JPH0626085B2 - リ−ドスイツチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は高温環境下で使用されるリードスイッチに関す
る。

（従来の技術） 磁力により接点の開閉を行うリードスィチは構造が簡単
で操作が容易なところから各種の機器類に広く利用され
ている。

第３図は従来のリードスイッチの構造を示すもので、リ
ード片３０、３１はNi 52%、Fe 48%組成のパーマロイと
呼ばれる強磁性材料からなり、径が０．５mm前後の線材
で構成され、リード片先端の接点部分はプレス加工され
ている。リード片３０、３１の接点部分はオーバラップ
され、両者の間には、所定の磁力で接点が開閉するよう
に、適当な隙間が設定されている。

リード片３０、３１の接点は、劣化を防ぐために不活性
ガスまたは真空環境にする必要がある。そこで、ガラス
管から成るケーシング３２により接点部を封止し、不活
性ガス３３（例えば窒素ガス）を封入している。

このような構造のリードスイッチにおいて、第４図に示
すようにマグネット３４が近接するとリード片３０、３
１は図に示すように磁化し、接点間は異極同志が引き合
って閉動作する。また、マグネット３４が所定距離だけ
を離れると、接点間の吸引力が無くなり、リード片はそ
れらの弾性力により開動作する。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のリードスイッチにあってはガラス
とリード片の熱膨張差により環境温度の変化によって封
止部が破損されやすく、リードスイッチの使用可能環境
温度は 120℃程度以下に制限されていた。

本発明は上述の如き欠点を除去し、高温環境（目標約 3
00℃）においても使用できるリードスイッチを提供する
ことを目的とする。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） すなわち本発明は磁性材料で作られた複数本のリード片
と、これらのリード片の接点を包囲し封止するケーシン
グとから成り、このケーシングはセラミックと金属材料
とから形成し、金属材料とセラミックとの接合には銀ろ
うを用いたことを特徴とするリードスイッチである。

（作用） 上述のように構成した本発明のリードスイッチではリー
ド片の接点の封止材としてセラミックと金属材料を用い
ているため、従来より高い温度で使用でき、しかもリー
ド片間の絶縁性が向上する。

（実施例） 以下、本発明の実施例を第１図に基づいて説明する。

リード片１、２は組成がNi 52%、Fe 48%の強磁性体パー
マロイの線材から成り、接点部はプレス加工により平た
くしてある。また、リード片１、２同志は、接点部でオ
ーバーラップし、かつ所定の磁力で開閉動作するように
一定の隙間を制定されている。

接点を封止するケーシングの内、円筒部３としてはセラ
ミック（Al_２ O_３等）を用い、両端部４、５にはNi-Fe-
Co合金（Ni 29%、Co 17%、Fe残）を用いている。これら
の両端部４、５はリード片１、２を覆い各リード片の端
部にて溶接６、７することによりリード片１、２との間
を密閉されている。また両端部４、５と円筒部３との間
は銀ろう８、９を浸透させることにより密閉されてい
る。ケーシングの内部には接点の劣化防止のため不活性
ガス（窒素ガス）１０が封入されている。

上述の構造のリードスイッチにおいて、リード片１、２
の接点間の開閉動作は従来と同様の原理により行われ
る。しかしながら、リード片１、２および両端部４、５
はいずれも金属であり、しかも溶接部６、７により密閉
されている為に、環境温度の変化によって封止部が破損
する事は無い。また、円筒部３にはセラミックを使って
いるために、従来のガラスとは異なり、高温時において
もリード片１、２の間の絶縁性が劣化することも無い。

次に、本発明による第２の実施例を第２図に基いて説明
する。

リード片１、２はNi 52%、Fe 48%の組成から成る強磁性
体パーマロイの線材で構成されており、接点部はプレス
加工により平たくしてある。リード片１、２同志は、接
点部でオーバーラップし、所定の磁力で開閉動作するよ
うに一定の隙間を設定されている。

接点を封止するケーシングのうち円筒部１１にはステン
レス鋼（SUS304またSUS310等）を用い、両端部１２、１
３にはセラミック（Al_２ O_３等）を用いている。

リード片１、２はNi-Fe-Co合金から成るスリーブ１４、
１５で覆われ、各リード片１、２との間は溶接部６、７
で密閉されている。スリーブ１４、１５と両端部１２、
１３の隙間には、銀ろう１６、１７を浸透させて密閉し
ている。

また、円筒部１１の両端部の内側には、Ni-Fe-Co合金か
ら成る円筒状のカラー１８、１９をはめ込み、端部を溶
接２０、２１している。さらにカラー１８、１９と両端
部１２、１３との間には銀ろう２２、２３を浸透させ、
密閉している。ケーシングの内部にはリード片１、２の
接点の劣化防止のため、不活性ガス（窒素ガス等）１０
が封入されている。

上述の構造のリードスイッチにおいてリード片１および
２の接点間の開閉動作は従来と同様に行われる。

しかしながら、封止部の材料として、セラミックと金属
材料を使用しているため、環境温度の変化によって封止
部が破損する事は無い。また、高温時においてもリード
片１、２の間の絶縁性が劣化することはない。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば封止材料としてセ
ラミックと金属材料を使っているため環境温度の変化に
よる封止部の破損を防ぐことができる。また、高温時に
リード片の絶縁性が劣化することもないので、高温時に
おいても使用が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例のリードスイッチの縦断面図、
第２図は本発明のリードスイッチの第２の実施例の縦断
面図、第３図は従来のリードスイッチの縦断面図、第４
図はその動作原理を示す縦断面図である。 １、２、３０、３１……リード片 ３、１１……円筒部 ４、５、１２、１３……両端部 ６、７……溶接部 ８、９、１６、１７、２２、２３……銀ろう １０、３３……不活性ガス １４、１５……スリーブ １８、１９……カラー ３２……ケーシング ３４……マグネット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁性材料で作られた複数本のリード片と、
   これらのリード片の接点を包囲し封止するケーシングと
   から成り、このケーシングはセラミックと金属材料とか
   ら形成し、金属材料とセラミックとの接合には銀ろうを
   用いたことを特徴とするリードスイッチ。
2. 【請求項２】円筒部が、セラミックから成り、両端部が
   Ｎｉ−Ｆｅ−Ｃｏ合金から成ることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載のリードスイッチ。
3. 【請求項３】円筒部がステンレス鋼から成り、両端部が
   セラミックから成ることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載のリードスイッチ。