JPH06256809A - 金属加工屑の再生方法 - Google Patents

金属加工屑の再生方法

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JPH06256809A
JPH06256809A JP5066226A JP6622693A JPH06256809A JP H06256809 A JPH06256809 A JP H06256809A JP 5066226 A JP5066226 A JP 5066226A JP 6622693 A JP6622693 A JP 6622693A JP H06256809 A JPH06256809 A JP H06256809A
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JP
Japan
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scraps
metalworking
metal
recycling
bar
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Application number
JP5066226A
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English (en)
Inventor
Makoto Fujita
誠 藤田
Yukio Yamamoto
幸男 山本
Nobuo Sakate
宣夫 坂手
Shoji Hirahara
庄司 平原
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属加工屑を成形品の原材料として用いる場
合に、金属加工屑の表面に形成された酸化スケールが欠
陥物レベルの介在物として成形品に残存することを防止
し、併せて半溶融射出成形機などへの材料供給を良好に
行わせるようにすることを目的とする。 【構成】 金属部材の加工時に発生した金属加工屑を熱
間押出することにより棒材を形成する。次に、該棒材を
粉砕してペレット化する。そして、そのペレットを成形
品の原材料として半溶融射出成形機に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は金属加工屑、例えば軽
合金製部品を素材から最終形状に加工する過程で発生す
る加工屑を成形品の原材料として再生する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車などの製造工場においては、各種
金属製部品などを素材から最終形状に仕上げる過程で切
削加工や研削加工などの各種の機械加工が施されること
になるが、その際に発生する金属加工屑の処理が問題と
なる。つまり、金属加工屑を産業廃棄物として廃棄すれ
ば、近年におけるリサイクルのトレンドに逆行すること
になる。特に、金属加工屑がマグネシウムやマグネシウ
ム合金である場合には、マグネシウムが酸化活性度が高
く酸素と結合して容易に発熱しやすいことから、廃棄す
る場合にも細心の注意が要求される。そこで、同じ材質
の金属加工屑を収集して、製品の原材料として再び利用
することが試みられている。
【0003】その場合に、例えば特開平2−18280
6号公報には、容器に充填した金属粉末などを圧縮成形
した後、押出加工を行う技術が開示されており、この技
術を利用して、金属加工屑を押出成形した棒材を、製品
の素材として再利用することが考えられる。
【0004】しかしながら、棒材を複雑な形状に加工し
ようとすると、最終形状に仕上げるまでに多段階の加工
を施さなければならないという難点がある。
【0005】これに対して、最終形状に近い素形材を得
る技術としては、例えば鋳造がある。これは、金属材料
を溶解させた溶湯を鋳型に注入して凝固させるようにし
たもので、溶湯が流し込まれるキャビティを適切に形成
するようにすれば、脱型後には最終形状に近い素形材が
得られることになる。
【0006】そして、近年においては、半溶融状態に加
熱した金属材料を金型内に射出成形する半溶融射出成形
法が実用化されている。これは、マグネシウム合金など
の原材料を、固相と液相とが共存する半溶融状態に加熱
しながら撹拌すると共に、撹拌後の金属スラリーを半溶
融状態のまま金型内に射出するようにしたもので、脱型
後には鋳造品と同様に最終形状に近い素形材が得られる
ことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属加
工屑をそのままの状態で半溶融射出成形法などで得られ
る成形品(素形材)の原材料として用いると、次のよう
な問題を発生する可能性がある。
【0008】つまり、金属素材を例えばボール盤を用い
て切削加工する際には、切削工具と金属素材との間に生
じる摩擦熱により、該金属素材から削り取られる切削屑
が著しく高温となり、その表面が酸化されて強固な酸化
スケールが形成される場合がある。したがって、金属加
工屑をそのままの状態で例えば半溶融射出成形機に供給
すると、半溶融状態の金属スラリーをいくら撹拌しても
酸化スケールが細かく粉砕されずに残り、この酸化スケ
ールが欠陥物レベルの介在物として成形品に残存する可
能性があるのである。特に、マグネシウムやアルミニウ
ムなどのように酸化しやすい軽金属やそれらを主体とす
る軽合金においては、上記の傾向が特に著しくなる。
【0009】なお、鋳造に際しても、原材料として金属
加工屑を使用すると、溶湯中に酸化スケールが含まれ、
上記と同様な問題が発生する可能性がある。
【0010】また、例えば半溶融射出成形機へ原材料を
供給する場合には、原材料を一旦ホッパに貯留させた上
で、該ホッパ内の原材料がその自重により半溶融成形機
に流入するように構成される。その場合に、金属素材を
最終形状へ仕上げる過程においては、前述のように各種
の機械加工が施されることから、加工方法や加工条件の
相違により、形状、サイズが大幅に異なる多様な金属加
工屑が発生することになる。したがって、金属加工屑を
そのまま原材料として用いると、微小な加工屑がホッパ
の底部に堆積して、ホッパの出口を詰まらせることにも
なるのである。
【0011】この発明は、金属加工屑を成形品の原材料
として用いる場合における上記の問題に対処するもの
で、金属加工屑の表面に形成された酸化スケールが欠陥
物レベルの介在物として成形品に残存することを防止
し、併せて半溶融射出成形機などへの材料供給を良好に
行わせるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る金属加工屑の
再生方法は、金属部材の加工時に発生した金属加工屑を
熱間押出することにより棒材を形成すると共に、次に該
棒材を粉砕することによりペレット化して、そのペレッ
トを成形品の原材料として用いることを特徴とする。
【0013】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)に係る金属加工屑の再生方法は、金属部材
の加工時に発生した金属加工屑に強化材を混合させた
後、熱間押出することにより棒材を形成すると共に、次
に該棒材を粉砕することによりペレット化して、そのペ
レットを成形品の原材料として用いることを特徴とす
る。
【0014】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)に係る金属加工屑の再生方法は、上記第
1、第2発明の構成において、棒材を一辺がほぼ2mm
の粒状に粉砕してペレット化することを特徴とする。
【0015】さらに、本願の請求項4の発明(以下、第
4発明という)に係る金属加工屑の再生方法は、上記第
1、第2発明の構成において、金属加工屑がマグネシウ
ム合金である場合に、押出成形後の断面積に対する押出
前の断面積の比率を、4を下限とする所定の範囲内に設
定することを特徴とする。
【0016】一方、本願の請求項5の発明(以下、第5
発明という)に係る金属加工屑の再生方法は、上記第2
発明に使用する強化材として、セラミック粒子を用いた
ことを特徴とする。
【0017】また、本願の請求項6の発明(以下、第6
発明という)に係る金属加工屑の再生方法は、上記第2
発明に使用する強化材として、 セラミック短繊維を用
いたことを特徴とする。
【0018】
【作用】上記の構成によれば、次のような作用が得られ
る。
【0019】すなわち、第1〜第6発明のいずれにおい
ても、金属部材の加工時に発生する金属加工屑を熱間押
出によって棒材に形成しているので、加工屑の表面に形
成された酸化スケールが押出時に発生する剪断力を受け
て微細に破壊されることになる。そして、押出成形され
た棒材を粉砕してペレット化しているので、このペレッ
トを原材料とする成形品中に酸化スケールの微細な粒子
が広範囲に分散された状態で介在し、これにより上記酸
化スケールが欠陥物レベルの介在物として成形品中に残
存することが防止されて、良好な品質の成形品が得られ
ることになる。
【0020】しかも、金属加工屑を一旦棒材に還元した
後、該棒材の粉砕によってペレット化するようにしてい
るので、均一サイズのペレットが容易に得られることに
なる。これにより、例えば半溶融射出成形機へ金属加工
屑を原材料として供給しても、微小な金属加工屑によっ
てホッパを詰まらせることなく、材料供給を良好に行わ
せることができる。
【0021】特に、第2発明によれば、金属加工屑を熱
間押出する前に、該加工屑と強化材とを予め混合させる
ようにしているので、押出成形によって得られる棒材に
強化材が分散された状態で含有されることになる。これ
により、棒材を粉砕した後に強化材を混入させる場合に
比べて、強化材の分散性が向上することになる。
【0022】そして、第3発明によれば、金属加工屑を
熱間押出成形した棒材を、一辺がほぼ2mmの粒状に粉
砕してペレット化しているので、半溶融射出成形機への
材料供給を良好に行わせることができるばかりでなく、
撹拌後には適度な量の結晶粒が残存した半溶融状態の金
属スラリーが得られることになって、結晶粒の小さい機
械的強度の優れた成形品が得られることになる。
【0023】また、第4発明によれば、金属加工屑がマ
グネシウム合金である場合に、押出成形後の断面積に対
する押出前の断面積の比率を、4を下限とする所定の範
囲内に設定しているので、押出成形後には金属加工屑同
士が確実に圧着された棒材が得られることになり、これ
によって該棒材を粉砕する際に小さな金属加工屑が原形
を保持したまま分離することが防止されて、サイズの揃
った所定形状のペレットがより一層確実に得られること
になる。
【0024】一方、第5発明によれば、金属加工屑を押
出成形する前に添加する強化材として、SiC粒子など
の化学的に安定したセラミック粒子を採用することによ
り、マトリックス中にセラミック粒子が均一に分散した
機械的強度の優れた成形品が得られることになる。
【0025】また、第6発明によれば、金属加工屑を押
出成形する前に添加する強化材として、SiC短繊維な
どのセラミック短繊維を採用することにより、上記第5
発明と同様な作用が得られることになる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、実施例においては、次の表1に示すように、AST
M規格AZ80Aに相当する組成のマグネシウム合金の
加工屑を再生原料として使用した。
【0027】
【表1】 まず、本発明方法の第1実施例について説明する。
【0028】準備段階として、機械加工時に発生する各
種の金属加工屑から、上記材質のマグネシウム合金の加
工屑を選別、収集して再生原料とする。
【0029】次に、図1に示すように、押出成形装置1
に設けたコンテナ2に、収集したマグネシウム合金の再
生原料3を収容する。そして、図2に示すように、コン
テナ2の周囲に設置したヒータ4に通電することによ
り、上記再生原料3を所定温度(例えば350℃)に加
熱すると共に、コンテナ2の開口部2aから挿入したパ
ンチ5でコンテナ2内の再生原料3を圧縮し、その状態
で所定時間放置する。
【0030】所定時間が経過したら、加熱状態を維持し
ながらパンチ5を抜き出した上で、今度は図3に示すよ
うに中空ラム6の先端に取り付けられたダイス7をコン
テナ2に挿入する。そして、中空ラム6に力を加えてダ
イス7を下方に移動させる。これにより、コンテナ2内
の再生原料3がダイス7の開口部7aを通って中空ラム
6の空洞内に押し出されて棒状3aに成形されることに
なる。
【0031】ここで、押出後の棒材3aの断面積に対す
る押出前の断面積の割合を押出比γとして定義すると、
押出比γが4〜7の範囲に含まれるようにコンテナ2の
開口面積とダイス7の開口面積との関係が設定されてい
る。
【0032】つまり、上記組成のマグネシウム合金を、
他の条件を変えずに押出比γのみを変更して熱間押出成
形すると共に、押出比γが異なる棒材について引張強度
と伸び率とをそれぞれ測定すると、図4に示すように引
張強度及び伸び率のいずれもが押出比γの増大に伴って
大きくなる。この場合、一般的傾向として引張強度や伸
び率が大きいほど破壊靱性が大きくなることから、押出
比γを大きくしすぎると上記棒材をペレット化する際に
細かく粉砕されずにペレットが相対的に大きくなる可能
性がある。逆に、押出比が4よりも小さいときには、押
出成形時に加工屑同士が強固に圧着せず、棒材を粉砕す
る際に細かな加工屑が元の状態で分離して、ペレットの
サイズが不揃いとなる可能性がある。したがって、押出
比γを上記範囲に設定しているのである。
【0033】上記のように熱間押出成形された棒材3a
は、例えば図5に示すような粉砕機8に供給されて、一
辺がほぼ2mmの粒状のペレット9…9に粉砕される。
そして、そのペレット9…9が、例えば図6に示す半溶
融射出成形機10に供給されることになる。
【0034】この半溶融射出成形機10は、水平状態に
設置された中空状のシリンダ11と、該シリンダ11を
取り囲んで配置されたヒータ12と、シリンダ11内に
軸方向進退自在として内装されたスクリュー13とを有
する。なお、このスクリュー13は、適宜の手段によ
り、螺子部13aの進行方向に回転した状態で、図面上
の左方に位置するシリンダ11の基端側に向けて後退す
るように構成されている。
【0035】また、上記シリンダ11の基端側から突出
するスクリュー13の軸端には、適宜の手段により前後
動自在に駆動される高速射出機構14が対面配置されて
いると共に、シリンダ11の先端側には上型15aと下
型15bとの間に所定形状のキャビティ16が形成され
た金型15が取付部材17を介して着脱自在に取り付け
られるようになっている。
【0036】そして、上記シリンダ11の基端側にはホ
ッパ18が接続されており、このホッパ18に上記のペ
レット9…9が成形原料19として貯留されるようにな
っている。なお、この実施例においては、例えば所定の
性状に調整されたSiC粒子が、強化材として成形原料
19に混合されるようになっている。
【0037】ここで、上記半溶融射出成形機10の作動
を説明すると、ホッパ18を介してシリンダ11内に供
給された成形原料19は、ヒータ12により液相と固相
とが共存する半溶融状態に加熱される。この半溶融状態
の成形原料19は、スクリュー13の回転により撹拌さ
れると共に、該スクリュー13の後退動作に伴って前方
へ移動させられる。その過程で、成形原料19に含まれ
る上記ペレット9…9が微細化されて、最終的に液相中
に結晶粒子などの固体が分散した金属スラリー20とな
る。
【0038】そして、スクリュー13が更に後退して、
その端部が上記高速射出機構14に当接すると、図7に
示すように、高速射出機構14が高速度で前方へ移動
し、それに伴ってスクリュー13も高速度で前方へ移動
して、その際の圧力で金属スラリー20が上記金型15
のキャビティ16内に射出されることになる。
【0039】スクリュー13が前方に移動した後には、
ホッパ18に貯留された成形原料19がシリンダ11内
に追加供給されることになる。その場合に、金属加工屑
をそのまま成形原料として使用すると、微細な金属加工
屑がホッパ18の底部に堆積して、成形原料19の供給
を阻害する可能性があるのである。その点、本案では上
記したように所定形状のペレットに加工しているので、
ホッパ18内の成形原料19がスムーズにシリンダ11
内に供給されることになる。
【0040】金型15内に射出された金属スラリー20
が凝固した後に、図8に示すように、上型15aから下
型15bを分離すれば、上記キャビティ16の形状に対
応した成形品21が得られることになる。
【0041】この成形品21の顕微鏡写真を示せば、図
9に示すとおりであって、図10に示した同材質の鋳造
材の顕微鏡写真に比べて、母材を構成するマグネシウム
合金の結晶が微細化しているのが観察される。なお、図
9に示す顕微鏡写真において、マグネシウム合金の結晶
粒間に存在する多数の微粒子は、マグネシウムとアルミ
ニウムとが化合した金属間化合物(Mg17Al12)を示
し、黒点状のものは強化材を構成するSiC粒子を示
す。
【0042】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0043】この実施例は、金属加工屑を熱間押出する
前に、該加工屑と強化材とを予め混合させる点で上記第
1実施例と異なっている。
【0044】まず、図11に示すように、エタノール2
2を入れた容器23に、強化材としてのSiC粒子24
を、200mlのエタノールに対して6grの割合で投
入した後、十分に撹拌してSiC粒子24を均一に分散
させる。
【0045】ここで、SiC粒子としては、次の表2に
示すような性状のものを使用した。
【0046】
【表2】 そして、図12に示すように、目の細かい金網25を用
いて作ったバスケット26にマグネシウム合金の加工屑
26…26を入れた上で、上記のようにしてSiC粒子
24を分散させたエタノールの懸濁液27に金網ごと加
工屑26…26を浸漬し、所定時間の間放置する。
【0047】所定時間が経過したら、バスケット26を
引き上げ、加工屑26…26の表面に付着したエタノー
ルを蒸発させて乾燥させる。乾燥後の加工屑26…26
の表面には、強化材としてのSiC粒子がほぼ均一に付
着されていることになる。
【0048】強化材としては、その他のセラミック粒子
を使用してもよく、あるいはセラミック短繊維を使用し
てもよい。
【0049】そして、このようにして強化材としてのS
iC粒子が付着された加工屑26…26を、図1に示す
ように押出成形装置1のコンテナ2に再生原料3として
収容して、第1実施例と同様なプロセスに従って熱間押
出成形する。
【0050】図13に、上記のようにして押出成形され
た棒材の顕微鏡写真を示す。この写真からも明らかなよ
うに、塑性流動によって層状化されたマグネシウム合金
の母材に、黒点状のSiC粒子が分散しているのが確認
される。したがって、この棒材を粉砕したペレットを成
形原料として半溶融状態で射出成形した成形品について
も、SiC粒子が広範囲に分散することが期待される。
【0051】なお、酸化スケールについては確認されな
かった。これは、押出成形時における剪断力によって破
壊されたものと考えられる。したがって、上記の棒材を
破砕したペレットを材料とする成形品についても、酸化
スケールが欠陥物レベルの介在物として残存することが
高い確率で防止されることになる。
【0052】なお、上記のようにして加工屑から再生し
たペレットを、鋳造品の原材料として使用することも可
能である。その場合においても、加工屑の酸化スケール
が欠陥物レベルの介在物として鋳造品(成形品)中に残
存することが高い確率で防止されることになる。
【0053】もちろん、本発明の方法はマグネシウム合
金に限定されるものではなく、金属部材の加工屑を再生
する際に広く適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属部材
の加工時に発生する金属加工屑を熱間押出によって棒材
に形成しているので、加工屑の表面に形成された酸化ス
ケールが押出時に発生する剪断力を受けて微細に破壊さ
れることになる。そして、押出成形された棒材を粉砕し
てペレット化しているので、このペレットを原材料とす
る成形品中に酸化スケールの微細な粒子が広範囲に分散
された状態で介在し、これにより上記酸化スケールが欠
陥物レベルの介在物として成形品中に残存することが防
止されて、良好な品質の成形品が得られることになる。
【0055】しかも、金属加工屑を一旦棒材に還元した
後、該棒材の粉砕によってペレット化しているので、均
一サイズのペレットが容易に得られることになる。これ
により、例えば半溶融射出成形機へ金属加工屑を原材料
として供給しても、微小な金属加工屑によってホッパを
詰まらせることなく、材料供給を良好に行わせることが
できる。
【0056】特に、第2発明によれば、金属加工屑を熱
間押出する前に、該加工屑と強化材とを予め混合させる
ようにしているので、押出成形によって得られる棒材に
強化材が分散された状態で含有されることになる。これ
により、棒材を粉砕した後に強化材を混入させる場合に
比べて、強化材の分散性が向上することになる。
【0057】そして、第3発明によれば、金属加工屑を
熱間押出成形した棒材を、一辺がほぼ2mmの粒状に粉
砕してペレット化しているので、半溶融射出成形機への
材料供給を良好に行わせることができるばかりでなく、
撹拌後には適度な量の結晶粒が残存した半溶融状態の金
属スラリーが得られることになって、結晶粒の小さい機
械的強度の優れた成形品が得られることになる。
【0058】また、第4発明によれば、金属加工屑がマ
グネシウム合金である場合に、押出成形後の断面積に対
する押出前の断面積の比率を、4を下限とする所定の範
囲内に設定しているので、押出成形後には金属加工屑同
士が確実に圧着された棒材が得られることになり、該棒
材を粉砕する際に小さな金属加工屑が原形を保持したま
ま分離することが防止されて、サイズの揃った所定形状
のペレットがより一層確実に得られることになる。
【0059】一方、第5発明によれば、金属加工屑を押
出成形する前に添加する強化材として、SiC粒子など
のセラミック粒子あるいはセラミック短繊維を採用する
ことにより、マトリックス中にセラミック粒子が均一に
分散した機械的強度の優れた成形品が得られることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 押出成形装置のコンテナにマグネシウム合金
の加工屑を再生原料として収容した状態を示す模式図で
ある。
【図2】 同じくコンテナ内に収容した再生原料を加熱
しながら圧縮している状態を示す模式図である。
【図3】 同じくコンテナ内に収容した再生原料を加熱
しながら押出成形している状態を示す模式図である。
【図4】 マグネシウム合金を押出比を変化させて熱間
押出成形した場合の引張強度及び伸び率の変化を示す特
性図である。
【図5】 棒材を粉砕機を用いてペレット化している状
態を示す模式図である。
【図6】 半溶融射出成形機における金属スラリーの撹
拌工程を示す模式図である。
【図7】 同じく半溶融射出成形機における金属スラリ
ーの射出工程を示す模式図である。
【図8】 成形品を金型から取り出している状態を示す
模式図である。
【図9】 半溶融射出成形によって得られた成形材の組
織を示す図面代用顕微鏡写真である。
【図10】 同一材質のマグネシウム合金の鋳造材の組
織を示す図面代用顕微鏡写真である。
【図11】 本発明の第2実施例で使用するエタノール
とSiC粒子との懸濁液を調整している状態を示す模式
図である。
【図12】 同じく懸濁液に加工屑を浸漬する状態を示
す模式図である。
【図13】 SiC粒子を付着した加工屑を再生原料と
して熱間押出成形された棒材の組織を示す図面代用顕微
鏡写真である。
【符号の説明】
3 再生原料 3a 棒材 9 ペレット 19 成形原料 24 SIC粒子 26 加工屑
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 押出成形装置のコンテナにマグネシウム合金
の加工屑を再生原料として収容した状態を示す模式図で
ある。
【図2】 同じくコンテナ内に収容した再生原料を加熱
しながら圧縮している状態を示す模式図である。
【図3】 同じくコンテナ内に収容した再生原料を加熱
しながら押出成形している状態を示す模式図である。
【図4】 マグネシウム合金を押出比を変化させて熱間
押出成形した場合の引張強度及び伸び率の変化を示す特
性図である。
【図5】 棒材を粉砕機を用いてペレット化している状
態を示す模式図である。
【図6】 半溶融射出成形機における金属スラリーの撹
拌工程を示す模式図である。
【図7】 同じく半溶融射出成形機における金属スラリ
ーの射出工程を示す模式図である。
【図8】 成形品を金型から取り出している状態を示す
模式図である。
【図9】 半溶融射出成形によって得られた成形材の金
属組織を示す図面代用顕微鏡写真である。
【図10】 同一材質のマグネシウム合金の鋳造材の金
属組織を示す図面代用顕微鏡写真である。
【図11】 本発明の第2実施例で使用するエタノール
とSiC粒子との懸濁液を調整している状態を示す模式
図である。
【図12】 同じく懸濁液に加工屑を浸漬する状態を示
す模式図である。
【図13】 SiC粒子を付着した加工屑を再生原料と
して熱間押出成形された棒材の金属組織を示す図面代用
顕微鏡写真である。
【符号の説明】 3 再生原料 3a 棒材 9 ペレット 19 成形原料 24 SIC粒子 26 加工屑
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平原 庄司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材の加工時に発生する金属加工屑
    の再生方法であって、上記金属加工屑を熱間押出するこ
    とにより棒材を形成すると共に、次に該棒材を粉砕する
    ことによりペレット化して、そのペレットを成形品の原
    材料として用いることを特徴とする金属加工屑の再生方
    法。
  2. 【請求項2】 金属部材の加工時に発生する金属加工屑
    の再生方法であって、上記金属加工屑に強化材を混合さ
    せた後、熱間押出することにより棒材を形成すると共
    に、次に該棒材を粉砕することによりペレット化して、
    そのペレットを成形品の原材料として用いることを特徴
    とする金属加工屑の再生方法。
  3. 【請求項3】 棒材を一辺がほぼ2mmの粒状に粉砕し
    てペレット化することを特徴とする請求項1もしくは請
    求項2のいずれかに記載の金属加工屑の再生方法。
  4. 【請求項4】 金属加工屑がマグネシウム合金である場
    合に、押出成形後の断面積に対する押出前の断面積の比
    率を、4を下限とする所定の範囲内に設定することを特
    徴とする請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の
    金属加工屑の再生方法。
  5. 【請求項5】 強化材は、セラミック粒子であることを
    特徴とする請求項2に記載の金属加工屑の再生方法。
  6. 【請求項6】 強化材は、セラミック短繊維であること
    を特徴とする請求項2に記載の金属加工屑の再生方法。
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