JPH06256868A - アルミニウム真空ろう付炉 - Google Patents

アルミニウム真空ろう付炉

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JPH06256868A
JPH06256868A JP5048221A JP4822193A JPH06256868A JP H06256868 A JPH06256868 A JP H06256868A JP 5048221 A JP5048221 A JP 5048221A JP 4822193 A JP4822193 A JP 4822193A JP H06256868 A JPH06256868 A JP H06256868A
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tank
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保之 田中
Nobuhiko Yamada
信彦 山田
Keishi Mizugaki
佳士 水垣
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化マグネシウムの清掃作業を省略可能にす
ること。 【構成】 アルミニウム真空ろう付炉はマグネシウム回
収装置を備える。マグネシウム回収装置は、端部28a
がろう付室4内に開口したガス通路28と、このガス通
路28を開き、乾燥空気をろう付室4内に吹出可能にす
るガスバルブ29とからなる大気開放手段を備え、この
大気開放手段は、ろう付終了後、ろう付室4内を大気開
放して、ろう付室4内に蒸発している、ろう材中のマグ
ネシウムを酸化させるものである。また、マグネシウム
回収装置は、ろう付室4の下方にホッパー25を備え、
このホッパー25の下流側に第1パイプ34、1次サイ
クロン35、2次サイクロン38及びスクラバ39等を
順に備える。第1パイプ34には、マグネシウム回収バ
ルブ36が配設され、このマグネシウム回収バルブ36
は、ろう付終了と同時に開放され、ろう付室4内の酸化
マグネシウムを1次サイクロン35側に導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム真空ろう付
炉、詳しくは、自動車用ラジエータ、自動車空調用蒸発
器、凝縮器等のアルミニウム熱交換器の各構成部材とし
てのアルミニウム部材間を真空ろう付するアルミニウム
真空ろう付炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のアルミニウム真空ろう
付炉は、マグネシウムを含むろう材を組み合わせたアル
ミニウム部材を、ろう付室内に搬入し、該ろう付室を真
空雰囲気にするとともに、上記ろう材の融点以上に昇温
して、上記アルミニウム部材をろう付するよう構成され
る(例えば、特開昭63−52764号公報参照)。こ
こで、マグネシウム含有ろう材を使用する理由は、ろう
付時にアルミニウムの酸化皮膜を破壊し、ろう付を良好
に行なうことができるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アルミニウム真空ろう付炉においては、ろう付後、ろう
付された被ろう付品をろう付室から搬出し、次にろう付
すべき被ろう付品をろう付室に搬入する際、ろう付室が
大気に開放されると、ろう付室内の蒸発マグネシウムが
酸化され、粉体状の酸化マグネシウムとなり、この酸化
マグネシウムがろう付室内の床面に堆積する。
【0004】この酸化マグネシウム堆積物は、次サイク
ルのろう付における真空引きの際、真空排気系統へ飛散
し、真空排気を行なうポンプ類の動作不良、性能低下、
そのフィルタの目詰まり等を招く原因となっていた。ま
た、かかる不具合を防止するためには、酸化マグネシウ
ム堆積物を除去する手作業による清掃作業を頻繁に行な
わなければならなかった。また、ろう付室内には未だ酸
化されていない蒸発マグネシウムも含まれており、通
常、蒸発マグネシウムが酸化されるときの衝撃エネルギ
ーは大きいため大変危険であり、このことに留意しなが
ら注意深く清掃作業をしなければならないという問題も
あった。
【0005】本発明は、上記問題点に着目してなされた
ものであり、蒸発マグネシウムを積極的に酸化させると
ともに酸化マグネシウムを自動的に回収することによ
り、真空排気系統のポンプ類の動作不良、性能低下、フ
ィルタ目詰まり等の防止、煩雑な清掃作業の廃止、及
び、蒸発マグネシウムの安全な除去を図ることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るアルミニウム真空ろう付炉は、マグネ
シウムを含むろう材を組み合わせたアルミニウム部材
を、ろう付室内に搬入し、該ろう付室を真空雰囲気にす
るとともに、前記ろう材の融点以上に昇温して、前記ア
ルミニウム部材をろう付するアルミニウム真空ろう付炉
であって、マグネシウム回収装置を備え、該マグネシウ
ム回収装置は、ろう付終了後、ろう付室内に空気を流入
し、ろう付時にろう材中から蒸発したマグネシウムを酸
化させる大気開放手段と、前記ろう付室の下方に設置さ
れ、前記大気開放により生じた酸化マグネシウムを受け
入れる受入手段と、前記受入手段の下流側に設置され、
前記受入手段により受け入れられた酸化マグネシウムを
分離回収する分離回収手段と、を備えてなることを特徴
とする。
【0007】
【発明の作用効果】大気開放手段は、ろう付終了後、ろ
う付室内を−40℃の乾燥空気等により大気開放する。
この大気開放がされると、ろう付時にろう材中から蒸発
した蒸発マグネシウムが酸化され、酸化マグネシウムと
なる。酸化マグネシウムは、受入手段により受け入れら
れ、分離回収手段により分離回収される。
【0008】このように、本発明は、ろう付後、蒸発マ
グネシウムを積極的に酸化させて酸化マグネシウムと
し、この酸化マグネシウムを自動的に回収するようにし
ている。このため、真空排気系統のポンプ類の動作不
良、性能低下、フィルタ目詰まり等の防止、煩雑な清掃
作業の廃止、及び、蒸発マグネシウムの安全な除去を図
ることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0010】一実施例に係るアルミニウム真空ろう付炉
は、炉本体部とマグネシウム回収装置とからなり、図1
及び図2は、主として炉本体部を概略的に示し、図3
は、マグネシウム回収装置の主要部を概略的に示してい
る。
【0011】 炉本体部 図1及び図2において、1は水平方向略円筒状に形成さ
れた炉体を表わしている。炉体1には、真空排気系統の
排気口2が炉体内空間と連通するように設けられてい
る。排気口2は、真空排気系統の構成要素である切換弁
60、拡散ポンプ61,メカニカルブースタポンプ62
及びロータリポンプ63と順に連通している。炉体1内
上部には、レール3が張り出ており、このレール3にろ
う付室4を形成するヒータモジュールが吊下げられてい
る。ろう付室4の天井には、キャリアレール5が吊下げ
られており、このキャリアレール5に、被ろう付品(マ
グネシウムを含むろう材を組み合わせたアルミニウム部
材)6を積載するキャリア7が上下方向に複数段吊下げ
られている。キャリア7は、図1の紙面垂直方向に移動
可能になっている。
【0012】ろう付室4は、本実施例の場合、図1左右
方向に二つ独立して形成されている。各ろう付室4の天
井と底面を除く、側面の壁8の内面には、熱反射板9及
びヒータ手段としてのヒータ10が一対となって、被ろ
う付品6の位置に対応して複数組、互いに密接して設置
されている。そして、ろう付室4の壁8の一部8aは、
図7に示すように、エアシリンダ11等からなる駆動手
段30(図7に示すような回転動作させるものに限定さ
れない。)により開閉可能な構造とされ、この部分8a
の内面にも熱反射板9及びヒータ10が一対となって設
置されている。したがって、ろう付室4の一部は、上記
のような可動壁(ヒータ付き可動扉)12により開閉可
能な構造とされている。なお、可動壁12は、本実施例
の場合、図2に示すように、各ろう付室4において、炉
体1に近い側の側面であって前扉22及び後扉23寄り
の部位に2個形成されている。また、被ろう付品6をろ
う付室4に搬入、搬出する際に操作される前扉22、及
び保守点検時に操作される後扉23の各内面にも、熱反
射板9及びヒータ10が一対となって設置されている。
【0013】上記可動壁12を駆動する駆動手段30
は、以下のように構成されている。
【0014】可動壁12の前扉22側又は後扉23側の
端部には、上下方向に回転軸31が固着されている。回
転軸31は、ろう付室4の天井4aの上方で連結部材3
2を介してエアシリンダ11のロッド11aに連結され
ており、ロッド11aが後端位置にあるときは可動壁1
2を閉位置に、ロッド11aが前端位置にあるときは可
動壁12を開位置に、また、ロッド11aが後端位置か
ら前進するときには回転軸31を矢印a方向へ回動して
可動壁12を閉位置から開き、ロッド11aが前端位置
から後退するときには回転軸31を矢印b方向へ回動し
て可動壁12を開位置から閉じるよう構成されている。
エアシリンダ11の上記のような動作は、エアシリンダ
11内のヘッド側室11b、ロッド側室11cの各々
に、後述するような制御手順に従って給排気することに
よって実現される。
【0015】次にエアシリンダ制御手段33について説
明する。
【0016】エアシリンダ制御手段33は、エアシリン
ダ11のヘッド側室11b、ロッド側室11c内と連通
したエアホース34,35を有する。ロッド側室11c
に連通するエアホース34は、4ポート2位置切換ソレ
ノイドバルブ36のポート口Aに接続され、また、ヘッ
ド側室11bに連通するエアホース35は、ソレノイド
バルブ36のポート口Bに接続されている。なお、ソレ
ノイドバルブ36の給気口Pには、例えば4kg/cm
2 の圧縮空気を発生するエアー源37が接続されてい
る。
【0017】ソレノイドバルブ36は、バルブ駆動回路
38により駆動される。バルブ駆動回路38には、可動
壁12の開位置を確認するための、ロッド11aが前端
位置にあるときオンする開位置検出用スイッチ39から
の信号と、可動壁12の閉位置を確認するための、ロッ
ド11aが後端位置にあるときオンする閉位置検出用ス
イッチ40からの信号と、前扉22が開位置から閉位置
になったことを確認するための、前扉22が閉位置にな
ったときオンする前扉閉位置検出用スイッチ41からの
信号と、ろう付室4内の被ろう付品6の温度を検知し、
当該温度に比例した電圧値の信号を出力する温度センサ
42からの信号とが入力される。そして、これらの入力
信号に基づいてソレノイドバルブ36の2つの電磁ソレ
ノイド43,44への通電を制御するよう構成されてい
る。ここで、一方の電磁ソレノイド43は、可動壁12
を閉位置に回動又は維持する際に通電される閉用ソレノ
イドであり、他方の電磁ソレノイド44は、可動壁12
を開位置に回動又は維持する際に通電される開用ソレノ
イドである。
【0018】バルブ駆動回路38は、可動壁12が閉位
置にあるときには、閉用ソレノイド43を通電状態にす
る。このとき、ロッド11aは後端位置にあり、閉位置
検出用スイッチ40がオン状態にある。このような可動
壁12が閉位置にあるときに、ろう付開始のため前扉2
2が閉じられると、前扉閉位置検出用スイッチ41がオ
ン状態になり、この前扉閉位置検出用スイッチ41がオ
ンすると、開用ソレノイド44に通電し、また、閉用ソ
レノイド43を非通電にする。このため、ソレノイドバ
ルブ36のスプールが切り換わり、エアシリンダ11の
ヘッド側室11bが給気、ロッド側室11cが排気され
てロッド11aが前進し、可動壁12が開く。この可動
壁12の開動作により、閉位置検出用スイッチ40はオ
フ、開位置検出用スイッチ39はオンとなる。その後、
ろう付室4内の被ろう付品6の温度が上昇してマグネシ
ウムの蒸発温度付近(例えば545℃)まで達すると、
温度センサ42の出力電圧が基準電圧以上になるので、
閉用ソレノイド43に通電し、また、開用ソレノイド4
4を非通電にする。このため、ソレノイドバルブ36の
スプールが元の位置に戻り、エアシリンダ11のロッド
側室11cが給気、ヘッド側室11bが排気されてロッ
ド11aが後退し、可動壁12が閉じる。
【0019】被ろう付品6は、自動車用ラジエータ、自
動車空調用蒸発器、凝縮器等のアルミニウム熱交換器で
あり、また、そのろう付用のろう材は下記の表1に示す
如き組成物等からなるものであって、本実施例によれば
マグネシウムの含有量を従来の1.2%から0.6%に
低減している。
【0020】 各ヒータ10は、図5及び図6に示すように構成されて
いる。図5及び図6において、13は、ステンレススチ
ール等を材料とするボックスを表わしている。ボックス
13内部には、ボックス13により支持されたヒータ支
持棒14が複数本配設されており、各ヒータ支持棒14
に電気ヒータ15が巻かれている。この電気ヒータ15
は、カンタル線等の電気ヒータ材料からなる。電気ヒー
タ15の両端は、それぞれ電極16に接続されている。
各電極16は、一端に電気ヒータ15の端部15aが固
定された電極棒17と、この電極棒17の外周に配設さ
れた碍子18と、電極棒17の他端に固着されたボルト
19と、このボルト19により電極棒17の他端に固定
され、ヒータケーブル27の先端が固着されたターミナ
ル20とから構成されている。ボックス13の床面に
は、一枚又は複数枚の放熱防止用の熱反射板21が配設
されている。この熱反射板21は、ステンレススチール
等の材料からなる。
【0021】上記のように構成されたヒータ10は、図
6に示すように、ろう付室4の壁8を構成するフレーム
の内面側に、1枚又は複数枚の熱反射板9を介在させた
上で取り付けられている。なお、ヒータ10は、前扉2
2及び後扉23の各内面にも上記と同様に取り付けられ
ている。
【0022】ろう付室4の天井にも、熱反射板24が配
設されている。
【0023】 マグネシウム回収装置 図1及び図2において、ろう付室4の天井部には、ろう
付室4内を大気開放するために乾燥空気例えば−40℃
の乾燥空気をろう付室4内に導き入れるガス通路28の
端部28aが開口している。このガス通路28の他端側
は炉体1の外部に伸びており、途中にガス通路開閉用の
ガスバルブ29が設けられている。このようにして、本
発明にいう大気開放手段が構成されている。
【0024】また、炉体1にも、炉体1内を大気開放す
るために乾燥空気を炉体1内に導き入れる他のガス通路
30の端部30aが開口しており、このガス通路30の
途中にガス通路開閉用の他のガスバルブ31が設けられ
ている。
【0025】ろう付室4の下方には、本発明にいう受入
手段としてのホッパー25が配設されている。このホッ
パー25は、真空ろう付後にガスバルブ29が開かれ、
ろう付室4内が大気開放されることにより発生する酸化
マグネシウム等を捕集し、下流側に配設された後述する
1次サイクロン35等に導く。なお、このホッパー25
の上部には、図4に示すように熱反射板26が設けられ
ている。この熱反射板26には、ろう付室4内の酸化マ
グネシウム等をホッパー25側に吸引する吸引力を増大
させるために多数の孔32が形成されている。また、熱
反射板26には、N2 ガス等不活性ガスを熱反射板26
の上面中央部に向けて吹き出し、熱反射板26の上面上
の酸化マグネシウムを舞い上がらせて吸引効率を向上さ
せる吹出パイプ33が設けられている。
【0026】図3に示すように、ホッパー25は、第1
パイプ34を介して1次サイクロン35と接続されてい
る。第1パイプ34には、第1パイプ34の内部通路を
開閉するマグネシウム回収バルブ36が設けられてい
る。1次サイクロン35は、第2パイプ37を介して2
次サイクロン38と接続されている。1次サイクロン3
5は、捕集した酸化マグネシウムを回収する第1マグネ
シウム回収槽41を有している。2次サイクロン38の
上方(下流)には、スクラバ39が設けられ、スクラバ
39の下流には、ファン40が設けられている。2次サ
イクロン38は、2次サイクロン38自体及びスクラバ
39により捕集された酸化マグネシウムを回収する第2
マグネシウム回収槽42を有している。第2マグネシウ
ム回収槽42は、堰43により2つのタンク部44,4
5に分離されている。一方のタンク部44は、2次サイ
クロン38の下方に位置し、このタンク部44には、2
次サイクロン38で捕集した酸化マグネシウムと、スク
ラバ39においてシャワーノズル46から吐出された非
水溶性かつ難燃性のオイルと酸化マグネシウムとが流入
し、酸化マグネシウムがヘドロ状となって堆積する。他
方のタンク部45には、一方のタンク部44から溢れ出
たオイルが流入する。他方のタンク部45内のオイル
は、ポンプ47により吸い上げられ、熱交換器(図示せ
ず)を通って冷却され、シャワーノズル46から吐出さ
れる。なお、図3において、48はガラス玉層を表わし
ている。また、1次サイクロン35、2次サイクロン3
8、スクラバ39等が本発明にいう分離回収手段に対応
している。
【0027】次に、上記のように構成されたアルミニウ
ム真空ろう付炉を用いた真空ろう付方法について、図8
を併せ参照しつつ説明する。
【0028】まず、第nサイクル目のろう付を開始す
る。ろう付は、被ろう付品6をろう付室4内に搬入し、
前扉22を閉じた状態で開始され、前扉22を閉じるこ
とで、上述したように、バルブ駆動回路38により開用
ソレノイド44が通電、閉用ソレノイド43が非通電と
なり、可動壁12は開位置となる。そして、真空排気系
統の切換弁60が開かれ、拡散ポンプ61、メカニカル
ブースタポンプ62、ロータリポンプ63により、ろう
付室4内は排気され始める。排気開始により、ろう付室
4内の圧力は図8に示すように降下して真空度が増大し
てゆき、また、ヒータ10は通電状態にあるためろう付
室4内の被ろう付品6の温度は図8に示すように上昇し
てゆく。そして、図8に示すように、被ろう付品温度が
マグネシウム蒸発温度付近(例えば545℃)まで上昇
すると、温度センサ42の出力電圧が基準電圧以上とな
り、上述したように、バルブ駆動回路38は閉用ソレノ
イド43を通電、開用ソレノイド44を非通電にし、可
動壁12は閉じられる。なお、上記温度センサ42によ
り直接的に被ろう付品温度を検知する方法の代わりに、
この被ろう付品温度がヒータ10への通電開始後の経過
時間と相関関係にあることに注目し、上記ヒータ10へ
の通電時間が実験データに基づいて設定された所要時間
以上経過したことをタイマ手段により判断する方法等に
より、被ろう付品温度を間接的に検知するようにしても
よい。
【0029】可動壁12が閉じられると、その後の被ろ
う付品6の温度の上昇によりろう材中から蒸発したマグ
ネシウムはろう付室4内に封じ込められる。ここで、可
動壁12が閉じられるとき、可動壁12の内面は可動壁
12のヒータ10により加熱され、また、可動壁12に
より閉じられるろう付室のガス流通口の周囲の壁部分も
他のヒータ10により加熱されているため、可動壁12
の内面及び上記ガス流通口周囲の壁部分が、低温の炉体
1の影響を受けて冷却されることはほどんどなく、高温
状態にある。このため、可動壁12を閉じた後、蒸発マ
グネシウムが可動壁12とガス流通口とのシール部に付
着することはほとんどなくなる。したがって、従来技術
のように、次回以降のろう付において可動壁12が完全
遮蔽されないことからろう付室4内の真空度の悪化を招
き、その結果、ろう材中のマグネシウム含有量を大きな
値に設定しなければならないという不具合を解消するこ
とができる。換言すると、本実施例によると、ろう材中
のマグネシウム含有量を小さな値に設定することができ
る。また、可動壁12の完全遮蔽性が向上することか
ら、拡散ポンプ61、メカニカルブースタポンプ62、
ロータリポンプ63等に蒸発マグネシウムが吸引され
て、これらのポンプ61,62,63の動作不良を招く
といった不具合も解消することができる。
【0030】その後、ろう付処理のための時間が経過す
ると、ろう付室4内を大気開放するとともに、酸化マグ
ネシウム回収を開始する。大気開放は、ガスバルブ29
を開き、ろう付室4内に乾燥空気を吹き込むことにより
行なう。このとき、他のガスバルブ31も開き、炉体1
内にも乾燥空気を吹き込み、炉体1内も大気開放する。
一方、酸化マグネシウム回収は、ファン40が回転して
いるときに、又は、ファン40の始動と同時に、マグネ
シウム回収バルブ36を開くことにより行なわれる。な
お、マグネシウム回収は、第(n+1)サイクル目のろ
う付を開始する直前まで行なわれる。
【0031】ろう付室4内が大気開放されると、ろう付
室4内の蒸発マグネシウムはほとんど酸化されて酸化マ
グネシウム(粉体)となる。なお、この酸化マグネシウ
ムは、比重が2.244、平均粒度が20μmであり、
分布は、2μm以下が4.0%、2〜10μmが21.
0%、10〜20μmが25.0%、20〜30μmが
16.0%、30〜40μmが11.0%、40〜50
μmが7.5%、50〜60μmが4.5%、60〜7
0μmが3.0%、70〜80μmが2.0%、80〜
90μmが1.0%、90〜100μmが1.0%、1
00μm以上が4.0%である。
【0032】そして、ろう付室4内の酸化マグネシウム
は、マグネシウム回収バルブ36の開放及びファン40
の回転により、ホッパー25側へ吸引され、熱反射板2
6の孔32、ホッパー25、第1パイプ34を順に通っ
て1次サイクロン35に導かれる。そして、1次サイク
ロン35により、その大部分(85〜90%程度)が捕
集されて第1マグネシウム回収槽41に溜る。1次サイ
クロン35で捕集されなかった酸化マグネシウムは、2
次サイクロン38に導かれる。そして、2次サイクロン
38により、その一部が捕集されて第2マグネシウム回
収槽42の一方のタンク部44に溜る。なお、1次サイ
クロン35及び2次サイクロン38により、吸引された
酸化マグネシウムの約98%が回収される。そして、残
りの酸化マグネシウムはスクラバ39に導かれ、シャワ
ーノズル46から吐出されたオイルとともに第2マグネ
シウム回収槽42の一方のタンク部44に流入し、ヘド
ロ状となって溜る。
【0033】上述したような大気開放が終了すると、前
扉22を開け、キャリア7を取り出し、ろう付された被
ろう付品6を降ろし、キャリア7に次にろう付する被ろ
う付品6を積載し、キャリア7を投入し、前扉22を閉
じる。前扉22が閉じられると、上述したように、前扉
閉位置検出用スイッチ41がオンし、バルブ駆動回路3
8は、開用ソレノイド44を通電、閉用ソレノイド43
を非通電にし、可動壁12は開かれる。そして、第(n
+1)サイクル目のろう付を開始する。
【0034】以上説明したように、本実施例によると、
ろう付室4内のマグネシウムは、大気開放手段28,2
9により安全かつ積極的に酸化させることができるよう
になるとともに、サイクロン35,38及びスクラバ3
9等により酸化マグネシウムを自動的かつ効率良く回収
することができる。従って、酸化マグネシウムの堆積物
を除去する清掃作業が省略可能となり、また、未だ酸化
されていないマグネシウムの回収を安全に行なうことが
できるようになる。
【0035】なお、上記実施例は、いわゆる内熱式のア
ルミニウム真空ろう付炉であるが、本発明はこのような
内熱式のものに限定されるものではなく、他に、いわゆ
る外熱式のアルミニウム真空ろう付炉(例えば、特開昭
63−199070号公報、特開昭63−199071
号公報を参照されたい。)にも適用することができる。
【0036】また、上記実施例におけるマグネシウム回
収装置は、1次サイクロン35、2次サイクロン38及
びスクラバ39を構成要素としているが、回収効率、安
全性が確保できれば、サイクロンのみ、又はスクラバの
みを構成要素とするようにしてもよい。
【0037】また、上記実施例におけるスクラバ39
は、集塵効率を上げるため湿式のものとしたが、これに
限定されるものではなく、乾式のものを用いることは自
由である。
【0038】また、上記実施例はボックス式ヒータを用
いているが、電極へのマグネシウム付着による絶縁不
良、可動扉の流通口付近へのマグネシウム付着による作
動不良等を起こさないヒータであれば、いかなるヒータ
を用いてもよい。
【0039】また、炉体形状も、丸型に限定されず、角
型、楕円型等であってもよい。
【0040】さらに、上記実施例では、バッチ式(毎
回、ろう付終了後大気開放してろう付を行なう方式)を
示したが、連続式(大量生産に適し、ろう付室を挟んで
前室、後室が配設され、ろう付室内を常に真空状態に保
つ方式)のろう付室又は予熱室をマグネシウムの負荷量
に合わせて定期的に大気開放してマグネシウム回収をす
るというシステムをとってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係るアルミニウム真空ろう付炉の炉
本体部の内部を概略的に示した正面図
【図2】同じく炉本体部の内部を概略的に示した側面図
【図3】上記アルミニウム真空ろう付炉のマグネシウム
回収装置の要部の概略構成図
【図4】上記マグネシウム回収装置の受入手段の斜視図
【図5】上記炉本体部のヒータの正面図
【図6】同ヒータの側面側から見た断面図
【図7】可動壁の構成を示す斜視図
【図8】上記アルミニウム真空ろう付炉を用いたアルミ
ニウム真空ろう付方法を説明するためのタイムチャート
【符号の説明】
4 ろう付室 25 受入手段 28,29 大気開放手段 35,38,39 分離回収手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 31/02 E 8315−4E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムを含むろう材を組み合わせ
    たアルミニウム部材を、ろう付室内に搬入し、該ろう付
    室を真空雰囲気にするとともに、前記ろう材の融点以上
    に昇温して、前記アルミニウム部材をろう付するアルミ
    ニウム真空ろう付炉であって、 マグネシウム回収装置を備え、該マグネシウム回収装置
    は、 ろう付終了後、ろう付室内に空気を流入し、ろう付時に
    ろう材中から蒸発したマグネシウムを酸化させる大気開
    放手段と、 前記ろう付室の下方に設置され、前記大気開放により生
    じた酸化マグネシウムを受け入れる受入手段と、 前記受入手段の下流側に設置され、前記受入手段により
    受け入れられた酸化マグネシウムを分離回収する分離回
    収手段と、 を備えてなるアルミニウム真空ろう付炉。
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