JPH06262532A - 研磨体 - Google Patents

研磨体

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JPH06262532A
JPH06262532A JP5045001A JP4500193A JPH06262532A JP H06262532 A JPH06262532 A JP H06262532A JP 5045001 A JP5045001 A JP 5045001A JP 4500193 A JP4500193 A JP 4500193A JP H06262532 A JPH06262532 A JP H06262532A
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JP
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polishing
flexible support
acid
resin
layer
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JP5045001A
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English (en)
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
Masami Sato
雅己 佐藤
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
Keisuke Yamada
圭介 山田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドに対して精密な研磨を施すことが
できる研磨体(研磨テープ)を提供する。 【構成】 可撓性支持体12の表面12aに研磨層14
が設けられてなる研磨体10において、可撓性支持体1
2の表面12aに微粒子吹付け処理(サンドブラスト処
理)を施しておく。可撓性支持体12は、上記微粒子吹
付け処理により、その表面12aの最表面が面一に維持
される一方、その下に多数の微細な凹孔16が存在する
断面形状とされているので、可撓性支持体12が研磨層
14に対してクッション効果を発揮し、研磨体14の磁
気ヘッドに対する当たりが和らげられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録再生装置の磁
気ヘッド等の被研磨物を研磨する研磨テープ等の研磨体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置においてその記録再生
機能を十分に発揮させるためには、磁気ヘッド表面の平
滑性を確保することが肝要である。このため従来より、
例えば特開昭62−92205号公報に開示されている
ように、磁気ヘッド表面に研磨体(この場合には研磨テ
ープ)を接触走行させて磁気ヘッドを研磨する処理が施
されている。
【0003】近年、磁気記録の高密度化の要請から、磁
気ヘッドの性能向上を図るべく、その磁性材料として様
々な材質や硬さのもの(例えば軟磁性体等)が採用され
てきており、また、その構造として、薄膜ヘッドや積層
型ヘッド、MIGヘッドやMRヘッド等の幅の狭い磁気
ヘッドや、材質や硬さの異なる複数の磁性体を組み合わ
せた複合型磁気ヘッド等が採用されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような高密度磁気
記録対応型の磁気ヘッドに対して上記従来の研磨体をそ
のまま用いて研磨を行った場合には、その研磨層表面の
凹凸が磁気ヘッド面を傷つけてしまうという問題が生じ
る。このような問題は従来の磁気ヘッドを研磨する際に
も生じていたのではあるが、高密度磁気記録対応型の磁
気ヘッドの採用により一層顕著になってきている。
【0005】例えば、薄膜ヘッド等の幅の狭いヘッドを
研磨するときの問題として、研磨体の当たりが強すぎ
て、摩擦熱や機械的なエネルギーの影響で、しばしば磁
気ヘッドの表面を変質させてしまい磁気記録再生特性が
劣化することがあった。
【0006】また、例えば、磁性材料、ガラスボンディ
ング剤および非磁性基板よりなる複合型ヘッドはS−V
HS用の磁気ヘッドとして有効な磁気ヘッドであるが、
この複合型磁気ヘッドは硬度の大きく相違する3種の材
料が磁気ヘッドの研磨体接触面に露出している。したが
って、研磨の際、磁気ヘッドに対する研磨体の当たりの
強さが磁気ヘッド表面の全面にわたって均一になってい
ないと、その部位によって研磨の度合が異なったものと
なるため研磨面に段差ができてしまい磁気記録再生特性
を悪化させる原因となるが、従来の研磨体では3種の材
料を等しく均一に研磨することができずに、いわゆる段
差摩耗を発生してしまうという問題があった。
【0007】したがって、上記のような磁気ヘッド開発
の動向に対し、これを研磨する研磨体についても、磁気
ヘッドを精密に研磨することができるものが要求されて
きている。
【0008】このような要求は、磁気ヘッドに限らず、
ハードディスク等の精密な研磨が要求される被研磨物一
般に対して研磨を行う際にも存在するものである。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、被研磨物に対して精密な研磨を施すことがで
きる研磨体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る研磨体は、
可撓性支持体に所定の表面処理を施しておくことによ
り、該可撓性支持体に研磨層に対するクッション機能を
持たせ、これにより研磨体の被研磨物に対する当たりを
改善し、もって上記目的達成を図るようにしたものであ
る。
【0011】すなわち、請求項1に記載したように、ま
た図1に示すように、可撓性支持体(12)の表面に研
磨層(14)が設けられてなる研磨体(10)におい
て、前記可撓性支持体(12)の前記表面(12a)お
よび裏面(12b)のうち少なくとも一方に、微粒子吹
付け処理が施されている、ことを特徴とするものであ
る。
【0012】上記「研磨体」は、被研磨物との接触によ
りこれを研磨するものであれば、テープ状のもの(研磨
テープ)に限定されるものではなく、ディスク状のもの
(研磨ディスク)等をも含む概念である。なお、研磨テ
ープの場合には、例えば研磨テープを送出し部から被研
磨物を通して巻取部まで走行させて研磨を行うことがで
き、また、研磨ディスクの場合には、例えば研磨ディス
クを回転させて研磨を行うことができる。
【0013】上記「研磨層」は、研磨剤を含有するもの
であれば、その組成や該研磨剤以外に研磨層に含有され
る成分(結合剤、添加剤等)は特に限定されるものでは
ない。
【0014】上記「微粒子吹付け処理」は、微粒子を被
加工物に吹き付けて粗面を作る表面処理方法一般を意味
するものであって、その典型例としては、加圧エアー等
を使って砂等の研磨剤を被加工物に吹き付けるサンドブ
ラスト処理があるが、もちろんこれに限定されるもので
はなく、ショットブラスト、グリットブラスト、ウェッ
トブラスト、ショットピーニング等の処理(これらの処
理の定義は、JISZ0103に規定されている。)を
含む概念である。
【0015】なお、上記「微粒子」としては、例えば、
砂、鋼粒ショット、グリット、けい石、ガラスビーズ、
アランダム(商品名、主成分Al2 3 )、コーン・く
るみ・ピーチ等の植物性微粒子、ナイロン・ポリカーボ
ネート等の熱可塑性樹脂微粒子、熱硬化性樹脂微粒子等
が採用可能である。
【0016】上記「可撓性支持体」の厚みは、2.5 〜50
0 μmが好ましく、さらに好ましくは3〜150 μmであ
る。また、上記「可撓性支持体」の素材としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等
のポリエステル類、ポリプロピレン等ポリオレフィン
類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテ
ート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル
系樹脂類、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリベンゾ
オキサゾール等のプラスチックのほかにアルミニウム、
銅等の金属、ガラス等のセラミックス等も使用できる。
このなかで特にポリエチレンナフタレートもしくはポリ
アミドが好ましい。上記「可撓性支持体」がプラスチッ
クである場合、長手および幅方向のいずれか一方のヤン
グ率は400 Kg/mm2 以上であることが望ましい。上
記「可撓性支持体」には、これに研磨層を設けるに先立
って、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処
理、除塵埃処理、金属蒸着処理、アルカリ処理を施して
もよい。上記「可撓性支持体」に関しては、例えば西独
特許3,338,854 A、特開昭59-116926 号、特開昭61-129
731 号、米国特許第4,388,368 号;三石幸夫著,『繊維
と工業』31巻、P50 〜55,1975年などに記載されてい
る。上記「可撓性支持体」の微粒子吹付け処理面以外の
面の中心線平均表面粗さは、0.001 〜1.5 μm(カット
オフ値0.25mm)が好ましい。
【0017】上記「研磨層」に含まれる無機粉末100 部
当たりのバインダー量は5〜70重量部であることが、平
滑にかつ所望の形状に被研磨物特に磁気ヘッドを研磨
し、該磁気ヘッドへの付着物を有効デプスをあまり減少
させずに研磨する上で好ましい。
【0018】本発明では、可撓性支持体の研磨層が設け
られていない面に、カーボンとバインダからなるバック
コート層を設けてもよい。
【0019】本発明の研磨層およびバック層で用いられ
る研磨剤は、被研磨物特に磁気ヘッドを効率よく研削す
るために用いられ、またVTRの磁気ヘッドに対するク
リーニング効果を向上させるために用いられ、さらに各
種部材を研削し所望の平滑かや粗面化を達成するために
用いられる、一般的に研磨作用もしくは琢磨作用をもつ
材料である、平均粒子サイズが0.005 〜20μmの酸化ク
ロム、α−アルミナ、炭化珪素、非磁性酸化鉄、ダイヤ
モンド、γ−アルミナ、α、γ−アルミナ、溶融アルミ
ナ、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、ザ
クロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、ガ
ーネット、珪石、窒化珪素、窒化硼素、炭化モリブデ
ン、炭化硼素、炭化タングステン、チタンカーバイド、
トリポリ、ケイソウ土、ドロマイト等で、主としてモー
ス硬度6以上の材料が1〜4種までの組合せで使用され
る。これら併用される研磨剤のpHは2〜10のものが使
用され、特に好ましくは5〜10のものが用いられる。こ
れら研磨剤は、研磨層の主たる構成物質として用いられ
る。バック層に用いる場合には、後述するバインダ100
重量部に対して0.01〜5重量部で用いることが望まし
い。これらの具体例としては、住友化学(株)製のAK
P1、AKP15、AKP20、AKP30、AKP50、AK
P80、Hit50、Hit100 等のアルミナ、日本化学製
のG5、S3、S1等の酸化クロムが具体例として挙げ
られる。
【0020】本発明では、研磨層に使用する無機粉末の
40%以下の重量で磁性粉末を用いてもよい。本発明で使
用される強磁性微粉末としては、γ−Fe2 3 、Co
含有(被着、変成、ドープ)のγ−Fe2 3 、Fe3
4 、Co含有(被着、変成、ドープ)のFe3 4
γ−FeOX 、Co含有(被着、変成、ドープ)のγ−
FeOX 、(X=1.33〜1.50)、CrO2 、Fe−Co
合金、Co−Ni−P合金、Co−Ni−Fe−B合
金、Fe−Ni−Zn合金、Ni−Co合金、Co−N
i−Fe合金などが使用できる。これら強磁性微粉末の
粒子サイズは、通常、約0.005 〜1μmの長さで、軸長
/軸幅の比は、1/1 〜50/1程度である。また、これらの
強磁性体微粉末の比表面積は20〜80m2 /g好ましくは
20〜70m2/g、抗磁力(Hc)は250 〜2500Ce、含
水率は0.1 〜2.0 重量%、pHは3〜11 (5g磁性体
/100 g水)である。
【0021】本発明の研磨層やバック層に使用されるバ
インダーとしては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹
脂、可視光線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用され
る。熱可塑性樹脂としては軟化温度が150 ℃以下、平均
分子量が10000 〜300000、重合度が約50〜2000程度のも
のでより好ましくは200 〜700 程度であり、例えば塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化
ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、ア
クリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステ
ルスチレン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニ
トリル共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン
共重合体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウ
レタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニト
ロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩
化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタジエンア
クリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニル
ブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテート
ブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースト
リアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセル
ロース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピ
ルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、アセチルセルロース等)、スチレンブ
タジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、クロロゴニルエーテルアクリル酸エスステル共
重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂
およびこれらの混合物等が使用される。
【0022】また熱硬化性樹脂または反応型樹脂は、塗
布液の状態では200000以下の分子量であり、塗布、乾燥
後に加熱加湿することにより、縮合、付加等の反応によ
り分子量は無限大のものとなる。また、これらの樹脂の
なかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化または溶融し
ないものが好ましい。具体的には例えばフェノール樹
脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネート
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、エ
ポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポ
リマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオール
とポリソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒド
樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリフ
ェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリアミン
樹脂、ポリイミン樹脂およびこれらの混合物等である。
これらの熱可塑、熱硬化性樹脂、反応型樹脂は、主たる
官能基以外に官能基としてカルボン酸(COOM)、ス
ルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸(SO3 M)、
燐酸(PO(OM)(OM))、ホスホン酸、硫酸(O
SO3 M)、およびこれらのエステル基等の産生基(M
はH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭化水素
基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、スルフォベタイン、
アルキルベタイン型等の両性類基、アミノ基、イミノ
基、イミド基、アミド基等また、水酸基、アルコキシル
基、チオール基、アルキルチオ基、ハロゲン基(F、C
l、Br、I)、シリル基、シロキサン基、エポキシ
基、イソシアナト基、シアノ基、ニトリル基、オキソ
基、アクリル基、フォスフィン基を通常1種以上6種以
内含み、各々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq〜
1×10-2eq含むことが好ましい。
【0023】これらのバインダーは、単独でまたは組み
合わされたものが使われ、ほかに添加剤が加えられる。
研磨層の研磨剤・強磁性微粉末とバインダーとの混合割
合は、重量比で研磨剤と強磁性微粉末との合計100 重量
部に対してバインダー5〜70重量部の範囲で使用され
る。バック層の微粉末とバインダーの混合割合は、重量
比で微粉末100 重量部に対してバインダー8〜400 重量
部の範囲で使用される。添加剤としては、分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤、溶剤等
が加えられる。
【0024】本発明の研磨層およびあるいはバック層に
用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、ナフチレン−1、5−ジイソシアネー
ト、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート
類、また当該イソシアネート類とポリアルコールとの生
成物、またイソシアネート類の縮合によって生成した2
〜10重量のポリイソシアネートとポリウレタンとの生成
物で末端官能基がイソシアネートであるもの等を使用す
ることができる。これらポリイソシアネート類の平均分
子量は100 〜20000 のものが好適である。これらポリイ
ソシアネートの市販されている商品名としては、コロネ
ートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート
2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL(日本ポ
リウレタン株製)、タケネートD−102 、タケネートD
−110 N、タケネートD−200 、タケネートD−202 、
タケネート300 S、タケネート500 (武田薬品株製)、
スミジュールT−80、スミジュール44S、スミジュール
PF、スミジュールL、スミジュールNデスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジ
ュールHL、デスモジュールT65、デスモジュール15、
デスモジュールR、デスモジュールRF、デスモジュー
ルSL、デスモジュールZ4273(住友バイエル社製)等
があり、これらを単独でまたは硬化反応性の差を利用し
て2つまたはそれ以上の組合せによって使用することが
できる。また、硬化反応を促進する目的で、水酸基(ブ
タンジオール、ヘキサンジオール、分子量が1000〜1000
0 のポリウレタン、水等)、アミノ基(モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等)を有する化
合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等の
触媒を併用することもできる。これらの水酸基やアミノ
基を有する化合物は多官能であることが望ましい。これ
らポリイソシアネートは研磨層、バック層ともバインダ
ー樹脂とポリイソシアネートの総量100 重量部あたり2
〜70重量部で使用することが好ましく、より好ましくは
5〜50重量部である。
【0025】本発明の研磨層とバック層に使用される粉
末状潤滑剤としては、グラファイト、二硫化モリブデ
ン、窒化硼素、弗化黒鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、二硫化
タングステン等の無機微粉末、アクリルスチレン系樹脂
微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉末、メラミン系樹
脂微粉末、ポリオレフィン系樹脂微粉末、ポリエステル
系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉末、ポリイミド系
樹脂微粉末、ポリフッカエチレン系樹脂微粉末等の樹脂
微粉末等がある。
【0026】また有機化合物系潤滑剤としては、シリコ
ンオイル(ジアルキルポリシロキサン、ジアルコキシポ
リシロキサン、フェニルポリシロキサン、フルオロアル
キルポリシロキサン(信越化学製KF96、KF69
等))、脂肪酸変性シリコンオイル、フッ素アルコー
ル、ポリオレフィン(ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレン等)、ポリグリコール(エチレングリコール、ポ
リエチレンオキシドワックス等)テトラフルオロエチレ
ンオキシドワックス、ポリテトラフルオログリコール、
パーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロ脂肪酸、
パーフルオロ脂肪酸エステル、パーフルオロアルキル硫
酸エステル、パーフルオロアルキルスルホン酸エステ
ル、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル、パーフルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物、アルキル硫酸エステル、アルキルス
ルホン酸エステル、アルキルホスホン酸トリエステル、
アルキルスルホン酸モノエステル、アルキルスルホン酸
ジエステル、アルキル燐酸エステル、琥珀酸エステル等
の有機酸および有機酸エステル化合物、トリアザインド
リジン、テトラアザインデン、ベンゾトリアゾール、ベ
ンゾトリアジン、ベンゾジアゾール、EDTA等の窒素
・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物、炭素数10〜40の
一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の一価のアルコールも
しくは二価のアルコール、三価のアルコール、四価のア
ルコール、六価のアルコールのいずれか1つまたは2つ
以上からなる脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一塩
基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11〜
70個となる一価〜六価のアルコールからなる脂肪酸エス
テル類、炭素数8〜40の脂肪酸あるいは脂肪酸アミド
類、脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族アルコール類も使
用できる。これら化合物の具体的な例としては、カプリ
ン酸ブチル、カプリン酸オクチル、ラウリン酸エチル、
ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸
エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、
ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミチン酸エチル、
パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オクチル、パルミチ
ン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エチル、ステアリ
ン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸オ
クチル、ステアリン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸
アミル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸2エチ
ルペンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシル、ステアリ
ン酸イソトリデシル、ステアリン酸アミド、ステアリン
酸アルキルアミド、ステアリン酸ブトキシエチル、アン
ヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビ
タンジステアレート、アンヒドロソルビタンテトラステ
アレート、アルヒドロソルビタンテトラステアレート、
オレイルオレート、オレイルアルコール、ラウリルアル
コール、モンタンワックス、カルナウバワックス、等が
あり、単独でまたは組み合わせて使用できる。
【0027】また本発明に使用される潤滑剤としては、
所謂潤滑油添加剤も単独でまたは組み合わせて使用で
き、防錆剤として知られている酸化防止剤(アルキルフ
ェノール、ベンゾトリアジン、テトラアザインデン、ス
ルファミド、グアニジン、核酸、ピリジン、アミン、ヒ
ドロキノン、EDTA等の金属キレート剤)、錆どめ剤
(ナフテン酸、アルケニルコハク酸、燐酸、ジラウリル
フォスフェート等)、油性剤(ナタネ油、ラウリルアル
コール等)、極圧剤(ジベンジルスルフィド、トリクレ
ジルフォスフェート、トリブチルホスファイト等)、清
浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤等
がある。これらの潤滑剤は、バインダ100 重量部に対し
て0.01〜30重量部の範囲で添加される。
【0028】これらについては、アイビーエムテクニカ
ル ディスクロジャーブリテン(IBM Technical Di
sclosure Bulletin)Vol.9 ,No.7,P779 (1966年12
月)、エレクトロニク(ELEKTRONIK)1961 年No.12 ,P3
80、化学便覧,応用編,P954-967,1980年丸善株発行等
に開示された化合物を参照できる。
【0029】本発明に使用する分散剤、分散助剤として
は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ベ
ヘン酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素数2〜40個の脂
肪酸(R1 COOH,R1は炭素数1〜39個のアルキ
ル基、フェニル基、アラルキル基)、前記の脂肪酸のア
ルカリ金属(Li、Na、K、NH4+等)またはアルカ
リ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、CU、Pb等から
成る金属石鹸(オレイン酸銅)、脂肪酸アミド;レシチ
ン(大豆油レシチン)等が使用される。この他に炭素数
4〜40の高級アルコール、(ブタノール、オクチルアル
コール、ミリスチルアルコール、ステアリンアルコー
ル)およびこれらの硫酸エステル、スルホン酸、フェニ
ルスルホン酸、アルキルスルホン酸、スルホン酸エステ
ル、燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、燐酸トリエス
テル、アルキルホスホン酸、フェニルホスホン酸、アミ
ン化合物等も使用可能である。また、ポリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキサイド、スルホ琥珀酸、スル
ホ琥珀酸金属塩、スルホ琥珀酸エステル等も使用可能で
ある。これらの分散剤は通常一種類以上で用いられ、一
種類の分散剤はバインダー100 重量部に対して0.005 〜
20重量部の範囲で添加される。これら分散剤の使用方法
は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予め被着させ
てもよく、また分散途中で添加してもよい。
【0030】本発明に用いる防黴剤としては、2−(4
−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロ
ジクロロメチルチオ)−フタルイミド、10,10′−オキ
シビスフェノキサルシン、2,4,5,6テトラクロロ
イソフタロニトリル、P−トリルジヨードメチルスルホ
ン、トリヨードアリルアルコール、ジヒドロアセト酸、
フェニルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル錫)、
サルチルアニライド等がある。このようなものは、例え
ば「微生物災害と防止技術」1972年工学図書、「化学と
工業」32,904 (1979) 等において示されている。
【0031】本発明に用いるカーボンブラック以外の帯
電防止剤としては、グラファイト、変成グラファイト、
カーボンブラックグラファイトポリマー、酸化錫−酸化
アンチモン、酸化錫、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチ
モン、等の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;
アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール
系、多価アルコールエステル、アルキルフェノールEO
付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類
等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、ホ
スホン酸、燐酸、硫酸エステル基、ホスホン酸エステ
ル、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型
等の両性界面活性剤等使用される。これら帯電防止剤と
して使用し得る界面活性剤化合物系の一部は、小田良平
他著『界面活性剤の合成とその応用』(槙書店1972年
版);A.W.ベイリ著『サーフェス アクティブ エ
ージェンツ』(インターサイエンス パブリケーション
コーポレイテッド1985年版);T.P.シスリー著
『エンサイクロペディア オブ サーフェスアクティブ
エージェンツ,第2巻』(ケミカルパブリシュカンパ
ニー1964年版);『界面活性剤便覧』第六刷(産業図書
株式会社,昭和41年12月20);丸茂秀雄著『帯電防止
剤』幸書房(1968) 等の成書に記載されている。これら
の界面活性剤は単独または混合して添加してもよい。研
磨層におけるこれらの界面活性剤の使用量は、研磨剤お
よびもしくは強磁性微粉末の合計100 重量部当り0.01〜
10重量部である。またバック層での使用量はバインダー
100 重量部当たり0.01〜30重量部である。これらは帯電
防止剤として用いられるものであるが、時としてそのほ
かの目的、例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改
良、塗布助剤、湿潤剤、硬化促進剤、分散促進剤として
適用される場合もある。
【0032】本発明の分散、混練、塗布の際に使用する
有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケイン系;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチル
シクロヘキサノール等のアルコール系;酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロ
ピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル
等のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチ
ルエーテル、ジオキサン等のエーテル系;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチ
レン等のタール系(芳香族炭化水素);メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩
素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデヒド、ヘ
キサン等のものが使用できる。また、これら有機溶媒は
通常任意の比率で2種以上で用いる。また、1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。
【0033】これらの有機溶媒は、研磨層塗布液または
バック液、下塗液の合計固形分100重量部に対して100
〜20000 重量部で用いられる。好ましい塗布液の固形分
率は1〜40重量%である。またバック液の好ましい固形
分率は1〜20重量%である。有機溶媒の代わりに水系溶
媒(水、アルコール、アセトン等)を使用することもで
きる。
【0034】研磨層の形成は、上記の組成等を任意に組
み合せて有機溶媒に溶解し、塗布溶液として非磁性支持
体上に塗布・乾燥または必要により配向して行う。研磨
テープとして使用する場合には、支持体の厚み2.5 〜50
0 μm、好ましくは3〜50μmが好ましい。
【0035】分散、混練の方法には特に制限はなく、ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80℃)等は適
宜設定することができる。研磨層塗料およびバック層塗
料の調整には通常の混練機、例えば、二本ロールミル、
三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミ
ル、サンドグライダー、ツェグバリ(Szegvari)アトラ
イター、高速インペラー、分散機、高速ストールミル、
高速度衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサ
ー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキ
サー、タンブラー、ブレンダー、ディスパーザー、ホモ
ジナイザー、単軸スクノュー押し出し機、二軸スクリュ
ー押し出し機、および超音波分散機等を用いることがで
きる。通常分散・混練にはこれらの分散・混練機を複数
備え、連続的に処理を行う。混練分散に関する技術の詳
細は、T.C.PATTON著(テー.シー.パットン)“Pa
int Flow and Pigment Dispersion ”(ペイント フロ
ー アンド ピグメント ディスパージョン)1964年Jo
hn Wiley & Sons 社発行(ジョン ウイリー アンドサ
ンズ))や田中信一著『工業材料』25巻37(1977) 等や
当該書籍の引用文献に記載されている。これら分散、混
練の補助材料として分散・混練を効率よく進めるため、
球相当径で10cmφ〜0.05mmφの径のスチールボー
ル、スチールビーズ、セラミックビーズ、ガラスビー
ズ、有機ポリマービーズを用いることができる。またこ
れら材料は球形に限らない。また、米国特許第2,581,41
4 号および同第2,855,156 号等の明細書にも記載があ
る。本発明においても上記の書籍や当該書籍の引用文献
等に記載された方法に準じて混練分散を行い研磨層塗料
およびバック層塗料を調整することができる。
【0036】支持体上へ前記の研磨層用塗布液ならびに
バック層用塗布液を塗布する方法としては、塗布液の粘
度を1〜20000 センチストークス(25℃)に調整し、エ
アードクターコーター、ブレードコーター、エアナイフ
コーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバース
ロールコーター、トランスファーロールコーター、グラ
ビアコーター、キスコーター、キャストコーター、スプ
レイコーター、ロッドコーター、正回転ロールコータ
ー、カーテンコーター、押出コーター、バーコーター、
リップコーター等が利用でき、その他の方法も可能であ
り、これらの具体的説明は朝倉書店発行の『コーティン
グ工学』253 頁〜277 頁昭和46.3.20.発行)等に詳細に
記載されている。これら塗布液の塗布の順番は任意に選
択でき、また所望の液の塗布の前に下塗り層あるいは支
持体との密着力向上のためにコロナ放電処理等を行って
もよい。また研磨層もしくはバック層を多層で構成した
ときは、同時多層塗布、逐次多層塗布等を行ってもよ
い。これらは、例えば、特開昭57-123532 号公報、特公
昭62-37451号公報、特開昭59-142741 号公報、特開昭59
-165239 号公報等に示されている。
【0037】このような方法により、支持体上に約1〜
100 μmほどで塗布された研磨層塗布液は、必要により
層中の磁性粉末を500 〜5000ガウスで磁場配向させなが
ら直ちに20〜130 ℃で多段階で乾燥させる処理を施した
のち、形成した研磨層を0.1〜10μm厚みに乾燥する。
このときの支持体の搬送速度は、通常10m/分〜900m
/分で行われ、複数の乾燥ゾーンで乾燥温度を20℃〜13
0 ℃で制御し塗布膜の残留溶剤量を0.1 〜40mg/m2
とする。また必要により同様の手順でバック層を設けて
もよく、引き続き表面平滑化加工を施し研磨層もしくは
バック層の中心線平均表面粗さを0.001 〜0.3 μm(カ
ットオフ値0.25mm)とし、所望の形状に裁断したりし
て、本発明の研磨体を製造する。これらの製造方法は粉
体の予備処理・表面処理、混練・分散、塗布・配向・乾
燥、平滑処理、熱処理、EB処理、表面クリーニング処
理、裁断、巻き取りの工程を連続して行うことが望まし
い。このように作成した研磨体を裁断したあと研磨テー
プの場合所望のプラスチックや金属のリールに巻き取
る。巻き取る直前ないしはそれ以前の工程において研磨
体(研磨層、バック層、エッジ端面、ベース面)をバー
ニッシュおよびまたはクリーニングすることが望まし
い。バーニッシュは研磨体の表面粗度と研磨力を制御す
るために具体的にはサファイア刃、剃刀刃、超硬化材料
刃、ダイアモンド刃、セラミック刃のような硬い材料に
より研磨体表面の突起部分をそぎおとし均一にもしくは
平滑にする。これら材料のモース硬度は8以上が好まし
いが特に制限はなく突起を除去できるものであればよ
い。これら材料の形状は特に刃である必要はなく、角
型、丸型、ホイール(回転する円筒形状の周囲にこれら
の材質を付与しても良い)のような形状でも使用でき
る。また研磨体のクリーニングは研磨体表面の汚れや余
分な潤滑剤を除去する目的で研磨体表層を不織布などで
研磨層面、バック層面、エッジ端面、バック側のベース
面をワイピングすることにより行う。このようなワイピ
ングの材料としては例えば日本バイリーン製の各種バイ
リーンや東レ製のトレシー、エクセーヌ、商品名キムワ
イプ、また不織布はナイロン製不織布、ポリエステル製
不織布、レーヨン製不織布アクリロニトリル性不織布、
混紡不織布等、ティッシュペーパー等が使用できる。
【0038】本発明に使用される研磨剤、強磁性微粉末
または非磁性粉末、バインダー、添加剤(潤滑剤、分散
剤、帯電防止剤、表面処理剤、カーボンブラック、研磨
剤、遮光剤、酸化防止剤、防黴剤、等)、溶剤および支
持体(塗布層、バック層、バック下塗層を有してもよ
い)あるいはその製法に関しては、特公昭56-26890号公
報等に記載されている磁気記録媒体の製造方法等を参考
にできる。
【0039】
【発明の作用および効果】可撓性支持体に微粒子吹付け
処理を施すと、この微粒子吹付け処理が施された面は、
多数の微細な凹孔からなる特有の形状となる。すなわ
ち、単に凹凸が形成されて表面が荒れるのではなく、図
1(a)に示すように、可撓性支持体(12)は、その
微粒子吹付け処理が施された面(12a)の最表面が面
一のまま維持される一方、その下に多数の微細な凹孔
(16)が存在する断面形状となる。したがって、図1
(b)に示すように、この可撓性支持体(12)の微粒
子吹付け処理が施された面(12a)に研磨層(14)
を設けるようにすれば、該可撓性支持体(12)が研磨
層(14)に対してクッション効果を発揮することとな
る。
【0040】なお、上記微粒子吹付け処理を、可撓性支
持体(12)の裏面(12b)側すなわち研磨層(1
4)が設けられていない側に施した場合であっても、上
記クッション効果をある程度発揮させることができる。
【0041】また、微粒子吹付け処理により、可撓性支
持体の物性も変化すると考えられ、これによっても研磨
層の被研磨物に対する当たりが和らげられることとな
る。
【0042】しかして本発明においては、上記構成に示
すように、可撓性支持体の表面および裏面のうち少なく
とも一方に微粒子吹付け処理が施されているので、該微
粒子吹付け処理が施された面にクッション機能が付与さ
れ、これにより、研磨の際、可撓性支持体がクッション
効果を発揮して研磨層の被研磨物に対する当たりが和ら
げられることとなる。また、微粒子吹付け処理に伴う可
撓性支持体の物性変化によっても研磨層の被研磨物に対
する当たりが和らげられることとなる。
【0043】このように、本発明によれば、可撓性支持
体に微粒子吹付け処理が施されていることにより、研磨
層の被研磨物に対する当たりが和らげられ、被研磨物に
対する当たりの強さがその被研磨面の全面にわたって均
一となるので、被研磨物に対して精密な研磨を施すこと
ができる。
【0044】そして、これにより、上記被研磨物が磁気
ヘッドである場合には、磁気ヘッド面を傷つけてしまう
という従来の問題が解決され、特に、幅の狭い磁気ヘッ
ドにおける問題であった磁気ヘッド表面の変質を抑制す
ることができ、また、複合型ヘッドにおける問題であっ
た段差摩耗を軽減することができる。
【0045】ところで、微粒子吹付け処理が施された可
撓性支持体においては、該微粒子吹付け処理により形成
された多数の微細な凹孔により光が散乱するので、透明
な可撓性支持体に微粒子吹付け処理を施した場合には、
可撓性支持体に白濁が生じたように見える。言い換えれ
ば微粒子吹付け処理を施した面は、光が散乱して白濁す
るような形状の孔により適度に荒らされた面であるとい
うことができる。
【0046】このように、上記微粒子吹付け処理が施さ
れる前の可撓性支持体が透明体である場合には、微粒子
吹付け処理が施されると該微粒子吹付け処理特有の現象
として可撓性支持体が白濁するので、請求項2に記載し
たように、可撓性支持体の光学濃度(すなわち光透過率
の逆数の対数)が0.01〜0.3 であることをもって、可撓
性支持体に微粒子吹付け処理が施されていると判定する
ことができる。なお。光学濃度の望ましい範囲は、0.04
〜0.1 である。
【0047】このように光学濃度の範囲を限定したのは
次のような理由による。すなわち、光学濃度は、微粒子
吹付け処理の処理度合の目安であり、光学濃度があまり
小さすぎると微粒子吹付けが不十分であるということと
なり、可撓性支持体の粗面化が十分でないためにそのク
ッション効果が十分に期待できず、一方、光学濃度があ
まり大きくなると可撓性支持体の機械的強度が低下し、
また研磨層用塗布液の塗布が不良となって研磨層表面に
すじが生じたり均一な塗膜面が得られなくなったりする
からである。
【0048】また、好ましい微粒子吹付け処理の度合
は、請求項3に記載したように、微粒子吹付け処理が施
された面の表面粗さが、中心線平均粗さ(カットオフ値
0.08mm)で0.05〜3μmであり、特に好ましい範囲
は、0.1 〜1μmである。
【0049】このように表面粗さの範囲を限定したのは
次のような理由による。すなわち、表面粗さは、光学濃
度と同様、微粒子吹付け処理の処理度合の目安であり、
表面粗さがあまり小さすぎると微粒子吹付けが不十分で
あるということとなり、可撓性支持体の粗面化が十分で
ないためにそのクッション効果が十分に期待できず、一
方、表面粗さがあまり大きくなると可撓性支持体の機械
的強度が低下し、また研磨層用塗布液の塗布が不良とな
って研磨層表面にすじが生じたり均一な塗膜面が得られ
なくなったりするからである。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の部は重量部を示す。
【0051】(1)実施例1〜6 サンドブラスト法により作成した粗面を有する厚さ30μ
mのポリエチレンテレフタレート(PET)支持体上に
ポリエステルポリウレタン樹脂からなる下塗り層を0.1
μm厚に塗布し、その上に下記の組成で調整した研磨塗
布液を、乾燥後10μm厚さとなるようにバーコード塗布
を行いサンプルを作成した。
【0052】上記サンドブラスト法においては、微細な
ガラスビーズを圧縮空気と共に透明なポリエチレンテレ
フタレート支持体の片面に吹き付ける処理を行った。そ
の際、吹き付ける圧縮空気の圧力をコントロールしてサ
ンドブラストの度合をコントロールした。
【0053】 塗布液組成 研磨剤(酸化クロム、粒状、平均粒径2μm、モース硬度8) 95部 研磨剤(ダイアモンド、粒状、平均粒径2.0 μm、モース硬度10) 5部 添加剤(コンダクテックスSC 4部 結合剤(塩酢ビ樹脂、400 X) 2部 結合剤(ポリアミド樹脂) 6部 結合剤(ポリウレタン、スルホン酸ナ トリウム2×10-3当量/g樹脂含有、Mw70000 ) 6部 エポキシ基 1×10-5当量/g樹脂 結合剤(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン(1モル)のTDI (3モル)添加物 2部 分散剤(フォスファノール610 ) 0.1 部 潤滑剤(ステアリン酸/ステアリン酸ブチル) 0.1 部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン= 2/1 ) 200 部 希釈剤(トルエン/MIBK) 150 部 作成した研磨テープのサンプルでS−VHSの磁気ヘッ
ドを研磨し仕上げ、その磁気ヘッドをVTRに搭載し富
士写真フイルム株式会社製S−VHSテープを用い出力
を測定した。その結果を表1に示す。
【0054】 表1 サンド 厚み Ra OD 摩耗量 出 力 段差摩耗 ブラスト面 (μm)(μm) 実施例1 研磨層側 75 0.5 0.05 92 +0.8dB なし 実施例2 研磨層側 50 0.5 0.08 90 +0.7 〃 実施例3 研磨層反対面 75 0.5 0.05 98 +0.8 〃 実施例4 両面 75 0.5 0.08 90 +1.0 〃 実施例5 研磨層側 50 0.1 0.03 93 +0.5 〃 実施例6 研磨層側 50 1.0 0.10 85 +1.1 〃 比較例1 なし 50 0.3 0.01 100 0 200A Ra:中心線平均表面粗さ(カットオフ値0.08mm)…
値の小さい方がより平滑である。
【0055】OD:光学濃度…マクベス濃度計の白色光
で測定した。
【0056】摩耗量:研磨テープを20秒間走行させ、ヘ
ッド摩耗の相対量を求めた。摩耗量の少ない方が好まし
い。
【0057】出力:S−VHSのVTRにて4MHz単
一周波数で記録を行い、再生出力を測定した。値の大き
い方が高出力である。
【0058】 段差摩耗:研磨テープで研磨することによりヘッドギャップに現れた段差量を 示した。段差量の少ない方が好ましい。なお、表中の単位Aはオン グストロームである。 表1から明らかなように、可撓性支持体としてサンドブ
ラスト処理が施されたものを使用すると、摩耗量が低減
し、高出力ヘッドが得られる。
【0059】(2)実施例7〜12 可撓性支持体の材質を変更して上記実施例1〜6と同様
の実験を行った。その結果を表2に示す。
【0060】 表2 材 質 サンド 厚み Ra 摩耗量 出 力 曲面 ブラスト面 (μ) (μ) 形状 実施例7 PET 研磨層側 20 0.1 90 +0.7dB ○ 実施例8 PET 研磨層側 7 0.1 90 +1.3 〃 実施例9 PEN 研磨層側 10 0.1 98 +0.6 〃 実施例10 PEN 研磨層側 5 0.1 90 +1.0 〃 実施例11 アラミド 研磨層側 7 0.1 92 +0.8 〃 実施例12 アラミド 研磨層側 4 0.1 93 +1.1 〃 比較例2 PET なし 7 0.01 100 0 × 曲面形状:磁気ヘッドに対する磁気テープの当接方向に磁気ヘッドが研磨され ているものを○、そうでないものを×とした。 表2から明らかなように、可撓性支持体としてサンドブ
ラスト処理が施されたものを使用すると、可撓性支持体
の材質を変更した場合であっても、摩耗量が低減し、高
出力ヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨体の一例を示す断面図
【符号の説明】
10 研磨体 12 可撓性支持体 12a 表面 12b 裏面 14 研磨層 16 凹孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 圭介 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フィルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性支持体の表面に研磨層が設けられ
    てなる研磨体において、 前記可撓性支持体の前記表面および裏面のうち少なくと
    も一方に、微粒子吹付け処理が施されている、ことを特
    徴とする研磨体。
  2. 【請求項2】 前記可撓性支持体の光学濃度が0.01〜0.
    3 である、ことを特徴とする請求項1記載の研磨体。
  3. 【請求項3】 前記可撓性支持体の前記微粒子吹付け処
    理が施された面の表面粗さが、中心線平均粗さ(カット
    オフ値0.08mm)で0.05〜3μmである、ことを特徴と
    する請求項1または2記載の研磨体。
  4. 【請求項4】 前記可撓性支持体の少なくとも前記表面
    には前記微粒子吹付け処理が施されている、ことを特徴
    とする請求項1、2または3記載の研磨体。
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