JPH06266063A - ハロゲン化銀写真感光材料用処理剤包装物 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用処理剤包装物

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JPH06266063A
JPH06266063A JP7766993A JP7766993A JPH06266063A JP H06266063 A JPH06266063 A JP H06266063A JP 7766993 A JP7766993 A JP 7766993A JP 7766993 A JP7766993 A JP 7766993A JP H06266063 A JPH06266063 A JP H06266063A
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JP
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package
processing agent
solid processing
agent
packaging
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JP7766993A
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Masao Ishikawa
政雄 石川
Kenji Ishida
賢治 石田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】写真用処理剤の安定性が飛躍的に向上し、溶解
作業をなくし、しかもプラスチックボトルフリー化を可
能にしたハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤包装物
を提供する。 【構成】ヒドロキシルアミン塩を含有するハロゲン化銀
写真感光材料用処理剤を包装材料で包装して成る固体処
理剤包装物において、該ヒドロキシルアミン塩が炭酸塩
に対して重量比で0.05〜2.0含有されており、該
固体処理剤が単位補充供給量当り0.5〜50gの範囲
に秤量されており、かつ該固体処理剤と前記包装材料表
面との包装内摩擦係数が1.5以下である包装材料に包
装されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用処理剤に関し、更に詳しくは写真用処理剤の安定性
が飛躍的に向上し、溶解作業をなくし、しかもプラスチ
ックボトルフリー化を可能にしたハロゲン化銀写真感光
材料用固体処理剤包装物に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以
下、感光材料ともいう)は、露光後、現像、脱銀、洗
浄、安定化等の工程により処理される。処理は通常自動
現像機(以下、自現機ともいう)で行なわれ、その場合
は補充方式が一般に広く用いられ、処理槽内の処理液の
活性度を保つ様にコントロールされている。補充方式の
場合、感光材料からの溶出物の希釈、蒸発量の補正及び
消費成分の補充を目的としており、液体を供給する都
度、通常、オーバーフロー液が多量に排出される。
【0003】一方、近年写真排液の海洋投棄に関する規
制化の動きやプラスチック材料の廃棄に対する規制が世
界的に高まってきており、写真廃液をゼロにし、しかも
ボトルを使用しない新しいシステムの開発が求められて
いる。又液体危険物の輸送に関する安全性確保のために
包装材料(以下、包材ともいう)に対する安全規制が強
化され、コストの上昇を招いている。最近激増している
ミニラボにおいては人手不足からパート化がすすみ、補
充液の溶解作業が難しく、誤溶解に起因する事故が相次
ぎ、補充システムに対する苦情が多く出される様になっ
てきた。
【0004】従って当写真業界においては写真廃液がほ
とんどなく、ボトルも使用せず、しかも溶解作業が全く
不要となる固体ケミカルの補充システムの開発が強く求
められている。
【0005】この要望に応える方法として、WO92−
20013号公報にはほとんどすべての処理成分を固体
処理剤化し、直接処理槽に投入する方法が開示されてい
る。しかし、その方法は直接処理槽に固体処理剤を投入
する為に、処理する感光材料に処理剤が付着し、事故を
起したり、処理槽からの蒸発水分や大気中の水分等を吸
湿して、固体処理剤同士が接着して確実に固体処理剤が
処理槽に投入されなかったり、あるいは包材と接着し、
一部の処理剤成分が残留したりする固体処理剤の補充時
に関る問題と、更にはヒドロキシルアミン塩が固体処理
剤として存在する場合には、包装状態に拘らず、保存で
固体処理剤がブロッキングして補充時に投入されなかっ
たり、一部溶解してヒドロキシルアミン塩以外の写真成
分、例えば硫酸や塩酸等の強酸を塩にしている化合物等
と反応を起こし、固体処理剤が変色し、写真性能に重大
な影響を与えるという、保存時における問題も明らかに
なった。
【0006】また、特開平4−237045号公報には
粉状処理剤をパート別に自現機にセットし、その中から
必要量ずづ定量しながら処理槽に投入する方法と、この
粉末ケミカルの自現機での防湿方法が開示されている。
しかしながら、この方法は粉末ケミカルが自現機にセッ
トされた後、自重等により密度が変化し、各パートがあ
らかじめ設計された量だけ分取されなくなり、補充剤の
補給が一定でなくなり、写真性能が変化してしまうこと
が判った。又、処理槽上部からの蒸発水分をある程度防
止したとしても投入口における固体処理剤の吸湿による
固着問題は避けられないばかりか、セットされた粉状処
理剤は大気中に放置される為に、粉状処理剤のブロッキ
ングや包材との接着により正確に定量されなくなる。前
述の如く、時間の経過と共に分取量が変わるという点が
最大の欠点であった。
【0007】又、WO91−7332号公報にはプレッ
シャー・スルー・パッケージ(PTP)包材に粉、顆粒
あるいは液体処理剤を入れ、自現機に直接投入する方法
が開示されている。しかしこの方法は単にPTP包装を
技術的に開示しただけで、ヒドロキシルアミン塩が存在
する場合に包材の種類に拘わらず、固体処理剤間でブロ
ッキングや包材との付着がおこり、補充時包材中に固体
成分が残り易く、補充精度が維持できない。
【0008】本発明者等はこれらの問題につき防湿性を
付与する補充装置や包材につき検討を行ったが、真の解
決策は見出せなかった。しかるに前述した問題について
最も難しいケミカルの一つであったヒドロキシルアミン
塩を含有する固体ケミカルにつき、炭酸塩が一定量同時
に存在し、かつ1回の補充単位に包装されている様な形
態で、この包装材料と固体処理剤との包装内摩擦係数が
一定の値以下であれば相対湿度80%の状態に約2年程
度保存してもブロッキングを起さず、開封した時に必ず
ほぼ全量が自然落下によって投入できることを見出し、
本発明を完成するに至ったものである。
【0009】前記本発明の効果は自現機内の処理を溶解
部に直接投入して補充するシステムで使用する固体処理
剤に関するもので、ヒドロキシルアミン塩が存在する固
体処理剤では、固体処理剤間のブロッキングや包材との
接着により投入不良が生じることによる補充精度の低下
や固体処理剤の吸湿による包材内での化学反応による処
理剤の成分低下とそれによる写真性能の変動を防ぐため
にヒドロキシルアミン塩と炭酸塩をある一定の割合で同
一包装内に共存させ、更に固体処理剤と包材表面の摩擦
係数を1.5以下にすることにより、ヒドロキシルアミ
ン塩を含有する固体ケミカルが長期に保存されても投入
精度や補充精度が飛躍的に向上することを見出したもの
であり、補充単位供給量当り、0.5〜50g秤量され
ている包装形態の時、より安定した写真性能が得られる
ことを見出し本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に、手作業による濃縮キットの溶解作業をなくし、高精
度な補充が可能な自動補充システムを可能にする感光材
料用固体処理剤包装物を供給する事である。第2に、液
体用ポリボトルの使用をなくし、大巾にプラスチックの
包材の使用を低減し、環境にやさしい低公害システムを
可能にする感光材料用固体処理剤包装物を供給する事で
ある。第3に、液体危険物をなくし、物流上軽量で安全
な感光材料用固体処理剤包装物を供給する事である。第
4に、固体ケミカルによる濃厚な補充をすることによ
り、写真処理廃液の大巾な減少が可能になる感光材料用
固体処理剤包装物の供給である。第5に、感光材料用固
体処理剤の保存安定性や補充精度を著しく改良した感光
材料用固体処理剤の補充システムを供給することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ヒドロキシ
ルアミン塩を含有する感光材料用処理剤を包装材料で包
装して成る固体処理剤包装物において、該ヒドロキシル
アミン塩が炭酸塩に対して重量比で0.05〜2.0含
有されており、該固体処理剤が単位補充供給量当り0.
5〜50gの範囲に秤量されており、かつ該固体処理剤
と前記包装材料表面との包装内摩擦係数が1.5以下で
ある包装材料に包装されていることを特徴とする感光材
料用固体処理剤包装物によってはじめて達成され、前記
固体処理剤が粉末より顆粒又は錠剤である場合、特に錠
剤である場合、更には包装材料の透湿度が50g/m2
・24hr以下であることにより本発明の効果はより顕
著となる。
【0012】
【発明の作用】本発明者等は溶解作業やボトルをフリー
にし、写真廃液の大巾な減少を行なう上で固体処理剤を
用いる場合、単位補充供給量に包装し、投入する方法が
好ましいことを特願平4−301432号等によって提
案したが、この場合ヒドロキシルアミン塩が存在する固
体処理剤では吸湿性や溶解性がある為に、経時により固
体処理剤同士が接着し、ブロッキングが生じ、包材に吸
着し包装内に残ってしまい、投入精度や秤量精度を著し
く低下させ、しかも吸湿性を抑制する為に包材の透湿度
を改良しても輸送時又は保存時の環境条件や包装材料中
の温湿度の変化により、やはりブロッキングが生じ、包
材から固体処理剤を落下させる時、なかなか取出し難く
ましてや自重で落下させることは至難の技であり、機械
的なトラブルや秤量、投入精度の低下を引き起こし、結
果的に写真性能に重大な影響があることを本発明者等は
見出し、以下の実験事実を発見したことにより本発明の
完成に至った由である。すなわち、ヒドロキシルアミン
塩に基づく種々の問題は、第1には炭酸塩が存在するこ
とによりヒドロキシルアミン塩に起因したブロッキング
形成やヒドロキシルアミン塩の一部溶解による他成分と
の反応が大巾に抑制される事実を発見したことである。
第2には、上記事実は同一包装内に炭酸塩とヒドロキシ
ルアミン塩が存在する時のみ、炭酸塩の効果が発揮さ
れ、両者は同一の粒子に造粒されていなくても、又は別
の錠剤にあってもなくても同一包材に包装され、その固
体処理剤と包材の表面との摩擦係数が1.5以下であれ
ば効果があり、別包装であれば全く効果がない。第3に
は、炭酸塩の効果はヒドロキシルアミン塩が炭酸塩に対
し重量比で0.05〜2.0の範囲で効果があり、0.
05未満では前記問題はほとんどなく、2.0を超える
と炭酸塩の効果がほとんどなくなる。
【0013】すなわち、包材によって包装された固体処
理剤を処理槽に投入する際、包材の一部を機械的手段等
により、破断や切断ないしは剥したり、自重落下等によ
り固体処理剤が包材から処理槽に移る。その際、固体処
理剤と包材の摩擦係数が1.5以下に維持されていれば
スムーズに処理槽に固体処理剤が投入されるが、1.5
を超えてしまうと前記したように包材中に固体処理剤が
残留してしまい、処理槽にスムーズに投入されなくな
り、投入装置に異常をきたしたり、投入精度の低下から
処理槽の処理剤成分濃度が変動し、結果として写真特性
が大きく変動してしまう。以上の事実は本発明者等の膨
大な実験によってはじめて明らかにされたものであり、
全く驚くべきことであった。
【0014】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明の固体処理剤は粉末処理剤、顆粒状処理剤及
び錠剤であり、好ましくは投入精度の点から顆粒状処理
剤及び錠剤である。粉末とは微粒結晶の集合体のことを
言い、顆粒とは粉末に造粒工程を加えて粒径が50〜5
000μmの粒状物のことを言う。錠剤とは粉末又は顆
粒を一定の形状に圧縮形成したものを言う。写真用処理
剤を固体化する方法は特願平2−135887号、同2
−203165号、同2−203166号、同2−20
3167号、同2−203168号、同2−30040
9号等に記載の方法を用いることができる。
【0015】錠剤形成のための造粒方法は、転動造粒、
押出造粒、圧縮造粒、流動層造粒等公知の方法を用いる
ことができ、得られた造粒物は造粒物粒子の60%以上
が±100〜150μmの偏差内に入ることが投入精度
の上からも好ましい。錠剤処理剤の製造方法は、特開昭
51−61837号、同54−155038号、同52
−88025号、英国特許1213808号等の明細書
や公知の方法により製造でき、顆粒処理剤は特開平2−
109042号、同2−109043号、同3−397
35号及び同3−39739号等の明細書に記載されお
り、更には粉末処理剤は特開昭54−13332号、英
国特許725892号、同729862号及びドイツ特
許3733861号等の明細書に記載されているような
公知の方法で製造できる。
【0016】本発明において固体処理剤は少なくともヒ
ドロキシルアミン塩及び炭酸塩を含有する。ヒドロキシ
ルアミン塩としては、ヒドロキシルアミン硫酸塩、ヒド
ロキシルアミン塩酸塩、、ヒドロキシルアミン硝酸塩
等、ヒドロキシルアミンと強酸との塩が通常用いられ
る。炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等が挙げられるが特に本発明の効果が大きいのは炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムである。又、ヒドロキシルア
ミン塩の炭酸塩に対する重量比は0.05〜2.0であ
り、0.05未満ではヒドロキシルアミン塩への影響が
ほとんどなく、2.0を超えると炭酸塩の効果がほとん
どみられなくなる。本発明に用いられるヒドロキシルア
ミン塩は固体処理剤1g当り0.001g〜0.2gで
あり、炭酸塩は0.05g〜0.90g範囲で上記重量
比となるように配合される。ここで固体処理剤1g当り
というのは単位面積当りに処理された感光材料に対する
処理剤の総重量を1g当りに換算したものである。
【0017】炭酸塩及びヒドロキシルアミン塩以外に公
知の写真有効成分、例えばカラー写真用成分としては上
記以外のパラフェニレンジアミン系発色現像主薬、亜硫
酸塩等の還元剤、蛍光増白剤、キレート剤、界面活性
剤、有機酸第2鉄塩、ハロゲン、バッファー剤、防バイ
剤、定着成分等と組合せて用いることができ、白黒現像
剤としてはハイドロキノン及びその誘導体や、メトー
ル、フェニトン及びその誘導体が挙げられるが、好まし
くは発色現像液成分と組合せて用いる場合に本発明の効
果が顕著となる。特に水酸化アルカリ金属塩が存在する
場合に、該水酸化アルカリ金属塩とヒドロキシルアミン
塩との反応が抑制されて写真性能が維持される上で好ま
しい実施態様である。
【0018】本発明において、固体処理剤は単位補充供
給量当り0.5〜50gに秤量されている。単位補充供
給量当りと言うのは、ある一定の感光材料が処理された
場合、1回に投入される固体処理剤の1回投入当りの補
充総重量のことを言い、固体処理剤の単位補充供給量が
多過ぎると固体処理剤の溶解不良が生じやすくなり、単
位補充供給量が少ないと、ある一定量の固体処理剤を供
給するための投入回数が増え、投入精度や供給手段の耐
久性が問題となる。
【0019】本発明の包材は本発明の固体処理剤表面と
の摩擦係数が1.5以下であり、好ましくは1.0以下
である。ここで摩擦係数と言うのは下記の方法により求
めた値である。固体処理剤を包材に入れシール密封す
る。温度25℃、相対湿度40%で包材の両端を切裁
し、HEIDON社製、「Static Fricti
on Tester HEIDON−10」を用い、包
材を固定し、固体処理剤の80%以上が包材から滑り落
ちる角度tanθを測定する。このtanθを固体処理
剤と包材の摩擦係数とする。この摩擦係数は固体処理剤
の表面性、成分、大きさ、形や包材の材質、表面粗さ、
更には保存状態により摩擦係数は変動するが、要は固体
処理剤と包材の表面との摩擦係数が使用時に1.5以下
をクリアーしていれば本発明の目的を達成することがで
きる。
【0020】従って、固体処理剤と包材の摩擦係数が
1.5以下をクリアーする組み合わせであればどの様な
包材を用いても良いが本発明の実施態様としては合成樹
脂の素材が好ましく用いられ、具体的にはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポ
リカーボネート、ビニロン、エバール、ポリエチレンテ
レフタレート等が挙げられ、単層あるいは2種以上のフ
ィルムで又はアルミ箔等と積層しても良いし、フィルム
間にアルミ箔等を用いても良いし、更に紙やその他の素
材上に、上記合成樹脂をコーティングしたものでもよ
い。包材の膜厚としては使い勝手や包材の摩耗性、効果
の点から1〜2000μm、より好ましくは10〜10
00μmであることが好ましい。
【0021】固体処理剤を包装する方法としては4方シ
ール、3方シール、スティック(ピロー包装、ガゼット
包装)、PTP(プリスター包装)、カートリッジ等が
あるが、本発明の効果を顕著に奏するのは4方シール、
3方シール、スティック包装であり、4方シール、3方
シール、スティック包装は形態の違いである。ただしピ
ールオープン方式を使用する場合はシーラント剤をラミ
ネートしピールオープン適性をもたせることができる。
固体処理剤を処理槽に供給する方法としては予め一定量
に秤量包装された固体処理剤を感光材料の処理量に応じ
て包装体を開封、取り出す方式であるが、開封に際し、
接着面を分離する方法、シール包装の一部に切り込みを
入れ、引っ張ることにより開封する方法、カッター等外
力により切断する方法、強制的に固体処理剤を押し出す
方法等が好ましく用いられる。
【0022】次に本発明に用いられる包装形態について
説明する。図1(A)、(B)、(C)は四方シールの
例を示す平面図である。図1(D)は三方シールの例を
示す。図2(A)、(B)はスティック包装の具体例を
示す、ただしこれらに限定されない。図3はPTP包装
の具体例を示す。ただしこれらに限定されるものではな
い。図3(A)は丸薬状の固体処理剤をPTP包装した
ものであり、図3(B)は処理剤の錠剤が複数個入って
包装されている状態を示す。図3(C)は錠剤、顆粒又
は粉末が入っているものを縦列配置した状態を示す。図
3(D)はこれら包装体が横1列につながったものを示
す。あるいは図3(E)に示すブリスター的なものでも
よい。図3(F)は他の実施例の包装物であって、筒状
の包装体に錠剤を収納している。なお、本発明はこれら
の具体例に限定されるものではないが、三方シールない
しは四方シールの方が処理槽に直接投入する方式として
好ましく、又連包性にも良いことから好ましく用いられ
る。
【0023】次に本発明を実施する上での具体的な包装
形態についてシール包装を例にとり説明すると、図4の
(A)は1つの包装単位に数種の錠剤、例えば発色現像
補充用錠剤であればアルカリパート、主薬パート、保恒
剤パート毎に1つの供給単位として1包装に入ってい
る。図4(B)は種類、サイズの異なる錠剤が個装され
ているが、この場合、A、B又はCの分包中に炭酸塩と
ヒドロキシルアミン塩が共存している。図4(C)は顆
粒又は粉末を包装したものであり、この場合、1包装が
1つの供給単位となる。図4(D)は同一の錠剤が包装
されている例であるが1包装内に炭酸塩とヒドロキシル
アミン塩が共存していれば良く、3包装で1供給単位で
あっても1包装で1供給単位であっても良い。図4
(E)は同じ大きさのケミカルが数個包装されており、
この場合も図4(D)と同様、炭酸塩とヒドロキシルア
ミン塩が同一包装内に入っていることが必要である。図
4(F)〜(H)は顆粒剤がパート毎に包装された例で
あり、図4(B)と同じ構成である。図4(P)は包装
毎に分離されている例である。図4(I)〜(O)及び
(Q)〜(X)は錠剤の他の包装例を示したものである
が、要はヒドロキシルアミン塩と炭酸塩が同一包装内に
存在していることが重要であり、それを満足する構成で
あればいかなる構成でも良い。
【0024】次に本発明の実施態様として好ましい投入
装置の具体例について説明する。図5において処理槽1
は感光材料を処理する処理槽であり、該処理槽1を形成
する仕切壁の外側に一体的に設けた固体処理剤(錠剤)
を供給する固体処理剤投入部4及び恒温槽2を有する。
これら処理槽1と恒温槽2は連通窓が形成された仕切壁
21により仕切られており、処理液は流通できるように
なっている。そして恒温槽2の上方に設けた投入部4に
は固体処理剤を受容する囲い5を設けたので、固体処理
剤は固体のまま処理槽1に移動することがない。なお、
囲い5は処理液の通過は可能であるが、固体の処理剤は
溶け終るまで通過できない網状またはフィルター状とし
てある。
【0025】筒状のフィルター22は、恒温槽2の下方
に交換可能に設けられ、処理液中の不溶物、例えば紙く
ず等を除去する機能を果たす。このフィルター22の中
は、恒温槽2の下方壁を貫通して設けられた循環パイプ
23を介して循環ポンプ24(循環手段)の吸引側に連
通している。
【0026】循環系は、液の循環通路を形成する循環パ
イプ23、循環ポンプ24、及び処理槽1等で構成され
ている。前記循環ポンプ24の吐出側に連通した循環パ
イプ23の他端は処理槽1の下方壁を貫通し、該処理槽
1に連通している。このような構成により、循環ポンプ
24が作動すると処理液は恒温槽2から吸い込まれ、処
理槽1に吐出されて、処理液は処理槽1内の処理液と混
じり合い、再び恒温槽2へと入る循環を繰り返すことに
なる。この循環流の流量は、1分間当りタンク容量に対
して0.1(回転=循環量/タンク容量)以上の流量で
あることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0回
転である。また、処理液の循環方向は、図5に示した方
向に限られる必要はなく、逆方向であっても良い。
【0027】排液管31は、処理槽1内の処理液をオー
バーフローさせるためのものであり、液面レベルを一定
に保つと共に、他の処理槽から感光材料に付着して持ち
込まれる成分や、感光材料から浸み出す成分が貯留し、
増加することを防ぐのに役立つ。棒状のヒータ25は、
恒温槽2の上方壁を貫通して恒温槽2内の処理液中に浸
漬するよう配設されている。このヒータ25は、恒温槽
2及び処理槽1内の処理液を加温するものであり、換言
すると処理槽1内の処理液を処理に適した温度範囲(例
えば20〜25℃)に保持する温度調整手段である。
【0028】処理量情報検出手段32は、自現機の入口
に設けられ、処理される感光材料の処理量を検出する。
この処理量情報検出手段32は、左右方向に複数の検出
部材を配してなり、感光材料の幅を検出するとともに、
検出されている時間をカウントするための要素として機
能する。感光材料の搬送速度は機械的に予め設定されて
いるので、幅情報と時間情報とから感光材料の処理面積
が算出できる。なお、この処理量情報検出手段32は、
赤外線センサー、マイクロスイッチ、超音波センサー等
の感光材料の幅及び搬送時間を検出できるものであれば
よい。また、間接的に感光材料の処理面積が検出できる
もの、例えばプリンタープロセッサーの場合、焼付を行
った感光材料の量、あるいは、予め決まっている面積を
有する感光材料の処理数を検出するものでもよい。さら
に、検出するタイミングは、本例では処理される前であ
るが、処理した後、あるいは処理液中に浸漬されている
間でもよい(このような場合は、処理量情報検出手段3
2を設ける位置を処理後に検出できる位置や処理中に検
出できる位置に適宜変更する)。さらに、検出される情
報として、上述の説明では、処理された、あるいは処理
中の感光材料の処理量に比例した値であればよく、処理
槽に収容された処理液の濃度あるいは濃度変化等であっ
てもよい。
【0029】図5において、6は固体処理剤包装物を収
容する収容容器、9は該包装物を搬送する第2の搬送手
段、16は前記処理量情報検出手段32による信号を受
けて処理剤の処理量供給を制御する制御手段である。
【0030】図6は補充装置3の具体的構造を詳しく説
明する斜視図である。図6で収容容器6は、処理剤包装
物Hを、帯部を蛇行させた状態で収納していて、処理剤
包装物Hの先端は、ローラ8aと、ローラ8bと駆動手
段とよりなる第1の搬送手段8により送り出し、または
蓋7を開けて案内し、ローラ9aと、ローラ9bと駆動
手段とよりなる第2の搬送手段9にかけ渡し、蓋7を閉
じることにより、第1の搬送手段8と第2の搬送手段9
に係合する。なお第2の搬送手段9に係合させる前に切
断手段(カッター)10により、上下両側のシール部を
切り離し矢印A方向へ案内し排除する。
【0031】この実施例では切断手段(カッター)10
は円板状のロータリカッターを適用したが、これに限定
されるものではない。なおカッター刃は、安全のためカ
ッターチップ11としてセットで交換する構成とするこ
とが好ましい。図6に示す如く、ローラ8b、ローラ9
bは、それぞれの円筒の一部を欠除させ、切欠きローラ
としてあり、それぞれのローラ対の軸間距離を固定にし
たから、ローラ対の回転により該欠除部がローラ8aま
たはローラ9aに対向したときには、両ローラ間の挟持
力はなくなり、又ニップ圧が減少するから、挟持されて
いた帯状の処理剤包装物Hは自由にその面方向に移動可
能となり、例えば蛇行しはじめていたときに中央に戻る
ことが出来る。
【0032】図7、図8に示すように各包装単位ずつ四
方シールされた長尺の固体処理剤の包装物は収納部とし
ての収容容器2Bに収容されているが、固体処理剤供給
装置2Aによって該包装体が繰出され一包装単位ずつ固
体処理剤18が供給され、恒温槽11の一部に設けた固
体処理剤18を溶解する投入部としての前記溶解室11
aに投入される。
【0033】溶解室11aに固体処理剤18を落下し、
溶解させながら、処理槽1と恒温槽11内に設けた濾過
手段11bを介して循環パイプ23を設け、循環ポンプ
24にて恒温槽11内にて固体処理剤18を溶解した処
理液12を処理槽1Aに送り、平均濃度となるように処
理液12を循環して調製する。更に処理槽1Aの一部に
処理量情報検出手段32を設け、自現機A内にて処理さ
れる例えば印画紙の処理量を検出する。処理量情報検出
手段32に処理量が検出された情報は処理剤供給制御手
段16に伝え、該処理剤供給制御手段16により前記モ
ータ15の始動、停止を制御する。すなわち、処理量が
一定量に達して処理液12内の濃度が劣化した時、図7
(a)の平面図及び図7(b)の斜視図に示すようにモ
ータ15が回転して錠剤を4方シールしている長尺の2
枚のシートがはがされながら巻取軸16a、16bに巻
かれることにより、シールが1区画だけはがされ、中の
錠剤18を直接溶解室11aの上部開口部11cに落下
させるか図8(a)の平面図及び図8(b)の斜視図に
示すように固形処理剤受入筒(落下シュート)17の開
口部より1包装区画分のみ排出するようにしてある。但
し図8の場合、はがされた2枚の長尺シートは同じ巻取
軸16に巻取られるようにしてある。このようにして一
包装単位の錠剤18を恒温槽11の溶解室11aに供給
する。尚、処理槽1A内の処理液12の劣化が更に進行
していれば、2包装単位又は3包装単位の固体処理剤1
8が供給される。
【0034】別の固体処理剤供給装置2Aの実施例とし
て図9の斜視図に示すものは錠剤18を四方シールした
長尺包装体を、図7で示したものが堅送りであり巻取軸
16a、16bが垂直であったのに対し、横に水平にし
て搬送し巻取軸16a、16bが水平に配置してある点
が異なっているだけである。図10(a)(b)は「コ
の字」形半抜きパンチ方式を表す。
【0035】感光材料が処理されると処理量情報検知手
段によって検知し、ある一定量に達したときに、処理剤
供給制御手段により信号が送られ搬送ローラ100が回
転し、固体処理剤10の入った図11(a)に示す包装
体物801を図10(a)の様な位置まで移動させ停止
する。包装物801を移動させる方法は包装物801に
予め設けられたノッチを検出する方法、印刷柄又はアイ
マークの検出、包装物801の処理剤10の検出等どん
な方法でも良いが要は必要数の固体処理剤10を精度良
く検出すれば良い。次に図10(b)の様にパンチ雄型
300が下方に動き包装物801を切断し固体処理剤1
0は図11(a)の投入口901を経て、自動現像機の
処理槽に投入される。パンチ雄型300で切断された切
り口は図11(b)に示すようにパンチ形状601の様
にコの字となる。
【0036】このような方式の場合、固体処理剤は粉
末、顆粒、錠剤どれでも良いが好ましくはパンチ雄型
に、薬品が付着しにくい錠剤が良い。又錠剤10は包装
物に余り付着せず従って汚れも発生しにくく、ユーザー
が取扱う際にも安全である。使用済み包装物801は廃
棄箱102に入りまとめて廃棄することができる。この
廃棄箱102は、使用済みの包装物収納箱701を再使
用することが好ましい。図12、図13は包装物801
の切り落とし方法を表す。
【0037】感光材料が処理されると処理量情報検知手
段によって検知し、ある一定量に達したときに、処理剤
供給制御手段により信号が送られ搬送ローラ17bが回
転し、固体処理剤10の入った包装物801を固体処理
剤10が処理槽フィルター部14の上部の位置まで移動
させ停止する。このとき包装物801の先端はしごきロ
ーラに入っている。
【0038】包装物を移動させる方法は包装物801に
予め設けられたノッチを検出する方法、印刷柄の検出、
包装体の処理検出等どんな方法でも良いが様は必要数の
固体処理剤10を精度良く検出すれば良い。次にセラミ
ック性カッター17aが包装物801を切断する。切断
が終了するとしごきローラ及び搬送ローラ17bが回転
し固体処理剤10はしごきローラによりしごかれ排出口
を通過し自動現像機の処理槽フィルター部14に投入さ
れる。カットされた廃棄包装体は搬送ローラ17bより
排出され廃棄箱に入る。この廃棄箱は使用済みの包装体
収納箱を再使用するのが好ましい。
【0039】この様な方式の場合、固体処理剤10は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが、好ましくはセラミック
製カッター17aに、薬品が付着しない錠剤が良い。又
錠剤は包装物801に余り付着せず従って汚れも発生し
にくいという利点がある。使用済み包装体は廃棄箱に入
りまとめて廃棄することができる。
【0040】図14は、本発明に係る固体処理剤の投入
手段の他の実施例を示す概略断面図である。図14に示
す如く、錠剤型の固体処理剤24が収納された円筒状の
固体処理剤用包装体130が設けられ、該処理剤24が
扁平状に積み重ねられてシャッター開時に該固体処理剤
用包装体130内を自重で下方に降り供給搬送可能にし
てある。この固体処理剤用包装物は外/内側がポリエチ
レンコートされ、中は紙でできている。
【0041】該固体処理剤用包装体130の底部を形成
するように該固体処理剤用包装体130のセンターから
一定距離だけ離れた位置に設けた支軸141のまわりに
同心に回転シャッター円板144とそれに接して下部に
固定円板142とを配設し、各円板には別々に窓145
と143が固体処理剤用包装体130と同心円上にあけ
られている。そして回転シャッター円板144の窓14
5は前記固体処理剤用包装体130内径及び錠剤型固体
処理剤外径寸法と等しいか少し大きい内径にしてある。
回転シャッター円板144が回転して窓145が固体処
理剤用包装体130と同心になるように重なった位置で
該包装体130内の最下部の固体処理剤24をその窓1
45に落とし込んで受け取り、該回転シャッター円板1
44が更に回転して固定円板142の窓143と前記窓
145とが同心に重なった位置で回転シャッター円板1
44の窓145内にあった錠剤型の固体処理剤24は窓
143に落とされて、更にその下におかれたサブタンク
20の処理液面にシューター146を滑り下りて該サブ
タンク20内に供給されるようにしてある。
【0042】
【実施例】以下、本発明について実施例の中で説明す
る。 実施例1 以下に示すカラーネガフィルム用処理剤を作成した。 (1)カラーネガフィルム用発色現像補充用粉末処理剤 現像主薬CD−4〔4−アミノ−3−メチル−N−エチ
ル−β−(ヒドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕150
g、水酸化カリウム31.8g、亜硫酸ナトリウム13
4.5g、硫酸ヒドロキシルアミン(表1記載)、臭化
カリウム9.9g、ジエチレントリアミン五酢酸42.
9g、炭酸カリウム(表1記載)、パインフロー(商品
名)4.6g、及びマンニット(商品名)90gをそれ
ぞれ市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるま
で粉砕し、これらの素材を40%RH以下に調湿された
部屋で混合機を用いて10分間均一に混合し、これを2
80等分して280個のカラーネガ用発色現像補充用粉
末処理剤(I)を作成した。
【0043】(2)カラーネガフィルム用発色現像補充
用顆粒処理剤 操作(a) 現像主薬CD−4〔4−アミノ−3−メチル−N−エチ
ル−β−(ヒドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕150
gを市販バンダムミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。この微粉末を市販の攪拌造粒機中で室温にて
約7分間、10mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去し、カラーネガフィルム
用発色現像補充用顆粒(a)を作成した。
【0044】操作(b) 硫酸ヒドロキシルアミン(表1記載)とパインフロー
4.6gを操作(a)と同様に粉砕した後、混合、造粒
する。水の添加量は3.5mlとし、造粒後、60℃で
30分間乾燥し、造粒物の水分をほぼ完全に除去し、カ
ラーネガフィルム用発色現像補充用顆粒(b)を作成し
た。
【0045】操作(c) 水酸化カリウム31.8g、亜硫酸ナトリウム134.
5g、臭化カリウム9.9g、ジエチレントリアミン五
酢酸42.9g、炭酸カリウム(表1記載)とマンニッ
ト90gを操作(a)と同様粉砕、混合し、水の添加量
を40mlにして造粒を行なう。造粒後、造粒物を70
℃で60分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去
し、カラーネガフィルム用発色現像補充用顆粒(c)を
作成した。上記カラーネガフィルム用発色現像補充用顆
粒(a)、(b)及び(c)を混合し、これを280等
分して280個のカラーネガフィルム用発色現像補充顆
粒(II)とした。
【0046】(3)カラーネガフィルム用発色現像補充
用錠剤 操作(a)、(b)及び(c)からできた混合された顆
粒(II)を菊水製作所(株)製タフプレスコレクト1
527HUを改造した打錠機により1錠当りの充填量を
5.0gにして圧縮打錠を行ない、280個分のカラー
ネガフィルム用発色現像補充用錠剤(III)を作成し
た。次に粉末処理剤(I)を1個、顆粒処理剤(II)
を1個、錠剤(III)を1個無延伸ポリプロピレン2
5μm/延伸ポリプロピレン25μmの無延伸ポリプロ
ピレンフィルム面でラミネートした四方シール包装体に
各々包装した。
【0047】各包装された上記処理剤(I)、(II)
及び(III)を30℃80%RHの恒温槽に1.0ケ
月投入した。投入後の固体処理剤と包装材料の包装内摩
擦係数を測定した。また、上記処理剤(I)、(II)
及び(III)を図4の(C)又は(D)に示すような
連続包装(10包装)にした試料を30℃80%RHの
恒温槽に1.0ケ月投入した後、図6に示す自動投入機
を用いて落下精度を観測した。なお粉末処理剤、顆粒処
理剤は残存量を百分率(重量%)で表し、錠剤は完全に
投入された回数を求めた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から明らかなように粉末処理剤
であれ顆粒処理剤であれ、錠剤であれ、1包装当りのヒ
ドロキシルアミン硫酸塩が炭酸塩に対し、2.0以下で
あれば包装内摩擦係数が低く、その結果投入精度も高い
が、2.0を超えると包装内摩擦係数が1.5を超え、
その結果投入されない等投入精度が著しく低下すること
がわかる。又ヒドロキシルアミンの硫酸塩が炭酸塩に対
して0.05に満たない0.02である場合、包装内摩
擦係数は低く又投入精度が高い一方、ヒドロキシルアミ
ン硫酸塩の量が少ない為に現像液として使用すると経時
によるタールの発生等の問題が生じ好ましくない。又、
固体処理剤の中でも錠剤、顆粒、粉剤の順に包装内摩擦
係数が低く、従って投入精度も高いことがわかる。
【0050】実施例2 実施例1のカラーネガフィルム用発色現像補充用錠剤の
製造において下記の操作により錠剤(IV)を作成し
た。 操作(d) 炭酸塩863g、水酸化カリウム31.8g、亜硫酸ナ
トリウム134.5g、マンニット90gを市販バンダ
ムミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕、混合し、
水の添加量を40mlにして造粒を行なった。造粒後、
造粒物を70℃で60分間乾燥して造粒物の水分をほぼ
完全に除去する。このようにして調製した造粒物にN−
ラウロイルアラニンナトリウム2gを添加し、25℃4
0%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分間
混合する。次に混合物を菊水製作所(株)製タフプレス
コレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当り
の充填量を2.0gにして圧縮打錠し、560個分のカ
ラーネガフィルム用発色現像補充用錠剤(d)を作成し
た。
【0051】操作(e) ヒドロキシルアミン塩86g、臭化カリウム9.9g、
ジエチレントリアミン五酢酸42.9g、パインフロー
4.6gを粉砕、混合し、水の添加量は3.5mlと
し、造粒後、60℃で30分間乾燥し、造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。このようにして調製した造粒物に
N−ラウロイルアラニンナトリウム0.3gを添加し、
25℃40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用い
て3分間混合する。更に操作(d)と同様な方法で打錠
機を用いて1錠当りの充填量を0.5gにして圧縮打錠
を行い、280個のカラーネガフィルム用発色現像補充
用錠剤(e)を作成した。
【0052】操作(f) 現像主薬CD−4〔4−アミノ−3−メチル−N−エチ
ル−β−(ヒドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕150
gを市販バンダムミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。この微粉末を市販の攪拌造粒機中で室温にて
約7分間10mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、
調製した造粒物にN−ラウロイルアラニンナトリウム
0.3を添加し、25℃、40%RH以下に調湿された
部屋で混合機を用いて10分間均一に混合する。次に混
合物を操作(d)と同様な方法で打錠機を用いて1錠当
りの充填量を0.53gにして圧縮打錠を行い、280
個のカラーネガフィルム用発色現像補充用錠剤(f)を
作成した。
【0053】なお、錠剤(d)は厚み5mmで直径が1
7mm、錠剤(e)は厚みが4mmで直径が10mm、
錠剤(f)は厚みが4mmで直径が15mmである。こ
こで錠剤(d)を2錠、錠剤(e)を1錠、錠剤(f)
を1錠の計4錠を1包装とし、炭酸塩及びヒドロキシル
アミン塩を表2記載の化合物にかえた以外は実施例1と
同様の評価を行った。結果は表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2の結果より明らかなようにヒドロキシ
ルアミン硫酸塩と炭酸塩の重量比が本発明の範囲内であ
れば、ヒドロキシルアミンの塩がかわっても、又炭酸塩
の種類がかわっても包装内摩擦係数が小さく、投入精度
が良いことがわかる。又炭酸塩の中でもK2 CO3 、N
2 CO3 の効果が大きいことも表2より明らかであ
る。
【0056】実施例3 実施例2において試料2−1の包装材料である無延伸ポ
リプロピレン25μm/延伸ポリプロピレン25μmフ
ィルムを表3に示す包装材料にかえ、包装内摩擦係数及
び投入精度について測定した。結果を表3に示す。ただ
し投入機については図6の投入機を用いた。
【0057】
【表3】 注)2以上の積層体の場合、最後に記載のものが包装体
の内側である。
【0058】表3より明らかなように包装内摩擦係数が
1.5以下である包材を用いた場合は投入精度は良く、
特に1.0以下は完全である。又上記の包装材料以外に
包装内摩擦係数が1.5以下になるようなポリカーボネ
ート25μm、ポリ塩化ビニリデン25μm、PVPC
コート延伸ポリプロピレン25μm、硬質塩化ビニル2
5μmについてもほぼ同様の結果を得ることができた。
【0059】実施例4 実施例2において試料2−1の包装材料を表4に示す包
装材料に変更し、実施例3と同様の評価を行った。結果
は表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】表4より明らかなように透湿度が低いと包
装内摩擦係数を低くすることができ、投入精度も良好で
あることがわかる。
【0062】実施例5 コニカカラースーパーDD−100フィルム(コニカ
(株)製)と富士カラースーパーHR100フィルム
(富士写真フイルム(株)製)を現像露光した後、カラ
ーネガフィルムプロセッサーCL−KP−50QAを下
記仕様に変更して表5に示す処理工程に従い連続処理を
行なった。連続処理はDD=100とSHR−100を
1:1で使用した。CL−KP−50QAの改造は補充
タンクを取り除き、従来の液補充を図6に示す処理剤供
給手段を取り付け(発色現像槽、漂白槽、定着−2の
槽、安定−3の槽)、表6に示す錠剤供給と補水を行な
った。補水は自現機内に補水装置を設け、錠剤供給と同
時に補水及び蒸発補水を行なえるようにした。
【0063】
【表5】
【0064】なお、錠剤は以下のように作成した。 <発色現像補充用錠剤>実施例2の錠剤を使用 <漂白補充用錠剤>
【0065】操作(g) 1.3−プロパンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム1
水塩190g、1.3−プロパンジアミン4酢酸9g、
パインフロー(松谷化学製)17gを操作(l)と同様
に粉砕、混合し、水の添加量を8mlにして造粒を行な
う。造粒後、造粒物60℃で30分間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。
【0066】操作(h) コハク酸50g、マレイン酸83g、臭化カリウム86
gとパインフロー10.2gを操作(l)と同様、粉
砕、混合、造粒する。水の添加量は17mlとし、造粒
後70℃で60分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に
除去する。
【0067】操作(i) 炭酸水素カリウム80gとマンニット8gを操作(l)
と同様、粉砕、混合、造粒する。水の添加量は13ml
とし、造粒後60℃で60分間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。
【0068】操作(j) 上記操作(g)〜(i)で調製した造粒物を25℃、4
0%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分
間均一に混合する。次にこの混合造粒物にN−ラウロイ
ルサルコシンナトリウム6gを添加し、3分間混合す
る。次に混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレ
クト1527HUを改造した打錠機により1錠当りの充
填量を1.65gにして圧縮打錠を行ない、320個の
カラーネガ用漂白補充用錠剤(j)を作成した。
【0069】3)カラーネガ用定着補充用錠剤 操作(k) チオ硫酸アンモニウム2500g、亜硫酸ナトリウム1
80g、炭酸カリウム20g、エチレンジアミン4酢酸
2ナトリウム塩20gとパインフロー(松谷化学(株)
製)65gを操作(l)と同様、粉砕、混合、造粒す
る。水の添加量は50mlとし、造粒後、60℃で12
0分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0070】操作(l) 上記操作(k)で調製した造粒物とN−ラウロイルサル
コシンナトリウム13gを25℃、40%RH以下に調
湿された部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に混
合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト152
7HUを改造した打錠機により1錠当りの充填量を1.
8gにして圧縮打錠を行ない、1500個のカラーネガ
用定着補充用錠剤(l)を作成した。
【0071】4)カラーネガ用安定補充用錠剤 操作(m) m−ヒドロキシベンズアルデヒド150g、ラウリル硫
酸ナトリウム20g、エチレンジアミン4酢酸ジナトリ
ウム20g、水酸化リチウム1水塩16gとパインフロ
ー10gを操作(l)と同様、粉砕、混合、造粒する。
水の添加量は10mlとし、造粒後、造粒物を50℃に
て2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0072】操作(n) 上記操作(m)で調製した造粒物を25℃、40%RH
以下に調湿された部屋で菊水製作所(株)製タフプレス
トコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当
りの充填量を1.41gにして圧縮打錠を行ない、15
0個のカラーネガ用安定補充用錠剤(n)を作成した。
錠剤の供給と補水量は以下に示す。
【0073】
【表6】
【0074】安定補充用の補水量は、1回の補水量10
0mlを限界として補水した。なお、上記錠剤の包装材
料をシリカコート延伸ポリエチレンテレフタレート12
μm/ポリエチレン30μmで四方シール包装(1個3
0包装の連続包装)した。定着は2から1への、安定は
3から2、2から1への向流方式であり、漂白槽はエア
ーポンプでエアレーションを行なった。
【0075】また、蒸発補正は温調時は発色現像、漂
白、定着−1、定着−2、安定−1、安定−2、安定−
3槽に各々1時間に10ml、6.5ml、7ml、7
ml、8.6ml、8.6ml、9.3mlの蒸発補正
を行なうプログラムにて蒸発補正を行なった。また非稼
働時は非稼働時間を積算し発色現像、漂白、定着−1、
定着−2、安定−1、安定−2、安定−3に蒸発補正水
を各々1時間当り7.5ml、5ml、6ml、6m
l、5ml、5ml、5mlの量をまとめて稼働開始時
に補水した。スタート時のタンク液はコニカカラーネガ
ティフィルム用処理剤CNK−4−52の補充液及びス
ターターを用いて作成した。
【0076】また、比較としてCL−KP−50QAを
用いてCNK−4−52プロセスで処理したものを用い
た。ランニング量は1日当り30本、25日間にわたっ
て処理した。評価は表6に示す発色現像補充用錠剤の1
包装当りの量を表7に示す値にして処理した時のγ変動
及び溶解性について評価した。なおγ変動はBlueの
最低濃度+濃度0.3の位置からlogEで1.5の濃
度点とのtanθをγとし、処理直後と処理終了時のγ
差をγ変動とした。結果を表7に示す。
【0077】
【表7】
【0078】表7の結果より、1包装当りの量が60g
だと発色現像処理槽に不溶物が多量に見られ、その結果
γ変動が大きくなるが、1包装当りの量が50g以下で
あれば不溶物も少なく、またγ変動が小さいことが判
る。また比較のCL−KP−50QAを用いてCNK−
4−52補充液タイプで処理したもののγ変動は0.0
9であった。このことからしても本発明の方法は処理の
安定性が良いことが判る。一方、1包装当りの量が0.
3gの場合処理性能上問題ないものの、固体処理剤の投
入回数が以上に多く、変換頻度も高く作業性が著しく低
下した。また、投入回数が多いため、錠剤の投入が間に
合わず、しかも錠剤が落ちにくい傾向にあるため、結果
的にγ変動が少し増大する傾向にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】シール包装例を示す平面図
【図2】スティック包装例を示す斜視図
【図3】PTP包装等の他の包装例を示す正面図及び斜
視図
【図4】シール包装の他例を示す平面図
【図5】自動現像機の処理剤投入部と処理剤供給手段と
の断面図
【図6】補充装置の斜視図
【図7】錠剤シール包装体処理剤の供給装置の平面図及
び斜視図
【図8】錠剤シール包装体処理剤の供給装置の平面図及
び斜視図
【図9】錠剤シール包装体処理剤の供給装置の斜視図
【図10】固体処理剤供給装置の他例を示す縦断面図
【図11】固体処理剤供給装置の他例を示す斜視図及び
平面図
【図12】固体処理剤供給装置の他例を示す概略正面図
【図13】固体処理剤供給装置の他例を示す概略斜視図
【図14】固体処理剤供給装置の他例を示す縦断面図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシルアミン塩を含有するハロゲン
    化銀写真感光材料用処理剤を包装材料で包装して成る固
    体処理剤包装物において、該ヒドロキシルアミン塩が炭
    酸塩に対して重量比で0.05〜2.0含有されてお
    り、該固体処理剤が単位補充供給量当り0.5〜50g
    の範囲に秤量されており、かつ該固体処理剤と前記包装
    材料表面との包装内摩擦係数が1.5以下である包装材
    料に包装されていることを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料用固体処理剤包装物。
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