JPH06264277A - 真空洗浄方法および真空洗浄装置 - Google Patents

真空洗浄方法および真空洗浄装置

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JPH06264277A
JPH06264277A JP5561593A JP5561593A JPH06264277A JP H06264277 A JPH06264277 A JP H06264277A JP 5561593 A JP5561593 A JP 5561593A JP 5561593 A JP5561593 A JP 5561593A JP H06264277 A JPH06264277 A JP H06264277A
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JP
Japan
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plug
work
oil
vacuum chamber
vacuum
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Withdrawn
Application number
JP5561593A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Hirezaki
有 鰭崎
Suginobu Baba
彬暢 馬場
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Suzuki Shokan Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Shokan Co Ltd
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Publication date
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の溶剤や水を使用せずに洗浄できるとと
もに、廃棄物が出ず、かつ、コンパクトな設備となる真
空洗浄方法および真空洗浄装置を提供する。 【構成】 真空洗浄装置1は、本体2と、この本体2内
に形成されるとともに、ワークを装着したプラグ10が送
り込まれる支持筒25を備えた真空室3と、この真空室3
を減圧する減圧手段4と、本体2に設けられてワークを
加熱しワークに付着した油を蒸発させる加熱手段5と、
本体2に接続されるとともに真空室3内に窒素ガス101
を流通させ、蒸発した油をこの窒素ガス101 によって本
体2の外に排出してワークを洗浄するワーク洗浄手段6
を備えている。ワークに付着した油を蒸発させ、窒素ガ
ス101 によって洗い流すので、各種の溶剤や水を使用せ
ずに洗浄できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空洗浄方法および真空
洗浄装置に係り、特に、油が付着した機械加工部品やプ
レス部品等を洗浄する際に利用できる。
【0002】
【背景技術】機械加工によって生産される機械加工部品
や、プレスの絞り加工によって生産されるプレス部品等
には、生産工程で使用された油が付着している。このよ
うな機械加工部品やプレス部品等を次工程、例えば、溶
接工程にまわす場合、そのままでは加工できないので加
工前にそれらを洗浄し、付着した油を取り除く作業が必
要とされる。油を取り除く洗浄作業としては、一般的
に、超音波を利用し、トリクレンやクロロセン(いずれ
も商品名)等の溶剤により洗浄する方法、あるいは、ア
ルカリ系洗剤による洗浄方法等が採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、フロ
ンガス等による大気汚染の問題が発生し、大気汚染の原
因となるフロンガス等の使用が禁止される方向にある。
そのため、同じように大気汚染の虞れのあるトリクレン
やクロロセン等の使用も規制されるようになり、このよ
うな溶剤を使用した洗浄ができなくなるという問題があ
った。
【0004】また、アルカリ系洗剤を利用した洗浄方法
では、洗浄後の洗剤混じりの水をそのまま排水すれば、
河川等の汚染につながるので、排水前に洗浄水の処理を
しなければならない。そのため、大掛かりな処理設備が
必要になるという問題もあった。
【0005】ここに、本発明の目的は、各種の溶剤や水
を使用せずに洗浄できるとともに、廃棄物が出ず、か
つ、コンパクトな設備となる真空洗浄方法および真空洗
浄装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで第1の発明は、油
が付着したワークを本体の減圧された真空室内に送り込
んだ後、前記ワークを油の沸点以上の温度に加熱し、前
記ワークの油を蒸発させるとともに、その蒸発した油を
真空室内を流通する不活性ガスによって本体外に排出し
てワークを洗浄する真空洗浄方法としたものである。
【0007】また、第2の発明は、本体と、この本体内
に形成され油が付着したワークが送り込まれる真空室
と、この真空室を減圧する減圧手段と、前記真空室内に
送り込まれたワークを油の沸点以上の温度に加熱しワー
クに付着した油を蒸発させる加熱手段と、前記真空室内
に不活性ガスを流通させるとともに、この不活性ガスに
よって前記蒸発した油を本体外に排出してワークを洗浄
するワーク洗浄手段とを備えた真空洗浄装置としたもの
である。
【0008】さらに、真空洗浄装置は、真空室の出入り
口にそれぞれ搬入側筒状部材および搬出側筒状部材を設
けるとともに、油が付着したワークを装着する複数の治
具を前記搬入側筒状部材から真空室内を通って前記搬出
側筒状部材へ循環させる治具搬送手段を設け、前記搬入
側筒状部材および搬出側筒状部材に治具との間の隙間を
シールするシール手段を設けてもよい。
【0009】
【作用】このような第1の発明では、本体の減圧された
真空室内に送り込まれたワークは、ワークに付着した油
の沸点以上の温度に加熱されるので、その油が蒸発し、
蒸発した油は真空室内を流通する不活性ガスによって本
体外に排出されて、ワークの洗浄が行われる。つまり、
ワークに付着した油は蒸発された後、不活性ガスによっ
て本体外に排出されるので、各種の溶剤や水を使用せず
に洗浄できるとともに、廃棄物も出ず、これらにより前
記目的が達成される。
【0010】また、第2の発明では、本体の真空室が減
圧手段によって減圧され、その真空室に油が付着したワ
ークが送り込まれた後、そのワークは加熱手段により油
の沸点以上の温度に加熱されるので、ワークに付着した
油が蒸発し、蒸発した油は、真空室内を流通し本体外に
回収される不活性ガスとともに本体外に排出され、よっ
てワークが洗浄される。ワークに付着した油は加熱によ
って蒸発された後、不活性ガスによって本体外に排出さ
れるので、各種の溶剤や水を使用せずに洗浄できるとと
もに、廃棄物も出ず、また、コンパクトな装置となり、
これらにより前記目的が達成される。
【0011】また、真空室の出入り口にそれぞれ搬入側
筒状部材および搬出側筒状部材を設けてあれば、治具搬
送手段によって、油が付着したワークを装着する複数の
治具が、搬入側筒状部材から真空室内を通って前記搬出
側筒状部材へ循環される。すると、搬入側筒状部材およ
び搬出側筒状部材に、治具との間の隙間をシールするシ
ール手段を設けてあるので、真空室内の真空を保持した
まま、ワークは連続的に洗浄される。
【0012】
【実施例】以下、本発明が適用される一実施例を図面に
基づいて説明する。図1〜5には本発明の第1実施例に
係る真空洗浄装置が示されている。図1,2において、
真空洗浄装置1は、本体2と、この本体2内に形成され
るとともに、ワーク100 (図6参照)を装着した治具
(以下、プラグという)10が送り込まれる真空室3と、
この真空室3を減圧する減圧手段である真空ポンプ4
と、本体2に設けられるとともにワーク100 を加熱しワ
ーク100 に付着した油を蒸発させる加熱手段5と、本体
2に接続されるとともに真空室3内に不活性ガスである
窒素ガス101 を流通させ、蒸発した油をこの窒素ガス10
1 によって本体2外に排出してワークを洗浄するワーク
洗浄手段6を備えて構成されている。
【0013】まず、真空洗浄装置1内を循環されるプラ
グ10を図6に基づいて説明する。プラグ10は、円盤11お
よび円筒壁12で形成され一方が開口したプラグ本体13
と、このプラグ本体13の軸線方向に突出した軸部14とで
形成されている。円盤11の表面には、断面三角形のリン
グ溝11A が複数列刻まれるとともに、径方向にリング溝
11A を突っ切る、例えば、4本の横溝11B が刻まれてい
る。円盤11の仕上げられた外径Aは、プラグ本体13の内
径Bに嵌合するようにその内径よりわずかに小さく形成
されるとともに、円盤11の裏面には凹部11C が形成され
ており、この凹部11C には他のプラグ本体13の軸部14の
先端が嵌合可能とされている。また、プラグ本体13の内
部中空の高さHは、軸部14の全体長さを収容できる高さ
となっている。さらに、円筒壁12の下部には、一方のプ
ラグ10に他方のプラグ10が嵌合された際、一方のプラグ
10の内部中空と外部とが連通する4箇所の切欠き11D が
形成されている。
【0014】従って、プラグ10同士を順次積み重ねる
際、一方のプラグ10の内径Bに、他方のプラグ10の円盤
11の外形Aが嵌合されるとともに、一方のプラグ10の軸
部14が他方のプラグ10の凹部11B に嵌合されて、各プラ
グ同士は、上下に隙間なく積み重ねられるようになって
いる。そして、このような円盤11の上面、かつ、一方の
プラグ10の中空部内に、油が付着した、あるいは洗浄済
みのワーク100 が載せられるようになっており、洗浄前
のワーク100 の場合、油等はリング溝11A から横溝11B
に伝わるとともに、そこから切欠き11D に伝わってプラ
グの外に出るようになっている。
【0015】前記本体2は、図1,2に示すように、全
体が竪形で、かつ、直方体状に形成されており、上段部
2Aと下段部2Bの2つの部分に分割されている。上段部2A
は、水平な仕切り板20によって下段部2Bと仕切られると
ともに、常時、所定の圧力、例えば、真空度10-2程度に
保持された真空室3とされている。この真空室3は、上
方に空間102 を有するとともに、この空間102 の残りの
部分は、仕切り板20から本体2の天板21近傍まで延びた
垂直な仕切り板22によって左右に仕切られており、一方
の室は、プラグ10が順次上昇する上昇室23とされ、他方
の室は、プラグ10が順次降下する降下室24となってい
る。
【0016】図3にも示すように、真空室3への入口、
つまり、上昇室23の入口には、仕切り板20に固着されて
搬入側筒状部材である円筒形状の支持筒25が立設されて
いる。この支持筒25の内径には、上下方向において所定
のピッチで6列のシール溝25A が形成されており、この
シール溝25A には、プラグ10との間の隙間をシールする
シール手段であるシール部材26が装着されている。そし
て、このような支持筒25内にプラグ10が挿入され、挿入
されたプラグ10と、シール部材26とによって、真空室3
の真空度が保持されるようになっている。なお、このシ
ール部材26としては、滑り性のよいテフロン製の0リン
グ、またはVパッキン等が使用されると好適である。
【0017】また、支持筒25の上方には、下端を支持筒
25に支持されるとともに、内径が支持筒25と略同一径と
された支持材27を介して、前記加熱手段を構成する筒状
のヒータ28が取り付けられており、このヒータ28によ
り、支持筒25内から支持材27を通過するプラグ10、ひい
てはプラグ10内のワーク100 が序序に加熱されるように
なっている。
【0018】ヒータ28の上方には、図4にも示すよう
に、ヒータ28内を通過したプラグ10を所定位置までガイ
ドする上昇用のガイド筒29が設けられている。
【0019】図1,4に示すように、上昇室23の上部か
つ本体2の側面には、ガイド筒29の上端まで押上げられ
たプラグ10を回転させるプラグ回転手段7が設けられて
いる。このプラグ回転手段7は、本体2の側面に軸線を
水平にして固定された駆動用モータ70と、このモータ70
に連結されたベベルギア71と、このベベルギア71と噛合
するベベルギア72を下部に取り付けた移動部材73と、こ
の移動部材73の上部に取り付けられた回転伝達ローラ74
と、移動部材73を進退動させるシリンダ75等で構成され
ている。
【0020】移動部材73は、シリンダ75のロッド75A に
連結されており、ロッド75A の出没により進退動(水平
方向の移動)可能となっている。また、移動部材73は、
その移動時のガイドを兼ねる振止め部材76に連結されて
おり、安定して進退動できるようになっている。また、
ガイド筒29の上端に位置したプラグ10を挟んで、回転伝
達ローラ74の対向位置には、図5にも示すように、2個
の自転回転受けローラ77,77が、その上下を軸受け78で
支持されて設けられている。従って、移動部材73が前進
して回転伝達ローラ74がプラグ10に押付けられれば、駆
動用モータ70の回転が、ベベルギア71,72 からローラ74
を介してプラグ10に伝わるとともに、これら3個のロー
ラ74,77,77でプラグ10の外周3か所を挟み込むように
なっており、それにより、プラグ10が安定して回転でき
るようになっている。
【0021】図1,3に示すように、真空室3の出口、
つまり、降下室24の出口にも、仕切り板20に固着されて
前記支持筒25とまったく同一仕様の、搬出側筒状部材で
ある降下側支持筒31が立設されている。従って、この降
下側支持筒31の内径も、プラグ10が通過可能であり、プ
ラグ10と、6列のシール溝31A に装着されたシール手段
であるシール部材26とによって、真空室3の真空度が保
持されるようになっている。
【0022】降下側支持筒31の上部には、冷却筒32が取
り付けられており、この冷却筒32の内部は、冷却水が循
環できるようになっている。そして、この冷却筒32の上
方には、前述したガイド筒29と同一仕様の降下用のガイ
ド筒33が設けられている。なお、これら冷却筒32、ガイ
ド筒33支持筒31の内径と略同一径となっている。
【0023】本体2の上部には、図1に示すように、プ
ラグ10を、真空室3の空間102 内で上昇室23側から降下
室24側に受渡すプラグ受渡し機構83が設けられている。
このプラグ受渡し機構83は、天板21の上面に設置された
モータ80に連結されるとともに、上下動および旋回動が
可能とされた旋回アーム81を備えており、この旋回アー
ム81は、プラグ10をチャッキングする開閉自在な、例え
ば3個のチャック82を有している。従って、プラグ受渡
し機構83は、上昇室23のガイド筒29の上端にあるプラグ
10をチャック82で掴み、所定位置まで持ち上げ、前記空
間102 内で降下室24側に180 度旋回した後、降下室24側
のガイド筒33の上端まで降下し、チャック82を開いてプ
ラグ10をガイド筒33内に受け渡せるようになっている。
なお、上昇室23と降下室24との中間位置が、旋回アーム
81の待機位置となっている。
【0024】前記加熱手段5は、図1に示すように、前
記筒状のヒータ28と、本体2の上部に設けられた熱風発
生器50と、この熱風発生器50に連結されるとともに、真
空室3内に向けて所定の温度の熱風を吹込む2個のノズ
ル51,52等で構成されている。1つのノズル51は、その
噴射口が、上昇室23のガイド筒29の上端にあるプラグ10
の上面、つまり、ワーク100 に向くように取り付けられ
ており、そのノズル51から噴射した熱風により、そのワ
ーク100 の油を蒸発させるとともに、付着している微粉
等を吹き飛ばすようになっている。また、他の1つのノ
ズル52は、その噴射口が、プラグ受渡し機構8で所定位
置まで持上げられたプラグ10の上面、つまり、ワーク10
0 に向けて取り付けられており、そのノズル52から噴射
した熱風により、洗浄済みのワーク100 を乾燥するよう
になっている。
【0025】また、真空室3の天井部には温度センサ36
が取付けられており、この温度センサ36は、真空室3の
上部の温度を検出するとともに、その検出温度を、図示
しない制御装置に送信できるようになっている。そし
て、この制御装置によって、真空室3の上部の温度は、
各種の油を真空中で蒸発させられる温度、例えば、150
〜380 °Cになるように制御されている。
【0026】ワーク洗浄手段6は、図1に示すように、
不活性ガスである窒素ガス101 を真空室3内に噴射する
ガス供給器60と、このガス供給器60から供給される窒素
ガス101 を噴射する噴射ノズル63,64と、本体2の上部
に取付けられ窒素ガス101 の排出口となる排気管61と、
窒素ガス101 を真空室3から吸引する真空ポンプ4と、
蒸発した油と窒素ガス101 等からなる蒸気を回収する回
収器62(図1参照)とを備えて構成されている。
【0027】噴射ノズル63は、仕切り板20近傍かつ上段
部2Aの本体側面に取り付けられ、噴射ノズル64は、その
噴射口を真空室3の上部の隙間102 に向けて本体側面に
取り付けられている。窒素ガス101 は、ワーク100 の加
熱が開始されると同時に噴射され、かつ、真空ポンプ4
により排気管61から吸引されるようになっている。そし
て、このことにより、蒸発した油が窒素ガス101 ととも
に回収される。また、回収された蒸気は回収器62内で油
と気体とに分離されるようになっており、分離された油
は、再利用が可能なので回収器62から適宜コック等によ
り取り出されるとともに、気体は大気中に放出される。
【0028】図3にも示すように、仕切板20の下面に
は、プラグ固定具45が取付けられている。このプラグ固
定具45は、入口側および出口側の支持筒25,31 に対応す
る収納部45A,45B を有しており、それぞれの収納部45A,
45B は、プラグ10を1個づつ収納可能に形成されてい
る。
【0029】本体2の下段部2Bには、洗浄前のワーク10
0 を装着したプラグ10を入口側の支持筒25に送り込む
他、洗浄済みのワーク100 を装着したプラグ10を出口側
の支持筒31から取出すプラグ送り機構97が設けられてい
る。このプラグ送り機構97は、底板に立設された2本の
シリンダ90,90 と、前記仕切り板20に取り付けられると
ともに、真空室3側に位置するガイド部材94および、こ
のガイド部材94内をスライドかつ180 度旋回自在なスラ
イド部材91と、スライド部材91に連結された旋回アーム
92と、このアーム92の一端に取り付けられプラグ10を支
持可能なプラグ支持具93等で構成されている。
【0030】2本のシリンダ90,90 は、プラグ送り用と
プラグ取出し用とされ、入口側および出口側のそれぞれ
の支持筒25,29の下方、かつ、それらに対向して設置さ
れている。そして、シリンダ90,90 のそれぞれのロッド
には、押圧具96が取り付けられ、シリンダ90,90 を作動
すれば、押圧具96が旋回アーム92を押上げるようになっ
ている。また、スライド部材91は、図示しないばねによ
り、常時下方に付勢されており、そのため、ロッドが下
降すれば自動的に所定の位置に戻るようになっている。
また、シリンダ90,90 、スライド部材91および旋回アー
ム92等は、図示しない制御装置に接続されており、制御
装置によって動作が行われるようになっている。例え
ば、上昇室23側のシリンダ90は、制御装置に内蔵された
タイマにより、一定間隔の時間で上下動するようになっ
ている。
【0031】ここにおいて、前記プラグ受渡し機構83、
プラグ固定具45およびプラグ送り機構97によって、治具
搬送手段8が構成されている。
【0032】このように、真空洗浄装置1におけるプラ
グ10の動きは、治具搬送手段8のプラグ送り機構97によ
り、プラグ固定具45を介して順次入口側の支持筒25から
ヒータ28を経てガイド筒29に送られ、その上端部で治具
搬送手段8のプラグ受渡し機構83によってガイド筒33に
渡され、そこから冷却筒32、出口側の支持筒31を経て再
びプラグ送り機構97に戻る閉ループ状の循環動作となっ
ている。
【0033】次に、本実施例の作用を説明する。まず、
入口および出口側のそれぞれの支持筒25,31からガイド
筒29,33 に至るまで、ワーク100 なしのプラグ10を収納
し、真空ポンプ4を作動させて真空室3内の圧力を減圧
し、真空室3内を所定の真空度に保持しておく。
【0034】次いで、機械加工によって生産される機械
加工部品や、プレスの絞り加工によって生産されるプレ
ス部品等、油の付着したワーク100 を、入口側に旋回さ
れて待機する旋回アーム92のプラグ10に装着する。その
後、送り用シリンダ90の作動により旋回アーム92を上昇
させ、プラグ10をプラグ固定具45に受け渡す。ここで、
シリンダ90のロッドを下げるとアーム92がばねの付勢に
より初期位置まで下がる。次に、制御装置によりアーム
92を出口側に180 度旋回し、その位置で上昇させるとと
もに、そのアーム92のプラグ支持具93によつて、出口側
のプラグ固定具45で待機しているプラグ10を受け取り、
そのプラグ10を、アーム92の降下,旋回動作により入口
側の待機位置に戻す。そして、このプラグ10に、油の付
着したワーク100 を装着する。
【0035】上述の動作を繰り返し、油の付着したワー
ク100 を入口側の支持筒25から順次送り込む。その際、
先のプラグ10と次のプラグ10は上下に隙間なく積み重ね
られる。また、このような工程が、タイマにより設定さ
れた一定時間の間隔で繰り返され、その間、プラグ10は
ヒータ28により序序に加熱されながら順次上昇すること
になる。
【0036】ワーク100 を装着した最初のプラグ100 が
ヒータ28からガイド筒29をくぐり抜け、その上端に押し
上げられたら、駆動モータ70を駆動させてベベルギア71
を回転させ、同時に、シリンダ75により移動部材73を前
進させ、移動部材73側のベベルギア72を駆動側のベベル
ギア71に噛合させるとともに、回転伝達ローラ74をプラ
グ10に押しつける。すると、ベベルギア71の回転が回転
伝達ローラ74の回転となり、他のローラ77,77 を介して
プラグ10が回転する。
【0037】ガイド筒29の最上端のプラグ10を回転させ
る一方で、熱風発生器50のノズル51をプラグ10内のワー
ク100 に向け、ワーク100 に付着している油の沸点以上
の温度の熱風を吹き込み、油を蒸発させるとともに、ワ
ーク100 の隅部等に付着している微細な塵や油等を吹き
飛ばす。
【0038】次に、ガス供給器60を作動させて窒素ガス
101 を噴射し、その窒素ガス101 を、蒸発して真空室3
の上部に浮遊する油とともに、真空ポンプ4により吸引
し、ワーク100 の洗浄が完了する。そして、回収された
油混じりの蒸気は、回収器62内で油と気体とに分離さ
れ、その油は再利用のため適宜取り出され、一方、気体
は大気中に放出される。
【0039】一つのワーク100 の洗浄が終了したら、移
動部材73を後退させて回転伝達ローラ74の回転を止め、
プラグ受渡し機構83のアーム81を待機位置から上昇室23
側に旋回させる。そして、アーム81をプラグ位置まで降
下させ、チャック82を閉じてプラグ10を把持し、その後
アーム81を所定位置まで上昇させる。次に、アーム81を
その位置に保持して上部ノズル52から所定温度の熱風を
吹き込み、プラグ10を乾燥させる。続いて、アーム81
は、下降室24のガイド筒33の上方位置まで180 度旋回さ
れるとともに降下し、洗浄および乾燥済みのワーク100
が装着されたプラグ10をガイド筒33に受け渡す。
【0040】ガイド筒33等を順次送られたプラグ10は、
冷却筒32内を通過するうち序序に冷やされ、支持筒31か
ら固定具45に移される。そして、取出し用シリンダ90の
作動により上昇した旋回アーム92のプラグ支持具93で、
固定具45に収納されたプラグ10を受け取る。その後、ア
ーム92はロッドの下降とばねの付勢によって所定位置に
降下し、その位置で、プラグ10から洗浄および乾燥済み
のワーク100 を取出す。そして、そのプラグ10を、アー
ム81の旋回により入口側の待機位置に送る。以後、同様
の動作を繰り返すことにより、油の付着したワーク100
の洗浄を連続して行う。
【0041】前述のような本実施例によれば次のような
効果がある。すなわち、油が付着したワーク100 の洗浄
を、その油の沸点以上の熱風を噴射して油を蒸発させ、
蒸発した油を窒素ガス102 で洗い流して行っており、し
かも、真空室3内で行っているので、奥深くまで穴のあ
る、例えば、鋳物や焼結品等でも、容易かつ確実に洗浄
できるとともに、大気汚染となる溶剤や、排水処理の大
変な水等が不要となる。そのうえ、熱風を噴射するとす
ぐにワークは乾燥するので、溶剤等を使用する洗浄で乾
燥等の時間が長くかかるのに比べて、短時間での洗浄が
可能となった。
【0042】また、プラグ10と支持筒25,31 に装着され
た複数のシール部材26とで、真空室3の所定の真空度を
保持できるようになっているので、プラグ10にワーク10
0 を装着し、そのプラグ10を入口および出口側の支持筒
25,31 内に順次送り込めば、真空室3の真空度を保持し
たまま、連続してワーク100 の洗浄を行える。
【0043】さらに、円筒状の各支持筒25,31 の内部に
は、複数本のシール部材26が装着されており、そこに多
数のプラグ10が挿入されるので、それぞれのプラグ10お
よびシール部材26の相乗効果によりシール効果が向上
し、真空度を高度に必要とする場合でも、十分に使用で
きる。
【0044】また、真空室3の真空度を保持したまま、
連続してワーク100 の洗浄を行えるので、ワーク100 を
治具搬送手段8に自動で送り込めるようにすれば、本装
置1を無人化、あるいは、省人化構成とすることがで
き、その結果、洗浄効率が一段と向上し、大量のワーク
の洗浄および乾燥が可能となる。
【0045】また、ワーク100 に付着している油は真空
中で加熱されるので、沸点温度が低くてよく、そのた
め、油の性質が変化せず再利用可能となり、有害な廃棄
物がまったく出ない。その上、熱風の温度を低く抑えら
れるので、各部品の消耗度も低くてすみ、それらの耐用
年数も長いものとなった。また、本洗浄装置1は縦形と
されており、プラグ10が上下方向に閉ループ状に循環す
るようになっているので、装置がコンパクトになり、従
って、装置1を設置するスペースが少なくてすむ。
【0046】また、洗浄済みのワーク100 は、降下室24
側の冷却筒32を通過する際に冷やされるので、降下室24
側から取り出される時は温度が下がっており、従って、
取扱いに支障が生じない。
【0047】また、真空室3は仕切り板22によって左右
に仕切られているので、上昇室23と降下室24との室温が
互いに影響しあうことがなく、従って、ヒータ28と冷却
筒32との作用が有効になされる。
【0048】さらに、洗浄装置1では、最高温度帯が本
体2の上部、つまり空間102 の付近にあり、支持筒25,
31内に装着されるシール部材26の付近の温度は低いの
で、シール部材26の損傷が少なく、シール部材26の選択
も容易である。
【0049】図7には、本発明の第2実施例が示されて
いる。本実施例は、前記第1実施例における連続洗浄方
式を、ワークの洗浄を単品で、あるいは複数個同時に洗
浄する方式としたものである。すなわち、本真空洗浄装
置110 は、透明部材で形成された扉111 付きの小型の箱
型本体112 を備えており、この本体112 には、真空ポン
プ113 により減圧される真空室114 が形成されている。
また、本体112 の下部には、熱風発生器115 と回収器11
6 等が設置されており、熱風発生器115 は噴射口を真空
室114 に向けて取り付けた熱風ノズル117 に接続され、
回収器116 は排気管(図示しない)により真空室114 に
接続されている。
【0050】この他、本体112 には、窒素ガス101 を噴
射するために噴射口を真空室114 に向けたノズル118
と、ワーク119 を直接、あるいはワーク119 を収容した
小物類用かご120 を載せるターンテーブル121 も取り付
けられている。このターンテーブル121 は、真空室114
の外側に取り付けたモータ122 により回転可能となって
いる。また、真空室114 の内部温度および熱風ノズル11
7 から噴射する熱風の温度は、温度制御器123 によっ
て、所定の温度に制御されるようになっている。そし
て、ターンテーブル121 の裏面側には、テーブル121 上
に載せられたワーク119 を加熱するヒータ124 が設けら
れている。
【0051】このような本実施例においては、扉111 を
開けてワーク119 をターンテーブル121 上に載せた後、
扉111 を閉めて真空ポンプ113 により真空室114 を減圧
するとともに、ヒータ124 によりワーク119 を加熱す
る。次に、ターンテーブル121を回転しながら熱風ノズ
ル117 からワーク119 に付着した油の沸点温度以上の熱
風を噴射し、その油を蒸発させる。引き続き、ノズル11
8 から窒素ガス101 を噴射し、蒸発した油を窒素ガス10
1 とともに真空ポンプ113 で回収器116 に吸引して洗浄
する。その後、扉111 を開けて洗浄済みのワーク119 を
取り出す。
【0052】このような本実施例では、前述のような真
空内での洗浄の効果の他、一度に多数の種類のワーク11
9 を洗浄できるという効果が付加される。また、扉111
を透明部材で形成してあるので、作業者が目視で洗浄の
状態を確認することができる。例えば、油と温度との関
係、窒素ガス101 の噴出量、真空室114 内の圧力の度合
い等の各種データを、目で見ながら容易に得ることがで
きるので、各種の試験用等に手軽に利用できる。さら
に、そこで得た各種データを、第1実施例の洗浄装置1
に有効に生かるという効果も付加できる。
【0053】なお、本発明は前述の各実施例に限定され
るものではなく、次に示すような変形例を含むものであ
る。すなわち、前記第1の実施例では、プラグ10を閉ル
ープ状に循環させてあるが、プラグ10の出し入れ時に真
空室3の真空度を保持できるとともに、真空度を保持し
たまま真空室3内で洗浄作業ができるものであればよ
く、例えば、真空室3の上下あるいは左右の出入口に支
持筒を設け、入口側の支持筒からプラグ10を挿入し、真
空室3内で洗浄作業を行い、出口側の支持筒からプラグ
10を取り出すようにしてもよい。このようにすれば、治
具搬送手段8等が不要となるので、簡単な装置でよいと
いう効果がある。
【0054】また、前記第1の実施例では、真空洗浄装
置1は竪型としてあるが、上方にスペースがない場所で
使用したい場合は、洗浄装置1を横に設置して使用する
こともできる。この際、治具搬送手段8等は、プラグ10
が落下しないような横型仕様とすればよく、プラグ10も
ワーク110 が落下しないような構造とすればよい。
【0055】さらに、前記第1の実施例では、プラグ10
は、プラグ本体13と軸部14とでなる形状とされている
が、これに限らず、ワークを装着でき、かつ、支持筒2
5,31 内に挿入されてシール部材26との間でシール効果
が上げられる形状であればよい。
【0056】また、前記第1の実施例では、プラグ受渡
し機構83として、上下動および旋回動自在なアーム81を
使用しているが、これに限らず、要は、プラグ10を上昇
室23側から降下室24側に受渡しできればよく、例えば、
上昇室23側からプラグ10を吊り上げる吊上げ機構と、吊
り上げたプラグ10を降下室24側に送る横送り機構と、送
られたプラグ10を降下室24のガイド筒33に降ろす降下機
構とを備えた構造の受渡し手段であってもよい。
【0057】また、前記第1の実施例では、各支持筒2
5,31 内に装着するシール部材26は、それぞれ6本づつ
とされているが、これに限らず、このシール部材26の本
数は、装置1の大きさや真空度により、適宜増減できる
ものである。
【0058】その他、本発明の実施の際の具体的な構造
および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲であれ
ば他の構造等でもよい。
【0059】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の真空洗
浄方法および真空洗浄装置によれば、各種の溶剤や水を
使用せずに洗浄できるとともに、廃棄物が出ず、かつ、
コンパクトな設備となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る真空洗浄装置を示す
全体図である。
【図2】同真空洗浄装置を示す平面図である。
【図3】同真空洗浄装置の下部の詳細を示す部分断面図
である。
【図4】同真空洗浄装置の上部の詳細を示す部分断面図
である。
【図5】図4におけるV矢視のプラグ回転手段を示す平
面図である。
【図6】本実施例で使用されるプラグとワークとの関係
を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る真空洗浄装置を示す
全体図である。
【符号の説明】
1 真空洗浄装置 2 本体 3 真空室 4 真空ポンプ(減圧手段) 5 加熱手段 6 ワーク洗浄手段 7 プラグ回転手段 8 治具搬送手段 10 プラグ 23 上昇室 24 降下室 25,31 支持筒 50 熱風発生器 74 回転伝達ローラ 83 プラグ受渡し機構 97 プラグ送り機構 100 ワーク 101 窒素ガス(不活性ガス)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油が付着したワークを本体の減圧された
    真空室内に送り込んだ後、前記ワークを油の沸点以上の
    温度に加熱し、前記ワークの油を蒸発させるとともに、
    その蒸発した油を真空室内を流通する不活性ガスによっ
    て本体外に排出してワークを洗浄することを特徴とする
    真空洗浄方法。
  2. 【請求項2】 本体と、この本体内に形成され油が付着
    したワークが送り込まれる真空室と、この真空室を減圧
    する減圧手段と、前記真空室内に送り込まれたワークを
    油の沸点以上の温度に加熱しワークに付着した油を蒸発
    させる加熱手段と、前記真空室内に不活性ガスを流通さ
    せるとともに、この不活性ガスによって前記蒸発した油
    を本体外に排出してワークを洗浄するワーク洗浄手段と
    を備えたことを特徴とする真空洗浄装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の真空洗浄装置において、
    前記真空室の出入り口にそれぞれ搬入側筒状部材および
    搬出側筒状部材を設けるとともに、油が付着したワーク
    を装着する複数の治具を前記搬入側筒状部材から真空室
    内を通って前記搬出側筒状部材へ循環させる治具搬送手
    段を設け、前記搬入側筒状部材および搬出側筒状部材に
    治具との間の隙間をシールするシール手段を設けたこと
    を特徴とする真空洗浄装置。
JP5561593A 1993-03-16 1993-03-16 真空洗浄方法および真空洗浄装置 Withdrawn JPH06264277A (ja)

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