JPH0625874A - ドライプロセス装置 - Google Patents

ドライプロセス装置

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JPH0625874A JP1298694A JP29869489A JPH0625874A JP H0625874 A JPH0625874 A JP H0625874A JP 1298694 A JP1298694 A JP 1298694A JP 29869489 A JP29869489 A JP 29869489A JP H0625874 A JPH0625874 A JP H0625874A
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Abstract

(57)【要約】 電子出願以前の出願であるので 要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はCVD装置,エッチング装置,スパッ タリング装置として使用できるマグネトロン放電 を利用したドライプロセス装置に係り、特に2種 類の極性の電極を相向い合せて交互に配置し、相 隣り合せた各電極間の空間にマグネトロン放電を 生じさせるようにしたドライプロセス装置に関す る。
〔従来の技術〕 第15図は従来のドライプロセス装置としてのド ライエッチング装置の一例の構成の概要を示す説 明図である。
第15図中1は反応室、2はこの反応室1の下面 に絶縁体9で絶縁されて設けられたカソード電極 であり、その上面に基板3が固定されている。反 応室1内には反応ガス4が流入され、真空ポンプ により排気ガス5が排出される。高周波電源6か ら例えば周波数13.56MHzの高周波電力Phを取出し、 ブロッキングキャパシタ7を経由してカソード電 極2に供給する。カソード電極2の上方と周囲の 反応室1の部分はアノード電極8として作用し、 接地されている。高周波電力Phが接地されたアノ ード電極8に対しカソード電極2に供給されてい るため高周波電界10がカソード電極2上に垂直に 形成される。反応室1の周囲にはカソード電極2 にほぼ平行な方向に磁界11を形成するための一対 のソレノイド12が3組配置されている。
第16図は従来のドライプロセス装置としてのド ライエッチング装置の他例の構成の概要を示す説 明図である。
この従来例はカソード電極2の上方に70mm前後 の十分な距離を隔てて、カソード電極2と平行を 成すようにアノード電極8が配置され接地されて いる以外、上記第15図の従来例と同様の構成にな っている。
これらの従来装置は次のような動作をする。
カソード電極2上に被エッチング基板3を搭載 した後、反応室1内を真空ポンプによって十分に 排気し、反応ガス4を反応室1内に導入して10m Torr程度のガス圧にし、続いて高周波電源6によ って高周波電力Phをカソード電極2に印加し、反 応ガスをプラスのイオンとマイナスの電子等とか らなるプラズマ状に励起する。この高周波電力Ph の供給により、カソード電極2に垂直な方向の高 周波電界10が形成される。
一方、一対のソレノイドコイル12を用いてカソ ード電極2に平行な方向に磁界11が形成される。
基板3の上側の空間に形成されるこのような互い に直交する高周波電界10と磁界11とによって、質 量の軽い電子が磁力線に垂直な方向に軌道半径の 小さい螺旋状のサイクロイド運動を生じ、中性の エッチングガスと激しく衝突して高密度のプラズ マを発生し、この空間にマグネトロン放電13を生 じさせる。
ところで、磁界中の電子はローレンツ力によっ て磁界に垂直な方向にドリフトしていくため、プ ラズマ密度に片流れ分布が生じる。従って反応室 1の周囲に1対のソレノイドコイルを3組配置し、 順番に交番電流を流すことによって見かけ上の回 転磁界を発生させ、プラズマ密度の分布を平均化 して見かけ上均一にしている。
通常,高周波放電励起による反応ガスのイオン 化率は10-4程度と小さいが、マグネトロン放電に よるイオン化率は10-2程度と2桁以上増大するた め、エッチングレートも1桁以上大きくなるとい う利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来装置では、磁界 を回転させない場合、プラズマ密度の分布に片流 れが生じるため、均一なエッチングは困難であっ た。その均一性のバラツキは±30%以上と大きか った。また、カソード電極2とアノード電極8に 印加される直流自己バイアス電圧が著しく異なる ため、カソード電極2上とアノード電極8上にそ れぞれ基板3を1枚以上設置して同時に2枚以上 エッチングすることができなかった。
本発明の目的は、以上述べた固定磁場のもとで は均一にエッチングできないということと、カソ ード,アノード両電極2,8上において同時に比 較的類似した条件でエッチングできないという課 題を解決し、固定磁場のもとで高速にしかも均一 性良く、2種類の極性の電極上で同時に2枚以上 の基板をエッチングでき、また使用方法を選択す ることによって薄膜を形成できるドライプロセス 装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第1装置は上記の課題を解決し、上記 の目的を達成するため、第1,第2図示のように 2種類の極性の電極21,22を相向い合わせて交互 に配置したドライプロセス装置において,各電極 21,22の相向い合った内側の面の少なくとも1面 以上に少なくとも1枚以上の基板3を設置し、各 電極21,22にほぼ平行となるように磁界11を印加 し、同一周波数の交流電力Phを各電極21,22にそ れぞれ任意の位相差のもとで位相を同期させてブ ロッキングキャパシタ7を経由して供給し、相隣 り合わせた各電極21,22間の間隔を各電極21,22 間の空間を電子がほぼ無衝突で往来できる程度の 距離とし、その各電極21,22間の空間にマグネト ロン放電を生じさせる構成としたものである。
本発明の第2装置は同じ課題を解決し、同じ目 的を達成するため、第3図示のように2種類の極 性の電極21,22を相向い合わせて交互に配置した ドライプロセス装置において,各電極21,22の相 向い合った内側の面の少なくとも1面以上に少な くとも1枚以上の基板3を設置し、各電極21,22 にほぼ平行となるように磁界11を印加し、同一周 波数の交流電力Phを各電極21,22にそれぞれほぼ 同位相でブロッキングキャパシタ7を経由して供 給し、反応室1または反応室内側の他の電極を接 地し、相隣り合わせた各電極21,22の間隔を各電 極21,22間の空間を電子がほぼ無衝突で往来でき る程度の距離とし、その各電極21,22間の空間に マグネトロン放電を生じさせる構成としたもので ある。
本発明の第3装置は同じ課題を解決し、同じ目 的を達成するため2種類の極性の電極21,22を相 向い合わせて交互に配置したドライプロセス装置 において,各電極21,22の相向い合った内側の面 の少なくとも1面以上に少なくとも1枚以上の基 板3を設置し、各電極21,22にほぼ平行となるよ うに磁界11を印加し、負の直流電圧を各電極21, 22に印加し、正の直流電圧を反応室1または反応 室内側の他の電極に印加し、相隣り合わせた各電 極21,22間の間隔を各電極21,22の空間を電子が ほぼ無衝突で往来できる程度の距離とし、相隣り 合わせた各電極21,22の空間にマグネトロン放電 を生じさせる構成としたものである。
本発明の第4装置は同じ課題を解決し同じ目的 を達成するため、第4,第5図示のように2種類 の極性の電極21,22を相向かい合わせて交互に配 置したドライプロセス装置において、各電極21, 22の相向かい合った内側の面の少なくとも1面以 上に少なくとも1枚以上の基板3を設置し、各電 極21,22にほぼ平行となるように磁界11を印加し、 同一周波数,任意の電力比の交流電力Ph1,Ph2を 各電極21,22または各電極21,22上の基板3,3 にそれぞれ任意の位相差のもとで位相を同期させ てブロッキングキャパシタ7を経由して供給し、 相隣り合わせた各電極21,22間の間隔並びにその 空間に導入しこれより排気する反応ガス4の圧力 をそれぞれ各電極21,22間の空間を電子がほぼ無 衝突で往来できる程度の距離及び圧力とし、その 各電極21,22間の空間にマグネトロン放電を生じ させる構成としたものである。
本発明の第5装置は同じ課題を解決し、同じ目 的を達成するため、第8,9図示のように2種類 の極性の電極21,22を相向かい合わせて交互に配 置したドライプロセス装置において、各電極21, 22の相向かい合った内側の面の少なくとも1面以 上に少なくとも1枚以上の基板3を設置し、各電 極21,22にほぼ平行となるように磁界11を印加し、 負の直流電圧を任意の電力比で各電極21,22に印 加し、正の直流電圧または接地電圧を反応室1ま たは反応室内側の他の電極に印加し、相隣り合わ せた各電極21,22間の間隔並びにその空間に導入 しこれより排気する反応ガス4の圧力をそれぞれ 各電極21,22間の空間を電子がほぼ無衝突で往来 できる程度の距離及び圧力とし、その各電極21, 22間の空間にマグネトロン放電を生じさせる構成 としたものである。
〔作 用〕
第1装置において各電極21,22の相向い合った 内側の少なくとも1面以上に少なくとも1枚以上 の基板3を設置する。排気装置で反応室1内を十 分に排気した後、反応ガス4を導入し、約1〜100 mTorr程度又はそれ以下の圧力となるように調整 する。基板3上で約50〜500ガウス程度の強度を 有する磁界11を各電極21,22にほぼ平行となるよ うに印加する。
交流電源6の電力Phを各電極21,22にそれぞれ ブロッキングキャパシタを経由して供給し、印加 された電力Phによって基板3上に電界10を形成す る。電界10と磁界11が直交するため、マグネトロ ン放電13が形成される。このマグネトロン放電13 によってプラズマが発生し、プラズマ中の軽い電 子の一部分が各電極21,22に流れ出し、ブロッキ ングキャパシタ7によって蓄積され、負の直流自 己バイアスを形成する。
この直流自己バイアス電圧の形成にともなって 各電極21,22の近傍に正イオン密度の高いイオン シースが形成される。各電極21,22のイオンシー ス部で形成される直流自己バイアス電圧に対応す る電界10はそれぞれ電極21,22に向かい互いに逆 向きとなる。磁界11の向きはそれぞれ同じ方向で、 電界10の向きがそれぞれ逆方向であるため、各電 極21,22から放出される2次電子に働くローレン ツ力の向きが逆になり、相向い合う一方の電極21 の近傍では紙面の裏側(向こう側)のプラズマ密 度が高く紙面の表側(手前側)で低くなる。逆に 他方の電極22の近傍では向こう側のプラズマ密度 が低く、手前側で高くなる。
両電極21,22間の距離が十分に短く,各電極21 ,22間の空間を電子がほぼ無衝突で往来できる程 度の距離とすると,一方の電極21と他方の電極22 でそれぞれ形成されたプラズマが分離することな く互いに混じり合い,プラズマ密度の分布がほぼ 均一となる。従って磁界11を回転させることなく ほぼ均一なプラズマを形成することができる。
マグネトロン放電によるプラズマのイオン化率 は通常の高周波放電によるプラズマのイオン化率 よりも2桁以上高いので、本発明によるドライエ ッチングでは従来に比べて1桁以上高速となる。
この第1装置では反応ガス4としてSiH4等の成膜 用ガスを用いれば、CVD装置として使え、CF4 等のエッチングガスを用いればエッチング装置と して使え、Ar等のスパッタリング用ガスを用いれ ばスパッタリング装置として用いることが可能で ある。
第2装置において一方の電極21と他方の電極22 を電気的に接続して等電位にし、ブロッキングキ ャパシタ7を経由して交流電源6よりなる交流電 力Phを各電極21,22にほぼ同位相で供給する。反 応室1または反応室内側の他の電極は接地する。
上記第1装置と同様に各電極21,22間にほぼ平行 となるように磁界11を印加する。
この第2装置は上記第1装置と同様に反応ガス 4としてSiH4等の成膜用ガスを用いればCVD装 置として使え、CF4等のエッチングガスを用いれ ばエッチング装置として使え,Ar等のスパッタリ ング用ガスを用いればスパッタリング装置として 用いることが可能である。また、プラズマ発生の 原理は正イオンの衝突により各電極21,22から2 次電子が放出され、電極21,22間の空間に形成さ れた磁力線に沿ってその回りを円形に回転運動し ながら捕獲され、その回転運動する電子が反応ガ ス4と衝突して電離することにあるので、ほぼ均 一な磁界中においてはプラズマ密度分布がほぼ均 一になると共に、マグネトロン放電13によるプラ ズマのイオン化率も通常の交流放電によるプラズ マのイオン化率よりも2桁以上高くなり、ドライ エッチングを従来に比べて1桁以上高速にできる。
また第3装置は第2装置において交流電源6を 用いたのに対し、交流電源6に代えて直流電源を 用いた場合であり、直流電源を用いた場合にはブ ロッキングキャパシタ7は不要で、各電極21,22 に直接、負の電圧を印加し、反応室1またはその 内側の他の電極に直接、正の電圧を印加する以外、 同様に説明することができる。
第4装置において各電極21,22の相向かい合っ た内側の少なくとも1面以上に少なくとも1枚以 上の基板3を設置する。排気装置で反応室1内を 十分に排気した後、反応ガス4を反応室1内に導 入して約1〜100mTorr程度またはそれ以下の圧力 となるように調整する。基板3上で約50〜500ガ ウス程度の強度を有する磁界11を各電極21,22に ほぼ平行となるように印加する。
同一周波数,任意の電力比及び任意の位相差で 同期する2つの交流電源16,26の電力Ph1,Ph2を 各電極21,22にそれぞれブロッキングキャパシタ 7を経由して供給し、印加された電力Ph1,Ph2に よって基板3上に電界10を形成する。電界は電力 Ph1,Ph2の位相差及び電力比に応じてその方向が 変化するが、電界10が磁界11と直交する成分に応 じて直交する電界と磁界の作用によりマグネトロ ン放電が形成される。このマグネトロン放電13に よってプラズマが発生し、プラズマ中の軽い電子 の一部が各電極21,22に流れ出し、ブロッキング キャパシタ7によって蓄積され、負の直流自己バ イアスを形成する。
この直流自己バイアス電圧の形成にともなって 各電極21,22の近傍に正イオン密度の高いイオン シースが形成される。イオンシース部では高濃度 の正イオンが存在する正イオンの移動度は非常 に小さいため、イオンシース部の電気抵抗は大き くなり、強い電界が各電極21,22に垂直に印加さ れるようになる。その形成される電界の方向はそ れぞれ電極21,22に向かい互いに逆向きとなる。
電極21,22間の間隔が各電極21,22間の空間を ほぼ無衝突で往来できる程度の距離とした場合、 磁力線の回りを回転運動する電子は電極表面上に イオンシースが形成されるため、イオンシース中 に飛び込んだ電子は強い電界によって反発され反 対方向に戻される。従って狭い電極21,22間で回 転運動する電子はその空間内で大きく左右方向に ドリフトすることなくガス分子と衝突するまで回 転し続ける確率が高い。各電極21,22間の空間に 導入しこれより排気する反応ガス4の圧力が各電 極21,22間の空間を電子がほぼ無衝突で往来でき る程度の圧力とすと、電子はプラズマ発生条件下 において約1回転前後自由に回転しガス分子と衝 突することになる。電子がガス分子中で衝突する まで自由に動き回れる距離を平均自由行程という が、電子の平均自由行程がガス圧力に反比例する ため、電子が1回転以上回転できるようにするた めには、ガス圧を上記圧力以下とする必要がある。
即ち、電極21,22間の間隔並びにその空間に導 入しこれより排気する反応ガス4の圧力がそれぞ れ各電極21,22間の空間を電子がほぼ無衝突で往 来できる程度の距離及び圧力とした場合は電子が 各電極21,22間の空間をほとんど左右にドリフト することなく回転し続け、その空間内のガス分子 と衝突しイオンとかラジカルよりなるプラズマを 生成する。換言すれば電極21,22の間隔が狭い場 合、その狭い空間内に多数の電子が流れ込んで効 率よくガス分子と衝突するため、従来のマグネト ロンプラズマより、より密度の高いプラズマが発 生し、しかも左右方向の電子のドリフトが少ない ため、均一性のよいプラズマが発生する。
マグネトロン放電によるプラズマのイオン化率 は通常の交流放電によるプラズマのイオン化率よ りも2桁以上高いので、本発明によるドライエッ チングでは従来に比べて1桁以上高速となる。こ の第4装置では反応ガス4としてSiH4等の成膜用 ガスを用いればCVD装置として使え、CF4等の エッチングガスを用いればエッチング装置として 使え、Ar等のスパッタリング用ガスを用いればス パッタリング装置として用いることが可能である。
第5装置は第4装置において交流電源16,26に 代えて直流電源15,25を用いた例であり、直流電 源15,25を用いた場合にはブロッキングキャパシ タ7は不要で、各電極21,22に直接、負の直流電 圧を印加し、反応室1またはその内側の他の電極 を直接、接地する以外、上記第4装置と同様に説 明することができる。
〔実施例〕 以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明装置の第1実施例の構成の概要 を示す説明図で、第15図及び第16図に示した従来 装置の構成部分と同様な構成部分については同一 の符号を付してある。21は上部電極で、22は下部 電極である。
この第1実施例ではプラズマ放電を安定させる ために高周波電源6の一端は接地してあるが、必 ずしも接地する必要はない。高周波電源6の一端 が接地していない場合、反応室1は接地する方が 良いが、高周波電源6の一端が接地している場合、 反応室1は電気的に浮遊状態が好ましい。
また、この第1実施例では高周波電源6は1台 であるが、180゜の位相差すなわち逆位相で同期 し、同一パワーに制御された2台1組の高周波電 源を用いて各電源から各ブロッキングキャパシタ 7を経由して、それぞれ電極21,22に高周波電力 を供給しても同等の作用効果が得られる。この場 合、上下電極に供給する電力の量と位相差を変え ることが可能であり、上下電極間に供給する電力 量の比と位相差を適当に調整することにより両電 極21,22間に発生するプラズマの分布を最適化す ることが可能となる。
また磁界印加のためのソレノイドコイル12は他 の磁界印加手段でも良く、例えば棒状の永久磁石 を組み合わせたものでもよく、基板3上にほぼ平 行な磁界11を印加できる手段ならば構成を問わな い。磁界は固定しておいても十分なプラズマ密度 の均一性が得られるが、両電極21,22面に平行と なるように回転させれば更に平均化されて均一性 が向上する。
基板3は2つの電極21,22上にそれぞれ配置し てあるが、必ずしも両電極21,22上に配置する必 要はなく、いずれかの電極上のみであっても良い。
上部電極21と下部電極22はできるだけ対称である ことが望ましいので、平行に配置し面積はなるべ く1:1に近づける。その時上部電極21用と下部 電極22用のブロッキングキャパシタ7,7はでき るだけ等しい容量とするのが好ましい。
この第1実施例において上部電極21と下部電極 22に基板3を配置する。真空ポンプで反応室1を 十分に排気した後、反応ガス4を導入し約1〜100 mTorr程度またはそれ以下の圧力となるように調 整する。ソレノイドコイル12に電流を流し、基板 3上で約50〜500ガウス程度の強度を有する磁界 11を各電極21,22にほぼ平行となるように印加す る。高周波電源6の電力Phを上部電極21と下部電 極22にそれぞれ逆位相でブロッキングキャパシタ 7を経由して供給する。印加された電力Phによっ て基板3上に電界10が形成される。電界10と磁界 11が直交するため、マグネトロン放電(破線で示 す)13が形成される。このマグネトロン放電13に よってプラズマが発生し、プラズマ中の軽い電子 の一部が上部電極21と下部電極22に流れ出し、ブ ロッキングキャパシタ7によって蓄積され、負の 直流自己バイアス電圧を形成する。
この直流自己バイアス電圧の形成にともなって 上部電極21と下部電極22の近傍に正のイオン密度 の高いイオンシースが形成される。上部電極21と 下部電極22のイオンシース部で形成される直流自 己バイアス電圧に対応する電界10はそれぞれ上向 きと下向きとなって互いに逆向きとなる。磁界11 の向きはそれぞれ同じ方向で、電界10の向きがそ れぞれ逆方向であるため、各電極21,22から放出 される2次電子に働くローレンツ力の向きが逆に なり、上部電極21の近傍では紙面の裏側(向こう 側)のプラズマ密度が高く、紙面の表側(手前側) で低くなる。逆に下部電極22の近傍では向こう側 のプラズマ密度が低く、手前側で高くなる。
両電極21,22間の距離が十分短く、各電極21, 22間の空間を電子がほぼ無衝突で往来できる程度 の距離とすると,上部電極21と下部電極22でそれ ぞれ形成されたプラズマが分離することなく互い に混じり合いプラズマ密度の分布がほぼ均一とな る。従って磁界を回転させることなくほぼ均一な プラズマを形成できる。勿論、磁界を回転させる ことにより均一性は更に向上する。電極21,22の 間隔はやや狭くして、約1cm〜5cm程度が好まし い。
マグネトロン放電によるプラズマのイオン化率 は通常の高周波放電によるプラズマのイオン化率 よりも2桁以上高いので、この第1実施例による 装置でのドライエッチングでは、従来に比べて1 桁以上高速にできる。
この装置は反応ガス4としてSiH4等の成膜用ガ スを用いれば、CVD(ケミカルベーパデポジシ ョン)装置として使え、CF4等のエッチングガス を用いればエッチング装置として使え、Ar等のス パッタリング用ガスを用いればスパッタリング装 置として用いることが可能である。
第2図は本発明装置の第2実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第1図に示した装置の構 成部分と同様な構成部分については同一の符号を 付してある。
この第2実施例では第1実施例の上部電極21の 枚数を2枚とし、下部電極22の枚数を2枚として、 上,下部電極21,22を平行に交互に配置し、上, 下部電極21,22をそれぞれ接続した構成となって いる。各電極21,22間に発生するプラズマの状態 を等しくするため、隣り合う電極21,22間の間隔 を等しくし、各電極の面積をほぼ等しくし、上部 電極用と下部電極用のブロッキングキャパシタ7 ,7の容量をほぼ等しくすることが好ましい。
この装置の用途,動作手順並びに動作状態は第 1図に示したドライプロセス装置とほぼ同じであ る。この装置は1度に6枚の基板3を処理するこ とが可能であるが、各電極21,22面に2枚以上の 基板3を設置することにより12枚以上の基板3を 一度に処理することが可能となる。また全電極21 ,22の枚数は3枚または5枚以上でもよく、その 場合上部電極21と下部電極22を交互に配置する必 要がある。各電極21,22は互いに平行であること が好ましいが、必ずしも平面である必要はなく曲 面であってもよい。各電極21,22への高周波電力 Phの供給方法は第1実施例と同様であり、供給方 法に応じて反応室1を接地したり、浮遊状態にし たりすることが好ましい。
第3図は本発明装置の第3実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第1,第2図に示した装 置の構成部分と同様な構成部分については同一の 符号を付してある。
この第3実施例では上部電極21と下部電極22を 電気的に接続して等電位にし、ブロッキングキャ パシタ7を経由して高周波電源6より高周波電力 Phを各電極21,22に同位相で同期させて供給する。
反応室1は接地する。この高周波電源6は、ほぼ 同位相で同期し、同一出力に制御された2台1組 の高周波電源を用いても同等の作用効果が得られ る。この場合、2台の高周波電源からブロッキン グキャパシタを経て各上下電極に供給する電力の 量と位相差を変えることが可能であり、上下電極 間に供給する電力量の比と位相差を適当に調整す ることにより両電極21,22間に発生するプラズマ の分布を最適化することが可能となる。それぞれ の高周波電源の一端が接地している場合、反応室 は接地状態にあるのが好ましい。磁界11の印加方 法は第1及び第2実施例と同様にソレノイドコイ ル12を用いて各電極21,22に平行となるように磁 界11を印加する。プラズマの均一性を向上させ、 高密度プラズマを生成させるために各電極21,22 の間隔をやや狭くすることが好ましく、約1cm〜 5cm程度が好ましい。このような間隔にすること により各電極21,22間の空間を電子がほぼ無衝突 で往来可能となる。また各電極21,22は反応室1 内において導線又は導体板によって電気的に接続 しても同等の効果が得られる。
電源に関しては第1及び第2実施例では高周波 電源6を用いたが、本実施例では高周波電源6の 代わりに直流電源を用いることも可能である。直 流電源を用いる場合はブロッキングキャパシタ7 は不要で、各電極21,22に直接、負の電圧を印加 し、反応室1またはその内側の他の電極に直接、 正の電圧を印加する。基板3は各電極21,22に1 枚以上設置することも可能であるが、どちらかの 電極に1枚だけ設置しても良い。
この第3実施例は第1及び第2実施例の装置と 同様に、反応ガス4としてSiH4等の成膜用ガスを 用いれば、CVD装置として使え、CF4等のエッ チングガスを用いればエッチング装置として使え, Ar等のスパッタリング用ガスを用いればスパッタ リング装置として用いることが可能である。また プラズマ発生のための条件は第1及び第2実施例 で示した条件とほとんど同じである。
第3実施例では電極21,22の枚数を2枚のみと したが、第2実施例と同様に3枚以上でもよく、 その時各電極21,22を電気的に接続して等電位と なるようにし、各電極の面積をほぼ等しくし、電 極間隔をほぼ等しくし、それぞれが平行となるよ うに配置することが好ましい。この場合、相向か い合った面に基板3を4枚以上設置することが可 能である。
第1から第3実施例ではプラズマ発生用電源と して高周波電源を用いたが、周波数は問題ではな く、低周波電源でも良い。
第4図は本発明装置の第4実施例の構成の概要 を示す説明図で、第16図に示した従来装置の構成 部分と同様な構成部分については同一の符号を付 してある。21は上部電極で22は下部電極である。
この第4実施例では上部電極21と下部電極22に それぞれ独立して高周波電力Ph2,Ph1を供給する ための高周波電源26,16が設けられている。この 2台の高周波電源26,16はフェーズシフター17に よって任意の位相差のもとに同一周波数で発振す るように制御されている。高周波電力Ph1,Ph2は 独立して制御可能である。
また、磁界印加のためのソレノイドコイル12は 他の磁界印加手段でも良く、例えば棒状の永久磁 石を向き合わせたものでも良く、基板3上にほぼ 平行な磁界11を印加できる手段ならば構成を問わ ない。磁界は固定しておいても十分なプラズマ密 度の均一性が得られるが、両電極21,22面に平行 となるように回転させれば更に平均化されて均一 性が向上する。
基板3は2つの電極21,22上にそれぞれ配置し てあるが、必ずしも両電極21,22上に配置する必 要はなく、いずれかの電極上のみであっても良い。
上部電極21と下部電極22はできるだけ対称で、同 面積であることが好ましいが、平行に配置すれば 多少上部電極21と下部電極22の面積に相違があっ ても構わない。
この第4実施例において上部電極21と下部電極 22に基板3を配置する。真空ポンプで反応室1を 十分に排気した後、反応ガス4を反応室1内に導 入し約1〜100mTorr程度またはそれ以下の圧力と なるように調整する。ソレノイドコイル12に電流 を流し、基板3上で約50〜500ガウス程度の強度 を有する磁界11を各電極21,22にほぼ平行となる ように印加する。
フェーズシフター17によって任意の位相差で同 期する高周波電源16,26の電力Ph1,Ph2を各電極 21,22にそれぞれ任意の位相差,任意の電力比で ブロッキングキャパシタ7を経由して供給し、印 加された電力Ph1,Ph2によって基板3上に電界を 形成する。電界は電力Ph1,Ph2の位相差及び電力 比に応じてその方向が変化するが、電界が磁界11 と直交する成分に応じて直交する電界と磁界の作 用によりマグネトロン放電が形成される。このマ グネトロン放電によってプラズマが発生し、プラ ズマ中の軽い電子の一部分が上,下部電極21,22 に流れ出し、ブロッキングキャパシタ7によって 蓄積され、負の直流自己バイアスを形成する。こ の直流自己バイアス電圧の形成にともなって上, 下部電極21,22の近傍に正イオン密度の高いイオ ンシースが形成される。イオンシース部では高濃 度の正イオンが存在するが、正イオンの移動度は 非常に小さいため、イオンシース部の電気抵抗は 大きくなり、強い電界が各電極21,22に垂直に印 加されるようになる。上,下部電極21,22のイオ ンシース部で形成される自己バイアス電圧に対応 する電界の方向はそれぞれ電極21,22に向かい即 ち、上向きと下向きになって互いに逆向きとなる。
この電界によって正イオンが加速され、上,下部 電極21,22に衝突し2次電子を放出する。
このような状況下において電極21,22の間隔を 変化させると以下に述べるような相違が発生する。
第10図(a)は例えば電極21,22の間隔が60〜100 mm程度と広い場合のプラズマ中の電子の運動状況 を示している。電極間隔が十分に広いため、各電 極21,22より放出された2次電子は直交する電界 と磁界の作用により左右にドリフトする。このよ うな運動をサイクロイド運動と呼ぶ。上部電極21 より放出された2次電子は右側に、下部電極22よ り放出された2次電子は左側にドリフトするため、 電極21,22の空間では比較的プラズマの均一性が 良くなる。
しかし左右方向に運動する電子は電極21,22の 空間の両端に蓄積されるため、空間の両端のプラ ズマ密度が著しく濃くなり、エッチングとかCV Dのプロセスにおいて面内均一性が悪くなるとい う欠点を有する。
第4実施例では上,下部電極21,22より放出さ れた2次電子は、第10図(b)示のような軌跡を取り ながら運動する。第10図(b)は例えば電極間隔が10 〜30mm程度と狭い場合のプラズマ中の電子の運動 状況を示している。例えば磁界と自己バイアス電 圧の大きさを通常よく用いられる値である150ガ ウスと200Vとすると、電子の回転半径すなわち ラーモア半径は4mm程度となる。従って回転運動 の直径は8mm程度である。8mm前後の直径で磁力 線の回りを回転運動する電子は10〜30mm程度の電 極間においては運動の際対向する電極に接近する 確率が高い。対向電極においては電極表面上にイ オンシースが形成されているため、イオンシース 中に飛び込んだ電子は強い電界によって反発され 反対方向に戻される。従って狭い電極間で回転運 動する電子はその空間内で大きく左右方向にドリ フトすることなくガス分子と衝突するまで回転し 続ける確率が高い。
即ち第10図(b)においては電極間隔を10〜30mm程 度と狭くしているので、1Pa(7.5mTorr)程度の圧 力のガス中では電子は平均50mm程度無衝突で運動 でき、各電極21,22間の空間をほぼ無衝突で往来 できる。電子がガス分子中で衝突するまで自由に 動き回れる距離を平均自由行程という。直径8mm の円の1周は約25mmである。電子の平均自由行程 が25mmとなるガスの圧力はガスの種類によって多 少異なるが10mTorr前後である。従って10mTorr のガス中で、電子は上記のプラズマ発生条件下に おいて約1回転前後自由に回転しガス分子と衝突 することになる。電子の平均自由行程はガスの圧 力に反比例するため、電子が1回転以上回転でき るようにするためにはガス圧を10mTorr前後以下 とする必要がある。すなわち電極間隔が10〜30mm 程度の場合、ガス圧が10mTorr前後以下では、電 子は2枚の電極21,22間の空間をほとんど左右に ドリフトすることなく回転し続け、その空間内の ガス分子と衝突し、イオンとラジカルよりなる プラズマを生成する。
この電極間隔が10〜30mm程度と狭い場合、その 狭い空間内に多数の電子が流れ込んで効率良くガ ス分子と衝突するため、従来のマグネトロンプラ ズマより、より密度の高いプラズマが発生する。
このように発生するプラズマ密度が高いので、プ ラズマ中に印加される電界10は弱く、直交電磁界 による左右方向への電子のドリフトも少ない。す なわち、第10図(a)と異なって第10図(b)においては 左右方向への電子のドリフトが少ないため、各電 極21,22から放出された電子は各電極21,22間の 空間を磁力線を中心として回り続け、効率よくガ ス分子と衝突し、均一性の良いプラズマが発生す る。第10図(a)においては電極21,22双方から放出 された電子の交わりが少ないため、そのプラズマ 密度は従来のマグネトロンプラズマの密度と比較 してそれほど大きくは増大しない。しかし第10図 (b)に示したように上,下部電極21,22間の間隔を 10〜30mm程度と接近し、回転運動の直径約8mm前 後と比較して4倍以内と狭くし、ガス圧を10mTor r前後以下と低くすることにより従来のマグネト ロンプラズマと異なってさらにプラズマ密度を高 くすることができ、上,下部電極21,22で形成さ れたプラズマが分離することなく互いに混り合う のでプラズマ密度分布の均一性を高くすることが 可能となる。しかも、上,下部電極21,22から放 出された電子が狭い空間内で効率良くプラズマを 生成するため、通常のマグネトロンプラズマと比 較して2倍前後プラズマ密度の高い高密度プラズ マを生成する。従って磁界を回転させることなく ほぼ均一な高密度プラズマを形成できる。磁界を 回転させることにより均一性は更に向上する。
第11図は1Paの圧力のCHF3ガスを第4実施例に よる装置に導入して得られたプラズマの発光スペ クトルである。656.3nmの波長の輝線スペクトル は水素のα線スペクトル(Hα)である。このHα 線の強度はCHF3の分解によって発生する水素原子 の発光強度を示しており、CHF3の分解の度合すな わちプラズマ密度を示している。幸いにしてHα 線付近のノイズ光は少ないので、Hα線の強度の 比較によってプラズマ密度の比較ができる。
第12図は第4実施例による装置中にCHF3ガスを 導入してそのガス圧を0.4〜10Paと変化した場合 のHα線の放射強度の依存性を示したグラフであ る。ガスの圧力が10Paから0.4Paと低下しても放 射強度はほとんど変化しない。このような10Paか ら0.4Paのガス圧の低下はガス分子密度に換算し て40倍程度稀薄になっていることになるが、発光 しているプラズマの密度に変化はない。すなわち 第4実施例による装置ではガス圧が1Pa前後以 下と低下するにしたがってプラズマの生成効率が 高くなっている。
上部電極21と下部電極22に供給されている電力 Ph2とPh1の位相差とプラズマの均一性の間の関 係には次のようなものがある。位相差0を中心と して±40゜程度の範囲においてはプラズマの均一 性はかなり良く、目視にてほとんど均一に見える。
このような状況において基板3をエッチングする と磁界11を静止した時、±15%前後の良い均一性 が得られる。同様にして磁界11を回転させると± 3%前後の高均一エッチングができる。
次に位相差を大きくして180゜を中心として± 40゜程度の範囲に設定するとプラズマの均一性が いくらか劣化し、目視にても上,下部電極21,22 間の空間の両端にやや強いプラズマの発光が見ら れる。この両端は磁力線11に垂直な方向に位置し ている。この発光の強いプラズマ付近の基板3は ややエッチング速度が大きくエッチングの面内均 一性を悪くしている。このような状況において磁 界11を固定して基板3をエッチングすると±30% 前後のエッチング均一性が得られる。同様にして 磁界11を回転させると±3%前後の高均一エッチ ングができる。これ以外の位相差の範囲では0゜ 付近と180゜付近で得られるプラズマの均一性の 中間的な均一性が得られる。
プラズマ密度と位相差の間には余り強い関係は なく、任意の位相差において従来のマグネトロン プラズマより濃いプラズマが発生する。従ってど の位相差においても従来のマグネトロンプラズマ より高速にエッチング可能である。この位相差の 議論において電極21または22とその上の基板3の 間に絶縁性の誘電体の板等を配置した場合、電極 21または22とその基板3の間で高周波電力に位相 差が発生することがある。この場合、問題となっ ている高周波電力Ph1,Ph2の位相差は基板3上に 印加されている高周波電力Ph1,Ph2の間の位相差 をもって定義し、考慮するのが好ましい。
上,下部電極21,22に供給される電力Ph2,Ph1 の電力比はプラズマの均一性に微妙に影響する。
上下部電極21,22の一方又は両方に供給する電力 を十分大きくすると濃いプラズマが発生する。こ の場合どちらか一方に供給する電力を0として接 地するとプラズマが極端に不均一になりプラズマ 密度もかなり減少する。例えば上部電極21に供給 する電力Ph2を十分大きくし、下部電極22に供給 する電力Ph1をやや小さくすると、上,下部電極 21,22間の空間に高密度のプラズマが発生する。
上部電極21の自己バイアス電圧は大きくなりイオ ンシースも厚くなり、基板3に入射する正イオン の運動エネルギーも大きくなる。下部電極22の自 己バイアス電圧は小さくなり、イオンシースは薄 くなり、基板3に入射する正イオンの運動エネル ギーは小さくなる。従ってこのような場合、上部 電極21は大きなイオンエネルギーで高速に基板3 をエッチングするとかスパッタリング等のプラズ マ処理をするのに適しており、下部電極22は小さ なイオンエネルギーでやや高速にしかもイオンの 衝突損傷を少なくしてエッチングするとかCVD 等のプラズマ処理をするのに適している。
上,下部電極21,22に供給する電力Ph2,Ph1を ほぼ等しくすると上,下部電極21,22上の基板3 をほぼ等しい条件でエッチングするとかCVD等 のプラズマ処理をするのに適している。従って上, 下部電極21,22の両方に供給する電力の総和に対 する上,下部電極21,22の一方に供給する電力の 割合が20〜80%程度となる時は従来のマグネトロ ンプラズマより濃い高密度プラズマが発生する。
両電極21,22間の距離が十分短く、各電極21, 22間の空間を電子がほぼ無衝突で往来し回転でき る程度の距離とすると、上部電極21と下部電極22 より放出された電子が上,下部電極21,22間の空 間をほどよく混じり合いながら回転し続けるため、 従来のマグネトロンプラズマより濃い密度のプラ ズマが発生し、ほぼ均一となる。従って磁界を回 転させることなくほぼ均一なプラズマを形成でき る。勿論、磁界を回転させることにより均一性は 更に向上する。
マグネトロン放電によるプラズマのイオン化率 は通常の高周波放電によるプラズマのイオン化率 よりも2桁以上高いので、この第4実施例による 装置でのドライエッチングでは、従来に比べて1 桁以上高速にできる。
この装置は反応ガス4としてSiH4等の成膜用ガ スを用いれば、CVD(ケミカルベーパデポジシ ョン)装置として使え、CF4等のエッチングガス を用いればエッチング装置として使え、Ar等のス パッタリング用ガスを用いればスパッタリング装 置として用いることが可能である。
第5図は本発明装置の第5実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第4図に示した装置の構 成部分と同様な構成部分については同一の符号を 付してある。
この第5実施例では第4実施例の上部電極21の 枚数を2枚とし、下部電極22の枚数を2枚とし、 上,下部電極21,22を平行に交互に配置し、上, 下部電極21,22をそれぞれ接続した構成となって いる。各電極21,22間に発生するプラズマの状態 を等しくするため隣合う電極21,22間の間隔を等 しくし、各電極21,22の面積をほぼ等しくし、上 部電極用と下部電極用のブロッキングキャパシタ 7,7の容量をほぼ等しくすることが好ましい。
この装置の用途,動作手順並びに動作状態は第 4図に示したドライプロセス装置とほぼ同じであ る。この装置は1度に6枚の基板3を処理するこ とが可能であるが、各電極21,22面に2枚以上の 基板3を設置することにより12枚以上の基板3を 一度に処理することが可能となる。また全電極21 ,22の枚数は3枚または5枚以上でもよく、その 場合上部電極21と下部電極22を交互に配置する必 要がある。各電極21,22は互いに平行であること が好ましいが、必ずしも平面である必要はなく曲 面であってもよい。各電極21,22間の間隔及び各 電極21,22への高周波電力Ph1,Ph2の供給方法は 第4実施例と同様である。
第6図は本発明装置の第6実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第4,第5図に示した装 置の構成部分と同様な構成部分については同一の 符号を付してある。
この第6実施例では上,下部電極21,22に供給 する電力を1台の高周波電源6の発生する電力Ph を電力分配器27を経由して分配し供給している。
電力分配器27の構成は例えば1入力2出力の電力 分配用トランス,コイルと可変コンデンサよりな る位相調整器,上,下部電極とのインピーダンス 整合用のマッチングボックスの組合せより成って いる。マッチングボックス内の出力段にはブロッ キングキャパシタ7も内蔵されている。これらの 電力分配用トランス,位相調整器,マッチングボ ックスの使用台数及び接続方法,順序の組合せは 何種類か存在するが、1入力に対して電力比,位 相差を任意に制御可能な装置はすべて同等の装置 と見なせる。電力分配器には必ずしもこれら電力 分配用トランス,位相調整器,マッチングボック スすべてが必要であるということはなく、例えば 1台のマッチングボックスからの出力を単純に2 分岐しても同等の効果が得られる。ただこの場合 は電力の分配率とか位相差の制御が容易でなくプ ラズマの発生条件の最適化が容易ではない。比較 的単純で部品数の少ない低コストの装置に向いて いる。しかし1入力に対して適当な電力比,位相 差をもった2出力を得られる装置はいかに簡単な 構成であっても電力分配器と見なせる。
この電力分配器27を用いることにより、高周波 電源6の高周波電力PhをPh1とPh2の任意の電力 比,位相差をもった2電力に分配でき、下部電極 22と上部電極21に供給可能となる。このように1 台の高周波電源6でも第4実施例同様にあたかも 2台の高周波電源16,26を用いた場合と同等の動 作が可能である。従って使用する高周波電源の数 が1台であることを除けば、この装置の用途,動 作手順並びに動作状態は第4図に示したドライプ ロセス装置とほぼ同じである。
第7図は本発明装置の第7実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第6図に示した装置の構 成部分と同様な構成部分については同一の符号を 付してある。
この第7実施例では第5実施例のドライプロセ ス装置同様に第6実施例の上部電極21の枚数を2 枚とし、下部電極22の枚数を2枚として、上,下 部電極21,22を平行に交互に配置し、上,下部電 極21,22をそれぞれ接続した構成となっている。
各電極21,22間に発生するプラズマの状態を等し くするため、隣り合う電極21,22間の間隔を等し くし、各電極の面積をほぼ等しくし、上部電極用 と下部電極用のブロッキングキャパシタの容量を ほぼ等しくすることが好ましい。
この装置の用途,動作手順並びに動作状態は第 6図に示したドライプロセスとほぼ同じである。
またこの装置の電極の枚数,配置状態等,そして 電極上に設置する基板3の枚数,配置状態等,そ して各電極21,22への高周波電力Ph1,Ph2の供給 方法は第5実施例と同様である。
第8図は本発明装置の第8実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第4図に示した装置の構 成部分と同様な構成部分については同一の符号を 付してある。
この第8実施例では上部電極21と下部電極22に 電力を供給するため2台の直流電源25と15を用い ている。この場合第4実施例等と異なりブロッキ ングキャパシタ7は不要であり、直接直流電力を 供給するため直流電源15,25のマイナス側を下部 電極22,上部電極21に直接,接続する。直流電源 15,25のプラス側は反応室1に接続するか接地す る。直流電源を接地する時は反応室1も接地する。
上,下部電極21,22に供給する電力を任意に制御 するため各直流電源25,15の出力電圧は任意に制 御可能とする。上,下部電極21,22に供給する電 力を任意に制御するため第8実施例では2台の直 流電源を用いているが必ずしも2台の直流電源が 必要なのではなく、1台の直流電源の出力を抵抗 分割等で2分割して上,下部電極21,22に供給し ても同等の動作が可能である。
この第8実施例は第4及び第6実施例の装置と 同様に、反応ガスとしてSiH4等の成膜用ガスを用 いれば、CVD装置として使え、CF4等のエッチ ングガスを用いればエッチング装置として使え、 Ar等のスパッタリング用ガスを用いればスパッタ リング装置として用いることが可能である。また プラズマ発生のための条件は第4及び第6実施例 で示した条件とほとんど同じである。
第9図は本発明装置の第9実施例の構成の概要 を示す説明図であって、第5図及び第8図に示し た装置の構成部分と同様な構成部分については同 一の符号を付してある。
この第9実施例では第5実施例のドライプロセ ス装置同様に第8実施例の上部電極21の枚数を2 枚とし、下部電極22の枚数を2枚とし、上,下部 電極21,22を平行に交互に配置し、上,下部電極 21,22をそれぞれ接続した構成となっている。各 電極21,22間に発生するプラズマの状態を等しく するため、隣り合う電極21,22間の間隔を等しく し、各電極の面積をほぼ等しくするのが好ましい。
この装置の用途,動作手順並びに動作状態は第 8図に示したドライプロセス装置とほぼ同じであ る。またこの装置の電極の枚数,配置状態等,そ して電極上に設置する基板3の枚数,配置状態等, そして各電極21,22への直流電力の供給方法は第 8実施例と同様である。
第4から第7実施例ではプラズマ発生用電源と して高周波電源を用いたが、周波数は問題ではな く、低周波電源を用いても良い。
第4から第9実施例ではガスの圧力を1Pa程度 以下,電極21,22の間隔を10〜30mm程度とするの が好ましいとしたが、ガスの圧力が低下し電子の 平均自由行程が長くなれば電極21,22の間隔はよ り広くしても良い。ガスの圧力と電極21,22の間 隔を選択する目安としてはガスの圧力と電極間隔 は相反比例すると見なすのが好ましい。また、電 極21,22の間隔は電子の回転運動の直径とも関係 するため、電極間隔が狭くなれば磁界11を強くし て回転運動の直径を小さくする必要があり、電極 間隔が広くなれば磁界11を弱くして回転運動の直 径を大きくする必要がある。磁界の強さと回転運 動の直径は一般的に反比例すると見なせる。従っ て磁界11の強さと電極21,22の間隔は反比例し、 磁界11の強さとガスの圧力は比例すると見なすの が好ましい。磁界の強さの目安として、ガスの圧 力が1Pa程度,電極21,22の間隔が10〜30mm程度 の場合、150〜200ガウス前後の磁界11を印加す るのが好ましい。
第13図はホトレジストを02プラズマによりエッ チングした場合のエッチング速度の自己バイアス 電圧依存性を示す図である。
本発明の第4〜第9実施例によるドライプロセ ス装置によるホトレジストのエッチング速度は、 a線で表され、従来のマグネトロンエッチング装 置の場合のエッチング速度はb線で表されている。
自己バイアス電圧が35Vでは本発明の第4〜第9 実施例によるドライプロセス装置は従来のマグネ トロンエッチング装置よりも2倍程度高速にエッ チングでき、35V以上でも4割程度高速にエッチ ング可能である。このエッチング速度の差はプラ ズマ密度の差を意味しており、本発明の第4〜第 9実施例によるドライプロセス装置は従来のマグ ネトロンエッチング装置よりもより高密度のプラ ズマを発生できることを示している。
本発明の第4〜第9実施例によるドライプロセ ス装置は狭い電極21,22間の空間に、磁界11の作 用を利用して各電極21,22から放出された2次電 子を回転させ閉じ込めているため、かなり均一性 の良い高密度プラズマが発生する。その空間的均 一性は従来のマグネトロンプラズマと比較して、 はるかに優れている。この均一性は磁界11を回転 させ平均化することにより更に向上する。その空 間的均一性の良さは基板3をエッチングすること により測定できる。磁界を固定させた場合、従来 のマグネトロンプラズマによるエッチングではエ ッチング速度の基板3面上の面内分布は±35%前 後とあまり良くないが、本発明の第4〜第9実施 例によるドライプロセス装置による場合は±15% 前後とかなり良い。磁界11を回転させた場合、均 一性は更に向上し本発明の第4〜第9実施例によ るドライプロセス装置を用いて±3%前後の優れ たエッチング均一性が得られる。
第14図は本発明の第4〜第9実施例によるドラ イプロセス装置にCHF3ガスを導入して6インチの SiO2基板をエッチングした場合のエッチング深さ の面内均一性を示した図である。エッチング時間 は約1分で磁界11を回転させた。エッチングの分 布は磁界11を回転させているため、ほぼ中心対称 となっている。得られたエッチングの面内均一性 は±4%前後である。このように本発明の第4〜 第9実施例によるドライプロセス装置は従来のド ライプロセス装置と比較してもより均一性の優れ たマグネトロンプラズマを発生することができる。
マグネトロン放電の発生可能なガス圧は1Pa (7.5mTorr)程度以下となり低いため、指向性の 良いエッチングが可能であり、不純物の少ない高 品質の薄膜を形成することが可能である。しかも 両電極21,22にほぼ同等の状態のプラズマが照射 できるため、同時に電極21,22上の2枚以上の基 板3を処理することが可能である。
さらに、本発明の第4〜第9実施例によるドラ イプロセス装置によれば、基板3にほぼ平行な方 向に磁界11が印加されているため、プラズマ中の 電子が基板3側に流れにくく、従って、イオンシ ースが形成されにくいので、自己バイアス電圧が 従来の1/5以下と小さくなるため、入射イオンに よって基板3が受ける損傷が小さくなる。このた め本発明の第4〜第9実施例によるドライプロセ ス装置は特に低損傷エッチング或いは高速蒸着が 必要なゲートとかトレンチエッチングまたは配線 材料の蒸着とかに用いて好適である。またこの発 明によれば、装置の小型化を図ることができる。
〔発明の効果〕 上述の説明から明らかなように、本発明の第1 〜第3ドライプロセス装置によれば、交流電 力Phをブロッキングキャパシタ7を経由して2種 類の極性の電極21,22に逆位相で供給したり、 各電極21,22を電気的に接続し、ブロッキングキ ャパシタ7を経由して交流電力Phを同位相で供給 したり、負の直流電圧を各電極21,22に印加 し、正の直流電圧を反応室1または反応室1内側 の他の電極に印加したりしているために、ほぼ等 しい厚さのイオンシースが両電極21,22の近傍に 形成できる。また、マグネトロンプラズマの密度 分布が両電極21,22でそれぞれ逆方向となるため、 電極間隔を狭くすることにより、磁界を回転させ ることなくほぼ均一なプラズマを生成することが できる。
マグネトロン放電の発生するガスの圧力は10m Torr前後とかなり低いため、指向性の良いエッチ ングとか、不純物の少ない高品質の薄膜を形成す ることが可能である。しかも両電極21,22にほぼ 同等の状態のプラズマが照射されているため、同 時に電極21,22上の2枚以上の基板3を処理する ことが可能である。
さらに、本発明の第1〜第3ドライプロセス装 置によれば、基板3にほぼ平行な方向に磁界11が 印加されているため、プラズマ中の電子が基板3 側に流れにくく、従って、イオンシースが形成さ れにくいので、直流自己バイアス電圧が従来の1/ 5以下と小さくなるため、入射イオンによって基 板3が受ける損傷が小さくなる。このため本発明 の第1〜第3ドライプロセス装置は特に低損傷エ ッチング或いは高速蒸着が必要なゲートとかトレ ンチエッチングまたは配線材料の蒸着とかに用い て好適である。またこの発明によれば、装置の小 型化を図ることができる。
また、本発明の第4,第5ドライプロセス装置 によれば、上記作用効果を奏すると共に、同 一周波数で同期し、位相差,電力比を任意に制御 可能な2台の交流電源の発生する電力Ph1とPh2 をブロッキングキャパシタ7を経由して比較的狭 い電極間隔をなす2種類の極性の電極21,22に供 給したり、1台の交流電源より分配され任意 に取り出された任意の位相差,電力比をもつ交流 電力Ph1,Ph2を比較的狭い電極間隔をなす2種類 の極性の電極21,22に供給したり、マイナス の直流電圧を任意の電力比で比較的狭い電極間隔 をなす2種類の電極21,22に供給したりしている ために、1Pa程度以下のガスで充満した狭い電極 間の空間に高密度のマグネトロンプラズマを発生 することができる。例えばプラズマの濃度をその 発光強度(Hα線)で比較した場合、本発明の第4, 第5ドライプロセス装置による発光強度は従来の マグネトロンエッチング装置による発光強度より 2倍以上強くなる。
また本発明の第4,第5ドライプロセス装置は 従来のマグネトロンエッチング装置よりもより均 一性の良い高密度のプラズマを発生でき、高速エ ッチングを行うことができる。マグネトロン放電 の発生可能なガス圧は1Pa(7.5mTorr)程度以下と かなり低いため、指向性の良いエッチングが可能 であり、不純物の少ない高品質の薄膜を形成する ことが可能である。しかも両電極21,22にほぼ同 等の状態のプラズマが照射できるため、同時に電 極21,22上の2枚以上の基板3を処理できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の第1実施例の構成の概要 を示す説明図、第2図は本発明装置の第2実施例 の構成の概要を示す説明図、第3図は本発明装置 の第3実施例の構成の概要を示す説明図、第4図 は本発明装置の第4実施例の構成の概要を示す説 明図、第5図は本発明装置の第5実施例の構成の 概要を示す説明図、第6図は本発明装置の第6実 施例の構成の概要を示す説明図、第7図は本発明 装置の第7実施例の構成の概要を示す説明図、第 8図は本発明装置の第8実施例の構成の概要を示 す説明図、第9図は本発明装置の第9実施例の構 成の概要を示す説明図、第10図(a),(b)はそれぞれ 本発明装置における電極間隔を狭くしなければな らない理由を説明した図、第11図は本発明装置に おけるプラズマの発光スペクトルの一例を示す図、 第12図は本発明装置における放射強度のガス圧力 依存性の一例を示す図、第13図は本発明装置及び 従来装置による自己バイアス電圧に対するエッチ ング速度を示す図、第14図は本発明装置によるエ ッチング均一性を示す図、第15図は従来のドライ プロセス装置としてのドライエッチング装置の一 例の構成の概要を示す説明図、第16図は従来のド ライプロセス装置としてのドライエッチング装置 の他例の構成の概要を示す説明図である。 1……反応室、3……基板、4……反応ガス、 5……排気ガス、6……交流(高周波)電源、7 ……ブロッキングキャパシタ、9……絶縁体、10 ……電界、11……磁界、12……ソレノイドコイル、 13……マグネトロン放電、15……直流電源、16… …交流(高周波)電源、17……フェーズシフター、 21……(上部)電極、22……(下部)電極、Ph, Ph1,Ph2……交流(高周波)電力、25……直流電 源、26……交流(高周波)電源、27……電力分配 器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 治 東京都西多摩郡羽村町神明台2―1―1 国際電気株式会社羽村工場内 (72)発明者 佐久間 春信 東京都西多摩郡羽村町神明台2―1―1 国際電気株式会社羽村工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類の極性の電極(21,22)を相向い合
    わ せて交互に配置したドライプロセス装置におい て,各電極(21,22)の相向い合った内側の面 の少なくとも1面以上に少なくとも1枚以上の 基板(3)を設置し、各電極(21,22)にほぼ平行 となるように磁界(11)印加し、同一周波数の交 流電力Phを各電極(21,22)にそれぞれ任意の 位相差のもとで位相を同期させてブロッキング キャパシタ(7)を経由して供給し、相隣り合わせ た各電極(21,22)間の間隔を各電極(21,22) 間の空間を電子がほぼ無衝突で往来できる程度 の距離とし、その各電極(21,22)間の空間に マグネトロン放電を生じさせることを特徴とす るドライプロセス装置。
  2. 【請求項2】 同一周波数の交流電力Phを各電極(21,2
    2) にそれぞれほぼ同位相でブロッキングキャパシ タ(7)を経由して供給し、反応室(1)または反応室 内側の他の電極を接地してなることを特徴とす る請求項第1項に記載のドライプロセス装置。
  3. 【請求項3】 負の直流電圧を各電極(21,22)に印加
    し、 正の直流電圧を反応室(1)または反応室内側の 他の電極に印加してなることを特徴とする請求項 第1項記載のドライプロセス装置。
  4. 【請求項4】 同一周波数、任意の電力比の交流電力(P
    h1, Ph2)を各電極(21,22)または各電極(21,22) 上の基板(3,3)にそれぞれ任意の位相差の もとで位相を同期させてブロッキングキャパシ タ(7)を経由して供給し、相隣り合わせた各電極 (21,22)間の間隔並びにその空間に導入しこ れより排気する反応ガス(4)の圧力をそれぞれ各 電極(21,22)間の空間を電子がほぼ無衝突で 往来できる程度の距離及び圧力としたことを特 徴とする請求項第1項記載のドライプロセス装 置。
  5. 【請求項5】 交流電力(Ph1,Ph2)の位相差が約±40
    ゜の範 囲内にあることを特徴とする請求項第4項記載 のドライプロセス装置。
  6. 【請求項6】 位相が同期する独立した2台の交流電源
    (16 ,26)を用いて交流電力(Ph1,Ph2)を供給する ことを特徴とする請求項第4項,第5項のいず れかに記載のドライプロセス装置。
  7. 【請求項7】 1台の交流電源(6)の発生する電力Phを
    2電力 (Ph1,Ph2)に分配して供給することを特徴とす る請求項第4項,第5項のいずれかに記載のド ライプロセス装置。
  8. 【請求項8】 反応室(1)または反応室(1)内側の他の電
    極を接 地し、相隣り合わせた各電極(21,22)の空間 にマグネトロン放電を生じさせることを特徴と する請求項第4項〜第7項のいずれかに記載の ドライプロセス装置。
  9. 【請求項9】 負の直流電圧を任意の電力比で各電極(2
    1, 22)に印加し、正の直流電圧または接地電圧を 反応室(1)または反応室内側の他の電極に印加し てなる請求項第4項記載のドライプロセス装置。
  10. 【請求項10】 2種類の極性の電極(21,22)が反応室
    内に おいて電気的に接続されることを特徴とする請 求項第1〜第9項のいずれかに記載のドライプ ロセス装置。
  11. 【請求項11】 相隣り合う電極(21,22)間の間隔がす
    べて 等しく、互いに平行をなすことを特徴とする請 求項第1項〜第10項のいずれかに記載のドライ プロセス装置。
  12. 【請求項12】 相隣り合う電極(21,22)間の間隔が約
    1cm 〜5cmの範囲であることを特徴とする請求項第 11項記載のドライプロセス装置。
  13. 【請求項13】 電極(21,22)の全枚数が3枚以上とな
    るこ とを特徴とする請求項第12項記載のドライプロ セス装置。
  14. 【請求項14】 各電極(21,22)の相向い合った内側の
    面に 2枚以上の基板(3)を設置することを特徴とする 請求項第13項記載のドライプロセス装置。
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