JPH0626475A

JPH0626475A - スクロ−ル型圧縮機

Info

Publication number: JPH0626475A
Application number: JP18330792A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Ichikawa; 勤市川
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1992-07-10
Filing date: 1992-07-10
Publication date: 1994-02-01

Abstract

(57)【要約】【目的】この発明は、固定スクロ−ルが熱変形するのを
防止したスクロ−ル型圧縮機を提供することを目的とす
る。【構成】密閉ケ−ス１と、固定鏡板１２ａと固定ラッ
プ１２ｂとが一体成形され上記密閉ケ−ス内に設けられ
た固定スクロ−ル１２と、旋回鏡板８ａと旋回ラップ８
ｂとが一体成形され上記固定スクロ−ルに対して旋回運
動自在に設けられた旋回スクロ−ルとを具備し、上記固
定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとの少なくとも旋回スク
ロ−ル８をアルミニウム系の合金によって形成するとと
もに、そのスクロ−ルのラップの先端面と鏡板の上記ラ
ップの基端間の部分の表面とに鉄系金属からなる耐摩耗
性材料を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はたとえば空気調和機の
冷凍サイクルなどに用いられるスクロ−ル型圧縮機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、冷房運転と暖房運転との切換
えが可能な空気調和機においては、圧縮機としてスクロ
−ル型圧縮機が用いられることがある。スクロ−ル型圧
縮機は周知のように密閉ケ−スを有し、この内部には固
定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとがそれぞれのラップを
噛合させ、かつ上記旋回スクロ−ルが旋回運動自在に設
けられている。

【０００３】上記構成のスクロ−ル型圧縮機において、
上記旋回スクロ−ルは旋回運動を行うため、その重量は
できるだけ小さい方が振動や騒音を低減することができ
るばかりか、軸や軸受さらには電動機に対する負荷を低
減することができる。一方、上記各スクロ−ルは、その
ラップの形状が複雑で、高速加工に不向きであるため、
加工性（切削性）に優れた材料で形成することが望まし
い。

【０００４】このような条件を備えた材料としてアルミ
ニウム系の合金が使用される。固定スクロ−ルと旋回ス
クロ−ルとを、それぞれアルミニウム系の合金で形成し
た場合、確かに軽量化を計ることができる。

【０００５】ところで、アルミニウム系の合金は軟質で
あるから、固定スクロ−ルに対して旋回スクロ−ルが旋
回運動すると、これらの接触部分である、一方のスクロ
−ルのラップの先端面と、他方のスクロ−ルの鏡板のラ
ップ間の基端間の部分の表面とが凝着し易い。

【０００６】このような凝着を防止するには、これらの
接触圧力を小さくしなければならない。しかしながら、
接触圧力を小さくすると、気密性が低下するから、被圧
縮流体のリ−クが生じ、圧縮効率が低下するということ
になる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように、スクロ−
ルの軽量化を計るために、これらをアルミニウム系の合
金で作ると、これらが摺動した場合に凝着が生じ易いた
め、接触圧力を大きくして気密性の向上を計ることがで
きないということがあった。

【０００８】この発明は上記事情に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、スクロ−ルの軽量化を計
ることができるとともに、摺動抵抗を大きくして気密性
を向上させることができるようにしたスクロ−ル式圧縮
機を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明は、密閉ケ−スと、固定鏡板と固定ラップと
が一体成形され上記密閉ケ−ス内に設けられたた固定ス
クロ−ルと、旋回鏡板と旋回ラップとが一体成形され上
記固定スクロ−ルに対して旋回運動自在に設けられた旋
回スクロ−ルとを具備し、上記固定スクロ−ルと旋回ス
クロ−ルとの少なくとも旋回スクロ−ルをアルミニウム
系の合金によって形成するとともに、そのスクロ−ルの
ラップの先端面と鏡板の上記ラップの基端間の部分の表
面とに鉄系金属からなる耐摩耗性材料を設けたことを特
徴とする。

【００１０】

【作用】このような構成によれば、固定スクロ−ルと旋
回スクロ−ルとをアルミニウム系の合金で形成しても、
一方のスクロ−ルは他方のスクロ−ルに対して耐磨耗性
材料を介して接触し、アルミニウム系の合金が直接接触
して凝着するのを防止できる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図２は一般的なスクロ−ル型圧縮機を示す。
この圧縮機は密閉ケ−ス１を備えている。この密閉ケ−
ス１内には支持フレ−ム２が設けられ、この支持フレ−
ム２によって上記密閉ケ−ス１の内部空間を上部空間部
１ａと下部空間部１ｂとに非気密状態で隔別している。
下部空間部１ｂには駆動源を構成する電動機３が設けら
れている。この電動機３はステ−タ４と、このステ−タ
４内に設けられたロ−タ５と、このロ−タ５に取着され
た回転軸６とから構成されている。

【００１２】上記回転軸６の上部は上記支持フレ−ム２
に回転自在に支持され、この支持フレ−ム２から突出し
た上端部には軸線を上記回転軸６の軸線に対して偏心さ
せた偏心軸部７が設けられている。この偏心軸部７には
旋回スクロ−ル８の鏡板８ａの外面（下面）に形成され
た筒部９が回転自在に嵌合されている。上記旋回スクロ
−ル８の鏡板８ａの内面（上面）には旋回ラップ８ｂが
一体的に形成されている。

【００１３】上記旋回スクロ−ル８の鏡板８ａの外面と
上記支持フレ−ム２の上面との間にはオルダムリング１
１が設けられている。このオルダムリング１１は、上記
旋回スクロ−ル８が上記回転軸６の偏心軸部７によって
偏心回転させられるときに、自転するのを規制しながら
旋回運動させる。

【００１４】上記上部空間部１ａには、上記旋回スクロ
−ル８とで圧縮機構１０を形成する固定スクロ−ル１２
が配置されている。この固定スクロ−ル１２は鏡板１２
ａと、この鏡板１２ａの内面（下面）に設けられた固定
ラップ１２ｂとからなり、上記鏡板１２ａの周辺部に延
出された鍔部１２ｃを上記支持フレ−ム２の上面に接合
させ、ボルト１２ｄ（あるいはピン）で固定して設けら
れている。

【００１５】上記固定ラップ１２ｂは上記旋回ラップ８
ｂに噛合され、それによってこれら固定ラップ１２ｂと
旋回ラップ８ｂとの間には圧縮室１３を形成している。
この圧縮室１３は、上記旋回スクロ−ル８の旋回運動に
ともなって断面積を減少させながらその位置を徐々に旋
回方向に移動させ、最終的には固定スクロ−ル１２の鏡
板１２ｂの中心部に形成された吐出ポ−ト１４まで移動
し、かつ面積がほぼ０になる。

【００１６】上記圧縮室１３は密閉ケ−ス１の周壁に接
続された吸込管１６に連通している。この吸込管１６は
図示しない蒸発器の出口側に連通している。したがっ
て、上記蒸発器から流出した冷媒は、上記吸込管１６か
ら上記圧縮室１３に吸引されて圧縮される。

【００１７】上記圧縮室１３で加圧された冷媒は上記吐
出ポ−ト１４からバルブカバ−１７によって覆われた高
圧吐出室１８に圧力仕切板１９に形成された通孔１９ａ
を介して流出し、この高圧吐出室１８に連通した吐出ポ
−ト２１および吐出管２２を通って図示しない凝縮器へ
流れる。

【００１８】上記旋回スクロ−ル８の鏡板８ａと旋回ラ
ップ８ｂとはアルミニウム系の合金によって成形され、
上記固定スクロ−ル１２の鏡板１２ａと固定ラップ１２
ｂとは同じくアルミニウム系の合金によって成形されて
いる。各スクロ−ル８、１２のそれぞれのラップ８ｂ、
１２ｂの先端面には図１に示すように鋳鉄などのＦｃ材
からなる耐摩耗性の材料からなる端面板３１、３２が一
体的に接合固定されている。また、各鏡板８ａ、１２ａ
には、それぞれのラップ８ｂ、１２ｂの基端間の部分の
表面に鋳鉄などの耐摩耗性の材料からなる底板３３、３
４が接合固定されている。

【００１９】上記端面板３１、３２および底板３３、３
４は、たとえば各スクロ−ル８、１２を鋳造する際、あ
らかじめ鋳型内にインサ−トしておくことによってラッ
プ８ｂ、１２ｂの先端面と鏡板８ａ、１２ａとに一体的
に設けることができる。また、他の手段としては、各ス
クロ−ル８、１２を成形した後、上記各端面板３１、３
２と底板３３、３４とを接着剤で接合固定して設けるよ
うにしてもよい。なお、各端面板３１、３２は各ラップ
８ｂ、１２ｂとの接合強度を向上させるために、その接
合面側に凸条３１ａ、３２ａが形成されている。

【００２０】このような構成のスクロ−ル式圧縮機によ
れば、旋回スクロ−ル８と固定スクロ−ル１２とは、そ
のほとんどがアルミニウム系の合金で作られているもの
の、これらスクロ−ル８、１２の互いに接触する部分に
は耐摩耗性を備えた材料からなる端面板３１、３２およ
び底板３３、３４が設けられている。そのため、旋回ス
クロ−ル８と固定スクロ−ル１２とは、これらの接触圧
を高くしても、凝着や摩耗などが生じづらいから、被圧
縮流体のリ−クを少なくし、圧縮効率を向上させること
ができる。

【００２１】また、旋回スクロ−ル８と固定スクロ−ル
１２とは、そのほとんどがアルミニウム系の合金で作ら
れているから、これらの軽量化を計ることができる。と
くに、旋回スクロ−ル８の軽量化を計ることができれ
ば、それが旋回運動することによって生じる遠心力を小
さくできるから、騒音や振動の発生を低くすることがで
きるばかりか、回転軸６やこの回転軸６を支持した軸受
が受ける負荷を低減することもできる。

【００２２】さらに、旋回スクロ−ル８と固定スクロ−
ル１２とをアルミニウム系の合金で作ることで、切削加
工が容易に行えるから、エンドミルなどによる高速加工
が可能となる。

【００２３】なお、上記一実施例では旋回スクロ−ル８
と固定スクロ−ル１２との両者をアルミニウム製の合金
で作るようにしたが、旋回運動する旋回スクロ−ル８だ
けをアルミニウム製の合金で作るようにしてもよい。

【００２４】また、旋回スクロ−ル８と固定スクロ−ル
１２とは、その径方向中心部分が周辺部分に比べて温度
上昇が高いから、その中心部分の接触圧力が周辺部分の
接触圧力に比べて大きくなる。したがって、各スクロ−
ル８、１２には耐摩耗性の端面板３１、３２や底板３
３、３４を、各ラップ８ｂ、１２ｂの中心部分の約１巻
に対応する部分にだけ設けるようにしてもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上述べたようにこの発明は、固定スク
ロ−ルと旋回スクロ−ルとの少なくとも旋回スクロ−ル
をアルミニウム系の合金によって形成するとともに、そ
のスクロ−ルのラップの先端面と鏡板の上記ラップの基
端間の部分の表面とに鉄系金属からなる耐摩耗性材料を
設けるようにした。

【００２６】そのため、これらスクロ−ルの互いに接触
する部分の耐摩耗性を向上させることができるから、接
触圧力を大きくして被圧縮流体のリ−クを少なくし、圧
縮効率を高めることができる。また、各スクロ−ルは、
耐摩耗性の材料を設けるものの、その大半がアルミニウ
ム製の合金からなるから、軽量化による騒音や振動の発
生を低減することができるなどの利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の回転スクロ−ルと固定ス
クロ−ルを示す断面図。

【図２】同じく圧縮機構の拡大断面図。

【符号の説明】１…密閉ケ−ス、２…８…旋回スクロ−ル、８ａ…鏡
板、８ｂ…旋回ラップ、９…旋回鏡板、１２…固定スク
ロ−ル、１２ａ…鏡板、１２ｂ…固定ラップ、３１…保
持部材、３３…鍔部、３１、３２…端面板、３３、３４
…底板。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】密閉ケ−スと、固定鏡板と固定ラップと
が一体成形され上記密閉ケ−ス内に設けられた固定スク
ロ−ルと、旋回鏡板と旋回ラップとが一体成形され上記
固定スクロ−ルに対して旋回運動自在に設けられた旋回
スクロ−ルとを具備し、上記固定スクロ−ルと旋回スク
ロ−ルとの少なくとも旋回スクロ−ルをアルミニウム系
の合金によって形成するとともに、そのスクロ−ルのラ
ップの先端面と鏡板の上記ラップの基端間の部分の表面
とに鉄系金属からなる耐摩耗性材料を設けたことを特徴
とするスクロ−ル型圧縮機。