JPH0626858A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JPH0626858A
JPH0626858A JP18353192A JP18353192A JPH0626858A JP H0626858 A JPH0626858 A JP H0626858A JP 18353192 A JP18353192 A JP 18353192A JP 18353192 A JP18353192 A JP 18353192A JP H0626858 A JPH0626858 A JP H0626858A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、補正用回路や記憶素子等を設けなく
とも、容易に且つ高精度の測距を行う測距装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】本発明は、被写体24に測距用光を投光し、そ
の反射光をPSD26で受光し、該PSD26から検出
される一対の信号電流をアンプ27,28で増幅し、切
換えスイッチ29,30を介して演算回路31に入力す
る。前記切換えスイッチ29,30には、基準信号源3
2が接続され、切換えにより実測の出力若しくは、基準
信号源32の出力信号を選択的に入力でき、CPU33
で疑似的に測距値を算出し記憶させておき、実測値を補
正し、製造時や温度等により生じる回路構成素子のばら
つきを打ち消し測距する測距装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンパクトカメラの測距
装置に係り、特に受光素子にPSDを利用した赤外線投
射三角測距装置の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にコンパクトカメラには、赤外線投
光方式の三角測距装置が採用されている。この三角測距
装置の構成例を図7に示す。
【0003】前記三角測距装置において、赤外線発光ダ
イオード1の発する測距用光が投光レンズ2を介して、
被写体3に投光すると、前記測距用赤外線光は、前記投
光レンズから基線長Sだけ離れた箇所に配置された受光
レンズ4から受光素子(PSD)5に入射する。この入
射位置xを受光レンズの光軸基準にとると、被写体距離
Lとの間に、次式の関係が成り立つ。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、f:受光レンズの焦点距離とす
る。従って、入射位置xを検出すれば、被写体距離Lが
求められる。また、受光素子に専用の光位置検出素子
(PSD)を用いれば、PSDの2つの信号電流i1
2 が得られ、これらの信号電流は次式の関係を満た
す。
【0006】
【数2】 従って図示するようにPSD端部から受光レンズ光軸ま
でを距離aとすると、
【0007】
【数3】
【0008】として、前記入射位置xが求められる。P
SD長さtと距離aは、その測距装置により固定された
値なので、信号電流i1 とi2 をi1 /(i1 +i2
の形で演算すればよい。前記演算は、オートフォーカス
(AF)回路6とCPU7により行われる。このAF回
路6は、バイポーラ集積回路素子で構成され、前記信号
電流i1 とi2 は増幅され、図8に示す演算回路で式
(4)に示したi1 /(i1 +i2 )の演算を行う。
【0009】この図8に示す演算回路について説明す
る。PSDの出力信号i1 ,i2 が増幅されて圧縮ダイ
オード8,9に流入すると、基準電圧Vref で各ダイオ
ードは、次式のような電位を生じる。
【0010】
【数4】
【0011】ここで、VT :サーマルボルテージ、
s :ダイオードの逆方向飽和電流とする。これらの電
圧信号は、バッファ10,11を介して、定電流源12
とトランジスタ13,14からなる回路に入力される
が、これらのトランジスタ13,14のコレクタ電流I
A ,IB は、前記圧縮ダイオードの出力電圧に次式のよ
うに依存する。
【0012】
【数5】 となるが、一方、コレクタ電流IA ,IB は、
【0013】
【数6】 従って、コレクタ電流IA を検出すれば、
【0014】
【数7】 の関係式が成立して、式(4)において、被写体距離L
を求めるのに必要であったi1 /(i1 +i2 )を求め
ることができ、被写体に合焦している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した図8
に示した演算回路は、入力する2つ信号の比較により結
果が求められているため、この2系統を構成する各素子
の特性等が一致していないと正しい演算結果が得られな
い。例えば、ダイオード8及び、ダイオード9の特性が
等しいこと、バッファ10とバッファ11のオフセット
が一致すること、トランジスタ13とトランジスタ14
の特性を一致させて、同じ特性の2系統の回路構成にし
なくてはならない。
【0016】また、前記トランジスタのアーリー効果の
影響や各素子間の温度差、電流源20の温度特性まで考
慮すると、極限られた条件下でしか正しい演算が行われ
ていないことになる。
【0017】この様な不具合を解決するために、構成素
子の特性を補正するための数値を記憶するEEPROM
や可変抵抗素子等を設ける必要があり、また温度特性を
補正するための温度センサやその付帯回路、CPUのプ
ログラム等を必要とした。そこで本発明は、補正用回路
や記憶素子等を設けなくとも、容易に且つ高精度の測距
を行う測距装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、被写体に向けて光束を投光する投光手段
と、この投光手段と基線長だけ離れて配置され、前記投
光手段による前記被写体からの反射光を受光し、その受
光位置に応じた一対の信号電流を出力する受光手段と、
前記一対の信号電流を各々増幅する一対の増幅手段と、
この一対の増幅手段から出力された出力信号をアナログ
演算し前記被写体距離に依存した信号を出力するアナロ
グ演算手段とを具備したカメラの測距装置において、基
準信号を発生する基準信号発生手段と、前記アナログ演
算手段の入力端もしくは前記一対の増幅手段の入力端に
前記基準信号の入力するための切換手段と、この切換手
段によって前記基準信号が入力された際の前記アナログ
演算手段の出力と、前記切換手段によって前記基準信号
が入力されず、前記一対の信号電流を基に演算された前
記アナログ演算手段の出力とを用いて前記被写体距離を
決定する距離決定手段とで構成されるカメラの測距装置
を提供する。
【0019】
【作用】以上のような構成の測距装置は、投光手段によ
り被写体に測距用光を投光し、その反射光を受光手段に
入射し測距する測距装置において、受光手段から検出さ
れる一対の信号電流i1 ,i2 がアンプでそれぞれ増幅
され、切換えスイッチを介して演算回路に入力される。
前記切換えスイッチには、基準信号源が設けられ、切換
えにより実測の出力若しくは、前記基準信号源の出力信
号が選択的に入力されて、疑似的に測距値を算出し記憶
させておくことにより、実測値に対して補正して回路構
成素子によるばらつきを打ち消した測距が実施される。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1(a)は、本発明の測距装置の概念的
な構成を示し説明する。
【0021】この測距装置の投受光系においては、ドラ
イバ21によって駆動される赤外線発光ダイオード(I
RED)22の発する測距用光は投光レンズ23を介し
て、被写体24に投光される。その被写体24からの反
射光は、前記測距用赤外線光は、前記投光レンズ23か
ら基線長Sだけ離れた箇所に配置された受光レンズ25
から受光素子(PSD)26に入射する。
【0022】前記PSD26から検出される2つの信号
電流をそれぞれ増幅するアンプ27,28が設けられ
る。前記アンプ27,28の各出力端は、切換えスイッ
チ29,30の一方の各端子に接続され、切換え端子を
介して、演算回路31に接続される。
【0023】また、前記切換えスイッチ29,30の他
方の各端子には、後述する基準信号源32が接続され、
前記切換え端子により前記アンプ29,30の出力若し
くは、基準信号源32の出力信号を選択的に演算回路3
1に入力することができる。これらの切換えスイッチ2
9,30の切換え動作は、CPU33によって制御され
る。図1(b)のフローチャートを参照して、測距を行
い、前記CPU33による正確な合焦距離の算出につい
て説明する。まず、予め基準信号を入力することによ
り、演算回路31の精度や温度変化を算出し、それらの
数値xを保持しておく(ステップS1)。
【0024】次にIRED22から被写体24に投光
し、その反射光をPSD26により受光して、実際の測
距演算を行う(ステップS2)。次に予め算出した演算
回路31により求められた補正値を実測値に加味して、
前述した式(1)、式(4)による合焦の演算を行い、
被写体24までの距離を算出する(ステップS3)。次
に図2には、図1に示した第1実施例としての測距装置
のAF回路の具体的な構成例を示す。
【0025】このAF回路は、遠近のいずれの位置に被
写体が存在するかの判別を確実に行う回路の例である。
ここで、前記AF回路の構成部材で図8に示した構成部
材と同等の部材には、同じ参照番号を付して、その説明
は省略する。
【0026】図1に示したPSD26から検出された信
号電流i1 ,i2 が圧縮ダイオード8,9に流入する
と、カソード側に設けられた基準電圧Vref に基づき、
各ダイオードで式(5)に示した電圧信号が生じ、バッ
ファ40,41に入力される。このバッファ40,41
は、切換え回路42の走査によって出力をオープン状態
(オフ状態)にすることができ、性能的には図8に示し
たバッファ10,11と同等であり、入力インピーダン
スが高く、出力インピーダンスが低い公知の回路構成を
想定している。前記バッファ40,41の各出力端は、
定電流源12がエミッタに接続されたトランジスタ1
3,14のベースにそれぞれ接続される。
【0027】また、基準電流源43と圧縮ダイオード4
4のアノードが接続され、カソード側には、基準電圧V
ref が設けられている。前記圧縮ダイオード44のアノ
ードは、NPNトランジスタ45のベースに接続されて
いる。このトランジスタ45と、PNPトランジスタ4
6,47とによりエミッタフォロワが構成される。これ
らの基準電流源43と圧縮ダイオード44、NPNトラ
ンジスタ45、PNPトランジスタ46,47とによ
り、図1に示した基準信号源32が構成されている。
【0028】前記NPNトランジスタ45と電流源48
及びPNPトランジスタ46と電流源49からなる2段
のエミッタフォロワ式の第1のバッファは、前記バッフ
ァ40,41と機能的に同様なものとする。また、電流
源50、前記PNPトランジスタ47は、前記第1のバ
ッファの出力段となる第2のバッファである。
【0029】この構成において、前記NPNトランジス
タ45のベース・エミッタ電圧VBEと、PNPトランジ
スタ46,47のベース・エミッタ電圧VBEがほぼ等し
いと仮定すると、ダイオード44の圧縮電圧とほぼ等し
い電圧出力が、前記トランジスタ13,14の各ベース
に入力される。
【0030】また、PNPトランジスタ51のオン動作
によって、前記トランジスタ46,47のベース・エミ
ッタ電圧VBEが“0”に近くなるため、電圧出力は、オ
ープン状態になる。
【0031】従って、前記トランジスタ51のオン/オ
フの切換え動作によって、圧縮ダイオード44の圧縮電
圧は、前記トランジスタ13,14に入力されたり、さ
れなかったりする。同様の原理で、バッファ40,41
がオープンになったり、バッファ動作したりする。
【0032】本実施例は、トランジスタ13,14及び
電流源12による回路の誤差をキャンセルすることであ
る。すなわち、電流源12のばらつきや温度特性から発
生する誤差のため、設計時に想定した目標値(絶対値)
に差を生じ、その時々により回路素子の駆動状態が異な
る。従って、PSDを1:1に内分する点に信号光が入
射しても、それらの状態によって、電流IA にばらつき
を発生させてしまう。従って本実施例では、切換え回路
42を付設させ、このスッチングにより、トランジスタ
51をオフし、バッファ40,41の出力をオープン状
態にして、疑似的に測距値を算出し記憶させておくこと
により、実測値に対して補正することができ、つまり、
電流IA のばらつきを予めCPUが記憶していることに
より、そのばらつきを打ち消し、正確な測距が実施され
る。次に、図2(b)のフローチャートを参照して、前
述したAF回路の動作を説明する。
【0033】まず、バッファ40,41をOFF、トラ
ンジスタ51をOFFして測距する。この時に得られた
得られた電流IA1を基準値IArefとして記憶する(ステ
ップS11)。
【0034】次に、前記バッファ40,41をON、ト
ランジスタ51もONして基準信号源をオープンとし
て、測距を行い、電流IA を求める(ステップS1
2)。前記基準値IArefと電流IA とを比較する(ステ
ップS13)。この比較で前記電流IA が大きければ
(YES)、式(6)より、i1 に対しi2 が大きいこ
とを意味する。つまり、被写体は反射信号光がPSDを
1:1に内分する距離よりも近い距離に存在することが
分かる。
【0035】従って、近距離にある被写体に合焦させる
(ステップS14)。しかし、この判定で前記基準値I
Arefが電流IA より大きければ、i1 に対しi2 が小さ
いことを意味する。つまり、被写体は反射信号光がPS
Dを1:1に内分する距離よりも遠い距離に存在するこ
とが分かる。
【0036】従って、遠距離にある被写体に合焦する
(ステップS15)。ただし、遠距離若しくは近距離の
位置に存在する被写体からの反射信号光がPSDを1:
1に内分し、この時、IA =IArefの値が出力されるよ
うに、PSDは、予め位置調整されているものとしてい
る。
【0037】この第1実施例では、バッファ40,41
の特性のばらつきは無視できる程度のものとしたが、実
際には、ある程度のばらつきを有しており、これを考慮
した第2実施例について、説明する。図3は、第2実施
例の測距装置のAF回路の具体的な構成例を示す。
【0038】この第2実施例は、第1実施例と同様に、
単純遠近判定2段AF回路に構成されている例である。
ここで第2実施例の構成部材で第1実施例の構成部材
(図1,図2)と同等の部材には、同じ最小符号を付し
て、その説明は省略する。このAF回路の投受光光学系
は、第1実施例に準じるものであり、プリアンプ55,
56は、CPU33の制御により出力をオープン状態可
能である。圧縮ダイオード8,9のアノード側には、プ
リアンプ出力の代りに定電流を流し込むことができる定
電流源57,58が設けられている。
【0039】次段には、オペアンプ59と抵抗60〜6
3からなる減算回路が接続されている。前記抵抗60〜
63が等しい抵抗値の時、バッファ10,11の出力電
圧を各々v1 ,v2 とすると、オペアンプ59の出力v
out は、 vout =v2 −v1 となる。このことから前記オペアンプ59の出力vout
は、
【0040】
【数8】 となる。この式は、
【0041】
【数9】
【0042】に変形でき、この出力は、式(4)と同様
に式(1)と共に被写体距離に1:1で対応する。この
ラッチ回路64は、CPU33に前記減算回路の出力を
ラッチする。つまり、ラッチタイミングは、パルス状に
投光するIRED22のタイミングに同期した形とな
る。前記CPU33は、内蔵するA/D変換器でラッチ
回路64の出力をA/D変換して取り込む。
【0043】このような測距回路において、問題となる
のは、式(7)のVT が温度特性を持つこと、またアン
プ59に取り付けられた抵抗60〜63の抵抗値のばら
つきによって、前記減算回路の出力の絶対値が変動する
ことである。一方、このような回路構成では、プリアン
プのように、単に増幅として機能する分には、増幅率の
絶対値に変動があっても、得られる結果には影響がな
い。
【0044】前記プリアンプ55,56の増幅率が相対
的に同じ方向に変動しても、相対的なばらつきに関して
は、かなりの精度の補正が期待できる。IC回路におい
ては、バッファ回路以降ほどデリケートではない。
【0045】図3(b)に、前述した第2実施例の動作
を説明するためのタイミングチャートを示す。この図3
に示すように、まず電流源57,58をオンし、プリア
ンプ55,56はオフして、オペアンプ59からの出力
をラッチし、A/D変換して前記CPU33が読み込
む。
【0046】前記電流源57,58は、同一の電流値を
流すように設定されている。この時、図3(a)に示す
ように、被写体から反射した信号光がPSD26を1:
1に内分する位置に入射するような距離Lφの所に非被
写体が存在する時と等価的に出力がラッチ回路59から
得られる。このPSDを1:1に内分するポイントを受
光レンズ25の光軸基準に図示するようにxφと表すと
基準長fと受光レンズ焦点距離fと共に、
【0047】
【数10】 として、距離Lφは表される。
【0048】次に本実施例では、電流源57,58をオ
フし、プリアンプ55,56をオンして、IRED22
を発光させ同期させて、オペアンプ59の出力をラッチ
する。この時得られたラッチ回路64からの出力と、先
に求めたラッチ出力との比較からCPU33は、被写体
距離が前述した距離Lφより遠いか近いかを判別するこ
ことができる。
【0049】また雰囲気温度の変化により前記出力VT
が変動しても、電流源57,58の絶対値が変化して
も、この2つの電流源が同様に変動して電流値に差がな
い限り、本実施例では確実にLφの距離を基準とした遠
近判定が可能である。また、抵抗60〜63の抵抗値に
ばらつきがあったとしても、PSD26が正しく、位置
決めされている限り確実に距離Lφを基準とした遠近判
定が可能となる。
【0050】この第2実施例は、第1実施例に比べて、
バッファ10,11のばらつきまで補償しているので、
温度変化や回路の出来栄えにかかわらず、さらに正確な
測距が可能である。以上の実施例は、単純な遠近切換え
式の2段AFに対応させた実施例である。
【0051】次に図4には、第3実施例としての分解能
をより高くしたAF回路の構成を示し、説明する。ここ
で、第3実施例は特徴部分のみを示し、その構成部材で
第1,2実施例と同等の部材には、同じ参照番号を付し
て、その説明は省略する。
【0052】前記バッファ40,41及びバッファ6
5,66は、第1実施例と同様に、CPU33の制御に
よって、出力がオープン状態(オフ状態)、バッファ機
能出力(オン状態)の2通りに切換えられるタイプのも
のとする。抵抗67〜71、PNPトランジスタ72〜
76とにより、カレントミラー回路が構成され、前記ト
ランジスタ74,76の各カソードに接続されたスイッ
チ77,78をオフしていると、前記トランジスタ72
〜76のコレクタ電流はすべて等しく、電流源79に流
れる電流と等しい電流iref が流れる。
【0053】また、前記スイッチ77,78をオンする
と、前記PNPトランジスタ74,76のエミッタ電位
は、ベース電位より引き下げられるため、オフされ、圧
縮ダイオード80,81には各々電流iref が流し込ま
れる。一方、両スイッチ80,81をオフすると、各圧
縮ダイオード80,81には、2倍の電流iref が流し
込まれる。
【0054】前記バッファ65,66をオン状態にし、
前記バッファ40,41をオフ状態にさせる。前記スイ
ッチ77,78をオン・オフすることにより、出力電流
には、疑似的に図示しないPSDを1:2に内分す
るポイントに測距用光が入射した場合、またはPSDを
2:1に内分するポイントに測距用光が入射する場合の
信号が表れる。
【0055】すなわち、本実施例では、図5(c)に示
すように、この2つの疑似距離の出力と実際に、信号光
がPSDを2:1及び1:2に内分するための被写体距
離LとL2 を対応させて、投受光系を設計し、尚且
つ、それをCPUが有する記憶部に記憶させておくこと
を前提としている。式(6)と式(4)より、
【0056】
【数11】 つまり、
【0057】
【数12】
【0058】の関係が成り立つ。この関係は図5(a)
に示される。図5(a)中、電流iA2,iA1は、測距に
先立つ疑似測距の際に、まずCPU33に入力される数
値である。また、1/L2 ,1/L1 は、設定値として
予め入力されている。従って、実際の投受光による測距
でIA を求めると、
【0059】
【数13】 の関係になり、合焦距離Lの逆数が求められる。
【0060】図5(b)に示すように、各素子の温度特
性や数値のばらつきによって、図5(a)の直線の傾き
が変わってしまったときでも、それに応じて、電流
A1,iA2が変化したことを、CPUが予め読み込んで
いる補正値により、正しい合焦距離Lに補正して求める
ことができる。
【0061】この実施例では、CPUが図5(b)に示
す理想直線を前提として、測距結果の電流iA3より1/
3'を求めるため、電流iA1,iA2を予め設定おく必要
がある。図6のフローチャートを参照して、この第3実
施例の測距装置のAF回路の動作を説明する。
【0062】まず、バッファ65,66をオン状態に
し、バッファ40,41をオフ状態にさせる(ステップ
S21)。スイッチ78をオンした後(ステップS2
2)、疑似測距の演算を行い、電流iA1を算出する(ス
テップS23)。次にスイッチ77をオンした後(ステ
ップS24)、疑似測距の演算を行い、電流iA2を算出
する(ステップS25)。
【0063】そして、前記バッファ65,66をオフ状
態にし、前記バッファ40,41をオン状態にした後
(ステップS26)、実際に投受光による測距を行い演
算し、電流iA3を算出する(ステップS27)。前述し
た式(9)により合焦距離Lの逆数を求め(ステップS
28)、前記合焦距離Lの逆数に合焦する(ステップS
29)。
【0064】以上説明したように、本実施例によれば、
IC素子の精度を補正するためのEEPROMや可変抵
抗素子等を設ける必要がなく、また温度特性を補正する
ための温度センサやその回路、CPUのプログラム等も
不要となる。また本発明は、前述した実施例に限定され
るものではなく、他にも発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、補
正用回路や補正用記憶素子等を設けなくとも、容易に且
つ高精度の測距を行う測距装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の測距装置の概念的な構
成を示す図であり、図1(b)は該測距装置の動作を示
すフローチャートである。
【図2】図2(a)は、図1に示した測距装置のAF回
路の具体的な構成を示す図であり、図2(b)は、前記
AF回路の動作を示すフローチャートである。
【図3】図3(a)は、第2実施例の測距装置のAF回
路の具体的な構成を示す図であり、図3(b)は、前記
AF回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図4は、第3実施例の測距装置のAF回路の具
体的な構成を示す図である。
【図5】図5(a)は、理想的な電流対合焦距離Lの逆
数の関係を示す図であり、図5(b)に示す理想直線と
測距結果を示す図であり、図5(c)は、疑似距離の出
力と実際の信号光がPSDを内分する被写体距離L1
2 の関係を示す図である。
【図6】図6は、第3実施例の測距装置のAF回路の動
作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、従来の赤外線投光方式の三角測距装置
の構成を示す図である。
【図8】図8は、図7に示す三角測距装置の演算回路の
構成を示す図である。
【符号の説明】
21…ドライバ、22…赤外線発光ダイオード(IRE
D)、23…投光レンズ、24…被写体、25…受光レ
ンズ、26…受光素子(PSD)、27,28…アン
プ、29,30…切換えスイッチ、31…演算回路、3
2…基準信号源、33…CPU、40,41…バッフ
ァ、42…切換え回路、43…基準電流源、44…圧縮
ダイオード、45…NPNトランジスタ、46,47,
51…PNPトランジスタ、48,49,50…電流
源。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】次に本実施例では、電流源57,58をオ
フし、プリアンプ55,56をオンして、IRED22
を発光させ同期させて、オペアンプ59の出力をラッチ
する。この時得られたラッチ回路64からの出力と、先
に求めたラッチ出力との比較からCPU33は、被写体
距離が前述した距離Lφより遠いか近いかを判別するこ
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に向けて光束を投光する投光手段
    と、 この投光手段と基線長だけ離れて配置され、前記投光手
    段による前記被写体からの反射光を受光し、その受光位
    置に応じた一対の信号電流を出力する受光手段と、 前記一対の信号電流を各々増幅する一対の増幅手段と、 この一対の増幅手段から出力された出力信号をアナログ
    演算し前記被写体距離に依存した信号を出力するアナロ
    グ演算手段とを具備したカメラの測距装置において、 基準信号を発生する基準信号発生手段と、 前記アナログ演算手段の入力端もしくは前記一対の増幅
    手段の入力端に前記基準信号の入力するための切換手段
    と、 この切換手段によって前記基準信号が入力された際の前
    記アナログ演算手段の出力と、前記切換手段によって前
    記基準信号が入力されず、前記一対の信号電流を基に演
    算された前記アナログ演算手段の出力とを用いて前記被
    写体距離を決定する距離決定手段とを具備したことを特
    徴とするカメラの測距装置。
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