JPH06256753A - 配向制御薄膜の製造方法および配向制御薄膜 - Google Patents

配向制御薄膜の製造方法および配向制御薄膜

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JPH06256753A
JPH06256753A JP4888893A JP4888893A JPH06256753A JP H06256753 A JPH06256753 A JP H06256753A JP 4888893 A JP4888893 A JP 4888893A JP 4888893 A JP4888893 A JP 4888893A JP H06256753 A JPH06256753 A JP H06256753A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】極性を有する分子を担体表面に固定し、この担
体表面を帯電した状態に維持して、分子の極性基と帯電
した担体表面との静電的な相互作用により分子からなる
薄膜の配向を制御する。担体が電極である場合には、対
極の位置を変えることにより分子の配向の方向を制御す
ることができる。 【効果】分子が均一に配向制御された薄膜を容易に、か
つ効率よく作製することができる。また、この方法によ
り作製される配向制御薄膜は、遺伝子センサーに特に好
適に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、配向が制御された機
能性薄膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、機能性薄膜の研究が盛んに行なわ
れており、その製造方法としてはLB膜法およびセルフ
アッセンブリー(自己配向)法が代表的な手段となって
いる。
【0003】セルフアッセンブリー法のうち、金表面に
機能性有機薄膜を形成する方法として、チオール基を有
する分子を用いて金表面に固定化する方法が知られてい
る。この方法は、金表面にチオール基を有する分子を配
位結合で固定化し、セルフアッセンブリーにより薄膜を
形成させるものであるが、その均一な配向性を制御する
ために、従来、固定化反応は低温(室温以下、例えば 4
℃)で長時間(24時間以上)かけて行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】固定化反応、例えば、
上述の薄膜形成法における金と硫黄原子との結合反応の
みを見た場合には、高温で反応させたほうが効率は高
い。しかしながら、高温で反応を行なうと、セルフアッ
センブリーによる配向性が乱れ、均一な機能性薄膜の形
成が困難になる。これは、全てのセルフアッセンブリー
法について言えることである。したがって、この発明
は、短時間で、効率よく分子を均一に配向制御して薄膜
化することが可能な方法を提供することを目的とする。
また、上記方法により作製された配向制御薄膜もこの発
明の範囲に含まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、鋭意研究の結果、固定化反応は効率の高い高温で行
ない、その後配向の制御を静電的な相互作用を利用して
行なうことにより上記課題を解決できることを見出し、
この発明を完成するに至った。すなわち、この発明によ
る配向制御薄膜の製造方法は、極性を有する分子を担体
表面に固定し、この担体表面を帯電した状態に保つこと
を特徴とする。
【0006】また、この発明による配向制御薄膜は、極
性を有する分子からなり、かつこの分子が、表面が帯電
した状態に維持される担体の表面に固定化されているこ
とを特徴とする。以下、この発明を詳細に説明する。
【0007】この発明の方法において、配向制御薄膜を
形成させるために用いられる担体は表面がマイナスもし
くはプラスに帯電しているか、または帯電可能である材
料であれば特に限定されるものではない。このような担
体材料には、高分子、金属、セラミックス、カーボン等
が含まれ、例えば、カーボン、金、銀、鉄、銅、ニッケ
ル、プラチナ、パラジウムのような電極材料、または、
シリコン、ガリウムのような半導体材料を挙げることが
できる。さらに、無機および有機物質の複合材料を担体
として用いることもできる。
【0008】この発明の方法において、薄膜を構成する
分子は極性を有するものであれば特に限定されるもので
はなく、ポリマー、オリゴマーもしくはモノマーのいず
れであってもよい。この発明の製造方法に用いることが
できる分子としては、一本鎖もしくは二本鎖のDNA、
RNA、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラ
シル等の核酸塩基、アデノシン、グアノシン、シチジ
ン、チミジン等のヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ
酸、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体等の天然もしく
は人工の生体高分子を挙げることができる。この発明に
用いられる有機高分子は、分子中に担体への固定化反応
に利用可能である反応性の官能基を有することが好まし
い。
【0009】この発明の方法において、担体表面に分子
を固定化する方法は特に限定されるものでなく、通常用
いられる方法をそのまま利用することができる。固定化
法の例としては、シランカプラー、カルボジイミド等の
架橋剤を介した共有結合、金、銀もしくはニッケルと硫
黄原子との組み合わせに見られる配位結合、化学もしく
は物理吸着、イオン結合、水素結合を挙げることができ
る。
【0010】この発明の方法においては、担体表面を帯
電した状態に保つことにより担体表面上に固定された分
子を配向させる。担体表面を帯電した状態に保つ方法と
しては、担体が金属等の導体である場合には、例えば、
分子が固定化された面と対向する位置に電極(対極)を
配置し、担体と電極の間に電位を印加すればよい。この
際通常は、分子が有する極性と担体上に生じる極性とが
反対になるように電位を印加する。これにより、担体表
面上に固定された分子が担体と電極との間に形成される
電場の力線に沿って配向する。
【0011】また、担体がセラミックス等の絶縁体であ
る場合には、導電性材料を表面に被覆する、導電性材料
を絶縁体中に分散させる等、絶縁体および導電体をハイ
ブリッド化し、上述の導体の担体の場合と同様に、担体
と対極間に電位を印加すればよい。
【0012】また、担体表面が予め帯電している材料を
用いることで、電位を印加するなどの特別な処理を施す
ことなく、配向を制御することが可能である。例えば、
pH中性付近で、パラジウム、ニッケル、プラチナ、グ
ラシーカーボン等の材料はプラスに帯電している。した
がって、担体表面と逆の極性を有する分子(担体表面が
プラスに帯電している場合にはマイナスの極性を有する
分子、担体表面がマイナスに帯電している場合にはプラ
スの極性を有する分子)を固定化するだけで、簡単に一
定方向に分子の配向を制御することができる。
【0013】さらに、一定の酸化還元電位を示す溶液中
(例えば、酸化還元指示薬の溶液)に浸漬することによ
り、担体表面の電位を制御し、固定化されている分子の
配向性を制御することが可能である。例えば、フェロイ
ンの溶液中に浸漬することで、担体表面電位を約+ 1V
に制御することができ、インジゴトリスルホン酸溶液中
では約− 0.1Vに制御できる。ここで用いる酸化還元指
示薬は特に限定されるものではない。
【0014】この発明の方法を、チオール基を末端に導
入したDNAを金電極表面に固定化する場合を例にと
り、さらに詳細に説明する。まず、チオール基を導入し
たDNA溶液中に表面研磨した金電極を浸漬し、 100℃
程度の温度でDNAの固定化反応を行なう。このように
高温で反応を行なうことにより反応効率が向上する。反
応後、金電極を溶液から取り出し、未反応のDNAを水
等の洗浄液で洗浄する。次に、このDNA固定化電極を
電解質中に挿入し、さらに陰極としてのプラチナ電極、
参照極としての銀/塩化銀電極を電解質中に浸漬して、
DNA固定化電極とプラチナ電極との間にマイナスの電
位を所定の時間印加する。これにより、DNAは一定方
向に配向し、均一な薄膜が形成される。なお、陰極(プ
ラチナ電極)の位置、すなわち電場の方向を変化させる
ことにより、配向の方向を制御することも可能である。
【0015】上述の方法により作製される配向制御薄膜
は、極性を有する分子からなり、かつこの分子が、表面
が帯電した状態に維持される担体の表面に固定化されて
いる。したがって、担体表面が分子の極性と同じ極性を
帯びている場合には、互いに反発して分子が担体表面上
に直立した状態に配向する。逆に、担体表面が分子の極
性と反対の極性を帯びている場合には、分子は担体に引
き付けられて寝た状態に配向する。また、上述のよう
に、担体が金属等の導体である場合には、他方の電極を
配置する位置により分子の配向の方向を制御することが
可能となる。
【0016】この発明の方法により作製される配向制御
薄膜の利用分野は特に限定されるものではない。例え
ば、ディスプレイ、光シャッター、偏光板等に用いるこ
とができる。また、特に、特願平 3-241315 号、特願平
4-242397 号等に記載される遺伝子センサーに好適に用
いることができる。この遺伝子センサーは、電極等の担
体上に核酸プローブが固定化されたものであり、核酸プ
ローブと目的遺伝子とのハイブリダイゼーション反応の
有無を担体を介して検出するものである。したがって、
この遺伝子センサーでは、核酸プローブは直立に近い形
で固定化されているほうがハイブリダイゼーションの効
率が上がり好ましい。しかしながら、通常核酸はマイナ
スに帯電しており、一方、例えば金電極はプラスに帯電
しているため、核酸プローブは電極表面上に寝た状態と
なりハイブリダイゼーションの効率が下がる。
【0017】この発明の配向制御薄膜の製造方法を適用
することにより上記問題を解決することができる。すな
わち、上述のように、金電極に核酸プローブ(DNA)
を固定化した後、電極に電位を印加して金電極表面をマ
イナスに帯電させることにより、核酸プローブを任意の
方向に配向させることができる。これにより、目的遺伝
子と核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応が生
じ易くなり、ハイブリダイゼーションの効率が向上す
る。
【0018】
【実施例】
【0019】実施例1 DNA固定化電極 まず、金電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨し
た後、 1N硫酸溶液中でサイクリックボルタンメトリー
を行ない(掃引速度; 1V/s)、電極表面の不純物を
除去した。次いで、チオール基を導入したDNAの溶液
中に表面研磨した金電極を浸漬し、金電極へのDNAの
固定化反応を 4℃および 100℃のそれぞれの温度で24時
間行なった。
【0020】反応後、金電極をDNA溶液から取り出
し、未反応のDNAを水で洗浄除去した。次いで、この
電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰極、銀/塩
化銀電極を参照極として用いてFe(CN)6 3-4-
サイクリックボルタンメトリーを行なった。その結果を
図1に示す。図1において、曲線aが 100℃で24時間固
定化を行なった場合、曲線bが 4℃で24時間固定化を行
なった場合の結果である。
【0021】図1より明らかなように、Fe(CN)6
3-4-の酸化還元電流値は、 100℃で固定化を行なった
電極のほうが 4℃で固定化を行なった電極よりも低い。
これは、 4℃で固定化を行なった電極よりも 100℃で固
定化を行なった電極の表面により多くのDNAが固定化
されていることを示している。
【0022】実施例2 DNA固定化電極の配向制御 まず、金電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨し
た後、 1N硫酸溶液中でサイクリックボルタンメトリー
を行ない(掃引速度; 1V/s)、電極表面の不純物を
除去した。次いで、チオール基を導入したDNAの溶液
中に表面研磨した金電極を浸漬し、金電極へのDNAの
固定化反応を 100℃で 1時間行なった。
【0023】反応後、金電極をDNA溶液から取り出
し、未反応のDNAを水で洗浄除去した。次いで、電極
表面に固定化されたDNAの配向を制御するために、こ
の電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰極、銀/
塩化銀電極を参照極として用いてマイナスの電位(-500
mV)を 1分間印加した。
【0024】マイナス電位を印加する前後の金電極をそ
れぞれ用いたFe(CN)6 3-4-のサイクリックボル
タンメトリーの結果を図2に示す。図2において、曲線
aがマイナス電位を印加する前の電極を用いた場合、曲
線bがマイナス電位を印加した後の電極を用いた場合の
結果をそれぞれ表わす。
【0025】図2より明らかなように、マイナス電位を
印加した後の電極でFe(CN)6 3-4-の酸化還元電
流値が減少している。これは、マイナス電位を印加する
ことにより、電極表面のDNAが一定方向に配向して均
一な薄膜が形成されていることを示している。すなわ
ち、金電極にマイナス電位を印加することにより、電極
表面のDNAの配向を制御することが可能である。
【0026】実施例3 ペプチド固定化電極の配向制御 まず、ペプチドシンセサイザーを用いて、Lys-Lys-Lsy-
Lys-Lys-Cys を合成した。これとは別に、金電極表面を
アルミナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、 1N硫酸溶液
中でサイクリックボルタンメトリーを行ない(掃引速
度; 1V/s)、電極表面の不純物を除去した。次い
で、上で調製したペプチドの溶液中に表面研磨した金電
極を浸漬し、金電極へのペプチドの固定化反応を30℃で
3時間行なった。
【0027】反応後、金電極をペプチド溶液から取り出
し、未反応のペプチドを水で洗浄除去した。次いで、電
極表面に固定化されたペプチドの配向を制御するため
に、この電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰
極、銀/塩化銀電極を参照極として用いてプラスの電位
( 500mV)を 1分間印加した。
【0028】プラス電位を印加する前後の金電極をそれ
ぞれ用いたFe(CN)6 3-4-のサイクリックボルタ
ンメトリーの結果、プラス電位を印加した後の電極でF
e(CN)6 3-4-の酸化還元電流値が減少しているこ
とが明らかとなった。これは、プラス電位を印加するこ
とにより、電極表面のペプチドが一定方向に配向して均
一な薄膜が形成されることを示している。すなわち、金
電極にプラス電位を印加することにより、電極表面のペ
プチドの配向を制御することが可能である。 実施例4 ポリリシン固定化電極の配向制御
【0029】まず、ベーサルプレインパイロリティック
グラファイト(BPG)電極の表面をアルミナ(0.05μ
m)で鏡面研磨し、表面をエタノールで洗浄した。次
に、この電極を熱濃硝酸で処理し、電極表面を酸化し
た。次いで、この電極を、γ- アミノプロピルトリエト
キシシランのトルエン溶液中に浸漬し、電極表面をアミ
ノ基で修飾した。この電極を 1%グルタルアルデヒドで
処理した後、ポリ- L- リシン(分子量6000)の溶液中
に浸漬してポリリシン固定化電極を作製した。
【0030】電極表面に固定化されたポリリシンの配向
を制御するために、この電極を電解質中に挿入し、プラ
チナ電極を陰極、銀/塩化銀電極を参照極として用いて
プラスの電位( 500mV)を 1分間印加した。
【0031】プラス電位を印加する前後のBPG電極を
それぞれ用いたFe(CN)6 3-4-のサイクリックボ
ルタンメトリーの結果、プラス電位を印加した後の電極
でFe(CN)6 3-4-の酸化還元電流値が減少してい
ることが明らかとなった。これは、プラス電位を印加す
ることにより、電極表面のポリリシンの配向が一定方向
に配向して均一な薄膜が形成されることを示している。
すなわち、BPG電極にプラス電位を印加することによ
り、電極表面のポリリシンの配向を制御することが可能
である。
【0032】実施例5 核酸プローブ固定化電極を用い
た遺伝子の検出 発癌遺伝子v−mycが有する塩基配列の一部に相補的
な配列を有する20 merのオリゴヌクレオチドを核酸プロ
ーブとして合成し、その5'末端にチオール基を導入し
た。次いで、このオリゴヌクレオチドの溶液中に、上記
実施例1と同様にして鏡面研磨した金電極を浸漬し、 1
00℃で24時間反応させた。反応後、この電極を 100℃の
水浴中で 1分間煮沸し、電極表面にチオール基を介さず
に非特異的に吸着しているプローブを洗浄した。次に、
この電極を作用極とし、対極に白金電極、参照極に銀/
塩化銀電極を用いて、 1/15Mリン酸緩衝液中で-500m
V(v.s.Ag/AgCl)の電位を 1分間印加した。こ
れにより、電極表面に形成された核酸プローブ単分子層
の配向を核酸プローブがハイブリダイゼーションし易い
ように制御すると共に、電極表面にチオール基を介さず
に非特異的に吸着した核酸プローブを脱離させた。な
お、核酸プローブの配向を制御しない電極も併せて作製
し、配向を制御した電極との比較に用いた。
【0033】これとは別に、サンプルDNAとして、プ
ラスミドpUC119 のPstI断片に発癌遺伝子v−m
ycの一部( 1.5Kbp)を導入したプラスミドpVM
623を作製し、さらにファージM13KO7 を用いて一本
鎖の環状pVM623 を作製した。また、v−mycの一
部を導入することなくファージM13KO7 で一本鎖にし
ただけの環状pUC119 も作製し、コントロールとして
実験に用いた。
【0034】これらのサンプルDNAを各々 2XSSC
溶液に溶解し、この溶液中に上記電極を挿入して40℃で
1時間ハイブリダイゼーション反応を行なった。反応終
了後、電極を二本鎖DNAに選択的に結合するヘキスト
33258 (ヘキスト社製)の溶液(10μM)に浸漬し、25
℃で 5分間反応させた。その後、電極を洗浄し、ボルタ
ンメトリーを行なって電極表面上に存在するヘキスト33
258 の電気化学的信号を測定した。ヘキスト33258 は電
極表面に形成されたハイブリッド(二本鎖DNA部分)
に選択的に結合しているので、ヘキスト33258 の存在
は、すなわち、サンプル中の目的遺伝子の存在を意味す
る。
【0035】電極上の核酸プローブの配向を制御した場
合の結果を図3に、制御しなかった場合の結果(対照)
を図4にそれぞれ示す。各々の図において、実線(−□
−)はサンプルDNAとしてpVM623 を用いた場合、
点線(…+…)はpUC119を用いた場合をそれぞれ表
わす。
【0036】図より明らかなように、配向制御を行なっ
た場合には、10-13 g/mlのpVM623 と反応させた
電極で信号を検出することができ、10-13 g/mlまで
pVM623 を検出することが可能であることが示され
た。一方、配向制御を行なわなかった場合には、10-11
g/mlまでのpVM623 が検出可能であるにすぎなか
った。したがって、核酸プローブの配向をハイブリダイ
ゼーション反応の進行が容易になるように制御した電極
を用いることにより、遺伝子の検出をより高感度に行な
うことが可能となる。 実施例6 ペプチド固定化電極の配向制御 ペプチドシンセサイザーを用いて、Lys-Lys-Lys-Lys-Ly
s-Cys を合成した。
【0037】これとは別に、金電極表面をアルミナ(0.
05μm)で鏡面研磨した後、 1N硫酸溶液中でサイクリ
ックボルタンメトリーを行ない(掃引速度; 1V/
s)、電極表面の不純物を除去した。
【0038】次に、上記ペプチド溶液中に表面研磨した
金電極を浸漬し、30℃で 3時間固定化反応を行なった。
反応後、金電極を取り出し、未反応のペプチドを水で洗
浄除去した後、 1mMのフェロイン溶液中に電極を挿入
した。溶液中で自然電位を測定したところ、電極表面は
プラスに帯電しており(1000mV)、静電気的な相互作
用により、ペプチドが一定方向に配向し、均一な薄膜が
形成された。実施例7 ペプチド固定化電極の配向制御 ペプチドシンセサイザーを用いて、Lys-Lys-Lys-Lys-Ly
s-Cys を合成した。
【0039】これとは別に、ニッケル電極表面をアルミ
ナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、エタノールおよび水
中で超音波洗浄した。次に、上記ペプチド溶液中に表面
研磨したニッケル電極を浸漬し、30℃で 3時間固定化反
応を行なった。反応後、ニッケル電極を取り出し、未反
応のペプチドを水で洗浄除去した後、 1/15Mリン酸緩
衝液(pH 7.0)に挿入して自然電位を測定した。その
結果、電極表面はプラスに帯電していることが示され
( 200mV)、静電気的な相互作用により、ペプチドが
一定方向に配向して均一な膜が形成された。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明の製造方法によ
ると、分子が均一に配向制御された薄膜を容易に、かつ
効率よく製造することが可能となる。
【0041】また、この製造方法により作製された配向
制御薄膜は、特に、特願平 3-241315 号、特願平 4-242
397 号等に記載される遺伝子センサーに用いた場合によ
り高感度の遺伝子検出を可能とし、非常に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】DNAの固定化を 100℃で行なった電極、並び
に 4℃で行なった電極を用いたFe(CN)6 3-4-
サイクリックボルタムグラムを示す図。
【図2】DNAの固定化後、マイナス電位を印加する前
の電極と印加した後の電極とを用いたFe(CN)6 3-
4-のサイクリックボルタムグラムを示す図。
【図3】この発明の配向制御薄膜を利用した遺伝子セン
サーを使用する遺伝子検出法における、サンプルDNA
の濃度と検出される電流値との関係を示す図。
【図4】従来の遺伝子センサーを使用する遺伝子検出法
における、サンプルDNAの濃度と検出される電流値と
の関係を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性を有する分子を担体表面に固定し、
    該担体表面を帯電した状態に保つことを具備する配向制
    御薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 極性を有する分子からなり、かつ該分子
    が、表面が帯電した状態に維持される担体の表面に固定
    化されていることを特徴とする配向制御薄膜。
  3. 【請求項3】 前記分子がDNA分子であり、かつ前記
    担体が金電極であって、該金電極表面がマイナスに帯電
    していることを特徴とする請求項2記載の配向制御薄
    膜。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT410805B (de) * 2001-05-29 2003-08-25 Sleytr Uwe B Verfahren zum erzeugen einer schicht funktioneller moleküle
EP1431244A4 (en) * 2001-11-08 2004-08-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd MICROGRAIN FILM AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME

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