JPH0625693Y2 - ロツドレスシリンダのワーク連結構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ピストンに突設した移動部材をシリンダチユ
ーブの上面に形成した長さ方向の切割溝を通して外部に
突出してその切割溝に沿つて往復運動させるようにした
ロツドレスシリンダの移動部材に、ロツドレスシリンダ
の上方においてその長さ方向の案内に沿つて走行可能に
支持されたワークを連結する構造の改良に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 ロツドレスシリンダを用いてワークを駆動するに際し
て、例えばワークの重量が大である場合等には、ワーク
を、ロツドレスシリンダの上方においてその長さ方向の
ガイドバー等の案内に沿つて走行可能に支持して、ロツ
ドレスシリンダの移動部材に連結する方法が採られてお
り、従来、その具体的な連結構造としては、ロツドレス
シリンダの移動部材の上面に、ロツドレスシリンダの幅
方向を向いた連結軸を一対の取付板の間に差し渡して支
持した連結金具を固定する一方、ワークの下面に、連結
軸が緊密に嵌まる縦溝を下端に開口して形成した、上記
の取付板の対応間隔よりも薄肉の嵌込板を突設した連結
金具を固定し、ワーク側の連結金具の縦溝を、移動部材
側の連結金具の連結軸に上下方向に嵌入することによつ
て、ワークを移動部材と一体的にロツドレスシリンダの
長さ方向に沿つて移動できるように連結し、かつ、ワー
クに対して、連結軸を縦溝に嵌めたことにより上下方向
の遊びを、嵌込板を取付板の間にクリアランスを持たせ
て嵌めたことにより連結軸の長さ方向の遊びを、また、
ワーク側連結金具が連結軸回りで回転自由であることに
より回動方向の遊びを夫々持たせることによつて、ロツ
ドレスシリンダや案内の設置位置の誤差等に伴う連結位
置のずれを吸収してワークの円滑な駆動を計るようにし
たものが知られている。

しかしながら、従来の連結構造では、上記のように、ロ
ツドレスシリンダに固定した連結金具に一体的に組み付
けられた連結軸に、ワークに固定した連結金具の縦溝を
上下方向に嵌め込む構造であるため、連結や取り外しを
行う際には、ワークを案内ともども、またはロツドレス
シリンダをいちいち上下方向に動かす必要があつて、連
結や取り外し作業に時間が掛かる欠点があつた。なお、
連結軸を組み込んだ連結金具をワーク側に、縦溝を有す
る連結金具をロツドレスシリンダの移動部材側に夫々固
定した場合も同様の欠点がある。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本考案のロ
ツドレスシリンダのワーク連結構造は、ロツドレスシリ
ンダの移動部材の上面に固定される移動部材側連結金具
と、ワークの下面に固定されるワーク側連結金具のいず
れか一方に、一対の取付板をロツドレスシリンダの幅方
向に間隔をおいて突設して、他方に、一対の取付板の間
にその対応方向にクリアランスを持つてロツドレスシリ
ンダの長さ方向に沿つて装入される装入板を突設すると
ともに、その一対の取付板と装入板を貫通する方向に挿
通される連結軸を設けて、一対の取付板と装入板のいず
れか一方に、連結軸が緊密に嵌合する軸受孔と、その連
結軸がロツドレスシリンダの長さ方向の移動不能に嵌合
する縦溝とのいずれか一方を、他方に、軸受孔と縦溝の
他方を夫々形成し、連結軸に、取付板に当たつてその連
結軸が挿通方向に抜けるのを阻止する段付部を形成する
とともに、その連結軸が挿通方向と反対方向に抜けるの
を阻止する抜止部材を設けた構成とした。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、ワーク側連結金具を固定した
ワークを、移動部材側連結金具を固定したロツドレスシ
リンダの移動部材のある位置から離間した位置において
案内に支持したのち、その案内に沿つて移動部材の位置
まで走行させ、ワーク側または移動部材側のいずれか一
方の連結金具に突設した装入板を、他方の連結金具に突
設した一対の取付板の間に装入して、取付板と装入板に
夫々形成された軸受孔と縦溝を整合し、一方の取付板の
外側から、連結軸を、両取付板並びにその間の装入板の
軸受孔及び縦溝を貫通して挿通し、連結軸に設けた段付
部を取付板に当てて抜止部材を装着すると、連結軸が挿
通方向とその逆方向の両方向に抜け不能に取付板に取り
付けられ、その連結軸が、取付板及び装入板の軸受孔及
び縦溝に、ロツドレスシリンダの長さ方向の移動不能に
嵌まつていることから、移動部材の移動によりワークが
ロツドレスシリンダの長さ方向に沿つて一体的に移動
し、しかも、ワークには、取付板または装入板のいずれ
か一方に縦溝が形成されてこれに連結溝が嵌まつている
ことにより上下方向の遊びが、また、装入板が取付板の
間にその反応方向にクリアランスを持つて装入されてい
ることによりロツドレスシリンダの幅方向の遊びが、さ
らに、連結軸が取付板または装入板の軸受孔に嵌まつて
いることにより連結軸回りの遊びが夫々与えられ、ロツ
ドレスシリンダや案内の設置位置の誤差等に伴う連結位
置のずれを吸収して、ワークの円滑な走行が担保される
のであり、また、ワークを取り外す場合は、抜止部材を
外して連結軸を引き抜けば、移動部材側連結金具とワー
ク側連結金具の連結が外れ、ワークをそのまま移動部材
から離間する方向に案内に沿つて走行させれば良い。

このように本考案によれば、ロツドレスシリンダの移動
部材に移動部材側連結金具を固定しておく一方、ワーク
側連結金具を固定して案内に支持したワークを、そのま
ま案内に沿つて移動部材から離間した位置と移動部材の
位置の間で走行させつつ、あとは、連結軸を抜き差しす
るだけで、いちいちワーク側やロツドレスシリンダ側を
上下方向に移動させることなく、ワークの連結とその取
り外しができるから、連結や取り外し作業を簡単かつ短
時間に行うことができて、作業能率の向上を計ることが
できる効果がある。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図乃至第４図に基づいて
説明する。

第１図において、１はロツドレスシリンダであつて、シ
リンダチユーブ２の上面に形成した長さ方向の切割溝３
を通して図示しないピストンに突設した取付部が突出
し、それに固定されたテーブル４が切割溝３に沿つて往
復運動するようになつており、このロツドレスシリンダ
１の上方においてその長さ方向に沿つて設置された図示
しないガイドバーにワークａが走行可能に支持され、テ
ーブル４の上面とワークａの下面に夫々固定された連結
金具５、１７により、ワークａがテーブル４に連結され
るようになつている。

続いて、その連結構造を詳細に説明する。

テーブル側連結金具５には、第２図に示すように、その
上面の両側縁部に一対の取付板６、７が突設されて、各
取付板６、７に夫々径が大小異なる軸受孔８、９が同心
に透設され、この連結金具５が、両取付板６、７がテー
ブル４の幅方向に向き合つた姿勢において四隅をボルト
１０で締め付けることによつて、テーブル４の上面に固
定されるようになつており、また、この両取付板６、７
の間に連結軸１１が差し渡されて支持されるようになつ
ていて、この連結軸１１は、上記の大径の軸受孔８に緊
密に嵌合する大径部１２の先端に、小径の軸受孔９に緊
密に嵌合する小径部１３を形成した段付形状で、その大
径部１２のうちの、大径の軸受孔８内に嵌まる後端部を
除く部分の外周に平行二面１４が削成されており、ま
た、後端面に、ねじ付きドライバ等の工具のねじ部が螺
合するねじ孔１５が形成されている。

一方、ワーク側連結金具１７には、その下面に、上記の
テーブル側連結金具５の両取付板６、７の間に横方向か
ら装入される、その取付板６、７の対応間隔よりも薄い
肉厚の装入板１８が突設され、この装入板１８に、上記
の連結軸１１の平行二面１４に整合して嵌まる縦溝１９
が下端に開口して形成されており、この連結金具１７
が、四隅に形成した取付孔２０に図示しないボルトを通
して締め付けることにより、ワークａの下面に固定され
るようになつている。

また、上記したテーブル側連結金具５の大径の軸受孔８
を設けた側の取付板６の外側面には、その軸受孔８の近
傍に、連結軸１１の抜け止め用の座金付ねじ２２を螺合
するねじ孔２３が穿設されている。

本実施例はこのような構造になり、ワーク側連結金具１
７を固定したワークａを、テーブル側連結金具５を固定
したロツドレスシリンダ１のテーブル４のある位置から
離間した位置においてガイドバーに支持したのち、ワー
クａ並びに連結金具１７を、第２図の矢線に示すよう
に、ガイドバーに沿つてテーブル４の位置まで走行させ
て、ワーク側連結金具１７の装入板１８を、テーブル側
連結金具５の一対の取付板６、７の間に装入し、装入板
１８の縦溝１９を取付板６、７の軸受孔８、９に整合し
たのち、ねじ付ドライバの先端に取り付けた連結軸１１
を、平行二面１４が縦方向を向く姿勢にして、大径の軸
受孔８を設けた取付板６の外側から、その大径の軸受孔
８、縦溝１９及び小径の軸受孔９にわたつて挿通し、連
結軸１１の段付部１６が、小径の軸受孔９の口縁に当た
るまで押し込むと、連結軸１１の後端面が大径の軸受孔
８を設けた取付板６の外側面と面一に収まり、続いて、
大径の軸受孔８を設けた取付板６のねじ孔２３に座金付
ねじ２２を螺着すると、座金付ねじ２２の座金が連結軸
１１の後端面の外周の一部に掛止し、第３図及び第４図
に示すように、連結軸１１が、その小径部１３と大径部
１２の後端が、夫々小径の軸受孔９と大径の軸受孔８内
に緊密に嵌まり、また、その途中の平行二面１４が、ワ
ーク側連結金具１７の縦溝１９内にワークａの走行方向
の移動不能に嵌まつた状態で、連結軸１１の挿通方向及
びその反応方向の両方向の抜け不能に取り付けられる。

このように、ワーク側連結金具１７とテーブル側連結金
具５とが、互いにロツドレスシリンダ１の長さ方向の移
動不能に連結されることから、テーブル４を往復運動さ
せると、ワークａがロツドレスシリンダ１の長さ方向に
沿つて一体的に移動し、しかも、ワークａには、ワーク
側連結金具１７の縦溝１９を連結軸１１の平行二面１４
に嵌めたことにより上下方向の遊びが、また、装入板１
８が取付板６、７の間にその対応方向にクリアランスを
持つて装入されていることによりロツドレスシリンダ１
の幅方向の遊びが、さらに、連結軸１１が取付板６、７
の軸受孔８、９に嵌まつて回転自由となつていることに
より連結軸１１回りの遊びが夫々与えられ、ロツドレス
シリンダ１やガイドバーの設置位置の誤差等に伴う連結
位置のずれを吸収して、ワークａが円滑に走行される。

ワークａの取り外しを行う場合は、抜け止め用の座金付
ねじ２２を緩めて外したのち、ねじ付ドライバを用いて
連結軸１１を引き抜くと、テーブル側連結金具５とワー
ク側連結金具１７の連結が外れることから、ワークａを
そのままテーブル４から離間する方向に走行させれば良
い。

本実施例によれば、ロツドレスシリンダ１のテーブル４
にテーブル側連結金具５を固定しておく一方、ワーク側
連結金具１７を固定してガイドバーに支持されたワーク
ａを、そのままガイドバーに沿つてテーブル４から離間
した位置とテーブル４の位置の間で走行させつつ、あと
は、連結軸１１を挿通して抜け止め用の座金付ねじ２２
を螺合し、また、座金付ねじ２２を外して連結軸１１を
引き抜くだけで、いちいちワークａ側やロツドレスシリ
ンダ１側を上下方向に移動させることなく、ワークａの
連結とその取り外しができるから、連結や取り外し作業
を簡単かつ短時間に行うことができるのであり、特に本
実施例では、連結軸１１の挿通方向と反対方向の抜け止
めを、連結軸１１を抜き差しする側の取付板６に座金付
ねじ２２を止めて行うようにしたから、連結軸１１の抜
き差し作業をロツドレスシリンダ１の一側でのみ行うこ
とができ、また、連結軸１１に平行二面１４を削成して
そこにワーク側連結金具１７の縦溝１９を嵌めることに
より、嵌合部分を面接触させる構造としたから、例え
ば、丸軸を緊密に嵌めることにより線接触となる場合と
比べて嵌合部分が早期に摩耗するのを防止して、耐久性
を向上させることができる利点がある。

なお、本考案の連結構造は、上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば、連結軸の挿通方向の抜けを阻止
す手段として、連結軸の挿通方向後端に係止鍔を設けた
り、また、連結軸の挿通方向と反対方向の抜け止め手段
として、連結軸の挿通方向の先端を軸受孔から突出させ
てそこにＣリングを嵌めるようにしても良く、また、ワ
ーク側連結金具の装入板側に軸受孔を、テーブル側連結
金具の一対の取付板側に縦溝を形成するようにしても良
い。

例えば、第５図例は、テーブル側連結金具５ａの一対の
取付板６ａに同径の軸受孔８ａを形成し、連結軸１１ａ
の先端に設けた小径部１３ａにカラー２５を嵌めること
により両端部を両軸受孔８ａ内に緊密に嵌合するととも
に、連結軸１１の挿通方向の抜け止めを後端に設けた係
止鍔２６により、また、挿通方向と反対方向の抜け止め
を、カラー２５から突出した連結軸１１の先端にＣリン
グ２７を嵌めることによつて夫々行うようにしたもので
あり、また、第６図例は、テーブル側連結金具５ｂの一
対の取付板６ｂ、７ｂに、連結軸１１ｂの後端側に設け
た六角部２９と先端部に削成した平行二面３０が夫々嵌
まる幅の異なつた縦溝８ｂ、９ｂを形成するとともに、
ワーク側連結金具１７ｂの装入板１８ｂに連結軸１１ｂ
の途中が緊密に嵌まる軸受孔１９ｂを形成し、連結軸１
１ｂの挿通方向とその反対方向の抜け止めを、連結軸１
１ｂの後端に形成した係止鍔２６と先端側の突出端にＣ
リング２７を嵌めることによつて行うようにしたもので
ある。

さらに、一対の取付板を突設した連結金具をワークａ側
に、装入板を突設した連結金具をロツドレスシリンダ１
のテーブル４側に固定するようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の外観斜視図、第２図はその
取付構造の詳細を示す一部切欠分解斜視図、第３図はそ
の断面図、第４図は第３図のＡＡ線断面図であり、第５
図及び第６図は夫々他の実施例の分解斜視図である。 ａ：ワーク、１：ロツドレスシリンダ、２：シリンダチ
ユーブ、３：切割溝、４：テーブル、５、５ａ、５ｂ：
テーブル側連結金具、６、７、６ａ、６ｂ、７ｂ：取付
板、８、９、８ａ、１９ｂ：軸受孔、１１、１１ａ、１
１ｂ：連結軸、１６：段付部、１７、１７ｂ：ワーク側
連結金具、１８、１８ｂ：装入板、１９、８ｂ、９ｂ：
縦溝、２２：座金付ねじ、２６：係止鍔、２７：Ｃリン
グ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ピストンに突設した移動部材をシリンダチ
   ユーブの上面に形成した長さ方向の切割溝を通して外部
   に突出して該切割溝に沿つて往復運動させるようにした
   ロツドレスシリンダの前記移動部材に、該ロツドレスシ
   リンダの上方においてその長さ方向の案内に沿つて走行
   可能に支持されたワークを連結する構造であつて、前記
   移動部材の上面に固定される移動部材側連結金具と、前
   記ワークの下面に固定されるワーク側連結金具のいずれ
   か一方に、一対の取付板を前記ロツドレスシリンダの幅
   方向に間隔をおいて突設して、他方に、該一対の取付板
   の間にその対応方向にクリアランスを持つて前記ロツド
   レスシリンダの長さ方向に沿つて装入される装入板を突
   設するとともに、該一対の取付板と該装入板を貫通する
   方向に挿通される連結軸を設けて、前記一対の取付板と
   前記装入板のいずれか一方に、前記連結軸が緊密に嵌合
   する軸受孔と、該連結軸が前記ロツドレスシリンダの長
   さ方向の移動不能に嵌合する縦溝とのいずれか一方を、
   他方に、前記軸受孔と前記縦溝の他方を夫々形成し、前
   記連結軸に、前記取付板に当たつて該連結軸が前記挿通
   方向に抜けるのを阻止する段付部を形成するとともに、
   該連結軸が前記挿通方向と反対方向に抜けるのを阻止す
   る抜止部材を設けたことを特徴とするロツドレスシリン
   ダのワーク連結構造