JPH06256722A - 漆液の精製装置 - Google Patents

漆液の精製装置

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JPH06256722A
JPH06256722A JP31455892A JP31455892A JPH06256722A JP H06256722 A JPH06256722 A JP H06256722A JP 31455892 A JP31455892 A JP 31455892A JP 31455892 A JP31455892 A JP 31455892A JP H06256722 A JPH06256722 A JP H06256722A
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勇介 高橋
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繁 安永
Eiichi Omori
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 職人の長年の経験と勘に頼らなくても、精製
加工が終了する時点の判別を確実に行ない、容易に漆液
の精製を行なうことができるようにする。 【構成】 漆の原液を容器1に入れ装置を作動させる
と、モータ10が作動して攪拌羽4を回転させ漆液Wを
攪拌するとともに、ヒータ12により加温する。また、
漆液Wの制御器20の温度比較手段が温度設定手段に設
定された設定温度と温度センサ15が検知した検知温度
とを比較し、温度比較手段の比較結果に基づいて温度制
御手段が検知温度が設定温度になるようにヒータ12の
加温温度を制御している。この処理過程において、漆液
Wの精製が進むと、ある時点で、漆液Wが急に変態し、
漆液自身の発熱により温度の急上昇が見られる。この漆
液Wの変態時の温度を温度センサ15が検知すると、変
態温度判断手段が変態温度になったと判断し、これによ
り、停止手段によってモータ10及びヒータ15の作動
が停止させられ、攪拌及び加温が停止させられ、精製加
工が終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漆の原液(生漆:きう
るし)を精製して、塗布可能な漆液製品にするための漆
液の精製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、漆液の精製加工は、平滑かつ光
沢のある塗膜を得るために、刷毛塗りに適した塗料とし
ての特性を漆液に付与することを主たる目的として行な
う。採取しただけの生漆では、粘性が高く成分も不均一
なので、刷毛塗りには適さない。
【0003】精製加工はナヤシ処理とクロメ処理と呼ば
れる2工程からなり、ナヤシ処理は生漆を攪拌し、漆液
の成分を均一にするために行なう。一方、クロメ処理は
攪拌と同時に、漆液を加温し、漆液の水分を蒸発させ、
漆液を塗装した際に延びを良くするために行なう。
【0004】従来、このような漆の精製は、漆の原液を
容器に入れ、自動で攪拌するとともに、加熱して行なっ
ていた。この漆液の精製にあっては、職人の長年の経験
と勘とで行なわれている。漆液は、その成分中の酵素を
触媒とする酸化重合反応によって塗膜を形成するが、高
い温度の付与、酵素が溶解している漆液中の水分の減少
等の要因で、酵素の活性化が阻害されると、乾燥効果が
でない。そのため、漆液の精製加工では、加熱により水
分を減少させるが、その度合いの調整には高度の技術が
要求される。現在この調整技術は、長年に亘って継承さ
れた伝統技法によって行なわれており、調整の判断は精
製加工における色の変化、攪拌によって生じる泡の大き
さ、漆液の透明度等の目視作業によって行なわれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の漆液の精製にあっては、職人の長年の経験と勘とで
行なわれているので、それだけ、作業が煩雑であり、ま
た完成する製品にも個人差が生じ、均一な製品になりに
くいという問題があった。特に、精製加工が終了する時
点の判別が、非常に高度な経験と知識を必要とし、通常
3〜5時間で精製加工を行なう中で、終了点の判別が1
0分でもずれると、漆液は乾燥しなくなったり、艶を損
ねる等の問題を生じ、使用の途に供することができなく
なる。このように、現在では極めて主観的な判断基準を
用いているので、漆液の精製加工技術は移転,修得が非
常に困難な状態にある。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、その課題は、職人の長年の経験と勘に頼らなく
ても、精製加工が終了する時点の判別を確実に行ない、
容易に漆液の精製を行なうことができるようにした漆液
の精製装置を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の漆液の精製装置は、漆液が入れられる
容器と、容器内に設けられ漆液を攪拌する攪拌羽と、攪
拌羽を回転駆動するためのモータと、容器内の漆液を加
温するヒータとを備えた漆液の精製装置において、漆液
の温度を検知する温度センサと、漆液の所定の精製温度
を設定する温度設定手段と、温度設定手段に設定された
設定温度と温度センサが検知した検知温度とを比較する
温度比較手段と、温度比較手段の比較結果に基づいて検
知温度が設定温度になるようにヒータの加温温度を制御
する温度制御手段と、温度センサが検知した検知温度が
漆液の変態時の変態温度になったか否かを判断する変態
温度判断手段と、変態温度判断手段が変態温度になった
と判断したとき上記モータ及びヒータの作動を停止させ
る停止手段とを備えたものである。
【0008】そして、必要に応じ、上記変態温度判断手
段は、温度センサが検知した検知温度と設定温度よりも
所定の温度高い上限温度との比較を行ない、検知温度が
上限温度になったとき変態温度になったとして上記モー
タ及びヒータの作動を停止させるための停止信号を出力
する上限比較回路で構成している。
【0009】また、漆液を加温せずに攪拌するナヤシ処
理の処理時間を設定するナヤシ処理時間設定タイマと、
ナヤシ処理時のモータの回転数を設定するナヤシ処理回
転数設定器と、ナヤシ処理後に漆液を加温しながら攪拌
するクロメ処理の処理時間を設定するクロメ処理時間設
定タイマと、クロメ処理時のモータの回転数を設定する
クロメ処理回転数設定器と、上記ナヤシ処理回転数設定
器及びクロメ処理回転数設定器で設定された回転数でモ
ータを回転させるモータコントローラとを備えたことが
有効である。
【0010】
【作用】この手段によれば、漆の原液を容器に入れ装置
を作動させると、モータが作動して攪拌羽を回転させ漆
液を攪拌するとともに、ヒータが漆液を加温する。ま
た、温度比較手段が温度設定手段に設定された設定温度
と温度センサが検知した検知温度とを比較し、温度比較
手段の比較結果に基づいて温度制御手段が検知温度が設
定温度になるようにヒータの加温温度を制御している。
この処理過程において、漆液の精製が進むと、ある時点
で、漆液が急に変態し、漆液自身の発熱により温度の急
上昇が見られる。この漆液の変態時の温度を温度センサ
が検知すると、変態温度判断手段が変態温度になったと
判断し、これにより、停止手段によってモータ及びヒー
タの作動が停止させられ、攪拌及び加温が停止させら
れ、精製加工が終了する。
【0011】ところで、漆液の変態については、本件出
願人は、精製加工実験を長年に亘って行ない、精製加工
において、一定温度を漆液に与え、漆液の温度変化の計
測を行ない、ある時点で、漆液の温度が不連続に上昇す
る点が存在することを発見した。そして、この温度変化
に粘度の変化、残存水分量の変化を重ね合わせると、漆
液の精製加工においては、温度が不連続に上昇する点で
粘度も同様に大きく変化し、その時点での残存水分量
は、略3%内外の適正なものになることを確認した。
【0012】これを伝統技法による精製加工と比較検討
した結果、伝統技法では漆液の精製終了点での現象とし
て、粘度が急激に低下すること、残存水分量が3%内外
であることが上げられており、実験で得られた温度の不
連続上昇時点が伝統技法による精製加工終了点と極めて
良く対応していることを確認した。
【0013】その結果、漆液が変態温度になった時点
で、攪拌及び加温が停止させられて得られた精製加工漆
液は、粘度が低下し残存水分量も適正になり、伝統技法
による精製加工品と同等のものとなる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例に
係る漆液の精製装置を説明する。図1乃至図3には実施
例に係る漆液の精製装置を示している。
【0015】図において、1は漆液が入れられる容器で
あって、10Kg程度の漆液Wが収容される大きさの木
製桶で形成され、ボックス状の支持台2に支持されてい
る。容器1の底壁3はステンレス等の金属板で形成され
ている。4は容器1内に設けられ漆液Wを攪拌する攪拌
羽である。この攪拌羽4は、回転軸5の上端に固定され
た半径方向に延びるアーム6に懸架されている。回転軸
5は、底壁3中央を貫通し支持台2内部に延びるととも
に、支持台2に固定され底壁3中央を貫通する軸受管7
にベアリング8を介して嵌挿されている。
【0016】10は支持台2内部に設けられ、攪拌羽4
の回転軸5をベルト電動機構11を介して回転駆動する
モータである。12は容器1の底壁3を加熱して容器1
内の漆液Wを加温する電熱ヒータであって、容器1の底
壁3下面にヒータ押え13に支持されて付設されてい
る。14はヒータ12を加熱するための出力電流を供給
する電流制御器である。電流制御器14は、コントロー
ル電流によって、例えば、図4に示すように、コントロ
ール電流と比例関係にあるヒータ出力を付与するようヒ
ータ12に電流を供給する。15は漆液Wの温度を検知
する熱電対型の温度センサである。
【0017】20は支持台2前部に設けられた制御器で
ある。制御器20において、21は漆液Wを加温せずに
攪拌するナヤシ処理の処理時間を設定するナヤシ処理時
間設定タイマ、22はナヤシ処理時のモータ10の回転
数を設定するナヤシ処理回転数設定器である。また、2
3はナヤシ処理後に漆液Wを加温しながら攪拌する第一
のクロメ処理の処理時間を設定する第一クロメ処理時間
設定タイマ、24は第一のクロメ処理時のモータ10の
回転数を設定する第一クロメ処理回転数設定器、25は
第一のクロメ処理後に漆液Wを加温しながら攪拌する第
二のクロメ処理の処理時間を設定する第二クロメ処理時
間設定タイマ、26は第二のクロメ処理時のモータ10
の回転数を設定する第二クロメ処理回転数設定器であ
る。
【0018】27は上記ナヤシ処理回転数設定器22及
びクロメ処理回転数設定器24,26で設定された回転
数でモータ10を回転させるモータコントローラであ
る。28は回転軸5の回転を検出するエンコーダ29か
らの信号により攪拌羽4の回転数を表示する回転数表示
部である。
【0019】また、制御器20は、漆液Wの温度調整を
する温度調整部30を備えている。温度調整部30は、
漆液Wの所定の精製温度を設定する温度設定手段を備え
ており、これは、設定温度を入力する設定キー31、入
力されたデータをD−A変換するD−A変換器32、D
−A変換器32で変換されたデータを記憶するROM3
3から構成されている。
【0020】また、温度調整部30は、温度センサ15
からの入力信号を所定の信号に変換する入力変換回路3
4、入力変換回路34からの入力信号を増幅する増幅回
路35を備えている。36は上記ROM33に記憶され
た設定温度と増幅回路35から出力される温度センサ1
5が検知した検知温度とを比較する温度比較手段として
の温度比較回路である。37は温度比較回路36の比較
結果に基づいて検知温度が設定温度になるようにヒータ
12の加温温度を制御する温度制御手段であり、上述し
た図4に示す範囲のコントロール電流を電流制御器14
に出力するコントロール電流出力回路で構成されてい
る。
【0021】更に、温度調整部30は、温度センサ15
が検知した検知温度が漆液Wの変態時の変態温度になっ
たか否かを判断する変態温度判断手段を備えている。こ
れは、温度センサ15が検知した検知温度と設定温度よ
りも所定の温度高い上限温度との比較を行ない、検知温
度が上限温度になったとき変態温度になったとして上記
モータ10及びヒータ12の作動を停止させるための停
止信号を出力する上限比較回路40で構成されている。
上限比較回路40では、所定の温度を、例えば、+2℃
と予め設定することで、上限温度を得る。41は上限比
較回路40から出力された停止信号に基づいて作動する
リレー、42はリレーの作動によりオンして上記電流制
御器14及びモータコントローラ27に終了接点信号を
送出するスイッチである。そして、上記電流制御器14
及びモータコントローラ27には、終了接111点信号
を受けてモータ10及びヒータ12の作動を停止させる
停止機能が備えられている。
【0022】次に、この漆液の精製装置の作用について
説明する。先ず、予め、ナヤシ処理時間設定タイマ21
にナヤシ処理時間を設定し、ナヤシ処理回転数設定器2
2にナヤシ処理時のモータ10の回転数を設定する。ま
た、第一及び第二クロメ処理時間設定タイマ23,25
にナヤシ処理後に漆液Wを加温しながら攪拌する第一及
び第二のクロメ処理の処理時間を設定するとともに、第
一及び第二クロメ処理回転数設定器24,26に第一及
び第二のクロメ処理時のモータ10の回転数を設定す
る。回転数の設定は、例えば、モータ10を空回転させ
回転数表示部28を見ながら設定するようにすれば、正
確な回転数を設定できる。
【0023】更に、設定キー31に漆液Wの所定の精製
温度を設定する。例えば、設定温度を42℃とする。ま
た、上限比較回路40において、予め所定の温度を+2
℃と設定し、検知温度と比較する上限温度が、設定温度
よりも所定の温度(2℃)高い温度44℃となるように
しておく。この温度設定は、例えば、図5の特性グラフ
により決定したものである。この特性グラフは、漆液を
その温度が45℃になるようにを常時加温して攪拌した
ときの漆液の温度,水分,粘度の変化を測定したグラフ
である。グラフから分かるように、漆液の温度が42℃
から44℃に急に変化する点Hがあり、この結果から4
4℃を変態温度としている。
【0024】この状態において、漆の原液を容器1に入
れ装置を作動させると、まず、ナヤシ処理時間設定タイ
マ21に設定されたナヤシ処理時間、ナヤシ処理回転数
設定器22に設定された回転数で、漆液Wが攪拌され
る。この場合、ヒータ12は作動しないので、常温で攪
拌される。これにより、漆液Wの成分が均一化される。
【0025】ナヤシ処理時間設定タイマ21に設定され
たナヤシ処理時間が終了すると、今度は、ヒータ12が
作動するとともに、第一クロメ処理時間設定タイマ23
に設定された第一のクロメ処理の処理時間、第一クロメ
処理回転数設定器24に設定された回転数で、漆液Wが
攪拌される。更に、第一クロメ処理時間設定タイマ23
に設定された第一のクロメ処理の処理時間が終了する
と、第二クロメ処理時間設定タイマ25に設定された第
二のクロメ処理の処理時間、第二クロメ処理回転数設定
器26に設定された回転数で、漆液Wが攪拌される。こ
れにより、漆液Wが加温され、漆液Wの水分が蒸発して
いく。
【0026】このクロメ処理においては、温度比較回路
36がROM33に記憶された設定温度と増幅回路35
から出力される温度センサ15が検知した検知温度とを
比較し、この温度比較回路36の比較結果に基づいてコ
ントロール電流出力回路37がヒータ12の加温温度を
制御するコントロール電流を電流制御器14に出力して
おり、これにより電流制御器14の出力が調整されてヒ
ータ12の発熱が調整され、漆液Wが42℃になったな
らばこの温度で定常になるように調整される。
【0027】また、この場合、回転数を二段階に変えて
行なうので、例えば、42℃まで上昇するまでは、比較
的高速回転で攪拌し、42℃の定常状態になったなら
ば、比較的低速の回転に切り替えることができ、温度上
昇に合わせた回転数設定ができるので、それだけ効率が
良くなる。
【0028】更に、このクロメ処理の過程において、図
5の特性グラフに示すように、漆液の精製が進むと、あ
る時点で、漆液が急に変態し、漆液自身の発熱により温
度の急上昇が見られる。上限比較回路40は、温度セン
サ15が検知した検知温度と設定温度(42℃)よりも
所定の温度高い上限温度(44℃)との比較を行なって
おり、温度の急上昇があったとき、即ち、検知温度が上
限温度(44℃)になったとき変態温度になったとして
上記モータ10及びヒータ12の作動を停止させるため
の停止信号を出力する。これにより、リレー41が作動
しスイッチ42がオンして上記電流制御器14及びモー
タコントローラ27に終了接点信号を送出し、電流制御
器14及びモータコントローラ27は終了接点信号を受
けてモータ10及びヒータ12の作動を停止させ、攪拌
羽4の攪拌とヒータ12による加温を停止させ、精製を
終了する。その後、自然冷却し製品とする。あるいは、
再びナヤシ処理を行ない、製品とする。
【0029】この製品は、精製終了点を温度が不連続上
昇して変態温度となる時点としており、この変態温度に
変化する時点は、図5の特性グラフに示すように、粘度
が急激に低下し、残存水分量が3%内外になる。これ
は、伝統技法による精製加工終了点と極めて良く対応し
ている。また、加工された漆液Wについて、塗料として
の特性を伝統技法による精製漆と比較し、塗料として同
様の満足できる性能を有していることも確認した。その
ため、従来の職人が精製する製品と同様、塗布性や乾燥
性の良い製品とすることができ、職人の長年の経験と勘
に頼らなくても、精製加工が終了する時点の判別を確実
に行ない、容易に漆液Wの精製を行なうことができる。
【0030】尚、上記実施例において、設定温度を42
℃とし、上限温度を2℃高い44℃としたが、必ずしも
これに限定されるものではなく、例えば、設定温度を5
0℃とし、上限温度を3℃高い53℃とする等、適宜変
更して差し支えない。この設定温度は、実験によると、
40℃〜55℃の範囲にすることが望ましく、この範囲
では、漆液Wの変態によって、漆液W自身の発熱により
2℃程度の急上昇が見られる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の漆液の精
製装置によれば、漆液が変態温度になったとき加温及び
攪拌を停止するので、変態温度になったときの漆液は、
粘度が低下し、残存水分量も適正なことから、従来の職
人が精製する塗布性や乾燥性の良い製品と同等のものを
得ることができる。また、漆液が変態温度になったとき
加温及び攪拌を停止するので、調整の判断を精製加工に
おける色の変化、攪拌によって生じる泡の大きさ、漆液
の透明度の目視作業等の職人の長年の経験と勘に頼らな
くても、精製加工が終了する時点の判別を確実に行なう
ことができ、容易に漆液の精製を行なうことができる。
その結果、反復して精製する際に、同じ品質の精製漆を
得ることができ、品質を安定化できる。また、容易に精
製することができることから、コストの低減も図ること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る漆液の精製装置を示す斜
視図である。
【図2】本発明の実施例に係る漆液の精製装置を示す断
面図である。
【図3】本発明の実施例に係る漆液の精製装置の制御器
の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例に係る電流制御器の制御を示す
グラフ図である。
【図5】漆液の精製過程の一例における漆液の特性を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
W 漆液 1 容器 2 支持台 4 攪拌羽 5 回転軸 7 軸受管 10 モータ 12 ヒータ 14 電流制御器 15 温度センサ 20 制御器 21 ナヤシ処理時間設定タイマ 22 ナヤシ処理回転数設定器 23 第一クロメ処理時間設定タイマ 24 第一クロメ処理回転数設定器 25 第二クロメ処理時間設定タイマ 26 第二クロメ処理回転数設定器 27 モータコントローラ 30 温度調整部 31 設定キー 33 ROM 36 温度比較回路 37 コントロール電流出力回路 40 上限比較回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安永 繁 青森県三戸郡南部町大字沖田面字南本村63 東森電子株式会社内 (72)発明者 大森 栄一 青森県三戸郡南部町大字沖田面字南本村63 東森電子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漆液が入れられる容器と、容器内に設け
    られ漆液を攪拌する攪拌羽と、攪拌羽を回転駆動するた
    めのモータと、容器内の漆液を加温するヒータとを備え
    た漆液の精製装置において、漆液の温度を検知する温度
    センサと、漆液の所定の精製温度を設定する温度設定手
    段と、温度設定手段に設定された設定温度と温度センサ
    が検知した検知温度とを比較する温度比較手段と、温度
    比較手段の比較結果に基づいて検知温度が設定温度にな
    るようにヒータの加温温度を制御する温度制御手段と、
    温度センサが検知した検知温度が漆液の変態時の変態温
    度になったか否かを判断する変態温度判断手段と、変態
    温度判断手段が変態温度になったと判断したとき上記モ
    ータ及びヒータの作動を停止させる停止手段とを備えた
    ことを特徴とする漆液の精製装置。
  2. 【請求項2】 上記変態温度判断手段は、温度センサが
    検知した検知温度と設定温度よりも所定の温度高い上限
    温度との比較を行ない、検知温度が上限温度になったと
    き変態温度になったとして上記モータ及びヒータの作動
    を停止させるための停止信号を出力する上限比較回路で
    構成されたことを特徴とする請求項1記載の漆液の精製
    装置。
  3. 【請求項3】 漆液を加温せずに攪拌するナヤシ処理の
    処理時間を設定するナヤシ処理時間設定タイマと、ナヤ
    シ処理時のモータの回転数を設定するナヤシ処理回転数
    設定器と、ナヤシ処理後に漆液を加温しながら攪拌する
    クロメ処理の処理時間を設定するクロメ処理時間設定タ
    イマと、クロメ処理時のモータの回転数を設定するクロ
    メ処理回転数設定器と、上記ナヤシ処理回転数設定器及
    びクロメ処理回転数設定器で設定された回転数でモータ
    を回転させるモータコントローラとを備えたことを特徴
    とする請求項1または2記載の漆液の精製装置。
JP31455892A 1992-11-25 1992-11-25 漆液の精製装置 Expired - Lifetime JPH0747712B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100347963B1 (ko) * 2000-02-18 2002-08-09 정수화 옻칠 제조 방법 및 그 제조장치
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