内等から液体を吸引する操 作などが一般的に液体注入と並行して行われている。
【0006】 そして、上述した液体注入操作においては、カテーテル組立体とは別体である 注入器に設けられたスイッチの切り換えにより、注入器の作動開始や停止を制御 している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
先端屈曲機構を有する内視鏡等のカテーテル組立体においては、片方の手でカ テーテル把持部材を把持して先端屈曲等の操作を行い、もう一方の手でカテーテ ルを把持して押し込み操作やトルク伝達操作を行うのが一般的である。 このような操作に加え、さらに注入器による液体の注入を行う場合には、注入 器の作動開始および停止操作をする度に術者はカテーテル組立体から手を離すこ とになり、治療行為を円滑に進めるうえで支障をきたすことがある。すなわち、 前述のように右手でカテーテル把持部材を把持しつつカテーテル先端の屈曲操作 を行い、左手でカテーテルを捻ることにより目的とする部位を良好に観察してい るような場合に、注入器の作動を制御する操作のためにいずれかの手をカテーテ ル組立体から離すと、観察視野が動いてしまうという問題点がある。
【0008】 また、注入器で注入された液体により、カテーテルを挿入している管状器官内 等の液体注入部位における圧力が過上昇してしまったような場合には、すぐに液 体の注入を停止する必要がある。このような場合、注入器のスイッチを切り換え るまでの時間に、さらに圧力が上昇して患者への負担が大きくなるという問題点 がある。 注入器からカテーテルまで透明液体を導くための接続チューブとカテーテル組 立体との接続部に、二方活栓や三方活栓を設ければ、カテーテル組立体から手を 離さずに液体の注入を止めることができる。しかし、この場合には注入器は作動 し続けるので、注入器とカテーテル組立体とを接続する接続チューブ等の内部の 圧力が上昇してしまうという問題点がある。
【0009】 本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、身体腔内に 挿入するためのカテーテル組立体、特に内視鏡を構成するカテーテル組立体にお いて、カテーテル組立体から手を離すことなく液体注入用の注入器の制御を行う ことができるカテーテル組立体およびカテーテル把持部材を提供することを目的 とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)ないし(7)の本考案により達成される。 (1) カテーテルと、 該カテーテルの基端側に接続する把持部材と、 該把持部材に設けられ、液体を送液する注入器に直接または間接的に接続可能 なコネクタ部と、 前記把持部材の内部に形成され、一端が前記コネクタ部材と接続し、他端が前 記カテーテルに形成された第1のルーメンと液密に接続し、前記注入器より送液 された液体の前記ルーメン内への流通を可能とする第2のルーメンとを備えたカ テーテル組立体であって、 さらに、前記把持部材に前記注入器の作動を制御する作動制御手段が設けられ ていることを特徴とするカテーテル組立体。
【0011】 (2)前記カテーテルの先端部および前記把持部材との間に、前記先端部を屈 曲させる力を伝達可能な伝達手段が設けられている上記(1)に記載のカテーテ ル組立体。
【0012】 (3)前記伝達手段は、一端が前記カテーテルの先端付近に固定され、前記カ テーテルに沿って伸びるワイヤーと、前記把持部材に設けられ、前記ワイヤーの 他端が接続し、前記ワイヤーを前記基端側に牽引可能な牽引具とから構成されて いる上記(2)に記載のカテーテル組立体。
【0013】 (4) 前記作動制御手段が、前記注入器の作動の開始および停止を切り換え るように構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のカテーテル 組立体。
【0014】 (5) 前記作動制御手段が、前記注入器による前記液体の注入速度を連続的 または段階的に変化させ得るように構成されている上記(1)ないし(3)のい ずれかに記載のカテーテル組立体。
【0015】 (6) 前記カテーテルは、先端が開口した少なくとも1つのルーメンを有し 、前記ルーメンに観察または医療処置器具が収納されている上記(1)ないし( 5)のいずれかに記載のカテーテル組立体。
【0016】 (7) 前記カテーテルの外周壁回りに、拡張、収縮自在な少なくとも1つの 拡張体が設置されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のカテーテル 組立体。
【0017】 (8) 前記作動制御手段が前記把持部材より脱着可能に設けられている上記 (1)ないし(7)のいずれかに記載のカテーテル組立体。
【0018】 (9) 前記把持部材が前記カテーテルに対し脱着可能に設けられている上記 (1)ないし(8)のいずれかに記載のカテーテル組立体。
【0019】 上記目的は、さらに、下記(10)ないし(14)により達成される。
【0020】 (10) カテーテル把持部材であって、 前記把持部材は、液体を送液する注入器に直接または間接的に接続可能な第1 のコネクタ部を一端に備え、他端には、カテーテルと接続する第2のコネクタ部 を備え、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とをルーメンを介して連 通し、さらに、該注入器の作動を制御する作動制御手段を設けていることを特徴 とするカテーテル把持部材。
【0021】 (11) カテーテル把持部材であって、 前記把持部材は、液体を送液する注入器に直接または間接的に接続可能な第1 のコネクタ部を一端に備え、他端には、接続部材を介してカテーテルと接続する 第2のコネクタ部を備え、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とをル ーメンを介して連通し、さらに、該注入器の作動を制御する作動制御手段を設け ていることを特徴とするカテーテル把持部材。
【0022】 (12) 前記作動制御手段が、前記注入器の作動の開始および停止を切り換え るように構成されている上記(10)または(11)に記載のカテーテル把持部材。
【0023】 (13) 前記作動制御手段が、前記注入器による前記液体の注入速度を連続的 または段階的に変化させ得るように構成されている上記(10)または(11)に記 載のカテーテル把持部材。
【0024】 (14) 前記作動制御手段が脱着可能に設けられている上記(10)ないし(13 )のいずれかに記載のカテーテル把持部材。
【0025】
【作用】
本考案のカテーテル組立体は、カテーテルと、該カテーテルの基端側に接続す る把持部材と、該把持部材に設けられ、液体を送液する注入器に直接または間接 的に接続可能なコネクタ部と、前記把持部材の内部に形成され、一端が前記コネ クタ部材と接続し、他端が前記カテーテルに形成された第1のルーメンと液密に 接続し、前記注入器より送液された液体の前記ルーメン内への流通を可能とする 第2のルーメンとを備えている。そして、注入器により送られた液体は、コネク タ部およびルーメンを介して、カテーテルが挿入された血管または管状器官内等 の体腔内に噴出する。 そして、把持部材には、注入器の作動を制御するための作動制御手段が設けら れており、この作動制御手段を操作することにより、把持部材から手を離さずに 、把持部材による所定の操作を行いながら液体の注入を制御することが可能とな る。
【0026】 また、作動制御手段の制御の度合いは、可変抵抗等を用いて連続的または段階 的に変化させることができ、このように構成した場合は、注入器の動作量は連続 的または段階的に制御され、液体の注入量および注入速度を連続的または段階的 に変化させることが可能となる。
【0027】 さらに、カテーテルの先端部および把持部材との間に、ワイヤー等の前記先端 部を屈曲させる力を伝達可能な手段が設けられている場合は、把持部材により前 記先端部の屈曲操作を行うことが可能となり、このような場合でも、カテーテル を把持しながら把持部材を用いて屈曲操作を行うことと併行して、把持部材より 手を離すことなく注入器の制御を行うことができる。
【0028】 また、注入器によって送液された液体を流入させるルーメン、またはそれ以外 のルーメンのうち1つに、観察または医療処置器具を収納した場合は、血管や管 状器官内にて、このルーメンを介して前記観察または医療処置器具を作用させる 操作を行いながら、把持部材より手を離すことなく注入器の制御を行うことがで きる。
【0029】
【考案の構成】
以下、本考案を具体的構成例に基づいて詳細に説明する。 図1は本考案のカテーテル組立体の一構成例を示す斜視図、図2は図1中のII −II線での拡大断面図、図3は図2中のIII −III 線での断面図、図4は図2中 のIV−IV線での断面図である。 図1に示すように、カテーテル組立体1Aはカテーテル2を有しており、また 、その基端側21には、把持部材14が接続されている。
【0030】 カテーテル2は、例えばポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、シリコ ーンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチ レン−酢酸ビニル共重合体等のような可撓性を有する材料で構成されている。特 に、カテーテル2の先端部22は、上記材料やカテーテル2の径等の適宜選定に より、後述するワイヤー8の引張操作の際、容易に屈曲しうる程度の柔軟性を有 するように構成されていることが好ましい。
【0031】 また、本考案のカテーテル組立体は、例えば血管内に挿入、留置された状態で 使用されるので、カテーテル組立体の存在位置をX線透視下で確認しつつ観察や 治療行為を行う必要性が高い。そこで、カテーテル組立体1AにX線造影性を付 与しておくのが好ましい。具体的には、カテーテル2の構成材料中にX線不透過 物質を含有するのが好ましい。X線不透過物質としては、硫酸バリウム、酸化ビ スマス、タングステンのような金属化合物等が挙げられる。
【0032】 カテーテル2は、先端部22を残すほぼ全長に渡って、管状の剛性付与体9に 覆われている。このように構成することにより、カテーテル組立体1Aの剛性付 与体9の存在する部分は、剛性付与体の存在しない先端部22に比べて曲げ剛性 が大きくなり、したがって、後述するワイヤー8の引張操作により先端部22を 屈曲させたとき、先端部22のみが確実に屈曲し、先端部22より基端寄りのカ テーテル2が不必要に湾曲することが防止される。
【0033】 この剛性付与体9の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、タングステン 、超弾性合金等の金属材料、または、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート 、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリフェニ レンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビ ニル、テフロン、ポリスルホン、ポリカーボネート、およびこれらの複合材料等 、ある程度の剛性を有するものが挙げられる。
【0034】 また、剛性付与体9の厚さは、その材質、形状等により異なるが、先端部22 のみを良好に屈曲させることができ、かつ、カテーテル2の外径が増大しすぎな いようにするためには、20μm〜1000μm程度とすることが好ましく、よ り好ましくは 50μm〜500μm程度とすることが好ましい。
【0035】 なお、前記剛性付与体は、図示のような環状のものに限定されるものではなく 、例えば、棒状の剛性付与体を先端部22以外の部分に配置してもよい。また、 このような剛性付与体を設ける代わりに、公知の節輪等により屈曲させる構成と してもよい。
【0036】 カテーテル2には、以下に述べるような用途、機能の異なる種々のルーメンが 形成されている。 図2に示すように、カテーテル2には、そのほぼ全長に渡って4つの第1〜第 4ルーメン3、4、5、および6が形成されている。
【0037】 第1ルーメン3には、カテーテル組立体1Aを内視鏡として用いる場合に、血 管内や管状器官のような体腔内を観察する観察器具(ファイバースコープ)とし ての光ファイバー束7が収納されている。なお、光ファイバー束7は、例えば、 血管や管状器官内壁へのレーザー光の照射等の医療措置にも使用することができ る。
【0038】 この光ファイバー束7は、図2に示すように送光用ファイバー(ライトガイド )71及び受光用ファイバー(イメージガイド)72で構成されており、これら の光ファイバーを例えばエポキシ、アクリル、シリコーンゴム等の樹脂で固めて 束状としたものである。なお、送光用および受光用ファイバー71、72は、い ずれも石英、プラスチック、多成分ガラス等の光ファイバーで構成されている。 また、光ファイバー束7の先端にはレンズ73が装着され、この部分は第1ル ーメン3の先端の開口付近に位置している。
【0039】 第1ルーメン3は、カテーテル2の基端側21において、後述する把持部材1 4の内部に設けられた空間(図示せず)を介して、前記光ファイバー束7を収納 する第1コネクタ11に接続されている。 カテーテル組立体1Aの把持部材側にある光源(図示せず)より発せられた光 は、送光用ファイバー71により導かれ、その先端から観察目的部位へ照射され 、その反射光をレンズ73を介して、受光用ファイバー72の先端より取り込み 、その画像が受光用ファイバー72内を伝達され、カテーテル組立体1Aの把持 部材側に設置された受像部(図示せず)へと導かれる。
【0040】 なお、光ファイバー束7は、第1ルーメン3に対し、固定的に設置されている のが好ましいが、第1ルーメン3の長手方向に移動可能とし、光ファイバー束7 の先端部が第1ルーメン3の開口より出没自在としてもよい。
【0041】 第2ルーメン4は、カテーテル2の先端部22へ開放し、主にガイドワイヤー や医療処置具等の挿通チャンネルとして用いられる。例えば、第2ルーメン4に 光ファイバーの束を収納して、血管や管状器官内壁へのレーザー照射を行ったり 、あるいは、結石破砕用のプローブを収納して結石を破砕する等の治療行為を行 うことができる。
【0042】 また、第2ルーメン4は、カテーテル2の基端側21において、後述する把持 部材14の内部に設けられた空間(図示せず)を介して、医療処置具を収納する 第2コネクタ12に接続されている。
【0043】 第3ルーメン5は、カテーテル2の先端部22へ開放し、その開口より血管や 管状器官内等に液体を注入する。具体的には、この第3ルーメン5は、カテーテ ル組立体1Aを挿入、留置した血管や管状器官内を内視鏡により観察する際に、 視界の妨げとなる血管等の体液を押し出すための透明液体(例えば、生理食塩水 、ぶどう糖液)を噴射するフラッシュ用チャンネルとして用いられる。
【0044】 また、第3ルーメン5は、カテーテル2の基端側21において、後述する把持 部材14の内部に設けられたルーメン(図示せず)を介して、後述する接続チュ ーブ36に接続するための第3コネクタ13に接続されている。
【0045】 第4ルーメン6内には、カテーテル2の先端部22を屈曲させる力を伝達する 手段であるワイヤー8が収納されている。この第4ルーメン6の先端開口は、充 填材61の充填により封止されている。そして、ワイヤー8の先端はこの充填材 61まで達しており、この位置でカテーテル2に固定されている。また、ワイヤ ー8の基端は、後述する把持部材14内に設置された牽引具15の軸部(図示せ ず)に固定されている。
【0046】 ワイヤー8の先端固定位置は、カテーテル2の横断面内において、カテーテル 2の中心軸から偏心位置にあり、このような偏心位置とすることによって、ワイ ヤー8の引張によるチューブ先端の一定方向への屈曲が可能となる。従って、ワ イヤー8の先端固定位置は、前記カテーテル横断面内の中心より十分離れた位置 、例えば横断面内の外周近傍であることが好ましい。
【0047】 また、カテーテル2の軸方向におけるワイヤー8の固定位置は、前記剛性付与 体9の先端91よりも先端側とされる。 このようなワイヤー8としては、後述する把持部材14における引張操作によ り断線を生じることがない程度の引張強度を有するものが好ましく、その構成材 料としては、例えば、ステンレス鋼、ピアノ線超弾性合金等の細径金属線、芳香 族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリイミド 等の単線や繊維束、カーボンファイバー等を挙げることができる。また、ワイヤ ー9の径は、ワイヤーの材質にもよるが、例えばポリアリレートの繊維束の場合 、好ましくは30〜500μm程度、より好ましくは50〜300μm程度であ り、また、ステンレス線の場合、好ましくは10〜200μm程度である。
【0048】 このようなワイヤー8を、後述する牽引具15によりカテーテル組立体1Aの 基端側21の方向へ引張する事により、図5に示すように、カテーテル2の先端 部22が屈曲し、それに伴って第1ルーメン3内の光ファイバー束7の先端部や 第2ルーメン4内の医療処置器具の先端部が屈曲する。このように構成すること により、カテーテル組立体1Aを挿入した血管や環状器官の内面の観察や医療処 置が可能となる。 なお、本明細書において「屈曲」とは、カテーテル2が1段または2段以上の 折れ線状に折れ曲がること、または曲線状に連続的に湾曲することを含む概念で ある。
【0049】 なお、先端部22を屈曲させる力を伝達する手段としては、上述のようなワイ ヤーによるものに限定されるものではなく、他の構成により上記手段を構成して もよい。そのようなものとしては、例えば、特開昭59−48710号公報に記 載されているような、カテーテル組立体の先端部に形状記憶合金を内蔵し、通電 による自己発熱や別に設けた発熱線等を用いた加熱により、その形状を変化させ て先端部の屈曲を行う構成、あるいは、特開平1−320068号公報に記載さ れている、電気的制御等によって収縮・膨張するメカノケミカル物質を用いた構 成や、特開昭63−65413号公報に記載されている、カテーテル内に充填さ れた圧縮自在の液体または気体を用いた構成等を挙げることができる。
【0050】 把持部材14は、図1に示すように、前記ワイヤー8の基端側に接続し、ワイ ヤー8の牽引操作を行うための牽引具15と、前記第1ルーメン3に連通し、光 ファイバー束7を挿通する第1コネクタ11と、前記第2ルーメン4に連通し、 ガイドワイヤーや医療処置器具(図示せず)を挿通する第2コネクタ12と、注 入器33の作動により送られる液体を送液する接続チューブ36と接続可能な第 3コネクタ13と、注入器33の作動を制御するためのスイッチ31を有してい る。
【0051】 把持部材14の内部には、第1コネクタ11を介して第1ルーメン3と外部と を連通、および第2コネクタ12を介して第2ルーメン4と外部とを連通させる 空間(図示せず)が形成されている。さらに、把持部材14内には、一端が前記 第3コネクタ13に、他端が前記第3ルーメン5に連通し、前記第3コネクタ1 3を介して、注入器33から送液された液体を前記第3ルーメン5に送り込むル ーメン(図示せず)が形成されている。このような空間およびルーメンは、カテ ーテル2の各ルーメンをそれぞれ外部と連通可能とするものであれば、その形状 等はいかなるものでもよい。
【0052】 牽引具15は、手指で把持および操作するために、一部が図示のように把持部 材14の外側に露出し、他の部分は把持部材14内に収納され、把持部材14に 対し回転可能に係止されている。そして、ワイヤー8の基端側は把持部材14に 収納されており、牽引具15における把持部材14に収納された部分に、このワ イヤー8の基端側が固定されている。
【0053】 図3ないし図4の状態において、把持部材14を一方の手で把持し、他方の手 で牽引具15を把持して回転すると、牽引具15の回転に伴い、ワイヤー8が牽 引具15に巻きとられるため、ワイヤー8はカテーテル2の基端側21の方向に 牽引され、図5に示すように、カテーテル2の先端側22が屈曲する。また、こ のように先端側22を屈曲させた後、牽引具15を前記と逆方向に回転してワイ ヤー8を先端側に移動させ、元の位置まで戻すと、カテーテル2の先端側22は 、図3および図4に示すような元の直線状態に戻る。 ワイヤー8の牽引の度合い(距離)は、牽引具15の回転量にほぼ比例してい るため、この回転量の調整により、ワイヤー8の牽引の度合い(距離)、すなわ ち先端側22の屈曲の角度を所望の角度に調整することができる。
【0054】 このような牽引具15においては、例えば、その外側に露出した部分の外周廻 りに目盛(図示せず)を設け、ワイヤー8の引張長さ、すなわち先端側22の屈 曲角度がわかるようにしておくこともできる。 図示の牽引具15のように、回転運動を直線運動に変換するような構成におい ては、ワイヤー8の牽引の度合い、すなわち先端側22の屈曲の角度を微妙に調 整することができ、操作性にも優れている。
【0055】 なお、本考案におけるワイヤー8の牽引機構は、上記構成のものに限定されず 、例えば、把持部材14にシリンダーの形状をした部分を設け、このシリンダー に収納され軸方向に摺動するプランジャーによりワイヤー8を牽引する構成等、 いかなるものでもよい。
【0056】 カテーテル組立体1Aにおいては、カテーテル2の先端側22を2以上の方向 に屈曲させるために、複数本のワイヤー8を設けることができる。すなわち、カ テーテル2の横断面内において周方向に沿って所定の間隔で複数のルーメン(図 示せず)を設け、これらのルーメン内にそれぞれ前記ワイヤー8を収納し、各ワ イヤー8の先端をそれぞれカテーテル2の横断面内の異なる偏心位置に固定した 構成とすれば、1本のワイヤー8または一部の複数のワイヤー8を一度に引張操 作することによって、カテーテル2の先端側22を所望の方向へ屈曲させること が可能となる。
【0057】 例えば、カテーテル2の横断面内の周方向に沿って等間隔で4つのルーメンを 設け、これらのルーメン内にそれぞれワイヤー8を収納し、各ワイヤー8の先端 をそれぞれカテーテル2の先端にて固定した構成のカテーテル組立体では、各ワ イヤー8を単独で引張すれば、先端側22を引張したワイヤー8に応じた4つの 方向(上、下、左、右方向)へ屈曲させることが可能となる。
【0058】 また、隣接する2つのワイヤー8を同時に引張すれば、引張するワイヤー8の 組み合わせにより、前記4方向からそれぞれ45°の角度をなす4つの方向への 屈曲が可能となり、合計8方向へ先端側22を屈曲させることができる。 さらには、隣接する2つのワイヤー8のそれぞれの引張力を変えて操作すれば 、先端側22を任意の方向へ屈曲させることが可能となる。 このように、カテーテル2の先端側22を多数の方向へ自在に屈曲可能とすれ ば、血管や管状器官内における観察の視野や医療処置を施すことができる領域が 広がり、また、観察の視野の方向や医療処置の部位を変更する際に、カテーテル 2を回転する等の操作を行うことなく、容易かつ短時間で行うことができる。
【0059】 注入器33は、カテーテル2の第3ルーメン5を介して、生理食塩水等の液体 が貯留された容器32からの液体を注入するためのものであり、例えば、ローラ ポンプ、遠心ポンプ、シリンジポンプ等の送液手段として構成される。また、本 構成において、注入器33は接続チューブ36と接続し、接続チューブ36は把 持部材14の第3コネクタ13と接続可能であり、この接続により注入器33は 第3コネクタ13に接続される。なお、注入器33を直接第3コネクタ13に接 続するように構成してもよい。 容器32は、血管等に注入するための生理食塩水等の液体を貯留しており、接 続チューブ36および第3コネクタ13を介して第3ルーメン5と連通している 。
【0060】 本構成例において、スイッチ31は、注入器33を駆動させる電源34と注入 器33とを接続し、電流を注入器33に供給するためのコード35と繋がってお り、電源34と注入器33との間の電気的導通を開閉するスイッチであり、この ようなスイッチとしては、シーソースイッチ、ボタンスイッチ、カムスイッチ、 トグルスイッチ、スライドスライド等公知のものを用いることができる。それら の中でも特に、誤って手指がスイッチ31に触れても容易にスイッチが切り換わ らないようなもの、すなわち、スイッチ31の切り換えにある程度の力が必要な ものが好ましい。このようなものとすることにより、注入器33が誤って操作さ れることを防止することができる。
【0061】 また、把持部材14の外面の一部を、図6のように窪み83を設け、この窪み 83にスイッチ31を設けて、手指が窪み83の入口に軽く接触する程度ではス イッチ31には触れないように形成することにより、スイッチ31の誤った切り 換えを防止してもよい。
【0062】 また、スイッチ31は、把持部材14において、上述のような牽引具15によ る先端部22の屈曲操作や、光ファイバーの挿通操作、医療器具の挿通操作、カ テーテル組立体の押し込み操作やトルク伝達操作等を行いながら、スイッチ31 の切り換えを円滑に行える位置に設けることが好ましい。具体的には、例えば、 左手でカテーテル組立体のトルク伝達操作を行い、右手で牽引具15を操作して いるような場合に、スイッチ32を円滑に切り換えるようにするためには、牽引 具15とスイッチ31の距離を10cm程度またはそれ以下とすることが好まし い。
【0063】 また、牽引具15において、例えば図7のように、外面より若干外側に突出し て形成された手掛かり部152を設けることにより、手掛かり部152に指を掛 けて操作でき、一方の手における5本の指のうちの1本ないし数本で円滑に操作 できるようにしてもよい。
【0064】 そして、このスイッチ31をonの状態にすることにより、電源34からの電 流が前記注入器33に供給され、注入器33が作動する。この作動により、容器 32内に満たされた生理食塩水等の液体は、前記接続チューブ36及び前記第3 ルーメン5内を導かれて、カテーテル組立体1Aの先端部より血管や管状器官内 などに噴出される。逆に、スイッチ31を切り換えてoffの状態にすると、電 源34からの電流の供給が止まるため、液体の噴出も停止する。 前記スイッチ31は、カテーテル組立体把持部材14に設けられており、この ため、術者はカテーテル組立体把持部材14から手を離さずに、前記注入器33 の作動を制御することができる。
【0065】 本考案のカテーテル組立体においては、注入器の動作量を制御し、液体注入速 度を増減させるような構成とすることもできる。具体的には、例えば、上記した スイッチ31の代わりに、電気抵抗値を可変的に制御可能な電気抵抗体(図示せ ず)を前記把持部材に設け、この電気抵抗体の抵抗値を制御することにより達成 される。このように構成することにより、液体の注入速度を任意のレベルに調節 することができる。
【0066】 本考案のカテーテル組立体1Aにおいては、所望によりスイッチ31を把持部 材より着脱可能に構成することができる。このように構成することにより、例え ば持ち運ぶ上でスイッチ31やそれに接続しているコード35等が邪魔になる場 合でも、これらを把持部材14より取り外すことができ、スイッチ31やそれに 接続しているコード35等が邪魔になることがない。 このような構成は、例えば、スイッチ31を把持部材14と別体として雄ねじ を設け、かつ、把持部材14に該雄ねじと螺合する雌ねじを形成することにより 達成される。また、例えば、把持部材14に凹部を設け、かつ、スイッチ31に 該凹部と嵌め込み可能な凸部を設けた構成としてもよい。
【0067】 図8は、本考案のカテーテル組立体の他の構成例を示す横断面図である。 以下、同図に基づいて本考案のカテーテル組立体1Bの構成について説明する が、前記カテーテル組立体1Aと同様の事項については、同一の符号を付して説 明は省略する。 カテーテル組立体1Bは、前記カテーテル組立体1Aとほぼ同様の構成である が、剛性付与体9がカテーテル2の第4ルーメン6内に収納され、カテーテル2 の外周壁回りに拡張(膨張)・収縮自在な拡張体(バルーン)17が設置されて いる点で異なっている。
【0068】 剛性付与体9は、管状に形成され、カテーテル2の先端部22を除いた第4ル ーメン6内に、ワイヤー8を囲むように収納されている。これにより、剛性付与 体9の存在する部分のカテーテル2は、剛性付与体9の存在しない先端部22に 比べて曲げ剛性が大きくなり、従って、ワイヤー8の引張操作により先端部22 を屈曲させたとき、先端部22のみが確実に屈曲し、先端部22より基端寄りの カテーテル2が不必要に湾曲することが防止される。
【0069】 なお、剛性付与体9は、第4ルーメン6内に収納されている場合に限らず、他 のルーメン、例えば第3ルーメン5内に収納されていてもよい。この場合、液体 の注入は、第3ルーメン5以外のルーメンに、注入器と接続するコネクタ等を設 け、このルーメンを用いて行う。また、同様にして剛性付与体9を第1ルーメン 3内に光ファイバー束7とともに収納することもできる。
【0070】 拡張体17は、例えばシリコーンゴム、ラテックスゴムのようなゴム材料、ま たはポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合 体等の樹脂で構成される薄い膜を筒状または袋状に成形したものである。
【0071】 図示の構成例における拡張体17は、拡張時に血管や管状器官の内壁面に密着 するようになっており、血管等に対しカテーテル組立体1Bを固定する役割と、 拡張体17より前方(カテーテル先端側)において視界の妨げとなる血液を排除 し、透明液体に置換するに際しての血液の流入を遮断する役割を持っている。な お、拡張体17の用途、機能は、これらに限定されない。
【0072】 拡張体17のカテーテル2の長手方向に対する設置位置は、先端部22の屈曲 を妨げないように、剛性付与体9の先端91より基端寄りとされる。 このような拡張体17は、拡張時にカテーテル2の中心から放射状に拡張する ようになっているのが好ましい。
【0073】 また、拡張体17の横断面形状は円、楕円、その他これに類する形状が可能で あるが、挿入、留置する血管や管状器官の横断面形状に近似したものとすれば、 血管や管状器官への密着性が良好となり好ましい。
【0074】 拡張体17は、カテーテル2に対し気密または液密に取り付けられる必要があ るが、その取り付け方法としては、例えば、カテーテル2の外周面に別部材(筒 状または袋状の部材等)による拡張体17を端部にて接着、融着または糸等を用 いて縛り付ける方法、あるいは、カテーテル2と一体成形または二色成形する方 法が可能である。
【0075】 カテーテル組立体1Bのカテーテル2には、前記第1〜第4ルーメンの他に、 拡張体17の内部に連通する第5ルーメン18が形成されている。この第5ルー メン18を介して、拡張体17内へ流体を送り込んで拡張体17を拡張させ、ま た流体を排出して拡張体17を収縮させる。なお、拡張体17を拡張するための 流体としては、空気、CO2 ガス、O2 ガス等の気体、または生理食塩水、X線 造影剤を含有する液体等が挙げられる。 なお、拡張体17へ連通する第5ルーメンは、他のルーメン、例えば、第4ル ーメン5と兼用であってもよい。
【0076】 このような拡張体付のカテーテル組立体において、拡張体17は、カテーテル 2の長手方向に沿って複数個形成されていてもよい。この場合、各拡張体の内部 にそれぞれ連通する複数のルーメンを設けるか、または1つのルーメンが各拡張 体の内部に連通する構成とすることができる。 複数の拡張体を設置する場合の設置位置は、前記と同様の理由から、カテーテ ル2の最も先端側の拡張体が、剛性付与体9の先端91より基端寄りの位置とさ れる。
【0077】 前記流体を第5ルーメン18に送り込む手段としては、例えば前記カテーテル 組立体1Aの説明で述べた第3ルーメンへの送液と同様の構成、すなわち、上述 のような注入器を用いた構成とすることができる。
【0078】 そして、上記のような構成とした場合は、該注入器の作動を制御するスイッチ (図示せず)を、把持部材14に一体的に設けることもできる。このように構成 すれば、把持部材14より手を離さずに、拡張体の膨張操作をも並行して行うこ とができる。さらに、前記スイッチを、可変抵抗等の連続的または段階的に注入 器の作動量を制御するものとした場合は、拡張体の膨張の度合いを調整すること が可能となる。
【0079】 上記カテーテル組立体1Aおよび1Bにおいては、剛性付与体9を設けた構成 としたが、このような剛性付与体9を軸方向に移動可能に設置してもよい。この ような構成とすることにより、次のような利点がある。
【0080】 すなわち、まず第一に、先端部22の復元力が弱く、ワイヤー8の牽引を解除 したとき先端部22が元の直線状態(図3および4に示す状態)に戻りにくい場 合に、剛性付与体9を先端方向に移動することにより、先端部22を確実に元の 直線状態に復元させることができる。
【0081】 第二に、剛性付与体9の先端91のカテーテル2に対する軸方向の位置を予め 選択し、設定しておくことにより、先端部22の屈曲領域を調節すること、すな わち先端部22の屈曲点を任意に設定することができる。
【0082】 剛性付与体9を移動可能とするためには、例えば、把持部材14にシリンダー を形成し、このシリンダーに挿入されているプランジャーを設け、剛性付与体9 の基端側を、該プランジャーの一端と接続して、該プランジャーをその軸方向に 摺動させることにより移動させることができる。また、ワイヤー8を引張るため の機構として、上記したプランジャーを兼用させてもよい。
【0083】 図9および図10は、本考案のカテーテル組立体および把持部材の他の構成例 を示す横断面図である。以下、同図に基づいて本考案のカテーテル組立体1Cの 構成について説明する。 カテーテル組立体1Cは、液体を注入するためのルーメンを有するカテーテル 20と、カテーテル2の基端23付近に固着された第1の螺着部材40と、第1 の螺着部材40と螺合により接続し、これによりカテーテル2と脱着可能に設け られている把持部材140とから構成される。
【0084】 カテーテル20は、注入器33によって送られた液体が流入するルーメン25 を有している。ルーメン25は、カテーテル20の先端24へ開放し、その開口 より血管や管状器官内等に液体を注入する。
【0085】 第1の螺着部材40は、円筒状で、その内側にカテーテル20を挿通した状態 にて、カテーテル20の基端23付近に固着されている。かつ、第1の螺着部材 40の外側には、把持部材140の後述する第2のネジ部144と螺合するよう に形成された第1のネジ部401を有している。 また、第1の螺着部材40は、図示のように、後述するような把持部材140 への接続の際に回転把持しやすいよう、第1のネジ部401よりカテーテル20 の先端24へ向かって所定長伸びて形成された把持部402を設けてもよい。
【0086】 把持部材140は、注入器(図示せず)と直接または間接に接続するコネクタ 141を有し、かつ、図9および図10に示すように、ルーメン25とコネクタ 141を連通するためのルーメン142を有している。さらに、ルーメン142 の、コネクタ141と連通している側と反対側は、第1の螺着部材40を収納す るように内径が増大して、把持部材140の外部に貫通しており、さらに、カテ ーテル20の基端23が当接するための当接面143と、第1の螺着部材40の 第1のネジ部401と螺合する第2のネジ部144が形成されている。そして、 当接面143には、図示のようにOリング145が設けられており、このOリン グ145に基端23が当接する。 なお、Oリング145を設けず、当接面143に直接基端23が当接する構成 としてもよい。
【0087】 カテーテル20の基端23と第1のネジ部401、および、当接面143と第 2のネジ部144は、第1のネジ部401と第2のネジ部144とを螺合させた 時、基端23が後述する当接面143に当接して、ルーメン25およびルーメン 142とが連通し、カテーテル20と把持部材140が液密に接続される位置に 設定される。この構成例においては、当接面143に、図示のようにOリング1 45を設けることにより、第1のネジ部401と第2のネジ部144とを螺合さ せた際に、カテーテル20の基端23がこのOリング145に当接し、これによ り把持部材140とカテーテル20を液密に接続するように構成されている。 また、カテーテル20および把持部材140を液密に接続するためには、ルー メン142の径は、ルーメン25の径とほぼ同一かまたは小さく形成され、その 中心軸がルーメン25の中心軸と一致するように形成されていることが好ましい 。
【0088】 そして、把持部材140の外側にはスイッチ310が設けられている。このス イッチ310としては、カテーテル組立体1Aの説明において述べたものと同様 のものを用いることができる。
【0089】 カテーテル組立体1Cを使用する際には、カテーテル20または第1の螺着部 材40の把持部402を把持して、基端23よりカテーテル20を把持部材14 0に挿入し、カテーテル20の基端23が当接面143に設けられたOリング1 45に当接するまで、カテーテル20を回して第1のネジ部401と第2のネジ 部74とを螺合させるこれにより、図10に示すように、カテーテル20と把持 部材140とは液密に接続する。その後、カテーテル20の先端24より血管等 に挿入し、スイッチ310を操作して、治療用の薬剤等を注入する。 注入完了後は、前記と反対方向にカテーテル20を回して、把持部材140よ りカテーテル20を取り外す。
【0090】 このように、カテーテル20と把持部材140とを着脱可能に構成することに より、血管等に挿入されるカテーテル20のみを使い捨てとし、用時新品のカテ ーテル20と交換して把持部材140を再使用することができる。
【0091】 図11および図12は、本考案のカテーテル組立体および把持部材の他の構成 例を示す横断面図である。以下、同図に基づいて本考案のカテーテル組立体1D の構成について説明するが、前記カテーテル組立体1Aないし1Cと同様の事項 については、同一の符号を付して説明は省略する。 カテーテル組立体1Dは、カテーテル組立体1Cとほぼ同様の構成であるが、 カテーテル20の基端側に固着されており、把持部材140と係合する係合部材 50と、係合部材50を挿通し、かつ、把持部材140と螺合するように構成さ れ、この螺合により把持部材140に対し係合部材50を固定する第2の螺着部 材60を有している点で異なっている。
【0092】 係合部材50は、筒状に形成され、その内側にカテーテル20を挿通した状態 にて、カテーテル20の基端に固定されている。また、係合部材50の外側には 、係合部材50の外周回りに沿ってリブ501が形成されている。そしてこのリ ブ501は、後述する把持部材140の端面146に当接する面502および第 2の螺着部材60の面603に当接する面503を有している。
【0093】 第2の螺着部材60は、図11および図12に示すように、両端が開口した筒 状に形成されている。そして、その一端は把持部材140を収納可能である一定 の内径を有し、かつその内周面に、後述する把持部材140の第4のネジ部14 8と螺合する第3のネジ部601が形成されている。かつ、第3のネジ部601 より反対側においては、内径が縮小し、係合部材50を密着して挿通可能な程度 に縮小した内径を有する挿通孔602が形成されている。さらに、第3のネジ部 601および挿通孔602の間の部分においては、係合部材50の面503と当 接する面603が形成されている。なお、面603においては、例えば、係合部 材50を確実に係止するために、両部材間の摩擦力を増大する布等を設けてもよ い。
【0094】 把持部材140は、カテーテル組立体1Cにおける把持部材とほぼ同様の構成 であるが、把持部材140の先端側(端面146を有する側)には、第2の螺着 部材60の第3のネジ部601と螺合する第4のネジ部148が形成されている 点で異なっている。そして、第3のネジ部601を第4のネジ部148に螺合さ せることにより、当接面143に設けられたOリング145に、カテーテル20 の基端21が当接するように構成されている。
【0095】 カテーテル20の基端23(または係合部材50の基端)と、第3のネジ部6 01、第4のネジ部148、およびOリング145が設けられる位置は、第3の ネジ部601と第4のネジ部148とを螺合させた時、基端21が当接面143 に当接して、ルーメン25およびルーメン142とが連通し、カテーテル20と 把持部材140が液密に接続される位置に設定される。
【0096】 そして、把持部材140の外側にはスイッチ310が設けられている。このス イッチ310としては、カテーテル組立体1Aないし1Cの説明において述べた ものと同様のものを用いることができる。
【0097】 カテーテル組立体1Dを使用する際には、カテーテル20または係合部材50 の先端側を把持して、カテーテル20の基端21が当接面143に設けられたO リング145に当接し、かつ、リブ501の面502が把持部材140の端面1 46に当接するまで、その基端側を把持部材140に挿入し、係合部材50と把 持部材140とを接続する。続いて、カテーテル20の先端22を、第2の螺着 部材60の挿通孔602に挿通し、第2の螺着部材60をカテーテル20の基端 側へ動かし、第3のネジ部601の手前まで進める。その後、第2の螺着部材6 0を回して、第3のネジ部601と第4のネジ部148とを螺合させる。この螺 合により、係合部材50のリブ501は、把持部材140および第2の螺着部材 60により両側から挟みこまれ、図11に示すように、係合部材50が固定され る。
【0098】 このようにしてカテーテル20と把持部材140との接続が完了した後、カテ ーテル20の先端より血管等に挿入し、スイッチ310を操作して、治療用の薬 剤等を注入する。 注入完了後は、前記と反対方向に第2の螺着部材60を回し、第3のネジ部6 01と第4のネジ部148との螺合を解除して、把持部材140よりカテーテル 20を取り外す。
【0099】 このように、カテーテル20と把持部材140とを着脱可能に構成することに より、血管等に挿入されるカテーテル20のみを使い捨てとし、用時新品のカテ ーテル20と交換して把持部材140を再使用することができる。
【0100】 さらに、カテーテル組立体1Cにおいて示した構成と異なり、カテーテル20 を把持部材140に対し、カテーテル20の外周方向に回転することなく軸方向 に移動させて接続する構成とすることにより、カテーテル20の把持部材140 に対する位置決めを確実に行うことができる。このため、カテーテル20に設け られるルーメンを複数とした場合でも、上記のように接続を行うことにより、把 持部材140における各ルーメンに対応する位置に設けられたコネクタ等(図示 せず)とこれらのルーメンとを確実に接続することができる。
【0101】 さらに、カテーテル20の把持部材140に挿通される部分(この構成例にお いては係合部材50のリブ501よりも基端側)における断面形状を多角形(図 示せず)等に形成し、かつ、把持部材140においても同様の断面形状(図示せ ず)とし、双方の形状が合うように上記挿通を行うことによって、カテーテル2 0および把持部材140の位置決めを容易かつ確実に行うことができる。 また、断面形状を円形以外に形成することにより、カテーテル2を把持部材に 対しある程度固定する機能を有し、かつ、第2の螺着部材の回転に伴ってカテー テル2が回転し位置ずれが生ずることが防止される。
【0102】 カテーテル組立体1Cおよび1Dにおいて、カテーテル20と把持部材140 との接続は螺合により行っているが、本考案における接続としては上記螺合に限 定されるものではなく、いかなるものでもよい。例えば、把持部材140にカテ ーテル20の基端23側と嵌合可能な凹部を設け、この凹部にカテーテル20を 挿通することにより接続を行うこともできる。
【0103】 図13は、本考案のカテーテル組立体の他の構成例を示す横断面図である。以 下、同図に基づいて本考案のカテーテル組立体1Eの構成について説明するが、 前記カテーテル組立体1Dと同様の事項については、同一の符号を付して説明は 省略する。 カテーテル組立体1Eは、カテーテル組立体1Dとほぼ同様の構成であるが、 カテーテル20はルーメン27a、ルーメン27b、ルーメン27c、ルーメン 27dの4つのルーメンを有しており、かつ、基端側に固着された係合部材50 における、リブ501よりも基端側の断面形状が、図示のように角の部分が若干 丸みを帯びた正方形に形成されている点で異なっている。
【0104】 このように、カテーテル20の把持部材140に挿通される部分(この構成例 においては係合部材50のリブ501よりも基端側)における断面形状を正多角 形に形成した場合は、カテーテル2が複数のルーメンを有している場合でも、各 ルーメンの位置を上記断面形状に合わせて設定することによって、カテーテル2 0の外周方向における方向性をなくすことができる。このため、カテーテル20 が複数のルーメンを有している場合でも、双方の形状が合うように上記挿通を行 うことによって、カテーテル20および把持部材140の位置決めを容易かつ確 実に行うことができる。
【0105】 具体的には、カテーテル20と中心が同じである円上に各ルーメンを当角度離 間して設け、かつ、正多角形の角の個数を、ルーメンの個数に応じて設定するこ とが好ましい。このように設定することによって、係合部材をいかなる方向にて 把持部材140に挿通しても、全てのルーメンは把持部材における対応した位置 に位置される。図13においては、前記断面形状は正方形に形成され、カテーテ ル20におけるルーメン27aないし27dは90°離間して4個ずつ設けられ ており、これにより前記正方形のどの角が図12の上側となっても、ルーメンは 把持部材に対し対応する位置となるように接続される。
【0106】 また、図13において、係合部材50のリブ501より先端側における断面形 状は、第2の螺着部材60が係合部材50を挿通した状態で回転可能なように円 形に形成しておくことが好ましい。形成することにより、第2の螺着部材60に よる把持部材140への接続を可能としつつ、位置決めを容易に行うことができ る。
【0107】 以上、本考案のカテーテル組立体およびカテーテル把持部材につき、上記構成 例に基づいて詳細に説明したが、本考案はこのような構成に限定されるものでは ない。特に また、以上の説明では、主に光ファイバーにより血管等の内部を観察する内視 鏡について述べたが、本考案のカテーテル組立体の用途はこれに限定されるもの ではなく、例えば、薬液の投与、光ファイバーを通じてのレーザー光線の照射、 目的部位に挿入する際の先端誘導等、広い分野に応用が可能である。
【0108】 また、カテーテル組立体を挿入、留置する部位についても、血管に限らず、例 えば、気管、食道、胃、腸、尿管、膀胱、胆道、膵管、腹腔等の管状器官や、心 臓等の臓器の内部等に対しても用いることができる。
【0109】 さらに、注入器で注入された透明液体によって、カテーテル組立体が挿入され ている血管や管状器官内の圧力が過上昇することを未然に防ぐため、カテーテル 組立体先端部に開口した一つのルーメンを設け、該ルーメンの基端側に圧力セン サを設置し、該圧力センサからの出力がある一定値を超えた場合には、電源の注 入器への電流供給を停止する電気信号を送り注入器の作動を停止する構成として もよい。
【0110】 また、例えば、注入器への電気的導通を制御する手段を把持部材と別に設け、 把持部材に設けるスイッチを、電源の注入器への電流供給を開始または停止する 電気信号を送る遠隔制御装置として構成し、この電気信号により、注入器の作動 の制御を行ってもよい。
【0111】 さらに、圧力センサを前記液体注入用ルーメンの基端側に接続し、前記注入器 による液体注入時の注入抵抗を指標として、注入器の作動を停止する構成とする こともできる。
【0112】 また、前記圧力センサを用いずに、ある一定の圧力を超えた場合に弁を開くよ うな公知の構造の圧力逃がし弁を設けてもよい。 上記のように、カテーテル組立体が挿入されている血管や管状器官内の圧力が 過上昇しないような構造とすることにより、患者への負担を軽減することができ る。
【0113】 次に、本考案のカテーテル組立体の具体的実施例について説明する。
【実施例】
(実施例1) 図1〜図7に示す構造のカテーテル組立体を製造した。このカテーテル組立体 の緒条件は、次の通りである。
【0114】 <カテーテル> 材質:ポリ塩化ビニル樹脂(タングステン配合) 外径:2.5mm 全長:50cm ルーメン数:4ルーメン ファイバースコープ収納用ルーメン1本 線状体収納用ルーメン1本 医療処置具収納用ルーメン1本 透明液体噴出用ルーメン1本
【0115】 <ファイバースコープ> イメージファイバー束(約2〜3μmの石英ファイバーを約2000本束ねた もの)と、ライトガイドファイバー(約50μmの石英ファイバー)50本を一 体化し、外径0.8mmφの一つのファイバー束とした。 また、イメージファイバー束の先端面に凸レンズを装着し、ライトガイドファ イバーから照射された光を受け、被写体像をイメージファイバー束の端面に結ん だ。 イメージファイバー束の基端面には接眼レンズを装着し、直接観察を可能とし た。ライトガイドファイバーの基端面には光コネクタを装着し、これをキセノン ランプ光源に接続した。
【0116】 <剛性付与体> 材質:ポリウレタン 外径:2.9mm 内径:2.55mm 先端位置:マルチルーメンチューブ先端より基端側に50mmの位置
【0117】 <引張ワイヤー> 材質:ポリアリレート 太さ:100デニール 先端固定位置:マルチルーメンチューブ横断面中心から1mm偏心した位置で チューブ先端より基端側に1mmの位置。
【0118】 <拡張体> なし
【0119】 <把持部材> 図1に示す構造とした。 操作ノブの回転角度:最大100° 操作ノブの形状:図示の通り スイッチの種類:シーソースイッチ スイッチと操作ノブとの距離:30mm スイッチは、接着により把持部材に固定した。
【0120】 <注入器制御機構> 電源:AC100ボルト 注入器:ローラーポンプ 注入量:50ml/分(作動時) スイッチ:把持部材に設けたシーソースイッチ シーソースイッチが「ON」の状態においては、電源からの電流が注入器に供 給され、注入器は作動する。また、シーソースイッチが「OFF」の状態では、 電源からの電流は遮断されて注入器は停止する。
【0121】 <接続チューブ> 材質:ポリ塩化ビニル 外径:5.0mm 内径:3.0mm この接続チューブの一端を前記ローラーポンプに接続した。また、透明液体噴 出用ルーメンの基端には、テーパ(ルアーテーパ)状の受け口を持つ活栓を装着 し、かつ、接続チューブのローラーポンプの接続していない他端には、前記受け 口を差込むためのコネクタを装着して、これらを脱着可能とした。
【0122】 [評価] 内径8mmのプラスチック製チューブよりなる屈曲管(曲げ半径:約150m m)を製造し、その屈曲管内に実施例1のカテーテル組立体を挿入した(挿入長 さ:約200mm)。次に、把持部材の操作ノブを手で把持して回動し、該操作 ノブに接続された引張ワイヤーをカテーテル組立体の基端側へ移動距離5mm牽 引し、カテーテルの先端側を屈曲させた。これによりファイバースコープの先端 部も同様に屈曲し、その傾斜角度は約30°であった。この状態で接眼レンズを のぞき、また、さらにビデオモニタ画面にて屈曲管内面の観察を行ったところ、 良好な観察を行うことができた。また、操作ノブを前記と逆向きに回動し引張ワ イヤーの牽引の解除操作を行ったところ、解除は支障なく、円滑に行うことがで きた。
【0123】 接眼レンズをのぞきつつ、一方の手で操作ノブを操作し、カテーテルの先端側 を上記のように屈曲させながら、他方の手でカテーテルを把持し、屈曲管内への 押し込みを行い、観察部位の移動を行った。そして、操作ノブを操っている手を 用いて、スイッチをONの状態とし、電源からの電流を注入器に供給して注入器 を作動させた。その後、注入器からの液体は屈曲管の他方より排出しつつ、一方 の手でカテーテル20を把持し、他方の手で操作ノブを操作し先端側の屈曲を行 い、20秒後、操作ノブを操作している手でスイッチをOFFの状態としたとこ ろ、瞬時にして注入器の作動を止めることができた。スイッチの操作は、把持部 材を把持し固定しながら行ったので、観察視野のブレ等はなく、良好な観察を妨 げることはなかった。
【0124】 (実施例2) 図9ないし図10に示す構造のカテーテル組立体を製造した。このカテーテル 組立体の緒条件は、次の通りである。
【0125】 <カテーテル> 材質:ポリ塩化ビニル樹脂(タングステン配合) 外径:2.5mm 全長:50cm ルーメン数:1ルーメン 透明液体噴出用ルーメン1本
【0126】 <ファイバースコープ> なし
【0127】 <剛性付与体> なし
【0128】 <引張ワイヤー> なし
【0129】 <拡張体> なし
【0130】 <把持部材> 図9に示す構造とした。 スイッチの種類:シーソースイッチ Oリングの材質:ブチルゴム Oリングの内径:2.8mm Oリングの太さ:1.9mm コネクタには、テーパ(ルアーテーパ)状の受け口を形成した。
【0131】 <注入器制御機構> 電源:AC100ボルト 注入器:ローラーポンプ 注入量:50ml/分(作動時) スイッチ:把持部材に設けたシーソースイッチ シーソースイッチが「ON」の状態においては、電源からの電流が注入器に供 給され、注入器は作動する。また、シーソースイッチが「OFF」の状態では、 電源からの電流は遮断されて注入器は停止する。
【0132】 <接続チューブ> 材質:ポリ塩化ビニル 外径:5.0mm 内径:3.0mm この接続チューブの一端を前記ローラーポンプに接続し、他端には、前記把持 部材のコネクタにおける受け口に差込むためのコネクタを装着して、これら2つ のコネクタを脱着可能とした。
【0133】 <第1の螺着部材> 材質:ポリカーボネート 構造は図示の通りとした。
【0134】 このカテーテル組立体に対し、実施例1と同様の評価を行ったところ、同様な 結果が得られた。
【0135】 (実施例3) 図11ないし図12に示す構造のカテーテル組立体を製造した。このカテーテ ル組立体の緒条件は、次の通りである。
【0136】 <カテーテル> 材質:ポリ塩化ビニル樹脂(タングステン配合) 外径:2.5mm 全長:50cm ルーメン数:1ルーメン 透明液体噴出用ルーメン1本
【0137】 <ファイバースコープ> なし
【0138】 <剛性付与体> なし
【0139】 <引張ワイヤー> なし
【0140】 <拡張体> なし
【0141】 <把持部材> 図11に示す構造とした。 スイッチの種類:シーソースイッチ Oリングの材質:ブチルゴム Oリングの内径:2.8mm Oリングの太さ:1.9mm コネクタには、テーパ(ルアーテーパ)状の受け口を形成した。
【0142】 <注入器制御機構> 電源:AC100ボルト 注入器:ローラーポンプ 注入量:50ml/分(作動時) スイッチ:把持部材に設けたシーソースイッチ シーソースイッチが「ON」の状態においては、電源からの電流が注入器に供 給され、注入器は作動する。また、シーソースイッチが「OFF」の状態では、 電源からの電流は遮断されて注入器は停止する。
【0143】 <接続チューブ> 材質:ポリ塩化ビニル 外径:5.0mm 内径:3.0mm この接続チューブの一端を前記ローラーポンプに接続し、他端には、前記把持 部材のコネクタにおける受け口に差込むためのコネクタを装着して、これら2つ のコネクタを脱着可能とした。
【0144】 <係合部材> 構造は図示の通りとした。 材質:ポリカーボネート
【0145】 <第2の螺着部材> 材質:ポリカーボネート 構造は図示の通りとした。
【0146】 このカテーテル組立体に対し、実施例1と同様の評価を行ったところ、同様な 結果が得られた。
【0147】 (実施例4) 実施例1のカテーテル組立体の構成に加え、カテーテルの外周壁回りに下記に 示す拡張体を設置するとともに、カテーテルに拡張体内に連通する拡張体拡張用 ルーメンを設けた(図8に示す構成)カテーテル組立体を製造した。 なお、拡張体拡張用ルーメンの基端には、テーパ(ルアーテーパ)状の受口を もつバルブを介して拡張用液体注入用シリンジを接続し、拡張体へ拡張用液体( 生理食塩水)を注入可能とした。
【0148】 <拡張体> 材質:ラテックスゴム 厚さ:約150μm 形状:筒状 有効長:7mm 拡張時直径:6mm 先端位置:カテーテル先端より基端側に30mmの位置
【0149】 [評価] 実験動物に対し、セルジンガー法により大腿動脈を確保し、X線透視下で、実 施例4のカテーテル組立体を内径約5mmの血管内に目的部位まで徐々に挿入し た(挿入長さ:約100mm)。 次に、拡張用液体注入用シリンジを操作して拡張体を拡張させ、カテーテル組 立体を血管に対して固定するとともに、血液の流れを遮断した。
【0150】 次に、スイッチを操作してON状態とし、注入器を作動させ、透明液体噴出用 ルーメンを介して、血液内に生理食塩水を注入し、血液の排除を行った。この注 入状態を10秒間持続した時点で、把持部材を操作している手でスイッチを操作 し、OFF状態としたところ、瞬時にして注入器の作動が止まり、液体の注入を 止めることができた。
【0151】
【考案の効果】
本考案のカテーテル組立体は、少なくとも1つのルーメンを有するカテーテル と、前記カテーテルの基端側に接続し、前記カテーテルを体腔内に挿入する際に 把持される把持部材と、前記把持部材に設けられ、液体を送液する注入器み直接 または間接的に接続可能なコネクタ部材と、前記把持部材の内部に形成され、一 端が前記コネクタ部材を介して外部と連通し、他端が前記ルーメンと液密に接続 しており、注入器より送液された液体の前記ルーメン内への流通を可能とするル ーメンとを有しているカテーテル組立体において、前記把持部材に、前記注入器 の作動を制御する作動制御手段が設けられていることを特徴とするので、術者が カテーテル組立体から手を離すことなく、液体注入器の作動を制御することがで き、よって、血管や管状気管内の観察や医療処置が非常に行い易いカテーテル組 立体となる。
【0152】 また、本考案におけるカテーテル把持部材は、液体を送液する注入器に直接ま たは間接的に接続可能な第1のコネクタ部を一端に備え、他端には、カテーテル と接続する第2のコネクタ部を備え、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネク タ部とをルーメンを介して連通し、さらに、該注入器の作動を制御する作動制御 手段を設けていることを特徴とするので、カテーテル把持部材から手を離すこと なく、液体注入器の作動を制御することができ、よって、血管や管状気管内の観 察や医療処置が非常に行い易いカテーテル組立体を提供できる。さらに、カテー テルに対し着脱可能とすることにより、カテーテルのみを交換して何度も使用す ることができる。
【0153】 また、本考案におけるカテーテル把持部材は、液体を送液する注入器に直接ま たは間接的に接続可能な第1のコネクタ部を一端に備え、他端には、接続部材を 介してカテーテルと接続する第2のコネクタ部を備え、前記第1のコネクタ部と 前記第2のコネクタ部とをルーメンを介して連通し、さらに、該注入器の作動を 制御する作動制御手段を設けていることを特徴とするので、カテーテル把持部材 から手を離すことなく、液体注入器の作動を制御することができ、よって、血管 や管状気管内の観察や医療処置がさらに行い易くなる。さらに、カテーテルに対 し着脱可能とすることにより、カテーテルのみを交換して何度も使用することが できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案におけるカテーテル組立体の構成例を示
す平面図である。
【図2】図1中のII−II線での断面図である。
【図3】図2中のIII −III 線での断面図である。
【図4】図2中のIV−IV線での断面図である。
【図5】図1に示すカテーテル組立体における、スイッ
チ付近の構成を示す断面図である。
【図6】図1に示すカテーテル組立体における、操作ノ
ブの構成を示す斜視図である。
【図7】図1に示すカテーテル組立体の先端部を屈曲さ
せた状態の構成を示す縦断面図である。
【図8】本考案のカテーテル組立体の他の構成例を示す
横断面図である。
【図9】本考案におけるカテーテル組立体および把持部
材の他の構成例を示す、把持部材をカテーテルに接続す
る前の状態を示す横断面図である。
【図10】図9に示すカテーテル組立体において、把持
部材をカテーテルに接続した状態を示す横断面図であ
る。
【図11】本考案におけるカテーテル組立体および把持
部材の他の構成例を示す、把持部材をカテーテルに接続
する前の状態を示す横断面図である。
【図12】図11に示すカテーテル組立体において、把
持部材をカテーテルに接続した状態を示す横断面図であ
る。
【図13】本考案におけるカテーテル組立体の他の構成
例を示す、カテーテルの基端側の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D カテーテル組立体 2、20 カテーテル 21 基端側 22 先端側 23 基端 24 先端 25 第6ルーメン 27a、27b、27c、27d ルーメン 3 第1ルーメン 4 第2ルーメン 5 第3ルーメン 6 第4ルーメン 61 充填材 7 光ファイバー束 71 送光用ファイバー 72 受光用ファイバー 73 レンズ 8 引張ワイヤー 9 剛性付与体 91 先端 11 第1コネクタ 12 第2コネクタ 13 第3コネクタ 14、140 把持部材 141 第4コネクタ 142 ルーメン 143 当接面 144 第2のネジ部 145 Oリング 146 端面 148 第4のネジ部 15 操作ノブ 152 手掛かり部 17 拡張体 18 第5ルーメン 31、310 スイッチ 32 容器 33 注入器 34 電源 35 コード 36 接続チューブ 40 第1の螺着部材 401 第1のネジ部 402 把持部 50 係合部材 501 リブ 502 面 503 面 504 把持部 60 第2の螺着部材 601 第3のネジ部 602 挿通孔 603 面 83 窪み

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテルと、 該カテーテルの基端側に接続する把持部材と、 該把持部材に設けられ、液体を送液する注入器に直接ま
    たは間接的に接続可能なコネクタ部と、 前記把持部材の内部に形成され、一端が前記コネクタ部
    材と接続し、他端が前記カテーテルに形成された第1の
    ルーメンと液密に接続し、前記注入器より送液された液
    体の前記ルーメン内への流通を可能とする第2のルーメ
    ンとを備えたカテーテル組立体であって、 さらに、前記把持部材に前記注入器の作動を制御する作
    動制御手段が設けられていることを特徴とするカテーテ
    ル組立体。
  2. 【請求項2】 カテーテル把持部材であって、 前記把持部材は、液体を送液する注入器に直接または間
    接的に接続可能な第1のコネクタ部を一端に備え、他端
    には、カテーテルと接続する第2のコネクタ部を備え、
    前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とをルー
    メンを介して連通し、さらに、該注入器の作動を制御す
    る作動制御手段を設けていることを特徴とするカテーテ
    ル把持部材。
  3. 【請求項3】 カテーテル把持部材であって、 前記把持部材は、液体を送液する注入器に直接または間
    接的に接続可能な第1のコネクタ部を一端に備え、他端
    には、接続部材を介してカテーテルと接続する第2のコ
    ネクタ部を備え、前記第1のコネクタ部と前記第2のコ
    ネクタ部とをルーメンを介して連通し、さらに、該注入
    器の作動を制御する作動制御手段を設けていることを特
    徴とするカテーテル把持部材。
JP6645292U 1992-09-24 1992-09-24 カテーテル組立体およびカテーテル把持部材 Pending JPH0626895U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020174781A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 朝日インテック株式会社 カテーテル

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