JPH06259809A - 光メモリ素子 - Google Patents
光メモリ素子Info
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- JPH06259809A JPH06259809A JP5044038A JP4403893A JPH06259809A JP H06259809 A JPH06259809 A JP H06259809A JP 5044038 A JP5044038 A JP 5044038A JP 4403893 A JP4403893 A JP 4403893A JP H06259809 A JPH06259809 A JP H06259809A
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- JP
- Japan
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- ultraviolet light
- optical memory
- recording layer
- memory element
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 光メモリ素子は、透明基板1の一方の表面に
記録層2および反射層3が順次積層され、上記透明基板
1の他方の面にο−ヒドロキシベンゾフェノンを高分子
バインダー中に分散させた材料からなる紫外光遮断膜4
が形成されている。 【効果】 紫外光の照射による記録層2の劣化を防ぐこ
とができ、記録感度の低下を回避できると共に、保管の
際にも、紫外光遮断のために特別な配慮等を必要としな
い。
記録層2および反射層3が順次積層され、上記透明基板
1の他方の面にο−ヒドロキシベンゾフェノンを高分子
バインダー中に分散させた材料からなる紫外光遮断膜4
が形成されている。 【効果】 紫外光の照射による記録層2の劣化を防ぐこ
とができ、記録感度の低下を回避できると共に、保管の
際にも、紫外光遮断のために特別な配慮等を必要としな
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録膜材料として、例
えば光磁気媒体、有機媒体、相変化媒体、あるいはフォ
トクロミック媒体等を使用した光メモリ素子に関するも
のである。
えば光磁気媒体、有機媒体、相変化媒体、あるいはフォ
トクロミック媒体等を使用した光メモリ素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】光メモリ素子は、図3に示すように、透
明基板21上に記録層22及びアルミ、ニッケル、クロ
ム、白金、金、及びこれらの合金からなる反射層23が
形成されて構成されている。この光メモリ素子は、透明
基板21側から光を照射し、反射層23で反射させると
いう反射型の構成であり、記録層で変調された反射光の
変化を信号として読み出している。追記型光メモリ素
子、書き換え型光磁気メモリ素子、および書き換え型相
変化光メモリ素子では、読み出し光及び書き込み光とし
て主に赤色から近赤外の光が用いられている。また、フ
ォトクロミック反応を利用した光メモリ素子では、書き
込み光として紫から青緑色の光が用いられる。そして、
これらの光メモリ素子には、反射光の光量が多い程、信
号強度が大きくとれることから、上記透明基板21の材
料として、例えばアクリル、ポリカーボネート等のプラ
スチック材料や、ガラス等が用いられている。
明基板21上に記録層22及びアルミ、ニッケル、クロ
ム、白金、金、及びこれらの合金からなる反射層23が
形成されて構成されている。この光メモリ素子は、透明
基板21側から光を照射し、反射層23で反射させると
いう反射型の構成であり、記録層で変調された反射光の
変化を信号として読み出している。追記型光メモリ素
子、書き換え型光磁気メモリ素子、および書き換え型相
変化光メモリ素子では、読み出し光及び書き込み光とし
て主に赤色から近赤外の光が用いられている。また、フ
ォトクロミック反応を利用した光メモリ素子では、書き
込み光として紫から青緑色の光が用いられる。そして、
これらの光メモリ素子には、反射光の光量が多い程、信
号強度が大きくとれることから、上記透明基板21の材
料として、例えばアクリル、ポリカーボネート等のプラ
スチック材料や、ガラス等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の各材
料を用いた透明基板は、可視光領域だけでなく、紫外光
領域においても高い透過率を示すため、上記基板を介し
て読み出し光、あるいは書き込み光が照射された記録層
には、可視光に比べてエネルギーが高い紫外光も照射さ
れることになる。紫外光が照射された物質は、化学反応
を生じ易いラジカル等を生成したり、有機物であれば化
学結合が切断されたりすることが知られている。
料を用いた透明基板は、可視光領域だけでなく、紫外光
領域においても高い透過率を示すため、上記基板を介し
て読み出し光、あるいは書き込み光が照射された記録層
には、可視光に比べてエネルギーが高い紫外光も照射さ
れることになる。紫外光が照射された物質は、化学反応
を生じ易いラジカル等を生成したり、有機物であれば化
学結合が切断されたりすることが知られている。
【0004】したがって、希土類や、遷移金属等が記録
層の媒体として用いられている書き換え型の光磁気光メ
モリ素子や、相変化光メモリ素子では、上記紫外光の照
射により化学的に活性化され、記録層中に存在する微量
な酸素によって酸化されることがある。また、有機色素
等が記録層の媒体として用いられているフォトクロミッ
ク光メモリ素子や、有機追記型光メモリ素子では、紫外
光の照射により色素内の化学結合が切断されたり、色素
が光化学反応を起こして変性したり、記録層中に存在す
る微量の酸素によって酸化されることがある。さらに、
これらの有機色素を分散させるバインダーとして使用さ
れている高分子材料も、紫外光の照射により、酸化され
たり主鎖及び側鎖の化学結合を切断されたり、色素との
付加反応等の光化学反応を起こすことがある。
層の媒体として用いられている書き換え型の光磁気光メ
モリ素子や、相変化光メモリ素子では、上記紫外光の照
射により化学的に活性化され、記録層中に存在する微量
な酸素によって酸化されることがある。また、有機色素
等が記録層の媒体として用いられているフォトクロミッ
ク光メモリ素子や、有機追記型光メモリ素子では、紫外
光の照射により色素内の化学結合が切断されたり、色素
が光化学反応を起こして変性したり、記録層中に存在す
る微量の酸素によって酸化されることがある。さらに、
これらの有機色素を分散させるバインダーとして使用さ
れている高分子材料も、紫外光の照射により、酸化され
たり主鎖及び側鎖の化学結合を切断されたり、色素との
付加反応等の光化学反応を起こすことがある。
【0005】このように、光メモリ素子の記録層に紫外
光が照射されると、記録層の劣化を招来するという問題
が生じている。また、上記紫外光は、太陽光線のみなら
ず、蛍光灯からの光にも多く含まれており、保管の際に
も上記したような記録層の劣化が生じないように、特別
な配慮等を要するものとなっていた。
光が照射されると、記録層の劣化を招来するという問題
が生じている。また、上記紫外光は、太陽光線のみなら
ず、蛍光灯からの光にも多く含まれており、保管の際に
も上記したような記録層の劣化が生じないように、特別
な配慮等を要するものとなっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
メモリ素子は、上記の課題を解決するために、基板表面
に記録膜が設けられた光メモリ素子において、光メモリ
素子の光入射面側に紫外光遮断膜が設けられていること
を特徴としている。
メモリ素子は、上記の課題を解決するために、基板表面
に記録膜が設けられた光メモリ素子において、光メモリ
素子の光入射面側に紫外光遮断膜が設けられていること
を特徴としている。
【0007】また、請求項2の発明に係る光メモリ素子
は、上記の課題を解決するために、基板表面に記録膜が
設けられた光メモリ素子において、上記基板材料として
紫外光遮断材料が用いられていることを特徴としてい
る。
は、上記の課題を解決するために、基板表面に記録膜が
設けられた光メモリ素子において、上記基板材料として
紫外光遮断材料が用いられていることを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】請求項1の構成によれば、光メモリ素子の光入
射面側に紫外光遮断膜が設けられたことにより、記録層
に紫外光が照射されるのを防ぐことができるため、酸化
や、化学結合の切断による記録層の劣化を防ぐことがで
きる。したがって、光メモリ素子における記録感度の低
下が回避されると共に、光メモリ素子を保管する上で
も、紫外光を遮断するために、特別な配慮等を必要とし
ない。
射面側に紫外光遮断膜が設けられたことにより、記録層
に紫外光が照射されるのを防ぐことができるため、酸化
や、化学結合の切断による記録層の劣化を防ぐことがで
きる。したがって、光メモリ素子における記録感度の低
下が回避されると共に、光メモリ素子を保管する上で
も、紫外光を遮断するために、特別な配慮等を必要とし
ない。
【0009】また、請求項2の構成によれば、基板材料
に紫外光遮断材料を用いることにより、基板側から光を
照射して記録および再生を行う場合には、紫外光は基板
で遮断されて、記録層には届かないようになっているの
で、紫外光の照射による記録層の劣化を防ぐことができ
る。したがって、光メモリ素子における記録感度の低下
が回避されると共に、保管の上でも、紫外光を遮断する
ための特別な配慮等が不要になる。
に紫外光遮断材料を用いることにより、基板側から光を
照射して記録および再生を行う場合には、紫外光は基板
で遮断されて、記録層には届かないようになっているの
で、紫外光の照射による記録層の劣化を防ぐことができ
る。したがって、光メモリ素子における記録感度の低下
が回避されると共に、保管の上でも、紫外光を遮断する
ための特別な配慮等が不要になる。
【0010】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1に基づいて
説明すれば、以下の通りである。
説明すれば、以下の通りである。
【0011】本実施例の光メモリ素子は、図1に示すよ
うに、ガラス、アクリル、ポリカーポネート、エポキシ
樹脂、あるいは紫外光硬化樹脂等からなり、紫外光から
可視光領域まで透過性を示す透明基板1の一方の表面
に、記録層2が形成され、さらにその上にアルミ、ニッ
ケル、クロム、白金、金、あるいはこれらの合金等から
なる反射層3が設けられていると共に、上記透明基板1
の他方の面に、紫外光遮断膜4が設けられた構成となっ
ている。上記記録層2としては、光磁気媒体、有機媒
体、相変化媒体、あるいはフォトクロミック媒体等を使
用することができる。
うに、ガラス、アクリル、ポリカーポネート、エポキシ
樹脂、あるいは紫外光硬化樹脂等からなり、紫外光から
可視光領域まで透過性を示す透明基板1の一方の表面
に、記録層2が形成され、さらにその上にアルミ、ニッ
ケル、クロム、白金、金、あるいはこれらの合金等から
なる反射層3が設けられていると共に、上記透明基板1
の他方の面に、紫外光遮断膜4が設けられた構成となっ
ている。上記記録層2としては、光磁気媒体、有機媒
体、相変化媒体、あるいはフォトクロミック媒体等を使
用することができる。
【0012】光磁気媒体としては、例えばDyFeC
o、TbFeCo、PtCo、ガーネット等が用いら
れ、これらの媒体を記録層2として用いた場合には、A
lN、SiN、TiN等からなる保護膜(図示せず)に
より上記記録層2が挟まれた構造となる。
o、TbFeCo、PtCo、ガーネット等が用いら
れ、これらの媒体を記録層2として用いた場合には、A
lN、SiN、TiN等からなる保護膜(図示せず)に
より上記記録層2が挟まれた構造となる。
【0013】また、有機媒体としては、例えば一般式
(A)
(A)
【0014】
【化1】
【0015】で表されるシアニン系色素、一般式(B)
【0016】
【化2】
【0017】で表されるスクアリウム系色素、一般式
(C)
(C)
【0018】
【化3】
【0019】で表されるクロコニウム系色素、一般式
(D)
(D)
【0020】
【化4】
【0021】で表されるナフトキノン系色素、一般式
(E)
(E)
【0022】
【化5】
【0023】で表されるアントラキノン系色素、一般式
(F)
(F)
【0024】
【化6】
【0025】で表されるフタロシアニン系色素、及びこ
れらの誘導体からなり、近赤外光を吸収する色素を用い
た蒸着膜、LB(Langmuir Blodgett) 膜、または高分子
バインダー中にこれらの化合物を分散した膜等を用いる
ことができる。上記高分子バインダー材料としては、非
晶質高分子が望ましく、PMMA(Polymethyl methacry
late) 、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
アモルファスポリオレフィン、エポキシ樹脂、紫外光硬
化樹脂等を用いることができる。
れらの誘導体からなり、近赤外光を吸収する色素を用い
た蒸着膜、LB(Langmuir Blodgett) 膜、または高分子
バインダー中にこれらの化合物を分散した膜等を用いる
ことができる。上記高分子バインダー材料としては、非
晶質高分子が望ましく、PMMA(Polymethyl methacry
late) 、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
アモルファスポリオレフィン、エポキシ樹脂、紫外光硬
化樹脂等を用いることができる。
【0026】また、相変化媒体としては、例えばGeS
bTb、InSbTb、GeTeSb等を用いることが
できる。
bTb、InSbTb、GeTeSb等を用いることが
できる。
【0027】また、フォトクロミック媒体としては、例
えば一般式(G)
えば一般式(G)
【0028】
【化7】
【0029】で表されるフルキド、一般式(H)
【0030】
【化8】
【0031】で表されるベンゾチオピラン系スピロピラ
ン、一般式(I)、あるいは一般式(J)
ン、一般式(I)、あるいは一般式(J)
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】で表されるジアリルエテン、及びこれらの
誘導体からなる蒸着膜、LB膜、または高分子バインダ
ー中にこれらの化合物を分散した膜等を用いることがで
きる。上記高分子バインダー材料としては、非晶質高分
子が望ましく、PMMA、アクリル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、エポ
キシ樹脂、紫外光硬化樹脂等を用いることができる。
誘導体からなる蒸着膜、LB膜、または高分子バインダ
ー中にこれらの化合物を分散した膜等を用いることがで
きる。上記高分子バインダー材料としては、非晶質高分
子が望ましく、PMMA、アクリル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、エポ
キシ樹脂、紫外光硬化樹脂等を用いることができる。
【0035】上記紫外光遮断膜4は、一般式(K)
【0036】
【化11】
【0037】で表されるο−ヒドロキシベンゾフェノン
を50wt%混入したPMMAをスピンコート法で10
μmの膜厚で塗布し、形成したものである。
を50wt%混入したPMMAをスピンコート法で10
μmの膜厚で塗布し、形成したものである。
【0038】尚、上記ο−ヒドロキシベンゾフェノンを
分散させる高分子バインダーは、非晶質高分子であれば
よく、上記PMMA以外に、アクリル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、エポ
キシ樹脂、紫外光硬化樹脂等の使用が可能である。
分散させる高分子バインダーは、非晶質高分子であれば
よく、上記PMMA以外に、アクリル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、エポ
キシ樹脂、紫外光硬化樹脂等の使用が可能である。
【0039】また、紫外光遮断材料としては、上記ο−
ヒドロキシベンゾフェノン以外に、例えば一般式(L)
ヒドロキシベンゾフェノン以外に、例えば一般式(L)
【0040】
【化12】
【0041】で表される2−(2' ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール系色素、一般式(M)
ル)ベンゾトリアゾール系色素、一般式(M)
【0042】
【化13】
【0043】で表されるペリレン、一般式(N)
【0044】
【化14】
【0045】で表されるアントラセン、及びこれらの誘
導体からなる色素が用いられ、波長400nm以下の光
を吸収する材料を挙げることができ、上記した高分子バ
インダーに溶解し易いものが望ましい。
導体からなる色素が用いられ、波長400nm以下の光
を吸収する材料を挙げることができ、上記した高分子バ
インダーに溶解し易いものが望ましい。
【0046】尚、上記2−(2' ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール系色素を表す一般式(L)中のR1
・R2 ・R3 としては、例えば下記の表1に示すような
官能基の組み合わせが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系色素を表す一般式(L)中のR1
・R2 ・R3 としては、例えば下記の表1に示すような
官能基の組み合わせが挙げられる。
【0047】
【表1】
【0048】高分子バインダー中の紫外光遮断材料の濃
度は、1〜70wt%の範囲であればよい。また、紫外
光遮断膜4は、上記紫外光遮断材料の蒸着により形成す
ることも可能である。また、一般式(O)
度は、1〜70wt%の範囲であればよい。また、紫外
光遮断膜4は、上記紫外光遮断材料の蒸着により形成す
ることも可能である。また、一般式(O)
【0049】
【化15】
【0050】で表されるポリビニルカルバゾール、及び
一般式(P)
一般式(P)
【0051】
【化16】
【0052】で表されるテトラシアノキノン等の電荷移
動錯体を混入したポリビニルカルバゾールの塗布膜を紫
外光遮断膜4として用いることも可能である。尚、上記
紫外光遮断膜4の膜厚は、その材料により異なるが、0.
1〜1000μmの範囲にあることが望ましい。
動錯体を混入したポリビニルカルバゾールの塗布膜を紫
外光遮断膜4として用いることも可能である。尚、上記
紫外光遮断膜4の膜厚は、その材料により異なるが、0.
1〜1000μmの範囲にあることが望ましい。
【0053】上記記録層2として、光磁気媒体、有機媒
体、あるいは相変化媒体を用いた光メモリ素子には、読
み出し光および書き込み光として、赤色から近赤外の光
が使用される。すなわち、紫外光遮断膜4に可視光領域
である500nm以下の光を遮断する材料を用いても、
読み出し光および書き込み光に影響を与えることはな
い。したがって、上記高分子バインダーに紫外光遮断材
料としてポリフィリン及びその誘導体を混入したものを
塗布した膜を紫外光遮断膜4としても構わないし、それ
らの蒸着膜、あるいはLB膜でもよい。
体、あるいは相変化媒体を用いた光メモリ素子には、読
み出し光および書き込み光として、赤色から近赤外の光
が使用される。すなわち、紫外光遮断膜4に可視光領域
である500nm以下の光を遮断する材料を用いても、
読み出し光および書き込み光に影響を与えることはな
い。したがって、上記高分子バインダーに紫外光遮断材
料としてポリフィリン及びその誘導体を混入したものを
塗布した膜を紫外光遮断膜4としても構わないし、それ
らの蒸着膜、あるいはLB膜でもよい。
【0054】一方、記録層2としてフォトクロミック媒
体を用いた光メモ素子では、書き込み光として波長36
0〜500nmの近紫外から青緑色の光が用いられるた
め、上記紫外光遮断膜4は、上記波長領域の光を透過す
る材料で構成しなければならない。したがって、例えば
ポリフィリン及びその誘導体のように、波長500nm
以下の光を遮断する材料は、紫外光遮断膜4を形成する
材料に適さず、ペリレン系、あるいはアントラセン系の
誘導体を高分子バインダー中に分散した紫外光遮断膜4
が望ましい。フォトクロミック媒体と、紫外光遮断材料
との望ましい組み合わせは、着色波長と遮断波長との関
係から下記の表2に示すようになる。
体を用いた光メモ素子では、書き込み光として波長36
0〜500nmの近紫外から青緑色の光が用いられるた
め、上記紫外光遮断膜4は、上記波長領域の光を透過す
る材料で構成しなければならない。したがって、例えば
ポリフィリン及びその誘導体のように、波長500nm
以下の光を遮断する材料は、紫外光遮断膜4を形成する
材料に適さず、ペリレン系、あるいはアントラセン系の
誘導体を高分子バインダー中に分散した紫外光遮断膜4
が望ましい。フォトクロミック媒体と、紫外光遮断材料
との望ましい組み合わせは、着色波長と遮断波長との関
係から下記の表2に示すようになる。
【0055】
【表2】
【0056】紫外光照射による記録層の劣化を本実施例
の光メモリ素子と、紫外光遮断膜を形成しない従来の光
メモリ素子とで比較するため、紫外光光源である水銀
灯、キセノンランプ、XeClエキシマレーザ(308
nm、パルス幅25ns、0.3J/cm2)等を用いて、
従来及び本実施例の光メモリ素子に紫外光を透明基板側
からそれぞれ照射した。
の光メモリ素子と、紫外光遮断膜を形成しない従来の光
メモリ素子とで比較するため、紫外光光源である水銀
灯、キセノンランプ、XeClエキシマレーザ(308
nm、パルス幅25ns、0.3J/cm2)等を用いて、
従来及び本実施例の光メモリ素子に紫外光を透明基板側
からそれぞれ照射した。
【0057】その結果、紫外光の照射により、従来の光
メモリ素子では、記録層の劣化が見られ、記録感度が低
下したが、本実施例の光メモリ素子では、記録層の劣化
はほとんど見られず、記録感度にも変化は生じなかっ
た。特に、従来の光メモリ素子では、有機媒体およびフ
ォトクロミック媒体を用いた記録層の劣化が著しいとい
う結果が得られたが、本実施例の光メモリ素子において
は、有機媒体およびフォトクロミック媒体を用いた記録
層についても劣化は見られず、記録感度の低下も生じな
かった。
メモリ素子では、記録層の劣化が見られ、記録感度が低
下したが、本実施例の光メモリ素子では、記録層の劣化
はほとんど見られず、記録感度にも変化は生じなかっ
た。特に、従来の光メモリ素子では、有機媒体およびフ
ォトクロミック媒体を用いた記録層の劣化が著しいとい
う結果が得られたが、本実施例の光メモリ素子において
は、有機媒体およびフォトクロミック媒体を用いた記録
層についても劣化は見られず、記録感度の低下も生じな
かった。
【0058】上記のように、光メモリ素子における書き
込み光および読み出し光を照射する側の表面(本実施例
では、透明基板1を介して記録層2に光を照射するた
め、透明基板1における記録層2が設けられた面とは反
対側の面)に、紫外光遮断膜を形成することにより、紫
外光による記録層の劣化を抑制することができ、記録感
度の低下を防ぐことができる。また、記録層材料により
決定される読み出し光および書き込み光の波長に応じ
て、紫外光遮断膜により遮断する光の波長を設定し、紫
外光遮断材料を選択することにより、光メモリ素子への
情報の記録および再生も問題なく行える。また、光メモ
リ素子を保管する際にも、紫外光を遮断するために、特
別な配慮等を必要とすることはない。
込み光および読み出し光を照射する側の表面(本実施例
では、透明基板1を介して記録層2に光を照射するた
め、透明基板1における記録層2が設けられた面とは反
対側の面)に、紫外光遮断膜を形成することにより、紫
外光による記録層の劣化を抑制することができ、記録感
度の低下を防ぐことができる。また、記録層材料により
決定される読み出し光および書き込み光の波長に応じ
て、紫外光遮断膜により遮断する光の波長を設定し、紫
外光遮断材料を選択することにより、光メモリ素子への
情報の記録および再生も問題なく行える。また、光メモ
リ素子を保管する際にも、紫外光を遮断するために、特
別な配慮等を必要とすることはない。
【0059】〔実施例2〕次に、本発明の他の実施例を
図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説
明の便宜上、前記実施例の図面に示した部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説
明の便宜上、前記実施例の図面に示した部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0060】本実施例の光メモリ素子は、図2に示すよ
うに、紫外光遮断材料であるο−ヒドロキシベンゾフェ
ノンを50wt%混入したポリカーボネートを紫外光遮
断基板5の材料として用い、この紫外光遮断基板5の表
面に記録層2および反射層3が形成されたものである。
うに、紫外光遮断材料であるο−ヒドロキシベンゾフェ
ノンを50wt%混入したポリカーボネートを紫外光遮
断基板5の材料として用い、この紫外光遮断基板5の表
面に記録層2および反射層3が形成されたものである。
【0061】上記紫外光遮断基板5の基板材料として
は、非晶質材料が望ましく、上記したポリカーボネート
以外に、アクリル、アモルファスポリオレフィン、紫外
光硬化樹脂、エポキシ樹脂等を使用することが可能であ
る。また、紫外光遮断材料としては、前記実施例1と同
様に、上記ο−ヒドロキシベンゾフェノン以外にも、2
−(2’ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系色
素、ペリレン、アントラセン、及びこれらの誘導体から
なる色素等を用いることができる。
は、非晶質材料が望ましく、上記したポリカーボネート
以外に、アクリル、アモルファスポリオレフィン、紫外
光硬化樹脂、エポキシ樹脂等を使用することが可能であ
る。また、紫外光遮断材料としては、前記実施例1と同
様に、上記ο−ヒドロキシベンゾフェノン以外にも、2
−(2’ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系色
素、ペリレン、アントラセン、及びこれらの誘導体から
なる色素等を用いることができる。
【0062】また、記録層2としても、前記実施例1と
同様に、光磁気媒体、有機媒体、相変化媒体、フォトク
ロミック媒体等使用することが可能であり、各媒体から
なる記録層を備えた光メモリ素子に対して使用される書
き込み光および読み出し光の波長に応じて、紫外光遮断
材料を選択する必要がある。したがって、記録層2とし
てフォトクロミック媒体を用いた場合には、書き込み光
および読み出し光として使用される近紫外から青緑色の
光に対しては透過性を示すように、例えば前記実施例1
で挙げたような組み合わせで、紫外光遮断材料を選択す
る必要がある。
同様に、光磁気媒体、有機媒体、相変化媒体、フォトク
ロミック媒体等使用することが可能であり、各媒体から
なる記録層を備えた光メモリ素子に対して使用される書
き込み光および読み出し光の波長に応じて、紫外光遮断
材料を選択する必要がある。したがって、記録層2とし
てフォトクロミック媒体を用いた場合には、書き込み光
および読み出し光として使用される近紫外から青緑色の
光に対しては透過性を示すように、例えば前記実施例1
で挙げたような組み合わせで、紫外光遮断材料を選択す
る必要がある。
【0063】また、上記構成の光メモリ素子に対して、
前記実施例1で用いたものと同様の紫外光源を用いて、
紫外光遮断基板5側から紫外光を照射したところ、記録
層2の劣化は見られず、記録感度も低下しなかった。
前記実施例1で用いたものと同様の紫外光源を用いて、
紫外光遮断基板5側から紫外光を照射したところ、記録
層2の劣化は見られず、記録感度も低下しなかった。
【0064】以上のように、光メモリ素子の基板とし
て、紫外光遮断材料からなる紫外光遮断基板を使用する
ことにより、紫外光による記録層の劣化を抑制すること
ができ、記録感度の低下を防ぐことが可能になる。ま
た、光メモリ素子を保管する上でも、紫外光を遮断する
ために、特別な配慮等を必要とすることはない。
て、紫外光遮断材料からなる紫外光遮断基板を使用する
ことにより、紫外光による記録層の劣化を抑制すること
ができ、記録感度の低下を防ぐことが可能になる。ま
た、光メモリ素子を保管する上でも、紫外光を遮断する
ために、特別な配慮等を必要とすることはない。
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光メモリ素子は、
以上のように、光メモリ素子の光入射面側に紫外光遮断
膜が設けられている構成である。
以上のように、光メモリ素子の光入射面側に紫外光遮断
膜が設けられている構成である。
【0066】それゆえ、紫外光照射による記録層の劣化
を防ぐことができるので、記録感度の低下を回避できる
と共に、保管の際にも紫外光を遮断するために特別な配
慮等が不要になるという効果を奏する。
を防ぐことができるので、記録感度の低下を回避できる
と共に、保管の際にも紫外光を遮断するために特別な配
慮等が不要になるという効果を奏する。
【0067】また、請求項2の発明に係る光メモリ素子
は、以上のように、基板材料として紫外光遮断材料が用
いられている構成である。
は、以上のように、基板材料として紫外光遮断材料が用
いられている構成である。
【0068】それゆえ、基板側から光を照射して記録お
よび再生を行う場合に、紫外光照射による記録層の劣化
を防ぐことができるので、記録感度の低下を回避できる
と共に、保管の際にも紫外光を遮断するために特別な配
慮等が不要になるという効果を奏する。
よび再生を行う場合に、紫外光照射による記録層の劣化
を防ぐことができるので、記録感度の低下を回避できる
と共に、保管の際にも紫外光を遮断するために特別な配
慮等が不要になるという効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例における光メモリ素子の断面
図である。
図である。
【図2】本発明の他の実施例における光メモリ素子の断
面図である。
面図である。
【図3】従来の光メモリ素子の断面図である。
1 透明基板 2 記録層 4 紫外光遮断膜 5 紫外光遮断基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】基板表面に記録膜が設けられた光メモリ素
子において、 光メモリ素子の光入射面側に紫外光遮断膜が設けられて
いることを特徴とする光メモリ素子。 - 【請求項2】基板表面に記録膜が設けられた光メモリ素
子において、 上記基板材料として紫外光遮断材料が用いられているこ
とを特徴とする光メモリ素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044038A JPH06259809A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 光メモリ素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044038A JPH06259809A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 光メモリ素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06259809A true JPH06259809A (ja) | 1994-09-16 |
Family
ID=12680460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5044038A Pending JPH06259809A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 光メモリ素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06259809A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1017045A1 (en) * | 1997-04-08 | 2000-07-05 | Sony Corporation | Optical recording medium |
-
1993
- 1993-03-04 JP JP5044038A patent/JPH06259809A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1017045A1 (en) * | 1997-04-08 | 2000-07-05 | Sony Corporation | Optical recording medium |
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