JPH0626337Y2 - 吸湿剤容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は室内、押入、ロッカー等に静置して空気中の水
分を補捉する吸湿剤容器に関するものである。

〔従来の技術〕 従来のこの種の吸湿剤容器として実開昭５６−９１２２
７３号公報、実開昭５６−６７７５号公報に開示された
ものがある。

これら従来技術は第３図に示すように除湿剤ａを収容し
た内容器ｂを外容器ｃによって保持し、内容器ｂの下方
に除湿水ｃ′を貯えるための空間ｄを形成したものであ
った。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の吸湿剤容器においては空間ｄ内の除湿水
ｃ′が増えて内容器ｂに達し吸湿剤ａが水中に没して吸
湿剤ａの吸湿能力を非常に低下させていた。

これに対して実開昭６１−１０６３２６号公報に示され
ているように、外容器内に水に浮くように支持台を入
れ、この支持台上に吸湿剤を載置し、外容器内に吸湿に
より水が溜まると、吸湿剤が支持台ごと浮上して、この
吸湿剤が水に浸漬するのを防止したものがあるが、この
従来技術のものにあっては、支持台及び吸湿剤が外容器
内での姿勢が自由状態となっていたため、吸湿による水
が溜っている状態で吸湿剤容器が振れたり、傾斜したり
したときに、外容器内で支持台が傾斜して、これの上か
ら吸湿剤がこぼれ落ちてしまって使用不能になってしま
うという問題があった。

〔考案の目的〕

本願考案は上記のことにかんがみなされたもので、その
目的とするところは、吸湿剤が水中に没することが防止
できて吸湿剤の吸湿能力が損われることがなく、また吸
湿剤を収容した内容器の吸湿水による浮上の際に、外容
器に対してスムーズ上に上昇されるようにした吸湿剤容
器を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

上記の目的を達成するために本考案は、底部１ａに上方
に突出するガイド１０を設けた外容器１と、内部に吸湿
剤９を収納すると共に底部をフロート７にて構成し、中
央部分に上記外容器１のガイド１０に摺動自在に嵌合す
るガイド孔部１１を設け、かつ周面部分及び上面に湿気
通過用孔状部Ａを多数設け、また底部の周面に吸湿剤９
による除湿水の流出用孔状部Ｂを設け、上記外容器１内
に上下動可能に収納するようにした内容器５とからなっ
ている。

そして内容器５内の吸湿剤にて吸湿された水は内容器５
の流出用孔状部Ｂより流出して外容器１の底部に溜めら
れ、この水位に応じて内容器５がこれのフロート９の浮
力でもって上昇して吸湿剤９が水中に没することがな
い。またこの内容器５の上昇動はガイド１０にて案内さ
れてスムーズになされると共に、外容器１に対する姿勢
が常時正常に保たれる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図、第２図に基づいて説明
する。第１図は本考案の一実施例に係る吸湿剤容器の縦
断面を示す。同図中１は上端に開口部２を有する外容器
であり、この外容器１の開口部２には非透湿性フィルム
３と非透水性且つ透湿性フィルム４とが上下に重ねた状
態で張設してある。この外容器１の底部１ａには上方に
突出するガイド１０が設けてある。

５は上記外容器１内に上下方向に移動可能に収納する内
容器であり、この内容器５は内容器本体６の底部分をフ
ロート７によって形成したものであって、内容器本体６
の周面部６ａ及び上面部６ｂには孔より成る湿気通過用
孔状部Ａが多数形成してある。また上記周面部６ａのフ
ロート７と接する部分には部分的な孔またはスリット８
より成る流出用孔状部Ｂが形成してある。さらにこの内
容器５の中央部分に上記外容器１に突設したガイド１０
に摺動自在に嵌合するガイド孔部１１が設けてある。こ
のガイド孔部１１は上記フロート７を貫通する孔状部１
２と内容器本体６に形成した孔状部１３とよりなる。

上記内容器５内には塩化カルシウムに代表される潮解性
を有する吸湿剤９が収容してある。

上記外容器１は外部より貯水量が解るようにガラス、プ
ラスチックなどの透明性材料で構成してもよいしまたプ
ラスチック、紙カートン、ガラス、陶器、金属などの材
質の外容器１の１部に透明な部分を設けた構成にしても
よい。

また、上記フロート７は、発泡スチロール、ゴムあるい
は塩化ビニル性の風船状のものまたは中空成形品が使用
される。

次に作動を説明する。

使用にあたって上記非透湿性フィルム３を剥離する。

空気中の湿気は、非透水・透湿性フィルム４を透過して
湿気通過用孔状部Ａから内容器５内に入り吸湿剤９によ
り吸湿される。吸湿剤９により空気より除去された水分
は上記スリット８から外容器１内に流出してこの外容器
１の底部に溜る。水分の量が多くなるにつれて内容器５
はフロート７の浮力によって上昇し吸湿剤９が水中に没
することが防止される。

このとき、内容器５はガイド１０に案内されて外容器１
に対してこじれることなくスムーズに上昇されると共
に、内容器５の周囲面と外容器１の間の隙間は常に一定
状態が保たれる。

また、外容器１内の貯水量は、この外容器１が透明もし
くはその一部が透明であることから外部より知ることが
できる。

また、本考案の吸湿剤容器の使用前において、この吸湿
剤容器を逆さにしても、前記内容器５が吸湿剤９を収容
しているために、吸湿剤９が内容器５よりこぼれ落ちる
ことがない。

なお、上記フロート７の上面に吸湿水が流れ易くなるよ
うに溝を設けてもよい。

〔考案の効果〕

以上詳述したように本考案に係る吸湿剤容器は、底部１
ａに上方に突出するガイド１０を設けた外容器１と、内
部に吸湿剤９を収容すると共に底部をフロート７にて構
成し、中央部分に上記外容器１のガイド１０に摺動自在
に嵌合するガイド孔部１１を設け、かつ周面部分及び上
面に湿気通過用孔状部Ａを多数設け、また底部の周面に
吸湿剤９による除湿水の流出用孔状部Ｂを設け、上記外
容器１内に上下動可能に収納するようにした内容器５と
からなることを特徴とするものである。

したがって上記吸湿剤９により空気より分離された水分
は流出用孔状部Ｂより流出して外容器１の底部分に溜る
に従って内容器５はフロート７の浮力で上昇し吸湿剤９
が水中に没することが防止される。このために吸湿剤９
の吸湿能力が損われることがなくなる。また外容器１を
逆さにしても上記内容器５が吸湿剤９を収容しているた
めにこれら吸湿剤９が内容器５よりこぼれ落ちることが
ない。

そして特に本考案によれば、内容器５は外容器５の底部
１ａに突設されたガイド１０に案内されていることによ
り、上記フロート９の浮力による上昇作動が外容器１に
対してこじれることなくスムーズに行なわれる。また吸
湿水による浮上して外容器１内を上動した内容器５はガ
イド１０に案内されていることにより、このときに外容
器１が振れたり、傾斜しても、内容器５の姿勢が大きく
ずれることがなく、外容器１に対して常に正常な姿勢を
保つことができる。

そしてこのことにより、内容器５の外周面と外容器１の
内面との間の隙間は常に一定に保たれて、内容器５から
の吸湿水の流出が常に抵抗なく正常に行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の縦断面図、第２図は第１図Ｂ
部の拡大図、第３図は従来の吸湿剤容器の縦断面図であ
る。 １は外容器、５は内容器、７はフロート、９は吸湿剤、
Ａは湿気通過用孔状部、Ｂは流出用孔状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底部１ａに上方に突出するガイド１０を設
   けた外容器１と、内部に吸湿剤９を収容すると共に底部
   をフロート７にて構成し、中央部分に上記外容器１のガ
   イド１０に摺動自在に嵌合するガイド孔部１１を設け、
   かつ周面部分及び上面に湿気通過用孔状部Ａを多数設
   け、また底部の周面に吸湿剤９による除湿水の流出用孔
   状部Ｂを設け、上記外容器１内に上下動可能に収納する
   ようにした内容器５とからなることを特徴とする吸湿剤
   容器。