JPH06258081A - 振動ジャイロ - Google Patents
振動ジャイロInfo
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- JPH06258081A JPH06258081A JP5069239A JP6923993A JPH06258081A JP H06258081 A JPH06258081 A JP H06258081A JP 5069239 A JP5069239 A JP 5069239A JP 6923993 A JP6923993 A JP 6923993A JP H06258081 A JPH06258081 A JP H06258081A
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- JP
- Japan
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- axis
- angular velocity
- axis direction
- vibrating
- vibrator
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ベースに立設された振動手段14と、前記振
動手段14にX軸方向に対し所定角度傾いた方向の振動
力を印加する加振手段16と、前記振動手段14のX軸
方向及びY軸方向への変位を検出する変位検出手段18
と、前記変位検出手段18により検出された振動手段の
X軸方向への変位を示す正弦波出力とY軸方向への変位
を示す正弦波出力の位相ずれ量より、角速度を演算する
角速度演算手段60とを備えたことを特徴とする振動ジ
ャイロ。 【効果】 入力角速度に対応するコリオリの力によりX
軸及びY軸方向の検出出力に位相ずれを生じる。従っ
て、前記X軸とY軸の変位出力の位相ずれ量を求めるこ
とにより、高感度、高精度の角速度検出が可能となる。
動手段14にX軸方向に対し所定角度傾いた方向の振動
力を印加する加振手段16と、前記振動手段14のX軸
方向及びY軸方向への変位を検出する変位検出手段18
と、前記変位検出手段18により検出された振動手段の
X軸方向への変位を示す正弦波出力とY軸方向への変位
を示す正弦波出力の位相ずれ量より、角速度を演算する
角速度演算手段60とを備えたことを特徴とする振動ジ
ャイロ。 【効果】 入力角速度に対応するコリオリの力によりX
軸及びY軸方向の検出出力に位相ずれを生じる。従っ
て、前記X軸とY軸の変位出力の位相ずれ量を求めるこ
とにより、高感度、高精度の角速度検出が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振動ジャイロ、特に強制
振動された振動手段の振動方向と直交する方向に働くコ
リオリの力より角速度を求める振動ジャイロの改良に関
する。
振動された振動手段の振動方向と直交する方向に働くコ
リオリの力より角速度を求める振動ジャイロの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来ジャイロは船舶、航空機等の特殊な
用途に用いられているのみであったが、近年では自家用
自動車等のナビゲーションシステム、或いは軌道を要し
ない自走ロボット等にも使用されるようになっている。
これらのシステムは、ジャイロの出力を積分して方位を
決定し、且つ移動速度を積分して移動距離を求め、方位
及び移動距離に基づいて現在位置を把握するものであ
り、ジャイロの僅かな誤差も累積されてしまう。このた
め、これらの分野で用いられるジャイロには、極めて高
い角速度検出機能と共に、小型、低価格、高い耐久性等
のきびしい条件が要求されており、それらの要求に応え
るジャイロの開発が急務である。
用途に用いられているのみであったが、近年では自家用
自動車等のナビゲーションシステム、或いは軌道を要し
ない自走ロボット等にも使用されるようになっている。
これらのシステムは、ジャイロの出力を積分して方位を
決定し、且つ移動速度を積分して移動距離を求め、方位
及び移動距離に基づいて現在位置を把握するものであ
り、ジャイロの僅かな誤差も累積されてしまう。このた
め、これらの分野で用いられるジャイロには、極めて高
い角速度検出機能と共に、小型、低価格、高い耐久性等
のきびしい条件が要求されており、それらの要求に応え
るジャイロの開発が急務である。
【0003】ジャイロとしては従来より各種の原理に基
づくものが開発されているが、角速度検出感度の高さ等
からいわゆる振動ジャイロ或いは音叉ジャイロが注目さ
れている(特公平2−57247号公報等)。この振動
ジャイロは、振動している物体に回転角速度を加える
と、その振動と直角方向にコリオリの力が働く現象を応
用したものであり、振動子を一定方向に振動させ、前記
回転角速度による振動子の振動方向と直交する方向への
変位量を検出し、該変位量から方位を決定するものであ
る。そして、従来はX軸を基準軸とし、前記振動子に該
X軸方向の振動力を印加しておき、回転角速度による振
動子のX軸方向と直交するY軸方向への変位量を変位検
出器により検出し、角速度を得ていた。即ち、前記回転
角速度によるY軸方向の変位量の検出信号を、基準軸で
あるX軸方向の変位量の信号を基準信号として信号処理
した後、演算処理して角速度を得るのである。
づくものが開発されているが、角速度検出感度の高さ等
からいわゆる振動ジャイロ或いは音叉ジャイロが注目さ
れている(特公平2−57247号公報等)。この振動
ジャイロは、振動している物体に回転角速度を加える
と、その振動と直角方向にコリオリの力が働く現象を応
用したものであり、振動子を一定方向に振動させ、前記
回転角速度による振動子の振動方向と直交する方向への
変位量を検出し、該変位量から方位を決定するものであ
る。そして、従来はX軸を基準軸とし、前記振動子に該
X軸方向の振動力を印加しておき、回転角速度による振
動子のX軸方向と直交するY軸方向への変位量を変位検
出器により検出し、角速度を得ていた。即ち、前記回転
角速度によるY軸方向の変位量の検出信号を、基準軸で
あるX軸方向の変位量の信号を基準信号として信号処理
した後、演算処理して角速度を得るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
振動ジャイロはX軸を基準軸とし、振動子をX軸方向に
振動させているため、回転角速度が全く入力されない状
態では、変位検出器において検出されるY軸方向の変位
量は0となる。また、非常に微弱な回転角速度が入力さ
れた場合、変位検出器において検出されるY軸方向の変
位量も微小となる。そして、前記微弱な角速度をY軸方
向の微小な変位量でのみ検出すると、角速度検出におい
て満足できる精度及び感度が得られないという課題があ
った。また、前記Y軸方向の微弱な検出信号から角速度
を得るためには該検出信号を非常に高倍率に増幅しなけ
ればならい。そして、前記検出信号にはノイズや外乱が
含まれており、検出信号を高倍率で増幅すると、該ノイ
ズや外乱も同様に高倍率に増幅されるため、S/N比が
低下し、角速度検出精度及び検出感度も低下するという
問題があった。また、前記信号を高倍率に増幅すること
により、信号処理が非常に不安定になるとともに、高倍
率に増幅するための増幅器のコストが高いという欠点も
ある。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたもの
であり、その目的は入力された回転角速度が微弱な場合
でも、極めて高精度、高感度で角速度検出が可能な小
型、低価格の振動ジャイロを提供することにある。
振動ジャイロはX軸を基準軸とし、振動子をX軸方向に
振動させているため、回転角速度が全く入力されない状
態では、変位検出器において検出されるY軸方向の変位
量は0となる。また、非常に微弱な回転角速度が入力さ
れた場合、変位検出器において検出されるY軸方向の変
位量も微小となる。そして、前記微弱な角速度をY軸方
向の微小な変位量でのみ検出すると、角速度検出におい
て満足できる精度及び感度が得られないという課題があ
った。また、前記Y軸方向の微弱な検出信号から角速度
を得るためには該検出信号を非常に高倍率に増幅しなけ
ればならい。そして、前記検出信号にはノイズや外乱が
含まれており、検出信号を高倍率で増幅すると、該ノイ
ズや外乱も同様に高倍率に増幅されるため、S/N比が
低下し、角速度検出精度及び検出感度も低下するという
問題があった。また、前記信号を高倍率に増幅すること
により、信号処理が非常に不安定になるとともに、高倍
率に増幅するための増幅器のコストが高いという欠点も
ある。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたもの
であり、その目的は入力された回転角速度が微弱な場合
でも、極めて高精度、高感度で角速度検出が可能な小
型、低価格の振動ジャイロを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかる振動ジャイロは、ベースに立設された
振動手段と、前記振動手段にX軸方向に対し所定角度傾
いた方向の振動力を印加する加振手段と、前記振動手段
のX軸方向及びY軸方向への変位を検出する変位検出手
段と、前記変位検出手段により検出された振動手段のX
軸方向への変位を示す正弦波出力とY軸方向への変位を
示す正弦波出力の位相ずれ量より角速度を演算する角速
度演算手段と、を備えたことを特徴とする。なお、加振
手段による振動手段の加振方向は、X軸に対し45度傾
いた方向であることが好適である。また、角速度演算手
段は、X軸方向への変位を示す正弦波出力とY軸方向へ
の変位を示す正弦波出力の積出力の変動量より角速度を
演算することが好適である。また、角速度演算手段は、
X軸方向への正弦波出力またはY軸方向への正弦波出力
の位相を90度ずらせる移相器を備えることが好適であ
る。
に本発明にかかる振動ジャイロは、ベースに立設された
振動手段と、前記振動手段にX軸方向に対し所定角度傾
いた方向の振動力を印加する加振手段と、前記振動手段
のX軸方向及びY軸方向への変位を検出する変位検出手
段と、前記変位検出手段により検出された振動手段のX
軸方向への変位を示す正弦波出力とY軸方向への変位を
示す正弦波出力の位相ずれ量より角速度を演算する角速
度演算手段と、を備えたことを特徴とする。なお、加振
手段による振動手段の加振方向は、X軸に対し45度傾
いた方向であることが好適である。また、角速度演算手
段は、X軸方向への変位を示す正弦波出力とY軸方向へ
の変位を示す正弦波出力の積出力の変動量より角速度を
演算することが好適である。また、角速度演算手段は、
X軸方向への正弦波出力またはY軸方向への正弦波出力
の位相を90度ずらせる移相器を備えることが好適であ
る。
【0006】
【作用】本発明にかかる振動ジャイロは、前述したよう
に加振手段により振動手段をX軸方向に対して所定角度
傾かせて強制振動させている。従って、前記X軸方向に
対し所定角度傾いた基準振動の状態において、振動手段
の変位はX軸方向及びY軸方向とも時間軸に対する正弦
波出力として変位検出手段により検出される。この状態
で角速度ωが入力されると、角速度ωに対応したコリオ
リの力Fcが働き、振動手段は前記基準振動であるX軸
方向に対し前記所定角度傾いた振動方向から、さらに該
傾きの角度が変化した方向に振動する。そして、本発明
者らはコリオリの力Fcに基づき、振動手段の基準角度
における振動方向から、更に角度が変更された場合、振
動手段は直線軌道上の振動から楕円軌道上の振動とな
り、この楕円化度はコリオリの力Fcに比例することを
見出したのである。
に加振手段により振動手段をX軸方向に対して所定角度
傾かせて強制振動させている。従って、前記X軸方向に
対し所定角度傾いた基準振動の状態において、振動手段
の変位はX軸方向及びY軸方向とも時間軸に対する正弦
波出力として変位検出手段により検出される。この状態
で角速度ωが入力されると、角速度ωに対応したコリオ
リの力Fcが働き、振動手段は前記基準振動であるX軸
方向に対し前記所定角度傾いた振動方向から、さらに該
傾きの角度が変化した方向に振動する。そして、本発明
者らはコリオリの力Fcに基づき、振動手段の基準角度
における振動方向から、更に角度が変更された場合、振
動手段は直線軌道上の振動から楕円軌道上の振動とな
り、この楕円化度はコリオリの力Fcに比例することを
見出したのである。
【0007】このため、振動手段のX軸方向変位及びY
軸方向変位をそれぞれ重ね合わせると、基準角度におけ
る直線軌道上の振動では前記X軸方向及びY軸方向の変
位とも時間軸に対し同一位相の正弦波を描くが、前記コ
リオリの力Fcの変化に伴い、前記各軸方向の正弦波出
力に位相ずれを生じ、該位相ずれ量がコリオリの力Fc
に比例することとなる。そこで、振動手段のX軸方向及
びY軸方向の変位を示す正弦波出力の位相ずれ量を例え
ば両出力の積により求めると、その平均化出力は基準角
度上での直線振動を行う場合を最大として、該基準角度
における軌道からずれるに従って徐々に減少し、その変
動量に基づき入力角速度ωを出力することが可能とな
る。このように本発明にかかる振動ジャイロは、X軸方
向の変位に基づく正弦波出力とY軸方向の変位に基づく
正弦波出力の位相ずれ量に基づき入力角速度ωを求める
ため、微弱な角速度も高感度で検出でき、高精度で角速
度検出を行うことが可能となる。
軸方向変位をそれぞれ重ね合わせると、基準角度におけ
る直線軌道上の振動では前記X軸方向及びY軸方向の変
位とも時間軸に対し同一位相の正弦波を描くが、前記コ
リオリの力Fcの変化に伴い、前記各軸方向の正弦波出
力に位相ずれを生じ、該位相ずれ量がコリオリの力Fc
に比例することとなる。そこで、振動手段のX軸方向及
びY軸方向の変位を示す正弦波出力の位相ずれ量を例え
ば両出力の積により求めると、その平均化出力は基準角
度上での直線振動を行う場合を最大として、該基準角度
における軌道からずれるに従って徐々に減少し、その変
動量に基づき入力角速度ωを出力することが可能とな
る。このように本発明にかかる振動ジャイロは、X軸方
向の変位に基づく正弦波出力とY軸方向の変位に基づく
正弦波出力の位相ずれ量に基づき入力角速度ωを求める
ため、微弱な角速度も高感度で検出でき、高精度で角速
度検出を行うことが可能となる。
【0008】さらに、前記振動手段の基準振動をX軸方
向から45度傾けた方向とすることにより、該基準振動
において既にX軸及びY軸の両方向ともに大きな検出信
号が得られるので、大きな増幅度を必要とせず、安定し
た信号処理が可能となる。また、X軸方向への正弦波出
力またはY軸方向への正弦波出力の位相を90度ずらせ
る移相器を備えることにより、基準振動時の各正弦波出
力の積出力を平滑化するとゼロとなる。そして、更に角
速度が加わって移相ずれが生じると、その角速度の加わ
る方向に応じて平滑化出力がプラスないしマイナス方向
に生じる。この結果、角速度のみならず該角速度の印加
方向を判別することも可能となる。
向から45度傾けた方向とすることにより、該基準振動
において既にX軸及びY軸の両方向ともに大きな検出信
号が得られるので、大きな増幅度を必要とせず、安定し
た信号処理が可能となる。また、X軸方向への正弦波出
力またはY軸方向への正弦波出力の位相を90度ずらせ
る移相器を備えることにより、基準振動時の各正弦波出
力の積出力を平滑化するとゼロとなる。そして、更に角
速度が加わって移相ずれが生じると、その角速度の加わ
る方向に応じて平滑化出力がプラスないしマイナス方向
に生じる。この結果、角速度のみならず該角速度の印加
方向を判別することも可能となる。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を
説明する。図1には本発明の一実施例にかかる振動ジャ
イロが示されており、同図(A)は側断面図、(B)は
正面断面図である。同図に示す振動ジャイロ10は、ベ
ース12と、該ベース12に立設した振動手段としての
振動子14と、振動子14を振動させる加振手段16
と、光電型エンコーダよりなる変位検出手段18とを備
える。そして、ベース12には筒状のハウジング20が
設置され、該ハウジング20はその上端で変位検出手段
18を支持している。前記振動子14は丸棒状に形成さ
れ、該振動子14の上端にはメインスケール22が設け
られている。また、加振手段16は、ドーナツ状に形成
された磁石板24と、前記振動子14の軸芯と同軸上に
軸芯を有するように円筒状に巻回された励振コイル26
とを有している。そして、前記ドーナツ状の磁石板24
は、その中央の穴が振動子14の先端側に嵌合されてい
る。また、前記円筒状の励振コイル26は、その中央部
内面が前記ドーナツ状の磁石板24の外周と近接するよ
うに配置され、ハウジング20の内壁に固定されたコイ
ルボビン28に巻回されている。
説明する。図1には本発明の一実施例にかかる振動ジャ
イロが示されており、同図(A)は側断面図、(B)は
正面断面図である。同図に示す振動ジャイロ10は、ベ
ース12と、該ベース12に立設した振動手段としての
振動子14と、振動子14を振動させる加振手段16
と、光電型エンコーダよりなる変位検出手段18とを備
える。そして、ベース12には筒状のハウジング20が
設置され、該ハウジング20はその上端で変位検出手段
18を支持している。前記振動子14は丸棒状に形成さ
れ、該振動子14の上端にはメインスケール22が設け
られている。また、加振手段16は、ドーナツ状に形成
された磁石板24と、前記振動子14の軸芯と同軸上に
軸芯を有するように円筒状に巻回された励振コイル26
とを有している。そして、前記ドーナツ状の磁石板24
は、その中央の穴が振動子14の先端側に嵌合されてい
る。また、前記円筒状の励振コイル26は、その中央部
内面が前記ドーナツ状の磁石板24の外周と近接するよ
うに配置され、ハウジング20の内壁に固定されたコイ
ルボビン28に巻回されている。
【0010】さらに、前記振動子14に嵌合された磁石
板24は、該磁石板24の平面断面図である図2に示す
ように、振動子14の軸芯を通るY軸を該軸芯を中心に
時計と逆回りに45度回転させたy軸によって、N極と
S極とに分れている。なお、前記振動子14のy軸方向
及び該y軸方向と直交するx軸方向の共振周波数は略同
一である。本実施例にかかる振動ジャイロ10は概略以
上のように構成され、次に図3〜図5により本発明の加
振手段16及び角速度の検出機構を説明する。まず、図
3に示す励振コイル26を所定の周期で励磁させると
(図4(A))、励振コイル26の軸芯、即ち振動子1
4の軸芯と平行に磁界が発生する。そして、前記磁界の
極の方向は、励振コイル26に流す電流の方向によって
決定される。即ち、図3に示す励振コイル26の巻始め
側から巻終り側へと順方向に電流を流すと、励振コイル
26の図中上側にN極が、下側にS極が発生する。ま
た、逆に励振コイル26の巻終り側から巻始め側へと逆
方向に電流を流すと、励振コイル26の図中上側にS極
が、下側にN極が発生する。
板24は、該磁石板24の平面断面図である図2に示す
ように、振動子14の軸芯を通るY軸を該軸芯を中心に
時計と逆回りに45度回転させたy軸によって、N極と
S極とに分れている。なお、前記振動子14のy軸方向
及び該y軸方向と直交するx軸方向の共振周波数は略同
一である。本実施例にかかる振動ジャイロ10は概略以
上のように構成され、次に図3〜図5により本発明の加
振手段16及び角速度の検出機構を説明する。まず、図
3に示す励振コイル26を所定の周期で励磁させると
(図4(A))、励振コイル26の軸芯、即ち振動子1
4の軸芯と平行に磁界が発生する。そして、前記磁界の
極の方向は、励振コイル26に流す電流の方向によって
決定される。即ち、図3に示す励振コイル26の巻始め
側から巻終り側へと順方向に電流を流すと、励振コイル
26の図中上側にN極が、下側にS極が発生する。ま
た、逆に励振コイル26の巻終り側から巻始め側へと逆
方向に電流を流すと、励振コイル26の図中上側にS極
が、下側にN極が発生する。
【0011】そして、図3に示すように磁石板24の例
えば図中右側にN極、左側にS極が位置した場合、前記
励振コイル26に順方向の電流を流すと、前述したよう
に図中上側にN極が、下側にS極が発生するため、磁石
板24のS極である左側には上側に引上げられる力が、
逆にN極である右側には下側に押し下げられる力が夫々
発生する。また、励振コイル26に逆方向の電流を流す
と、前述したように発生する磁界の極の方向が反対とな
るため、磁石板24のS極である左側には下側に押し下
げられる力が、N極である右側には上側に引上げられる
力が発生する。このため、前記磁石板24に発生する上
側に引上げられる力を+Fm、下側に押し下げられる力
を−Fmとし、振動子14の軸芯から磁石部24のドー
ナツ状の幅の中心点までの距離をlとすると、振動子1
4は、 M=2Fml(M:曲げモーメント) の曲げモーメントを受けることとなる。従って、振動子
14の共振状態での振動波に同期して、図3に示す励振
コイル26の巻始め側から巻終り側へと順方向に、次に
巻終り側から巻始め側へと逆方向に交互に励振コイル2
6へ電流を流すことによって発生する、前記曲げモーメ
ントにより振動子14が加振されることとなる。
えば図中右側にN極、左側にS極が位置した場合、前記
励振コイル26に順方向の電流を流すと、前述したよう
に図中上側にN極が、下側にS極が発生するため、磁石
板24のS極である左側には上側に引上げられる力が、
逆にN極である右側には下側に押し下げられる力が夫々
発生する。また、励振コイル26に逆方向の電流を流す
と、前述したように発生する磁界の極の方向が反対とな
るため、磁石板24のS極である左側には下側に押し下
げられる力が、N極である右側には上側に引上げられる
力が発生する。このため、前記磁石板24に発生する上
側に引上げられる力を+Fm、下側に押し下げられる力
を−Fmとし、振動子14の軸芯から磁石部24のドー
ナツ状の幅の中心点までの距離をlとすると、振動子1
4は、 M=2Fml(M:曲げモーメント) の曲げモーメントを受けることとなる。従って、振動子
14の共振状態での振動波に同期して、図3に示す励振
コイル26の巻始め側から巻終り側へと順方向に、次に
巻終り側から巻始め側へと逆方向に交互に励振コイル2
6へ電流を流すことによって発生する、前記曲げモーメ
ントにより振動子14が加振されることとなる。
【0012】ここで、前述したように磁石板24のS極
とN極は、振動子14の軸芯を通るY軸を該軸芯を中心
に時計と逆回りに45度回転させたy軸によって分れて
いる。従って、前記加振された振動子14は、図3
(A)に示すx軸方向(図5に示すP1(Px,Py)−P2(-P
x,-Py))に振動する。即ち、振動子14の基準振動とな
る振動方向は、XY座標に対して時計と逆回りに45度
回転させたxy座標におけるx軸方向となる。従って、
前記振動子14のx軸方向の基準振動は、図4(B),
(C)に示すように、X軸方向及びY軸方向に対してそ
れぞれ同一位相の振動となる。以上のように励振コイル
26へ電流を流すことによって、振動子14を加振さ
せ、さらに励磁周期を調整し、振動子14の略共振周波
数fでx軸方向に振動させる。
とN極は、振動子14の軸芯を通るY軸を該軸芯を中心
に時計と逆回りに45度回転させたy軸によって分れて
いる。従って、前記加振された振動子14は、図3
(A)に示すx軸方向(図5に示すP1(Px,Py)−P2(-P
x,-Py))に振動する。即ち、振動子14の基準振動とな
る振動方向は、XY座標に対して時計と逆回りに45度
回転させたxy座標におけるx軸方向となる。従って、
前記振動子14のx軸方向の基準振動は、図4(B),
(C)に示すように、X軸方向及びY軸方向に対してそ
れぞれ同一位相の振動となる。以上のように励振コイル
26へ電流を流すことによって、振動子14を加振さ
せ、さらに励磁周期を調整し、振動子14の略共振周波
数fでx軸方向に振動させる。
【0013】これに対し、前記強制振動させている振動
子14に角速度ωが入力されると、図6に示すようにx
軸方向への基準振動(X軸から45度回転させた方向)
の軌道上を振動していた振動子14が、該入力角速度ω
の大きさに応じてx1,x2とさらに傾きを変えるととも
に、楕円軌道を描くようになる。この楕円軌道を描く理
由についてはいまだすべてが明確になったわけではない
が、振動子14に加振手段16から加えられる強制振動
のベクトルはx軸に平行であるのに対し、振動軸が
x1,x2と変更されると、加振ベクトルと当該時点にお
ける振動軸線とが一致せず、この結果当該時点における
振動軸と直交する方向へのベクトルが作用し、楕円軌道
を形成するものと考えられる。そして、前記図4
(B),(C)に示した同一位相の振動波形は、図7
(A)に示すようにx軸変位出力30に対しy軸変位出
力32が相対的に位相ずれを起こした状態となる。
子14に角速度ωが入力されると、図6に示すようにx
軸方向への基準振動(X軸から45度回転させた方向)
の軌道上を振動していた振動子14が、該入力角速度ω
の大きさに応じてx1,x2とさらに傾きを変えるととも
に、楕円軌道を描くようになる。この楕円軌道を描く理
由についてはいまだすべてが明確になったわけではない
が、振動子14に加振手段16から加えられる強制振動
のベクトルはx軸に平行であるのに対し、振動軸が
x1,x2と変更されると、加振ベクトルと当該時点にお
ける振動軸線とが一致せず、この結果当該時点における
振動軸と直交する方向へのベクトルが作用し、楕円軌道
を形成するものと考えられる。そして、前記図4
(B),(C)に示した同一位相の振動波形は、図7
(A)に示すようにx軸変位出力30に対しy軸変位出
力32が相対的に位相ずれを起こした状態となる。
【0014】従って、前記図4(B)及び(C)に示す
X軸変位出力を示す正弦波とY軸変位出力を示す正弦波
をかけあわせると、図4(D)に示すようにマイナス成
分が存在せず且つ周波数が倍の正弦波出力が得られ、そ
の平均化出力はVmとなる。これに対し、図7(A)に
示す位相ずれを起こした状態では、両正弦波出力30,
32の積出力を求めると、その位相ずれ量に応じて同図
(B)に示すようにマイナス成分34を生じ、前記図4
(D)に示す正弦波出力がマイナス方向に低下した波形
を示すこととなる。この結果、図6(B)に示す積出力
の平均化出力V1は、前記図4(D)に示す平均化出力
Vmに比較しコリオリの力Fcに相当する分だけ低下し
たものととなる。従って振動子14のX軸変位出力及び
Y軸変位出力であるそれぞれ正弦波出力の積出力を得る
ことにより、角速度ωを求めることができるのである。
X軸変位出力を示す正弦波とY軸変位出力を示す正弦波
をかけあわせると、図4(D)に示すようにマイナス成
分が存在せず且つ周波数が倍の正弦波出力が得られ、そ
の平均化出力はVmとなる。これに対し、図7(A)に
示す位相ずれを起こした状態では、両正弦波出力30,
32の積出力を求めると、その位相ずれ量に応じて同図
(B)に示すようにマイナス成分34を生じ、前記図4
(D)に示す正弦波出力がマイナス方向に低下した波形
を示すこととなる。この結果、図6(B)に示す積出力
の平均化出力V1は、前記図4(D)に示す平均化出力
Vmに比較しコリオリの力Fcに相当する分だけ低下し
たものととなる。従って振動子14のX軸変位出力及び
Y軸変位出力であるそれぞれ正弦波出力の積出力を得る
ことにより、角速度ωを求めることができるのである。
【0015】次に前記振動子14のx軸方向の振動を制
御するための振動制御手段について説明する。前述した
ように、角速度ωが加わると、振動子14はy軸方向に
も振幅するため、図5に示すQ1(Qx,Qy)−Q2(-Qx,-Qy)
の軌跡を描く。一方、角速度ωはy軸方向の速度Vy
(速度最大点=y軸振幅がゼロになる点)に比例する。
また、Vyは、Vx(x軸方向速度)にも比例するた
め、Vxを一定に制御すれば角速度ωはVyの変化のみ
に比例することとなる。ここで、振動子14の原点から
の距離x及び速度Vxはそれぞれ次の数1により示され
る。
御するための振動制御手段について説明する。前述した
ように、角速度ωが加わると、振動子14はy軸方向に
も振幅するため、図5に示すQ1(Qx,Qy)−Q2(-Qx,-Qy)
の軌跡を描く。一方、角速度ωはy軸方向の速度Vy
(速度最大点=y軸振幅がゼロになる点)に比例する。
また、Vyは、Vx(x軸方向速度)にも比例するた
め、Vxを一定に制御すれば角速度ωはVyの変化のみ
に比例することとなる。ここで、振動子14の原点から
の距離x及び速度Vxはそれぞれ次の数1により示され
る。
【数1】x=Px・sin2πf・t Vx=dx/dt=2πf・Px・cos2πf・t なお、Px:最大振幅,f:周波数,t:時間である。
前記数1より、最大速度はcos2πf・t=1又は−
1の時に、Vx=2πf・Pxとなる。ここで、振動子
14をその共振周波数fで振動させ、かつ振幅Pxが常
に一定になるように制御する必要がある。そして、前述
したようにxy座標はXY座標を時計と逆回りに45度
回転させた座標であり、振動子14のx軸方向への振動
は、XY座標におけるX軸方向及びY軸方向に対しては
それぞれ同じ振幅をするため、x軸における前記振幅P
xとX軸方向の振幅X及びY軸方向の振幅Yとの関係
は、
前記数1より、最大速度はcos2πf・t=1又は−
1の時に、Vx=2πf・Pxとなる。ここで、振動子
14をその共振周波数fで振動させ、かつ振幅Pxが常
に一定になるように制御する必要がある。そして、前述
したようにxy座標はXY座標を時計と逆回りに45度
回転させた座標であり、振動子14のx軸方向への振動
は、XY座標におけるX軸方向及びY軸方向に対しては
それぞれ同じ振幅をするため、x軸における前記振幅P
xとX軸方向の振幅X及びY軸方向の振幅Yとの関係
は、
【数2】x=1/21/2(X+Y) となる。
【0016】従って、振幅Xと振幅Yとの和を一定に制
御すれば振幅Pxも一定となる。そこで本実施例におい
ては、自励振制御機構を採用し、図8に示すように振動
波検出手段40及び加振制御手段42を設けており、該
振動波検出手段40として光電型エンコーダ18のX軸
エンコーダ18a、X軸プリアンプ44a及びY軸エン
コーダ18b、Y軸プリアンプ44bを、また加振制御
手段42として移相器46、自動制御利得回路(AG
C)48及び増幅器50を備えている。そして、X軸エ
ンコーダ18aにより振動子14のX方向への振動状態
を、Y軸エンコーダ18bにより振動子14のY方向へ
の振動状態をそれぞれ検出し、X軸エンコーダ18aの
出力をX軸プリアンプ44aにより、Y軸エンコーダ1
8bの出力をY軸プリアンプ44bにより増幅して、そ
れぞれ増幅された出力信号の和が移相器46により適正
な位相に変移され、振動子14を振動させる同期と必要
な大きさを得るため、増幅器50に入力される。また、
X軸プリアンプ44aの出力とY軸プリアンプ44bの
出力の和はAGC48にも入力され、この正弦波の振幅
を検出して振動子14の加振に必要な利得を増幅器50
に指示する。そして、増幅器50は所望の加振利得で、
かつ振動子14の共振状態に同期して、前記加振手段1
6に加振制御が行なう。
御すれば振幅Pxも一定となる。そこで本実施例におい
ては、自励振制御機構を採用し、図8に示すように振動
波検出手段40及び加振制御手段42を設けており、該
振動波検出手段40として光電型エンコーダ18のX軸
エンコーダ18a、X軸プリアンプ44a及びY軸エン
コーダ18b、Y軸プリアンプ44bを、また加振制御
手段42として移相器46、自動制御利得回路(AG
C)48及び増幅器50を備えている。そして、X軸エ
ンコーダ18aにより振動子14のX方向への振動状態
を、Y軸エンコーダ18bにより振動子14のY方向へ
の振動状態をそれぞれ検出し、X軸エンコーダ18aの
出力をX軸プリアンプ44aにより、Y軸エンコーダ1
8bの出力をY軸プリアンプ44bにより増幅して、そ
れぞれ増幅された出力信号の和が移相器46により適正
な位相に変移され、振動子14を振動させる同期と必要
な大きさを得るため、増幅器50に入力される。また、
X軸プリアンプ44aの出力とY軸プリアンプ44bの
出力の和はAGC48にも入力され、この正弦波の振幅
を検出して振動子14の加振に必要な利得を増幅器50
に指示する。そして、増幅器50は所望の加振利得で、
かつ振動子14の共振状態に同期して、前記加振手段1
6に加振制御が行なう。
【0017】また、本実施例にかかる角速度演算手段6
0は、前記X軸プリアンプ44aからの出力とY軸プリ
アンプ44bからの出力との積を用い、角速度を算出し
ている。即ち、本実施例においては角速度演算手段60
は、乗算器62及び所定の係数Aを掛合わせる演算器6
4を含む。そして、前記X軸プリアンプ44a及びY軸
プリアンプ44bの出力はそれぞれ乗算器62に入力さ
れ、両プリアンプ44の掛合わされた出力が演算器64
に入力される。ここで、前記図7にも示したようにプリ
アンプ44a,44bの積出力の減少量は、近似的に入
力角速度ωに比例するため、所定の計数Aを乗算器62
の出力に掛合わせることにより、角速度ωを出力するこ
とができる。以上のようにして本実施例にかかる振動ジ
ャイロによれば、振動子14の共振状態に同期して、該
振動子14の振幅が一定になるように制御することがで
きる。また、振動子14の基準振動をX軸から45度傾
けたx軸方向とすることにより、X軸とY軸の両方の変
位の積出力から入力角速度ωを検出することができる。
0は、前記X軸プリアンプ44aからの出力とY軸プリ
アンプ44bからの出力との積を用い、角速度を算出し
ている。即ち、本実施例においては角速度演算手段60
は、乗算器62及び所定の係数Aを掛合わせる演算器6
4を含む。そして、前記X軸プリアンプ44a及びY軸
プリアンプ44bの出力はそれぞれ乗算器62に入力さ
れ、両プリアンプ44の掛合わされた出力が演算器64
に入力される。ここで、前記図7にも示したようにプリ
アンプ44a,44bの積出力の減少量は、近似的に入
力角速度ωに比例するため、所定の計数Aを乗算器62
の出力に掛合わせることにより、角速度ωを出力するこ
とができる。以上のようにして本実施例にかかる振動ジ
ャイロによれば、振動子14の共振状態に同期して、該
振動子14の振幅が一定になるように制御することがで
きる。また、振動子14の基準振動をX軸から45度傾
けたx軸方向とすることにより、X軸とY軸の両方の変
位の積出力から入力角速度ωを検出することができる。
【0018】次に図9〜図16に基づき本発明にかかる
変位検出手段18について説明する。本実施例において
は、変位検出手段18として光電型エンコーダが用いら
れており、その基本構成を示す縦断面図が図9に示され
ている。なお、図10には図9に示すXーX線での断面
図が示されている。同図において、光電型エンコーダ1
8は、そのメインスケール22が振動子14の頭頂部に
設けられ、又インデックススケール70がハウジング2
0の上壁部に設けられている。そして、振動子14のハ
ウジング20に対する相対移動量を検出するものであ
る。インデックススケール70の図9上面には、一個の
発光素子72及び四個の受光素子74a,74b,…7
4dが配置されている。発光素子72及び各受光素子7
4のリード線は、プリント基板76に固定されている。
変位検出手段18について説明する。本実施例において
は、変位検出手段18として光電型エンコーダが用いら
れており、その基本構成を示す縦断面図が図9に示され
ている。なお、図10には図9に示すXーX線での断面
図が示されている。同図において、光電型エンコーダ1
8は、そのメインスケール22が振動子14の頭頂部に
設けられ、又インデックススケール70がハウジング2
0の上壁部に設けられている。そして、振動子14のハ
ウジング20に対する相対移動量を検出するものであ
る。インデックススケール70の図9上面には、一個の
発光素子72及び四個の受光素子74a,74b,…7
4dが配置されている。発光素子72及び各受光素子7
4のリード線は、プリント基板76に固定されている。
【0019】前記メインスケール22には、図11に示
す縞状格子が形成されており、該縞状格子は、中央に透
明面78が設けられ、該透明面78から外側に向って、
X軸とY軸方向とにそれぞれ平行な2組の平行線からな
るロ字状のクロム蒸着反射面80と透明面78とが交互
に繰り返し形成され構成されている。また、前記ロ字状
の一つの透明面78と、該透明面78の外側に隣接する
一つの反射面80とを1パターンとした場合、該1パタ
ーンのピッチP1〜Pnは同一に形成されている。さら
に、図12に示すようにロ字状の反射面80の面積は、
内側から外側に向けて単調増加しており、従って前記1
パターンのピッチP1〜Pnにおける反射面80の占める
割合も内側から外側に(P1からPnに)向けて一定比率
で増加している。一方、インデックススケール70は、
図13に示すようにクロム蒸着面が形成されたガラス板
よりなり、該クロム蒸着面の前記発光素子72の対応位
置にはY軸に平行な出射スリット82a,82b及びX
軸に平行な出射スリット82c,82dが設けられてい
る。さらに前記クロム蒸着面の前記受光素子74a,…
74dのそれぞれの対応位置である前記各出射スリット
82の外側には、入射スリット84a,84b,84
c,84dが形成されている。
す縞状格子が形成されており、該縞状格子は、中央に透
明面78が設けられ、該透明面78から外側に向って、
X軸とY軸方向とにそれぞれ平行な2組の平行線からな
るロ字状のクロム蒸着反射面80と透明面78とが交互
に繰り返し形成され構成されている。また、前記ロ字状
の一つの透明面78と、該透明面78の外側に隣接する
一つの反射面80とを1パターンとした場合、該1パタ
ーンのピッチP1〜Pnは同一に形成されている。さら
に、図12に示すようにロ字状の反射面80の面積は、
内側から外側に向けて単調増加しており、従って前記1
パターンのピッチP1〜Pnにおける反射面80の占める
割合も内側から外側に(P1からPnに)向けて一定比率
で増加している。一方、インデックススケール70は、
図13に示すようにクロム蒸着面が形成されたガラス板
よりなり、該クロム蒸着面の前記発光素子72の対応位
置にはY軸に平行な出射スリット82a,82b及びX
軸に平行な出射スリット82c,82dが設けられてい
る。さらに前記クロム蒸着面の前記受光素子74a,…
74dのそれぞれの対応位置である前記各出射スリット
82の外側には、入射スリット84a,84b,84
c,84dが形成されている。
【0020】このため、発光素子72から出射した光L
は、例えば二次光源となる出射スリット82aを介して
出射し、メインスケール22の縞状格子の内、Y軸方向
に平行な透過面78aと反射面80aの縞部分で一部反
射され、入射スリット84aを介して受光素子74aに
受光される。すなわち、メインスケール22の縞状格子
上に照射された光の内、透明面78に照射された光は反
射されず、反射面80に照射された光のみが反射して入
射スリット84a方向に進行する。そして、前記縞状格
子は、前述したように透明面78と反射面80の1パタ
ーンのピッチP1〜Pnにおける反射面80の占める割合
が内側から外側に向けて一定比率で増加しているため、
前記光Lが照射する位置が縞状格子の外側にいく程、反
射される光が増し、受光素子74での受光量も増大す
る。すなわち、メインスケール22のX方向位置は受光
素子74aの受光量に反映することとなるため、受光量
変化を検出することによりメインスケール22のX方向
変位を把握することができることとなる。なお、受光素
子74a,74bの出力は図12に示す回路により差動
増幅された電圧出力とされる。
は、例えば二次光源となる出射スリット82aを介して
出射し、メインスケール22の縞状格子の内、Y軸方向
に平行な透過面78aと反射面80aの縞部分で一部反
射され、入射スリット84aを介して受光素子74aに
受光される。すなわち、メインスケール22の縞状格子
上に照射された光の内、透明面78に照射された光は反
射されず、反射面80に照射された光のみが反射して入
射スリット84a方向に進行する。そして、前記縞状格
子は、前述したように透明面78と反射面80の1パタ
ーンのピッチP1〜Pnにおける反射面80の占める割合
が内側から外側に向けて一定比率で増加しているため、
前記光Lが照射する位置が縞状格子の外側にいく程、反
射される光が増し、受光素子74での受光量も増大す
る。すなわち、メインスケール22のX方向位置は受光
素子74aの受光量に反映することとなるため、受光量
変化を検出することによりメインスケール22のX方向
変位を把握することができることとなる。なお、受光素
子74a,74bの出力は図12に示す回路により差動
増幅された電圧出力とされる。
【0021】すなわち受光素子74a,74bはそれぞ
れフォトトランジスタよりなり、そのフォトトランジス
タ74aの電流出力Iaは、並列接続されたオペレーシ
ョンアンプ86及び半固定抵抗88よりなる電流・電圧
変換アンプ90により電圧変化として出力される。ま
た、フォトトランジスタ74bの電流出力Ibは、同様
の構成を有する電流・電圧変換アンプ92により電圧変
化として出力される。各フォトトランジスタ74a,7
4bの電流出力Ia,Ibは図15に示すように逆位相で
あることから、並列接続された抵抗94及びオペレーシ
ョンアンプ96よりなる差動増幅アンプ98により差動
増幅することで、図16に示すような電圧出力Voutを
得ることができる。なお、同様に、Y軸方向の変位に対
しても、縞状格子68のX軸方向に平行な透明面78b
と反射面80b、出射スリット82c,82d、入射ス
リット84c,84d、受光素子74c,74dが作用
し、優れたリニアリティを有した状態でY軸方向へのメ
インスケール22の変位を検出することができる。
れフォトトランジスタよりなり、そのフォトトランジス
タ74aの電流出力Iaは、並列接続されたオペレーシ
ョンアンプ86及び半固定抵抗88よりなる電流・電圧
変換アンプ90により電圧変化として出力される。ま
た、フォトトランジスタ74bの電流出力Ibは、同様
の構成を有する電流・電圧変換アンプ92により電圧変
化として出力される。各フォトトランジスタ74a,7
4bの電流出力Ia,Ibは図15に示すように逆位相で
あることから、並列接続された抵抗94及びオペレーシ
ョンアンプ96よりなる差動増幅アンプ98により差動
増幅することで、図16に示すような電圧出力Voutを
得ることができる。なお、同様に、Y軸方向の変位に対
しても、縞状格子68のX軸方向に平行な透明面78b
と反射面80b、出射スリット82c,82d、入射ス
リット84c,84d、受光素子74c,74dが作用
し、優れたリニアリティを有した状態でY軸方向へのメ
インスケール22の変位を検出することができる。
【0022】ここで、前記X軸及びY軸方向のメインス
ケール22の変位量の検出感度、及び検出可能な変位範
囲は、縞状格子の透明面78と反射面80の1パターン
のピッチ幅、及びロ字状の反射面80の内側から外側に
向けての面積の増加量によって変化する。表1及び表2
には、前記1パターンのピッチ幅を変えた例が示されて
いる。
ケール22の変位量の検出感度、及び検出可能な変位範
囲は、縞状格子の透明面78と反射面80の1パターン
のピッチ幅、及びロ字状の反射面80の内側から外側に
向けての面積の増加量によって変化する。表1及び表2
には、前記1パターンのピッチ幅を変えた例が示されて
いる。
【表1】 ──────────────────────────────────── P1 P2 P3 ・・・・・・・・・・Pn-2 Pn-1 Pn ──────────────────────────────────── 反射面線幅(μm) 2 4 6 ・・・・・・・・・・46 48 50 ──────────────────────────────────── 透明面線幅(μm) 48 46 44 ・・・・・・・・・・ 4 2 0 ──────────────────────────────────── 反射面の比率(%) 4 8 12 ・・・・・・・・・・92 96 100 ────────────────────────────────────
【表2】 ──────────────────────────────────── P1 P2 P3 ・・・・・・・・・・Pn-2 Pn-1 Pn ──────────────────────────────────── 反射面線幅(μm) 2 4 6 ・・・・・・・・・・96 98 100 ──────────────────────────────────── 透明面線幅(μm) 98 96 94 ・・・・・・・・・・ 4 2 0 ──────────────────────────────────── 反射面の比率(%) 2 4 6 ・・・・・・・・・・92 96 100 ────────────────────────────────────
【0023】表1の縞状格子においては、前記1パター
ンのピッチ幅を50μmとし、反射面80を形成するク
ロム線幅を内側から外側へ1ピッチ当り2μmづつ増加
させている。従って、ピッチP1〜Pnまでのピッチ数は
25となり、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さは1
250μm(1.25mm)となる。また、表2の縞状
格子においては、前記1パターンのピッチ幅を100μ
mとし、反射面80を形成するクロム線幅を内側から外
側へ1ピッチ当り2μmづつ増加させている。従って、
ピッチP1〜Pnまでのピッチ数は50となり、ピッチP
1〜Pnまでのトータルの長さは5000μm(5mm)
となる。表1の例は、ピッチ幅を表2の例に比べ1/2
と短くし、クロム線幅の1ピッチ当りの増加量は表2の
例と同一としているため、内側から外側への1ピッチ中
に占める反射面80の比率の増加は、表2の例と比較し
表1の例の方が大きくなる。従って、同一変位量におい
ては、表1の例のように1パターンのピッチ幅を短くす
る程、反射率が急激に変化するので検出感度は向上す
る。なお、前記表1及び表2においては、1パターンの
ピッチ幅を変えたが、反射面80を形成するクロム線幅
の1ピッチ当りの増加量を増やしても同様に反射率の変
化は大きくなり検出感度は向上する。すなわち、1パタ
ーンのピッチ幅、及び反射面80の1ピッチ当りの増加
量(=ピッチ数)によって決定されるピッチP1〜Pnま
でのトータルの長さが短い程、反射率が大きく変化し検
出感度は向上することとなる。従って、表1及び表2の
例においては、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さの
比が1.25mm:5mm=1:4であり、ピッチ幅を
100μmとした表2の例に比べピッチ幅を50μmと
した表1の例の方が約4倍の検出感度を得ることができ
る。
ンのピッチ幅を50μmとし、反射面80を形成するク
ロム線幅を内側から外側へ1ピッチ当り2μmづつ増加
させている。従って、ピッチP1〜Pnまでのピッチ数は
25となり、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さは1
250μm(1.25mm)となる。また、表2の縞状
格子においては、前記1パターンのピッチ幅を100μ
mとし、反射面80を形成するクロム線幅を内側から外
側へ1ピッチ当り2μmづつ増加させている。従って、
ピッチP1〜Pnまでのピッチ数は50となり、ピッチP
1〜Pnまでのトータルの長さは5000μm(5mm)
となる。表1の例は、ピッチ幅を表2の例に比べ1/2
と短くし、クロム線幅の1ピッチ当りの増加量は表2の
例と同一としているため、内側から外側への1ピッチ中
に占める反射面80の比率の増加は、表2の例と比較し
表1の例の方が大きくなる。従って、同一変位量におい
ては、表1の例のように1パターンのピッチ幅を短くす
る程、反射率が急激に変化するので検出感度は向上す
る。なお、前記表1及び表2においては、1パターンの
ピッチ幅を変えたが、反射面80を形成するクロム線幅
の1ピッチ当りの増加量を増やしても同様に反射率の変
化は大きくなり検出感度は向上する。すなわち、1パタ
ーンのピッチ幅、及び反射面80の1ピッチ当りの増加
量(=ピッチ数)によって決定されるピッチP1〜Pnま
でのトータルの長さが短い程、反射率が大きく変化し検
出感度は向上することとなる。従って、表1及び表2の
例においては、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さの
比が1.25mm:5mm=1:4であり、ピッチ幅を
100μmとした表2の例に比べピッチ幅を50μmと
した表1の例の方が約4倍の検出感度を得ることができ
る。
【0024】一方、前記ピッチP1〜Pnまでのトータル
の長さを長くすれば検出感度は下がってしまうが、当然
変位検出可能な位置範囲(前記図14に示す−PX〜+
PX)は広くなる。すなわち、メインスケール22の変
位を検出できる位置範囲は、透明面78及び反射面80
により形成されている縞状格子に対応する範囲となるた
め、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さが1.25m
mである表1の縞状格子に比べ、ピッチP1〜Pnまでの
トータルの長さが5mmである表2の縞状格子の方が4
倍の位置範囲においてメインスケール22の変位検出が
可能となる。以上のように、前記縞状格子のピッチ幅、
及び反射面80の1ピッチ当りの増加量を調節し、ピッ
チP1〜Pnまでのトータルの長さを適切な値に設計する
ことにより、幅広いダイナミックレンジを得ることがで
き、メインスケール22の相対移動量の大きさに対応し
た位置範囲において、高感度、高精度で変位検出が可能
となる。
の長さを長くすれば検出感度は下がってしまうが、当然
変位検出可能な位置範囲(前記図14に示す−PX〜+
PX)は広くなる。すなわち、メインスケール22の変
位を検出できる位置範囲は、透明面78及び反射面80
により形成されている縞状格子に対応する範囲となるた
め、ピッチP1〜Pnまでのトータルの長さが1.25m
mである表1の縞状格子に比べ、ピッチP1〜Pnまでの
トータルの長さが5mmである表2の縞状格子の方が4
倍の位置範囲においてメインスケール22の変位検出が
可能となる。以上のように、前記縞状格子のピッチ幅、
及び反射面80の1ピッチ当りの増加量を調節し、ピッ
チP1〜Pnまでのトータルの長さを適切な値に設計する
ことにより、幅広いダイナミックレンジを得ることがで
き、メインスケール22の相対移動量の大きさに対応し
た位置範囲において、高感度、高精度で変位検出が可能
となる。
【0025】また、本実施例にかかる光電型エンコーダ
18は、縞状格子を介した光量の変化による電圧値を測
定し、該電圧値のアナログ信号からメインスケール22
の変位検出をしているため、回路がシンプルで小型、安
価な光電型エンコーダを得ることが可能となる。なお、
本実施例においては、反射面80の面積を内側から外側
へ単調増加させた縞状格子の構成としたが、該面積を内
側から外側へ単調減少させても可能である。また、本実
施例においては、透明面78と反射面80からなる1パ
ターンのピッチ幅を同一とし、前記反射面80の面積を
内側から外側に向けて単調増加させたが、必ずしも前記
ピッチ幅を同一とする必要はなく、例えばピッチ幅を内
側から外側に向けて広げた場合、1ピッチ中の反射面8
0の占める割合(反射面80による反射率)が一定の比
率で増加するように1ピッチ中の反射面80の面積を増
加させればよい。
18は、縞状格子を介した光量の変化による電圧値を測
定し、該電圧値のアナログ信号からメインスケール22
の変位検出をしているため、回路がシンプルで小型、安
価な光電型エンコーダを得ることが可能となる。なお、
本実施例においては、反射面80の面積を内側から外側
へ単調増加させた縞状格子の構成としたが、該面積を内
側から外側へ単調減少させても可能である。また、本実
施例においては、透明面78と反射面80からなる1パ
ターンのピッチ幅を同一とし、前記反射面80の面積を
内側から外側に向けて単調増加させたが、必ずしも前記
ピッチ幅を同一とする必要はなく、例えばピッチ幅を内
側から外側に向けて広げた場合、1ピッチ中の反射面8
0の占める割合(反射面80による反射率)が一定の比
率で増加するように1ピッチ中の反射面80の面積を増
加させればよい。
【0026】図17には本発明の第2実施例にかかる振
動ジャイロに用いられる角速度演算手段150が示され
ており、前記図8に対応する部分には符号100を加え
て示し説明を省略する。即ち、前記図8に示した装置に
おいても、ダイナミックレンジが狭い範囲であれば充分
に正確な角速度出力を行うことはできるが、角速度ωが
極めて大きい場合等には、図7においてX軸出力30と
Y軸出力32の位相ずれのみではなく、各正弦波出力の
出力レベル、特にピーク電圧に変化を生じる。このた
め、本実施例においては、X軸信号をX軸プリアンプ1
44aにより増幅し、Y軸信号をY軸プリアンプ144
bにて増幅する際、各X軸信号及びY軸信号の振幅を一
定とするため、アンプ144の出力をAGC200a,
200bを介して前記アンプ144a,144bにそれ
ぞれ回帰し、乗算器162に一定振幅のX軸増幅信号及
びY軸増幅信号が入力されるように構成している。尚、
AGC200a,200bの出力は演算器164にも入
力されており、プリアンプ144の固有変動に基づく電
圧変化の補正を行い、より正確な角速度出力を得ること
としている。
動ジャイロに用いられる角速度演算手段150が示され
ており、前記図8に対応する部分には符号100を加え
て示し説明を省略する。即ち、前記図8に示した装置に
おいても、ダイナミックレンジが狭い範囲であれば充分
に正確な角速度出力を行うことはできるが、角速度ωが
極めて大きい場合等には、図7においてX軸出力30と
Y軸出力32の位相ずれのみではなく、各正弦波出力の
出力レベル、特にピーク電圧に変化を生じる。このた
め、本実施例においては、X軸信号をX軸プリアンプ1
44aにより増幅し、Y軸信号をY軸プリアンプ144
bにて増幅する際、各X軸信号及びY軸信号の振幅を一
定とするため、アンプ144の出力をAGC200a,
200bを介して前記アンプ144a,144bにそれ
ぞれ回帰し、乗算器162に一定振幅のX軸増幅信号及
びY軸増幅信号が入力されるように構成している。尚、
AGC200a,200bの出力は演算器164にも入
力されており、プリアンプ144の固有変動に基づく電
圧変化の補正を行い、より正確な角速度出力を得ること
としている。
【0027】図18には本発明の第3実施例にかかる振
動ジャイロに用いられる角速度演算手段が開示されてい
る。本実施例においては、各X信号及びY信号を波形成
形回路300a,300bにより例えば方形波出力と
し、該方形波出力を位相検出回路302に入力し、両波
形成形回路300の出力を積合成し、その結果を演算器
364に入力している。尚、各X軸信号及びY軸信号は
ピークホールド回路304a,304bによりピーク検
出され、それぞれの出力を演算器364に入力すること
により補正を行っている。本実施例においては、このよ
うにX軸信号及Y軸信号をデジタル的処理とすることに
より、前記X軸信号及びY軸信号のそれぞれの電圧強度
変化の影響を除去している。
動ジャイロに用いられる角速度演算手段が開示されてい
る。本実施例においては、各X信号及びY信号を波形成
形回路300a,300bにより例えば方形波出力と
し、該方形波出力を位相検出回路302に入力し、両波
形成形回路300の出力を積合成し、その結果を演算器
364に入力している。尚、各X軸信号及びY軸信号は
ピークホールド回路304a,304bによりピーク検
出され、それぞれの出力を演算器364に入力すること
により補正を行っている。本実施例においては、このよ
うにX軸信号及Y軸信号をデジタル的処理とすることに
より、前記X軸信号及びY軸信号のそれぞれの電圧強度
変化の影響を除去している。
【0028】図19には前記図18に示した角速度演算
手段のより具体的なブロック図が示されている。同図に
おいて、X軸信号及びY軸信号をそれぞれ電流−電圧変
換回路306a,306bにより電圧変化に変換し、さ
らに定電圧ダイオード308a,308bによりそれぞ
れ台形状信号として、位相検出器310に入力される。
該位相検出器310の出力は位相ずれ信号Kとして演算
器364に入力されている。尚、前記電流−電圧変換回
路306a,306bの出力は、差動ピークホールド回
路312a,312bに入力され、各正弦波信号のピー
ク差はそれぞれ差分信号Kx,Kyとして、前記位相ず
れ信号Kに加減算され、補正が行われている。
手段のより具体的なブロック図が示されている。同図に
おいて、X軸信号及びY軸信号をそれぞれ電流−電圧変
換回路306a,306bにより電圧変化に変換し、さ
らに定電圧ダイオード308a,308bによりそれぞ
れ台形状信号として、位相検出器310に入力される。
該位相検出器310の出力は位相ずれ信号Kとして演算
器364に入力されている。尚、前記電流−電圧変換回
路306a,306bの出力は、差動ピークホールド回
路312a,312bに入力され、各正弦波信号のピー
ク差はそれぞれ差分信号Kx,Kyとして、前記位相ず
れ信号Kに加減算され、補正が行われている。
【0029】更に、図20には前記図18に示した角速
度演算手段をデジタル信号化して処理するブロック回路
図が示されている。同図において、X軸信号及びY軸信
号はそれぞれSBS320a,320bに入力され、そ
の出力は位相検出回路322により位相検出される。該
位相検出器322の出力は積分回路324により積分さ
れ、更にピークホールド回路326によりピーク値検出
されたのち、電圧発信器(VCO)328により電圧値
に応じたパルス信号とされ、カウンター330によりカ
ウントされる。又、X軸信号及びY軸信号はそれぞれ差
動ピークホールド回路332a,332bにより極大ピ
ーク及び極小ピークの差分が検出され、電圧発信器33
4a,334bによりそれぞれ差分電圧値に応じた発振
パルスが出力される。各電圧発振器334a,334b
の出力はカウンター336a,336bに入力され、電
圧値に応じたカウント出力が行われ、数値演算器338
により所定の係数Aが掛合わされて角速度出力が得られ
る。尚、位相検出器322、積分回路324、ピークホ
ールド回路326、差動ピークホールド回路332、カ
ウンター330,336にはそれぞれ同期信号が入力さ
れている。以上のように、本実施例にかかる振動ジャイ
ロによれば、位相ずれに伴い発生する各X軸信号及びY
軸信号の電圧変化を補償し、より正確な角速度出力を行
うことができる。
度演算手段をデジタル信号化して処理するブロック回路
図が示されている。同図において、X軸信号及びY軸信
号はそれぞれSBS320a,320bに入力され、そ
の出力は位相検出回路322により位相検出される。該
位相検出器322の出力は積分回路324により積分さ
れ、更にピークホールド回路326によりピーク値検出
されたのち、電圧発信器(VCO)328により電圧値
に応じたパルス信号とされ、カウンター330によりカ
ウントされる。又、X軸信号及びY軸信号はそれぞれ差
動ピークホールド回路332a,332bにより極大ピ
ーク及び極小ピークの差分が検出され、電圧発信器33
4a,334bによりそれぞれ差分電圧値に応じた発振
パルスが出力される。各電圧発振器334a,334b
の出力はカウンター336a,336bに入力され、電
圧値に応じたカウント出力が行われ、数値演算器338
により所定の係数Aが掛合わされて角速度出力が得られ
る。尚、位相検出器322、積分回路324、ピークホ
ールド回路326、差動ピークホールド回路332、カ
ウンター330,336にはそれぞれ同期信号が入力さ
れている。以上のように、本実施例にかかる振動ジャイ
ロによれば、位相ずれに伴い発生する各X軸信号及びY
軸信号の電圧変化を補償し、より正確な角速度出力を行
うことができる。
【0030】図21には、本発明の他の実施例にかかる
振動ジャイロの角速度演算手段が開示されている。同図
に示す角速度演算手段460は、Y軸プリアンプ444
bと乗算器462の間に90度移相器480を配置して
いる。このため、図22(A)に示すように、基準とな
るX軸方向正弦波出力に対し、Y軸方向正弦波出力は本
来のY軸方向正弦波出力(図中点線で示す)に対して9
0度位相がずれ、両正弦波出力の積出力は出力ゼロを基
準とした周波数が倍の正弦波出力となり、更にそれを平
滑すると、出力はゼロとなる。
振動ジャイロの角速度演算手段が開示されている。同図
に示す角速度演算手段460は、Y軸プリアンプ444
bと乗算器462の間に90度移相器480を配置して
いる。このため、図22(A)に示すように、基準とな
るX軸方向正弦波出力に対し、Y軸方向正弦波出力は本
来のY軸方向正弦波出力(図中点線で示す)に対して9
0度位相がずれ、両正弦波出力の積出力は出力ゼロを基
準とした周波数が倍の正弦波出力となり、更にそれを平
滑すると、出力はゼロとなる。
【0031】一方、図22(B)には、前記(A)に示
す基準振動に対し、所定方向のコリオリの力Fcが印加
され、Y軸方向出力が前記(A)に示す状態より遅相方
向にシフトした状態が示されており、この場合には積出
力はプラス方向にシフトし、さらに平滑化した場合には
プラス出力Vmが出力される。これに対し、図22
(C)には、前記基準振動に対し、(B)とは逆方向の
コリオリの力Fcが印加された状態が示されており、Y
軸方向出力は前記(A)に示す状態より進相方向にシフ
トし、この場合には積出力がマイナス方向にシフトし、
平滑化した場合にはマイナス出力Vmが出力される。こ
のように、本実施例にかかる角速度演算手段を用いれ
ば、角速度のみならず、角速度の印加方向をも判別する
ことが可能となる。なお、図23及び図24には、前記
図17及び図18と対応して、90度移相器580,6
80を設置した角速度演算手段が示されており、いずれ
も角速度のみならず、その印加方向を判別することが可
能となる。なお、90度移相器の設置は、乗算器の前で
あれば、いずれの部分にも設置可能である。
す基準振動に対し、所定方向のコリオリの力Fcが印加
され、Y軸方向出力が前記(A)に示す状態より遅相方
向にシフトした状態が示されており、この場合には積出
力はプラス方向にシフトし、さらに平滑化した場合には
プラス出力Vmが出力される。これに対し、図22
(C)には、前記基準振動に対し、(B)とは逆方向の
コリオリの力Fcが印加された状態が示されており、Y
軸方向出力は前記(A)に示す状態より進相方向にシフ
トし、この場合には積出力がマイナス方向にシフトし、
平滑化した場合にはマイナス出力Vmが出力される。こ
のように、本実施例にかかる角速度演算手段を用いれ
ば、角速度のみならず、角速度の印加方向をも判別する
ことが可能となる。なお、図23及び図24には、前記
図17及び図18と対応して、90度移相器580,6
80を設置した角速度演算手段が示されており、いずれ
も角速度のみならず、その印加方向を判別することが可
能となる。なお、90度移相器の設置は、乗算器の前で
あれば、いずれの部分にも設置可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる振動
ジャイロによれば、振動手段をX軸方向に対し所定度傾
けて加振しているため、入力角速度に対応するコリオリ
の力によりX軸及びY軸方向の検出出力に位相ずれを生
じる。従って、前記X軸とY軸の変位出力の位相ずれ量
を求めることにより、高感度、高精度の角速度検出が可
能となる。
ジャイロによれば、振動手段をX軸方向に対し所定度傾
けて加振しているため、入力角速度に対応するコリオリ
の力によりX軸及びY軸方向の検出出力に位相ずれを生
じる。従って、前記X軸とY軸の変位出力の位相ずれ量
を求めることにより、高感度、高精度の角速度検出が可
能となる。
【図1】本発明の一実施例にかかる振動ジャイロの概略
構成の説明図である。
構成の説明図である。
【図2】図1に示した振動ジャイロの磁石板の平面断面
図である。
図である。
【図3】,
【図4】,
【図5】,
【図6】,
【図7】図1に示した振動ジャイロの振動手段及び角速
度測定原理の説明図である。
度測定原理の説明図である。
【図8】図1に示した振動ジャイロの振動制御手段及び
角速度演算手段の説明図である。
角速度演算手段の説明図である。
【図9】図1に示した振動ジャイロに用いられる光電型
エンコーダの概略構成の説明図である。
エンコーダの概略構成の説明図である。
【図10】図9に示した光電型エンコーダの発光素子及
び受光素子の配置の説明図である。
び受光素子の配置の説明図である。
【図11】図9に示す光電型エンコーダのメインスケー
ルに形成された縞状格子の説明図である。
ルに形成された縞状格子の説明図である。
【図12】図9に示す縞状格子の反射面の位置による面
積変化の説明図である。
積変化の説明図である。
【図13】図9に示す光電型エンコーダのインデックス
スケールの説明図である。
スケールの説明図である。
【図14】図9に示す光電型エンコーダの受光素子から
の信号の差動増幅回路の構成説明図である。
の信号の差動増幅回路の構成説明図である。
【図15】,
【図16】図14に示した回路による信号処理状態の説
明図である。
明図である。
【図17】本発明の第2実施例にかかる振動ジャイロの
角速度演算手段の説明図である。
角速度演算手段の説明図である。
【図18】,
【図19】,
【図20】本発明の第3実施例にかかる振動ジャイロの
角速度演算手段の説明図である。
角速度演算手段の説明図である。
【図21】,
【図22】,
【図23】,
【図24】本発明の他の実施例にかかる振動ジャイロの
角速度演算手段の説明図である。
角速度演算手段の説明図である。
10 … 振動ジャイロ 14 … 振動子 18 … 変位検出手段 60 … 角速度演算手段
Claims (4)
- 【請求項1】 ベースに立設された振動手段と、 前記振動手段に、X軸方向に対し所定角度傾いた方向の
振動力を印加する加振手段と、 前記振動手段のX軸方向及びY軸方向への変位を検出す
る変位検出手段と、 前記変位検出手段により検出された振動手段のX軸方向
への変位を示す正弦波出力とY軸方向への変位を示す正
弦波出力の位相ずれ量より、角速度を演算する角速度演
算手段と、を備えたことを特徴とする振動ジャイロ。 - 【請求項2】 請求項1記載の振動ジャイロにおいて、
加振手段による振動手段の加振方向が、X軸方向に対し
45度傾いた方向であることを特徴とする振動ジャイ
ロ。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の振動ジャイロにお
いて、角速度演算は、X軸方向への変位を示す正弦波出
力とY軸方向への変位を示す正弦波出力の積出力の変動
量より角速度を演算することを特徴とする振動ジャイ
ロ。 - 【請求項4】 請求項3記載の振動ジャイロにおいて、
角速度演算手段は、X軸方向への正弦波出力またはY軸
方向への正弦波出力の位相を90度ずらせる移相器を備
えたことを特徴とする振動ジャイロ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5069239A JPH06258081A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 振動ジャイロ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5069239A JPH06258081A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 振動ジャイロ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06258081A true JPH06258081A (ja) | 1994-09-16 |
Family
ID=13397007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5069239A Pending JPH06258081A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 振動ジャイロ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06258081A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100771492B1 (ko) * | 2005-11-23 | 2007-10-30 | 세종대학교산학협력단 | 진동형 마이크로 자이로스코프를 이용한 자세각 직접측정제어방법 |
KR101484237B1 (ko) * | 2013-12-06 | 2015-01-16 | 현대자동차 주식회사 | 자이로 센서 신호처리 장치 및 그 방법 |
-
1993
- 1993-03-04 JP JP5069239A patent/JPH06258081A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100771492B1 (ko) * | 2005-11-23 | 2007-10-30 | 세종대학교산학협력단 | 진동형 마이크로 자이로스코프를 이용한 자세각 직접측정제어방법 |
KR101484237B1 (ko) * | 2013-12-06 | 2015-01-16 | 현대자동차 주식회사 | 자이로 센서 신호처리 장치 및 그 방법 |
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