JPH06263801A - シアル酸の調製法 - Google Patents
シアル酸の調製法Info
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- JPH06263801A JPH06263801A JP5385993A JP5385993A JPH06263801A JP H06263801 A JPH06263801 A JP H06263801A JP 5385993 A JP5385993 A JP 5385993A JP 5385993 A JP5385993 A JP 5385993A JP H06263801 A JPH06263801 A JP H06263801A
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- acid
- sialic acid
- colominic
- sialic
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高価な天然原料を使用することなく、シアル
酸を高い収率で得ることができるシアル酸の調製法を提
供すること。 【構成】 菌体により生産されたコロミン酸を含有する
コロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.0 Nになるよう
に酸を添加し、温度60〜100 ℃の条件で加水分解を行
い、シアル酸を遊離させる。酸としては硫酸を使用する
ことが好ましい。最適条件下ではシアル酸モノマーへの
分解率を70%以上とすることができる。
酸を高い収率で得ることができるシアル酸の調製法を提
供すること。 【構成】 菌体により生産されたコロミン酸を含有する
コロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.0 Nになるよう
に酸を添加し、温度60〜100 ℃の条件で加水分解を行
い、シアル酸を遊離させる。酸としては硫酸を使用する
ことが好ましい。最適条件下ではシアル酸モノマーへの
分解率を70%以上とすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シアル酸(N−アセチ
ルノイラミン酸)の調製法に関するものである。
ルノイラミン酸)の調製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シアル酸は、動物の血液、尿、唾液等、
生体中に広く分布して生理的に機能する重要な物質であ
る。そして複合糖質のシアル酸残基を酸により加水分解
してシアル酸を遊離させるシアル酸の調製法は、従来か
ら報告されている。例えば、特開昭64-40491号公報には
シアル酸含有天然物 (牛乳、脱脂乳、バターミルク及び
ホエー等の乳質物質) を加水分解してシアル酸を遊離さ
せ、得られたシアル酸含有加水分解液を電気透析によっ
て脱塩処理した後、再び脱塩処理を行って高純度のシア
ル酸を得る方法が提案されている。また特開平2-69492
号公報には、鶏卵を加水分解したシアル酸含有天然物を
陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂と接触させ、遊
離シアル酸を分離精製する方法が提案されている。
生体中に広く分布して生理的に機能する重要な物質であ
る。そして複合糖質のシアル酸残基を酸により加水分解
してシアル酸を遊離させるシアル酸の調製法は、従来か
ら報告されている。例えば、特開昭64-40491号公報には
シアル酸含有天然物 (牛乳、脱脂乳、バターミルク及び
ホエー等の乳質物質) を加水分解してシアル酸を遊離さ
せ、得られたシアル酸含有加水分解液を電気透析によっ
て脱塩処理した後、再び脱塩処理を行って高純度のシア
ル酸を得る方法が提案されている。また特開平2-69492
号公報には、鶏卵を加水分解したシアル酸含有天然物を
陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂と接触させ、遊
離シアル酸を分離精製する方法が提案されている。
【0003】ところが上記のようなシアル酸の調製法で
は高価な天然原料を使用するのでコストが高くなる。ま
た原料に含まれるシアル酸の含量自体が高いものでも10
%程度であるため、複雑な抽出工程が必要とされる。例
えば、鶏卵の場合で原料重量に対する収率が0.1 %、ア
マツバメの巣の場合で10%と非常に低いものとなってい
るのが実情である。
は高価な天然原料を使用するのでコストが高くなる。ま
た原料に含まれるシアル酸の含量自体が高いものでも10
%程度であるため、複雑な抽出工程が必要とされる。例
えば、鶏卵の場合で原料重量に対する収率が0.1 %、ア
マツバメの巣の場合で10%と非常に低いものとなってい
るのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題点を解決して、高価な天然原料を使用すること
なく、シアル酸のポリマーであるコロミン酸を菌体によ
り発酵生産させ、高い収率でシアル酸を得ることができ
るシアル酸の調製法を提供するために完成されたもので
ある。
来の問題点を解決して、高価な天然原料を使用すること
なく、シアル酸のポリマーであるコロミン酸を菌体によ
り発酵生産させ、高い収率でシアル酸を得ることができ
るシアル酸の調製法を提供するために完成されたもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、菌体により生産されたコロミン
酸を含有するコロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.0
Nになるように酸を添加し、温度60〜100 ℃で加水分解
を行い、シアル酸を遊離させることを特徴とするもので
ある。
めになされた本発明は、菌体により生産されたコロミン
酸を含有するコロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.0
Nになるように酸を添加し、温度60〜100 ℃で加水分解
を行い、シアル酸を遊離させることを特徴とするもので
ある。
【0006】本発明においては、まず菌体を利用してコ
ロミン酸を含有する原料液を製造する。コロミン酸の生
産に適した菌株については、例えば特開平1-144989号公
報等に記載がある。菌体を培養することにより、コロミ
ン酸は発酵液成分当り約70%の高濃度に達する。このコ
ロミン酸の酸分解条件を適切に設定することにより、従
来の10%に比較し、30%以上という高収率でシアル酸を
得ることができる。コロミン酸はシアル酸を構成単位と
した分子量数万程度の高分子ホモポリマーであり、これ
を加水分解するとシアル酸モノマーを遊離させることが
できる。しかし菌体を利用して得られたコロミン酸含有
液の加水分解条件については、これまでに全く報告され
ていない。
ロミン酸を含有する原料液を製造する。コロミン酸の生
産に適した菌株については、例えば特開平1-144989号公
報等に記載がある。菌体を培養することにより、コロミ
ン酸は発酵液成分当り約70%の高濃度に達する。このコ
ロミン酸の酸分解条件を適切に設定することにより、従
来の10%に比較し、30%以上という高収率でシアル酸を
得ることができる。コロミン酸はシアル酸を構成単位と
した分子量数万程度の高分子ホモポリマーであり、これ
を加水分解するとシアル酸モノマーを遊離させることが
できる。しかし菌体を利用して得られたコロミン酸含有
液の加水分解条件については、これまでに全く報告され
ていない。
【0007】本発明では、菌体により生産されたコロミ
ン酸を含有するコロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.
0 N、より好ましくは0.01N〜0.5 Nになるように酸を
添加する。酸の添加量がこれよりも少ないとシアル酸モ
ノマーへの加水分解が十分に行われず、逆に酸の添加量
がこれよりも多くなるとシアル酸の過分解物が発生する
ので好ましくない。なお酸として硫酸を使用すると、加
水分解後にBaイオンを添加することにより硫酸バリウ
ム(BaSO4)として容易に沈殿させ、除去することができ
るので好都合である。また、工業化に際して他の無機酸
に比較し、ステンレス容器が使える等の利点もある。
ン酸を含有するコロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.
0 N、より好ましくは0.01N〜0.5 Nになるように酸を
添加する。酸の添加量がこれよりも少ないとシアル酸モ
ノマーへの加水分解が十分に行われず、逆に酸の添加量
がこれよりも多くなるとシアル酸の過分解物が発生する
ので好ましくない。なお酸として硫酸を使用すると、加
水分解後にBaイオンを添加することにより硫酸バリウ
ム(BaSO4)として容易に沈殿させ、除去することができ
るので好都合である。また、工業化に際して他の無機酸
に比較し、ステンレス容器が使える等の利点もある。
【0008】また本発明では、上記のように酸を添加さ
れたコロミン酸含有液を、温度60〜100 ℃の条件で加水
分解する。加熱時間100 〜300 分の範囲において加熱温
度による収率の変化を測定したところ、70〜90℃におい
て50%以上の収率が得られ、特に80℃付近では60%以上
の高い収率が得られることが分かった。なお、60℃未満
では分解反応が進行しにくいためにシアル酸モノマーへ
の収率が30%以下に抑制され、逆に100 ℃より高い温度
では過分解によりシアル酸モノマーへの収率が著しく低
くなる。
れたコロミン酸含有液を、温度60〜100 ℃の条件で加水
分解する。加熱時間100 〜300 分の範囲において加熱温
度による収率の変化を測定したところ、70〜90℃におい
て50%以上の収率が得られ、特に80℃付近では60%以上
の高い収率が得られることが分かった。なお、60℃未満
では分解反応が進行しにくいためにシアル酸モノマーへ
の収率が30%以下に抑制され、逆に100 ℃より高い温度
では過分解によりシアル酸モノマーへの収率が著しく低
くなる。
【0009】なお、酸濃度0.01〜1.0 N、温度60〜100
℃の条件で加水分解する際の加熱温度は、一般に60〜40
0 分程度である。加熱時間は加熱温度が低い場合は長
く、加熱温度を高くするに従って短くする。例えば、加
熱時間が80℃の場合、加熱時間が60分未満であると収率
は低く、また400 分を越えると過分解物の割合が増加し
て収率が低くなる。
℃の条件で加水分解する際の加熱温度は、一般に60〜40
0 分程度である。加熱時間は加熱温度が低い場合は長
く、加熱温度を高くするに従って短くする。例えば、加
熱時間が80℃の場合、加熱時間が60分未満であると収率
は低く、また400 分を越えると過分解物の割合が増加し
て収率が低くなる。
【0010】
【実施例】大腸菌により生産された600mg のコロミン酸
を含有するコロミン酸含有液に対して、所定の酸濃度
(0.005〜1.5 N)となるように硫酸を添加し、所定温度
(50〜110 ℃) で加熱して加水分解を行った。コロミン
酸からのシアル酸モノマーの収率を蛍光標識-HPLC 法に
より測定し、表1に示した。収率は初期コロミン酸重量
に対するシアル酸重量の百分率で示した。
を含有するコロミン酸含有液に対して、所定の酸濃度
(0.005〜1.5 N)となるように硫酸を添加し、所定温度
(50〜110 ℃) で加熱して加水分解を行った。コロミン
酸からのシアル酸モノマーの収率を蛍光標識-HPLC 法に
より測定し、表1に示した。収率は初期コロミン酸重量
に対するシアル酸重量の百分率で示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のシアル
酸の調製法によれば、大腸菌により生産されたコロミン
酸含有液を酸濃度0.01〜0.1 N、加熱温度60〜100 ℃の
条件下で加水分解することによりシアル酸を高い収率で
得ることができるので、高価な天然原料を使用すること
なくシアル酸を効率よく得ることができる。よって本発
明は従来の問題点を解消したシアル酸の調製法として、
産業の発展に寄与するところはきわめて大きいものであ
る。
酸の調製法によれば、大腸菌により生産されたコロミン
酸含有液を酸濃度0.01〜0.1 N、加熱温度60〜100 ℃の
条件下で加水分解することによりシアル酸を高い収率で
得ることができるので、高価な天然原料を使用すること
なくシアル酸を効率よく得ることができる。よって本発
明は従来の問題点を解消したシアル酸の調製法として、
産業の発展に寄与するところはきわめて大きいものであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 菌体により生産されたコロミン酸を含有
するコロミン酸含有液に対して、0.01N〜1.0 Nになる
ように酸を添加し、温度60〜100 ℃で加水分解を行い、
シアル酸を遊離させることを特徴とするシアル酸の調製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05385993A JP3162224B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | シアル酸の調製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05385993A JP3162224B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | シアル酸の調製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263801A true JPH06263801A (ja) | 1994-09-20 |
JP3162224B2 JP3162224B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=12954507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05385993A Expired - Fee Related JP3162224B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | シアル酸の調製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3162224B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5851395A (en) * | 1995-12-25 | 1998-12-22 | Kawase; Mitsuo | Virus-removing filter |
JP2011006331A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Combi Corp | コラーゲン産生促進剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2011006332A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Combi Corp | コラーゲン産生低下抑制剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2014159491A (ja) * | 2014-06-09 | 2014-09-04 | Combi Corp | コラーゲン産生低下抑制剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2014159490A (ja) * | 2014-06-09 | 2014-09-04 | Combi Corp | コラーゲン産生促進剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2014169451A (ja) * | 2004-08-12 | 2014-09-18 | Lipoxen Technologies Ltd | 電荷を有する多糖の分別 |
CN114539333A (zh) * | 2022-03-01 | 2022-05-27 | 德元堂(上海)健康科技发展有限公司 | 一种唾液酸的循环生产工艺 |
-
1993
- 1993-03-15 JP JP05385993A patent/JP3162224B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5851395A (en) * | 1995-12-25 | 1998-12-22 | Kawase; Mitsuo | Virus-removing filter |
JP2014169451A (ja) * | 2004-08-12 | 2014-09-18 | Lipoxen Technologies Ltd | 電荷を有する多糖の分別 |
JP2011006331A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Combi Corp | コラーゲン産生促進剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2011006332A (ja) * | 2009-06-23 | 2011-01-13 | Combi Corp | コラーゲン産生低下抑制剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2014159491A (ja) * | 2014-06-09 | 2014-09-04 | Combi Corp | コラーゲン産生低下抑制剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
JP2014159490A (ja) * | 2014-06-09 | 2014-09-04 | Combi Corp | コラーゲン産生促進剤、それを含む皮膚外用組成物および化粧料 |
CN114539333A (zh) * | 2022-03-01 | 2022-05-27 | 德元堂(上海)健康科技发展有限公司 | 一种唾液酸的循环生产工艺 |
CN114539333B (zh) * | 2022-03-01 | 2023-12-22 | 德元堂(上海)健康科技发展有限公司 | 一种唾液酸的循环生产工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3162224B2 (ja) | 2001-04-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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