JP3563419B2 - 配向制御薄膜の製造方法および配向制御薄膜 - Google Patents

配向制御薄膜の製造方法および配向制御薄膜 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、配向が制御された機能性薄膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機能性薄膜の研究が盛んに行なわれており、その製造方法としてはLB膜法およびセルフアッセンブリー(自己配向)法が代表的な手段となっている。
【0003】
セルフアッセンブリー法のうち、金表面に機能性有機薄膜を形成する方法として、チオール基を有する分子を用いて金表面に固定化する方法が知られている。この方法は、金表面にチオール基を有する分子を配位結合で固定化し、セルフアッセンブリーにより薄膜を形成させるものであるが、その均一な配向性を制御するために、従来、固定化反応は低温(室温以下、例えば 4℃)で長時間(24時間以上)かけて行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
固定化反応、例えば、上述の薄膜形成法における金と硫黄原子との結合反応のみを見た場合には、高温で反応させたほうが効率は高い。しかしながら、高温で反応を行なうと、セルフアッセンブリーによる配向性が乱れ、均一な機能性薄膜の形成が困難になる。これは、全てのセルフアッセンブリー法について言えることである。
したがって、この発明は、短時間で、効率よく分子を均一に配向制御して薄膜化することが可能な方法を提供することを目的とする。
また、上記方法により作製された配向制御薄膜もこの発明の範囲に含まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明者らは、鋭意研究の結果、固定化反応は効率の高い高温で行ない、その後配向の制御を静電的な相互作用を利用して行なうことにより上記課題を解決できることを見出し、この発明を完成するに至った。
すなわち、この発明による配向制御薄膜の製造方法は、極性を有する分子を担体表面に固定し、この担体表面を帯電した状態に保つことを特徴とする。
【0006】
また、この発明による配向制御薄膜は、極性を有する分子からなり、かつこの分子が、表面が帯電した状態に維持される担体の表面に固定化されていることを特徴とする。
以下、この発明を詳細に説明する。
【0007】
この発明の方法において、配向制御薄膜を形成させるために用いられる担体は表面がマイナスもしくはプラスに帯電しているか、または帯電可能である材料であれば特に限定されるものではない。このような担体材料には、高分子、金属、セラミックス、カーボン等が含まれ、例えば、カーボン、金、銀、鉄、銅、ニッケル、プラチナ、パラジウムのような電極材料、または、シリコン、ガリウムのような半導体材料を挙げることができる。さらに、無機および有機物質の複合材料を担体として用いることもできる。
【0008】
この発明の方法において、薄膜を構成する分子は極性を有するものであれば特に限定されるものではなく、ポリマー、オリゴマーもしくはモノマーのいずれであってもよい。この発明の製造方法に用いることができる分子としては、一本鎖もしくは二本鎖のDNA、RNA、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル等の核酸塩基、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン等のヌクレオシド、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、酵素、抗体等の天然もしくは人工の生体高分子を挙げることができる。この発明に用いられる有機高分子は、分子中に担体への固定化反応に利用可能である反応性の官能基を有することが好ましい。
【0009】
この発明の方法において、担体表面に分子を固定化する方法は特に限定されるものでなく、通常用いられる方法をそのまま利用することができる。固定化法の例としては、シランカプラー、カルボジイミド等の架橋剤を介した共有結合、金、銀もしくはニッケルと硫黄原子との組み合わせに見られる配位結合、化学もしくは物理吸着、イオン結合、水素結合を挙げることができる。
【0010】
この発明の方法においては、担体表面を帯電した状態に保つことにより担体表面上に固定された分子を配向させる。担体表面を帯電した状態に保つ方法としては、担体が金属等の導体である場合には、例えば、分子が固定化された面と対向する位置に電極(対極)を配置し、担体と電極の間に電位を印加すればよい。この際通常は、分子が有する極性と担体上に生じる極性とが反対になるように電位を印加する。これにより、担体表面上に固定された分子が担体と電極との間に形成される電場の力線に沿って配向する。
【0011】
また、担体がセラミックス等の絶縁体である場合には、導電性材料を表面に被覆する、導電性材料を絶縁体中に分散させる等、絶縁体および導電体をハイブリッド化し、上述の導体の担体の場合と同様に、担体と対極間に電位を印加すればよい。
【0012】
また、担体表面が予め帯電している材料を用いることで、電位を印加するなどの特別な処理を施すことなく、配向を制御することが可能である。例えば、pH中性付近で、パラジウム、ニッケル、プラチナ、グラシーカーボン等の材料はプラスに帯電している。したがって、担体表面と逆の極性を有する分子(担体表面がプラスに帯電している場合にはマイナスの極性を有する分子、担体表面がマイナスに帯電している場合にはプラスの極性を有する分子)を固定化するだけで、簡単に一定方向に分子の配向を制御することができる。
【0013】
さらに、一定の酸化還元電位を示す溶液中(例えば、酸化還元指示薬の溶液)に浸漬することにより、担体表面の電位を制御し、固定化されている分子の配向性を制御することが可能である。例えば、フェロインの溶液中に浸漬することで、担体表面電位を約+ 1Vに制御することができ、インジゴトリスルホン酸溶液中では約− 0.1Vに制御できる。ここで用いる酸化還元指示薬は特に限定されるものではない。
【0014】
この発明の方法を、チオール基を末端に導入したDNAを金電極表面に固定化する場合を例にとり、さらに詳細に説明する。まず、チオール基を導入したDNA溶液中に表面研磨した金電極を浸漬し、 100℃程度の温度でDNAの固定化反応を行なう。このように高温で反応を行なうことにより反応効率が向上する。反応後、金電極を溶液から取り出し、未反応のDNAを水等の洗浄液で洗浄する。次に、このDNA固定化電極を電解質中に挿入し、さらに陰極としてのプラチナ電極、参照極としての銀/塩化銀電極を電解質中に浸漬して、DNA固定化電極とプラチナ電極との間にマイナスの電位を所定の時間印加する。これにより、DNAは一定方向に配向し、均一な薄膜が形成される。なお、陰極(プラチナ電極)の位置、すなわち電場の方向を変化させることにより、配向の方向を制御することも可能である。
【0015】
上述の方法により作製される配向制御薄膜は、極性を有する分子からなり、かつこの分子が、表面が帯電した状態に維持される担体の表面に固定化されている。したがって、担体表面が分子の極性と同じ極性を帯びている場合には、互いに反発して分子が担体表面上に直立した状態に配向する。逆に、担体表面が分子の極性と反対の極性を帯びている場合には、分子は担体に引き付けられて寝た状態に配向する。また、上述のように、担体が金属等の導体である場合には、他方の電極を配置する位置により分子の配向の方向を制御することが可能となる。
【0016】
この発明の方法により作製される配向制御薄膜の利用分野は特に限定されるものではない。例えば、ディスプレイ、光シャッター、偏光板等に用いることができる。また、特に、特願平 3−241315 号、特願平 4−242397 号等に記載される遺伝子センサーに好適に用いることができる。この遺伝子センサーは、電極等の担体上に核酸プローブが固定化されたものであり、核酸プローブと目的遺伝子とのハイブリダイゼーション反応の有無を担体を介して検出するものである。したがって、この遺伝子センサーでは、核酸プローブは直立に近い形で固定化されているほうがハイブリダイゼーションの効率が上がり好ましい。しかしながら、通常核酸はマイナスに帯電しており、一方、例えば金電極はプラスに帯電しているため、核酸プローブは電極表面上に寝た状態となりハイブリダイゼーションの効率が下がる。
【0017】
この発明の配向制御薄膜の製造方法を適用することにより上記問題を解決することができる。すなわち、上述のように、金電極に核酸プローブ(DNA)を固定化した後、電極に電位を印加して金電極表面をマイナスに帯電させることにより、核酸プローブを任意の方向に配向させることができる。これにより、目的遺伝子と核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応が生じ易くなり、ハイブリダイゼーションの効率が向上する。
【0018】
【実施例】
【0019】
実施例1 DNA固定化電極
まず、金電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、 1N硫酸溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行ない(掃引速度; 1V/s)、電極表面の不純物を除去した。次いで、チオール基を導入したDNAの溶液中に表面研磨した金電極を浸漬し、金電極へのDNAの固定化反応を 4℃および 100℃のそれぞれの温度で24時間行なった。
【0020】
反応後、金電極をDNA溶液から取り出し、未反応のDNAを水で洗浄除去した。次いで、この電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰極、銀/塩化銀電極を参照極として用いてFe(CN) 3−4−のサイクリックボルタンメトリーを行なった。その結果を図1に示す。図1において、曲線aが 100℃で24時間固定化を行なった場合、曲線bが 4℃で24時間固定化を行なった場合の結果である。
【0021】
図1より明らかなように、Fe(CN) 3−4−の酸化還元電流値は、 100℃で固定化を行なった電極のほうが 4℃で固定化を行なった電極よりも低い。これは、 4℃で固定化を行なった電極よりも 100℃で固定化を行なった電極の表面により多くのDNAが固定化されていることを示している。
【0022】
実施例2 DNA固定化電極の配向制御
まず、金電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、 1N硫酸溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行ない(掃引速度; 1V/s)、電極表面の不純物を除去した。次いで、チオール基を導入したDNAの溶液中に表面研磨した金電極を浸漬し、金電極へのDNAの固定化反応を 100℃で 1時間行なった。
【0023】
反応後、金電極をDNA溶液から取り出し、未反応のDNAを水で洗浄除去した。次いで、電極表面に固定化されたDNAの配向を制御するために、この電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰極、銀/塩化銀電極を参照極として用いてマイナスの電位(−500mV)を 1分間印加した。
【0024】
マイナス電位を印加する前後の金電極をそれぞれ用いたFe(CN) 3−4−のサイクリックボルタンメトリーの結果を図2に示す。図2において、曲線aがマイナス電位を印加する前の電極を用いた場合、曲線bがマイナス電位を印加した後の電極を用いた場合の結果をそれぞれ表わす。
【0025】
図2より明らかなように、マイナス電位を印加した後の電極でFe(CN)3−4−の酸化還元電流値が減少している。これは、マイナス電位を印加することにより、電極表面のDNAが一定方向に配向して均一な薄膜が形成されていることを示している。すなわち、金電極にマイナス電位を印加することにより、電極表面のDNAの配向を制御することが可能である。
【0026】
実施例3 ペプチド固定化電極の配向制御
まず、ペプチドシンセサイザーを用いて、Lys−Lys−Lsy−Lys−Lys−Cys を合成した。これとは別に、金電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、 1N硫酸溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行ない(掃引速度; 1V/s)、電極表面の不純物を除去した。次いで、上で調製したペプチドの溶液中に表面研磨した金電極を浸漬し、金電極へのペプチドの固定化反応を30℃で 3時間行なった。
【0027】
反応後、金電極をペプチド溶液から取り出し、未反応のペプチドを水で洗浄除去した。次いで、電極表面に固定化されたペプチドの配向を制御するために、この電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰極、銀/塩化銀電極を参照極として用いてプラスの電位( 500mV)を 1分間印加した。
【0028】
プラス電位を印加する前後の金電極をそれぞれ用いたFe(CN) 3−4−のサイクリックボルタンメトリーの結果、プラス電位を印加した後の電極でFe(CN) 3−4−の酸化還元電流値が減少していることが明らかとなった。これは、プラス電位を印加することにより、電極表面のペプチドが一定方向に配向して均一な薄膜が形成されることを示している。すなわち、金電極にプラス電位を印加することにより、電極表面のペプチドの配向を制御することが可能である。
実施例4 ポリリシン固定化電極の配向制御
【0029】
まず、ベーサルプレインパイロリティックグラファイト(BPG)電極の表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨し、表面をエタノールで洗浄した。次に、この電極を熱濃硝酸で処理し、電極表面を酸化した。次いで、この電極を、γ− アミノプロピルトリエトキシシランのトルエン溶液中に浸漬し、電極表面をアミノ基で修飾した。この電極を 1%グルタルアルデヒドで処理した後、ポリ− L− リシン(分子量6000)の溶液中に浸漬してポリリシン固定化電極を作製した。
【0030】
電極表面に固定化されたポリリシンの配向を制御するために、この電極を電解質中に挿入し、プラチナ電極を陰極、銀/塩化銀電極を参照極として用いてプラスの電位( 500mV)を 1分間印加した。
【0031】
プラス電位を印加する前後のBPG電極をそれぞれ用いたFe(CN) 3−4−のサイクリックボルタンメトリーの結果、プラス電位を印加した後の電極でFe(CN) 3−4−の酸化還元電流値が減少していることが明らかとなった。これは、プラス電位を印加することにより、電極表面のポリリシンの配向が一定方向に配向して均一な薄膜が形成されることを示している。すなわち、BPG電極にプラス電位を印加することにより、電極表面のポリリシンの配向を制御することが可能である。
【0032】
実施例5 核酸プローブ固定化電極を用いた遺伝子の検出
発癌遺伝子v−mycが有する塩基配列の一部に相補的な配列を有する20 merのオリゴヌクレオチドを核酸プローブとして合成し、その5’末端にチオール基を導入した。次いで、このオリゴヌクレオチドの溶液中に、上記実施例1と同様にして鏡面研磨した金電極を浸漬し、 100℃で24時間反応させた。反応後、この電極を 100℃の水浴中で 1分間煮沸し、電極表面にチオール基を介さずに非特異的に吸着しているプローブを洗浄した。次に、この電極を作用極とし、対極に白金電極、参照極に銀/塩化銀電極を用いて、 1/15Mリン酸緩衝液中で−500mV(v.s.Ag/AgCl)の電位を 1分間印加した。これにより、電極表面に形成された核酸プローブ単分子層の配向を核酸プローブがハイブリダイゼーションし易いように制御すると共に、電極表面にチオール基を介さずに非特異的に吸着した核酸プローブを脱離させた。なお、核酸プローブの配向を制御しない電極も併せて作製し、配向を制御した電極との比較に用いた。
【0033】
これとは別に、サンプルDNAとして、プラスミドpUC119 のPstI断片に発癌遺伝子v−mycの一部( 1.5Kbp)を導入したプラスミドpVM623 を作製し、さらにファージM13KO7 を用いて一本鎖の環状pVM623 を作製した。また、v−mycの一部を導入することなくファージM13KO7 で一本鎖にしただけの環状pUC119 も作製し、コントロールとして実験に用いた。
【0034】
これらのサンプルDNAを各々 2XSSC溶液に溶解し、この溶液中に上記電極を挿入して40℃で 1時間ハイブリダイゼーション反応を行なった。反応終了後、電極を二本鎖DNAに選択的に結合するヘキスト33258 (ヘキスト社製)の溶液(10μM)に浸漬し、25℃で 5分間反応させた。その後、電極を洗浄し、ボルタンメトリーを行なって電極表面上に存在するヘキスト33258 の電気化学的信号を測定した。ヘキスト33258 は電極表面に形成されたハイブリッド(二本鎖DNA部分)に選択的に結合しているので、ヘキスト33258 の存在は、すなわち、サンプル中の目的遺伝子の存在を意味する。
【0035】
電極上の核酸プローブの配向を制御した場合の結果を図3に、制御しなかった場合の結果(対照)を図4にそれぞれ示す。各々の図において、実線(−□−)はサンプルDNAとしてpVM623 を用いた場合、点線(…+…)はpUC119 を用いた場合をそれぞれ表わす。
【0036】
図より明らかなように、配向制御を行なった場合には、10−13 g/mlのpVM623 と反応させた電極で信号を検出することができ、10−13 g/mlまでpVM623 を検出することが可能であることが示された。一方、配向制御を行なわなかった場合には、10−11 g/mlまでのpVM623 が検出可能であるにすぎなかった。したがって、核酸プローブの配向をハイブリダイゼーション反応の進行が容易になるように制御した電極を用いることにより、遺伝子の検出をより高感度に行なうことが可能となる。
実施例6 ペプチド固定化電極の配向制御
ペプチドシンセサイザーを用いて、Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Cys を合成した。
【0037】
これとは別に、金電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、 1N硫酸溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行ない(掃引速度; 1V/s)、電極表面の不純物を除去した。
【0038】
次に、上記ペプチド溶液中に表面研磨した金電極を浸漬し、30℃で 3時間固定化反応を行なった。反応後、金電極を取り出し、未反応のペプチドを水で洗浄除去した後、 1mMのフェロイン溶液中に電極を挿入した。溶液中で自然電位を測定したところ、電極表面はプラスに帯電しており(1000mV)、静電気的な相互作用により、ペプチドが一定方向に配向し、均一な薄膜が形成された。
実施例7 ペプチド固定化電極の配向制御
ペプチドシンセサイザーを用いて、Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Cys を合成した。
【0039】
これとは別に、ニッケル電極表面をアルミナ(0.05μm)で鏡面研磨した後、エタノールおよび水中で超音波洗浄した。次に、上記ペプチド溶液中に表面研磨したニッケル電極を浸漬し、30℃で 3時間固定化反応を行なった。反応後、ニッケル電極を取り出し、未反応のペプチドを水で洗浄除去した後、 1/15Mリン酸緩衝液(pH 7.0)に挿入して自然電位を測定した。その結果、電極表面はプラスに帯電していることが示され( 200mV)、静電気的な相互作用により、ペプチドが一定方向に配向して均一な膜が形成された。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明の製造方法によると、分子が均一に配向制御された薄膜を容易に、かつ効率よく製造することが可能となる。
【0041】
また、この製造方法により作製された配向制御薄膜は、特に、特願平 3−241315 号、特願平 4−242397 号等に記載される遺伝子センサーに用いた場合により高感度の遺伝子検出を可能とし、非常に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】DNAの固定化を 100℃で行なった電極、並びに 4℃で行なった電極を用いたFe(CN) 3−4−のサイクリックボルタムグラムを示す図。
【図2】DNAの固定化後、マイナス電位を印加する前の電極と印加した後の電極とを用いたFe(CN) 3−4−のサイクリックボルタムグラムを示す図。
【図3】この発明の配向制御薄膜を利用した遺伝子センサーを使用する遺伝子検出法における、サンプルDNAの濃度と検出される電流値との関係を示す図。
【図4】従来の遺伝子センサーを使用する遺伝子検出法における、サンプルDNAの濃度と検出される電流値との関係を示す図。

Claims (10)

  1. 極性を有する生体高分子が担体表面に固定された生体高分子固定化担体の製造方法であって、
    極性を有する生体高分子を担体の表面に固定する工程と、
    該生体高分子が固定された担体に電圧を印加する工程と、
    を具備する生体高分子固定化担体の製造方法。
  2. 前記生体高分子は核酸またはペプチドである、請求項1に記載の生体高分子固定化担体の製造方法。
  3. 前記生体高分子はDNAまたはRNAである、請求項2に記載の生体高分子固定化担体の製造方法。
  4. 前記担体には、前記生体高分子が有する極性と逆の電位が印加される、請求項1〜3の何れか一項に記載の生体高分子固定化担体の製造方法。
  5. 前記担体には、前記生体高分子が有する極性と同一の電位が印加される、請求項1〜3の何れか一項に記載の生体高分子固定化担体の製造方法。
  6. 前記担体は金電極であり、且つ前記極性を有する生体高分子は核酸分子であって、該金電極にはマイナスの電位が印加されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の生体高分子固定化担体の製造方法。
  7. 前記極性を有する生体高分子を担体の表面に固定する工程は、極性を有する生体高分子が含まれる溶液中に担体を浸漬して反応させて行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の生体高分子固定化担体の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の方法によって製造された生体高分子固定化担体。
  9. 試料溶液中に含まれる標的物質を検出する方法であって、
    前記標的物質と特異的に反応する生体高分子が固定された、請求項8に記載の生体高分子固定化担体を準備する工程と、
    該生体高分子固定化担体に固定された生体高分子と前記標的物質を含有する可能性のある試料溶液とを反応させる工程と、
    該反応結果に基づいて、前記試料中に前記標的物質が存在するかどうかを判定する工程と、
    を具備する、標的物質の検出方法。
  10. 前記標的物質は核酸であり、前記担体に固定される生体高分子は核酸プローブである、請求項9に記載の標的物質の検出方法。
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