JP2017501038A - 押出ビレットを製造するための方法および設備 - Google Patents

Abstract

本発明は、溶融工程にかけることなく、打抜き、切断切削および／またはする作業の廃棄物から、特にマグネシウムあるいはマグネシウム合金から成る廃棄物から押出ビレットを製造するための方法および設備に関する。方法を実施するための設備は、実質的に、廃棄物のための貯蔵ユニット（１）、廃棄物を細砕するための装置（２）、丸棒（７）を製造するためのプレス（３）そして丸棒（７）を押出ビレット（６）に成形するための押出成形機（５）から成る。

Description

本発明は、マグネシウムあるいはマグネシウム合金から成る形材を押出成形するために、押出ビレットを製造するための方法および設備に関する。

マグネシウムあるいはマグネシウム合金から成る半製品および構成要素を製造する際に、機械加工する作業の場合も、内抜きあるいは切断する作業の場合も、切り屑廃棄物あるいは打抜き廃棄物または切断廃棄物が発生する。

発生する材料の残りは、なお製造される半製品あるいは構成要素が有するのと同じ材料特性を備えている。

このような材料の残りは、通常集められて、リサイクルに溶融により供給される。

材料の残りを廃棄物の処理と更なる加工のために良好に取扱い可能にし、かつ溶融工程において高い効率を達成するために、ばらけた切り屑は圧縮されて金属ブリケットになる。

使用可能なブリケットプレスは、例えば特許文献１から知られている。寸法的に安定したブリケットを製造するために、ブリケットプレスは予備成形室ならびに作業下流側の圧縮室を備えている。プレスすべき材料は、供給スクリューを介して予備圧縮プランジャーに供給され、従って収容室は所望の高さまで一杯になる。次いでラムは材料を圧縮するために作動される。

金属ブリケットにおいて金属チップを圧縮するための別の装置は、特許文献２から知られている。金属ブリケットにおいて金属チップを圧縮するための装置は、その作業下流側に配置されたパドルホイールを有する金属チップのための貯蔵容器を備えている。パドルホイールは金属チップを予備圧縮室に供給する。予備圧縮室には圧縮室が接続されており、この圧縮室ではよび圧縮された金属チップが圧縮されて金属ブリケットになり、次いで溶融工程に供給される。打抜き廃棄物と切断廃棄物はこれによっては処理されない。その理由は、これらの廃棄物が基本的に金属チップのような大きな幾何学的寸法を有することにある。ここにおいて短所は、切断の残りを集め、貯蔵し、かつ前処理をすることに関わる高い複雑性だけではなく再利用のためにこれらを溶融するための高いエネルギー消費でもある。

特許文献３は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金から、管、棒および形材のような完成品を製造するための方法を記載しており、この方法は、廃棄物を圧縮し、これらの廃棄物を約３００℃の温度と１インチ^２当たり約３〜８トンの圧力で維持する工程を備えており、それにより廃棄物の酸化膜は引裂かれ、新しい金属の接触面が形成され、次いで温度は約３５０〜４５０℃まで上昇され、完成品は１インチ^２当たり約１８〜４０トンの圧力で圧縮装置内で成形される。

特許文献４からは、押出成形機を用いて切断廃棄物から非多孔性の形材を製造するための装置と方法が知られている。装置は、圧縮室、ステム、プレスダイおよび容器を備えた押出成形機を含んでおり、この容器は切り屑あるいは廃棄物のような、切断製造方法からの切断の残りあるいはそのような物を含んでいる破片材で満たされている。装置はプレスダイと圧縮室の間に、プレスダイ側で圧縮室を封隙するカバー要素を備えており、このカバー要素に対して、押出パンチは切断の残りから成る破片材をブリケットに圧縮し、その際に圧縮室と破片材に残っている液状の含有物が分離する。カバー要素が取除かれた後、圧縮されたブリケットはプレスダイにより形材の横断面として押出し成形される。

ブリケットのための圧縮は、圧縮室で行われ、その開いた端部は、ブリケットを得るために、加熱することによりそして一定の静圧力の下での圧縮率の下で前もって設定可能な時間を使用することにより、プレスダイに対して封隙可能である。

ここで押出成形形材を製造する際の押出成形の比較的長い停止状態は不利である。その理由は毎回新しいブリケットが同じ押出成形機での切断の残りから作られる必要があるからであり、ブリケットはプレスダイを用いて形材に成形されてきた。これにより、形材を実際に製造するための停止時間は比較的長くなり、それに対して続く形材のさらなる処理がもたらされる。別の短所は、圧縮室の端部とプレスダイの間のカバー要素が旋回されるかあるいは挿入される必要があることにある。端部は一方では圧縮室に対して封隙し、他方では押出成形工程の際にはプレスダイに対して通路を開ける必要があるので、今ある押出成形設備内へのその取付けは複雑性の増大と結び付けられている。

大抵の押出成形設備システムは、水平に配置された押出パンチと容器で作動する。この構成により、切断の残りで満たすことは比較的困難であるかあるいは充填レベルは不十分である。

欧州特許出願公開第０３６３７４８５９号明細書 独国特許第１０２００８０３８号明細書 米国特許第２３９１７５２号明細書 独国特許出願公開第１０２０１２００２００９号明細書

本発明は、打抜き、分離および／または切削する作業の廃棄物から、押出プレス工程に必要とされる押出ビレットを製造し、すなわち溶融工程にかけられることが無く製造する課題に携わっている。本発明は、工程においても、工場の基盤施設においても多数の設計要素を備えている。これらの要素により、それらの全体的な使用の面で、極めて効率的でかつ極度に環境をいたわる社内リサイクル工程“が可能になる。これらの設計要素は以下による。
１．本発明は、特にマグネシウム合金に関しており、このマグネシウム合金は極めて良好に動力学的に再結晶し、かつ品種的に純粋にリサイクル工程に供給される。
２．その中に設置されるリサイクル設備を含めた生産棟全体は、増加された酸化物の形成あるいは水酸化物の形成が阻止されるように空気を調整されている。
３．乾燥しかつ化学物質を含まない打抜き廃棄物あるいは切り屑がリサイクルループ内に入る。
４．安全上の理由から、引裂き方法によってではなく切断方法による廃棄物の細砕が行われる。これは危険な量の粉塵の発生を防止する。

本発明によれば、打抜き、切断および／または切削する作業の廃棄物から押出ビレットを製造するための方法は、以下の工程、すなわち
−貯蔵ユニットから廃棄物を取出す工程であって、打抜くあるいは切断する作業の廃棄物が、ある装置により細砕され、その後、場合によっては切削する作業の廃棄物と混合される工程と、
−丸いプレス金型を廃棄物の混合物で充填し、廃棄物の混合物をプレス（圧縮）して、６０％よりも大きい密度の丸棒を形成する工程と、
−２５０℃よりも高い温度まで丸棒を加熱する工程と、
−押出成形機の容器内に丸棒を挿入し、９５％よりも大きい密度で押出成形ビレットを圧縮成形する工程を備えている。

付加的に、丸いプレス金型の充填の前に廃棄物混合物を予備圧縮にかけることが可能である。

打抜き、切断および／または切削する作業の廃棄物から押出ビレットを製造するための設備は、本発明によれば、廃棄物のための貯蔵ユニット、廃棄物を細砕するための装置、丸棒を製造するためのプレス、丸棒を加熱するための炉ならびに押出ビレットを製造するための押出成形機を備えている。その際に、貯蔵ユニットは、異なる幾何学的な寸法の廃棄物のための複数の貯蔵室が設けられているように構成されていてもよい。切り屑は比較的細かい粒度を有しており、従って直接プレス内に詰められることができるが、打抜き廃棄物あるいは切断屑は装置により適当な大きさに切断される。

廃棄物を細砕するための装置は、切断する方法に従って作動するのが好ましく、それにより粉塵の発生は最小限に抑えられる。場合により、個々の貯蔵室の廃棄物は混合され、かつ予備圧縮装置によりプレスに運搬されることができる。予備圧縮装置は加熱されかつスクリュー圧縮装置として構成されているのが好ましい。

プレスのこの圧縮シリンダ内に詰められる廃棄物は、そこで固められて６０％より大きい密度の丸棒に圧縮される。プレス内での圧縮には、丸棒の加熱と通常の押出成形機における丸棒の押出成形が接続し、押出ビレットストランドを形成し、このストランドはプレスダイから出た後、適当な長さに切断される。プレスダイであって、このプレスダイ内で材料が押出力を作用させることにより１回あるいは何回か方向転換されるプレスダイを使用することにより、剪断変形（何回かの剪断と剪断応力の蓄積）下での圧縮工程時に、材料の内部で粒度の改善が生じる。選択的に押出ビレットの均質化は、約６時間の期間中の４００℃より高い温度で行われることができる。

次いで製造された押出ビレットは、９５％より大きい密度を有しており、さらに一時的に貯蔵されるか或いは直ちに押出成形ラインでさらに処理され、完成された押出成形形材にされる。このことは、押出成形ラインでの停止時間が、ただ押出ビレットのための取替え時間だけに限るという長所を有する。リサイクルされる材料（廃棄物）から成る完成した押出ビレットは、複数の特性を備えており、これらの特性は、静的に、動力学的にかつかわるがわる合金の仕様を満たし、それにより同じ権利を持って最初に製造された押出ビレットと同列に使用可能である。

ちょうど自動車製造の分野においても今日、押出成形形材から製造される多くの部材が使用される。構造が軽量なので、ここではマグネシウムあるいはマグネシウム合金が適している。

これらは複数のプレスラインと機械加工ラインを備えた大規模な工場において製造されることが多く、従ってそれに応じた大きな量の廃材が生じる。積層欠陥エネルギーが小さいマグネシウム合金類は加工に最適であり、それによりマグネシウム合金は良好に動力学的に再結晶化されることができる。本発明の長所はこの点にある。大きな量の廃材が発生するので、溶かしてかつ新たな半製品を鋳造するために、もはや原材料生産者へは搬送される必要は無く、生産工場内で新たな押出ビレットに形成されることができる。

実施例に基づき本発明を詳しく説明する。

本発明による設備の見取り図を示す。

図１は押出ビレット１を製造するための本発明による設備の見取り図を示す。この見取り図は実質的に走行する製品からの材料屑のための貯蔵ユニットから成る。全体の生産のために、一つの材料および同じ材料、すなわちマグネシウム合金、好ましくはＭｎＥ２１^{（登録商標）}の名称の合金が使用されるので、材料屑は純粋な廃棄物でもある。

貯蔵ユニット１には廃棄物が分離された状態でその幾何学的寸法に応じて収容される。
例えば機械加工から成る僅かな粒度を備えた廃棄物は、直接プレス３に運搬されることができる。大きな幾何学的寸法を有する廃棄物、例えば打抜き廃棄物あるいは切断屑は、装置２により適当な粒度を備えた廃棄物に細砕される。次いでこれらの廃棄物はプレスに運搬されるかあるいは他の廃棄物、例えば切り屑と混合されることができる。

プレス３は、垂直な丸いプレス金型を備えた機械式プレスとして構成されている。垂直な構造は、プレス金型の充填を容易にし、かつ最大限の充填を可能にする。複数の相並んで起立しているプレス金型を備えたプレスユニットも考えうる。プレス金型の充填部にプレス力を作用させることにより、６０％より大きな密度を備えた丸い鋳塊が作られる。

製造された丸い鋳塊７は、炉４内で約４５０℃の温度まで加熱される。引続いて、加熱された丸い鋳塊７は、押出成形機５の容器内に挿入され、かつ圧力を加えることにより変形されて押出ビレット６あるいは押出ビレットストランドになる。押出ビレットストランドにおいて、このストランドは鋳型を出た後、例えばフライングソーにより適当に長さを短くされることができる。その際に生じる押出ビレットは、９５％より大きな密度を備えている。

その後、押出ビレットはプレスラインの押出成形機において適当な輪郭形状にさらに加工されるか又は一時的に貯蔵されることができる。選択的に押出ビレット均質化は、４００℃よりも高い温度においてかつ約６時間の期間中に行われ得る。

１ 貯蔵ユニット
２ 細砕するための装置
３ プレス
４ 炉
５ 押出成形機
６ 押出ビレット
７ 丸棒

Claims (6)

1. 打抜き、切断および／または切削する作業の廃棄物から押出ビレットを製造するための方法において、
   第一の工程において、廃棄物が貯蔵ユニット（１）から、打抜くあるいは切断する作業の廃棄物が装置（２）により細砕され、次いで場合によっては、切削する作業の廃棄物と混合され、
   第二の工程において、丸いプレス金型が廃棄物の混合物で充填され、廃棄物の混合物が圧縮されて６０％よりも大きい密度の丸棒（７）に圧縮され、
   第三の工程において、丸棒（７）が２５０℃よりも高い温度まで加熱され、
   そして第四の工程において、加熱された丸棒（７）が押出成形機（５）の容器内に挿入されかつ圧縮成形により９５％よりも大きい密度の押出ビレットに形成されることを特徴とする方法。
2. 廃棄物の混合物が丸いプレス金型の充填の前に予備圧縮をかけられることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 請求項１に記載の方法による打抜き、切断および／または切削する作業の廃棄物から押出ビレットを製造するための設備において、
   前記設備が、基本的に廃棄物のための貯蔵ユニット（１）、廃棄物を細砕するための装置（２）、丸棒（７）を製造するためのプレス（３）、丸棒（７）を加熱するための炉（４）ならびに丸棒（７）から押出ビレット（６）を製造するための押出成形機（５）を備えていることを特徴とする設備。
4. 打抜くかあるいは切断する作業の廃棄物を細砕するための装置（２）が、貯蔵ユニット（１）とプレス（３）の間に配置されていることを特徴とする請求項３に記載の設備。
5. プレス（３）の手前に、廃棄物の混合物を予備圧縮するための装置が設けられていることを特徴とする請求項３に記載の設備。
6. プレス（３）が少なくとも一つの垂直な丸いプレス金型を備えていることを特徴とする請求項３と、請求項４および請求項５の内少なくとも一つに記載の設備。

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