JPH06263412A - β’―サイアロン粉末の製造方法 - Google Patents

β’―サイアロン粉末の製造方法

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JPH06263412A
JPH06263412A JP5069166A JP6916693A JPH06263412A JP H06263412 A JPH06263412 A JP H06263412A JP 5069166 A JP5069166 A JP 5069166A JP 6916693 A JP6916693 A JP 6916693A JP H06263412 A JPH06263412 A JP H06263412A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、強度及び耐蝕性、耐摩耗性に優れ
たサイアロンセラミックスの製造に必要な粒径が細か
く、ガラス相の少ない、高純度なβ’―サイアロン粉末
の製造方法を提供する。 【構成】 アルミニウムアルコキシドとアルカノールア
ミン化合物を反応させてから、シランカップリング剤を
添加し混合したものを、水と酸性触媒を用いて加水分解
し、得られたゾルを熟成することでゲル化させ、それを
乾燥後、窒素雰囲気中1400℃より高い温度で焼成す
ることにより粒径が細かく、ガラス相の少ない、高純度
なβ’―サイアロン単相の粉末が製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度及び耐蝕性、耐摩
耗性に優れたサイアロンセラミックスの製造に必要な粒
径が細かく、ガラス相の少ない、高純度なβ’―サイア
ロン粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サイアロンセラミックスの製造方法とし
ては、一般的に、Si34―Al23―AlN系の混合
粉末を焼結することが行われている。
【0003】しかし、この方法は、ミクロンオーダーの
粉末混合であるために、Si34の中にAl及びOを固
溶させるのに高温あるいは時間を要するために、サイア
ロン粒子が粗大化すること、粉未どおしの混合不足が生
じるとムライト等の目的でない他の相が出現したり、ガ
ラス相が多く残存するなど、均質なサイアロン焼結体と
ならないという欠点がある。
【0004】また、サイアロン粉末を製造する方法とし
ては還元窒化反応による製造方法があり、例えば、
【0005】(1)天然シリカ―アルミナ鉱物、すなわ
ち粘土鉱物にカーボン粉末を混合したものを窒素気流中
で還元窒化焼成する方法(特開昭62―256756
等)
【0006】(2)火山ガラスとカーボンの混合物を窒
素気流中で還元窒化反応させる方法(特開昭53―10
4616)
【0007】(3)非晶質の窒化ケイ素粉末に、アルミ
ナ粉末及びアルミニウム金属粉末を添加した混合粉末を
窒素雰囲気中で焼成する方法(特開昭62―21226
8)
【0008】(4)窒化ケイ素粉末にアルミニウムアル
コキシド溶液を加え、蒸発乾固あるいは加水分解後ろ過
して得た粉末を焼成する方法(特公昭61―4789)
【0009】(5)シリコンアルコキシドとアルミニウ
ムアルコキシドの混合液を加水分解して得たものにカー
ボンを加え、窒素雰囲気中で還元窒化反応させる方法
(特開昭60―145902)等がある。
【0010】しかしながら、(1)、(2)の方法で
は、出発原料として天然の粘土鉱物を用いるため、鉄等
の不純物の混入が不可避であり、高純度のサイアロンは
得にくい。
【0011】(3)の方法では、反応性の高い非晶質の
窒化ケイ素を用いているが、やはり、粉末どうしの混合
であり、均一混合することが難しいことにより、ガラス
相が多く出現したり、X―サイアロン等の他のサイアロ
ン相が出現する。
【0012】(4)の方法でも、やはり粉末のを用いて
おり、Al―O―Siのような原子レベルでの混合状態
となってはいない。
【0013】(5)の方法では、溶媒をうまく選択する
ことによって均一溶液となるが、加水分解速度の違いに
より均一混合粉体が得にくく、かつカーボンを均一混合
させることは難しい。
【0014】一方、高品質のセラミックスを得るための
方法として、金属アルコキシドの加水分解による合成方
法が研究されている。
【0015】金属アルコキシドを用いるいわゆるゾルゲ
ル法は、一般に行われている粉末を混合し仮焼を行う方
法に比較して、高純度のものが得られる、低温製造プロ
セスが可能である、細かな粉体を製造し易い等多くの利
点を有することから高機能性セラミックスの開発への適
用が期待されている。
【0016】例えば、特開平3―113019にゾルゲ
ル法による酸窒化物セラミックファイバーの製造方法が
開示されている。
【0017】この方法では、形状がファイバーである
が、アンモニア気流中で焼成しても、ゲルファイバー中
にカーボンが残らないために還元窒化反応が進まないこ
とから窒素含有率は低く、X線回析の結果からもムライ
ト相等が認められサイアロン単相とはなっていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上述した
従来法の欠点である低純度、不均一混合によるサイアロ
ン粒子の粗大化、β’―サイアロン以外の相(ガラス相
も含む)の出現、還元窒化反応におけるカーボンを均一
に添加する困難さ、などの欠点を解消し、ゾルゲル法を
用いてβ’―サイアロン粉末を得る方法を提供しようと
するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アルミニウ
ムアルコキシドとアルカノールアミン化合物を0<アル
カノールアミン中の水酸基/アルミニウムアルコキシド
<3のモル比に混合して反応させてから、シランカップ
リング剤を、0<Al/Si<2.34のモル比で混合
したものを、アルミニウムアルコキシドに対し0.5〜
20モル倍である水と、酸性触媒を用いて加水分解し、
得られたゾルを熟成することでゲル化させ、それを乾燥
後、窒素雰囲気中1400℃より高い温度で焼成するこ
とを特徴とするβ’―サイアロン粉末の製造方法を見い
だしこの発明を完成させた。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】まず、本発明で用いるアルミニウムアルコ
キシド、アルカノールアミン、シランカップリング剤に
ついて述べる。
【0022】アルミニウムアルコキシドとしては、Al
(OR)3(R:アルキル基)で表すことのできるもの
であり、Rとしてはメチル基、エチル基、n―プロピル
基、iso―プロピル基、n―ブチル基、sec―ブチ
ル基、tert―ブチル基等が例示される。
【0023】反応の均一性、操作性を考慮すると、常温
で液体であるアルミニウムアルコキシドを用いることが
望ましいが、常温で個体であるアルコキシドでも、その
アルコキシドが可溶な有機溶媒に溶解して用いることが
できる。
【0024】操作性及び価格の面から、アルミニウムs
ec―ブトキシドが最も好ましい。
【0025】アルカノールアミンは、アルミニウムアル
コキシドの安定化剤として用いる。安定化剤とは、アル
ミニウムアルコキシドのアルキル基の部分と置換し、あ
るいはアルミニウム原子に付加し、アルコキシドの加水
分解速度を遅らせることのできる化合物である。
【0026】窒素がゲル中に導入され、焼成時の還元窒
化を容易にするためアルカノールアミンを使用しなけれ
ばならない。
【0027】具体的には、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等があり、特に
規定するものではない。
【0028】シランカップリング剤とは、一般にSi
(OR’)n4-n(n=1、2、3)の式で表される化
合物で、Xは、アルキル基、アミノ基、ビニル基、エポ
キシ基等で、OR’は加水分解可能な基であるメトキシ
基、エトキシ基等である化合物のことである。
【0029】具体的には、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、γ
―アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ―(2―ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、γ―(2―アミノエチル)アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキ
シシラン等が例示される。
【0030】本発明においては、シランカップリング剤
の加水分解に寄与しない基であるXの部分に炭素を含む
基が必要である。
【0031】すなわちXの部分が加水分解、熟成、乾燥
後のゲルの中に残ることにより、カーボンが均一混合し
た状態となることで、焼成時の還元窒化が進行する。
【0032】また、ゲルへの窒素導入の観点からXの部
分にさらにアミノ基を含有するシランカップリング剤が
最も好ましい。
【0033】次に、本発明の製造方法について述べる。
【0034】最初に、アルミニウムアルコキシドとアル
カノールアミンを反応させる。両者を常温ないし加温下
で混合することにより反応させることができるが、反応
の均一性の面から溶液状態での混合が望ましく、先に述
べたように、ここで用いる有機溶媒としてはアルミニウ
ムアルコキシドを溶解するもので、具体的にはメタノー
ル、エタノール、n―プロパノール、iso―プロパノ
ール、n―ブタノール等に代表されるアルコール類、ト
ルエン、ベンゼン、キシレン等に代表される芳香族化合
物、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等を用
いることができる。
【0035】この反応には、アルカノールアミン中の水
酸基の水素原子とアルミニウムアルコキシドが関与す
る。
【0036】アルカノールアミン水酸基のモル数はモノ
アルカノールアミンでは1モル、ジアルカノールアミン
では2モル、トリアルカノールアミンでは3モルであ
る。
【0037】アルカノールアミンの使用量としては、後
の加水分解反応が進み均一な透明ゲルが作製されるため
には、アルミニウムアルコキシドのモル数に対して、ア
ルカノールアミン中の水酸基のモル数が3倍より少なく
しなければならない。
【0038】3倍以上であるとアルミニウムアルコキシ
ドが完全に安定になり、加水分解反応が進行せず、ゲル
とならなくなるからである。
【0039】また、この操作でアルミニウムアルコキシ
ドを安定化させなければ、後の加水分解工程においてア
ルミニウムアルコキシドとシランカップリング剤の加水
分解速度の差による不均一な加水分解が起きて、Al―
O―Siの原子レベルでの結合が形成されず、均一なゲ
ルとはならない。
【0040】次に、アルカノールアミンでアルミニウム
アルコキシドを安定化させた溶液に上記シランカップリ
ング剤を常温ないし加温下で混合する。
【0041】それにより透明な均一溶液が作製される。
また、そのときのシランカップリング剤とアルミニウム
アルコキシドの割合は、焼成後β’―サイアロンとする
ために0<Al/Si<2.34の範囲でなくてはなら
ない。
【0042】その後、この透明な均一溶液を加水分解す
る。その方法としては、エタノールのような水を溶解す
る有機溶媒と水との混合物の添加、あるいは、水を均一
溶液に直接滴下して添加する等が挙げられ、特に規定さ
れるものではない。
【0043】均一反応性、製造工程の時間短縮、操作性
の面から水を溶解する有機溶媒と水との混合物の添加に
よる加水分解が最も好ましい。
【0044】加水分解の際の添加する水のモル数は、ア
ルミニウムアルコキシドに対して0.5倍以上20倍以
下にしなければならない。
【0045】0.5倍よりも少ない場合、加水分解反応
が十分に起こらず、熟成後透明なゲルとはならない。
【0046】20倍より多い場合は、不均一な加水分
解、白沈が生じる等の現象が起きてしまい、熟成後透明
なゲルとはならない。
【0047】すなわち熟成後透明ゲルにならないという
ことは、不均一なゲルであるということであり、最終的
に焼成後好ましいβ’―サイアロン相単相とならないこ
ととなる。
【0048】また、加水分解工程の際に酸性触媒を添加
する。それにより、熟成中における水酸基とアルコキシ
ル基との反応によるAl―O―Siの原子レベルの結合
が促進し、均一な透明ゲルを作製することができる。
【0049】すなわち、酸性触媒を用いないと、水酸基
とアルコキシル基との反応が促進せずアルミニウム水酸
化物やシリコン水酸化物が生成し、ゲルが白色となりA
l―O―Siの原子レベルの結合が起こらない。
【0050】酸性触媒としては、塩酸、硝酸、フッ酸、
硫酸、酢酸等が挙げられ、焼成後に残査とならない、安
全性等の面を考慮すると塩酸、硝酸が好ましい。
【0051】その添加量としては、アルミニウムアルコ
キシドに対してモル数で0.01倍程度が望ましい。
【0052】加水分解工程を経ることで、均一溶液は流
動性のあるゾルと一般的に呼ばれる。
【0053】これを熟成することにより流動性のないA
l―O―Siの原子レベルの結合を持つゲルとする。
【0054】熟成は、室温あるいは加温下で、ゾルを空
気中の水分に触れないように密閉して、放置しておくこ
とにより行うことが望ましい。
【0055】それによりゾルは数時間から数日で流動性
のない一体化したすなわち透明なバルクゲルとなる。
【0056】この場合シネリシス(離しょう)と呼ばれ
る、ゲルが有機溶媒に浮いた状態となる。この状態にな
ったときに熟成の終了と判断する。
【0057】その後、そのAl―O―Siの結合を持つ
ゲルを密閉状態から解放して、0℃以上で数日間乾燥さ
せる。
【0058】水の凍る温度0℃以上が必要であり、かつ
有機溶媒や加水分解によりアルコキシド等から生成され
るアルコールが沸騰しない温度範囲で乾燥される。60
℃が最も望ましい温度である。
【0059】その乾燥によりゲルは透明なまま約1cm
程度の小片に割れる。乾燥の終了の判断基準は特に定ま
ったものではないが、1日から1週間程度、アルコール
や有機溶媒のにおいがなくなったところを乾燥の終了と
判断する。
【0060】乾燥後の小さなゲルを窒素雰囲気中140
0℃より高い温度で焼成する。窒素の炉の中に流す流量
は炉の大きさ等により特に規定されたものではないが、
窒化反応が起こるのに十分な量を流さなければならな
い。
【0061】焼成温度は、1400℃以下の温度である
とムライトあるいはX―サイアロン等の相が生成し、
β’―サイアロン相単相とはならない。
【0062】1700℃より高い温度で焼成すると粒成
長が起きて、粗大粒となってしまい、後に焼結体を作成
する場合、焼結性が悪くなる。最も好ましい焼成温度と
しては1600℃付近の温度である。
【0063】また該温度での保持時間は特に定められた
ものではないが、12時間以上の保持を行うと粒成長が
起こるため、窒化が進行するのに十分な2時間〜5時間
保持が望ましい。
【0064】そのように焼成をしたゲルは、多孔質であ
るために炉から出した後には自然に粉体状となる。
【0065】
【作用】本発明によれば、粒径が細かく、かつガラス相
の少ない、高純度なβ’―サイアロン粉末が作製可能で
ある。
【0066】本発明の方法は、ゾルゲル法を用いている
ために、すなわち高純度なアルコキシド、カップリング
剤を原料としているので最終的なβ’―サイアロンは高
純度であり、Si、Al及びカーボンが原子あるいは分
子レベルで均一混合されたゲルを用いるために、通常の
Si34―Al23―AlN系の混合粉末によって得る
方法よりガラス相が少なくβ’―サイアロンを作製する
ことができる。
【0067】このβ’―サイアロン相が出現する過程と
しては、シランカップリング剤の加水分解に寄与せず炭
素を含有する基、すなわちアルキル基、アミノ基、ビニ
ル基、エポキシ基等がゲル中に残存し、昇温することで
還元窒化反応が起こり、窒素が導入されてβ’―サイア
ロン相となると考えられる。
【0068】このために従来の還元窒化の方法と異な
り、カーボンを添加する必要がないという特徴を持つ。
【0069】
【実施例】以下実施例で詳細に説明をする。
【0070】
【実施例1】アルミニウムsec―ブトキシド0.2モ
ルに十分に水分を除いたエタノール0.4モルを添加
し、トリエタノールアミン0.067モルを添加し常温
で攪拌しながら反応させた。
【0071】その後、γ―(2―アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.4モルを添加し均一溶
液とした。
【0072】十分に水分を除いたエタノール0.4モ
ル、水1モル、塩酸(HClとして)0.002モルの
混合溶液を前記均一溶液に滴下し加水分解を行った。以
上の操作は空気中の水分に触れないようにしながら行っ
た。
【0073】加水分解をして得られたゾルをポリプロピ
レン容器に移し、密閉したまま60℃で2日間熟成を行
った。それにより無色透明なゲルとなった。
【0074】容器を開放しさらに60℃、3日間乾燥を
した。約1cm程度の小片のゲルとなった。
【0075】そのゲルをフーリエ変換赤外分光光度計を
用いて調査したところ、Si―O―Al結合による吸収
ピークが観察された。
【0076】ゲルをアルミナるつぼに入れて、それぞれ
窒素中2リットル/min、1500、1600、17
00℃、それぞれ3時間保持で焼成を行った。
【0077】作製された粉体について生成相をX線回折
(CuKα線)で、粒径を走査型電子顕微鏡観察で調査
した。これらの結果を第1表に示す。
【0078】
【比較例1】 (焼成温度の違い)実施例1と同様な方法でゲルを作製
し、1200、1300、1400℃、それぞれ3時間
保持で焼成を行った。
【0079】作製された粉体について生成相をX線回折
で、粒径を走査型電子顕微鏡観察で調査した。これらの
結果を第1表に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【比較例2】 (アルカノールアミン未使用)アルミニウムsec―ブ
トキシド0.2モルに十分に水分を除いたブタノール
0.4モルを添加し、γ―(2―アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.4モルを添加し均一溶
液とした。
【0082】十分に水分を除いたブタノール0.4モ
ル、水1モル、塩酸(HClとして)0.002モルの
混合溶液を前記均一溶液に滴下し加水分解を行ったとこ
ろ、直ちに沈澱が生じた。以上の操作は空気中の水分に
触れないようにしながら行った。
【0083】その後、沈澱物をよく洗い、60℃で3日
間乾燥し、1600℃3時間保特、窒素気流中で焼成を
行い、X線回折で結晶相を調査したところ、X―サイア
ロンと30度付近にブロードなピークとしてガラス相が
観察された。
【0084】
【比較例3】 (アルカノールアミン中の水酸基のモル数がアルミニウ
ムアルコキシドに対して3倍以上)アルミニウムsec
―ブトキシド0.2モルに十分に水分を除いたブタノー
ル0.4モルを添加し、モノエタノールアミン2.2モ
ルを加え常温で攪拌しながら反応させた。
【0085】その後、γ―(2―アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.4モルを添加し均一溶
液とした。
【0086】十分に水分を除いたブタノール0.4モ
ル、水1モル、塩酸(HClとして)0.002モルの
混合溶液を前記均一溶液に滴下し加水分解を行った。以
上の操作は空気中の水分に触れないようにしながら行っ
た。
【0087】密閉して、60℃、1ヶ月熟成を行ったが
ゲル化せず、透明溶液のままであった。
【0088】
【比較例4】 (水のモル数がアルミニウムアルコキシドに対して20
倍以上)実施例1と同様にアルミニウムsec―ブトキ
シド0.2モルに十分に水分を除いたエタノール0.4
モルを添加し、トリエタノールアミン0.067モルを
添加し常温で攪拌しながら反応させた。
【0089】その後、γ―(2―アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.4モルを添加し均一溶
液とした。
【0090】十分に水分を除いたエタノール0.4モ
ル、水6モル、塩酸(HClとして)0.002モルの
混合溶液を前記均一溶液に滴下し加水分解を行ったとこ
ろ直ちに沈澱ができゲルとはならなかった。
【0091】
【比較例5】 (触媒未使用)実施例1と同様にアルミニウムsec―
ブトキシド0.2モルに十分に水分を除いたエタノール
0.4モルを添加し、トリエタノールアミン0.067
モルを添加し常温で攪拌しながら反応させた。
【0092】その後、γ―(2―アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.4モルを添加し均一溶
液とした。
【0093】十分に水分を除いたエタノール0.4モ
ル、水1モルの混合溶液を前記均一溶液に滴下し加水分
解を行った。以上の操作は空気中の水分に触れないよう
にしながら行った。
【0094】密閉して、60℃、1ヶ月熟成を行ったが
ゲル化せず、透明溶液のままであった。
【0095】
【比較例6】 (アルカリ性触媒使用)実施例1と同様にアルミニウム
sec―ブトキシド0.2モルに十分に水分を除いたエ
タノール0.4モルを添加し、トリエタノールアミン
0.067モルを添加し常温で攪拌しながら反応させ
た。
【0096】その後、γ―(2―アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシラン0.4モルを添加し均一溶
液とした。
【0097】十分に水分を除いたエタノール0.4モ
ル、水1モル(アンモニア水中の水を含む)、アンモニ
ア0.002モルの混合溶液を前記均一溶液に滴下し加
水分解を行った。以上の操作は空気中の水分に触れない
ようにしながら行った。
【0098】すぐには白沈が生成しなかったが、密閉し
て熟成を行うと白色のゲルとなった。容器を開放しさら
に60℃、3日間乾燥をした。約1cm程度の小片の粉
末状のかたまりとなった。
【0099】それをフーリエ変換赤外分光光度計を用い
て調査したところ、Si―OH結合による吸収ピークが
観察された。窒素中2リットル/min、1600℃、
3時間保持で焼成を行った。
【0100】それにより作製された粉体をX線回折によ
り調査した結果、X―サイアロンが大部分であり、少量
のβ’―サイアロンから成っていた。
【0101】
【実施例2】アルミニウムsec―ブトキシド1モルに
n―ブタノール2モルを添加し、モノエタノールアミン
1モルを添加し常温で攪拌しながら反応させた。そのと
き、かなりの発熱があった。
【0102】その後、メチルトリエトキシシラン4モル
を添加し均一溶液とした。n―ブタノール2モル、水5
モル、硝酸0.01モル(硝酸水溶液の硝酸として)を
混和した混合物をゆっくりと滴下して加水分解を行っ
た。以上の操作は空気中の水分に触れないようにしなが
ら行った。
【0103】その後、数時間常温で密閉して熟成するこ
とでこのゾルはゲル化した。
【0104】容器を開放して、60℃4日間乾燥器中で
乾燥した。窒素中2リットル/min、1500℃、6
時間保持で焼成を行った。
【0105】それにより作製された粉体をX線回折によ
り調査した結果、β’―サイアロン単相であり、走査型
電子顕微鏡観察により粒径約0.4μmの粉体であっ
た。
【0106】
【実施例3】アルミニウムiso―プロポキシド0.1
モルをテトラヒドロフラン1モルに溶かし、モノエタノ
ールアミン0.033モルを添加し常温で攪拌しながら
反応させた。
【0107】その後、エチルトリエトキシシラン1モル
を添加し均一溶液とした。良く乾燥したエタノール1モ
ル、水0.4モル、塩酸0.001モル(HClとし
て)を均一溶液に強攪拌しながら添加した。以上の操作
は空気中の水分に触れないようにしながら行った。
【0108】密閉したまま60℃の乾燥器に24時間入
れ、熟成を行いゲル化させ、その後容器を開放し、80
℃、3日間乾燥器中で乾燥をした。ゲルは割れて0.5
mm程度の小さなゲルの小片となった。
【0109】窒素気流中3リットル/min、1600
℃、3時間保持で焼成を行った。X線回折によりその相
を調査したところβ’―サイアロン単相であった。
【0110】
【実施例4】アルミニウムsec―ブトキシド0.1モ
ルにn―ブタノール2モルを添加し、モノエタノールア
ミン0.1モルを添加し常温で攪拌しながら反応させ
た。そのとき、かなりの発熱があった。
【0111】γ―(2―アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン0.2モルを添加し均一溶液と
した。
【0112】n―ブダノール2モル、水0.5モル、硝
酸0.001モル(硝酸水溶液の硝酸として)を混和し
た混合物をゆっくりと滴下して加水分解を行った。以上
の操作は空気中の水分に触れないようにしながら行っ
た。
【0113】その後、数時間常温で密閉して熟成するこ
とでこのゾルはゲル化した。容器を開放して、60℃4
日間乾燥器中で乾燥した。
【0114】窒素気流中3リットル/min、1600
℃、3時間保持で焼成を行った。X線回折によりその相
を調査したところβ’―サイアロン単相であった。
【0115】
【比較例7】 (シリコンアルコキシドを使用)アルミニウムsec―
ブトキシド0.2モルに十分に水分を除いたエタノール
0.4モルを添加しトリエタノールアミン0.067モ
ルを添加し常温で攪拌しながら反応させた。
【0116】その後、テトラエトキシシラン0.4モル
を添加し均一溶液とした。十分に水分を除いたエタノー
ル0.4モル、水1モル、塩酸(HClとして)0.0
02モルの混合溶液を前記均一溶液に滴下し加水分解を
行った。以上の操作は空気中の水分に触れないようにし
ながら行った。
【0117】加水分解をして得られたゾルをポリプロピ
レン容器に移し、密閉したまま60℃で2日間熟成を行
った。それにより無色透明なゲルとなった。
【0118】容器を開放しさらに60℃、3日間乾燥を
した。約1cm程度の小片のゲルとなった。
【0119】そのゲルをアルミナるつぼに入れて、それ
ぞれ窒素中2リットル/min、1200℃〜1700
℃、3時間保持で焼成を行った。そのときの生成相を第
2表に示す。
【0120】すなわち、カーボン量がゲル中に少ないた
めにあまり還元窒化反応が進行しないと考えられる。
【0121】
【表2】
【0122】
【比較例8】 (粉体使用)市販のSi34、Al23、AlNをそれ
ぞれ焼成後の期待される組成がSi5.5Al0.50.5
7.5となるように配合し、アセトン中、ボールミルで2
4時間混練後、乾燥し、1750℃24時間保持、窒素
気流中で焼成を行い、X線回折で結晶相を調査したとこ
ろβ’―サイアロン、X―サイアロン、β―Si34
ごく微量の末知相からなるものでガラス相も存在してい
た。
【0123】また走査型電子顕微鏡観察により粒径は約
1.9μm程度の粒からなり、焼成温度が高いためにそ
の粒が焼結しているような様子が観察された。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、強度及び耐蝕性、耐摩
耗性に優れたサイアロンセラミックスの製造に必要な、
従来法に比べてガラス相が少なく、粒径が細かい高純度
なサイアロン粉末が製造可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムアルコキシドとアルカノー
    ルアミン化合物を0<アルカノールアミン中の水酸基/
    アルミニウムアルコキシド<3のモル比に混合して反応
    させてから、シランカップリング剤を、0<Al/Si
    <2.34のモル比で混合したものを、アルミニウムア
    ルコキシドに対し0.5〜20モル倍である水と、酸性
    触媒を用いて加水分解し、得られたゾルを熟成すること
    でゲル化させ、それを乾燥後、窒素雰囲気中1400℃
    より高い温度で焼成することを特徴とするβ’―サイア
    ロン粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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